2016年11月21日月曜日

蓮舫氏、配偶者控除政策を批判 廃止見送りは「挫折」―【私の論評】滑稽な財務省のピエロ蓮舫氏は安倍政権の強力な応援団(゚д゚)!


蓮舫氏


民進党の蓮舫代表は10日、政府、与党の協議で配偶者控除の廃止が見送られる方向になっていることについて「安倍晋三首相は『廃止』と指示を出したはずなのに頓挫したのはやる気がない。中途半端な(見直しは)挫折だ」と批判した。さいたま市内で記者団の質問に答えた。

首相が掲げる「働き方改革」に関し「『女性の活躍』と同じでスローガンで終わるのではないか。非常に残念だ」と指摘した。【共同通信 10月10日】

【私の論評】滑稽な財務省のピエロ蓮舫氏は安倍政権の強力な応援団(゚д゚)!


ブログ冒頭の記事、先月10月10日のものです。

滑稽な財務省のピエロ蓮舫氏

配偶者控除の見直しに関しては、以前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
麻生大臣を怒らせた、佐藤慎一・財務事務次官の大ポカ―【私の論評】日本の巨大政治パワー財務省の完全敗北は意外と近い?
参院本会議で、民進党の蓮舫代表の代表質問を
聞く安倍晋三首相(左奥右)=9月28日午前


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より一部を引用します。
2017年度税制改正について、8月末から9月にかけて盛り上がった配偶者控除見直しの動きが10月上旬、一気にしぼんだ。新聞報道によると、その理由は「衆院解散風」が吹き、有権者の反発を怖れた自民、公明両党が消極的になった、とされている。 
だが、首相官邸筋によると、迷走させた張本人は財務事務次官・佐藤慎一と主税局長・星野次彦だという。 
彼らは財務省内の合意を得ないまま、与党幹部には「首相官邸の了承を得ている」とウソをつき、暴走した。それを止めたのは副総理兼財務相・麻生太郎と官房長官・菅義偉だった。
この佐藤と星野の暴走には、さすがに財務大臣である麻生氏も激怒したようです。この記事にも掲載してあるように、結局財務省案をそのまま実行すると、かえって増税になるという内容でした。その部分を以下に引用します。
一見、良さそうに見えるが、夫婦控除を受けられる世帯主の年収は「800万円~1000万円以下」。これ以上の年収を得ている人は配偶者控除がなくなっただけとなり、年間数万円、税負担が増えることになる。 
つまり、年収が少ない人にとっては減税となるものの、多い人にとっては増税となる。社会の平準化は進むが、配偶者控除を「民法上の扶養義務」ととらえるなら、これを無くすことは社会の根幹を揺るがすことになる。
蓮舫氏は、このようなことは一切無視で、まるで財務省の応援団のような発言をしていたということです。

さて、以下に配偶者控除の見直し議論に関してまとめた内容を掲載します。



配偶者控除とは、専業主婦やパートなど収入が一定額以下の配偶者がいる家庭で所得税や住民税が軽減される制度です。妻の年収が103万円以下であれば、所得税は38万円、住民税は33万円が世帯主の課税所得から引かれます。このため、控除の対象外になることを心配して、「103万円の壁」といわれるように、女性が働く時間を自ら制限してしまう現象が生じていました。

さらに、「130万円の壁」もあります。妻の年収が130万円以下の場合は、夫の扶養になり、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料など)を負担する必要はないのですが、年収130万円を超えると夫の扶養から外れ、社会保険料が自己負担になるのです。

実際には、妻の年収が103万円を超えたとたんに、配偶者控除が適用されなくなるわけではありません。妻の年収が103万円から141万円以下の場合、配偶者特別控除が適用され、段階的に控除を受けられます。ただし、夫の所得が1000万円以上ある場合には適用になりません。


こうした制度の下では、妻の年収が130万円から150万円くらいの範囲だと、家計全体での年収は増えるのに、手取りの可処分所得が少なくなってしまう恐れがあります。

これが問題だとして財務省は配偶者控除の廃止ありきとしてきました。しかし、女性の社会進出を助けるというなら、配偶者控除の金額を引き上げるのも効果的な政策のはずです。配偶者控除の拡充で多少は税収が落ちますが、女性に働いてもらって、その所得に課税して税収を増やすことも可能です。

制度見直しでは、配偶者控除の代わりに「夫婦控除」の導入が検討されていました。そうなると、所得税がこれまでの「個人課税」から、「世帯課税」の色彩を強めることになりりそうでした。これは、世帯課税から個人課税へという世界の趨勢(すうせい)に逆行するものでした

税制の比較が容易な経済協力開発機構(OECD)の主要24カ国では1970年代以降、世帯課税から個人課税に移行したのは9カ国、世帯課税から選択制への移行は2カ国、そして選択制から世帯課税に移行したのが1カ国です。

世帯課税から個人課税への流れの理由は、個人課税のほうが、課税の中立性が高いからです。たとえば、専業主婦が働こうとするとき、世帯単位課税では累進税率が効いて不利になりますが、個人課税では中立的です。

税制には、簡素、公平、中立の三大原則があるとされていますが、個人課税のほうが中立性の点で優れています。

安倍政権の取り巻きは個人単位より家族単位のほうが良いと信じているようです。財務官僚は、こうした情報をうまく利用して、個人課税から世帯課税として、結果として配偶者控除の廃止をもくろんでいる。あまりにひどい「増税指向」です。

この内容がまともでないことと、財務事務次官・佐藤慎一と主税局長・星野次彦の暴走があったからこそ、麻生財務大臣は激怒し、官房長官・菅義偉氏がこれを止めたのです。

麻生財務大臣(左)と菅官房長官(右)
さて、本日は以下のようなニュースも入ってきています。
自民税調 配偶者控除の収入上限めぐり調整へ

詳細は、この動画もしくは記事をご覧いただくものとして、以下に「配偶者控除」に関する部分のみ引用します。
自民党税制調査会は、来年度の税制改正に向けて、21日から本格的に議論を始めることにしていて、焦点の所得税の「配偶者控除」の見直しについては、控除を受けられる配偶者の収入の上限をどの程度まで引き上げるかなどをめぐって調整が行われる見通しです。

自民党の税制調査会は、来年度の税制改正に向けて、21日、総会を開き、本格的に議論を始めることにしていて、来月中旬までに税制改正大綱を取りまとめる方針です。 
議論では、配偶者の給与収入が年間で103万円以下の場合に所得税を軽減する「配偶者控除」の見直しが焦点で、税制調査会の幹部は、「女性の就労を阻害する要因になっている」として、控除を受けられる配偶者の収入の上限を引き上げる方針を確認しています。 
このため、控除を受けられる収入の上限を、どの程度まで引き上げるかや、上限を引き上げた場合、全体の税収が落ち込むことを踏まえ、世帯の所得がどの程度であれば控除の対象から外すのかをめぐって調整が行われる見通しです。
これでは、配偶者控除廃止や夫婦控除を主張していた財務省や蓮舫氏を含めた財務省の応援団が赤っ恥をかいたとも言えそうです。

それにしても、ブログ冒頭の記事、財務省の悲願である配偶者控除廃止を安倍総理がやめることにすると、民進党は財務省の味方をするという格好の実例となりました。まるで、民進党は財務省の別働隊のようです。

おそらく、財務省の官僚は、民進党の幹部のところに、ご説明資料を持って足繁く通い、自分たちの望ましいと考える、政策を民進党に何度も刷り込んでいるのでしょう。経済・金融・雇用に疎い民進党幹部らは、これらの資料を批判的に読んだり、財務官僚の話を批判的に聴くなどということもできず、単純に鵜呑みしているのでしょう。

このような民進党の代表である、蓮舫氏はまるで滑稽な財務省のピエロのようです。このような民進党と、蓮舫代表が存在する限り、安倍政権は安泰です。支持率もあがっています。これからも、民進党と蓮舫代表は、安倍政権の強力な応援団として頑張っていただきたいものです。


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2016年11月20日日曜日

韓国「反・朴槿恵」狂騒 “犯罪者は晒し者に”の社会力学とは―【私の論評】大統領による統治システムは何度も同じ間違いを繰り返した、最早個人の倫理問題ではない(゚д゚)!

