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TIME誌の表紙に掲載された安倍晋三氏 |
野党第1党の立憲民主党は参院選で改選前から議席を減らした。次の参院選や衆院選に向けて党勢を回復させるには何が必要なのか。
第2次安倍晋三政権での国政選挙は政権奪還時を含めて6回あった。いずれも安倍政権が勝利した最大の要因について、筆者は雇用の確保が功を奏したからだと思う。
雇用の確保は、失業率の低下と就業者数の増加で見ることができる。戦後の統計でみると、歴代政権の中で、安倍政権は失業率の低下1・5%で第1位、就業者数の増加400万人で第2位と、トップの実績だ。
生前の安倍さんに筆者が話すと喜んだのは、学生の就職率が安倍政権になってから良くなったことだ。一流大学では、景気動向にかかわらず就職率は高いが、下位大学では、民主党政権時代の就職率は60%台のところもあった。それが安倍政権になると100%近くにまでなった。
これが安倍政権のおかげであることを学生自身がよく分かっていた。というのは、その間、学生の学力が向上したわけでもなく、ただ政権が変わったことだけが違ったからだ。
雇用市場では、既に就職している人が影響を受けることはよほどのことであるが、新卒者の就職市場は外部環境にかなり敏感に反応する。
では、雇用を確保するための国際標準政策は何かといえば金融政策だ。金融政策は、インフレ率の管理を目的とするが、インフレ率と失業率は逆相関の関係なので、失業率を管理するともいえる。インフレ目標は、失業率を下げたいが、あまり過度なインフレになるのを防止する仕組みだ。
要するに、金融政策は雇用政策なのである。安倍さんは、この金融政策にいち早く着目した政治家だった。そこで、アベノミクスの第1に金融政策を据え、実際に雇用の確保の実績を示した。
立民は参院選の中でも、「円安是正のために利上げせよ」とか、政策の方向性が全く間違っていた。左派系マスコミでは、いまだにアベノミクスを「負の遺産」というところもある。要するに、本来雇用を守るべき左派の立民や左派系マスコミが、真逆な政策を主張しているのが日本の現状だ。
世界的にみると、金融政策は雇用政策なので、まず左派政党がそれを主張し、正しい政策なので保守政党がそれに追随する。なので、筆者が保守政治家の安倍さんに金融政策を説明するのは少し躊躇(ちゅうちょ)があった。しかし、リアリストでもある安倍さんからは「気にする必要はない」と言われた。
左派の立民が、アベノミクス批判を展開し、雇用を守らない政策を今でも公言している以上、党勢を回復するのは不可能であろう。少なくとも、アベノミクスを認めて、金融政策を中心として雇用の確保に努める覚悟を示さないとダメだ。
雇用を守るという点について、もっと真剣に考えないと、誰も立民に政権を任せられないだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
そうして、 就職をする学生たち本人が一番みにつまされて骨の髄まで染み込むように理解したことでしょう。
しかし、安倍政権になってから、みるみる状況が変わっていきました。その当時には、私は人事は担当してはいませんでしたが、採用された新人とも話す機会はありましたので、かなり良くなっていることを実感できました。
そもそも、民主党政権のときには、いわゆる一流大学の学生も結構採用できたのですが、安倍政権になってからは、一流大学の学生はあまり採用できず、他の大学からの採用が増えました。
これは、上の高橋洋一氏の記事の「下位大学では、民主党政権時代の就職率は60%台のところもあった。それが安倍政権になると100%近くにまでなった」というところと符号します。
そうして、採用ということになると、思い出すのが、会社の近くにあるハローワークの所長の話でした。
第2次安倍晋三政権での国政選挙は政権奪還時を含めて6回あった。いずれも安倍政権が勝利した最大の要因について、筆者は雇用の確保が功を奏したからだと思う。
雇用の確保は、失業率の低下と就業者数の増加で見ることができる。戦後の統計でみると、歴代政権の中で、安倍政権は失業率の低下1・5%で第1位、就業者数の増加400万人で第2位と、トップの実績だ。
生前の安倍さんに筆者が話すと喜んだのは、学生の就職率が安倍政権になってから良くなったことだ。一流大学では、景気動向にかかわらず就職率は高いが、下位大学では、民主党政権時代の就職率は60%台のところもあった。それが安倍政権になると100%近くにまでなった。
これが安倍政権のおかげであることを学生自身がよく分かっていた。というのは、その間、学生の学力が向上したわけでもなく、ただ政権が変わったことだけが違ったからだ。
雇用市場では、既に就職している人が影響を受けることはよほどのことであるが、新卒者の就職市場は外部環境にかなり敏感に反応する。
では、雇用を確保するための国際標準政策は何かといえば金融政策だ。金融政策は、インフレ率の管理を目的とするが、インフレ率と失業率は逆相関の関係なので、失業率を管理するともいえる。インフレ目標は、失業率を下げたいが、あまり過度なインフレになるのを防止する仕組みだ。
要するに、金融政策は雇用政策なのである。安倍さんは、この金融政策にいち早く着目した政治家だった。そこで、アベノミクスの第1に金融政策を据え、実際に雇用の確保の実績を示した。
立民は参院選の中でも、「円安是正のために利上げせよ」とか、政策の方向性が全く間違っていた。左派系マスコミでは、いまだにアベノミクスを「負の遺産」というところもある。要するに、本来雇用を守るべき左派の立民や左派系マスコミが、真逆な政策を主張しているのが日本の現状だ。
世界的にみると、金融政策は雇用政策なので、まず左派政党がそれを主張し、正しい政策なので保守政党がそれに追随する。なので、筆者が保守政治家の安倍さんに金融政策を説明するのは少し躊躇(ちゅうちょ)があった。しかし、リアリストでもある安倍さんからは「気にする必要はない」と言われた。
左派の立民が、アベノミクス批判を展開し、雇用を守らない政策を今でも公言している以上、党勢を回復するのは不可能であろう。少なくとも、アベノミクスを認めて、金融政策を中心として雇用の確保に努める覚悟を示さないとダメだ。
雇用を守るという点について、もっと真剣に考えないと、誰も立民に政権を任せられないだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
【私の論評】「雇用≒日銀」を理解しないから、立憲民主党はまともな雇用論議ができない(゚д゚)!
