2009年10月20日火曜日

日本の貧困率は15.7% 厚労省が初公表-貧困への道を自ら望んでひた走る若者が増加しつつある!!

日本の貧困率は15.7% 厚労省が初公表(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

知識社会に突入した現在、知識を持たない人には、就業の機会が少なくなっている

 長妻昭厚生労働相は20日、低所得者の占める割合を示す「貧困率」について、07年は15.7%だったと明らかにした。政府として貧困率を公表するのは初めて。長妻氏は会見で「今後、子ども手当など、数値を改善する政策を打ち出していきたい」と述べ、数値を踏まえて貧困解消に取り組む考えを示した。

 公表されたのは国民生活基礎調査をもとに算出した「相対的貧困率」。所得を世帯人数に振り分けて高い順に並べたときに真ん中の所得(228万円)を基準に、その半分(114万円)に満たない人が占める割合を示す。

 今回は、98年以降の3年ごとの数値も公表された。98年時点では14.6%、01年は15.3%、04年は14.9%だった。

 経済協力開発機構(OECD)の08年報告書では、04年の日本の貧困率は14.9%で、加盟30カ国のうちメキシコ、トルコ、米国に次いで4番目に高かった。30カ国の平均値は10.6%。日本は働いている1人親家庭の子ども(18歳未満)が58%と、圧倒的に高かった。厚労省は今回、1人親家庭を含む18歳未満の子どもの貧困率は14.2%(07年)と公表した。

 同省は今後、1人親家庭や、子ども手当を受給した場合の貧困率も調べる。

なお、この統計日本の場合には、はたして正確な指標なるのか疑問点が残ります。これについては、以下に私が述べようとしていることの本筋ではないので、三橋貴明さんのブログの解説をご覧になってください。以下にURLを掲載します。

http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/3500729.html

貧困への道を自ら望んでひた走る若者が増加しつつある!!

貧困になるには、いろいろな理由があると思います。親が貧乏だったので、子供も貧乏という貧乏の再生産は避けるべきものと思います。さらに、一生懸命働くつもりかあって、働いているのに貧乏という、ワーキングプアの問題も解消していくべきものと思います。

しかし、貧困にいたるにおいて、過去とはまったく異なる動きがあることも事実です。

たとえば、最近の若者に見られる現象で、いわゆる従来のパラサイト・シングルとは異なるタイプが増えていて、まるで親が国の社会保障のような働きをしているという諸外国にはみられない現象があります。

パラサイトをしているため、収入が少なくても、そうではない人と同水準の生活ができて何とかなるので、雇用に関してあまり真剣に考えず、いわゆる社会人や職業人としての技量を身につける機会を 失ってしまうのです。さらには、結婚もできないため、いわゆる社会性もなかなか身につきません。草食系男子の中にこうした背景もあるのではないかと思います。

また、最近は、派遣社員切りなどが大きく報道されたため、少なくともポジティブな生き方とはみなされなくなりましたが、いわゆる若者の「下流志向」があります。

日本の子どもたちの勉強時間は年々短くなり、いまや世界でも最低水準になってしまいました。彼らは、積極的に「学び」から逃避しています。その結果が学力低下を招いています。「学び」の楽しみ・充実感を知らないまた、若者たちも「労働」から逃避しています。85万人といわれるニートは、自らの意思で知識や技術を身につけることを拒否して、自分探しをしながら階層下降しています。

彼らは生きるために必要な知識を学ぶという当然の行為を否定します。その裏には「無知のままで生きる不安を感じずにいられる」という絶望的な特徴があります。これは貧困や劣悪な生活環境によって「教育を受けたいが受けられない」といった、従来存在した下層社会の問題とは根本的に異なります。彼らにとって教育や労働は強制された「苦役」でしかなく、避けられるものならば避けて通りたい面倒ごとにすぎません。