韓国「反・朴槿恵」狂騒 “犯罪者は晒し者に”の社会力学とは

朴槿恵大統領の辞任を求めるデモ 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 無論、我が国でも政治家の不祥事など珍しい話ではない。とはいえ、疑惑の当事者をテレビカメラの前に吊し上げ、パワーショベルが検察庁に突っ込む狼藉ぶりを目にすると、彼の国「らしさ」を感じてしまうのは事実。これこそが李朝時代から続く「情治国家」のなせるワザなのだ。

検察庁にパショベルが突っ込んだことを伝える韓国のテレビの画面
***

 もっとも、日本人にはやり過ぎに見えても、

「以前よりだいぶマシになったと思いますよ」

 と、元時事通信ソウル特派員で『悪韓論』の著者・室谷克実氏は苦笑する。

「韓国では犯罪者を晒し者にするのは日常茶飯事。かつては殺人犯が検察に護送される時も無理やり記者会見を開かせていた。もし逃げ隠れするようなら、テレビの撮影スタッフが髪の毛を引っ掴んでカメラの前に顔を突き出したものです」

 一方、元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏によれば、

「先の大規模デモでは、デモ隊が許可されたコースを外れても警察は全く咎めなかった。それどころか、当の警察署長が“国を愛する皆さんの気持ちは十分に理解する。理性的な協力に感謝します”と、同情的な発言をして話題になりました」

 警察当局がデモ隊にエールを送るとは、さすがは「情」に厚いお国柄、と言いたいところだが、

 「韓国の情はエゴイズムと表裏一体です。子供がバスの指定席に座っていても、規定の料金を払っていない中年男性が割り込んでくる。“疲れている俺を座らせないなんて情がない”というわけです。デモにしても“俺は社会のために頑張っているのに邪魔をするのか”、と。警察や裁判所ですら、そうした“情”の世論を窺いながら動くので法治主義が根付かない」(同)

 実際、崔順実(チェスンシル)氏と同じように晒し者となった「セウォル号」の船長や「ナッツ姫」には想定外の重い罰が科せられている。

■「有銭無罪」

 さらに、韓国が法治国家になれない理由として、先の室谷氏は「有銭無罪、無銭有罪」を挙げる。

 「これは、金持ちは無罪で、貧乏人は有罪になるという司法の腐敗を嘆く言葉です。李氏朝鮮時代の貴族・両班(ヤンバン)は、庶民からカネを巻き上げても裁かれませんでした。その伝統はいまも続いている。朴大統領の要請で韓国企業が崔氏の財団に出資した疑惑も日本人が考える汚職とは異なります。何しろ、双方の利害が一致するわけではなく、単に権力者がカネを強奪しただけ。両班のやり口と変わらない」

 こうした不公平が身に染みているがゆえに、権力者の不祥事が表沙汰になると民衆の怒りは一気に燃え盛る。そして、法で裁き切れない悪人を、情で裁くというワケだ。

 「ただ、韓国ではもはや大統領のスキャンダルは5年に1度の恒例行事になっている。国民もメディアも感情に流されて政権叩きに奔走するばかりなので新政権も同じ過ちを犯す」(同)

 今回の狂騒ぶりも、“情”の国ならではの情況なのだ。

【私の論評】大統領による統治システムは何度も同じ間違いを繰り返した、最早個人の倫理問題ではない(゚д゚)!

私はこのブログに今日まで、今回の朴槿恵大統領のスキャンダルを掲載したのは一回だけです。なぜかといえば、ブログ冒頭の記事にもあるように、韓国では大統領のスキャンダルは5年に一度の恒例行事になっていたからです。

朴槿恵大統領ももちろんその例外ではなく、2018年までの任期ですから、いずれ任期が近づけは必ず何らかのスキャンダルが出てくるだろうと確信していました。ただし、2017年くらいからではないかと考えていたので、若干それよりは早いということですが、それにしてもさほど驚きはしませんでした。

ここで、過去の大統領についてふりかえっておきます。

一人目は建国の父・李承晩。12年間独裁者として君臨しましたが不正選挙で民衆の怒りを買い、ハワイへ亡命。建国した国から追われるという皮肉な結末となりました。

不正選挙を糾弾するデモ(四月革命) 
三人目は現職の朴槿恵大統領の父・朴正煕氏。側近に射殺され、妻も暗殺されるといった「裏切り」により人生の幕を閉じることとなりました。

朴正煕氏
五人目の全斗煥は光州事件の責任や不正蓄財で無期懲役の判決を受け、続く盧泰愚も懲役17年の判決を受けました。


 その後七人目の金泳三、八人目の金大中は共に親族が収賄により逮捕されています。

金泳三(左)と、金大中(右)
さらには九人目の盧武鉉。退任後、兄が収賄で逮捕され、自らにも捜査が及ぶと崖から飛び降り自殺。悲劇的な結末を迎えました。

盧武鉉氏の葬儀
竹島に上陸したことで物議を醸した十人目の李明博大統領は親族が収賄で逮捕されています。

李明博
過去10人の大統領のうち、8人の大統領がこの有様なのですから、これは異常というよりほかありません。

経営学の大家ドラッカー氏は以下のように語っています。
同じような間違いが何度も起こる場合、それは最早個人の問題でなく、システムの問題である。
ビジネスは個人的能力も大切だが、それよりもシステムを重視しなければならない。会社とは、平凡な個人に非凡な仕事をさせるシステムなのだ。
(ピーター・ドラッカー)


韓国の大統領による統治システムは、以上のように過去に同じような間違いが発生し、さらに現職の朴槿恵大統領にも間違いが発生しています。

こうなると、最早韓国の大統領による統治システムに問題があるのであって、個人の問題ではないと思われます。今後、このシステムを変えずに、朴槿恵大統領を辞任に追い込んだところで、システムが変わらない以上同じことがまた繰り返し起こることになります。

韓国の現状をみると、大統領による統治システムを変えるべきであるという声は聞いたこがありません。ただただ「朴槿恵辞任」の声が大きく聞こえるばかりです。まるで、問題は朴槿恵大統領の個人的な倫理観や資質にだけあるとでも思っているようです。

大統領による統治システムが上記でも掲載したように、過去数十年にわたり繰り返し同じような間違いを起こしているのです。これは、もう個人の問題というよりは、システムの問題も点検すべきです。そのことには、韓国人は気づいてないようです。

この問題を解消するためには、朴槿恵氏を単に辞任に追い込むだけではなく、朴槿恵氏を含め、韓国政府の人々にも今回の事態を証言させ、現在の大統領による統治システムの問題を明らかにすべきです。個人の追求などは、後回しで良いのです。

そうして、大統領制の制度そのものを変えるか、変えられなくても議院内閣制を取り入れるなどの方法も検討すべきです。

いずれにせよ、本来は、統治システムを根本的に変えるべきです。それを変えずに、朴槿恵氏の倫理観のせいにばかりしていては、何も解決しません。

しかし、韓国では今回の一連の問題を結局朴槿恵氏の個人の倫理観のせいにしてそれでおしまいにするのでしょうか、であれば、また次の大統領でも同じような問題が再び発生するだけになります。

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【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も―【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!




2016年11月19日土曜日

中国戦闘機の女性パイロット、「金のクジャク」が事故死 「殲10」墜落相次ぐ「女性の理想像」称賛も、過度な訓練強化が要因か―【私の論評】事故の背景には、人為的構造的なものがあり早期解決は不可能(゚д゚)!


生前の余旭大尉  写真はブログ管理人挿入 以下同じ
中国で初めて戦闘機「殲(J)10」の女性操縦士となったパイロットが曲芸飛行の訓練中に事故死した。ネット上では「ガラスの天井」を破った女性の理想像として追悼の声が相次ぎ、当局も「革命烈士」に認定して愛国心高揚の材料にしている。ただ、中国では昨年以降、戦闘機の墜落事故が相次いでおり、「戦える軍隊」に向けた過度の訓練強化が背景にあるとも指摘されている。

 中国国防省や中国メディアによると、死亡したのは中国空軍のアクロバット飛行チーム「八一飛行表演隊」の飛行中隊長、余旭大尉(30)。12日午前、河北省唐山上空を飛行していた殲10の機体から脱出したが、僚機の補助翼に激突し死亡した。同乗の男性操縦士は無事に脱出した。現地住民が撮影したとされる映像には、機体の墜落によってできた直径10メートルほどの大きな穴や機体の破片が映し出された。余氏らが脱出を余儀なくされた原因は公表されていない。

中国空軍八一飛行表演隊の長春でのパフォーマンス 今年9月2日
 余氏は2005年に空軍航空大学に入り、09年に行われた建国60周年の軍事パレードでは天安門上空を戦闘機で飛行した。殲10を操縦できる女性は余氏を含めて4人しかおらず、容姿端麗なこともあり「金のクジャク」のニックネームでメディアが盛んに取り上げた。事故後は「夢を実現し国防に身をささげた女性」として称賛一色の報道となっている。

 ただそうした状況に異を唱える声もある。殲10は15年10月以降の約1年間で、公表されているだけで墜落事故が4件発生。エンジン性能や操作性などの問題に加えて、現在の飛行訓練のあり方を疑問視する意見もある。「強軍路線」を掲げる習近平指導部が、空軍や海軍の飛行訓練に高い難度と訓練時間の大幅な増加を要求しているためだ。

 今年4月には地上で模擬着艦訓練を行っていた空母艦載機「殲15」の男性パイロットが死亡する事故も起きている。

【私の論評】事故の背景には、人為的構造的なものがあり早期解決は不可能(゚д゚)!

