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2016年9月28日水曜日

【朝日新聞研究】「君が代」否定の根拠とされる五輪憲章 現実とはなはだしく乖離している―【私の論評】朝日もNHKもネガキャン手法に限界?左翼・リベラル・中国にさえ見放される(゚д゚)!

【朝日新聞研究】「君が代」否定の根拠とされる五輪憲章 現実とはなはだしく乖離している

8月20日NHK「おはよう日本」が報道した「五輪開催5つのメリット」
ブラジル・リオデジャネイロ五輪の代表選手団の壮行会(7月3日)で、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(元首相)が「国歌も歌えないような選手は日本の代表ではない」と苦言を呈したことから、また国歌・君が代が話題になった。

国歌国旗法が成立したときに大反対した朝日新聞は、8月23日朝刊のオピニオン欄「耕論」で、「スポーツと国歌」と題して、3人の意見を載せている。元サッカー日本代表主将の宮本恒靖氏と、元プロ野球選手で元参院議員の江本孟紀氏、もう1人は女性の憲法学者である。

宮本氏は、国際試合で君が代が演奏されるとき、初めは歌わなかったが、次第に歌うようになったという。江本氏は「スポーツ選手は君が代を歌うべきだと思います」と明言する。両者ともに肯定的である。

否定的なのは女性学者で、憲法学者らしく五輪憲章を持ち出して、第6条で「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」と明記されているといい、「同憲章では、国際オリンピック委員会と組織委員会が国別のランキングを作成することを禁止しています」と指摘する。

朝日新聞としては珍しく感じる2人の肯定論に対し、間もなく読者からの反論を、投書欄「声」に採用している。

8月29日、32歳の牧師からのもので、「耕論『スポーツと国歌』(23日)を読み、国歌を歌わない五輪選手に苦言を呈した森喜朗氏を擁護する意見に違和感を持ちました」とあり、その理由を「なぜなら、私はクリスチャンであり、天皇(陛下)を賛美する歌詞の君が代を歌えません。聖書に記されている神以外を賛美することはできないのです」という。

このような強固な宗教的見解に立脚した反対論はともかく、女性学者の持ち出した五輪憲章の規定は、現実とはなはだしく乖離(かいり)しているのではないか。

どの競技でも、メダルを獲得した選手は、国旗をまとって歓びを表している。スポーツを国威発揚の手段とする国は、いくらでも存在する。国別メダル獲得数については、憲章の精神は無視されているし、朝日新聞自身が掲載している。

五輪より、さらに国家やナショナリズムと関係が深いのが、サッカー・ワールドカップ(W杯)で、これこそ明白に「国と国との戦い」である。テレビでサッカーの国際試合を見ていると、ピッチの脇に朝日新聞の広告が出てくる。

朝日新聞が、日本代表チームの「サポーティングカンパニー」になっているからである。もし、ナショナリズムを忌避するなら、朝日新聞は速やかに公式スポンサーを解約すべきではないか。

【私の論評】朝日もNHKもネガキャン手法に限界?左翼・リベラル・中国にさえ見放される(゚д゚)!

ブログ冒頭の写真で掲載したように、8月20日NHK「おはよう日本」が報道した「五輪開催5つのメリット」ですが、これは著しく五輪憲章を逸脱していると言わざるを得ません。

以下に、この番組の動画を掲載します。



これはオリンピック憲章の「オリンピック競技大会は、 個人種目または団体種目での選手間の競争であり、 国家間の競争ではない」とした理念と真っ向から対立する考え方となっており、NHKがオリンピックの理念を何ひとつ理解できていないことを明確に示しているか、わざわざこのように事実を曲げて報道する背後に何らかの意図があるのではないかと思います。

ではなぜIOCは、オリンピック憲章に敢えて「国家間の競争ではない」と明記し、国家の威信や指導者の権力を披露する事を固く拒んでいるのでしょうか?それには苦い過去の経験があります。

オリンピックを 「国威発揚」のために徹底的に「政治利用」したのがヒトラー率いるナチスドイツでした。1936年にナチスドイツ下で開催されたベルリンオリンピックでは、国家の総力を挙げてスタジアムや選手村、各種インフラの整備が行われ、実験段階だったテレビ中継が実施されました。後にヴェネツィア国際映画祭で金賞を獲得するオリンピックの記録映画「民族の祭典」がナチスお抱えのレニ・リーフェンシュタール監督によって撮影されています。


レニ・リーフェンシュタール監督による「民族の祭典」

今ではオリンピック前の恒例行事として知られるようになった初の聖火リレーが行われたのもベルリンオリンピックで、この際の経路の詳細な調査結果が第二次世界大戦でのドイツ侵攻に活用されました。

このように、オリンピックが結果的にナチスドイツの「国威発揚」に荷担させられる結果になってしまったことから、オリンピック憲章ではオリンピックを国家のプロパガンダの場として政治利用することを拒んでいます。

ヒトラー 当時としては珍しいカラー写真
つまり、今回NHKが堂々と放映したオリンピック開催のメリットの筆頭に「国威発揚」を挙げるという行為は、近代オリンピックが過去の苦い経験への反省から作り上げたオリンピックの精神を土足で踏みにじるもの。どこぞのまとめサイトが書き散らしたのならともかく、仮にも次期オリンピック開催国の公共放送が全国ネットで放映していい内容では断じてありません。

さて、朝日新聞の8月23日朝刊のオピニオン欄「耕論」を朝日新聞デジタルから引用します。
(耕論)スポーツと国歌 宮本恒靖さん、江本孟紀さん、志田陽子さん

2016年8月23日05時00分 


 「国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない」。選手団壮行会で、来賓からこんな発言も飛び出したリオ五輪が閉幕した。スポーツと国家、個人のかかわりを、改めて考えたい。

■プレーで応えるのが使命 宮本恒靖さん(元サッカー日本代表主将、ガンバ大阪ユース監督) 
宮本恒靖さん 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 初めて国際試合に出たのは高校2年になる春です。17歳以下の日本代表に選ばれました。自分のアイデンティティーというものを強く感じたのを覚えています。国民の代表として戦うんだ。このユニホームを着て戦う限り、ふがいないプレーはできない。そんな責任感が生まれました。 
 サッカーの国際試合では、キックオフ前に両チームの国歌が流れます。その初めての代表戦のときもそうでしたが、僕は歌いませんでした。歌いたくなかったということではないんです。理由は特になくて、慣れていないことが大きかったような気がします。その後、A代表にも選ばれ、何十試合と国際試合を経験していくなかで、歌うようになりました。 
 国歌が流れるのは、国際試合ならではのこと。そう考えると、聞きながら燃えてこないわけがない。今からこの国のために戦うということ、代表のユニホームを着られる喜び、誇り。そういうことを感じる瞬間です。自然と声が出るようになりました。 
 僕の場合、ゲームに向かう準備の最終段階で、心を整えるという意味合いもありました。歌いながら心を落ち着かせ、ほどよい高揚を持って戦いに出て行く。いわば、ルーティンです。 
 ただ、胸の中の思いは選手それぞれだし、どう表現するかも人によるものです。黙って目を閉じて、国歌を聞く選手もいます。その瞬間にどう振る舞うかは、意思の自由。心を一つにするためにみんなで歌うという方法もあるかもしれませんが、ルールを決める必要はないと思います。代表にいたとき、協会や監督から言われたことはないし、自分が主将のとき、決まりを作ろうとも思いませんでした。 
 いいプレーをしたり勝ったりすると、国中のみんなが喜ぶ。そういう日本代表の力を、地元開催の2002年W杯では実感しました。直接会うことはなくても手紙をくれたり、「病気だけど気分がよくなった」と言ってくれたりした人もいました。 
 たくさんの人にプラスのものをもたらせる立場にあるわけだから、もっとがんばらない手はない、となる。サッカー以外の代表も、同じなんじゃないでしょうか。 
 五輪の表彰式で、一番真ん中に国旗が掲揚されるという場面は、まさに喜びをもたらせた瞬間です。それを見ながら、誇らしいとか良かったとか、さまざまな思いがわくでしょう。その感情をどう表に出して、そして国歌を歌うか歌わないかも、選手それぞれですよね。見守ってあげてほしいなと思います。
選手としては、使命や期待に応えるのはプレーです。いかにチームや個人としてしっかり力を出すか。代表の役割もそこに尽きると思います。(聞き手・村上研志) 
* 
みやもとつねやす 77年生まれ。2002年と06年のW杯、04年アジア杯(優勝)で日本代表主将を務めた。11年に現役引退。