そうした若者が増殖する原因の1つは「孤立化」であり、社会の目に見えない相互扶助ネットワークから一度逸脱してしまうと、下流生活が定着化してしまいます。今後、こうした若者が加齢するにおよび「下流中高年層」から生涯抜け出させない人たちが多数出てくる危険性すらあると思います。

相互扶助ネットワークといえば、いわゆる、親、親戚、近所づきあい、会社の上司、部下、同僚、地域社会の知り合い、その他のコミュニティーなどがある(ひとことでいえば、ソーシャル・キャピタル)のが、普通なのにこうした人たちは、こうした関わりを持とうとしません。

昨年の年末に派遣村で過ごした人たちの中にも、こういう人たちが大勢いたのではないかと思います。

現在、私たちの社会は、「知識社会」に突入してしまいしまた。知識社会とは、富の源泉がお金ではなく、知識になった社会のことです。いくら、お金があったとしても、それだけでは富の源泉にはならなくっています。無論今でも、お金は、制約条件にはなりますが、富を生み出す主体ではなくなってしまいしまた。

こうした社会では、多かれ少なかれ、当然競争が従来よりももっと激しくなってきています。それも、他人を蹴落とすというような、勝負の仕方ではなく、真っ向から仕事に立ち向かい、自ら仕事に適用できる知識を仕入れて、その知識を適用して、効率的に仕事を完遂しなければなりません。そうです、自ら成果をあげる主体にならなければならないのです。そのようなときに、上記のような状況では、貧困層に落ちてしまうのは必定です。

上記のようないきさつで、貧困層に陥った場合は、本人の自己責任でもあり、仕方のないところもあると思います。しかし、このようなタイプの貧困層でも数が増えれば、社会不安を増長するのは、必定です。このようなタイプの貧困の場合、ただ、手当てをくれてやれば、それで済むということにはなりません。やはり、その病んだ精神を直すことから始めなければなりません。私は、この病んだ精神の延長線上には、全部とまではいいませんが、自殺の問題もあるのではないかと思います。

そのためには、真の教育が不可欠です。学校教育の充実もそうですが、学校を卒業しても、いろいろな知識を得て、職業訓練など、ポジティブな考え方をできるようにするような包括的生涯教育プログラムが必要です。

さて、こうしたことを実現していくためには、政府が直接実施しても、全国一律ということになり、あまりうまくはいきません。かといって、小泉改革の時のように、民間営利企業にやらせても、そのほとんどが失敗(LEC大学の例)だったようににうまくはいかないと思います。

やはり、こうしたことを効率的に実現できるのは、地方の事情に通じて、包括的なプログラムを提供てきる、NPO(民間非営利企業)ではないかと思います。それに、こうした新しいタイプの貧困問題を解決することは、先進国特有の貧困問題にチャレンジすることでもあり、成功することができれば、内需拡大にもかなり貢献できるのではないかと思います。

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6 件のコメント:

prevert さんのコメント...

高度情報化社会、大昔から言われていた。


産業の空洞化、大昔から言われていた。


よって、

このような社会にマッチした


人創り > 物造り


先進国はリーダー

リーダーの仕事は?

途上国などをリードするのでは?


智恵や技術でリードするのでは?

山田 豊 さんのコメント...

prevert様 産業の空洞化といわれながら、多くの企業や特定の部署で、人材がかなり不足しているところがあることも事実です。
やはり、人づくりが重要だと思います。いわゆる、フリーターやまともな職につけない人たちに対して、包括的プログラムによって、そのようなところ就業できるように育てることが大切だと思います。そうして、日本全体としては、おっしやるようにリーダー的な役割を担うべきと思います。
コメント、有難うございます。

匿名 さんのコメント...

>yutakarlson様

コメントありがとうございます。


「向上心」を持たない、貧困を受け入れてしまう若者…。「労働」の楽しみ・充実感を感じさせてくれる様な、日本社会を作らないと増える一方ですね。元六本木の社長の言ってる「ベーシックインカム」。戯言の部類ですが、ちょっと面白そうかと…。

卵かけごはん

山田 豊 さんのコメント...

