ロシア軍に占領されたザポロジェ(ザポリージャ)原発 |
ウクライナ南部のザポロジエ原発について、国際原子力機関(IAEA)は4日の声明で、主要な外部電源への接続が切れたと明らかにした。必要な電力をバックアップの送電線に頼る状態になったという。欧州最大のザポロジエ原発をめぐっては、ロシア軍が爆破する恐れがあるとして、ウクライナのゼレンスキー大統領らが警戒を呼びかけている。
IAEAの声明によると、4日午前1時21分に接続が切れたという。原因や復旧にかかる時間は不明とした。グロッシ事務局長は、ザポロジエ原発の「不安定な安全性を示した」と訴えた。
ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は6月下旬、ロシア軍が同原発の原子炉6基のうち4基の周辺に爆発物搭載の兵器を配備したと明らかにした。爆発などで原子炉の冷却が停止した場合、最短10時間でメルトダウン(炉心溶解)に至る恐れがあるという。情報総局は、原発を支配下に置くロシア国営企業「ロスアトム」が原発作業員に対し、今月5日までの退避を勧告したとする諜報内容も公表済みだ。ロシア側は「事実無根」と否定した。
ザポロジエ原発は昨年夏ごろからロシア軍の攻撃で外部電源を喪失する事態がたびたび起きた。原発事故の危険を避けるため、昨年9月に全原子炉の稼働が停止されたが、一部の原子炉はなお高温状態にあるとみられる。
今年6月には同原発の冷却水の取水源となっていた南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所ダムが決壊した。これについてもロシア軍の攻撃によるとの指摘がある。
ロシア軍の現状は、ウクライナ軍の反転攻勢を受けているほか、内部でも民間軍事会社「ワグネル」の反乱による動揺が収まっていない。
ロシアの独立系調査団体「ロシア・フィールド」の世論調査によると、ワグネルの創設者プリゴジン氏の行動を肯定的な態度を示したのは、2月時点の41%から反乱直前の6月中旬には55%まで上昇。反乱後には減少したものの29%は支持を続けている。
兵士の損失や腐敗を訴えるプリゴジン氏の国防省に対する批判について計46%が「妥当だ」と答えている。
これまでも非人道的な行為を重ねてきたプーチン政権とロシア軍だが、国内外に波乱要因を抱えるなかで、原発爆破という前代未聞の非道な攻撃に出る懸念は残る。
【私の論評】ロシアはウクライナの複数の原発を攻撃し、ウクライナの電力源を絶とうとするかもしれない(゚д゚)!
上の記事では、「ザポロジエ原発は昨年夏ごろからロシア軍の攻撃で外部電源を喪失する事態がたびたび起きた。原発事故の危険を避けるため、昨年9月に全原子炉の稼働が停止されたが、一部の原子炉はなお高温状態にあるとみられる」としていますが、これは誤解を招きやすいと思いますので、補足説明をしておきます。ザポリツィア原発のすべての原子炉が、原発事故の危険を避けるために昨年9月に停止したというのは一時的なものであり、同原発は、ロシア軍が現場を掌握した3月以降も稼働率を下げて稼動しています。今日現在、同原発ではまだ4基の原子炉が稼働しています。
戦争が始まって以来、原発は何度か外部からの電力供給を失ったのですが、原発にはバックアップ用の発電機があり、原子炉を稼働させることができました。しかし、外部電源の喪失は、使用済み燃料プールを冷却できないなど、原発のいくつかの問題を引き起こしています。使用済み燃料プールは、原子炉で使用された後の核燃料を冷却するために使用される大きな水のプールです。使用済み燃料プールが適切に冷却されなければ、放射能漏れにつながる可能性があます。
国際原子力機関(IAEA)はザポリジェ原発の状況を注意深く監視しており、ただちに原発事故が起こる恐れはないとしている。しかし、状況は「非常に緊迫」しており、原発は「脅威にさらされている」とも警告しています。
IAEAグロッシ事務局長 |
ロシア軍がザポリツィア原発の爆破を計画しているという具体的な証拠はありません。しかし、こうした恐れを抱かせる要因はいくつかあります。