■競技と社会の関係、考えて 江本孟紀さん(プロ野球解説者、元参院議員) 
江本孟紀さん
 スポーツ選手は君が代を歌うべきだと思います。国際試合であれば、なおさら。相手の国への敬意を示す意味でも、自分の国の国歌に対して知らん顔というのはおかしいことになるでしょう。 
 民主党の参院議員だった1999年、国旗・国歌法案に賛成しました。党内には反対の議員も多かったのですが、国旗・国歌特別委員会でも、賛成の主張をしました。 
 教育現場で混乱が起きるのは国旗・国歌の法制化をしなかったからであり、過去の政治家と国民の間で、長くあいまいにされていた問題と考えたのです。
君が代の歌詞がわかりにくいとの批判がありましたが、そもそも校歌や社歌等も同じで私の出身高校の校歌だって明治時代の歌詞でさっぱりわからない。それでも、甲子園で校歌が流れれば故郷を思い感激しますといった持論を特別委で展開しました。首相だった故・小渕恵三さんから、「素晴らしい質問だった」と後で電話をもらいましたよ。 
 当時、国歌を歌うよう強制はしないと政府は答弁していました。しかし、その後、東京で石原慎太郎都知事、大阪で橋下徹府知事がそれぞれ登場したことなどもあって、教育の現場では強く指導する流れになっていますね。 
 何が強制にあたるかという問題でしょうが、学校で毎日歌わせるのならともかく、年に1回か2回の儀式と、そのための何回かの練習が強制にあたるとは思えません。 
 スポーツの世界で、戦時の経緯を考え、政治的に歌いたくないという選手が歌わないのなら、それでいいと思うんです。 
 ただし最近、スポーツ選手が「日の丸を背負って」「国を背負って」といった言い方をしきりにする傾向があると感じています。大げさな感じであまり好きじゃない表現ですが、そのように言う以上は、君が代を歌えないのは矛盾するでしょう。 
 根底にあるのは、選手も指導者も、ここぞという国際試合の場で国歌にどう向き合うかしっかり考えていないことだと思います。さらに言えば、国や政治とスポーツは関係ないと思っている当事者が多すぎるのではないか。 
 国歌を歌わない選手に苦言を呈した森喜朗さんも「選手にはもっと、競技活動と国との関係を考えてほしい」と言いたかったのではないか、と受けとめています。 
 五輪での選手のコメントは、コーチや親など、身の回りにいる人たちへの感謝の言葉がほとんどでした。それはそれで結構ですが、活動できたのは税金で助成してもらったり、税制上の優遇を受けた学校などのスポーツ施設を使ったりしたからのはず。もう少し社会や政治とのかかわりに心を寄せてほしいものです。(聞き手・池田伸壹) 
* 
えもとたけのり 47年生まれ。プロ野球の阪神、南海で投手として113勝した。92年から参院議員に2期連続で当選。

■公人の発言、萎縮招く恐れ 志田陽子さん(武蔵野美術大学教授) 
志田陽子さん
  リオデジャネイロ五輪で、日本人選手を応援し、感動するのは自然なことです。表彰式で君が代が流れ、感激した人も多かったでしょう。 
 開催中、五輪憲章を読んでみました。日本国憲法と通じる点が多いことに驚きました。 
 オリンピックは、平和な社会と「人間の尊厳」を推進することを目的としていて、憲法と共通する精神を持っています。さらに、憲章は第6条で「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」と明記し、競技者個人を参加主体としています。 
 国別のメダル獲得数が報道されていますが、同憲章では、国際オリンピック委員会と組織委員会が国別のランキングを作成することを禁止しています。国ではなく、選手とチームが主体なのです。 
 日本国憲法では、第13条が保障する「個人の尊重」がこれに通じるでしょう。選手は個人の自己決定幸福追求権)をもとに全力を尽くしているのです。 
 歴史を振り返れば、第2次世界大戦にいたるナチスドイツに顕著に見られたように、国民感情を都合よく操作するために、権力者が芸術とスポーツを利用してきました。日本でも総力戦体制で、文学、美術、音楽、映画やスポーツが国威発揚や戦意高揚に動員されました。個人より国家を重視していたのです。 
 五輪憲章も日本国憲法も、こうした反省の上に立っているのだと思います。
そんな流れを知ってか知らずか、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相が、リオ五輪へ向けた代表選手の壮行会で「国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない」と発言しました。大変残念なことです。オリンピックの精神からも憲法の理念からも、権力が個人の心の中に入り込むことがあってはならない。国歌を歌うか歌わないかは、選手に任されるべきです。 
 例えば実業団チームを持つ企業の経営者が「わが社の商品を知らないようでは、うちの選手ではない」と言うのは許されるかもしれない。しかし、政治家など公的な立場にある人の発言は、選手だけでなく社会を構成する一般の人たちにも影響します。直接批判されていない人にも、発言を忖度(そんたく)し、レッテル貼りを恐れることによる迎合や萎縮をもたらす効果がある。公的立場にある人は、自らの影響力を自覚し、個人的選好を強制する発言は慎まなければなりません。 
 スポーツや文化活動にはお金もかかります。民主的な決定に基づいて国が公的にサポートするのはすばらしいこと。しかしその場合も、国はあくまでも応援団に徹するべきです。(聞き手・池田伸壹) 
* 
しだようこ 61年生まれ。専門は憲法。編著書に「表現者のための憲法入門」「映画で学ぶ憲法」。講演と歌唱の活動も。
NHKの報道も、朝日新聞の報道も、一見コインの表裏のように異なるようにも見えますが、 結局目指すところは同じなのだと思います。

NHKの報道に関しては、オリンピックそのものにナチスばりのネガティブな印象を強調し、安倍政権批判に結びつけるということだと思います。

朝日新聞のほうは、五輪憲章を強調し、森喜朗会長(元首相)が「国歌も歌えないような選手は日本の代表ではない」と苦言を呈したことを強調し、あたかもこの発言が、五輪憲章を踏みにじるかのように印象付け、ネガティブな印象を強調し、安倍政権批判に結びつけるということであると考えられます。

どちらも、安倍政権批判に結びつけようとしています。しかし、オリンピックそのものをネガティブに仕立てようと、国歌を歌えない選手に苦言を呈したもと総理大臣のことをことさら強調しようと、多くの人の国歌に対する考え方や、オリンピックに対する考え方を変え、さらにそれをもって、多くの国民に対して、安倍政権に対して、ネガティブな意識を植え付けることなどできるのでしょうか。

ほとんど、無理ですね。ほとんどの人は、このようなキャンペーンに影響されることはないでしょう。にもかかわらず、なぜこのような姑息なことをするのでしょうか。

もう、NHKも朝日新聞も、多くの国民に見透かされネガキャン手法に限界がきているのではないでしょうか。もっと、もっとやり方はあるはずです。

どうせやるなら、もっと効き目のあるまともなキャンペーンはできないものなのでしょうか。彼らの立場に立って物事を考えてみても、情けないの一言です。この有様では、両方共左翼・リベラルそうして中国からさえ、効き目のないメデイアとして相手にされなくなるのではないでしょうか。

中国は、このまま効き目のないメディアを放置しておいて良いはずがありません。日本のメディアがまともに日本政府を貶められるように、まともなネガキャンができるわように、督戦隊を送り込むべきです。

無論、これは冗談ですよ。たまに、真に受ける人がいるので、念のため掲載しておきます。

結局いいたいことは、朝日も、NHKもなぜか日本や、日本政府を貶めるような報道をするのですが、それがほとんど効果がなくなっているということです。これでは、いずれ、左翼・リベラル、中国にも見放されることになるのは必定です。

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2016年9月13日火曜日

朝日新聞が戸惑う「改憲賛成」圧倒多数―【私の論評】どうして朝日新聞独自の調査では全く逆の結果がでるのか?

