2017年6月27日火曜日

クロ現5分延長の謎 NHK内部で政治部vs社会部が表面化―【私の論評】全国視聴者の前で政治部にケンカを売ったNHK社会部は馬鹿さ加減をさらけ出した(゚д゚)!

クロ現5分延長の謎 NHK内部で政治部vs社会部が表面化

クロ現のキャプチャー画面 社会部がすっぱ抜いたとされる新聞所
 加計学園の獣医学部新設をめぐり、6月19日、NHKが「クローズアップ現代+」で新たな内部文書をスクープした。だが、それ以上に緊迫したのは、番組に登場した2人のNHK記者の“同僚バトル”だった。

 萩生田光一官房副長官の関与に加え、〈総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた〉と首相自らの指示まで示した新文書。この特大の“NHK砲”に、同じ番組に出ていた政治部記者がケチをつけたのだ。

 「(国家戦略特区の)全ての選定過程で議事録が残され、ネット上で公開されている。意思決定に間違いが起こるはずがない」

 菅義偉官房長官の定例会見そのままの“政府の代弁”のような解説を始めたのは、政治部の官邸キャップ・原聖樹記者。これに対し、社会部の大河内直人記者がこう反論。

 「オモテの議論の透明性は確保されていると思いますが、今回の文書は内閣府と文科省の間で繰り返された水面下の交渉の記録の一つ。(公平性・透明性は)こうした交渉を含めて検証する必要があるのではないか」

 官邸vsNHKではなく政治部vs社会部が火花を散らす構図になったのだ。NHK関係者が明かす。

 「今回のスクープは政権側の目論見を狂わせる破壊力があった。新文書をすっぱ抜いたのは社会部の取材班ですが、その中身を知って官邸や与党関係者を日常的に取材する政治部が急遽、原キャップの出演をねじ込んだからなのか、原氏の掲げるフリップは手書き。NHKらしからぬ急ごしらえ感が漂っていた」

クロ現のキャプチャ画像 原聖樹政治部記者による手書きのフリップ
 同番組の通常放送枠は22時~22時25分。夕刊のテレビ欄にもそう記されていたが、この日の放送は22時30分までと、“5分延長”された。出演者が加わった分だけ“尺”を用意する必要に迫られたようにも見える。

NHK広報局は番組を5分延長した理由について、「取材・制作の都合上」と説明し、政治部記者の追加出演が延長の理由かという質問には、「ご指摘のような事実はない」と回答した。この奇妙な放送から垣間見えてくるのは、政治部と社会部の“立場”の相違だ。

「もともと全メディアのなかでも、NHK社会部は最も取材を先行させていて、前川喜平・前文科次官のインタビューも、かなり早い段階で取っていた。安倍首相ら政権幹部との“オフ懇”を繰り返している政治部とは、追及にかける思いが違う。それでも朝日新聞に先を越されていたのは局内で政権批判をためらう声が強かったからでしょう。社会部の鬱憤は相当たまっていたはず」(前出・関係者)

この手の話はNHKに限らず、菅氏を質問攻めにして「文書」再調査の「功労者」となった東京新聞社会部の望月衣塑子(いそこ)記者についても、「同僚の政治部記者は“ルールを知らない奴がご迷惑かけます”とクラブで頭を下げていた」(大手紙政治部記者)という。

全国の視聴者の前で政治部にケンカを売ったNHK社会部は、その空気を変えるきっかけになれるか。


※週刊ポスト2017年7月7日号

【私の論評】全国視聴者の前で政治部にケンカを売ったNHK社会部は馬鹿さ加減をさらけ出した(゚д゚)!


上の記事そのものは、週刊誌の馬鹿記者が書いたものでしょう。上の記事にもあるように、原聖樹氏は、「(国家戦略特区の)全ての選定過程で議事録が残され、ネット上で公開されている。意思決定に間違いが起こるはずがない」と発言をしています。

上の記事を書いた週刊ポストの記者は、原氏が語った、国家戦略特区の議事録も読みもせず、この記事を書いたのでしょう。

この馬鹿な記者子は、"全国の視聴者の前で政治部にケンカを売ったNHK社会部は、その空気を変えるきっかけになれるか。"などと馬鹿なことを書いていますが、私からいわせれば、「全国の視聴者の前で政治部にケンカを売ったNHK社会部は馬鹿をさらけ出した」というのが正しいです。

もしこの週刊ポストの記者がこの議事録を丹念に読めば、このような記事は書けないはずです。だから馬鹿だというのです。私は、加計問題に関して、政権側を批判する人間は、馬鹿か悪意のある人間かのいずれかであると思っています。だから、この記者には悪意はないと思うので、馬鹿だと断定したのです。

そうして、NHK社会部の大河内直人(NHK社会部記者)も馬鹿をさらけ出したということです。


私は、大河内氏は悪意ある人間だとは思いたくありません。だからこそ、大河内氏も大馬鹿であるということにします。

さて、「国家戦略特区の議事録」とはこのブログでも何度か掲載してきました。それは、おそらく以下のものだと思います。これは、以前このブログにも掲載したものですが、再掲します。
①2015年6月8日国家戦略特区ワーキンググループ議事録(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_s/150608_gijiyoushi_02.pdf) 
②2015年6月29日閣議決定(文科省部分、http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu22/siryo/__icsFiles/afieldfile/2015/09/02/1361479_14.pdf) 
③2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h28/shouchou/160916_gijiyoushi_2.pdf
これらの文書を読めば、文科省はワーキンググループの時点で、完敗していることが手にとるようにわかります。

たとえば、①2015年6月8日国家戦略特区ワーキンググループ議事録では、以下のよう牧野課長補佐の発言があります。牧野課長補佐とは、以前にもこのブログに掲載した、伝言ゲームで今回の問題で誤解が広まったその元になった文書を作成した人です。

課長補佐の牧野美穂氏(33)
○牧野課長補佐 そこまでは言っていませんけれども、既存の獣医師養成の分野に関して は少なくとも今足りているというように我々は農水省さんから聞いておりますので、その 上で関係者も納得するような、これは新しい構想だというようなものを具体的な需要の数 までも示した上でお示しいただければ、こちらとしても一緒に検討していきたいというこ とでございます。 
○原委員 挙証責任がひっくり返っている。
ここで、原委員の言う「挙証責任がひっくり返っている」という発言の意味するところは、本来既存の獣医師数が足りているのか足りていないのか、あるいは新しい構想による獣医師の需要数など、本来文科省が示すべきなのに、あたかも農水省にその責任があるかのように牧野氏が述べていることに対するものです。

そうなのです。本来規制する側が、需要は足りているということを示すことをしなければならないはずです。新しく、獣医学部を設立することを認可しないというのであれば、それを誰もが納得できる形で、データに基づいた資料を提示して説明する責任があるのです。

にもかかわらず、牧野氏は農水省などにこの説明責任を転嫁しているのです。これでは、話にも何もなりません。無責任そのものですし、これでは、新設獣医学部を規制することは到底不可能です。

③2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録には、以下のような浅野課長の発言がしるされています。

浅野 敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長
○浅野課長 御指摘いただいたように、もう繰り返しになりますので申し上げませんけれ ども、我々としては先ほど本間先生からも御指摘いただいたように、既存の獣医師でない 構想、獣医師養成でない構想が具体化し、かつライフサイエンスなどの獣医師が新たに対 応すべき分野における具体的な需要が明らかになって、既存の大学・学部では対応困難だ ということであれば、そういったこともしっかり検討していくというつもりでございます。
○八田座長 そうであるかどうかという判定というのはもう今、進めていらっしゃるので すか。それとももう少し提案者等からのヒアリングが必要だということですか。 
 ○浅野課長 恐らくこれは文科省だけでは決められないと思いますので、きちっとしかる べく多分政府全体として、需要と供給の問題も全く関係ないわけではありませんので。  
○八田座長 それは関係ないでしょう。文科省は研究が必要かどうか、その観点からやる から文科省に権限があるので、実際の人たちの損得を斟酌するなどということはあり得な いでしょう。文科省は研究の必要性、ちゃんと需要が十分ある研究者を養成するというこ とが必要なら、それは当然やるべきではないですか。ほかのところを見る必要などは何も ないでしょう。
これを読むと、浅野課長は何とか新設獣医学部の設立を阻止しようとしているのですが、その根拠があまりに脆弱なので、やり込められていことが良くわかります。

以前このブログでも示したように、①と③を読むと、内閣府・特区有識者委員と文科省(農水省)による規制緩和議論は、前者の規制緩和推進派の完勝であることがわかります。

②の閣議決定では、要求されている獣医学部新設の需要見通しについて、許認可をもち需要見通しの挙証責任がある文科省が、まったくその役割を果たせていないことが分かります。しかも、②では、2015年度内(2016年3月までに)に獣医学部の新設の是非について検討するという期限が切られているのですが、それすら文科省は守れていないことがわかります。

これでは、文科省の完敗です。加計問題に係る規制緩和の議論は、課長レベルの事務交渉で決着がついてしまっていたののです。総理の参加する諮問会議の前にこれだけ完膚なきまでに文部省は負けてしまい、さらにはその無能ぶりまでさらけ出してしまってるのです。この問題のいずれかの過程で「総理の意向」が出てくる余地はまったくありません。

加問題に関しては、なにやら怪文書のような公文書でもない、メモ書きのものが発見されていたり、野党やマスコミが大騒ぎするので、その本質を見失っている人も多いかもしれません。とにかくこれらのほとんどは、倒閣に結びつけようという悪意に基づくものなので、その本質はかなり見えづらいものになっています。このような、余計なアーティファクト(人工物)を取り除いて、真実を見ることが重要だと思います。

そうして、この目的のため参考になるものはないかと、いろいろネットを探していると以下のよなツイートを見つけました。これはわかりやすいです






以下にアニメの部分を拡大して掲載します。


真相は、実は上記のようにシンプルなものです。戦略特区の議事録などを読むと、このような理解しか成り立ちません。そうして、公開されている議事録は当然のことながら、出席者全員の確認を受けた上で掲載するものでしょうから、信憑性は文部官僚の公用文ではないメモ書きなどよりははるかに高いです。

このように掲載すると、「いや表ではこうだが裏ではどうかわからない」と指摘する人もいるかもしれませんが、表の世界でこれだけ文科省が完膚無きまでに敗退しているのですから、それを裏の世界で政権側もしくは安倍総理が加計学園への獣医学部設置に関して、何らかの操作をするということはあり得ません。

これを批判するなどということは、たとえば大東亜戦争末期に米国の勝利がすでに確実になっていたにもかかわらず、裏側で米国が戦争に勝つために、必死で工作を仕掛けていたというのにも等しいような詭弁以外の何ものでもありません。

その後、前川前文科省時間が記者会見をしましたが、これについては、本当にここで説明するほどもなくあまりに空虚で、内容がないものだったので、ここで詳細は説明しません。説明すると、もはや脱力感で疲れそうです。

これについては、以下のリンクご覧になって下さい。
加計問題・愕然とするしかなかった「前川新会見」の空疎な中身 
マスコミよ、ツッコむ点は山ほどあるぞ

この記事は高橋洋一氏のものです。

先程、私はこのようなことをする人たちは、馬鹿か悪意のある人間としましたが、これは、もはやそのどちらであったとしても、顕在化した暴力であり、彼らに訴えても慈悲も共感もないかもしれません。

それにしても、NHKは何とか、原聖樹氏のようなまともな人間がいたということで、何とかクロ現でも、二論併記という形で、ある程度客観性を保つ事ができたと思います。

しかし、他のメディアは産経など除いてほとんど、全滅です。NHKに関しては、確かに時折偏向報道をすることもあって、評判が悪いところもあります。しかし、現在のところ報道に関しては、民放が予算を大幅に減らしたため、質がかなり劣化していることは否めないのですが、NHKはそのようなことはしていません。