私は、安倍政権によって雇用が改善したことを実体験で経験したことを一昨日に述べたばかりです。
日本の左派やリベラルが、安倍元首相に完全に敗北したワケ―【私の論評】しっかりと実体験できた、安倍総理の功績、雇用の劇的改善(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものして、この記事では書いていなかったことを以下に掲載します。
私は、民主党政権の時に会社で人事を担当していましたので、民主党政権時に雇用がかなり悪いことを実感しました。これは、当時大学側であろうが、企業側であろうが、採用に関わった人なら誰でも知っていることでしよう。
しかし、安倍政権になってから、みるみる状況が変わっていきました。その当時には、私は人事は担当してはいませんでしたが、採用された新人とも話す機会はありましたので、かなり良くなっていることを実感できました。
そもそも、民主党政権のときには、いわゆる一流大学の学生も結構採用できたのですが、安倍政権になってからは、一流大学の学生はあまり採用できず、他の大学からの採用が増えました。
これは、上の高橋洋一氏の記事の「下位大学では、民主党政権時代の就職率は60%台のところもあった。それが安倍政権になると100%近くにまでなった」というところと符号します。
そうして、採用ということになると、思い出すのが、会社の近くにあるハローワークの所長の話でした。
採用ということになると、新人ばかりではなく、再雇用の場合も結構あります。特に現場は、再雇用の人も多数雇用していました。
ある日サイトで、あるハローワークの所長のことが掲載されていました。これはそのハローワークの女性職員の方のツイートが元になっていましたが、「うちの所長は、実は自分、雇用というものが全くわからない」と呟いていたのを聴いて「びっくりした」というのです。これは、当時結構話題になりました。
その話を会社の近くのハローワークの所長に何かの機会してみたのですが、その所長自身も「私も同じだ、雇用については良くわからない」と語っていました。
日本では、雇用というと厚生労働省の管轄であると思われているようです。しかし、それは大きな間違いてす。厚生労働省は雇用に関する統計を記録したり、それを配布したりする官庁ではありますが、雇用そのものに直接関わる官庁ではないのです。無論、雇用関係や労働環境に関しては関与していますが、いわゆる雇用が良いとか悪いということには直接関係がありません。
では、マクロ経済上の雇用はどこの官庁が直接関わっているかということになれば、それは上の記事にあるように「日銀」です。しかし、日本ではそのことが良く認識されていないようです。雇用というと多くの人が思い浮かべるのが、厚生労働省のようです。
それは、おそらく職業を紹介するハローワークが傘下にあり、しかも厚生労働省は雇用統計を扱っているのでそう思われてしまうのでしょう。
しかし、厚生労働省が雇用に関わるのは、統計とすでに存在している仕事を仕事を探す人に斡旋すことです。そのほかできることといえば、雇用のミスマッチを是正することくらいです。
雇用そのものを増やすことができるのは、日銀です。日銀が金融緩和をすれば、雇用が増えます。日銀がインフレ率を2〜3%あげれば、 他に何もしなくても、自動的に一夜にして数百万の雇用がたちどころに生まれます。これはマクロ経済学上の常識です。
ある日サイトで、あるハローワークの所長のことが掲載されていました。これはそのハローワークの女性職員の方のツイートが元になっていましたが、「うちの所長は、実は自分、雇用というものが全くわからない」と呟いていたのを聴いて「びっくりした」というのです。これは、当時結構話題になりました。
その話を会社の近くのハローワークの所長に何かの機会してみたのですが、その所長自身も「私も同じだ、雇用については良くわからない」と語っていました。
日本では、雇用というと厚生労働省の管轄であると思われているようです。しかし、それは大きな間違いてす。厚生労働省は雇用に関する統計を記録したり、それを配布したりする官庁ではありますが、雇用そのものに直接関わる官庁ではないのです。無論、雇用関係や労働環境に関しては関与していますが、いわゆる雇用が良いとか悪いということには直接関係がありません。
では、マクロ経済上の雇用はどこの官庁が直接関わっているかということになれば、それは上の記事にあるように「日銀」です。しかし、日本ではそのことが良く認識されていないようです。雇用というと多くの人が思い浮かべるのが、厚生労働省のようです。