朝日新聞が戸惑う「改憲賛成」圧倒多数

Japan In-depth 9月10日(土)18時0分配信

改正を求める人たちの最も多くが憲法9条を問題にしている
という結果も朝日新聞の社論を否定することとなった。
朝日新聞が9月7日朝刊で報じた自社の世論調査で憲法改正の賛成が反対の2倍近く、つまり圧倒的に上回るという結果が出た。

しかも改正を求める人たちの最も多くが憲法9条を問題にしているという結果も朝日新聞の社論を否定することとなった。だが肝心のこの調査結果を報じる朝日新聞の記事の見出しはまったくそんな事実を隠す形となっていた。

朝日新聞の長年の読者としての私にとってもこの世論調査結果はショッキングだった。

朝日新聞が東京大学の特定の研究室と合同で定期的に実施する日本の国内政治に関する世論調査である。私の記憶では、かなりの年月、続いてきたこの調査でも、また朝日新聞が実施した他の世論調査でも、憲法改正に関して賛成が反対をこれほどの大差で上回るという実例は皆無なのだ。こんな結果だった。

≪憲法改正への賛否について聞いたところ、「賛成」「どちらかと言えば賛成」の賛成派が42%、「どちらとも言えない」の中立派が33%、「どちらかと言えば反対」「反対」の反対派が25%だった≫

要するに、憲法改正に賛成が42%、反対が25%と、改憲派が2倍近い大差で多かったのである。この数字は改憲絶対反対のキャンペーンを長年、必死で続けてきた朝日新聞にとっても衝撃的なはずだ。

しかも同じ世論調査で改憲賛成派の多くがまず第一に憲法9条の改正を求めるという結果が出ていたのだ。この点は朝日新聞の年来の主張とは正反対である。朝日新聞は憲法の改正をたとえ考えても、9条だけは絶対に変えるな、というスタンスできたのだ。改憲を求める安倍晋三首相でさえ、9条改正を迂回して進もうという姿勢をみせている。なのにこんな結果が出てしまったのだ。この点の朝日新聞の報道結果は以下のようだった。

≪改憲賛成派に改憲すべき項目を選んでもらったところ、最も多かったのは「自衛隊または国防軍の保持を明記」で57%、次いで「集団的自衛権の保持を明記」が49%≫

国防軍の保持の明記も、集団的自衛権の保持の明記も9条の範疇である。朝日新聞としてはなんとも不都合な世論調査結果だったのだ。

さてでは朝日新聞はこの結果をどう報じたのか。以下がその記事の見出しだった。

≪7月参院選の投票先 憲法重視層は民進 経済分野自民強み≫

上記のような見出しからはこの世論調査の対象者たちの圧倒的多数が憲法改正を求めていた、という最大のニュース要因は想像もできない。つまり朝日新聞はこの結果を矮小化し、隠蔽に近い見出しの表現を選んだのだ。よほど困ってしまったのだろう。

古森義久(ジャーナリスト・国際教養大学 客員教授)

古森義久氏

【私の論評】どうして朝日新聞独自の調査では全く逆の結果がでるのか?

さて、朝日新聞の元記事はどうなっているか、残念ながら私は朝日新聞を購読してないので、以下に朝日新聞デジタルのそれらの記事のリンクを掲載します。
「憲法」は民進、「経済」は自民 有権者が重視した政策
笹川翔平

2016年9月6日21時49分

ブログ冒頭の記事で、古森氏が掲載していた9月7日の朝日新聞の記事のタイトル「7月参院選の投票先 憲法重視層は民進 経済分野自民強み」とは若干異なりますが、おそらくWEB版の記事をそのままか、若干加筆して朝日新聞に掲載したのでしょう。この記事には、確かに世論調査の詳細は掲載されいません。

詳細が掲載されているのは、この記事の中でリンクを貼ってある以下の記事です。

特集:朝日・東大谷口研究室共同調査
この特集では、確かにアンケートの詳細が記されています。そうして、アンケート解説は以下の3つの柱で構成されています。
改憲、有権者の関心は9条 
消費増税、当選者の見解と差 
民進・共産、互いの好感度低調
WEB版で見ている限り、元記事からは、ブログ冒頭の記事で古森が指摘しているような、重大な結果が掲載されているとはとても思えません。この記事を読んだ人の大半は、アンケートの内容に重大な結果があるとはまず思わないでしょう。

第1の柱に付随している、チャートを以下に掲載します。



この結果から確かに、憲法改正に賛成が42%、反対が25%と、改憲派が2倍近い大差で多かったことがわかります。

そうして、同じ世論調査で改憲賛成派の多くがまず第一に憲法9条の改正を求めるという結果が出ていたこともはっきりしています。

これは、確かに朝日新聞の社論からは、かけ離れた結果です。しかし、朝日新聞としては、この結果を読者にはっきりとわかる形で掲載し、世論が変わったことの潮目であったことをはっきり認識すべきです。

去年のこの調査の結果はわかりませんが、古森氏上の記事で分かる通り、憲法改正派がこのように多かったのです。

古森氏の繰り返しになりますが、なんとも意外な結果です。2012年の総裁選で強く改憲を訴えた安倍総理でも、最近は国民的理解が深まっていないと明言し、9条改正を急がない姿勢を見せています。それもこれも、これまでの各種世論調査の結果がそれを求めているからでした。

ではここで、過去のアンケートを振り返ってみます。、この春に朝日新聞が憲法記念日を前に実施した世論調査ではどんな結果だっただろうか。
改憲不要55%、必要37% 朝日新聞世論調査
朝日新聞デジタル 2016年5月2日22時41分


 憲法記念日を前に朝日新聞社は3月中旬から4月下旬にかけ、憲法に関する全国世論調査(郵送)を実施し、有権者の意識を探った。それによると、憲法を「変える必要はない」が昨年の調査の48%から55%に増え、「変える必要がある」は昨年の43%から37%に減った。大災害などの際に政府の権限を強める「緊急事態条項」を憲法に加えることに「賛成」は33%で、「反対」の52%が上回った。

   憲法改正については、2014年の郵送調査から「必要はない」が「必要がある」を上回っており、その差は今回さらに開いた。
(以下略)
もう一つの、アンケート結果を掲載します。
世論調査―質問と回答〈3・4月実施〉
2016年5月2日22時39
〈調査方法〉 全国の有権者から3千人を選び、郵送法で実施した。対象者の選び方は、層化無作為2段抽出法。全国の縮図になるように338の投票区を選び、各投票区の選挙人名簿から平均9人を選んだ。3月16日に調査票を発送し、4月25日までに届いた返送総数は2077。無記入の多いものや対象者以外の人が回答したと明記されたものを除いた有効回答は2010で、回収率は67%。 
 有効回答の男女比は男47%、女52%、無記入1%。年代別では20代8%、30代14%、40代18%、50代16%、60代21%、70代16%、80歳以上7%。
この調査で興味深いのは、以前は電話調査だったのが安倍政権に変わった2013年3月の調査から郵送方式に変わったことです。そして、安倍政権になってから『変える必要がない』が急に増え始め、逆転しています。

方式変更の影響は不明ですが、特定秘密保護法や安全保障法制にからむ朝日をはじめとするネガティブキャンペーンが影響を与えていることは間違いないようです。この問題で国会で紛糾するたびに内閣支持率は低下し、憲法改正賛成の数字は下がっていきました。

TVジャーナリストらによる「特定秘密保護法案」反対会見
特に昨年の集団的自衛権を含む安保法案の審議過程においては、朝日新聞に限らず、他の新聞や、テレビそうして野党も加わって大ネガティブキャンペーンが繰り広げられました。

では、なぜ今回の調査では逆の結果となったのでしょうか。逆の結果となった原因には2つあると思います。

まず一つ目は、質問方法の違いです。今回の東大との共同調査の質問内容(文言、質問の順番など)は不明ですが、朝日新聞が春に行った調査では、「◆いまの憲法を変える必要があると思いますか。変える必要はないと思いますか」の質問の前に以下のような多くの質問をしていました。
◆今度の参議院選挙で一番大きな争点は、憲法だと思いますか。ほかに重要な問題があると思いますか。
一番大きな争点は憲法だ32
ほかに重要な問題がある60

◆憲法を変えるには、衆議院と参議院でそれぞれ3分の2以上の議員が賛成して提案し、国民投票で過半数が賛成することが必要です。今度の参議院選挙の結果、憲法改正に賛成する政党の議員が参議院全体で3分の2以上を占めたほうがよいと思いますか。それとも、占めないほうがよいと思いますか。
占めたほうがよい39
占めないほうがよい51

◆以下は、憲法第9条の条文です。(憲法9条条文は省略)憲法第9条を変えるほうがよいと思いますか。変えないほうがよいと思いますか。
変えるほうがよい27
変えないほうがよい68

◆集団的自衛権を使えるようにしたり、自衛隊の海外活動を広げたりする安全保障関連法に、賛成ですか。反対ですか。
賛成 34  反対 53

◆安全保障関連法が、憲法に違反していると思いますか。憲法に違反していないと思いますか。
違反している50
違反していない38

◆いまの自衛隊は、憲法に違反していると思いますか。違反していないと思いますか。
違反している21
違反していない69

◆憲法第9条を変えて、自衛隊を正式な軍隊である国防軍にすることに賛成ですか。反対ですか。
賛成 22  反対 71

◆テロや大災害などに対応するため、政府の権限を強める「緊急事態条項」をいまの憲法に加えるべきだ、という意見があります。一方で、法律を充実すればいまの憲法でも十分対応できる、という意見もあります。いまの憲法に「緊急事態条項」を加えることに、賛成ですか。反対ですか。
賛成 33  反対 52