まずは、亡くなられた余旭さんのご冥福をお祈りさせていただきます。

生前の余旭さん
上の記事では、"殲10は15年10月以降の約1年間で、公表されているだけで墜落事故が4件発生"としていますが、具体的にどのような事故だったのか以下に掲載します。

2014年11月15日、四川省成都の郊外でJ-10Bが1機墜落する事故が発生した。住民7人ほどが負傷、パイロットは脱出に成功した。AL-31FNエンジンの故障とみられている。

2015年12月17日、J-10Sが浙江省で墜落した。パイロットの2名は脱出に成功した。

2016年9月28日、天津市でJ-10B が1機墜落した。バードストライクによるAL-31FNエンジンの故障が原因。パイロットは脱出に成功した。

2016年11月12日、飛行訓練中のJ-10が墜落、中国初の女性戦闘機パイロットが死亡。

記録を調べたところ、以上の4件がヒットしたので、ブログ冒頭の記事の「殲10は15年10月以降の約1年間で、公表されているだけで墜落事故が4件発生」は、間違いであり正しくは、「殲10は14年10月以降の約1年間で、公表されているだけで墜落事故が4件発生」が正しいのだと思います。

さて、このように事故の多い「殲10」ですが、どのような戦闘機なのか、以下に掲載しておきます。

J-10は、中国の国産戦闘機であり、現在も生産されていて、200機以上を保有しています。

設計はイスラエルのラビという試作機が元になっていて、中国とイスラエルの軍事交流が盛んだった頃の遺物です。ただし、この事実は中国、イスラエルともに否定しています。

イスラエルのラビ試作機
電子機器や装備もイスラエルの協力を受け、当時の西側に近い機能を持っています。これは、ミグ21より遥かに優れているのですが、外観・機能ともに北欧やフランスの軽戦闘機に類似しています。

J-10は、西側からの技術導入を前提としていたため、1989年に起こった天安門事件を契機としたアメリカをはじめとする西側諸国の対中政策見直しによる武器輸出規制により計画は失敗の危機に瀕していました。結局、ソビエト連邦崩壊後に関係を改善したロシアから入手したAL-31Fターボファン・エンジンやアビオニクスを搭載することで実現に至りました。

ただし、その後は国産エンジンも搭載されていましたが、J―10の最大の問題は、搭載された中国産エンジン「WS-10」のパワー不足とされています。中国の航空機エンジンは海外からの輸入が拡大しており、中国政府も「15年内に、外国産エンジンが中国機のすべてを占める」と公言しています。 

初飛行は1998年で、当時の中国の航空技術を考慮すると、どう考えても「それなり」の性能でしかありません。西側のF15やF16に通用するとは考えられず、戦闘機としては自衛隊と対峙する際には戦力外と言っても良い代物です。

離陸するJ-10
ただし、中華人民共和国はJ-10についての情報をほとんど公開しておらず技術的な細部は明らかになってはいません。ただし、曲芸飛行用航空機としては、必要十分なものであったものと思います。

さて、中国の空軍の実体などについて以下に掲載しておきます。今回の事故に関しては、中国側はまともに公表しないと思いますが、以下のことを知ればこの事故の本当の原因がみえてくるかもしれません。

生前の余旭さん
今のところ一見数は少ないものの、質の面で日本空軍は中国空軍を圧倒しており、空の戦いにおいては、日本が中国に対して優位に立っています。

在日米軍が日本を守っているのではなく、自衛隊が在日米軍を守っているといっても良いくらいです。

今のところ数は少ないものの、質の面で日本空軍(日本の航空自衛隊)は中国空軍を圧倒しており、空の戦いにおいては、日本が中国に対して優位に立っています。

在日米軍が日本を守っているのではなく、自衛隊が在日米軍を守っていると言っても良いくらいです。

保有戦闘機の数を比較すると以下のようになります。

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            日本 ・・・・・  360機
            中国 ・・・・・ 2570機

出展 こんなに強い自衛隊 著者: 井上和彦
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確かに保有台数では比較になりません。中国は日本の7倍もの戦闘機を持っています。しかし、戦闘機の質を見ると中国の戦闘機はかってソ連が開発した「ミグ19」ないし「ミグ21」の改良型ばかりであり、もはや骨董品級の代物なのです。

これに対して航空自衛隊は、F15(改良型)などの近代的戦闘機をずらりと揃えているのです。そうして近々F35 を導入する予定もあります。

戦闘機の優位性は、こうしたハード面だけでは決まりません。とくにこうしたハイテク戦闘機の場合、いかに機を使いこなせるかにかかっています。その尺度となるのは、飛行時間なのです。これについては、日本と中国の間には決定的な差があります。

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        ≪飛行時間≫
         航空自衛隊 ・・・・・ 年間最低150時間
         中国空軍  ・・・・・ 年間平均 25時間

ただし、最新鋭スホーイ27の部隊でもやっと年間100間程度と推測

出展 こんなに強い自衛隊 著者: 井上和彦
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さらに中国海軍は、慢性的な部品の欠乏という問題を抱えていて、飛べない戦闘機が多いのです。中国のスホーイ戦闘機の稼働率は60%といわれています。これに対して日本のF15戦闘機は、故障しても翌朝には飛び立てる状況になっており、その稼働率は90%です。

ただし、この60%という数字もあてにはなりません。私は以前軍事専門家から中国の航空機の全体の稼働率は20%以下という驚くべき数字を聞いたことがあります。中国の戦闘機のエンジンは外国製が多いということや技術水準が低いも考えると、確かに慢性的な部品不足に陥るのも無理のないことであり、この20%という数字もあながち全く根拠のない出鱈目とはいえないと思います。

飛行時間が、航空自衛隊のほうが中国よりも6倍あるのですから、稼働率も航空自衛隊よりも中国はかなり低いとみて間違いないです。スホーイ27の稼働率は中国でも例外的なのでしょう。

さらに、中国空軍の極端に低い年間飛行時間は、やはり戦闘機の稼働率が低すぎるため、十分に訓練できないという事情があるのではないかと考えられます。そうでないと、辻褄が全くあいません。

稼働率が20%ということで、概算してみたところ、中国機の稼働率と戦力外の戦闘機を数に入れないで中国と日本の航空兵力を比較して驚くべきことが明らかになり、その内容をこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【緊迫・南シナ海】ベトナムが中国・人工島射程にスプラトリー諸島でロケット弾を配備 インドからミサイル購入も―【私の論評】日本の備えはベトナムよりはるかに強固、戦えば中国海軍は崩壊(゚д゚)!
中国空軍の大部分を占める時代遅れのJ-7戦闘機

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、結論部分だけ以下に掲載しておきます。
(戦力外の戦闘機は外してさらに)保有していても稼動しないのは飛べないので、存在しないのと同じなので除外します。そうすると、航空自衛隊の稼働率90%、従って実数は315機です。中国空軍の稼働率推定20%、従って実数は50機です。
何と、実戦力でいえば、航空自衛隊は中国の6倍以上ということです。これはにわかに信じがたいでしょうが、実際はこれほど酷くはないにしてもかなり劣勢であることは明らかです。

さらに、現在の最新戦闘機は、高度な電子機器を満載しています。したがって、それを維持管理していくことは並大抵のことではないのです。まして高い稼働率を維持するには、優秀な整備員と円滑な部品供給が不可欠なのです。

生前の余旭さん
中国では結局自前で、旅客機を製造することもできません。開発計画は昔からあるのですが、結局できていません。以前、習近平がアメリカを訪問したときに、ボーイング社から50機もの旅客機の買い付けをし、これをセンセーショナルに報道する日本メディアもありますが、実体をいうと、中国の自主開発が間に合わなくなったので、買い付けをせざるをえなくなったというのが事実です。

このように技術水準の低い中国です。最近のJ-10の事故も酷いですが、中国の最新鋭戦闘機スホーイ27は、1年間で12機を損失した記録が残っていますが、航空自衛隊の場合、1980年から今日までの20年以上の間に、事故などで失われたF15戦闘機は9機のみです。これは、自衛隊の機体整備の優秀さとパイロットの技量の高さの証明です。