そうして、NHKでも、地上波放送はそうでもありませんが、BS1のほうはかなり質が高いです。これは、中東関係のニュースなどをみると、他の局との違いをまざまざと見せつけられます。これは、中東問題の傑出した専門家である池内恵氏も高く評価しています。

それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
実はNHKBS1はすごいインテリジェンス情報の塊
それでも、今回の『クロ現+』放送を受けて、20日に萩生田副長官が「不確かな情報を混在させてつくった個人メモ」と反論すると、21日にNHKは「行政文書であることは法的に疑いがない」という専門家による見解をニュースにするなど、再反撃に出ました。NHKの良識派の人々には、このようなNHKの他の勢力に負けないように頑張ってほしいです。

そうして、NHKを再生させていただきたいものです。民放の報道部の全部が予算をかなり削られてしまい、まともな放送をしようにもできなくなってしまっています。今の彼らは、能力があるないに限らず、まともな報道はしたくてもできないのです。人も予算も信じられないほどに削られてしまっているのです。偏向報道をするなといっても、できないというのが実情です。事実、昨年の米国大統領選では全敗でした。

NHKも全敗に近いものがありましたが、そうはいっても、日本のテレビ局の中で、唯一NHKだけが、まともな予算で報道番組を作ることができるのです。何とか、NHKから馬鹿と、悪意のある人間を駆逐して、まともにしていただきたいものです。無論、リベラル・左派の人間をすべて放逐しろなどと無体なことを言っているわけではありません。

しかし、加計問題に限らず、何を報道するにしても、すでに公開されているような信憑性の高い文書を検討することなく、メモ書きなどに色めきたつような輩は放逐してもらいたいです。

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2017年6月26日月曜日

【米韓首脳会談】トランプ烈火に油“北朝鮮と五輪”提案…「4悪」目は文大統領自身か 「おとぎの国」住人との声も―【私の論評】日本をはじめとする諸外国に振り回され続ける韓国の政権は短命に終わる(゚д゚)!

【米韓首脳会談】トランプ烈火に油“北朝鮮と五輪”提案…「4悪」目は文大統領自身か 「おとぎの国」住人との声も

テコンドー世界選手権大会の会場で、北朝鮮の張雄IOC委員(右)
と握手する韓国の文在寅大統領=24日、韓国中部、茂朱
 米韓首脳会談が29日、米ワシントンで始まる。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、さすがに初外遊先を平壌でなくワシントンとし、米韓の絆をアピールする方針のようだが、側近のトンデモ発言や米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備の遅れなど、「3大悪材料」(韓国紙)といわれる事態が出来。大統領府スタッフは直前まで火消しや釈明に追われたが、文氏自身が平昌冬季五輪での南北合同チーム結成まで提案する始末。自国民が非業の死に追い込まれ、北朝鮮に激怒するトランプ米大統領の目にはそれこそ「4大悪材料」と映る恐れもある。

 ■「米韓軍事訓練縮小」を一方的に提案

 「学者として話しただけだ。それが大きな問題になることだろうか」

 米国から帰国し、空港に到着した直後の21日、記者団にこう言い放ったのは文大統領の側近で統一外交安保特別補佐官の文正仁・延世大教授。

文大統領の側近で統一外交安保特別補佐官の文正仁・延世大教授
 文教授はワシントンで16日開かれたセミナーで「北朝鮮が核・ミサイル開発を凍結すれば、米国の韓半島(朝鮮半島)での戦略資産や米韓軍事訓練の縮小も可能だ」との持論を披露した。

 米国側はもちろん激怒。韓国大統領府も文教授に厳重警告をし、発言から50時間後に関係者が記者に弁明の背景説明を行った。

 しかし、この場でも「文教授と文大統領の考えは違うのか」との質問に明確な説明がされなかったことから、「2人の考えはそれほど変わらないのだ」との米国の疑念を深めてしまい、特別補佐官の地位を返上するよう求める声も韓国内で出ているという。

 そもそも軍事訓練の規模を米国側の同意なしに変えることは不可能であり、対北配慮のための「縮小」は地域に何のメリットももたらさないことを政権関係者のうち果たして何人が理解しているのだろうか…。

 ■おとぎの国の大統領

 韓国紙朝鮮日報によると、他の2つの悪材料は、THAAD配備をめぐる問題と米国要人冷遇説だ。

 文政権がTHAADに反対する中国の顔色をうかがっているため、配備が遅れたり配備計画をめぐる両国の認識に大きなズレが出たりしていることにトランプ大統領は「激怒した」と伝えられている。

 米国要人冷遇説は、共和党のマケイン上院議員の訪韓予定をめぐるもので、「訪韓が大統領府の冷遇で取り消された」との日本メディアの報道に韓国の大統領府側は次のように反論した。

共和党のマケイン上院議員 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 「大統領との昼食会の約束を設定したが、マケイン氏側から改めて調整してほしいと要請があり、さらに訪韓が難しくなったと伝えられた」

 3月に訪韓したティラーソン米国務長官との夕食会問題では、「疲労のために夕食会を長官が断った」との韓国メディアの報道を「もともと韓国側から招待がなかった。それを隠すため韓国側が自国メディアにそう説明した」(米政権側)と暴露される一件があり、そのときの不手際をほうふつとさせる。

 しかし、これらの3悪をさらに上塗りしそうなのが文氏の北発言だ。

 「平昌五輪に北朝鮮選手団が参加すれば、人類の和合と世界平和推進という五輪の価値を実現するのに大きく寄与する」

 北を正統なパートナーとし、国際社会で花を持たせようとしている。

 米社会には、北朝鮮に拘束された大学生、ワームビア氏の非業の死で北朝鮮に対する怒りが沸騰している。異母兄を外国の空港で殺害した疑いも濃厚な金正恩政権になぜ手をさしのべようとするのだろう。

 文氏はまさに、「北朝鮮との関係にファンタジーを夢想する」(武藤正敏元駐韓大使著「韓国人に生まれなくてよかった」 http://www.goku-books.jp/book/b287625.html )「おとぎの国の王子様」(同)といえるだろう。


【私の論評】日本をはじめとする諸外国に振り回され続ける韓国の政権は短命に終わる(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事では「文氏自身が平昌冬季五輪での南北合同チーム結成まで提案する始末」とありますが、これには後日談があります。

韓国を訪問している北朝鮮の国際オリンピック委員会(IOC)委員、張雄(チャン・ウン)氏が、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が提案した2018年平昌冬季五輪での南北合同チームの結成と南北合同入場行進に難色を示していたことが26日、明らかになっています。国際世論を無視して親北路線を鮮明にしている文在寅政権ですが、その北朝鮮側からはしごを外された格好になりました。

北朝鮮の国際オリンピック委員会(IOC)委員、張雄(チャン・ウン)氏
文氏は24日、中部の茂朱(ムジュ)で開幕した世界テコンドー選手権大会の開会式で行った演説で、「平昌五輪に北朝鮮選手団が参加すれば、人類の和合と世界平和推進という五輪の価値の実現に大きく寄与する」と述べ、南北合同チームと開会式での合同行進の実現を訴えました。

20日には都鍾煥(ト・ジョンファン)文化体育観光相が、一部競技の北朝鮮での分散開催などを検討していることを表明。IOCは「五輪ムーブメントは常に橋を懸けるためにあり、壁を築くものではない」などとコメントしていました。IOCの前向きな態度を受けて、文氏は張氏と握手をかわし、直接、北朝鮮側にも協力を求めました。

ところが、韓国紙、東亜日報(日本語電子版)によると、張氏はそれからわずか2時間後に、南北合同チームや南北合同行進について懐疑的な見方を示したというのです。

張氏は開会式後に開かれた晩さん会の前に、東亜日報が運営するケーブル&衛星チャンネル「チャンネルA」のインタビューに応じた際、「スポーツの上に政治がある。政治的環境が解決されなければならない」と主張しました。

その上で、文在寅政権が南北のスポーツ交流を望むならばまず、2010年3月に発生した北朝鮮による海軍哨戒艦「天安」撃沈事件を受けて、韓国が取っている独自の対北制裁措置「5・24措置」などを解除しなければならない、と強調したといいます。

文氏は演説で、「敵対国だった米国と中国が『ピンポン外交』で平和を成し遂げた。茂朱で新羅と百済が一つになったように、今日ここで南北が一つになり、世界が一つになることを願う」とも述べました。

これについても張氏は、「ピンポン外交が中米関係を改善したというが、政治的地盤が固まったため。政治に五輪のようなものを引っ張り出してはならない」とバッサリ。スポーツの政治利用をいとわない北朝鮮から、逆にいさめられるという想定外の展開になってしまったのです。

張氏は23日に韓国入りした際、記者団に対し、「私は(南北合同チームなどの)可否を議論する立場にない」と語りました。しかし張氏は、2015年に独誌シュピーゲルで「多才な外交官」「西側諸国で話すことができる唯一の公式な北朝鮮人」などと報じられた人物。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とも非常に親しいとされています。

そうした張氏の態度は、少なくとも現時点で、金正恩氏が南北合同チーム結成に同意していないことをうかがわせます。もしくは、北朝鮮側が、平昌五輪を「5・24措置」などの解除を引き出すための“道具”に利用しようとしている可能性も否定できません。

結局、文在寅大統領は、外交に関しても全く疎いと言わざるを得ません。このブログでは何度か、文在寅大統領の経済対策のまずさについて述べてきました。今の韓国経済は、何をさておいても、量的金融緩和と積極財政を間髪を入れずにすべきであるにもかかわらず、文在寅大統領はそんなことは思いも浮かばないようです。

外交も、安全保証も、経済も駄目ということになれば、何一つ良いことはありません。本当に韓国民はとんでもない酷い大統領を選んでしまいましした。これなら、朴槿恵も経済も安全保証も、外交も駄目だったとはいえ、文在寅よりは、数段ましだったかもしれません。

おとぎの国の大統領・文在寅
5月10日の大統領就任から、まだ二ヶ月もたっていないのに、もう文在寅は馬脚を現してしまいました。米国を「立会人」とし、世界が注目する中で結んだ慰安婦問題をめぐる日韓合意は、条約にも相当する国際約束ということも全く文在寅の頭の中にはないようです。

韓国は今、まさに自分で自分を難しい状況に追いやっているとしか思えません。中国が嫌がっていた米国の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の導入は決めたものの、やはり中国に配慮して本格配備は先延ばしにする。一方で隣国、日本には無意味な歴史戦を仕掛けてきます。雇用・経済がかなり悪化しているというのに、打つべき手を知りません。

安全保障面でのふらふらと腰の定まらぬ態度は、同盟国である米国の怒りを募らせる半面、中国の満足にもつながりません。日韓合意軽視は間に立った米国の面子をつぶした上、日本との関係悪化は韓国経済を冷え込ませるだけです。韓国の束の間の成長は、日本から先端技術に関わる部品を輸入してそれを組み立て、海外への輸出に成功したことによるところにが大きいです。そのこともすっかり忘れているようです。これでは、喜ぶのは北朝鮮ばかりです。

韓国は盧政権時代も朴槿恵(パク・クネ)前政権当時も、米中を同等に扱い、その仲介役を果たす「東アジアのバランサー」を目指した揚げ句、どちらからも冷遇される結果を招いてしまいまし。八方美人的な姿勢は、誰からも信頼されません。文政権もその轍(てつ)を踏むつもりのようです。

韓国外交では、定見がなく勢力の強いものに従う「事大主義」と、世間を知らぬまま自らの実力や地位を過信する「夜郎自大」の2つの「ジダイ」が目立つ。この傾向が続く限り、東アジアは安定しないことでしょう。