◆憲法で国家権力の濫用を防ぎ、国民の権利を保障する「立憲主義」という考え方があります。「立憲主義」に共感しますか。共感しませんか。
共感する77
共感しない13

◆憲法は、簡単に変えないほうがよいと思いますか。それとも、柔軟に変えるほうがよいと思いますか。あなたの気持ちに近い方を選んでください。
簡単に変えないほうがよい62
柔軟に変えるほうがよい31


◆いまの日本の憲法は、全体として、よい憲法だと思いますか。そうは思いませんか。
よい憲法67
そうは思わない23


◆いまの憲法を変える必要があると思いますか。変える必要はないと思いますか。
変える必要がある37
変える必要はない55

この質問の繰り返しが最後の質問に対する回答に影響を与えた可能性があると私は考えます。尚、さらにそう答えた理由を聞く質問もあるのですが、それは割愛しました。
(詳細はこちらから→http://www.asahi.com/articles/ASJ4N63MMJ4NUZPS00F.html

以上のような憲法に関する様々な質問をしたうえで、最後に憲法を変える必要があるかないかの二択に答えさせています。

例えば、自衛隊は憲法違反かどうかで「違反ではない」と7割の人が答えているのですが、そう答えた人は「変える必要がない」と答える可能性が高いです。

また、直前に「いまの日本の憲法は、全体として、よい憲法だと思いますか。そうは思いませんか。」と聞いているのも「変える必要がない」に誘導しようとする意図が見え隠れします。

これらの質問のなかに「北朝鮮や中国を脅威と感じるか」との質問があれば、最後の質問への答えも変わる可能性があるのですが、それはないのです。今回の東大との共同調査では、学術的な方法が遵守されて、上記のような露骨な誘導はなかったのでしょう。

そうして、最も大きな違いは、春の調査では「変える必要がある」と「変える必要はない」の2択に対し、今回の調査は「どちらとも言えない」を含む5択となっていることです。

この問題に関しては、「変えるか変えないか」の2択で迫られと、取りあえず「変える必要はない」を選ぶ人が多くなるのが普通です。

この「変える必要はない」には、「それほど急がなくても良い」や「よく分からないから反対」なども入っているはずです。それが、「どちらかと言えば反対賛成(反対)」や「どちらとも言えない」に分かれたのでしょう。

このように両方の調査結果を見ることで、憲法に対する国民の姿勢が見えます。はっきりと「賛成」「反対」の人より、その間で揺れ動く人のほうがずっと多いのです。だから、昨年のテレビ・新聞による「戦争法案反対」大キャンペーンに揺り動かさた人も多かったのです。やはり、安倍総理の言うように国民的議論を深めることが重要なのでしょう。

SEALDsによるデモ
もう一つの原因としては、多くの国民はごく最近の頻繁な北朝鮮のミサイルの発射による脅威や、中国が尖閣をいつ軍事基地化するかもしれないという脅威に晒されていることを強く認識するようになったいうことでです。

そうして、現在のままの憲法もしくは憲法解釈によれば、北朝鮮によるミサイル発射や中国が尖閣に上陸したときに、反撃することは難しいです。

朝日・東大谷口研究室共同調査と、朝日新聞による2つの世論調査の大きな違いには上記のように、朝日新聞の情報操作と、昨年より一層厳しさをみせているここ数か月の間の安全保障上の脅威も関係しているのでしょう。

憲法改正への道はまだ長く険しいですが、道筋は少し見え始めてきたのではないでしょうか。それにしても、朝日新聞のアンケート調査能力にはかなり問題がありそうです。朝日新聞などのメディアが全くかかわらない、公正な第三者機関によるさらなる、調査が必要だと思います。

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2016年4月11日月曜日

発行部数を「水増し」してきた朝日新聞、激震! 業界「最大のタブー」についに公取のメスが入った―【私の論評】朝日はペット便所紙、引っ越し緩衝材、着火剤に最適!他に使い道なし(゚д゚)!

発行部数を「水増し」してきた朝日新聞、激震! 業界「最大のタブー」についに公取のメスが入った

新聞販売店に山積みになった「押し紙」(偽装部数) 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

新聞業界「最大のタブー」

今年に入り、大幅な賃金カットを盛り込んだ中期経営計画に社内が揺れている朝日新聞社だが、ここへ来てさらなる「難題」が浮上した。

新聞発行本社が販売店に余分な新聞を買わせる「押し紙」をめぐり、3月末、実は朝日新聞社は、公正取引委員会から「注意」を受けていたのだ。

押し紙は、独占禁止法の特殊指定で明確に禁止されているにもかかわらず、新聞業界では長年にわたり行われてきた。新聞業界「最大のタブー」と言われる押し紙問題に公正取引委員会が踏み込むのは異例のことで、朝日新聞社が今後どのような販売政策を実行していくのか、業界の先例として注目に値する。

* * *

朝日新聞社広報部によれば、公正取引委員会から注意を受けたのは、販売担当の営業社員と販売店との数年前のやりとりに関してのこと。販売店が「新聞の注文部数を減らしたい」と申し入れをしたにもかかわらず、営業社員は再考を促し、こうした中で「営業活動としてやや行き過ぎた言動があった」と公正取引委員会より指摘されたという。

公正取引委員会の注意とは、違法行為を認定したわけではなく「違反につながる恐れがあるので注意しなさい」という程度のものであるが、朝日新聞社は「真摯に受け止めている」(広報部)としている。

そもそも新聞社は販売店からの「注文部数」の新聞を配送しているが、販売店は必要部数を超えて押し紙も含めた部数を注文するのが業界の慣例である。販売店は押し紙の負担で経営が苦しくなると、注文部数を減らして必要部数に近づけたくなるのは当たり前のことで、朝日新聞の一件もそういうケースだったと思われる。

無料のネットニュースの普及などで新聞の読者離れが進み、販売店収入は減少傾向が止まらない。「押し紙を切れ(押し紙を減らせ)」と迫る販売店と、それを阻止しようとする新聞社との綱引きは各地で起こっている。

実際、ある全国紙では昨年、地域の販売店が集団となって一斉に注文部数を減らすという事態が発生し、本社の販売担当社員が呼び集められ対応に追われた。新聞社と販売店はメーカーと下請け企業のような取引先というよりも、車の両輪のような立場で新聞の普及を進めてきた歴史がある。

このような関係性の中で、押し紙をめぐる販売店と新聞社の対立が頻発し、朝日新聞のように公正取引委員会に申告する販売店まで出て来たというのは、ぶくぶくに水膨れさせた偽りの発行部数を維持する新聞社の「押し紙政策」がそろそろ限界を迎えている証左といえるだろう。

発行部数の約3割が押し紙?

販売店の経営を維持するという観点だけでなく、経営的に苦境に陥っている新聞社にとっても押し紙はもはや社の凋落を早める存在でしかない。

新聞社には広告収入、イベントなどの事業収入、不動産収入など様々な収入があるが、売り上げの根幹である「新聞の販売収入」が、押し紙というタブーを抱えているために、根本的な経営改革ができないのである。

公正取引委員会から注意を受けた朝日新聞社は、実は新聞業界で押し紙は「まだまし」な方だった。朝日新聞社は1980年代前半に押し紙を廃止し、健全販売を遂行してきた。これが、賃金をはじめとして朝日新聞社が他の新聞社に比べ抜群に社員の待遇が良い理由でもあった。

しかし、バブル崩壊後、長引く不況やネットニュースの出現などによって読者離れが進み出したため、2006年に押し紙を是認する販売方針に変更したのだ。

2006年当時の朝日新聞の発行部数は800万部を少し超えていた。販売店は新聞が破れたり水に濡れたりして商品価値がなくなった場合に備え、必要部数より少し多めに新聞を買っている。この「予備紙」と呼ばれる新聞などを考慮すると、きちんと読者のいる「実売部数」は780万部前後だったと推測される。

ところが、現在、朝日新聞系統の複数の販売店関係者によると、同紙の約3割が押し紙だという。発行部数が約670万部なので、うち200万部前後が読者のいない押し紙ということになる。

今の発行部数は10年前から100万部ちょっと減っているが、この10年で200万部前後が押し紙になったのだとすると、結局、300万部ぐらいの新聞が読者を失ってしまったことになる。

押し紙は新聞社にとって目先の売り上げは立つのだが、販売店は利益の出ない新聞を買わされているので経営の負担になり、読者を新たに獲得したり、購読を継続してもらうための販売促進に回す資金が減ってしまう。それにより、ずるずると読者離れが進むのだ。