生前の余旭さん
以上のことから、今回のJ-10の事故原因も見えてくるような気がします。ただでさえ、稼働率が低いのですから、稼働している実機はかなり少なく、このような状況の中で、「八一飛行表演隊」を運用するのは至難の技だと思います。

ただでさえ、中国の領土は広いでし、周りにはロシアやインドなどをはじめとして多くの国々と国境を接してして、いつ何時周りの国が領空侵犯をしないともかぎりません。領空をパトロールするだけであれば、J-10などの旧式戦闘機でも良いのでしょうが、それにしても、稼働機はせいぜい100機くらいと考えた場合、これで全空域をパトロールするのは至難の業です。

その上、中国は尖閣付近で領空侵犯もしくはそれに近いようなことを繰り返しています。これに対応するための自衛隊機のスクランブルの回数は最近とみに増えています。

これらを考えると、中国空軍の幹部らは、毎日薄氷を踏むような心持ちで、様々な作戦を遂行していると思います。

こんなことを考えると、国威発揚のための曲芸飛行をする「八一飛行表演隊」のJ-10戦闘機など、空軍関係者からみれば、厄介な存在とさえいえるかもしれません。曲芸飛行ができるパイロットは当然のことなが、腕が良くなければならず、未熟なパイロットでは勤まりません。腕の良いパイロットを交代要員も含めて多数配置しなければなりません。

そうして、曲芸飛行には少なくとも6機くらいは飛ばせないとみすぼらいので、当然のことながら、党中央からは6機くらいは飛ばせられるようにと指示されているものと思います。そうなると、仮に稼働率が20%とすると、そうなると6機を常時飛ばすためには、30機は用意しなければならなくなります。これは、本当に無茶な注文です。

生前の余旭さん
ただし、中国共産党幹部からは、国威発揚のためこれを維持することを命令されているのだと思います。実際、この「八一飛行表演隊」は、昨年の抗日70周年記念軍事パレードでも華々しく登場しています。北京オリンピックでも、上海万博でも登場しました。過去においても、これからも国威発揚のためには欠くことのできない存在になっています。

以上総合的に考えると、稼働実機の少ない中国空軍においては、「八一飛行表演隊」を運用するのは本来至難技であるにもかかわらず、中国共産党による国威発揚のため無理やり運用した結果、航空機のメンテナンスが疎かになりパイロットの訓練飛行時間も十分にとれないことなどで「八一飛行表演隊」にしわ寄せが行き、今回の事故を招いたと考えられます。

直接の事故原因はわかりませんが、その原因が何であったにせよ、このような構造的な人為的問題が背後にあって、この事故が発生し余旭さんがその犠牲になったのは間違いないと思います。

今後のこのようなことを防ぐには、中国空軍のメンテナンスや、航空機開発の技術水準を飛躍的に向上させるか、それができないというのなら、曲芸飛行などやめることです。そうして、脆弱な空軍力しかないのに分不相応で身の丈知らずの他国への挑発などもやめるべきです。

それでも、曲芸飛行をやりたいというのなら、日本の航空自衛隊のブルーインパルスにでもやらせたらいかがでしょうか。日本の航空自衛隊なら十分できると思います。

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2016年11月18日金曜日

麻生大臣を怒らせた、佐藤慎一・財務事務次官の大ポカ―【私の論評】日本の巨大政治パワー財務省の完全敗北は意外と近い?

麻生大臣を怒らせた、佐藤慎一・財務事務次官の大ポカ

なぜこんな人を次官に据えたのか……

田崎 史郎氏
2017年度税制改正について、8月末から9月にかけて盛り上がった配偶者控除見直しの動きが10月上旬、一気にしぼんだ。新聞報道によると、その理由は「衆院解散風」が吹き、有権者の反発を怖れた自民、公明両党が消極的になった、とされている。

だが、首相官邸筋によると、迷走させた張本人は財務事務次官・佐藤慎一と主税局長・星野次彦だという。

彼らは財務省内の合意を得ないまま、与党幹部には「首相官邸の了承を得ている」とウソをつき、暴走した。それを止めたのは副総理兼財務相・麻生太郎と官房長官・菅義偉だった。

 きっかけは「宮沢発言」

まず、経緯を振り返ってみよう。読売、日経新聞は8月30日付朝刊1面で、自民党税制調査会長・宮沢洋一のインタビューを元に次のように報じた。

「配偶者控除見直しへ 自民税調宮沢会長 年末の大綱に方針」(読売)
「配偶者控除見直し検討 自民税調会長 共働きも適用 家族観や社会の変化映す」(日経)

両紙は解説記事なども掲載し、大々的に展開した。読売の記事によると、宮沢は「少子高齢化が予想以上に進展している。日本経済のため、女性の社会進出を増やすことが喫緊の課題だ」、「働く意欲のある方に社会で働いてもらうことが大事だ。専業主婦でパートをやっているのが一番得だという制度はやめたほうがいい」——と語った。

自民党税調会長は税制改正に絶大な権限を握っている。読売、日経両紙がその人物の発言を大きく扱うのは当然のこと。他紙やテレビ局は一斉に後追いした。

宮沢発言を受けて自民党幹事長・二階俊博は同日の記者会見で「今日の女性の社会進出や、専業主婦世帯より夫婦共働き世帯が多くなった時代の変化を考え、税制面でも支援していこうという表れだ。党としても支持していきたい」と述べた。

政調会長・茂木敏充も9月14日、報道各社のインタビューで「できれば年末の税制改正に盛り込みたい」と述べ、来年の通常国会での法改正に意欲を示した。

 麻生が怒り、菅が止めた

宮沢、二階、茂木、それに公明党幹部に根回ししたのが佐藤と星野だった。

35年ぶりに主税局長から次官に就任した佐藤は所得税の専門家として知られる。星野は省内で「次官の腰巾着」と言われている。彼らは配偶者控除見直しを安倍政権が進める「働き方改革」の一環と位置付け、与党の要所を「ご説明」に回った。

配偶者控除は、配偶者の年収が103万円以下の場合に、世帯主の給与所得から38万円を控除し、世帯主の納税額を軽減する仕組み。これを見直す見返りに、佐藤らは「夫婦控除」を導入する方針だった。配偶者控除を廃止すれば増税になるが、夫婦控除を設けることで「増減税中立」を目指した。

一見、良さそうに見えるが、夫婦控除を受けられる世帯主の年収は「800万円~1000万円以下」。これ以上の年収を得ている人は配偶者控除がなくなっただけとなり、年間数万円、税負担が増えることになる。

つまり、年収が少ない人にとっては減税となるものの、多い人にとっては増税となる。社会の平準化は進むが、配偶者控除を「民法上の扶養義務」ととらえるなら、これを無くすことは社会の根幹を揺るがすことになる。

こうした問題点があることに、麻生も菅も気付いていた。茂木の発言の後、麻生が9月16日、「茂木さんは税調会長になったのかなと思った」と嫌みたっぷりに不快感を表したのは、茂木らに根回しした佐藤らに対する当てつけだった。菅は9月上旬、内々「財務省には『調整してみろ』と言ってある。了承なんてしていませんよ」と語っていた。

佐藤らの止まらぬ暴走に、麻生は怒り、菅は止めに入った。

このことが自民、公明両党に伝わり、10月に入って「配偶者控除 廃止見送り 政府・与党方針 年収制限を緩和」(読売新聞6日付朝刊)、「配偶者控除廃止見送り 政府・与党方針 年収制限緩和を検討 来年度改正 夫婦控除創設せず」(日経新聞6日付夕刊)と伝えられるようになった。党税制調査会での論議が行われていないのにいったん決まりかけ、そして消えた。

昨年暮れ、消費再増税時の軽減税率導入を検討した際も、佐藤は対象範囲を生鮮食料品に限ろうとして、当時の自民党幹事長・谷垣禎一を説得した。これに対し、安倍、菅が谷垣を説き伏せた。佐藤は谷垣に結果的に大恥をかかせた。

要するに、佐藤は政治的に実現可能かどうかの判断力が乏しいのである。そんな人物をなぜ、次官に据えたのか——。(文中敬称略)

【私の論評】日本の巨大政治パワー財務省の完全敗北は意外と近い?