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文在寅は経済・外交・安全保障の面で定見を持ち、まずは諸外国に振り回されることなく、自らの考え、自らの力でこれらを実行すべきです。反日も、日本を振り回しているようにみえながら、結局日本に振り回されているというだけのことです。

韓国が、経済・外交・安全保証の面で安定していれば、1990年代以前のように表立った反日などしないはです。安定していないから、諸外国に様々な形で秋波を発信し、結局諸外国に振り回されるしかないのです。結局反日だって秋波の一種に過ぎないのです。

特に最近の韓国の経済はそうでした。グローバリズムを標榜し、内需を疎かに(GDPに占める個人消費の割合は、韓国は50%台、日本をはじめとする先進国の大半は60%、米国は70%)したつけがまわって今の韓国経済は地獄の様相を呈しつつあります。特に家計の借金はとんでもないことになっています。

そうして、日本が2013年から金融緩和に転ずると、韓国経済は真っ先に大きな影響を受けました。ウォン高傾向になった、韓国経済は大打撃を受けました。韓国では、これを日本のせいにしようとする動きもありますが、それは大きな間違いです。

日本が異常な円高だったおかげて、韓国経済は発展できた面があったのですが、その間日本は金融引締めによる円高とデフレで日本国民は長い間苦しんできました。日本としては、金融緩和をしてまともなマネタリーベースの水準に戻しただけです。

それに、日本が緩和をして韓国経済が苦しいというのなら、韓国も緩和をすれば良いだけです。にもかかわらず、朴槿恵は緩和をしませんでした。そうして、文在寅もしそうもありません。

これらのことに気付かず、外国に振り回され続ける、韓国の大統領、政府は、結局短命に終わります。私は文在寅政権は、朴槿恵政権よりも短いと思います。

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2017年6月25日日曜日

ついに本音解禁した文在寅大統領 韓国、慰安婦問題で対日交渉過程の検証開始―【私の論評】日韓には何も問題はない、複雑化させれば文在寅の思う壺(゚д゚)!

ついに本音解禁した文在寅大統領 韓国、慰安婦問題で対日交渉過程の検証開始


 韓国政府は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年の日韓合意を検証する方針だ。関係筋が明らかにした。近く外務省に作業部会を設置し、対日交渉過程の検証を始めるという。

 検証では、合意に至った協議の関係文書の精査や、当局者への聞き取りを行う。合意に「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」との言葉が盛り込まれたことや、ソウルの日本大使館前に違法設置された慰安婦像について「韓国政府としても適切に解決されるよう努力する」と約束した経緯について調べるとみられる。

 また、合意までに元慰安婦への意見を十分に聴いたのかや、元慰安婦を支援するため設立された「和解・癒やし財団」の活動など、韓国政府の対処も確認する方針だ。

 財団関係者によれば、これまで通り、活動は粛々と進めるという。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、韓国政府は日本政府に「合意を国民は受け入れられないのが現状」と伝えて、「再交渉」の表現は避けている。

 ただ、文大統領が最近、米紙とのインタビューで、日本の「法的責任と公式謝罪」を主張。康京和(カン・ギョンファ)外相も岸田文雄外相との電話会談で「両国共同の努力による解決」を訴えた。

 韓国政府は検証を経て対応を検討するもようだが、韓国では、「朴槿恵(パク・クネ)前政権時代の合意は岐路に立たされている」(聯合ニュース)といった報道も出ている。

 ■欧米メディアに「日本の法的責任や公式謝罪」訴え

 先月の就任以降、慰安婦問題をめぐる日韓合意の「再交渉」への言及を控えていた韓国の文大統領が、日本の法的責任や公式謝罪を言い始めた。日本の「努力不足」までも主張しており、追加措置を求める本音が出てきたかたちだ。

 文氏は2015年12月の日韓合意後、合意の無効化や再交渉を公言してきた。大統領選最終日の5月8日には、街頭演説で「日本には『慰安婦合意は間違いだった』と堂々と説得する」とまで叫んだ。

 ところが大統領に就任するや「再交渉」は口にしなくなった。また文氏は安倍晋三首相との電話会談や、今月訪韓した自民党の二階俊博幹事長との会談では、日韓合意について「国民の大多数が心情的に受け入れられないのが現実だ」と伝えるのみだった。

 大統領府が一度公表した人事の発表での「韓日合意再交渉」という表現を直後に取り消したこともあり、対日関係悪化を避けた現実的判断とみられてきた。

 だが文氏は最近、欧米メディアに「日本の法的責任や公式謝罪」を訴え、「最善の努力をしていない」と語り日本を批判している。

 日本政府は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意に従い、安倍首相が「おわびと反省の気持ち」を表明。元慰安婦への支援金として10億円を拠出するなど、合意を誠実に履行し、最善の努力をしている。

 「再交渉」という表現はなくとも、文氏の発言は大統領就任前に戻ったかたちだ。対日関係を考慮しているとしても、日本には直接訴えず、欧米メディアを相手に抑えてきた本音を吐露したとみられる。

 欧米メディアに向けた文氏の発言は、朴槿恵(パク・クネ)前大統領が海外で日本批判を続けた「告げ口外交」と本質的に変わらない。合意蒸し返しへの韓国特有の手法と解釈されても仕方がない。

【私の論評】日韓には何も問題はない、複雑化させれば文在寅の思う壺(゚д゚)!

文在寅大統領の数々の発言に対して、憤慨している人も多いとも思いますが、このような傍若無人な発言は、何も文在寅大統領にはじまったことではありません。ブログ冒頭の記事のように、朴槿恵前大統領も酷いものでした。

今では、忘れ去られているものの、その前の李明博元大統領も酷いものでした。その極めつけのものを以下に掲載します。これは、恵隆之介氏のメールの内容が転送されてきたものです。


2011.9.11 1543 惠隆之介氏からのメールをご覧下さい。驚くべき事実が記載されています。
-----------------------------------------------------------

各位

惠です。

以下の李明博発言ご存知ですか?

(8月31日、韓国SBSテレビ番組)(9月1日 日深夜テレ紹介放送)


李明博韓国大統領が、「北朝鮮の復興は心配ない、日本にやらせるのだ。

私が日本にすべてのカネを出させる、

我々はすでに日本を征服しているからだ。

奴らのカネは我々が自由にできる、

日本は何も知らない、

フジテレビが証拠、

日本人はよだれを垂らして見ている、

私にまかせろ、

日本にいるのは私の命令に忠実な高度に訓練された私の兵隊だ!」
と、いわゆる日本征服宣言を行った。


さらに、「朝鮮民主党のうわさは本当らしい、今年10月から日本人の全住民データーは朝鮮半島で処理されることになっている。日本人の家庭内秘密まで売っぱらったヤツが いるのだ。」

そういえば、現在首都圏をはじめ地方の空港、駅までハングル文字による表示や、朝鮮語(一部は中国語)放送が横行しており、文化的には既に吸収されつつあると言えましょうか

(以上)
これを裏付けるような動画もあります。


当時といえば、日本はテレビで韓流ドラマ、KPOPが全盛期でした。しかし、その後嫌韓ブームがおこり、今でも韓国に対して多くの日本人は良い感情をもってはいません。

しかし、「奴らのカネは我々が自由にできる」という幻想は、その後朴槿恵氏に受け継がれ、さらに現在の在文寅大統領にも受け継がれているようです。

結局今すぐに金がどうのこうのとは言わないものの、上記のような驚くべき発言や行動を繰り返し、外交カードをいつでも切れるようにして、最終的には日本から大金を引き出し、とにかく韓国の経済悪化による韓国国民の政府からの離反を食い止めるという腹であるとの思惑があると思われます。

しかし、これは何文在寅大統領に限ったことではありません。もともと、韓国は経済的には脆弱であったため、ことあるごとに国民の不満は高まる傾向にありました。

そうなると、大統領をはじめ時の政権は、国民からの大バッシングにあうことになります。それを避けるために、1990年代からはじめたのが、体系的な反日教育です。

韓国政府は、この体系的な反日教育により、日本を悪者に仕立て、韓国民の憤怒の大マグマを自分たちに向くのを防ぎ、日本に向けさせ、さらには国としての求心力を高めるということを繰り返してきたのです。

その本質は、今の文在寅大統領になっても、引き継がれているのです。

さて、この韓国というやっかいな国に対して日本はどのような対応をすれば良いのでしょうか。

結論からいえば、何を言われても「知らぬ存ぜぬ」で、間違っても経済援助などしないことです。

そもそも韓国側は、従来の日韓基本 日韓基本合意の違いを全く理解していないようです。この違いについては、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【釜山・慰安婦像設置】菅義偉官房長官会見詳報 韓国・釜山の慰安婦像設置に対抗措置 菅氏「日韓関係に好ましくない影響」「国と国として約束、履行してほしい」―【私の論評】先進国になれなかった韓国は、中所得国の罠にはまり発展途上国となる(゚д゚)!

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では1965 年に締結された日韓基本条約と、一昨年の暮れに締結された日韓合意の根本的な違いについて簡単に述べました。

以下に、その違いを簡単に掲載しておきます。
日韓基本条約の大きな問題点は、賠償請求権協定が韓国側非公開であったことであり、それを日本側も容認していたことにありました。これは、二国間の条約であり、秘密協定に近いものなので、外交カードとしては、利用しにくかったのです。そもそも、日韓基本条約が韓国で公開されたのは条約締結から40年過ぎ2005年でした。しかし一昨年の日韓合意は国際社会に開かれたカードであり、以前とは 状況が全く違います。
一昨年末の電撃的な日韓慰安婦合意について、日本政府は「最終的かつ不可逆的な解決」と胸を張ったのにはこのような背景があったのです。 
しかもこの日韓合意に関しては、米国のオバマ大統領が深く関与していました。日韓基本条約は韓国にとって都合の良い穴があったわけですが、一昨年の日韓合意ではこの穴は塞がれたのです。

とはいいながら、韓国政府はあくまでこの違いを意に介さないことでしょう。そうして、これからも日本に対して様々な要求をしてくることでしょう。

しかし、だからといって慌てる必要は何もないのです。韓国が慰安婦問題について何か再度要求してきたとしても日本政府としては、「日韓合意」にもとづきそのような問題は解決済みであるとして突っぱねれば良いだけです。

実際、安倍総理はそのように突っぱねています。これについては、以前もこのブログに掲載しました。その記事のリンクを掲載します。
安倍首相、慰安婦問題を門前払い 領土問題挑発にも怒りの言及 韓国特使と会談―【私の論評】七面倒臭い韓国とはもう付き合うな(゚д゚)!
文特使(左)と会談する安倍首相。文特使から聞くべき話はなさそうだ=18日午前、首相
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部のみ引用します。
 安倍晋三首相は(5月)18日午前、韓国大統領特使の文喜相(ムン・ヒサン)国会議員と官邸で会談し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任を受け、「未来志向の関係を築きたい」「日韓合意を含む2国間関係を適切にマネージしていきたい」と語った。慰安婦問題に関する日韓合意の見直しを掲げる文大統領の願望を、事実上、門前払いしたことになる。韓国は特使派遣と並行して、領土問題で日本を挑発してきたが、安倍首相はこれにも断固抗議した。「極左・従北」とされる文政権に対し、決然とした姿勢を示した。 
日本政府としては、安倍晋三首相のこの対応を見習い、外務省をはじめすべての省庁が韓国に対してこのような態度で臨めば良いでけです。それでも、傍若無人にもさらに要求するなら、「日韓合意」で解決ずみと言って門前払いすれば良いだけです。たとえ、韓国政府はそれを認めないなどと言っても「日韓合意」で解決ずみと答えて、それでも引き下がらない場合は、警護の人間をつかって無理やり引き下がらせればそれで良いのです。

民間レベルでも、これと同じで良いです。何か韓国側が慰安婦問題にかこつけて要求してきたとしたら、「日韓合意」で 解決済みと突っぱねて、それでも言うことを聴かないというのなら、こんな面倒な相手とは取引をしないことです。韓国と取引しなくても、取引できる国はいくらでもあります。