朝日新聞社内では「押し紙が読者の減少を加速化させた。押し紙をしなければ、10年で300万部も実売部数を減らすことはなかったはずだ」と経営方針の誤りを指摘する声が上がっているという。

問題の根幹は「経営方針」にある

朝日新聞社は公正取引委員会の注意を受けて、販売部門の社員に独占禁止法順守のための研修を行った。

これ自体は指摘を「真摯に受け止めた」対応なのだろうが、押し紙は新聞社の経営方針で行われているので、経営方針が変わらなければ販売担当社員らはいくら独占禁止法を順守したくてもできない。販売店からの要求と社の方針との板挟みになるだけである。

私自身も全国紙に記者として入社し、退職までの最後の2年間は販売局で勤務していた。発行部数はある程度、水増しされた部数だという認識はあったものの、販売局で働くうちに想像以上に押し紙の量が多いことを知り驚いた。膨らました偽装部数を支えるために、販売店に支払う補助金、無駄な新聞を印刷、輸送する経費などが社の経営を圧迫していた。

一方で、販売店には新聞発行本社から補助金が支給されているが、押し紙による損失が全額、補填されるわけではない。会社は押し紙が元で販売店主から起こされた訴訟を常に抱えている状況だった。

社内でも販売局は「伏魔殿」と言われ、「どうせ販売は汚れ役だ」と開き直った販売局員の金の使い込みなど不祥事が後を絶たなかった。そんな悲惨な事態なのに、販売局から経営陣の責任を問う声が上がらないのが不思議だった。

まず、「押し紙をする」という経営方針があり、販売局は具体的にどの販売店に何部の新聞を押し込むのかという実務をしているに過ぎない。しかし、販売局は社内で立場が悪くなるのを恐れてこの問題を抱え込み、経営陣は現場の苦労から目を逸らして押し紙の方針を維持し続けてきたのだ。

今回、公正取引委員会が朝日新聞社に対し、行政指導や法的措置ではなく「注意」でとどめたのは、朝日新聞社に自らの手で押し紙を解消するよう促すためであるように思う。

だが、朝日新聞社が一販売担当社員の不適切な発言だとして問題を矮小化し、経営方針に反映させないのであれば、次はより厳正な処分が下ることもあり得るだろう。

朝日以外も「他人事」ではない

公正取引委員会は昨秋ごろから、朝日新聞社側から事情を聴いていたが、朝日新聞社はそのタイミングで販売制度を変更している。新聞社から販売店に対して様々な名目で支払われている「補助金」を、昨年末、「押し紙1部当たり1500円」という制度に変え、販売店が「押し紙を止めろ」とか「押し紙を減らせ」と要求しづらくなるようにした。

もちろん、すべての押し紙に1500円の補助金が支給されるわけではなく、一方で販売店が注文部数を減らせば1部当たり1500円の補助金を失う仕組みだ。まさに目の前の売り上げだけを考えた小手先の制度変更である。

せっかく新聞業界の優等生だったのに押し紙に手を染め、10年間で300万部もの「生きた部数」を殺してしまったことを検証すれば、このような発想にはならないはずだ。この制度変更には「公正取引委員会の動きを受けて、販売店が注文部数を減らせないように先回りした」と販売店の間で反発が強い。

公正取引委員会の「注意」を朝日新聞社が受けたという話は、朝日新聞の販売店の間に急速に広がりつつある。「押し紙がなくなる」と胸をなで下ろす販売店主がいる一方で、「今の販売政策をどう変えていくのかが肝心で、公正取引委員会から注意されたから押し紙を切るだけでは、経営の立て直しにはならない」とみる店主もいる。

朝日新聞社は公正取引委員会の指摘を踏まえ「すべての販売所に弊社の法令順守の姿勢を周知する」(広報部)としており、販売網との信頼関係回復はこれからと言える。

実は今年2月、公正取引委員会の杉本和行委員長が日本記者クラブで記者会見した際、「新聞業界では独占禁止法違反の押し紙が横行しているのをどう考えるのか」という質問が出ていた。

杉本委員長は「そういう実態があるなら必要な措置を当然やっていかなくてはならないと思っている」と回答し、「国民の知る権利に応え、民主主義を支える公共財」を標榜する新聞社のしていることだからといって目こぼしするものではないという態度を表明していたわけだ。

朝日新聞社以外の新聞社も「他人事」と知らんぷりしている場合ではない。地方紙も含めてほとんどの新聞社が「みんなでわたればこわくない」とばかりに押し紙を行ってきた。販売店が公正取引委員会に訴え出れば、対処することが分かったわけで、いずれの新聞社も「明日は我が身」なのである。
幸田泉(こうだ・いずみ)
大学卒業後、1989年某全国紙に入社。支局勤務後、大阪本社社会部では大阪府警、大阪地検、大阪地高裁、東京本社社会部では警察庁などを担当。その後、大阪本社社会部デスク、同販売局などを経て、2014年退社。著書に、新聞業界の暗部を描いて大きな話題を呼んだ『小説 新聞社販売局』(講談社)がある。
【私の論評】朝日新聞はペットの便所紙と引っ越しの緩衝材、着火剤に最適!他に使い道なし(゚д゚)!

押し紙とABC部数の乖離

少し古い数字ではありますが、2015年3月度のABC部数について掲載します。それによると中央紙は、対前月差では、大きな変動はなかったものの、対前年同月差では、朝日新聞が約65万部、読売が58万部のマイナスとなっていました。

ちなみに、ABC部数とは、「一般社団法人 日本ABC協会」が調査した、新聞や雑誌の販売部数のことです。この団体については、団体の運営するサイトをご覧になって下さい。最新の数字を知るには、代金を支払いこの財団法人の会員にならないと知ることはできません。この数字は、たまたま昨年5月13日の「さくらフィナンシャルニュース」に掲載されていたものを引用させていただきました。

中央紙の販売部数は次の通りす。()内は、対前年同月差。
朝日新聞:6,801,032(-649,200)
毎日新聞:3,254,446(-67,296)
読売新聞:9,114,786(-576,151)
日経新聞:2,740,031(-28,588)
産経新聞:1,607,047(+17,800)
この中で、押し紙はやめると宣言していたのは、産経新聞だけです。この産経新聞のみが、部数を伸ばしていますが、他の新聞は軒並み部数を減らしています。

そりゃそうです。おもいっきり偏向している大手新聞など読むと、日本の安全保障とか、日本経済とか、日本の社会とか、本当に大事なことが良くわからなくなります。お金を払って、そんな目にあうのはまっぴら御免です。

◆ABC部数と「押し紙」

ABC部数を解析する場合に、考慮しなければならないのは、ABC部数が必ずしも実配部数(実際に配達されている新聞の部数)を反映しているとは限らないという点です。

日本の新聞社の多くは「押し紙」政策を採用してきた事実があり、これが原因で「ABC部数=実配部数」という解釈を困難にしています。両者は別物です。

たとえば2000部の新聞を配達している販売店に、2500部を搬入すれば、差異の500部が「押し紙」ということになります。

新聞社は「押し紙」についても新聞の卸し代金を徴収します。また、「押し紙」部数をABC部数に加算することで、紙面広告の媒体価値をつり上げます。

広告主からも、「押し紙」政策を批判する声が挙がっていますが、日本新聞協会は、「押し紙」は存在しないとする立場を貫いていまなす。しかし、「押し紙」は、新聞業界では周知の事実となっていて、それを足下の大問題として検証しないこと自体が真実を追究するジャーナリズムの姿勢からはほど遠いです。

「押し紙」は独禁法に抵触するので、公権力がそれを逆手に取れば、メディアコントロールの道具になります。その意味では、極めて危険な要素です。

アマゾンで売られている押し紙

この押し紙新聞店では、どうしているのでしょうか。最近では、暖房器具なども石炭などは滅多に使わないですから、焚付にもできないし、大量の押し紙をどうしているのでしょうか。無論、そのままにしておくわけにはいかないでしょうから、何らかの処分はしているのでしょう。

私自身は、もう5年近く紙の新聞はとっていません。最初は、産経新聞の電子版を読んでいましたが、最近ではそれもやめて、夕刊フジをとっています。夕刊フジは、おそらく日本で一番のクオリティペーパーだと思います。これに比較すると、朝日新聞は便所紙のような新聞です。

まともな政治家の事務所などでは六大紙の他に夕刊フジもとっているところが多いです。通の間では有名な話ですが産経新聞では載せれないものを夕刊フジに載せています。日本の大手新聞では、手にはいらない重要な記事が掲載されています。

