記者会見を終えて降壇する岸田首相(左)と、官房長官や官房副長官ら=4日夜、首相官邸 |
「衆院議員の空白を、できるだけ短くしなければいけないのは当然だ」「国民に判断をいただくのだから、コロナの現状も念頭に置いた」
岸田氏は4日の就任会見で、衆院選の日程について、こう語った。衆院議員の任期は21日までであり、大きく減ったコロナの新規感染者数を見ると、確かに一理ある。
ただ、政権発足直後は「ご祝儀相場」という支持率上昇が期待できる。一方、コロナの感染者が増えれば、支持率は下落しかねない。野党が選挙準備を終えていないのを狙った動きともいえる。
岸田氏は党内で「お公家集団」と呼ばれる宏池会(岸田派)を率いて、「永田町で一番、人柄が良い」(ベテラン秘書)と言われてきた。
ところが、8月末の総裁選出馬会見で、党役員の任期を「1期1年、3期まで」という党改革案を打ち出し、イメージを変えた。5年以上、党の人事とカネを握ってきた「二階幹事長の交代」を求めたもので、菅義偉首相も同調せざるを得なくなり、菅首相退陣につながった。
総裁選でも、河野氏が「年金制度改革」を打ち出したところ、岸田氏は「消費税が何%上がるのか、はっきり答えてほしい」と迫った。河野氏は「大増税批判」を受けて、白紙撤回を余儀なくされた。最後は岸田氏に大敗し、党広報本部長という格落ちポストに追い込まれた。
政治評論家の伊藤達美氏は「岸田氏は昨年秋の総裁選で敗退後、『もう後はない』と一念発起した。甘利明氏が軍師として支え、中堅・若手が知恵を出してきた。岸田氏自身も大きく変わった。人事も絶妙な配置で、したたかだった」と語っている。
【私の論評】岸田総理面目躍如!総裁選で二階幹事長はずし、小石河連合潰し、選挙前倒しで小池「ファーストの会」潰し実現(゚д゚)!
上の記事では、触れられていませんが、第100代の総理大臣による、岸田政権は超短期政権になります。現在の岸田政権は、次の衆院選が終了するまでの間だけに、成立する政権です。
次の選挙では、よほどのことがない限り自公が勝利し、岸田氏が総理大臣になるでしょうが、そうなっても101代総理大臣になり、甘利幹事長などの党内人事は変わることはないでしょうが、新たに組閣することになります。
そのため、現在の岸田内閣を評価することはできません。本当の評価は、次の選挙後の評価ということになります。これに関しては、高橋洋一氏が理解しやすく動画で解説しています。その動画を以下に掲載します。
ただし、選挙後も党内人事はそのままでしょう。この人事は先日も述べたようにように、3Aの一画である、甘利氏を幹事長に据えたということは評価できると思います。
そうして、上の記事にも高橋洋一の動画にもありませんでしたが、今回の不意打ち総選挙でもっとも割をくった人のことが掲載されていないので、ここに掲載しようと思います。
それは、現在の東京都知事の小池百合子氏です。
小池百合子東京都知事 |
小池都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会(都ファ)が立ち上げた国政新党「ファーストの会」。3日、結党会見を開いたばかりなのに、岸田新首相の“奇策”によって前途多難のスタートを強いられています。
次期衆院選は既定路線の「10月26日公示、11月7日投開票」を念頭に、誰もが準備を進めていたでしょう。しかし、岸田首相はいきなり選挙日程を丸1週間前倒しました。公示日、投開票日ともに仏滅です。さらには、上の高橋洋一氏の動画にもあるように、岸田総理がG20に参加しないということもあり、誰もが「まさか」と思ったことでしょう。
その割をおそらく最も食ったのは、小池知事の顔がチラつくファーストの会でしょう。なにしろ、今月3日、地域政党「都民ファーストの会」は、国政新党として「ファーストの会」を設立すると発表したばかりです。ただし、特別顧問を務める小池百合子都知事は次期衆院選に出馬しないとのことでした。
結党と同時に都ファ公式サイトで始めた候補者公募の締め切りを今月17日に設定したのですが、たった2日後に衆院選が公示され、選挙戦に突入するハメになるのです。
これでは、ただでさえ、準備不足の上、選挙前倒しでこの選挙日程は「ファーストの会」は絶望的です。公募で新人候補を選んでも、ポスターの印刷さえ間に合わないでしょう。とても“台風の目”にはなり得ません。
結党会見で代表の荒木千陽都議 |
結党会見で代表の荒木千陽都議は「東京の25選挙区はすべて(候補を)立てたい」と豪語しました。その願望をかなえるには荒木都議以下、都ファ都議の大半を擁立するしかないでしょう。
そんなことをすれば党内でも「執行部は節操がない」と国政進出に疑問の声が上がる中、都政は大混乱。小池知事の政治生命すら危うくなるでしょう。
もともと特別顧問を務める小池百合子都知事は次期衆院選に出馬しないと、表明していましたが、小池氏のことですから、当然マスコミなどで、風が大きく吹けば出馬したかもしれません。出馬しないまでも、出馬する日まで、選挙応援やその後に続く様々な活動でマスコミの話題をさらい、大きな風を維持しようとしたのでしょうが、その目論見は潰えたといえます。
どうやら小池知事の出る幕ないでしょう。新党騒動はほぼ1日で終焉しそうです。荒木都議は「選挙目当てに『左旋回』を強めていく野党に強い危機感を持って立ち上がった」と語っていました。
ただ、これでは右から左まで守備範囲の広い、自民党には太刀打ちできないでしょう。「ファーストの会」ならでの、コンセプトを打ち出すべきでした。「ファーストの会」は、一人も当選しないかもしれません。
これから、小池知事が国政に打って出て、台風の目になることはないかもしれません。
岸田総理は、この短期間で総裁選で、二階幹事長はずし、小石河連合潰しを、そうして今回の選挙前倒しで、実質的な「ファーストの会」潰しを実現してしまったのです。まさに、面目躍如です。
岸田総理は、この短期間で総裁選で、二階幹事長はずし、小石河連合潰しを、そうして今回の選挙前倒しで、実質的な「ファーストの会」潰しを実現してしまったのです。まさに、面目躍如です。
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