それに、民間企業レベルで、このような面倒な相手と商売をするような経営者は、単に能力がないだけです。

日韓は、すでに「日韓合意」の上で、すでに慰安婦問題はなくなっているわけですから、その「合意」を違えてくる相手に対しては、まともに取り合わなくても良いです。それを相手の言い分などを聴いてしまえば、ありもしない問題をあることにされ、さらに複雑化させるだけです。

ブログ冒頭の記事にも「告げ口外交」のことが掲載されていましたが、たとえこれからも「告げ口外交」をしたとしても、それはたいした問題でもありません。朴槿恵大統領は「告げ口外交」をしていましたが、ロシアーのプーチンなどはそのような朴槿恵を軽蔑していたようです。

たまに真に受ける外国の馬鹿な人間がいたり、習近平のようにそれを利用しようとする人間もいるかもしれません。しかし、だからといって、文在寅あたりの言うことを真に受けて、日本政府を非難しようものなら、日本側としては韓国の主張するようなことは「日韓合意で解決済みである」と伝え、「そのようなことで日本を非難するのは日本国に対する内政干渉である」と非難すれば良いだけです。

事実そうなのですから、韓国の言い分を聴くような国や、指導者などは、かえって立場を悪くするだけです。

このように対応しても、韓国政府の態度が改まらなかった場合には、再度大使を呼び返して、韓国とは事実上国交を断絶をしてしまえばそれだけで良いことです。

国交を断絶したとしても、韓国にとっては失うものはかなり大きいかもしれませんが、日本にとっては、軽微です。何しろ、韓国のGDPは東京と同程度です。完璧に断交したとしても、ほとんど日本と日本人には影響はありません。

このような対応をしておけば、いずれ文在寅政権は、短命に終わりますから、文氏も蒸し返しどころでなくなります。その後の大統領も「日韓合意」の反故に執着し、まともな経済対策を実行しないなら、韓国経済は崩壊し短期政権に終わります。今のままだと、10年もしないうちに、間違いなく韓国の現在の体制は維持できなくなります。

慰安婦問題に関して、これ以上の対応をすれば、かえって問題を複雑化させるだけです。韓国に対する対応はなるべくシンプルにすべきです。韓国政府の反応などおかまいなしに、日本としては「日韓基本合意」で日韓の間には何も問題は存在しないという立場を堅持すべきなのです。

この方針を違えれば、それこそ文在寅の思う壺です。

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2017年6月24日土曜日

悪質さ増す日本メディアの世論誘導 信じる人はもはや絶滅危惧種―【私の論評】絶滅危惧種も国民なのだ(゚д゚)!

悪質さ増す日本メディアの世論誘導 信じる人はもはや絶滅危惧種


安倍晋三内閣の支持率が、6月の世論調査で軒並み急落した。5月は56・1%だった産経・FNNの調査結果は、今回47・6%と8・5ポイント低下した。そのほか、読売と日経が49%、共同通信44・9%、朝日41%、毎日36%と、いずれも50%を切った。

 これは野党やメディアの勝利なのか。そうとは思えない。緊迫する北朝鮮情勢や欧州で相次ぐテロ事件には目もくれず、ひたすら安倍内閣の足を引っ張り続けた「国壊」議員たちに、愛想を尽かした国民は多いはずだ。

 読売は世代別支持率も公表した。30代以下の若い世代の内閣支持率は今回も60%以上だった。民進党などの野党と一部のメディアが「倒閣運動の好機」ととらえた「森友・加計学園」問題や、「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法の採決をめぐるカラ騒ぎは、若者の心には響かなかった。

 中高年と比べて、ツイッターやフェイスブック、ユーチューブなどを通じ、多角的な情報を入手しているからだろう。

 テレビや新聞などの情報だけで物事を判断する世代と、ネット情報も参考にする世代との情報格差は広がる一方だ。数十年後は現在の若者が中高年である。メディア情報で世論誘導される人々は、もはや絶滅危惧種なのだ。

 米国でドナルド・トランプ大統領が誕生した背景の1つに、米国民の根強いメディア不信がある。米メディアは「暴言」を繰り返すトランプ氏が共和党候補になれば、自分たちが応援する民主党のヒラリー・クリントン元国務長官の勝利は確実だと考えていた。

 思惑通り、トランプ氏が共和党予備選を制したが本選挙も圧勝した。メディアが終始報じた「ヒラリー優勢」の世論調査は完全に間違いで、世論誘導できると信じていたメディアの完敗だった。

 懲りない米メディアは再び民主党と組んで「トランプ降ろし」に励んでいる。日本の一部メディアの「安倍降ろし」と同じ構図だ。日米ともメディアの病巣は根が深い。

 最近、日本メディアの情報操作は悪質さを増している。沖縄の反米軍基地運動家の暴力性や、左派団体が「国連」の権威を利用して日本を貶めてきたカラクリは、前衆院議員の杉田水脈(みお)氏や、キャスターの我那覇(がなは)真子氏、テキサス親父日本事務局の藤木俊一氏らのおかげで白日の下にさらされた。だが、積極的に報じるのは夕刊フジと産経新聞くらいだ。

 築地市場の豊洲移転の問題で、小池百合子都知事の独断が多額の損失を発生させており「都民ワースト」である事実も、都民への周知が足りない。

 メディアの横暴を放置すれば、先の絶滅危惧種の絶滅よりも、日本国の絶滅が先かもしれない。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

【私の論評】絶滅危惧種も国民なのだ(゚д゚)!

確かに、ケント・ギルバート氏が指摘するように、「野党やメディアの勝利なのか。そうとは思えない」です。

このことを野党やメディアは全く気づいていないようです。

「内閣支持率が下がった分、そのまま野党第一党の支持率が上がることはない。安全保障法制のときもそうだ」と野田佳彦幹事長は19日の記者会見で、言い繕いました。

野田氏は内閣支持率の低下について、加計学園問題などで政府を追及したことを挙げ、「終盤国会での攻勢があったがゆえに低下を実現した」と評価。通常国会での党の対応を「批判もあるかもしれないが、ベストを尽くした」として今後も加計問題などで追及を続ける考えを示しました。

しかし、数字を精査すると、内閣支持率低下は政府自らの「エラー」であって、野党の「手柄」では残念ながらないです。この事実をはき違えている限り、民進党の支持率アップは見込めないでしよう。野党がよく口する「安倍一強」なる批判も、なぜ「一強」なのか自らに問うということはしていないようです。

安倍内閣の支持率は25年12月に10ポイント前後低下したことがありましたが、やがて回復しました。

「もり・かけ」問題は、最初からとうてい安倍総理を辞任に追い込んだり、倒閣に結びつくような可能性ははなから全くありませんでした。

しかし、これらの問題に対する政府の説明はあまり要領を得たものではありませんでした。特に加計問題に関しては、一般にも公表されている戦略特区ワーキング・グループの議事録等を読めば誰にでも簡単に「総理のご意向」などあり得ないことが、わかる内容です。しかし、政府がこれを説明することはありませんでした。

これらの議事録などとは、以下のようなものです。
①2015年6月8日国家戦略特区ワーキンググループ議事録(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_s/150608_gijiyoushi_02.pdf) 
②2015年6月29日閣議決定(文科省部分、http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu22/siryo/__icsFiles/afieldfile/2015/09/02/1361479_14.pdf) 
③2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h28/shouchou/160916_gijiyoushi_2.pdf
これらの文書を読めば、文科省はワーキンググループの時点で、完敗していることが手にとるようにわかります。

たとえば、①2015年6月8日国家戦略特区ワーキンググループ議事録では、以下のよう牧野課長補佐の発言があります。牧野課長補佐とは、以前にもこのブログに掲載した、伝言ゲームで今回の問題で誤解が広まったその元になった文書を作成した人です。

課長補佐の牧野美穂氏(33)
○牧野課長補佐 そこまでは言っていませんけれども、既存の獣医師養成の分野に関して は少なくとも今足りているというように我々は農水省さんから聞いておりますので、その 上で関係者も納得するような、これは新しい構想だというようなものを具体的な需要の数 までも示した上でお示しいただければ、こちらとしても一緒に検討していきたいというこ とでございます。 
○原委員 挙証責任がひっくり返っている。
ここで、原委員の言う「挙証責任がひっくり返っている」という発言の意味するところは、本来既存の獣医師数が足りているのか足りていないのか、あるいは新しい構想による獣医師の需要数など、本来文科省が示すべきなのに、あたかも農水省にその責任があるかのように牧野氏が述べていることに対するものです。

そうなのです。本来規制する側が、需要は足りているということを示すことをしなければならないはずです。新しく、獣医学部を設立することを認可しないというのであれば、それを誰もが納得できる形で、データに基づいた資料を提示して説明する責任があるのです。

にもかかわらず、牧野氏は農水省などにこの説明責任を転嫁しているのです。これでは、話にも何もなりません。無責任そのものですし、これでは、新設獣医学部を規制することは到底不可能です。

③2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録には、以下のような浅野課長の発言がしるされています。

浅野 敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長
○浅野課長 御指摘いただいたように、もう繰り返しになりますので申し上げませんけれ ども、我々としては先ほど本間先生からも御指摘いただいたように、既存の獣医師でない 構想、獣医師養成でない構想が具体化し、かつライフサイエンスなどの獣医師が新たに対 応すべき分野における具体的な需要が明らかになって、既存の大学・学部では対応困難だ ということであれば、そういったこともしっかり検討していくというつもりでございます。
○八田座長 そうであるかどうかという判定というのはもう今、進めていらっしゃるので すか。それとももう少し提案者等からのヒアリングが必要だということですか。 
 ○浅野課長 恐らくこれは文科省だけでは決められないと思いますので、きちっとしかる べく多分政府全体として、需要と供給の問題も全く関係ないわけではありませんので。  
○八田座長 それは関係ないでしょう。文科省は研究が必要かどうか、その観点からやる から文科省に権限があるので、実際の人たちの損得を斟酌するなどということはあり得な いでしょう。文科省は研究の必要性、ちゃんと需要が十分ある研究者を養成するというこ とが必要なら、それは当然やるべきではないですか。ほかのところを見る必要などは何も ないでしょう。
これを読むと、浅野課長は何とか新設獣医学部の設立を阻止しようとしているのですが、その根拠が脆弱なので、やり込められていことが良くわかります。

以前このブログでも示したように、①と③を読むと、内閣府・特区有識者委員と文科省(農水省)による規制緩和議論は、前者の規制緩和推進派の完勝であることがわかります。

②の閣議決定では、要求されている獣医学部新設の需要見通しについて、許認可をもち需要見通しの挙証責任がある文科省が、まったくその役割を果たせていないことが分かります。しかも、②では、2015年度内(2016年3月までに)に獣医学部の新設の是非について検討するという期限が切られているのですが、それすら文科省は守れていないことがわかります。

これでは、文科省の完敗です。加計問題に係る規制緩和の議論は、課長レベルの事務交渉で決着がついてしまっていたののです。総理の参加する諮問会議の前にこれだけ完膚なきまでに文部省は負けてしまい、さらにはその無能ぶりまでさらけ出してしまってるのです。この問題のいずれかの過程で「総理の意向」が出てくる余地はまったくありません。

そうして、いわゆる例の怪文書は、その他の文書なども、これらの議事録の後の日付のものです。であれば、これだけワーキンググループで文科省は惨敗した後に「総理のご意向」があったということになり、全く時系列的に成り立たないことが、あまりにはっきりしすぎています。

にもかかわらず、政府はこの議事録をもとに丁寧に説明するということを怠ってしまいました。さらに、政府なら立場上他の有益な情報もあったかもしれません。しかし、結局これらを開陳して丁寧に説明するということはしませんでした。