夕刊フジ 紙、iPad、iPadプロ、iPhone版の比較
そうして、朝日新聞は、本当に便所紙でした。なぜそれがわかったかというと、紙の新聞を随分前からとっていないので、これはこれで困ることがあります。昔なら、引っ越しなどのときに、包み紙や緩衝材に古新聞を用いていたのですが、紙の新聞をとっていないとこういう時に困ります。

以前、引っ越しの時に、会社の古新聞をもらおうと思ったのですが、普段山積みになっているはずの会社の古新聞がそんなときに限ってありませんでした。古紙回収業者に出したばかりだったのです。

それでも、引っ越しの期日は迫っており、周りの人に聴いてみましたが、なんとその時点で新聞を毎日とっている人はあまりいませんでした。いても、自宅から遠くの人か、近い人はやはり、最近処分してあまりないということでした。

それで、窮余の策で、アマゾンをみれば、新聞ではなくても、何かこれに類するものが販売されているのではないかと思い、アマゾンを検索してみると、何とおそらく、押し紙とおぼしき、朝日新聞が売られていました。それは、今でも売られています。

以下に、アマゾンのサイトからその商品を以下に掲載します。

新聞紙 (新古・未使用) たっぷり15kg 【ペット飼育の中敷として】 ペット トイレシート
そうして、この商品のキャッチコピーは以下のようなものでした。

「 販売単位 5kg 初めてご購入の方にオススメのお試し5kg 」

「商品仕様 新古、未使用のため使用感はありません。紙を伸ばして揃えて束にしております」

「 特徴 新古未使用なので衛生的。ペット飼育のトイレシートなどに安心してご利用いただけます」

「備考 新聞社指定不可。チラシなどは入っておりません」

押し紙はこんなところに使われていたのです。要するに、販売店は古紙業者に流し、それがアマゾンで売られているのです。値段は5キロで当時は、1380円。注文したら翌々日にすぐ届きました。確かにまっさらの朝日新聞。3月15日付でした。

こんなことなら何にも印刷してない白い紙を売った方が高く売れるのでないでしょうか。ただし、新聞紙のほうが良い場合もあります。それは、焚付の用途なら普通の紙より印刷された新聞紙のほうが格段に良いです。なぜなら、インクには油が含まれているので、火がつきやすいからです。だから、今でもキャンプなどでは、重宝します。

しかし、それにしても、朝日新聞はアマゾンでペット用の便所紙として売られているということです。

新聞紙の上で寝るジャーマンシェパードの仔犬

確かに、ペットの便所紙などには新聞紙は良いです。水分を吸収しますし、それにペットの寝床に敷いてあげるのもありです。上はジャーマンシェパートの子犬ですが、小さい時だと何でも口に入れて、食べてしまったりするので、タオルは危険ですし、吸水剤の入っているシートも危険ですが、新聞紙だとたとえ食べたとしても、紙ですし、インクも人体(犬体)に有害なものが入っていないので安全です。

朝日新聞、読者がいなくなっても、ほそぼそとやっていけるかもしれませんね。そうです。引っ越しのときの緩衝材や、ペットの便所紙のメーカーとして!

ただし、新聞記者などいらなくなりますね。ごく一部の人たちが残って、様々な商品開発などすると良いと思います。

まあ、そうなったとしても、私としては、朝日新聞は読まないし、使うとすれば、緩衝材と、ペットの便所紙としてつかうだけですから、どうなっても構いません。

早くこの世から消えていただきたいです。北海道新聞や、沖縄二紙などの偏向の激しい新聞も、大手紙も綺麗さっぱり消えていただいたら、本当に清々しいと思います。

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2016年3月13日日曜日

慰安婦捏造 「言語の壁」で責任を隠ぺいする朝日新聞 藤岡信勝(拓殖大学客員教授) ―【私の論評】「言葉の壁」を破る強力な助っ人登場(゚д゚)!


ジュネーブで開かれた国連の女性差別撤廃委員会の対日審査会合で、
日本の立場を説明する杉山晋輔外務審議官 =2月16日

二月十六日、ジュネーブの女子差別撤廃委員会で、日本政府を代表し、外務省の杉山晋輔外務審議官は、軍や官憲による強制連行を確認出来る資料がなかったにも関わらず、慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因について次のように述べた。(総合オピニオンサイト iRONNA)

(1)女性狩りの虚偽の事実を捏造して発表した吉田清治著『私の戦争犯罪』という本が、当時大手の新聞社の一つである朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、国際社会にも大きな影響を与えた(2)「朝日新聞自身も、2014年8月5日及び6日を含め、累次にわたり記事を掲載し、事実関係の誤りを認め、読者に謝罪した(3)朝日新聞は2014年8月5日付の記事で、「20万人との数字の基になったのは、通常の戦時労働に動員された女子挺身隊と、ここで言う慰安婦を誤って混同したことにある」と自ら認めた。

このように、杉山審議官は、三度にわたって朝日新聞という固有名詞を出し、慰安婦問題の起こりを説明したのだった。朝日新聞という固有名詞こそ、この事実関係の核心である。

ところが、十七日付の朝日新聞の報道記事は、自社の誤報が国連で名指しされたことには一切触れていない。仮に自社の不名誉な内容の発言であるとしても、日本政府代表が新聞社の固有名詞を出して説明したのは客観的な事実なのであるから、それをスルーするのは、報道機関として失格だ。

さらに問題なのは、国連の女子差別撤廃委員会の議事録が、杉山発言の核心部分に当たる朝日新聞の名前を出さず、a leading newspaper in Japan (日本の大手紙の一つ)という表現で匿名化したことだ。しかも、朝日新聞の名前が二度目に登場する時も、議事録は、a leading newspaper というフレーズを繰り返した。そのため、奇妙なことが起こった。

「日本の大手紙」はもちろん何紙かあるだろう。だから、匿名化に際して初出で「a leading newspaper」とするのは当然だが、二回目以降は「the newspaper」としなければならない。なぜなら、ここに登場するのは、朝日新聞一紙だからである。議事録の新聞に関する言葉の指示対象は、あくまで朝日新聞である。ところが、英文でまた「a」を使ったため、もう一つ、別の「大手紙」が役者として登場しているかのような誤解を読者に与える結果となっている。

これは、日本政府代表が3回も名前を挙げた朝日新聞という固有名詞を消すという、作為的な議事録の改ざんが行われた結果である。その不正の痕跡が、不自然であるばかりか事実と離れた不正確な表現となって残ったのである。これは、国連の女子差別撤廃委員会の事務局の中立性に重大な疑念を抱かせるものである。

しかし、このような扱いは、国連の機関にとどまらない。朝日新聞に対する異例の批判をした日本の外務省も、この点に関して全く同じ流儀で資料を公表しているからである。すなわち、外務省のホームページには、日本文では朝日新聞という固有名詞が記録されているが、英文ではこれを公表していないのだ。

なぜ、朝日新聞の名前を公表するのを避けようとするのか。理由ははっきりしている。国際社会に、慰安婦問題が捏造された事実経過を知らせたくないのである。逆に言えば、朝日新聞の名前を出してこそ、世界の人々がこの問題の真相を具体的に理解することが出来るのである。

昨年の七月、国連対策に取り組んで来た民間団体「慰安婦の真実国民運動」による代表団の一環として、日本人の二人の女性が、発言した。山本優美子氏は英語で、杉田水脈氏はフランス語でスピーチをした。持ち時間はそれぞれわずか二分間。杉田氏は、吉田清治の嘘を朝日新聞が事実として報道したこと、朝日は記事を取り消していることを説明した。これについて委員の一人は「世界のメディアが知らされていたのとは反対の意見を聞いた。その意見の根拠を知りたい」と発言した。委員会は日本政府に説明を求め、それによって日本政府の今回の説明の機会が与えられたのである。

杉田水脈前衆院議員(前列中央)と山本優美子氏(前列右)
 事態はこうなっている。日本の周りは巨大な壁で囲まれている。言語の壁である。壁の内側は日本語の世界で、ここでは朝日新聞の責任は誰もが知っている。しかし、壁の外側の世界には、巧妙に隠蔽された情報だけが流される仕掛けになっている。この仕掛けを維持する強力な意思が存在する。一月十八日の国会における安倍首相の、「性奴隷」などを否定した答弁も、壁の外の世界のメディアでは完全に黙殺された。作為は一貫しているのである。

この「言語の壁」の存在とその利用こそ、日本の慰安婦の真実が世界に広がらない決定的な装置となっている。この壁が崩れたとき、日本の名誉が回復する筋道が開かれることになるだろう。(総合オピニオンサイト iRONNA)

【私の論評】「言葉の壁」を破る強力な助っ人登場(゚д゚)!