匿名様 コメント有難うございます。
「労働」の楽しみ・充実感を感じさせてくれる様な、日本社会を作ること、まさに、これが肝要ですね。
私は、これも含めた、包括的なプログラムをNPOが提供できるような体制を整えるべきだと思います。
発展途上国においては、貧困とはいえない新しいタイプの貧困。ここにこそ、次の先進国の大きなステップがあるかもしれないと思います。
これからも、お気軽にお立ち寄りください。

alan_smithee さんのコメント...

「知識社会」なんてことは、せめて一日14時間となく16時間となく勉強してきた博士たちがオーバードクター化して、且つ脱オーバードクターしてもその後も猛勉強を続けなければいけないので結婚出来ない現状をみてから言えばいいのではないでしょうか?

山田 豊 さんのコメント...

alan|-smithee様 コメント有難うございました。知識社会における知識労働者にもいろいろな種類があります。ドクターコースに行ってから知識労働者になる人もいれば、専門学校や大学などを卒業してからなる人、中には高卒の人もいます。

それに、最近はテクノロジストが労働者の中で大半を占めるようになりました。テクノロムジストとは知識労と肉体労働の両面を行うタイプです。この人たちの中には、たとえば脳神経外科医がいます。

脳神経外科医は、手先が器用でないとできません。しかし手先が器用であったからといって、脳神経外科医になれるわけではありません。やはり、かなりの知識を要します。

さらに、パラリーガル(法律支援業務)、パラメディカル(医療支援業務)といった仕事もあります。これらの職につく人たちは、体を使って動くことも多いですが、やはり、脳神経外科医ほどの知識は必要ありませんが、知識がないとつとまりません。

現在では、どこの職場に行っても、肉体労働だけというわけにはいきません。必ずある程度知識が必要であり、知識を仕事に適用していかなければなりません。もし、肉体労働、単純労働だけというと、日本ではできる仕事の幅は極端に狭まります。そういった意味で、現在は日本も、完全に知識社会に移行したといえます。

今でも、中国などに行けば、肉体労働、単純労働だけていう仕事も豊富にあります。

それに比較すると、日本では旧来は、肉体労働だけと思われていたような工事現場でも、高度な工法が適用されるようになり、それ実施するための知識が必要です。さらに、有る程度仕事をしていると、工区の管理などの業務もやることになり、やはり、全く頭を使わないなどといわけにはいきません。また、頭を使うことを拒否する人には、いつまでたっても、チャンスは訪れません。これに関しては、現代では、旧来の単純なガントチャート方式でしたが、今では、大規模工法ともなると、PERTなどネットワークを用いた複雑なものになっています。

基礎的な知識も何もない人には、就業の機会はますます狭まってくると思います。

また、知識社会では、知識の意味も従来とは異なります。知識といった場合昔は、百科事典に掲載されているような知識のことをさしましたが、現代では、普通に知識というと、応用科学、応用数学、応用医学のような実動的な知識の体系や、それらをさらに結集した知恵のことをさすようになりました。


一部の大学院などではこうした知識社会への対応などに対応しておらず、ポスドクなどを生み出す背景ともなっています。知識社会におけるドクターコースのあり方など、これから、改めていかなればならないことかたくさんあると思います。

特に、修士くらいまでは、自分の研究のテーマなど、担当教官と相談の上で決めるなどのことでよいと思いますが、ドクターともなれば、自らの研究のテーマが将来どうのような成果に結びつくのかまで、ビジョンを形成させるようなところまで、実施させるべきだと思います。旧来型の教授の助手のようなことばかりやらせているようでは、教育とはいえないと思います。

いずれにせよ、先進国の将来は、こうした、知識労働者の高い生産性にかかっていることは間違いありません。

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