結局政府としては「総理のご意向」で加計学園に獣医学部が開設されることになったなどという与太話は、あまりにも馬鹿馬鹿しくて、まともに付き合っていられないということなのでしょうが、それにしても石破大臣が「高をくくっていると、恐ろしいことが起こる」と語ったことにも一理あるかもしれません。

そうして、それは現実のものになるかもしれません。それは今のタイミングであの豊田氏の大暴言が、テレビで繰り返し報道されたからです。

豊田真由子氏
豊田氏の「暴言」は、NHKを含めテレビ各局で繰り返し流されました。都議選告示日の前日22日という自民党にとっては最悪のタイミングでした。またも「魔の2回生」の不祥事で、自民党は7月2日投開票の都議選への影響を懸念しています。繰り返しますが、同党は襟を正さないと、選挙で痛い目に遭うかもしれないです。

都民の投票行動は、そのときの風や雰囲気に流されやすいからです。都議会選挙は苦戦をしいられるかもしれません。そうして都議選で負けると、過去においては次の国政選挙では自民党はあまり良い結果を出せていません。

政府としては、メディアは常に悪質で低劣な世論誘導をしようと虎視眈々と狙っているということを片時も、忘れてはならないのです。そうして、その動機はメディアは「自分たちの使命は、権力、政権に反対することである」との単純な思い込みです。

本来、上記のような戦略特区ワーキング・グループの議事録など、メディアが丹念に読み込んで、時系列も加味した上で丁寧に報道すれば、このような誤解は最初から生じようもないのですが、メディアは自らの使命を完璧に忘却して「世論誘導」に地道をあげています。

であれば、このようなことは政府自らが実行しなければ、誤解を招くばかりです。

ガラパゴスでは他の地域では絶滅した種が生き続けている
ブログ冒頭の記事で、ケント・ギルバート氏が指摘するように、世論誘導に簡単にのってしまう人々は、確かに絶滅危惧種なのですが、ここ日本はガラパゴスのように他の地域ではすでに絶滅したような種が生き残っているところでもあります。

ここ数年は少なくともこの絶滅危惧種の数は侮れないほど多いということを肝に銘ずるべきです。しかし、絶滅危惧種も国民であることには変わりないのです。これに対抗するためには、あまりにも馬鹿馬鹿しい、それこそ小学生にもわかりそうに思えることでも、誠意をつくして丁寧に説明していく必要があるのです。

さらには、一見関係ないようにみえるかもしれませんが、そうそうに追加金融緩和や積極財政をして、8%増税の悪影響を駆逐し、デフレから完全脱却することも重要です。かつて、池田内閣は所得倍増計画を数年前倒しで実行しましたが、その結果何がもたらされたかといえば、日本国内からソ連の影響が一掃されました。結局、生活が豊かになったので、誰もわざわざソ連のプロパガンダにのるような人は居なくなったのです。そうして、今日ソ連の影響下で動かされるような当時の絶滅危惧種はすっかり影を潜めたのです。

絶滅危惧種の人にも丁寧な説明をすること、これは、本当にもどかしいことなのですが、それが民主主義というものです。

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2017年6月23日金曜日

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日刊工業新聞創刊100周年記念で祝辞を述べる当時文部科学政務官・豊田真由子氏(2015/11/16)
「このハゲーーー!」「違うだろーーー!」

 自民党の豊田真由子前文部科学政務官(衆院埼玉4区)が自らを乗せた車を運転中だった元秘書を大声でののしり、顔などをげんこつで数回殴って打撲を負わせていたと、22日発売の週刊新潮が報じた。同日朝から複数のワイドショーがこれを取り上げた。同日午後、豊田氏は離党届を党本部に事務所を通じて提出。今後、大きな問題に発展しそうだ。

 新潮によると、元秘書は豊田氏から最初に暴力を振われた日に「鉄パイプで頭を砕いてやろうか」「お前の娘にも気概が及ぶ」と告げられた。身の危険を感じた元秘書は翌日、万が一に備えて車内のやりとりをICレコーダーで録音。新潮はこの音声の一部をインターネットの動画投稿サイトで公開している。

 ゾッとするのは、ミュージカル風の抑揚を付けた歌を交えて言い放ったというこの言葉だ。

 「お前の娘が通り魔に強姦されて死んだと。いや犯すつもりはなかったんです、合意の上です、殺すつもりはなかったんですと。腹立たない?」

 「(元秘書の)娘が顔がぐしゃぐしゃになって頭がぐしゃぐしゃ、脳みそ飛び出て車にひき殺されても、そんなつもりがなかったんですで済むと思ってんなら同じこと言い続けろ」

 国会議員が秘書に暴言を吐いたり暴力を振ったりしたという週刊誌報道は珍しくない。だが、これほど戦慄を覚えた記事は初めてだ。永田町ではもともと秘書への当たりが強いことで有名だったが、まさかここまでとは…。党内には「これはアウト。離党は免れないだろう」(ブログ管理人注:昨日離党済)との声もある。

 豊田氏は、自民党が政権を奪還した2012年の衆院選で政界入り。追い風が続いた14年の衆院選で2度目の当選を果たした「魔の2回生」の一人だ。自身も過去、天皇、皇后両陛下が都内で主催された春の園遊会に、本来は入場が認められない母親を連れて入場したと報じられたことがある。ピンクのスーツと巻き髪がトレードマークだ。

 同期の不祥事は枚挙にいとまがない。金銭トラブルで離党した武藤貴也氏(滋賀4区)▽妻の妊娠中の不倫が発覚し議員辞職した宮崎謙介氏(京都3区)▽「マスコミを懲らしめる」などの舌禍を繰り返している大西英男氏(東京16区)▽路上キスを撮られた中川郁子元農林水産政務官(北海道11区)と門博文氏(比例近畿ブロック)▽台風の被災地視察をめぐる言動で内閣府兼復興政務官を辞任した務台俊介氏(長野2区)▽不倫相手との“海外挙式”などを報じられ経済産業政務官を辞任した中川俊直氏(広島4区)…。

 なぜ「魔の2回生」にスキャンダルが続出するのか。その要因として度々指摘されるのは、1994年成立の改正政治改革関連法で衆院選に導入された小選挙区制の弊害だ。

 中選挙区時代を知る自民党重鎮は「小選挙区制は大嫌い。振り子のように振れるから育つ人も育たないし、追い風が続くと淘汰(とうた)されるべき人も淘汰されない」と苦い表情を浮かべる。

 新人議員の頃から悪評判が多かった豊田氏が2期目の当選を果たした際は、当時の党選対幹部も「『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』というが、なぜ彼女が勝てたのか分からない」と首をひねっていた。

 とはいえ、中選挙区制が見直されたのも「派閥間選挙となりがちで派閥政治の弊害を生む」などのデメリットが指摘されたからに他ならない。万能な選挙制度はない。一人一人の有権者が現行制度のもとで、最善の選択と信じる候補や政党に票を投じるしかないのだ。彼女を信じて票を投じた埼玉4区の有権者は今、何を思うのだろう。(蜂)


 永田町で政界を取材するアラサー記者。

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。6月のお題は「選」 です。

【私の論評】コミュニケーションの原則を知らない組織人が増えた(゚д゚)!


ブログ冒頭の記事では、今回の事件の原因に関して「小選挙区の弊害」しか語られていません。無論これも重要な原因の1つになってはいるとは思います。しかし、私自身はそれだけではないと思います。

この背景には、昔から日本人が得意としてきた、コミュニケーションとか、それを体現してきた惻隠の情などという感情が日本人から消えつつあるという背景もあるのではないかと思います。

そもそも、惻隠の情という言葉も最近では死語に近くなってきています。これは、元々は孟子の言葉です。 孟子は、親の子を思う心を、「惻隠の情」とし、これを社会生活の全てに及ぼすように説きました。 相手の心情を深く理解する事を意味します。 これは、孟子の師である孔子の「仁」に通じ、日本人は弱者を守り、親孝行するなど全て「惻隠の情」から来ていました。

豊田真由子議員に少なくとも惻隠の情なるものがあれば、今回のこのような事件はなかったかもしれません。

それにしても、現在の日本ではこの「惻隠の情」が消え失せたのではないかと思われるような事が多々あります。たとえば、学校内でのイジメとか、そのイジメを無視する学校の先生をはじめとする大人。あるいは、ブラック企業におけるいわゆる悪質なパワハラなど、例をあげればきりがありません。

私自身は、元々は日本人は他国の人々に比較すれば、コミュニケーション能力に長けており、それが日本の様々な面で強みになってきたと思っていました。

しかし、最近の日本においては、「おもてなし」に代表されるように、コミュニケーションに長けている面もありながら、それが徹底的に欠けていると思わざるを得ないような、今回のような事件も散見されます。

私自身は、コミュニケーション能力の欠如を今のまま放置しておけば、日本の将来の産業競争力なども衰退するのではないかと危惧しています。日本では、コミュニケーション障害が目だようになってきましたが、一方米国では、随分前から職場で本当に必要なのは、情報ではなく、コミュニケーションであるということが主張され、コミュニケーションを重視する気風が高まっていました。

さて、コミュニケーションというと、日本では「ホウレンソウ」などということが言われていて、まめに「報告・連絡・相談」すれば、コミュニケーションが図られるなどと言われていますが、私はそうではないと思います。「ホウレンソウ」をかなり、まめに行っていてもコミュニケーションは成り立っていないことも十分あり得ると思っています。

経営学の大家ドラッカー氏
コミュニケーションについて経営学の大家ドラッカー氏は以下のように語っています。
上司の言動、些細な言葉じり、癖や習慣までが、計算され意図されたものと受け取られる。(『エッセンシャル・マネジメント』)
階層ごとに、ものの見方があって当然です。さもなければ仕事は行なわれません。しかし、階層ごとにものの見方があまりに違うため、同じことを話していても気づかないことや、逆に反対のことを話していながら、同じことを話していると錯覚することがあまりに多いのです。

コミュニケーションを成立させるのは受け手です。コミュニケーションの内容を発する者ではありません。彼は発するだけである。聞く者がいなければコミュニケーションは成立しないのです。

ドラッカーは「大工と話すときは、大工の言葉を使え」とのソクラテスの言葉を引用しています。コミュニケーションは受け手の言葉を使わなければ成立しないのです。受け手の経験に基づいた言葉を使わなければならないのです。

コミュニケーションを成立させるには受け手が何を見ているかを知らなければなりません。その原因を知らなければならないのです。

人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗します。
受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。期待を知って初めてその期待を利用できる。あるいはまた、受け手の期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるためのショックの必要を知る。(『エッセンシャル・マネジメント』)
まさに、今回の事件においては、豊田真由子議員は、彼女の政策秘書の期待しているものを知ることもなく、秘書に対して覚醒のためのショックを与えようと「罵詈雑言」を並べ立てたのでしょう。

相手の期待していることを理解しなければ、たいていは相談しようが、報告をしようが受けようが、相談しようが、何をしても結局何も伝わりません。豊田真由子議員は、こうしたことを何回も繰り返してきたにもかかわらず、結局秘書と話が通じないため、このようなことになってしまったのでしょう。

では、相手の期待を知るためにはどうすれば良いのでしょう。それには、ドラッカー氏も言っているようにまずは、「コミュニケーションとは、私からあなたへ、あなたから私へと一方的に伝わるのではない」ということを理解しなければならないです。このあたりを理解していない人が豊田議員をはじめ、最近ではあまりにも多すぎです。

コミュニケーションとはそうではなくて、「私達の中の一人から私達の中のもう一人」に伝わるものなのです。ですから、普段から「私達」という関係を築いておかなければ、コミュニケーションは成り立たないのです。

そうして、普段から「私達」といえる関係を構築して、コミュニケーションが成り立っていれば、たとえ何かの理由でかなり叱責したとしても、それが正当なものであれば、全く関係がこじれるなどということはありません。