慰安婦問題に関して日韓合意をした安倍総理だが・・・・・
ブログ冒頭の記事は、"この「言語の壁」の存在とその利用こそ、日本の慰安婦の真実が世界に広がらない決定的な装置となっている。この壁が崩れたとき、日本の名誉が回復する筋道が開かれることになるだろう"と結んでいます。

この「言葉の壁」は厳しいものです。実際、杉田水脈氏が語っているように、杉田氏と山本氏に割り当てられた時間はわずか二分に過ぎなかったそうです。

杉田氏によると、左派系のNGO(非政府組織)の中には1人5分のところもあったそうです。そうして、左派系NGOの中には『コンサルティブ・ステイタス』という特権を持つ団体もあり、国連委員とランチミーティングできるなど、アピールの機会が彼女らより断然多く、有利だったそうです。

杉田氏や山本氏のように、「言葉の壁」を破ろうとし、発言したにしても、この有様です。これでは、本当に残念ながら焼け石に水としか言いようがありません。せっかく、樹ネーブまで赴いて、英語だけではなく、フランス語で話をしても、「言葉の壁」を破ることは困難です。

しかし、今後この「言葉の壁」を破る強力な助っ人が出現しました。

それは、誰あろう、安倍総理のブレーンである山本参事です。これについては、昨日ブログでも若干紹介しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍首相のブレーン本田参与、6月スイス赴任に高まる“消費増税先送り”―【私の論評】日本の積極財政の夜明けがはじまり、世界経済を牽引することになる(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、本田参与が、スイス駐在大使なる理由を以下のように示唆させていただきました。
それと、本田参与が駐スイス大使になることについては、私なりに考えてみたのですが、最近の国連の動きを牽制するためだと思います。

このブログにも掲載したように、スイス・ジュネーブの国連女子差別撤廃委員会において、日本における「天皇男系継承は女性差別」と勧告しようとしてみたり、慰安婦問題に関する動きがあったたりで、この問題に対処する強力な人材を必要としています。

本田参与を駐スイス大使にするのは、こうした問題に対処させるという目的もあるのだと思います。
国際連合ジュネーブ事務局 
ここで、本田悦朗参与の経歴を掲載させていただきます。1978年、東京大学の法学部を卒業し、法学士号を取得した。同年、大蔵省に入省しました。

大蔵省入省後は、十和田税務署の署長を経て、本省で関税企画官や理財局国有財産第二課の課長を務め、同省の施設等機関である財務総合政策研究所では研究部の部長などを務めました。

また、外務省への出向経験も多く、在外公館としては在ソビエト連邦日本国大使館の二等書記官をはじめ、在ロサンゼルス日本国総領事館の領事、在ニューヨーク日本国総領事館の領事、在アメリカ合衆国日本国大使館の公使などを務めた。また、国際機関での経験も多く、世界銀行の金融セクタースペシャリストや、欧州復興開発銀行の日本代表理事などを務めました。

2004年より、財務省の地方支分部局の一つである四国財務局にて、トップである局長に就任しました。その後、外務省にて欧州局の審議官などを務めたのち、2011年に財務省の大臣官房にて政策評価審議官に就任しました。大蔵省、および、その後継機関である財務省には34年間在籍していました。

以上は、主に大蔵官僚としてのキャリアですが、大学教授としてもキャリアもあります。
2012年、財務省から静岡県立大学に転じ、国際関係学部の教授に就任しました。また、同大学の大学院では、国際関係学研究科の教授も兼務しました。なお、財務省時代にも、東京大学大学院や香川大学にて客員教授を兼任し、教鞭を執った経験を持ちます。

第2次安倍内閣の発足にともない、内閣官房参与を非常勤で兼務しています。同じく内閣官房参与に就任した浜田宏一氏とともに、主として国際金融を担当しています。2015年3月31日、静岡県立大学を退職しました。退職後は、同年4月よりTMI総合法律事務所にて顧問を務めました。なお、同月より、明治学院大学にて法学部の客員教授を兼任しています。

この国際経験も豊富で安倍総理ブレーンでもある本田参与が、2016年3月11日、閣議において、駐スイス大使に任命されたのです。ただし、実際に赴任するのは6月からということです。

安倍総理としては、アベノミクスのキーマンの本田参与が抜けるということですが、その前に先日も述べたように、点検会合や、伊勢志摩サミットでも十分に能力を発揮していただいた後で、スイス赴任していただくということなのでしょう。

そうして、アベノミクスのキーマンである、総理のブレーンである本田参与を国連の人権委員会などがある、スイスジュネーブに中スイス大使として送り込むということで、この問題に対する安倍総理のなみなみならぬ決意が伝わってきます。

おそらく、今年の夏くらいから、国連人権委員会などで、様々な動きが見られることになるでしょう。

経済も重要ですが、慰安婦問題の解消も重要な問題です。本田参与には、経済でも、慰安婦問題でも、辣腕を奮っていただきたいものです。


言葉の壁を破る強力な助っ人が・・・・


そうして、本田悦朗氏は駐スイス大使として、現地で様々な情報収集にあたり、女子差別撤廃委員会のみに限らず、国連の様々な日本に対する、思い込みや間違いを払拭して、「言葉の壁」の崩壊をやり遂げることと思います。

本田悦朗氏が現地で活動すれば、日本から海外に正しい情報が伝わり、海外から日本へも正しい情報が伝わるようになります。朝日新聞もこれからは、なかなか捏造をしにくい状況になることでしょう。

安倍総理は、本当に素晴らしい人を駐スイス大使に選んだものだと思います。「言葉の壁」を破る上において、今の日本でこれ以上の人選はないかもしれません。


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2016年3月3日木曜日

【朝日新聞記事】(政治断簡)だまってトイレをつまらせろ 政治部次長・高橋純子―【私の論評】「朝日が正しい、安倍が間違い」という観点から意思決定をする朝日新聞に明日はない(゚д゚)!

【朝日新聞記事】(政治断簡)だまってトイレをつまらせろ 政治部次長・高橋純子

2016年2月28日05時00分

高橋順子
「だまってトイレをつまらせろ」

このところ、なにかにつけてこの言葉が脳内にこだまし、困っている。新進気鋭の政治学者、栗原康さんが著した「はたらかないで、たらふく食べたい」という魅惑的なタイトルの本に教えられた。

ある工場のトイレが水洗化され、経営者がケチってチリ紙を完備しないとする。労働者諸君、さあどうする。

(1)代表団を結成し、会社側と交渉する。

(2)闘争委員会を結成し、実力闘争をやる。

まあ、この二つは、普通に思いつくだろう。もっとも、労働者の連帯なるものが著しく衰えた現代にあっては、なんだよこの会社、信じらんねーなんてボヤきながらポケットティッシュを持参する派が大勢かもしれない。

ところが栗原さんによると、船本洲治という1960年代末から70年代初頭にかけて、山谷や釜ケ崎で名をはせた活動家は、第3の道を指し示したという。

(3)新聞紙等でお尻を拭いて、トイレをつまらせる。

チリ紙が置かれていないなら、硬かろうがなんだろうが、そのへんにあるもので拭くしかない。意図せずとも、トイレ、壊れる、自然に。修理費を払うか、チリ紙を置くか、あとは経営者が自分で選べばいいことだ――。

船本の思想のおおもとは、正直よくわからない。でも私は、「だまってトイレをつまらせろ」から、きらめくなにかを感受してしまった。

生かされるな、生きろ。

私たちは自由だ。



念のため断っておくが、別にトイレをつまらせることを奨励しているわけではない。お尻痛いし。掃除大変だし。

ただ、おのがお尻を何で拭こうがそもそも自由、チリ紙で拭いて欲しけりゃ置いときな、という精神のありようを手放したくはないと思う。

他者を従わせたいと欲望する人は、あなたのことが心配だ、あなたのためを思ってこそ、みたいな歌詞を「お前は無力だ」の旋律にのせて朗々と歌いあげる。うかうかしていると「さあご一緒に!」と笑顔で促される。古今東西、そのやり口に変わりはない。

気がつけば、ああ合唱って気持ちいいなあなんつって、声を合わせてしまっているアナタとワタシ。ある種の秩序は保たれる。だけども「生」は切り詰められる。



「ほかに選択肢はありませんよ――」

メディア論が専門の石田英敬・東大教授は2013年、安倍政権が発するメッセージはこれに尽きると話していた。そして翌年の解散・総選挙。安倍晋三首相は言った。

「この道しかない」

固有名詞は関係なく、為政者に「この道しかない」なんて言われるのはイヤだ。

近道、寄り道、けもの道、道なんてものは本来、自分の足で歩いているうちにおのずとできるものでしょう?

