ロックダウン3週間…上海〝暴動寸前〟 世界の規制解除と逆行の習指導部「ゼロコロナ」政策へ不満 「専門家の話聞かない、政治的な病」の声も
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上海・浦東新区で、防護服姿の警察官に両手を挙げて抗議する住民男性=14日 |
中国の上海市が新型コロナウイルス対策でロックダウン(都市封鎖)を始めてから18日で3週間。当局の厳しい対応や食料不足が発生し、住民と警察との衝突も起きている。世界の規制解除と逆行する習近平指導部の「ゼロコロナ」政策への不満も高まる一方だ。
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上海市浦東新区で14日、国有企業が開発したマンションを政府が隔離施設にするため立ち退きを強制されたことに住民らが反発した。防護服姿の警察官が住民を引きずり倒し、地面に押さえ付ける動画がSNSで拡散したが、当局が削除したとみられる。香港メディアによると、当局は隔離施設への変更を断念したという。
別の隔離施設とみられる場所では、大勢の人が「外に出たい」と警察官らに怒りをぶつける動画も出回った。
4日以上食事をしていないという男性が警察の派出所に助けを求めた際の録音も注目を集めた。男性は「始皇帝のころ、庶民はなぜ反乱を起こしたのかわかるか。自ら飢えを体験して初めて、造反しなければと気付くんだ」と話したという。
父親が4日間透析を受けられずに死亡したとの投稿や、女性看護師がぜんそくの発作を起こしたが治療を受けられず死亡した例もあった。
今月上旬、飼い主を乗せた車を追いかけたコーギー犬が防護服の人物にシャベルで殴られ、血を流して動かなくなった動画も出回った。飼い主は感染が判明して隔離施設に移送されるところだった。殺したのは町内会に相当する組織の関係者で、組織側は「コロナウイルスがいるのではないかと恐れた。配慮が足りなかった」と釈明した。
上海で16日に新たに確認された感染者が2万4820人で、2日連続で増加したが、約87%は無症状だ。
赤松秀一・駐上海日本総領事は15日付で、中国上海市に拠点を置く日系企業が「広範にわたって深刻な影響を受けている」と窮状を訴える書簡を市政府に提出した。
習主席は、10~13日に海南省を視察した際にゼロコロナ政策に触れ、「油断、厭戦(えんせん)気分、気のゆるみを克服しなければならない」と指示した。陝西省西安市や河南省鄭州市などで新たに移動制限に踏み切る都市が相次ぎ、中国の45都市で何らかの封鎖措置がとられている。
「われわれ専門家の話をだれも聞かない。いま、この病は政治的な疾病になっている」。上海の疾病予防管理センターの医師による発言とされる録音が拡散し、当局は調査を始めた。
【私の論評】ウクライナ危機、中国のゼロコロナ政策の失敗の二大リスクに岸田総理は対処できるのか(゚д゚)!