このことを忘れている人が多いです。そうして、「私達」という関係を築くためには、ドラッカー氏は「目標管理」を第一にあげています。しかし、私はそれも重要だと思いますが、これはドラッカー氏も否定はしていませんが、「経験の共有」が一番だと思います。

親しい人などとは、コミニケーションが通じやすいことが多いものですが、これは知らず知らずのうちに、その親しい人と過去において「経験の共有」を積み重ねてきたからに他なりません。

一昔前の政治家、特に大物政治家といわれる人たちは、この「経験の共有」ということをここぞというときに徹底的に実行したようです。そのため、彼らはしばしば「人たらし」と呼ばれることがあります。

その典型例でもある田中角栄氏の例を以下にあげておきます。

田中角栄氏

《人たらし事例1》
田中派の一回生議員が美人局に遭い、解決のために多額の金銭が必要となってしまった。様々なツテに頼ったがどうしても100万円(現在の価値では3倍以上)足りない。 
選挙を終えたばかりで借金のあった議員は万策尽き、田中の事務所に電話をかけて借金の申し込みをした。 
事情を聞いた田中から「分かった。すぐに金を用意するから取りに来るように」と言われ、急いで事務所に向かうと、田中本人は急用で外出していた。
その議員は留守番の秘書から大きな書類袋を受け取り、その中身を確認すると300万円が入っており、同封されたメモには以下のように書かれていた。
「トラブルは必ず解決しろ。以下のように行動しなさい。 
 1. 100万円を使ってトラブルを解決すること。
 2. 100万円を使って世話になった人に飯を奢ること。
 3. 残りの100万円は万一のトラブルの為に取って置くように。
以上、これらの金は全て返却は無用である」
その議員は感涙し、後々まで田中への忠誠を守り通した。


《人たらし事例2》
大蔵大臣時代、1963年度の所得税法改正の審議の際、担当官僚の大蔵省主税局税制第一課長であった山下元利のミスで、誤った税率表を使っていた。

審議中であったために、訂正は不可能であったうえ、大事な箇所にも誤りがあり、その税率表を作成した役人たちは青くなっていた。

これをマスコミや他の党が黙っているはずがなかったが、山下がこのことを辞表を忍ばせ田中の元に訪れると、笑いながら「そんなことで辞表は出さなくていい」と改定表を持ち、堂々と「先日提出の表には間違いがございます」と何食わぬ顔で訂正した。野党もマスコミも沈黙したままであった。

もちろん田中が裏で手を回したのは言うまでもない。このように責任をかぶるということをためらわずし、想像もできないアイデアを出すため、田中を慕った官僚は非常に多い。
このような事例は昔の政治家や大物経営者には良くあったことです。田中角栄氏にも、他も様々な事例があります。それについては、以下のリンクからご覧下さい。
「田中角栄」人たらし伝説 
さて、 コミュニケーションを円滑にするためには、ドラッカーを語っているように「受け手の期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるためのショックの必要を知る」事が重要です。

このショックといえば、私達にとって一番身近な例は「叱る」ということです。最近は、この「叱る」ということがうまくできない人が多くなったと思います。豊田真由子議員の今回の事例は、まさにこの「叱る」ということに大失敗したということです。

しかし、ショックを与えるのは、何も「叱る」ことばかりではありません。たとえば《人たらし事例2》の山下元利の事例もショックです。当時の山下氏からすれば、それこそ烈火のごとく叱責を受けるものと覚悟していたと思います。ところが、実際に田中角栄氏を訪れると、叱責どころか、笑顔で、その間違いの責任を田中角栄氏が負ったということは、大ショックだったと思います。このようなことを通じて、田中角栄氏と山下氏とのコミュニケーションはかなり深まったと思います。

ショックを与えるにしても、いつも「叱る」ってぱかりというのではなく、コミュニケーションの達人たちは、このように臨機応変に「ショック」を与えてきたのです。

そうして、あのプーチンにも人たらしの一面があることは、このブログでも最近掲載したばかりです。やはり、政治家には「人たらし」の一面がなければ、大成しないのでしょう。

政敵を次々と暗殺するプーチンにすら人たらしいの一面がある
それにしても、このようなコミュニケーションの達人になるにはどうしたら良いのでしょうか。それは、やはり相手に対してまずは愛情がなければできないことです。豊田真由子議員は、政策秘書といえば、自分の身内であるという意識に欠けていたと思います。

そうして、愛情だけでも、うまくはいかないこともあるものです。まずは、人の見方が幼稚であれば、たとえ相手に愛情を持っていたとしても、たいていはうまくはいきません。

さて、人の見方とはどういうことでしょうか。それは、結論からいえば、人の弱みではなく、強みに着目するということです。ドラッカー氏も人の強みを活かすという考え方が、組織には必要だと以下のように語っています。
人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす。手続きや雑事を必要とする。人とは、費用であり、脅威である。
しかし人は、これらのことゆえに雇われるのではない。人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。
企業の管理職の中にも、部下などの弱みばかりに着目するひともいます。しかし、そういう人は最初はうまくいっているように見えても、長期的には必ず失敗しています。

普通の人は、高校を卒業したあたり年齢で、大体その人強みや弱みは特定されてしまいます。その後、いくら弱みを是正しようとしてもほとんどできるものではありません。しかし、強みに関しては、さらに大きく伸びる可能性を秘めています。

だからこそ、企業などの組織では、人の弱みを是正することばかりに時間を割いていては、全く資源の無駄遣いになるのです。弱みに関しては、他の人にやらせるようにするか、それが重大な問題になることを避ける程度に是正し、後は強みを伸ばすことに集中したほうがよほど建設的なのです。

豊田真由子氏は、ここでも勘違いしていたものと思います。政策秘書をあれだけ、「叱る」わけですから、やはり政策秘書側にも何らかの弱みがあったものと思います。であれば、その弱みは、他の人にやらせるか、それが不可能であれば、何か手順を1つ加えるなどして、システムを構築して、間違いが発生しないようにするなど手立てをして、政策秘書に関しては、強みの部分を多いに発揮できる体制を整えるべきだったのです。

以上述べたことは、組織の中の大原則です。これを無視する人は、組織人としては成功しません。豊田真由子氏はこの原則をことごとく、違えたままで来て、ここに来て大失敗したということです。

豊田真由子氏は、自民党の議員として自民党という組織に属していますし、国会という組織の一員です。さらには、小さいながらも事務所という組織を構えた組織人です。組織人であれば、やはり上記のようなコミュニケーションの原則は、かつての大物政治家のようにうまくはできなくても、知ってはおくべきだったでしょう。これ身につけてさえいれば、最低今回のような事態は避けられたと思います。

与党議員も、豊田氏のようにコミュニケーション不足で辞任などに追い込まれる議員が増えているようですが、野党議員もそれこそ、有権者とのコミュニケーションに失敗し、支持率は低迷したままです。

それにしても、今の日本、政治家であれば当然のことながら、これらの原則をわきまえているべきなのに、そうではない豊田真由子という人物が出てきたということは恐るべき事実です。政治家も官僚もそれに企業人ですらこれらの原則への意識が希薄になっているのではないかと思います。

だとしたら、今後の日本が心配です。

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2017年6月22日木曜日

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【守旧派官僚の闇】「加計問題は何が悪いか分からない」外務省や宮内庁もたがが外れていないか 八幡和郎

 官僚は不法な政治介入に屈すべきでないし、シンクタンク的に多様な選択肢を発信することも期待されている。しかし、国家組織として、たがが外れていると思うことは、文部科学省に限らずある。(夕刊フジ)

 外務省の韓国・釜山総領事が慰安婦像設置に抗議して本国召還されたことを、酒の席で批判して「事実上の更迭か」といわれている。


 そんな発言が外部にもれては、相手国に断固たる態度を示す効果が台無しになる。酒で酔っていて発言を覚えていないような人物は、あのポストには不適任だ。外務省には専門語学ごとのグループがあって、相手国に嫌われたら仕事にならないとはいえ情けない。

 天皇陛下のご譲位とか、秋篠宮家の長女、眞子さまがご婚約の準備を進められているといった重大ニュースが、NHKの特定記者のスクープという形で連続して流出し、宮内庁が追認する事態が続いている。立憲君主制の根本に関わる不祥事だと思う。

天皇陛下ご譲位、眞子さまご婚約準備のスクープを行った、NHK社会部の橋口和人・宮内庁キャップ
 私は、欧州の王室事情について『世界の王室うんちく大全』(平凡社新書)を出版しているが、欧州で同様のスクープが続けば、国政を揺るがすスキャンダルとして非難ごうごうとなるだろう。

 最後に「森友・加計学園」問題に戻る。霞が関OBの間で、ほぼ衆目一致しているのは、「森友問題はプチ・スキャンダルだが、加計問題は何が悪いか分からない」ということだ。

 ただし、私は国民が「怪しい」と思ったり、強い官邸に官僚の不満が鬱積する気持ちは理解できる。疑惑の原因になっている、日本的システムの問題は大改革すべきだと思う。

 まず、官僚の人事について、各省庁の仲間内順送り人事から、政治の意向も加味していこうとしたことは正しい。ただ、政治の意向も反映させる一方、公務員の専門職としての中立性と活力を保つためには、大臣補佐官など政治的ポストと、一般ポストの区別をすべきだ。

 また、時の政権と違う考えの官僚は重要ポストから外れるが、身分や待遇は失わないようなシステムが望ましい。欧州諸国ではそうなっている。

 行政には、政治的判断が入って構わないと思う。だが、日本では、基準や分析を政治的結論に合わせる悪弊がある。この文化を、客観的な分析をきちんと示したうえで、「政治判断としてこうした」と胸を張っていい。あとは、国民や住民の選挙や言論を通じての評価に立ち向かうという、透明性の高い文化に変えるべきだと思う。

 そうしたことが、政治主導を適切に実現していくために不可欠なのだ。

 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『世界と日本がわかる 最強の世界史』(扶桑社新書)、『蓮舫「二重国籍」のデタラメ』(飛鳥新社)など多数。

【私の論評】加計問題を日本の政治主導の夜明けにつなげよ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、八幡氏が主張するように、官僚は不法な政治介入に屈すべきでないし、シンクタンク的に多様な選択肢を発信することも期待されています。ところが、各省庁は、国家組織として、たがが外れているとしか考えられないような行動をとることがしばしばあります。

そうして、それは八幡氏が主張するように、文科省だけではなく、外務省や宮内庁もたがが外れていますが、その最たるものは財務省です。

財務省は、従来から消費税増税をすべきとの主張を繰り返し、大増税キャンペーンを展開していました。政治家や識者に対しては、ご説明資料を持参した官僚が、増税すべきであるというレクチャーを徹底しました。新聞各社等には軽減税率をちらつかせ、増税キャンペーンに同調させるという荒業までやってのけました。

そうして2013年には、「8%増税による日本経済への影響は軽微」というキャチフレーズで、マスコミ、識者、野党政治家はもとより自民党政治家の大半も、増税推進派に取り込み、四面楚歌に追い込まれた安倍総理はやむなく「8%増税」を決断するに至りました。

ところが、実際に2013年に増税をしてみると、個人賞はかつてないほどのL字型の落ち込みをみせて、GDPはマイナスになり、8%増税による日本経済への影響は甚大なものとなりました。

2014年11月頃には消費税率の10%への引き上げをめぐって、永田町が大きく揺れていました。この問題はさすがに、8%増税の大失敗に懲りた安倍首相により、再増税の延期と衆議院の解散総選挙という形で決着をみました。

そうして、増税は延期されたのですが、その後も現在に至るまで、個人消費は伸びず、デフレに戻りかねないような状況です。今や8%増税は大失敗であり、その悪影響は甚大であることが誰の目に明らかになりました。

これについては、以前でもこのブログに掲載したことがあります。詳細を知りたい方は、以下のリンクをご覧になって下さい。
なぜ日本の「実質GDP成長率」は韓国以下のままなのか?―【私の論評】緊縮会計をやめて消費税も5%に戻せ(゚д゚)!