上の記事の内容、ほとんど他のメディアでは報道されなかったものの、これは日本の政治にとってはかなり重大なことである可能性があります。

ブログ冒頭の記事の最後のほうに、昨年暮れ、消費再増税時の軽減税率導入を検討した際も、佐藤不手際が掲載されています。これについては、このブログでもとりあげたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
軽減税率をめぐる攻防ではっきりした財務省主税局の「没落」―【私の論評】財務省の大惨敗によって、さらに10%増税は遠のいた(゚д゚)!
攻防の第1幕は安倍官邸の「谷垣」不信から始まった
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事も田崎 史郎氏のよるものです。これに関しては、他のメディアでは触れられてはいませんでしたが、高橋洋一氏は触れていました。以下にほんの一部のみこの記事から引用します。
軽減税率をめぐる政府・与党内の攻防はやはり、首相・安倍晋三、官房長官・菅義偉による官邸の勝利に終わった。 
浮き彫りになったのは、これまで税の決定権限を握ってきた自民党税制調査会と財務省主税局の没落である。財務事務次官の有力候補だった主税局長・佐藤慎一は官邸の意向に逆らい、自ら次官の目をつぶした。
本年6月 官庁人事が発令される前
 佐藤慎一といえば、昨年の軽減税率のときには、財務省主計局の局長として、自民党税制調査会とともに、官邸と戦って、敗北したその人です。

官邸に逆らったにもかかわらず、佐藤慎一氏は、財務次官になりました。これは、官邸側からすれば、逆らったことは帳消しにするから、とにかく財務次官として、官邸の意向には逆らってほしくないとの意図の現れだったと思います。

しかし、これを無視して、配偶者控除の見直し迷走させた張本人は財務事務次官・佐藤慎一と主税局長・星野次彦だというのですから驚きです。

こんなことからも、田崎氏がブログ冒頭の記事で、「要するに、佐藤は政治的に実現可能かどうかの判断力が乏しいのである。そんな人物をなぜ、次官に据えたのか——。」最後に掲載しているのもうなずけるというものです。

民間企業あたりであれば、派閥争いなどのため一度会長などにたてをついた社長候補者が、会長が許して、本来社長候補からは転がりおちた人物を社長に据えたようなものです。この場合、この社長は当然のことながら、会長のために粉骨砕身努力することはあっても、二度とは逆らわないでしょう。それが社会の常識というものです。

しかし、財務省はその社会の常識が通用しないようです。私は、財務省は結局のところ、財務省事務次官のOBの中でも、長老といわれるような人々に操られているのだと思います。

結局、財務省は、官邸や安倍総理よりは、長老のほうを重要視し、その命に従わざるを得ないのでしょう。そうして、長老と目される人もしくは、複数の人々は、隠然たる力を持っていて、霞が関の各省庁や、政治家、民間企業やあるいはマスコミや学問の世界まで、人脈等を構築して、日本の政治に強い影響力を及ぼしつづけてきたのでしょう。

そのため、安倍総理も一度は、消費税増税(8%増税)に踏み切らざるをえないような状況に追い込まれたのでしょう。

それを覗わせるような事実は他にもあります。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
臨時国会も安倍政権VS財務省 民進党の本音は消費増税優先か―【私の論評】元々財務省の使い捨て政党民進党にはその自覚がない(゚д゚)!
参院本会議で、民進党の蓮舫代表の代表質問を
聞く安倍晋三首相(左奥右)=9月28日午前
この記事は、今年9月29日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
第192臨時国会が26日召集された。会期は、11月30日までの66日間。一般会計の総額で3兆2800億円余りとなる今年度の第2次補正予算案と、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の国会承認と関連法案の成立がポイントである。安倍晋三首相は「アベノミクス加速国会」と位置づけている。

補正予算に対して、民進党は「借金頼みだ」と批判している。本コラムで述べてきたように、まさに民進党に財務省が乗り移っているかのようだ。

民進党は「景気対策より社会保障」と言うが、野田佳彦幹事長がいるので、本音は「消費増税を優先せよ」だろう。ここも安倍政権対財務省だが、これが今国会の焦点だ。
民進党の代表選挙では、3人全員の候補者が口を揃えて、「増税すべき」としていました。これは、まるで財務省のスポークスマンのようです。

そうして、実際財務省の官僚は足繁く民進党の幹部らのところにご説明資料を持って足を運び、民進党の幹部に増税の正当性を訴え、納得させたに違いありません。そうして、財務省の意向にそって動くことで、何らかのメリットを約束されているのかもしれません。民進党は、かつて民主党であったころに政権を担っていたときですら、財務省のいいなりでした。

それについては、この記事にも掲載しました。その部分を以下に引用します。

"
民進党と財務省といえば、民進党が民主党だったときの民主党政権の最後の、2012年の野田総理による衆院解散に関して、当時みんなの党の代表であった渡辺喜美氏が会見で興味深い話をしていました。その動画を以下に掲載します。


この動画の7:30あたりのところから、渡辺氏が記者になぜこのタイミングでの解散になったのか、問われて以下のように話しています。
「これは、財務省の路線そのものなのであって、とにかく新製権で、予算編成をしたいと・・・。旧政権でつくった予算をグタグタにされるのは困るという財務省の路線が、そっくりそのまま、野田総理を動かしたというだけのことですね。 
党首会談をやったときに、もう自分は財務省に見放されているということを、はっきりと言っていました。その見放された総理が、最後まで財務省路線に乗っからざるをえないと、まあー、非常に情けない内閣ですね」。
後は、ご存知のように野田佳彦氏は財務省の意向を反映した自民党が提案した消費税増税を法定化して民主党政権が壊滅する道を突き進みました。これは、本当に理解に苦しみます。民主党は政権交代直前の選挙の公約では「民主党が政権の座についている間は増税しない」としていました。

民主党政権というと、蓮舫氏による事業仕分けが有名ですが、蓮舫氏がどうして専門知識を有する官僚を「公開処刑」できたのかというと「仕分け人」たちは、財務省が作った“極秘の査定マニュアル”に基づいて発言、追及していたからです。

要するに行政刷新会議の概算要求の無駄を洗い出すという「事業仕分け」は、「政治主導」ではなく、「官僚主導」のパフォーマンスだったのです。何のことはない、官僚官僚の手の上で踊ったに過ぎなかったのです。法的にも何の権限もなく本格化する財務省の査定の下馴らしとPRをしただけだったのです。 
 
事業仕分けをした蓮舫氏
消費税増税を元々決めたのは、自民党であることからもおかわりのように、日本の政治は財務官僚に主導されつづけてきました。しかし、財務省の官僚は選挙で選ばれたわけではありません。

にもかかわらず、財務省はまるで政治集団のように、旧民主党政権を使い捨てにしたり、安倍政権に対しても対峙し強力な力を発揮して、日本の政治に間接的ながら、大きな影響を与えています。

しかし、本来財務省の官僚は、政治家のように有権者から選ばれているわけではありません。それが、政治に介入するのは、明らかに間違いです。財務省といえども、政府の下部機関であることには変わりありません。

しかし、安倍総理は消費税増税を二度も阻止して、財務省に対峙しています。このように、財務省に真っ向から対峙した総理大臣は、安倍総理が初めてでしょう。自民党の多くの議員が、財務省の使い捨てだったにしても、少なくとも安倍総理とそのブレーンの議員などは財務省の使い捨てではなく、何とか官邸主導を貫こうとしています。
"
しかしながら、財務省のあたかも一大政治勢力のように日本の政治を動かす、長老政治にも陰りが見えてきています。その兆候が、軽減税率と配偶者控除見直しをめぐる立て続けの財務省の敗北です。それに今年の安倍総理による、10%増税の再延期の決断です。これは、財務省そのものの敗北です。

麻生財務大臣など、従来は「増税は国際公約」などと述べて、まるで財務大臣ではなく単なる財務省の一スポークスマンのようですが、今回の配偶者控除見直しにおいては、完璧に官邸側にたった行動をしました。

まるで財務省の一スポークスマンのような発言をしていた麻生財務大臣
安倍総裁の任期はご存知のように、2期6年から3期9年に延長されました。麻生氏も今後安倍政権が続く限り、官邸と財務省の対峙の構造は変わらないことを意識しての行動だと思います。機をみるに敏な方なのだと思います。

そもそも、財務省は政府の一下部組織にすぎないものが、一大政治勢力の振る舞う事自体が大きな間違いなのです。

日本でも、財務省が政治勢力のような振る舞いをやめて、本来の機能を担う組織に戻るような一大政治変革を起こして欲しいものです。財務省の官僚や、長老などもどうしても政治に参加したいというのなら、政治家を目指すべきです。安倍政権が続いている間に、これを正して欲しいです。

米国では、あれだけ民主党のクリントン候補が優勢と伝えられていたにもかかわらず、トランプ氏が勝利しました。このブログにも何度か掲載したきたように、アメリカでは、メデイアの9割までが、リベラル・左派に握られていて、保守の声などかき消されていました。しかし、実際にはアメリカには保守勢力が半分は存在していたのです。それが今回明らかになりました。

日本で政治上の最大の問題は、やはり財務省が一大政治勢力のように振る舞い、政治に大きな影響を与えることです。これを正すことが、日本の最大の政治変革です。アメリカでは、リベラル・左派があれだけ権勢を誇っていたのに、選挙ではあっさりと敗北しました。日本でも、財務省の完全敗北も意外と近いのかもしれません。

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2016年11月17日木曜日

トランプ氏に困惑の国内左派 TPP反対でも批判する矛盾 雇用政策でも国際常識が欠如―【私の論評】米大統領選で日米のリベラル・左派とメディアの左下ぶりも暴露された(゚д゚)!