このブログにも掲載したように、ユーラシアグループが出した今年の地政学的リスクNo. 1は、実は中国のゼロコロナの政策の失敗です。ロシアのウクライナ侵攻による地政学的リスクはNo.5でした。
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今まさにそれが現実化しつつあります。これから数ヶ月の中露の経済動向は日本経済にも大きな影響を与えることが十分に予想できます。より注意深く見ていく必要があり、先手先手の対策が必要です。特に、岸田総理は、菅前総理や、公明党の山口代表からも「補正予算を組むべき」と提言されているにもかかわらず、未だその動きをみせていません。
これは、以前このブログで述べたように、これは素人より始末に悪いです。とにかく、現在はすぐに補正予算の議論をすべきです。
オミクロン株は従来型よりも毒性が低く、重症化リスクは低いが、そのもとで中国政府が、経済を犠牲にしてでもロックダウンを通じて感染封じ込めに努める「ゼロコロナ政策」を続けていることについて、内外から懐疑的な見方も出ています。
この過剰とも見える「ゼロコロナ政策」がとられていることについて、重症化しやすい高齢者のうちワクチン未接種者が多いことや、国内企業のシノファームとシノバック・バイオテックが開発したワクチンには、不活化ウイルスが使用されているが、それは モデルナ、ファイザーなどが開発したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンに比べて、オミクロン株感染に対する効果が劣ることがその理由、との指摘もあります。
さらに、中国が他国に比べて感染者を少なく抑え込んできたことが、中国政府にとってはまさに大きな成功体験であり、また習近平体制が優れていることの証である、と政府がアピールしてきたことから、今さら軌道修正できなくなっているという面もあります。
上海は国際金融センターであるとともに、多国籍企業の多くが中国本社と工場を置いている場所です。米電気自動車(EV)大手テスラは3月28日に、上海工場の生産を停止しました。さらに上海には、国内最大でコンテナの取扱量では世界トップの上海港がありまう。
ロックダウンの影響で港湾業務は滞っており、中国の主要港の沖で待機するコンテナ船の数は、2月から2倍近くに増えました。配送担当の運転手への厳格な感染対策で貨物の積み下ろしに遅れが出て、入港を待つ船が増えているのです。
こうした事態は、中国経済だけでなく、サプライチェーンを通じて海外の経済にも打撃をもたらしています。世界のサプライチェーンは電子機器だけでなく、肥料から医薬品に至るまで、上海からの輸入に大きく依存しています。
ちなみに上海市のGDPは、中国全体の4%を占めています。他方、ロシアのGDPは中国のGDPのちょうど10分の1であることから、上海市のGDPはロシアのGDPの4割程度の規模に達することになります。ロシア経済の縮小と上海市経済の縮小とが、世界経済の成長率を顕著に押し下げているのです。
これが、上海だけで済めば良いですが、中国全土に波及することにでもなれば、その影響はロシア経済の縮小の10倍になります。そうなれば、ユーラシア・グループの予想のように、中国のゼロコロナ失敗による地政学的リスクのほうがはるかに甚大なものになります。
そうして、中国の「ゼロコロナ政策」とウクライナ紛争の大きな接点となっているのが食料供給です。ウクライナ紛争は、ロシアとウクライナの小麦の輸出に大きな打撃を与え、既に価格高騰をもたらしています。そうして、中国の「ゼロコロナ政策」は、中国での穀物の作付けの大きな障害となっており、世界の穀物需給を逼迫させる可能性が出てきています。
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中国の小麦の収穫 |
ウクライナは2013年以降、中国にトウモロコシを輸出しており、中国では、ウクライナ産トウモロコシの輸入比率が最も高くなっていました。そうした中で起きたのがウクライナ紛争であす。
中国にとって重要な家畜飼料であるトウモロコシのウクライナからの輸入が止まってしまいました。そこに重なる形で生じたのが、「ゼロコロナ政策」の影響です。中国の主要農業地域の多くが重要な春の作付けに備える中、肥料、労働力、種子の深刻な不足に見舞われています。
また、都市部のロックダウンで多くの出稼ぎ労働者が行動を制限され、農村部の作付けに戻れなくなっています。仮に戻れたとしても、14日間の隔離期間を経なければ作業に取りかかれないのです。