それは、おそらく職業を紹介するハローワークが傘下にあり、しかも厚生労働省は雇用統計を扱っているのでそう思われてしまうのでしょう。
ハローワーク |
しかし、厚生労働省が雇用に関わるのは、統計とすでに存在している仕事を仕事を探す人に斡旋すことです。そのほかできることといえば、雇用のミスマッチを是正することくらいです。
雇用そのものを増やすことができるのは、日銀です。日銀が金融緩和をすれば、雇用が増えます。日銀がインフレ率を2〜3%あげれば、 他に何もしなくても、自動的に一夜にして数百万の雇用がたちどころに生まれます。これはマクロ経済学上の常識です。
これを否定する人は、エビデンスをあげた上で論文を書くべきです。本当に否定できたら、ノーベル経済学賞を受賞できると思います。
そうして、これは世界の常識です。私は、このことを先の会社の近くのハローワークの所長にしました。
「金融緩和≒雇用]というと、所長は驚いていました。雇用の主管官庁はいずれの国でも中央銀行(日本では日銀)であり、それは世界の常識であり、日本以外の国では、雇用が悪くなると真っ先に批判されのは中央銀行であり、雇用が良ければ、まともに働いていると評価されるのが、中央銀行なのだという話をするとますます驚いていました。
ところで立憲民主党で雇用というと「立憲民主党は、雇用、仕事、職場、労働におけるジェンダー平等をすすめ、男女ともワーク・ライフ・バランスの実現が可能な職場・地域・社会の環境整備を目指します」などと主張し、雇用そのものについて語ることはありません。
そうして、これは世界の常識です。私は、このことを先の会社の近くのハローワークの所長にしました。
「金融緩和≒雇用]というと、所長は驚いていました。雇用の主管官庁はいずれの国でも中央銀行(日本では日銀)であり、それは世界の常識であり、日本以外の国では、雇用が悪くなると真っ先に批判されのは中央銀行であり、雇用が良ければ、まともに働いていると評価されるのが、中央銀行なのだという話をするとますます驚いていました。
私は、ハローワークの所長が、「自分は雇用というものがわからない」というのは正直な感想だと思います。実際ハローワークは雇用そのものに関わっているわけでないのですから。
そうして良くわからないのが当然のハローワークや、厚生労働省が雇用の責任を担う官庁であると考えるのは全くの間違いです。
私自身は、雇用≒日銀ということを前から知っていましたが、それは知識として知っていたというだけで、実際に自分が採用にかかわり、安倍総理の登場によって、雇用が劇的に良くなったことを直接体験したことにより、この知識が本当に身についたと感じました。
残念ながら、立憲民主党の幹部などは、雇用≒日銀ということを理解していないのでしょう。こうしたことが理解できなければ、雇用に関しては全く何も理解できないのではないかと思います。
立憲民主党の「ニュース」より |
無論これらのことも大事でしょうが、まずは働きたい人が働ける世の中をつくって、その後にこのようなことに取り組むというのなら理解できますが、これではコアな支持者以外は誰も振り向かないでしょう。
立憲民主党はいい加減「雇用≒日銀」ということを認識すべきです。そうしない限り、立民は閉塞感に苛まされるだけで、今後もどんどう党勢を弱めていくだけになるでしょう。
それから、一般の人も、諸外国のように「雇用≒日銀」という世界標準の社会常識を常識として認識すべきでしょう。そうでないと、雇用が極端に悪化した場合でも、日銀を批判することもなく、見当違いの批判をすることになります。
やれ、企業が「内部留保」をため過ぎだからとか、日本企業の生産性が落ちているからとか、見当違いの論議になります。こんなことを論議していても、雇用は良くなりません。
そうして、マクロ経済政策では、雇用が最も重要であり、統計指標の中で雇用が良ければ、経済政策は合格であること、雇用が悪ければ、他の指標が良くても落第であることを認識すべきです。その観点からも日銀の金融政策は非常に重要なのです。それも自らの生活に直接関わっているのです。
しかし、日本では多くの人が日銀というと、金融だけであり、雇用と結びつかないのが実情です。
立憲民主党など野党は、これを理解していないため、日銀が金融緩和をして、雇用がよくなり始めると、まずは賃金が比較的低い若年層から良くなり始めるので、賃金は下がる傾向にありますが、それは当然なのですが、わけもわからず「賃金がー」と叫んでいました。
このような間違った言説に騙されないためにも、多くの人が「雇用≒日銀」を理解すべきです。
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