トランプ氏に困惑の国内左派 TPP反対でも批判する矛盾 雇用政策でも国際常識が欠如

米ロサンゼルスのカリフォルニア大学ロサンゼルス校で、「愛は憎しみに勝つ」と書いた
プラカードを手に大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利に抗議する学生たち(2016年11月10日)
ドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利し、米国内は反対デモで騒がしい。選挙というルールの結果なので受け入れざるを得ないのは理性でわかっても、感情が許さないといったところだろうか。

日本国内でも、いわゆる「左派」が困惑しているようだ。従来の左派の主張を見れば、トランプ氏の当選を喜んでいいはずなのに、否定的な姿勢を示している。もともと日本の左派はロジカルとはいえない面も多いとはいえ、筆者のような第三者には滑稽に映る。

その典型例が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の問題だ。国内左派はこれまで、「米国の言いなりでTPPに参加すれば食の安全が確保できない」と主張していたのに、TPPに反対しているトランプ氏が当選すると批判し始めた。

ある大学教授もTPPに反対していたはずだが、新聞への寄稿では「保護主義に傾くのはまずい」とトランプ氏を批判している。本来ならトランプ氏の当選を歓迎しなければいけないはずなのに、何でもケチをつける癖が出てしまったのだろうか。

日米安保についてもトランプ氏は、「在日米軍の撤退も辞さない」としており、これも国内左派は歓迎すべき見解だ。

もっとも、米軍撤退という事態は集団的自衛権の否定、さらには自主防衛、そして核保有といった流れになりかねない。実際にトランプ氏は、日本の核保有容認にまで言及したと報じられた。在日米軍が撤退し、日本は非武装化といった「お花畑論」はもちろん論外であるが、左派はトランプ氏の在日米軍撤退を現実問題としてとらえているだろうか。

いずれにせよ、集団的自衛権を認めないことの不条理が浮き彫りになってくる。在日米軍を前提として集団的自衛権を認めれば、安全保障のメリットがあるばかりか、日本側のコストも抑えられるという常識が、国内左派に欠如しているのが明らかになるだろう。

トランプ氏のマクロ経済政策はどうだろうか。財政政策では必ずしも緊縮ではない。これも、従来の共和党とまったく違う方向だ。歳入面では、所得税減税、一部富裕層増税、法人税引き下げ。歳出面ではオバマケア見直し(これは歳出増)、インフラ投資などが特徴だ。金融政策も緩和方向である。いわゆるアベノミクスの一体的な財政・金融政策と似ている。

トランプ氏は17日の安倍晋三首相との会談で「アベノミクスを教えてもらいたい」という趣旨の発言もしているようだ。国内左派が毛嫌いするアベノミクスに、米国大統領になる人物が興味を持っているのだ。

実際、アベノミクスでは雇用環境が劇的に改善しており、この効果は共和党の大統領であっても、興味津々だろう。

本コラムで何回も指摘しているが、雇用を改善する政策は、立場が右であれ左であれ、世界各国で評価されるのに、国内左派はそうした国際常識もないのがバレバレだ。ここでも左派が困惑する姿が浮かぶ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】米大統領選で日米のリベラル・左派とメディアの左下ぶりも暴露された(゚д゚)!

ご存知のように、今回の米国大統領線においては、日本でも予測をほとんど知識人が予測を誤りました。アメリカの世論調査やテレビ報道を受けて、クリントン候補が勝つと言いふらしていた有名人があちこちにいました。

何人かは明確に「ヒラリーが大統領になる」とまでは断言していまさせんでしたが、「やっぱりヒラリーじゃないのか」と臭わせていたのですから、ヒラリー当選すると断言したもおなじでしょう。

例えば、NHKや朝日新聞、フジテレビが重宝する慶應義塾大学の中山俊宏(なかやま・としひろ)教授は、ヒラリー優勢と考えていたので、9日に出演したフジテレビの報道番組ではしょんぼりしていました。

まさかトランプが勝つとは思っていなかったのでしょう。彼の政治思想は左巻きで、その分析や考察が曇っていたのでしょう。おそらく、自分の頭で深く考えず、米国の大勢を占めるリベラル・左派メディアを信用したのでしょう。

左: 中山俊宏 / 岡本行夫 / 手嶋龍一 / 右: 三浦瑠璃
8日のBSフジの報道番組は、大統領選挙直前ということもあって、米国政治に詳しい知識人を招いていましたが、その面々は以下のようなものでした。

元外務官僚の岡本行夫氏、元NHKワシントン特派員の手嶋龍一氏、国際政治学者の三浦瑠璃(みうら・るり)の三人でした。これでは、完璧なミスキャストです。アメリカの政治を解説してもらうのに、このような人たちしか思いつかないとは、番組制作者の素養がどの程度のものか、容易に想像できてしまいます。

いかにもアメリカ通らしい岡本氏は、明言は避けつつも「クリントンが大統領になる」と言いふらしていたましたから、今頃さぞバツが悪いことでしょう。おそらく、都合の良い「言い訳」を考えて、自分の見立て違いを隠蔽しようとすることでしょう。

手嶋龍一氏は、NHKにポイ棄てされた中古品なのに、民放に呼ばれているところをみると、左翼仲間が仕事を与えているのかも知れない。たぶん、制作者は左翼本しか読んでいないから、「アメリカ政治なら手嶋氏だ」と閃いたのだろう。意図的な極左路線も考えられるが、案外、手嶋氏程度の人物しか思い浮かばなかった、というのが真相なのかも知れません。

左: ヘルムート・ノーポース 氏/ 右: アラン・リクトマン氏
私は今年になってから、大統領選に関するヘルムート・ノーポース教授やアラン・リクトマン(Allan Lichtman)教授の意見なども参照していました。ただし、このブログでは、和訳するのも時間がかかり面倒なので、彼らの見解について直接掲載することはありませんでした。

リクトマン教授も選挙前からトランプ勝利を確信していて、フォックス・テレビの番組に出演し、トランプが大統領になると予言していました。彼の見解は単なる占いではなく、彼は過去30年の大統領選挙を分析した結果ですから、決していい加減な放言ではありません。以下に彼の選挙戦の予想の記事のリンクを掲載しておきます。
Peter W. Stevenson, Professor who's predicted 30 years of presidential elections correctly is doubling down on a Trump win, The Washington Post, October 28, 2016
この他にも、日本国内のチャンネル・クララについては、米大統領選挙について参照していました。特に、江崎道朗氏の動画については、選挙戦よりはるか以前から視聴していたので、アメリカの状況が良くわかりました。

特に、江崎市の解説により、米国のメディアは、90%がリベラル・左派によってのっとられており、保守系のメディアは10%程度に過ぎず、本当は半分くらいは存在する保守系の声などかき消されているため、私たち日本人の多くは実はアメリカの半分しか見ていないという現状を知ることができました。

このことを知ってからは、アメリカのメディアでは唯一と言っても良いくらいのFOXTVなども視聴するようになったため、 ヘルムート・ノーポース 氏 や アラン・リクトマン氏らと、その主張を知ることができました。

さらに、大統領選が近づいてからもチャンネル・クララで特に江崎氏の登場する動画はすべて視聴しました。そのためでしょうか、私自身は日本のテレビしか見ない人たちが、ことさらトランプ氏を色物、際物扱いをしていたのですが、このブログではそのような扱いをしたことはありません。