このようにして、コメやトウモロコシなど春に作付けする穀物の生産量が減少すれば、中国は穀物調達のため海外からの輸入拡大を強いられます。それは、新型コロナウイルス問題や、ウクライナ問題によって既に高められている食料インフレの傾向を、さらに加速させてしまうでしょう。
それは多くの国で一段の物価高を生じさせ、家計への打撃となる。さらに低所得国では深刻な食料不足問題を生じさせる可能性もあるだろう。中国の「ゼロコロナ政策」は、このような経路でウクライナ問題と結びつき、世界経済の問題をより複雑にしているのです。
以上は、食糧に関連すことを述べたましたが、これは食糧がもっとも世界経済に対してインパクトがあると考えられることから、そうしたのですが、無論他の分野でも、日本も危機的な状況になることは十分に考えられます。
岸田文雄首相は15日の参院本会議で、物価高騰対策を巡り、今国会中の2022年度補正予算案の編成に重ねて慎重姿勢を示した。野党議員に早期編成を求められ「まずは予備費を活用した迅速な対応を優先する」と述べました。
補正予算案を巡っては立憲民主党や国民民主党のほか、公明党が早期の編成を求めています。
首相は月内にまとめる緊急対策について「原油価格や物価の高騰による国民生活、経済活動への影響に機動的に対応する」と強調しました。
これに対し、立民の泉健太代表は15日の記者会見で、今国会での補正予算編成を重ねて求めました。「予備費だけの小規模な経済対策では国民生活を守ることはできない。審議を回避している」と指摘しました。同時に予算委員会での集中審議や、党首討論の実施を与党側に要求する考えを示しました。
先日もこのブログで述べたように、政府の統計資料などからも、現在日本では需給ギャップが30超円以上もあることから、たとえウクライナ危機、中国のゼロコロナ政策の失敗による危機がなかったにしても、補正予算を組むべきことは明らかであり、それにさらなる危機が加わるわけですから、100兆円くらぃの補正予算を組んでも良いくらいです。
この財源は、国債を発行することによって賄うことは十分に可能です。
仮にそうして、様々な危機を脱したあとで、補正予算が余ったとしても、国土強靭化などに用いれば、全く問題はありません。
一昨日もこのブログで述べたように、たとえそうしたとしても、そもそも政府の借金が増えるなどということもありませんし。ハイパーインフレになることもありません。むしろ、穏やかなインフレとなり、日本は完璧に、デフレから脱却することになり、ウクライナや中国の危機があつても、日本はそれを簡単に乗り越え、黄金期を迎えることになるでしょう。
それにしても、岸田総理「予備費」ばかり強調し、補正予算に関しては非常に消極的です。本来は今こそが、大規模な補正予算を組むべきときであって、現在組まなければ、一体いつ組むのと言いたいです。
岸田総理の経済センス、素人より始末に悪いです。岸田総理はそれを自覚して、経済政策に関しては、自分の頭で考えることはやめて、財務省や日銀の官僚の言うことも聴くのをやめ、安倍元総理や、菅前総理の言う通りにしたほうが、良いです。そのほうが、余程良い政策ができます。岸田総理!ここは、自我を殺し、国民のためにまともな経済政策を実行してください。
いままま、補正予算を組まずに、予備費5兆円だけですませば、半年後には確実に失業率が増えます。民主党政権末期のように、派遣村が全国各地で設営され、テレビでも放映されることになるでしょう。
そうなれば、岸田政権が崩壊するのは、無論のこと、自民党が政権の座に収まり続けることも難しくなるかもしれません。そのようなことだけは、避けるべきです。何しろ、現状では政権交代が起こった場合、かつての民主党政権のように何もきめられず、漂流するか、そこまでいかなくても政権の座を護ことが精一杯でということになると思います。
2015年のような安保法制の改正のようなことはできなくなります。これは、安倍政権が比較的安定していて、政権の座を守るためということであれば、あのようなことはすべきではないのですが、それでも敢えて実行しました。野党政権になれば、そのようなことはできくなります。
ウクライナ危機や中国のゼロコロナ政策の失敗のリスクが重なり、甚大な悪影響を受けそうな現在では、そのようなことは絶対にすべきではありません。そうすれば、日本はまた失われた30年に突入し、その間賃金が上がらず、私達や私達の後輩や子供や孫の時代まで、30年前の賃金と同水準で甘んじなければならなくなるかもしれません。
それこそ、現在紛争中にあるウクライナの戦争が終わり、戦後の日本のように、急成長して、30年後には、日本人の賃金水準よりもウクライナ人のそれを下回るようになるかもしれません。そのようなことだけは、避けるべきです。
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