2015年11月4日水曜日

【異形の中国】中国に離反し始めたアジアの国々 米国イラ立つ軍拡路線も経済失速で陰り ―【私の論評】南シナ海で本当に危ないのは、中国人民解放軍の身の程知らずの青年将校?


中国が埋め立てを強行する南シナ海・ミスチーフ(中国名・美済)

中国の軍事的脅威は日増しに強くなった。

ついに米国は10月27日から、南シナ海・スプラトリー(南沙)諸島のスービ(渚碧)礁や、ミスチーフ(美済)礁周辺に、イージス駆逐艦「ラッセン」を航行させ、示威行動に出た。中国が「領土」と強弁する人工島の12カイリ(約22キロ)以内を、120キロにわたって監視・哨戒し、韓国を除くアジア諸国は米国を支持した。

すでに半年前に、ペンタゴン(米国防総省)は「準備はできている」と、オバマ大統領に報告し、命令を待っていたのである。

「今後も何度も激しく哨戒は続くだろう。フィリピンや、ベトナム、オーストラリアが加わった共同作戦も考えられる」と消息筋はいう。

南シナ海には、300億トンの石油と、16兆立方メートルの天然ガスが埋蔵されていると推計される。資源奪取のために中国が7つのサンゴ礁を埋め立てて、ベトナムやフィリピン、ブルネイ、マレーシア、インドネシアと小競り合いを続けてきた。

他方で中国は「一帯一路」を掲げて、「海のシルクロード」構想を打ち上げているが、協力を約束してきた国々が離反し始めた。

まず、ミャンマーは「反中国」に転び、スリランカは中国が建設していた人工島プロジェクトを見直すことにした。中国の構想に大きな誤算が生じた。9月3日の「抗日戦争勝利70周年」記念の軍事パレードに、両国は代表を派遣しなかった。

だが、中国はそんなことではひるまない。

中国は南インド洋にあって、インドを南西から地政学的に脅かすモルディブ群島に濃密に接近した。これはインドを刺激する。ついで中国は国際的な海賊退治で協力行動の拠点であり、独裁国家であるジブチに目を付けた。

米軍はジブチの空港と港湾を借り受け、巨大な軍事基地(=レモニエ空軍基地とオボック海軍基地)を設営しているが、米国務省はゲレ大統領の独裁を強く批判している。このため、ジブチは中国にも軍事基地建設を持ちかけた。渡りに船の中国は「海のシルクロード」構想の一環として、ジブチを活用する方向にある。

さらに中国は、ケニアやタンザニア、マダガスカル、セーシェル、モザンビーク、ジンバブエから、アフリカ大陸の最南端・喜望峰をまたぎ、南西アフリカのナミビア、アンゴラへまで伸ばす壮大な戦略に傾いている。

米国のイラ立ちは尋常ではない。

しかし、上海株暴落を契機とした経済失速によって、中国のこれまでの軍拡路線は維持が難しくなったのも事実である。

■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書・共著に『私たちの予測した通り、いよいよ自壊する中国!』(ワック)、『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』(徳間書店)など多数。

【私の論評】南シナ海で本当に危ないのは、中国人民解放軍の身の程知らずの青年将校?

中国の人民解放軍は、現在までのところ、米軍には全く太刀打ちできません。中国の現在の軍事力では、尖閣付近の海洋や空域では、自衛隊にも勝てない水準です。無論、これにはある条件が必要です。その条件とは、日本の自衛隊がこれらの海洋や、空域で自由に行動できるという条件です。

いまの自衛隊は、軍隊のようであって、軍隊ではなく軍隊もどきです。だから、尖閣付近で、実際に戦闘が起こったときに、他国の軍隊のようにネガテイブ・リスト(やってはいけないことをリスト化し、それ以外は勝つためには何をやっても良いという方式)で自由に動くことができれば、日本の自衛隊は、この領域で人民解放軍に負けることはありません。

ただし、現在の自衛隊は、ポジティプ・リスト(やっていいことをリスト化し、たとえ勝つためであつても、それ以外のことはしてはいけないという方式)で手足を縛られた状態では、有事の際には自由に動けず、これが相手に隙を与えて、負けるということも考えられます。