同原発はヨーロッパ最大の原子力発電所であり、そこで核爆発が起これば壊滅的な結果を招くでしょう。
ロシア軍はすでに何度か同原発を砲撃しており、敷地内に爆発物を仕掛けたとの情報もあります。ロシアのプーチン大統領は人命軽視の姿勢を示しており、過去には核兵器を使用すると脅したこともあります。
注意しなければならないのは、これらは単なる懸念であり、ロシア軍が実際に原発を爆破するという保証はないということです。しかし、そのような攻撃がもたらす潜在的な影響は非常に大きいため、真剣に考える価値があります。
爆発する原発 AI生成画像 |
ロシアによるザポリツィア原子力発電所への攻撃は、ウクライナ、ヨーロッパ、そして世界にとって破滅的な結果をもたらす可能性があります。以下は、私が予測する具体的な結果の一部です。
核爆発: 原発には6基の原子炉があり、そのうちの1基が爆発すれば、大量の放射能が大気中に放出される。これは広範な死傷者をもたらし、今後何年にもわたって環境を汚染する可能性がある。
原発のメルトダウン: 原発が損傷した場合、メルトダウンに至る可能性がある。メルトダウンは、核爆発に比べればはるかにゆっくりとしたペースで起こる災害だが、それでも極めて危険であることに変わりはない。メルトダウンは大量の放射能を環境に放出し、水源を汚染する可能性があります。
火災: 原発には大量の可燃性物質が含まれており、爆発した場合、火災が発生する可能性があります。原発で火災が発生すれば、大量の放射線が大気中に放出され、原子炉がオーバーヒートしてメルトダウンする可能性もあります。
電力喪失:ザポロジェ原発は稼働時にはウクライナの数百万人に電力を供給しており、もし原発が破壊されれば、永久に電力を救急できない可能性がります。戦争が終わっても、発電所を設置するには、ある程度の時間を要します。これは経済や人々の日常生活に大きな影響を与えるでしょう。
ザポリツィア原子力発電所への攻撃がもたらす結果は壊滅的であり、ロシアにとっても大きな被害をもたらすでしょう。ロシアの広い地域でも放射能被害を免れないでしょう。そうして、ロシアへの経済制裁は現状よりさらに厳しくなり長期化するでしょう。
ロシア軍がザポリツィア原発を爆撃した場合、ロシアにどの程度の損害がもたらされるかを予測するのは難しいです。しかし、専門家たちは、その被害は甚大なものになると見ています。原発はウクライナ南東部、ロシアとの国境近くに位置しています。もし原発が損傷すれば、大量の放射線が大気中に放出される可能性があります。この放射線は風に運ばれ、ロシアの一部にも到達する可能性があります。
被害の正確な程度は、原発の損傷の程度、気象条件、風の流れの位置など、多くの要因に左右されるでしょう。しかし、専門家たちは、ロシアの広い地域が影響を受ける可能性はあると考えています。
例えば、カーネギー国際平和財団の調査によると、ザポリツィア原発で原子力災害が発生した場合、発電所を起点に最大1,000平方キロメートルの地域(東京都全域に匹敵する)が汚染される可能性があるといいます。この地域には、現在のロシアの占領下にあるウクライナの都市を含み、たとえば15万人以上の人口を抱えるメリトポリ市が含ます。無論、元々ロシア領内だった地域にも影響は及びます。
ザポリツィア原発の事故がロシアに与えるダメージは大きいです。環境、経済、そして被災地に住む人々の健康に悪影響を及ぼすでしょう。このような攻撃の影響はウクライナだけにとどまらないことを忘れてはならないです。全世界が影響を受けるでしょう。
放射能汚染で人や動物が住めなくなった地域 AI生成画像 |
ウクライナ各地で稼働する原発をめぐっては今後とも危険性があるでしょう。ロシア軍による直接的な破損、また占拠したロシアの軍人による不適切な扱いによる事故などが予想できます。現在の兵器工場なとを含めて、工場のほとんどは電気で稼働しています。電気を絶てばウクライナは兵器の製造、弾薬の製造、その他兵戦争に関わる製造ができない状態にあります。
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