2022年10月7日金曜日

ロシア、トルコに冬服注文断られる 「クレムリン現政権の失敗」―【私の論評】当初の戦争目的を果たせないプーチンは海外に逃避し、ガールフレンドと平穏な余生を送るべき(゚д゚)!

ロシア、トルコに冬服注文断られる 「クレムリン現政権の失敗」

ザポリージャ原子力発電所周辺をパトロールするロシア兵

 インタファクス・ウクライナ通信は6日、ウクライナのレズニコウ国防相の話として、ロシアが第三国を通じて防弾チョッキ20万着と冬服50万着を調達しようとしたが、トルコに注文を断られたと報じた。レズニコウ氏は、ロシアがこうした物品の入手に困っているとの認識を示したという。

 同通信によると、レズニコウ氏はロシアの侵攻について「クレムリンの現政権の失敗だ」と断言。「誰かが責められるだろう。最も(非難される)可能性が高いのは、ロシアの軍人たちだ」と述べた。

 レズニコウ氏はまた、侵攻がうまくいかないことからロシアで今後、政権交代が起こるとも予測。「この瞬間に我々は反攻作戦を行うと共に、ウクライナの安全保障の枠組みについてロシアの新政権と協議する準備をする」とし、こうした道筋が戦争の終結やウクライナの領土回復につながるとの考えを示した。

【私の論評】当初の戦争目的を果たせないプーチンは海外に逃避し、ガールフレンドと平穏な余生を送るべき(゚д゚)!

ロシアは、弱り目にたたり目の状況にあるようです。つい先日には、招集兵に用意していた軍服150万人分が消えたとう怪事件も起こっています。

モスクワ・タイムズ(電子版3日付)によると、ロシア下院議員で元陸軍中将のアンドレイ・グルコフ氏が自身のSNSに、〈戦闘員の受け入れのために備蓄していた150万人分の軍服がどこへ消えたのか分からない。なぜこんな問題が起こるのか。誰も説明しようとしないのだ!〉と投稿。怒りをあらわにしたというのです。

一体、誰が何の目的で軍服150万人分を「消した」というのでしょうか。

筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)が以下のように語っています。

「一般市民はもちろん、末端の兵士に持ち出せるとも到底考えられず、ロシア軍高官の工作だと考えられます。ある程度の組織でなければ、大量の軍服は動かせないでしょう。では、動機は何か。

事実上、ロシア軍は崩壊しており、新たな動員もままならない状況です。地上での作戦遂行が難しいとなると、プーチン大統領が取る選択肢は、戦術核を含む強力な兵器の使用に狭まってきているといえます。

ロシア軍からすれば、核兵器が使われる恐れのある死地へ仲間を動員させたくないわけです。しかも、ドネツク・ルガンスク2州を解放して『特別軍事作戦』は終わるのかと思いきや、4州を併合しても終わりは見えない。プーチン大統領への反発、反感が高まっていると考えれば、消えた軍服事件はロシア軍によるクーデターの予兆とも捉えられます」

記事によれば、部分動員令の発令後、当局は戦闘員に必要物資を供給すると確約。ところが、実際は当局から〈防寒着、冬用の迷彩服、ベレー帽、毛布などを各自で調達するように通達を受けた〉という。動員をかけたにもかかわらず、必要最低限の装備すら用意できず、「各自でどうにかしろ」と呼び掛けているのです。

自前の場合、安価な装備でも1人7万6000ルーブル(約19万円)かかるというから、酷な話です。

「戦線のロシア兵士は、無線機で怒鳴り合いのケンカが絶えないといいます。不十分な装備での戦闘を余儀なくされ、規律も取れず、もはや軍としての体をなしていないのでしょう」(中村逸郎氏)

“怪事件”の首謀者は誰なのか。ロシア国内はプーチン氏への不満がとぐろを巻いているようです。

この話しで思い出したのが、ベトナム戦争時の負けた側の南ベトナム政府軍です。南ベトナム政府軍でも制服は自前で調達させられていたと記憶しています。確かに、防弾チョッキも自前だったと記憶しています。