はい、もう一回。

だまってトイレをつまらせろ。ぼくらはみんな生きている。

【私の論評】「朝日が正しい、安倍が間違い」という観点から意思決定をする朝日新聞に明日はない(゚д゚)!

新聞をトイレットペーパーに?

ネット上でかなり批判を浴びていたので、朝日新聞の2月28日朝刊のコラム記事を読んでみました。それが、ブログ冒頭の記事です。これにはもう、驚いてしまいました。こんなハチャメチャな記事を掲載して、日本の大手全国紙の矜持は一体どこに吹き飛んでしまったのでしょうか。いや、もともと朝日新聞にはそのようなものはなかつたのでしょう。

内容が、偏向しているとか誤報だというのならまだ理解できなくもありませんが、内容があまりに粗暴、下品、かつ論理のかけらもなく、違法行為の扇動を示唆する内容になっています。

筆者は政治部次長の高橋純子記者です。次長だから一般記者の取材や出稿を指揮する立場なのだと思います。少なくとも中堅以上のキャリアのある人だと思います。

さて以上の記事のテーマは普通に読めば、たとえ比喩やたとえにであったとても、トイレで大便をした後に新聞紙を使え、という勧めです。そうして、それが安倍政権への反対活動の最善の方法だということです。

私自身も、長い間地元の北海道新聞や、その他の全国紙を読んできましたが、こんなひどい記事は読んだことがありません。地元地方紙の北海道新聞にも酷い記事が掲載されており、過去には、このブログで北海道赤旗新聞と揶揄したこともあるくらいです。

しかし、今回のこの記事は、北海道新聞よりもさらに低劣で、救いようのない内容です。朝日新聞の編集は、どうしてしまったのでしょうか。もうここまで落ちてしまったのでしょうか。

それにしても、新聞記者が自分の生命でもある新聞を尻拭きに使えという無神経、朝日新聞は、朝日新聞をトイレットペーパーに使えとでも言いたいのでしょうか。そうして、それを強引に安倍政権叩きに結びつけるという論理の飛躍。朝日新聞は、とうとう発狂したのでしょうか。

ブログ冒頭の記事で、安倍総理の「この道しかない」というキャッチフレーズは、2014年衆院解散総選挙のときのものだったと思います。そのときの自民党のCMの動画を以下に掲載します。




この時に、朝日新聞を含めたメデイアの多くは、衆院解散を「大義なき解散」と断定して報道していました。しかし、14年の4月からの増税は大失敗であったことがはっきりとしていたので、今頃10%増税など当初の予定通りに実施していたら大変なことになっていたはずです。

だから、この時の「景気回復、この道しかない」というキャッチフレーズは正しいものであったと評価できます。それに対する批判であるとすれば、とんでもない見当違いです。それに、安倍総理が「この道しかない」としたのは、あくまで「景気回復、この道しかない」としたのであって、ブログ冒頭の記事の書き方では、他の事柄、たとえば「戦争への道、この道しかない」とでも受け取られかねない書き方です。

高橋順子といえば、朝日新聞の社説「余滴」というコラムで、得体のしれない「1分半に1度かけられる命」という意味不明の記事も書いていたました。以下にその記事のコピーを異彩します。


この記事も酷いものですが、ブログ冒頭の記事は、さらに磨きがかかつたというか、酷い内容になっています。

通常、新聞のコラムは、掲載にあたり、デスクや編集長 紙面審査委員による審査があり、コラムの筆者も筆者ですが、これを通過させる神経が全く理解できません。 ガバナンスどころの問題ではありません、通常のマネジメントもできていないレベルではないかと思います。

ブログ冒頭の記事も、上の記事も、何が酷いといって、内容が空虚で結局のところ、安倍総理に対する個人攻撃になって閉まっている点です。

そうして、このような状況では、朝日新聞ではまともなマネジメント上の意思決定など全く行われていないということが良く理解できます。

このブログでは、何度かマネジメント上の意思決定の原則について掲載したことがあります。

その代表的な記事のリンクを以下に掲載します。
民主など 首相の大阪でのテレビ出演に抗議―【私の論評】最初から誰が正しいか何が受け入れられるかで意思決定するな!すれば与野党ともドツポにはまる(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事よりマネジメント上の意思決定の原則に関する部分のみ以下にコピペします。

"
最初から誰が正しいか何が受け入れられるかで決定してはならない

この言葉の意味は重要です。この言葉を良く理解すれば、なぜ今の国会審議があれほどまでに、空虚で意味のないものになっているのかを良く理解できます。

ドラッカー氏は、『経営者の条件』という書籍で以下のように述べています。
 決定においては何が正しいかを考えなければならない。やがては妥協が必要になるからこそ、最初から誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。
これは、意思決定の過程においては、まずは「誰が正しくて、誰が間違いか」などという論議すべきではなく、あくまで「何が正しくて、何が間違いか」という議論をすべきであって、そうでなければ、全く不毛な論議となってしまい、まともな意思決定ができなくなってしまうということです。

いわゆる「安倍嫌い」は、最初から「誰が正しくて、誰が間違いか」という主張をしているに過ぎません。要するに、上のTweetで田中氏が述べているように、「自分と意見違うものはリンチという徹底した態度」ではまともな論議ができず、まともな意思決定もでなきないということてず。

そのためでしょうか、国会での最近の安保法制の議論など、全くまともな議論になっておらず、国民にとっても理解しがたいものになっています。

しかも、大方の政治家は、せっかくの意思決定も実行されなければ意味がないと思うものです。そのため、最初から落としどころとしての妥協を考えてしまいます。

妥協には昔から知られているように2つの種類があります。1つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」、1つはソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」との認識に基づくものです。

前者では半分は必要条件を満足させる。パンの目的は食用であり、半切れのパンは食用となる。しかし、半分の赤ん坊では妥協にもなりません。

ラファエロ作『ソロモンの審判』
『ソロモンの審判とは、』旧約聖書に出てくる話であり、イスラエルの賢王ソロモンが、いかにも当時の絶対専制君主らしく、子を剣で半分に切って女二人で分けよと審判します。このような妥協ならしないほうがずっとましです。
民主党などの野党は、とにかく「安倍嫌い」の立場から、安倍総理の主張は全く間違いであり、自分たちが正しいものとして、物事を考えているようです。そうして、そのスタンスで安倍総理に対峙するものですから、とにかく憲法解釈の変更による集団的自衛権に関わる、安保法制は違法として、安倍総理に対峙しようとします。

そのため、全く話が噛み合いません。そうして、いずれ妥協の段階に入るとは思いますが、安倍総理の立場からすれば、民主党などの言うとおりに妥協してしまえば、まともな「戦争抑止法案」とはなりえず、それこそソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」という結果を招いてしまい、とんでもないことになってしまうため、妥協はできません。そのため、無意味な審議は長引くばかりです。

ドラッカーは、何が受け入れられやすいか、何が反対を招くから触れるべきでないかを心配することは無益であって、時間の無駄だと言います。心配したことは起こらず、予想しなかった困難や反対が突然ほとんど対処しがたい障害となって現れるとしています。

かつての自民党は、安全保障に関して、非常に曖昧な態度をとりました。これが、今日の事態を招いたことも否めません。
"
まさしく、朝日新聞は「何が正しい、何が間違い」という観点からマネジメント上の意思決定をするのではなく、「誰が正しい、誰が間違い」という観点、もっと直截に言えば、「自分たちが正しい、安倍が間違い」という観点から意思決定をしているとしか思えないです。

こんなことはでは、まともな意思決定ができないのは当然のことです。上の2つの高橋順子の2つの記事を読むと、「何が正しい、何が間違い」という観点は全くなく、「朝日が正しい、安倍が間違い」という観点で書かれているためか、情報量という観点からも、本当に希薄な内容になっています。安保を論ずるにしては、あまりにもガサツで、粗野な観点しかなく、これではとうていまともな論議などできるはずもありません。

そうして、このような記事の掲載を許す、デスクや編集長 紙面審査委員が存在しているということです。これでは、まともな意思決定ができず、それこそ、いつも半分の赤ん坊を得るという類の妥協しかできず、そのような妥協を重ねていくうちに、やがて組織が崩壊することでしょう。

ドラッカー氏が生きていたとしたら、朝日新聞は、意思決定のまずさのケーススタディーとして、取材を受けたかもしれません。そうして、朝日新聞は、たとえドラッカー氏がコンサルタントをしても、体質を変えることができずにやがて崩壊することでしょう。

朝日新聞の体質は全く変わっていないということです。

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