予算や税の取り扱いは時として内閣の命運を左右する大きな問題となります。あらためて言うまでもなく、かつての大蔵省は衆目の一致する「最強官庁」でした。しかし、バブル崩壊と政治改革の流れの中で、大蔵省は1990年代に大きな危機に直面することとなりました。

大蔵省はなぜ追いつめられたのでしょうか。その理由の一端は、不良債権問題への対応の過程で厳しい批判にさらされたことにあります。住専(住宅金融専門会社)処理のための公的資金の投入は、世論の強い反発を招きました。

東京協和信用組合と安全信用組合の二信組事件に関連して発覚した大蔵省幹部の過剰接待問題は、「最強官庁」の権威と信用を大きく傷つけました。もう一つの理由は、永田町に行革を旗印とするさまざまな「改革派」が出現し、大蔵省改革が大きな政治課題となったことです。こうした中で銀行局と証券局の所掌事務の大半を総理府(現内閣府)に移管する「財金分離」が行われ、大蔵省は「解体」されました。

このような動きの底流には、1955年体制が崩壊していく過程で政と官の役割の再規定が行われ、官邸主導型の政治システムへの志向が強まったという政治環境の変化があります。

この流れに乗り、経済財政諮問会議を舞台装置として官邸主導の政策運営を体現したのが小泉純一郎内閣ですが、財務省はここで従来のビジネスモデルからの転換を迫られることになりました。

旧大蔵省の表札

それは、非公式の場での調整をもとに落とし所を探り、利害関係者への根回しを通じて政策形成を図る旧大蔵省の流儀から、公開の場で「財務省案」を提示して、世論の支持をバックに政策を実現させていく新たな手法への移行です。しかし、「大蔵官僚から財務官僚への試行錯誤と意識改革」は「官邸主導の波に煽られて、曲折をたどらざるをえなかった」。

民主党政権の誕生後、内閣や与党との間合いの取り方に苦慮していた財務省は、「財務省の組織内候補」と揶揄された野田佳彦首相のもとで政権との一体感を取り戻し、消費増税への具体的な道筋をつけることに成功しました。

しかし、財務省から距離を置く安倍晋三首相の登場で、再び試行錯誤を迫られています。2017年4月に予定されている再増税も、現時点では延期が確定しています。14年春からの8%増税では、財務省に負けた安倍総理ですが、現状では、選挙という手段に頼らず10%増税の延期を決めた安倍総理が勝利しているようです。官邸と「最強官庁」の関係は、この先どのように変化していくのでしょう。

こうした文脈の中で、いわゆる加計問題が発生したのです。加計問題では、簡単に言ってしまえば、天下り斡旋で責任をとって辞任した前川前文科次官が、憤懣やる方なく官邸に対して新聞社などのマスコミの力を借り反旗を翻しあわよくば、倒閣につなげようとしたことが発端でした。

前川前文科次官
これに民進党などの野党がのって、いわゆる怪文書(発信者も、発信番号もない、何の目的で発信されたかもわからない文書)をもとに、政府を追求しましたが、当然のことながら、民間会社などでもこのような文書で代表取締役を辞任に追い込むことは最初から全く不可能なことがわかりきっているのと同じように、もともと倒閣など全く無理筋というものです。

財務省をはじめとして、各省庁の官僚らは、これらの一連の動きを注意深く見守っていることでしょう。特に、天下り斡旋問題で、前川前文科次官が、責任をとって辞任せざるを得なくなったことには、多くの官僚が大パニックを起こしたことでしょう。これは、安倍政権による官僚に対する最初の大打撃でした。

その後の加計問題に関しては、実はのほとんどの官僚がいわゆる怪文書に関して、それなりに知識があるし、そもそも一般に公開されている戦略特区ワーキング・グループの議事録を読めば、文科省は課長級の会合でも官邸側に理屈や論理的に完膚無きまでに負けており、いわゆる怪文書の日付の頃には到底「総理のご意向」を発する必要性など全くなかったことを理解していることでしょう。

特に財務省の官僚などは、愚かなマスコミとは違い、WGの議事録を読んだ上で、文科官僚の無様な敗北に至った過程を理解し、やはり最低の官庁文科省であると優越感に浸っていたに違いありません。それほど、文科省の戦略特区WGでの敗北は無様なものです。とはいつつ、文科省官僚も官僚としては身内なので、財務省官僚としては複雑な心境だったに違いありません。

さて、この国家組織として、たがが外れた文科省ですが、加計問題が一旦沈静化したら、政府としては、やはり徹底的に追求すべきでしょう。この問題を放置しておけば、他の象徴の官僚たちにしめしがつきません。特に財務省はそうです。

これを機会に文科省の徹底的な組織改革をはかるべきでしょう。どの程度にするかは、政府の裁量のまかせるものとして、その過程で、国民にも十分説明を行い、国民の支持を受けた形で、実施すべきでしょう。

霞が関の省庁における組織的な天下りは、野党やメディアにとって「絶対悪」だったはずです。特に、今年1月に発覚した文科省の組織的天下り斡旋(あっせん)問題は、人事課や事務次官にまで再就職先の情報が共有される、非常に悪質な国家公務員法違反でした。

この事実を再度掘り下げ、このような体質が、本当は存在すらしなかった加計問題のような問題を生み出す温床になったことを多くの国民に理解させた上で、文科省の大外科手術に挑むべきです。

そうして、文科省の外科手術に成功したら、他の官庁の外科手術にも挑戦すべきです。特に、財務省に関しては、以前このブログにも掲載したような外科手術を実行すべきです。


財務省の狙いは10%増税でととまるものではありません。最終的には消費税20%を目標としていることでしょう。現在は安倍総理に負けたようにおとなしくはしていますが、あわよくば「アベノミクス失敗」の世論などを盛り上げ、安倍政権を死滅させ、次の政権で10%増税で、またかつて、民主党政権を飼い殺しにしたように、飼い殺しをし、そして次の政権も飼い殺しにし、20%増税を成就するまで飼い殺しを続けるつもりでしょう。

まるで、革命集団のような財務省を改革にするには、生易しいことでは不可能です。大蔵省を財務省と日銀とに分割したように、さらに財務省を分割するべきという意見もありますが、それでは手ぬるいです。

財務省は、単純に分割すると、10年くらいかけて他省庁に植民地を拡大する手段に使います。実際、白川元日銀総裁以前の日銀は、財務省の植民地のような有様でした。そうして、日銀は金融引締めを継続し、財務省は増税などの緊縮財政を継続し、日本経済をデフレ・スパイラルのどん底に沈めました。

このようなことを防ぐ意味合いで、まずは公的金融部門の廃止を実施し、つぎに財務官僚が目下においている他官庁の下部組織に財務省を分割の上に編入すべきです。こうすることにより、まで革命政治集団であるかのような財務省は、本来あるべき姿の政府の下部組織という本来の姿になると思います。



このように、財務省解体に成功したときに、はじめて日本の「政治主導」の夜明けが始まることでしょう。かつての民主党は政権の座にあったときに、「政治主導」を標榜して、「事業仕分け」などを実施しましたが、結局何もできませんでした。

それどころか、実はあの「事業仕分け」は財務省主導でした。民主党の政治家らが、国民の顔色を伺い、「財務省が作った資料を見ながら」仕わけ作業をしていたテレビを見たときには、私はテレビのやらせを番組を見ているようで苦笑してしまいました。

しかも、民主党は先にものべたように、「財務省の組織内候補」と揶揄された野田佳彦首相のもとで政権との一体感を取り戻し、消費増税への具体的な道筋をつけることに成功しました。

そうして、この体質は、今の民進党にも受け継がれています。民進党の新代表選のときに、候補者であった、蓮舫氏、前川氏、玉木氏の三人は、三人とも増税を強調していました。これでは、「政治主導」どころか、「財務省主導」です。ですから、私は、民進党を以前から「財務省の使い捨て政党」と揶揄しているのです。

そうして、これは当たり前のど真ん中の話なのです。国民の信託を受けた政治家による政府が、政治の中心になるべきであり、政治家が日本国の方針を定めるのが本筋であって、官僚は、それに直接関わってはいけないのです。

官僚が日本国の方針を定めることに関わるとしたら、それはあくまでシンクタンク的に多様な偏りのない選択肢を発信し政治家を補佐することです。これは、許されることどころか、奨励されるくらいですが、官僚は絶対に日本国の方針を定めることに直接関わってはいけないのです。

この当たり前のど真ん中を当たり前にやろうということが、「真の政治主導」なのです。

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2017年6月21日水曜日

メディアのトランプ叩きが過熱しすぎて危険水域に―【私の論評】今こそ日米双方の保守派の連携が重要(゚д゚)!

メディアのトランプ叩きが過熱しすぎて危険水域に

大物政治評論家が「米国の国力が衰える」と警告

2017年6月14i日 トランプ大統領 写真はブログ管理人掲載 以下同じ
 米国の大手メディアのトランプ政権に対する非難キャンペーンは激しさを増す一方である。

 反トランプ陣営の記者やコラムニストから、テレビキャスター、芸能人までもが放送禁止まがいの罵詈雑言をトランプ氏に浴びせる。トランプ氏の生首のイメージをネット上でばらまく。トランプ暗殺を想起させる舞台劇を上演する──。

コメディアンのキャッシー・グリフィンがネット上に晒した写真
 こんな動向に対して、保守系の大物の政治評論家がこの状態はきわめて危険だとして、メディア界に沈静を求める警告を発した。

   テレビ番組も舞台劇もトランプ攻撃

 この警告は大手紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の女性政治コラムニスト、ペギー・ヌーナン氏により6月15日の同紙に発表された。

女性政治コラムニスト、ペギー・ヌーナン氏
「誰もが激怒している、それは危険だ」(Rage Is All the Rage, and It’s Dangerous)というタイトルのこのコラムは、ワシントンを主要舞台とする米国の分裂と対立が近年に例のないほど険悪になったとして、「トランプ支持層とトランプ憎悪層の対決」に焦点を合わせていた。

 ヌーナン氏は1980年代にレーガン大統領のスピーチライターを務めた政治学者で、長年、米国メディア界で活躍してきた大物政治評論家でもある。基本的な政治傾向は保守だが穏健派で、トランプ政権に対しても頻繁に批判を述べてきた。

ヌーナン氏は本コラムで、最近の以下のような出来事は大衆扇動的で明らかに一線を超えていると指摘する。

・CNNテレビの娯楽番組に定期出演する女性コメディアン、キャシー・グリフィン氏は、5月30日、トランプ大統領の生首をぶら下げる映像をツイッターなどで流した。

・6月中旬、ニューヨーク市で上演中の舞台劇「ジュリアス・シーザー」では、暗殺されるシーザーをトランプ氏に似せる演出があった。

ニューヨーク市で上演中の舞台劇「ジュリアス・シーザー」
 ヌーナン氏は反トランプの憎悪をこうしてあおるのは行き過ぎであり、危険だという。さらに報道の分野でも、トランプ叩きは過熱している。

・CBSテレビのニュース関連番組に定期的に出演する著名な評論家兼コメディアンのスティーブン・コルベア氏は、放映中にトランプ氏をロシアのプーチン大統領の性器に関連付ける発言をした。

スティーブン・コルベア氏
・CNNテレビの司会役が、トランプ氏に「シット(くそ)」という汚い言葉をぶつけた。

トランプ氏に「シット(くそ)」という汚い言葉をぶつけたレザ・アスラン
・MSNBCテレビの報道キャスターが、「トランプ大統領は自分の政治目的のためにテロ犯罪をわざと起こさせようと挑発している」と断言した。