下の写真は、南ベトナム軍による暴動鎮圧の様子です。兵士の足元にある竹細工のようなものにご注目ください。


これ、何だと思いますか。これ実は、デモ鎮圧時に使うライオットシールド(暴動鎮圧用の盾)なのですが、正規のものがないので、竹籠を代用しているようです。これでも用は足りるのでしょうが、火をつけらたらどうするのかと思ってしまいます。また、鋭い刃物などこれでは防ぎきれないのではないかと思ってしまいます。

それと、兵士の着ている制服ですが、自前とあって、やはり長期間着ているのでしょうか、なにやらくたびれているように見えます。

それにしても、軍服など自前で調達しなければならないような軍隊は、とてもまともとはいえず、南ベトナムが負けたのも当然なのかもしれません。

それでも、ベトナムは気候は亜熱帯ですから、年中同じ軍服でも何とかなるでしょうが、ウクライナの冬は寒いです。そこで、防寒着もままならないロシア兵が寒さに凍えながら、戦闘するということになれば、勝ち目はないです。

ロシアでは2024年、大統領選挙があります。西側の制裁で、その時ロシアのインフレ率は、数十%になり、輸入に依存していた消費財は店から消えてなくなっているでしょう。プーチンは当選できません。


彼を支えるシロビキ(主として旧KGB=ソ連国家保安委員会。ソ連共産党亡き今、全国津々浦々に要員を置く唯一の組織)は、自分たちの権力と利権を守るため、かつぐ神輿をすげ代えようとするでしょう。

プーチンは核兵器や、化学兵器で最後の賭けにでるかもしれません。ただ、このブログでは何度も述べているように、破壊と戦争目的に遂行は全く別物です。

プーチンの元々の目的は、ウクライナのゼレンスキー政権を崩壊させ、ウクライナに傀儡政権を樹立して、事実上ウクライナをロシアに従属させることだったと考えられます。

この目的は、たとえ戦術核を用いて、ウクライナのいくつかの都市を破壊したとしても、成就しません。このようなことをすれば、西側諸国はさらにロシアへの制裁はさらに厳しい制裁を課すでしょう。これまでは、NATOは直接軍隊をウクライナに派遣することはありませんでしたが、本格的に送り込むことになるかもしれません。

そうなると、当初のプーチンの戦争目的はさらに遠のくことになります。 もうすでに、プーチンは戦争目的を果たすことは全く無理なのです。

現時点では、プーチンは2024年に失脚するのは間違いないと考えられます。核戦争などするなどの愚かな真似はやめて、かなりの財産を国外にドルベースなどで逃避させてあるでしょあうから、海外に逃亡して、ガールフレンドと平穏な余生を送るべきだと思います。

ブーチン(左)とその恋人とされるアリーナ・カバエワ

まかり間違って、クーデターや、革命などが起こってしまえば、悲惨な死を迎えるだけになってしまいます。どちらが良いかの計算くらいは、現在のプーチンにもできるはずです。

スリリングな逃避行を自叙伝で公表していただければ、是非読んでみたいです。そうして、その自叙伝には、ウクライナ侵攻に至る経緯や、戦争目的などについても是非とも記していいただきたいものです。

南ベトナムの、大統領だったグエン・バン・チューは、サイゴン陥落後はアメリカ軍の手を借りて台湾(台北士林)へ亡命し、その後イギリスのサリーにわたり、最終的にアメリカ合衆国マサチューセッツ州に移り住んで同地で病死しています。

現状だと、中国がプーチンの亡命の手助けができるかもしれません。ただ、プーチンが核兵器や化学兵器を使ったりすれば、中国としても国際世論を恐れて、プーチンを助けることをためらうようになることでしょう。

ただ、グエン・バン・チューは米国の傀儡に過ぎなかったわけですが、プーチンは違います。戦争を始めた張本人です。それを考えると、平穏な余生は夢のまた夢なのかもしれません。

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