むしろ、私には、クリントン氏のほうがはるかに色物・際物と写ったので、このブログでは、クリントン氏を色物・際物扱いをした記事を掲載しました。

保守系からは蛇蝎のごとく嫌われ、特に軍人からは色物・際物視されているクリントン氏
このブログではおかげ様でクリントンが圧倒的に有利と掲載したことは一度もありません。ただし、トランプ氏が勝つだろうとは掲載はしませんでした。なぜなら、薄々トランプ氏が勝つだろうとは思ってはいたのですが、それにしても、選挙は蓋を開けてみなければ何が起きるかなどわからないからです。しかし、日本のメディアが、いくらクリントン有利、トランプは不利と報道しても、一度もそのようなことは掲載しませんでした。

しかし、我が国のジャーナリストや御用学者はほとんどは、「トランプは暴言王だ」とか、「あんな奴、下層白人に支持されているだけだ」と馬鹿にしていましたが、大統領選の投票結果を目にして、「しまった ! どうしよう」と今頃困っているはずです。

おそらく、過去の発言を誰も覚えていないことを願い、ほとぼりが冷めるまで報道番組には出ないかもしれません。

左: 木村太郎 / 中央: 安藤優子/ 右: 市川沙耶
唯一、トランプ勝利を前々から断言していた木村太郎氏だけは、「それ見ろ! オレが言った通りじゃないか !」と自慢できるはずです。現にフジテレビでは、ニコニコ顔でした。

左翼的思考が抜けきれない安藤優子は苦笑いしていました。現地報告をしていた安藤氏は、素早く優勢となったトランプの会場に潜り込み、クリントンの会場には足を向けませんでした。

自分は調子の良いトランプ会場から現場中継を行い、格下の市川沙耶にクリントン会場の中継を任せていましたから、ズルいといえばズルいのかもしれません。嫌な取材を押しつけられた市川沙耶さんが気の毒でした。

それにしても、我が国の「アメリカ専門家」「自称アメリカ通」という人たちは、一体どんな研究をしているのでしょうか? 偉そうに解説していた知識人は、まずは、テレビ・カメラに向かって日本国民に謝るべきです。

それと、私たちは、今一度日本のマスコミの酷さを認識すべきです。以下はチャンネル・クララの動画ですが、日本のマスコミのとんでもない状況が語られています。


この動画では、「かしわもち」といわれるおそらくはマスコミ関係の方と思しきかたが、自らの選挙の趨勢を見誤ったその理由と、日本の民放メディア驚きの海外支局事情●池上彰さんの特番で起きたこと●レディー・ガガプラカード誤訳の理由●情報バラエティで政治ネタばかりなのは・・●改善策などについて語っています。その他、江崎道朗・小野義典両氏が出ています。

この動画をご覧いただければ、お分かりになるの詳細は記しませんが、日本の民間テレビ局のアメリカの駐在員の人数は二人程度です。そうして、テレビ局では報道部門は不採算文もであるので、予算が削られこのような状況になっているそうです。

そうして、また報道部門はテレビ局の中でも、あまり予算が割り当てられず、出世などできない部署であり、まともな情勢分析などできる状況ではないことを語っています。これは、あるテレビ局の社長がこのようにしたのが、現状では他のテレビ局も右に倣えということで、そうなってしまったそうです。

こんな状況ではまともな報道などできません。NHKだけは、唯一人員も予算も多く割り当てれているので、「かしわもち」氏は、民法の報道は全部まともではないと断じています。まともな、リサーチャーもアナリストも存在しないとしています。「かしわもち」氏は、民法は、もともとまとに報道できる予算も人材もいないということで、左というだけでなく「左下」であると断じています。

このテレビ局やそうして新聞の「左下」ぶりについては、私は、財務省や日銀の発表を何の吟味もすることなく、そのまま報道し、まるで財務省や日銀のスポークスマンのようになっていることからも、気づいていました。

「かしわもち」氏は、解決策として、民法には報道は一切やめさせ、NHKを徹底的に監視することにして、NHKにまともな報道させることとしています。確かに、NHKには中国中央電視台が入っているなどの非常に怪しげなところがありますが、これを改めれば、NHKだけが今ではまともな報道ができるかもしれません。

確かに現在でも、NHKのBSニュース報道は意外とまともです。それを感じたのは、IS関連の報道でした。民法が頓珍漢な報道しているときに、NHKのBSニュースはまともな報道をしていて、中東関係の専門知識を持つ人材が背後にいることを感じさせました。

今回の大統領選挙でも暴かれたように、民間のテレビ報道など信頼に値しないことがはっきりしました。かといって、現状ではNHKも信用できません。

やはり、日本ではまともなニュースは、「虎ノ門ニュース」や「チャンネル・クララ」「チャンネルAJER」など見るしかないのかもしれません。また、できるなら、フォックスニュースなどの英語のサイトも見る必要があるかもしれません。

とにかく、今回の米大統領選の報道により、日米の左翼・メディアの左下ぶりも暴露されたのは確かなことです。

そうして、このようになってしまった根本の原因は、日本が長年デフレ・スパイラルに陥ったため、テレビ局では報道局の予算が削られたことです。テレビ局の人間を責めても仕方ない部分があります。それにしても、テレビ局の人も増税に賛成したり、賛成する知識人をテレビにだしたりしてで、まるで自分で自分の首をしめているようです。

やはり、デフレを脱却して、一日もはやく緩やかなインフレに持って行き、経済を回復させ、民法の報道局にもっと潤沢な予算がつくようにしたり、あるいは、ネットメディアの新興勢力ができあがるのを待つしかないのかもしれません。それまでは、テレビ局の報道などあまり信用できないと認識すべきです。

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2016年11月16日水曜日

【中国という猛毒】中国から狙われたクリントン夫妻 人民解放軍系企業から違法献金か―【私の論評】トランプ大統領により日米で現代版レッド・パージがはじまる(゚д゚)!


疑惑だらけのクリントン夫妻 写真はブログ管理人挿入以下同じ
 中国はトウ小平時代に発足させた人民解放軍系企業が、兵器や麻薬の密輸など非合法ビジネスを含め、対外ビジネスに積極的に参入していった。米国にも、人民解放軍系のペーパーカンパニーが続々と増えていった。

並行して、世界の華僑華人財閥とのネットワーク強化に力を注ぐ政策を打ち出し、中国共産党幹部は、華僑華人の資金をどこへ避難させ、どこへ投下するか、情報力と機動力のある華人らと連携しながら管理運営をしていった。

こういった中国共産党の対外工作において、米政治家の中で早々にターゲットとなった1組が、民主党のクリントン夫妻だった。

その“物語”は1980年代初頭-アーカンソー州知事のビル・クリントン氏が脚光を浴び始めた時代にまで遡(さかのぼ)る。

ビル・クリントン氏がアーカンソー州知事だった時代にホワイトハウスの晩餐会に参加した夫妻
 インドネシアの華人財閥、リッポー・グループ(力宝集団)は、ヒラリー氏が当時、上級パートナーを務めていたアーカンソーの法律事務所を顧問とし、高額の報酬を支払う。

銀行の買収など、リッポーは米国で勢力を拡大させつつ、人民解放軍系企業からクリントン夫妻への資金提供や、民主党への政治献金などでのパイプ役を務めていったとされる。

米国の法律では、大統領選や知事選などの立候補者が、外国人や市民権を持たない人間から選挙資金の提供を受けることを禁じている。

だが、中国マネーとクリントン夫妻をめぐる疑惑は事実、つまり当事者が認めた事件を含め、度々報じられてきた。

今年6月にも、クリントン財団の元幹部で選対幹部も務めた「クリントン夫妻の側近中の側近」、バージニア州のテリー・マコーリフ知事が、FBI(連邦捜査局)と米司法省によって調べられていることが、米紙などに報じられた。

バージニア州のテリー・マコーリフ知事
 遼寧省丹東市にある「遼寧日林実業集団」と「丹東港集団」の王文良会長から、マコーリフ知事を介して、「クリントン財団」が200万ドル(約2億1260万円)の違法な選挙資金の提供を受けたとの疑惑だ。

遼寧日林実業集団は、ワシントンにある中国大使館の建設工事など国内外の重要な案件を請け負ってきた企業集団だ。そして、丹東港集団は、北朝鮮との国境に位置する丹東港の管轄権を持つ。つまり人民解放軍系で江沢民派(上海閥)に近い企業だと推測できる。
ヒラリー氏は国務長官の職権を“乱用”し、表看板が「慈善団体」であるクリントン財団に国内外から20億ドル(約2127億8000万円)以上集めた。ところが、そのうち約18億ドル(約1915億円)が事務所経費などの名目で消失しているという。

しかも既定に反して、「私用のメールアドレス」を使い続けていた。その数約6万3000通で、約3万3000通は消却し、証拠隠滅を図っていたというのだ。

大統領選挙の終盤に、この問題が再燃した。米国の有権者は、トランプ候補の暴言や迷言とは別次元の“紅くて黒い”候補者に未来を託せなかったのだろう。

河添恵子(かわそえ・けいこ)

【私の論評】トランプ大統領により日米で現代版レッド・パージがはじまる(゚д゚)! 