問題となったMSNBテレビの報道番組
 ヌーナン氏は以上のような実例をあげて、懸念を表明した。民主党寄りの芸能人やキャスターが政治的な理由でトランプ大統領の政策を非難するのは正当化できるとしても、明らかな偏見や不公正をメディアの客観性や中立性を放棄して表現することは、危険な暴力行為をも扇動することになる、と警告した。その危険な暴力行為の実例としては、6月14日にワシントン郊外で起きた、反トランプの中年男性による共和党議員たちに対する射撃事件が挙げられるという。

共和党議員たちに対する射撃事件の犯人
 同氏はさらに、米国内でイデオロギーや政策をめぐって激しい対立が起き、その結果、米国全体が政治的に分極化することを憂慮する。現在の米国の主要メディアのトランプ大統領への攻撃は、激怒や憎悪をあまりにむき出しにしており、「その温度を下げるべきだ」と訴えた。

   このままでは米国全体が危機に

6月16日、ワシントンを拠点とする保守系のインターネット新聞「ワシントン・フリー・ビーコン」も、この種のトランプ叩きの現状を伝える記事を掲載した。

民主党系弁護士のジャミー・ゴアリック氏が、トランプ大統領の娘、イバンカさんとその夫のジャレッド・クシュナー氏のロシア関連疑惑での弁護を引き受けた。そのことが民主党勢力から裏切り行為のように激しく非難されているという実態を伝える記事だった。

ジャミー・ゴアリック氏
 弁護士の弁護引き受けは政治党派の別を越えてなされるのが自然である。ところが「ワシントン・ポスト」などはゴアリック弁護士がクシュナー夫妻を弁護するのは不当な行為として断じている。ワシントン・フリー・ビーコンの記事は、その種の非難は一線を越えていると批判した。

こうしたトランプ政権と反トランプ陣営(民主党と大手メディアの連合)との対決は一体どこまでエスカレートするのか。ヌーナン氏のコラム記事は、「トランプ大統領に敵対する側はこのあたりで冷静にならないと、米国全体が危機に瀕し、国力が衰えることにもなる」と警告していた。

【私の論評】今こそ日米双方の保守派の連携が重要(゚д゚)!

米国のこの状況、憂慮すべき状況です。そうして、この状況はなぜ起こっているのか、日本国内ではなかなか理解されないことですが、米国のある一面を理解していれば、それは容易に理解できることです。

それに関しては、このブログでも過去に何度か掲載させていだたきました。要するに、米国のメディアの9割は、リベラル・左派系であるということです。保守系メディアは1割に過ぎません。

米国メディアはリベラル・左派が圧倒的に多い
新聞に関しては大手はすべてが、リベラル・左派系です。これは、日本にたとえると、産経新聞は存在せず、朝日新聞や毎日新聞のようなリベラル・左派系の新聞しか存在位しないようなものです。

テレビは、大手は保守系のフォックスTVを除き後はすべてが、リベラル・左派です。この状況は数十年前から続いていました。

最近では、ネットが発達したとはいえ、まだまだ既存メディアの影響はかなり大きいです。しかし、メディアがこのような状況ですから、米国にも現実には人口の約半分くらいは存在するであろう、保守派の声はかき消されことになります。

少なくとも、テレビを視聴したり、新聞を購読する限りにおいては、リベラル・左派の考え方や、イデオロギーが世の中の主流ということになっていたのです。そうして、保守派がいくら自己主張をしても、その声は大きな声となって他の人々に聴かれたりそれが影響力を持つようにはならなかったのです。

そうして、日本など米国以外の国でも米国といえば、リベラル・左派のメディアなどによってもたらされる情報によって米国を判断していたので、多くの日本人は米国保守の存在を知らず、米国の半分しか見ていなかったというのが実態でした。私達の多くは、現実の米国の半分しかみていなかったといっても過言ではありません。

日本のメディアも多くが、リベラル・左派で占められていることから、日本でも米国メディアの報道細のまま垂れ流すようなことをしていたため、米大統領選などもまとに報道できませんでした。それは、今でもかわらず、トランプ氏に対するネガティブな報道姿勢は今でもかわっていません。

このようなことが長く続いたことから、米国の保守派は何十年にもわたって、無視され続けてきたのです。そうして、保守派自身も自分たちはマイノリティーだと長い間思わされてきました。だから、彼らの多くは、自分の主張は腹の中にしまいこみ、ひっそりと生きてきたのです。

何しろ、メデイアに影響されて、学校でも多くの職場でも、ありとあらゆるところで、リベラル・左派的なものの見方や考え方が優勢であり、そのような中で保守派が保守的な考え方や、イデオロギーを開陳すれば、まわりから野蛮であるとか、粗野であるとそしられることになるので、保守派はあまり自分たちの考え方を開陳できなかったのです。

しかし、トランプ氏の登場によって、それは変わったのです。それまでも、草の根保守の運動はあって、保守層も自分たちは決してマイノリティーではないことに気づきつつはあったのですが、トランプ氏が大統領選に出馬し、選挙運動をはじめてから、かなり状況が変わってきました。

大統領選挙戦中のトランプ氏
多くの保守層も、選挙運動に参加し、トランプ大統領が登場すれば、自分たちの主張も多くの人達に理解されるようになるに違いないという希望を持ちました。そうして、実際保守派は決してマイノリティーではないことをトランプ大統領の登場によって示したのです。

ところが、米国メディアの大勢がリベラル・左派であるという本質はトランプ大統領が登場した今も変わりはありません。

米国メディアは当然のことながら、連日反トランプ的立場から報道します。そうして、リベラル・左派は選挙の結果などはすっかり忘れて、米国の保守層のことなどは忘れ、自分たちが、主流なのになぜ、トランプ政権なのだ。トランプ氏が大統領であることは大きな間違いだと思い込む、輩も多数出てくることになります。

リベラル・左派は明確に大統領選挙の結果示された、米国の人口の半分は存在する保守層の存在を忘れ、自分たちの考えだけが主流であり絶対に正しいのだという考えに凝り固まり、勘違いする馬鹿者もでてきたので、ブログ冒頭の記事のようなとんでもない状況が発生したのです。

先にも述べたようにこの状況は、憂慮すべきことです。ヌーナン氏の「トランプ大統領に敵対する側はこのあたりで冷静にならないと、米国全体が危機に瀕し、国力が衰えることにもなる」という警告はまさに正鵠を射たものです。

それにしても、この状況、米国ほど酷くはないものの、日本も似たり寄ったりの状況にあると思います。選挙結果からみると、日本のリベラル・左派はマイノリティーであるのは、間違いありません。しかし、彼らはメディアのほとんどがリベラル・左派であることから、自分たちを過大評価して、自分たちこそ世の中の主流であり、自分たちの考え方や、イデオロギーこそが、世の中の中心であり、絶対善であるかのように思っています。

日本では、一昨年、国会議員が誰もいない国会を取り囲んで、多数の国民が参加するデモが開催されました。デモに何人いたのかわからないし、こういう類の主催者発表はだいたいあてにならないので、多数、としておくのが良いでしょう。

このデモに参加した政治学者の山口二郎氏が次のように述べていました。
「安倍に言いたい!お前は人間じゃない!叩き斬ってやる」
動画で見る限り、物理的に叩き斬るとはいっておらず、「民主主義の仕組みで」と留保している点は、まあ、ほっとしたのですが、それにしても穏やかな話ではありません。



しかし、良く考えてみると、「叩き切る」云々という部分よりも、前半の「安倍に言いたい!お前は人間じゃない!」という叫びの方が、危険な叫びだと思えます。

山口二郎氏によれば、安保法案を推進する安倍総理は「人間じゃない」ということになるのでしょうが、この論理に従えば、安保法案を支持する国民も「人間じゃない」ということになってくるでしょう。

実際に、山口氏は、ツイッターで次のように呟いています。
「今日は、学者の会の会見、日弁連の会見、日比谷野音の集会とデモに参加し、一日中安保法制反対を叫んだ。日本政治の目下の対立軸は、文明対野蛮、道理対無理、知性対反知性である。日本に生きる人間が人間であり続けたいならば、安保法制に反対しなければならない。」2015年8月26日
山口氏の論理に従えば、安保法案に反対する人間が「文明」であり、「道理」であり、「知性」であるのです。その逆に安保法案に賛成する人間は「野蛮」であり、「無理」であり、「反知性」だというのです。そして、安保法案に反対する人間こそが、「人間が人間であり続けたい」と願う人だというのです。ここでは明らかにされていないのですが、安保法案に反対する人間は「人間が人間であり続けることを拒む」存在だということになります。

今月は、戦争反対、人権擁護を目的とする市民団体のリーダーが、自らのTwitterにおいて
#安倍を吊るせ
というハッシュタグを作成しました。

安倍とは安倍晋三総理大臣のことであり、安倍首相は彼らのイデオロギーにとって敵であると見なされているからのようです。以下に、そのツイートを掲載します。


政治に関与する人間は、自らの「正義」に陶酔するあまり、敵対者を「悪魔化」する傾向があります。これは、古来からかわることのない「正義の狂気」です。古来より、往々にして、正義が人を殺してきました。ロベスピエール、レーニンといった革命家は、自らの正義に酔い痴れ、敵対者を悪魔化し、大量虐殺を肯定しました。

いまから50年以上も前に、哲学者アイザイア・バーリンは、自分の掲げる理念を他人に強要して、正義の社会が実現すると考える「積極的自由」の思想が、数多くの虐殺を繰り返してきたと指摘しています。バーリンの指摘から50年の歳月が過ぎても、自らの正義に陶酔する人間が存在し続けています。これは、日米に限らず、世界中に存在しているのだと思います。

アザイア・バーリン
私は安保法案に賛成する一人ですが、勿論、人間です。安保法案に賛成する人々も、反対する人々とおなじ人間だ。意見が異なるだけです。米国の保守派とリベラル・左派も無論両方とも人間です。意見が異なるだけです。

どんな場合でも、敵対者を「悪魔化」、「非人間化」して攻撃するような愚かな真似はすべきでないです。反対の声をあげるなら、頭を冷やして、冷静に反対の声をあげるべきです。そうでないと、多くの人の賛同を得ることはできません。

結局、トランプ大統領に対して、いくらネガティブ・キャンペーンをはったにしても、何も変わることはないでしょう。

日本では、そもそも何が問題なのかもわからない「森友・加計学園問題」で、ネガティブ・キャンペーンが行われましたが、与党の支持率は若干下がったものの、野党の支持率は変わりません。おそらく、短期間で、与党の支持率はまた戻ることでしょう。

それにしても、日米ともにいわゆるリベラル・左派の行動には問題が多いです。このまま、日米が国内のリベラル・左派の動向にばかり振り回されているようでは、トランプ大統領や安倍総理にに敵対する側はこのあたりで冷静にならないと、日米両国全体が危機に瀕し、国力が衰えることにもなりかねないです。

しかし、リベラル・左派の人々は日米とも、保守派とまともに語り合おうとはしないようです。であれば、日米の保守派は互いに歩みより、まずはコミュニケーションを密にして、いずれ相互連携を強めていくようにすべきと思います。

思えば、戦前からそうして戦後ずっと、マスメディア、学界を始めとして、左翼の台頭を許してきた日米両国です。双方の保守派は今なお分断されたままで、日本国内には、アメリカの本当の姿を知るための、正しい情報が入ってきません。米国にも、日本の真の姿を知るための情報は少ないです。

日米は、同盟国であり、アジアの平和を守るためにも協力が欠かせない間柄です。日米の保守派は、真の姿をお互いに知り合うべきなのです。
日米双方の保守派の連携によって、思っても見なかったような、展開がみられるようよになるかもしれません。

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