人民解放軍の戦闘機

上の記事、まずは人民解放軍系企業という言葉の意味を解説しないと、なかなか理解できないかもしれません。無論、このブログの読者であれば、何度か掲載したことがあるのでご存知でしょうが、そうではない方のために以下に若干説明します。

まずは、人民解放軍は普通の国の軍隊のように、国や国の財産、中国人民や、中国人民の生命や財産を守るものではありません。人民解放軍は中国共産党の私兵です。中国共産党や幹部を守った理、人民を弾圧するのが主な任務です。

さらに、理解しておかなければならないことがあります。人民解放軍は、日本でいえば、商社のように自らの意思で様々な事業を営むことができます。その存在は、日本でいえばまるで商社のようなものです。

人民解放軍は、まずは共産党の私兵でありながら、自ら様々な事業を展開し、なおかつ核武装までしている不可思議な組織です。日本の商社が、核兵器や、空母、戦車などを含む軍隊を持っているようなもので、一言でいえば、武装商社です。そもそも、他の先進国の人々の常識の範疇に収まるような組織ではありません。

この人民解放軍系のペーパーカンパニーが中国に続々と増えたというのですから、当然のことながら、現在も存在していて、それが非合法活動をしているのは当然のことです。そうして、それが、クリントン夫妻がチャイナマネーに塗れるような不正の温床となっていったのは明らかです。

クリントン夫妻のことに関しては、ブログ冒頭の記事でもコンパクトに詳細にまとめていますし、このブログでも何度か掲載してきたことです。そうして、そのことについては、無論トランプ氏も選挙戦の最中に指摘していました。

大統領選の期間中に、米共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏はライバルであるヒラリー・クリントン氏が刑務所に行くべきだと述べていました。

これは、 ペンシルベニア州マンハイムで土曜支持者に演説した際の発言でした。ニュースユニヴァースにその全文が掲載されました。

「彼女は膨大な数のスキャンダルに関与し、詐欺で何度も有罪判決を受けた。しかし米国市民として私の目撃した最悪の件は先週、FBI長官が彼女がどのように嫌疑を逃れたかの方法を説明したときにおこった。彼女は刑務所にいるべきなのだ」と国務長官時代に民間電子メールで通信を行っていたスキャンダルについてトランプ氏が述べていました。

演説の中でトランプ氏は、ニューヨークで開かれた2001年9月11日のテロ事件の犠牲者たちの追悼式で、クリントン氏の気分が悪くなったときのことを振り返り、「この女性は様々なものに立ち向かわなければならないと考えられているが、彼女は自分の車に15フィートさえも近づくことができない」と述べ、マイクから数歩離れて、気分が悪くなったような仕草をみせました。


 一連の大手メディアはクリントン氏のスキャンダルを隠蔽しており、たとえばニューヨークタイムズ紙、ワシントンポスト紙、CNNテレビなどがクリントン氏に「仕え」ている、とトランプ氏は語りました。

さて、以上では、クリントン氏についてのみ掲載してきましたが、クリントン夫妻とそれに関わる人々の悪行は、ある程度明るみに出ていますが、問題はこのようなことが、現在明るみに出ていることだけかということです。

私は、このようなことはまだ他にもあるだろうし、当然のことながら政界だけではなく、教育会、マスコミ、テレビや映画などの業界などにも多く見られることではないかと思います。

そもそも、アメリカ中のメディアなどが、徹底的にトランプ氏を色物、際物に仕立てて、絶対に大統領にさせないようにしてきたのには、理由があると思います。

そうです。おそらく、クリントン夫妻以外にも、様々な分野で、中国という猛毒からカネなどを受け取っていた人物は大勢いるのだと思います。

これは、なんというか、既視感があります。このブログには以前ベノナ文書のことを述べたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
アメリカを巻き込んだコミンテルンの東アジア戦略―【私の論評】他の陰謀論など吹き飛ぶ! これこそ陰謀中の陰謀だ! 世界は、日本は、あなたはとうに滅亡したソビエトにまだ欺かれ続けるのか?

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一部を以下に引用します。
第二次世界大戦前後の時期に、アメリカ政府内に多数のソ連のスパイが潜入したことを暴いた「ヴェノナ文書」の公開以降、同国内では「ルーズヴェルト政権はソ連や中国共産党と通じていたのではないか」という古くからの疑念が、確信へと変わりつつある。当然、当時をめぐる歴史観の見直しも進んでいる。しかも、そのピッチは近年、急加速していると言っていい。 
ヴェノナ文書とは、第二次世界大戦前後の時期にアメリカ内のソ連のスパイたちがモスクワの諜報本部とやり取りした秘密通信を、アメリカ陸軍情報部が秘密裡に傍受し解読した記録である。1995年、アメリカ国家安全保障局(NSA)が公開した。 
これら機密文書が次々と公開され、その研究が進んできた結果、ルーズヴェルト大統領の側近であったアルジャー・ヒス(1)[以下、主要人物に通し番号を附し、共産党員または協力者と思われる人物は傍線を引く]を始めとする200人以上のスパイ(あるいは協力者)が政府官僚として働いていたことが立証されつつあるのだ(中西輝政監修『ヴェノナ』PHP研究所)。
アメリカ人なら多くの人が知っている今年なくなった女性保守活動家故フィリス・シェラーフリー氏は「いま、アメリカ政府は中国や北朝鮮の核に振り回されてる。その根源を辿れば東アジアをソ連の勢力圏と認めたヤルタ会談に行き着く。だから我々にとってヤルタ協定の見直しは、今の外交政策の見直しに繋がっている」と述べています。

第二次世界大戦でルーズベルトが共産主義の防波堤となって戦っていた日本と戦争したのは間違いであったとも語っていますそうしてヴェノナ文書は現在分析が継続中ですが、これを実証しつつあります。

これに関しては、以下の動画をご覧いただくとよくお分かりになると思います。



そうして、ソ連が崩壊した現在、過去のソ連の地位を引き継ごうとしているのが、中国です。そうして当然のことながら、現在の中国は軍事的には脆弱であり、過去のソ連のやり方を踏襲していることでしょう。

中国もありとあらゆる方法を駆使して、現在の米国の様々な中枢部に浸透しつつあるでしょう。そのいったんを表してるいるのが、クリントン夫妻の疑惑です。

トランプ大統領は、このあたりのことをないがしろにすることはないでしょう。トランプ大統領が就任した場合、当然のことながら、ヴェノナ文書の解析をさらに強力に推し進め、さらにね過去のソ連のアメリカ浸透と同じように浸透しつつある中国の行動を分析することでしょう。

そうして、当然のことながら、様々な分野に入り込んでいる、中国の影響下にある分子を一掃することでしょう。はやいはなしが、現代版レッドパージがはじまることでしょう。

アメリカのマスコミなどが恐れていたのは、これです。そのため、とにかくトランプだけは大統領にさせないように最大限の努力を傾注してきたのですが、トランプ氏が大統領になることが決まった現在では、戦々恐々としていることでしょう。

これについては、日本も無関係ではありません。おそらく、日本でも様々な分野に入り込んでいる中国の影響下にある分子も、トランプ氏によって炙りだされる可能性が大きいです。米国内で大物を特定し、それを調べれば、当然のことながら、中国の全体のスパイ活動などが明らかになります。その中には、日本のこともふく

私は、日本でも、そのことを恐れた人間が、やはり米国内でもこの手の人間がトランプをあの手この手で、トランプ氏を貶めたように、トランプ氏を徹底的に貶めていたのではないかと疑っています。

いずれにせよ、トランプ氏が大統領に就任すれば、この動きは一挙に加速され、アメリカ国内でも、アッと驚くような暴露がされることでしょう。日本でも、俄には信じがたいような暴露劇が起こる可能性があります。

しかし、中国に魂を売って、日本や米国を裏切ったような連中には、厳然たる処断をくださなければなりません。そうでなければ、本当はやるべきではなかった日米開戦などと似たようなことが起こる可能性があります。もう、日米とも、二度と同じ間違いを犯すべきではありません。

お隣の韓国では、朴槿恵大統領の疑惑が頂点に達しています。しかし、日米ともに朴槿恵大統領の事件を対岸の火事と笑ってなどいられない人々が大勢いると思います。

トランプ大統領の就任の日が待ち遠しいです。

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