とはいいながら、日本の自衛隊が自由に行動できるものとすれば、現在の中国の人民解放軍の実力では、軍事技術的にも、士気の面でもとても、自衛隊の敵ではありません。それは、ほかならぬ中国の人民解放軍の幹部は全員が承知していることです。

だからこそ、中国側も、軍艦ではなく、漁船や公船など、ほんんど武装していない船で、日本の領海の侵犯をしているのです。もし、武装艦を派遣すると、日本の海上自衛隊と衝突して、大規模な衝突になってしまえば、とても勝ち目がなく、後退することを余儀なくされることは最初からわかっているのです。

日本の自衛隊に対しても、このような有様ですから、南シナ海でたとえ米軍がイージス艦を派遣しても、彼らには全く歯がたちません。中国にもイージス艦もどきがありまずか、米国のイージス艦とは、武装、電子機器、巡航速度の点で全くかないません。それこそ、このブログにもたびたび過去に掲載してきたように、人民解放軍が米軍に挑めばほとんど自殺行為になります。

そのことは、人民解放軍の上層部や、中国共産党政府の幹部は十分に熟知していると思います。だから、米国のイージス艦を派遣して南シナ海をパトロールしても、滅多なことでは、人民解放軍はこれに手を出すということはしない、というより、できないでしょう。だから、日本に対しても、まずは本格的に戦闘を挑むということはないとは思います。

とは、言いながら、懸念事項があります。それは何かといえば、人民解放軍の青年将校たちです。彼らは、江沢民時代以降の苛烈な反日教育を受けて育った世代です。

現在の苛烈で体系的、組織的な反日教育は江沢民がはじめた

中国の若手将校の動向が話題になることは少ない。しかし、昨年アメリカ企業にハッカー攻撃を仕掛けたとして、米司法省が、中国人民解放軍の若手将校「5人」を産業スパイの罪で起訴したことが発表されました。

米司法省のホルダー長官は、「中国人民解放軍の将校5人が、5つのアメリカ企業と労働組合にサイバー攻撃を仕掛け、機密情報を盗んだ。司法省は彼らをサイバー攻撃の疑いで起訴した。このハッカー攻撃は、アメリカ企業を犠牲にして、中国の国営企業など、中国に利益をもたらすために行われたものだ」と発表しました。
アメリカの企業と労働組合にサイバー攻撃を仕掛けた5人の青年将校
しかし、中国の外交部は例によって「中国は、アメリカによるサイバー攻撃の被害者である。これは捏造だ。中国は、アメリカに関連事実を説明し、行動を停止するよう求める」と反発しました。何を指摘されようと、絶対に非は認めず、反対に「相手に罪をなすりつける」のが中国の常套手段です。

彼ら青年将校は、肥大化する人民解放軍の中でもエリート集団であり、同時に「怖いもの知らず」です。文革や極貧時代の中国を知らず、大国となって傍若無人の振る舞いをする中国しか知りません。

どの国でも青年将校は怖いものです。血気盛んな若手のエリート将校は、時として歯止めがきかなくなる場合があります。理想論を闘わせ、やがてそこに向かって突き進もうとする者が出てきます。

今、中国は「日本が世界の戦後秩序を破壊しようとしている」と、世界中でキャンペーンを張っています。日本による「戦後秩序への挑戦」が、彼らのキャッチフレーズです。彼らには、日本が本当に“悪”にしか見えず、それは“憎悪の対象”でしかありません。視野の狭い青年将校がどんな考えを持っているかは、容易に想像がつきます。

もともと中国国内のツイッターでは「敗戦国が何を言うか」「いっそ原爆を日本に落とせ」と、盛んにやり取りされています。日中国交回復以後、3兆円ものODAを中国につぎ込み、さらには民間レベルでの「技術協力」によって、ひたすら中国のインフラ整備に力を注いだ日本。しかし、そのことを全く知らない青年将校たちの「時代」が中国に訪れていることを忘れるべぎではありません。

青年将校らの受けた苛烈な反日教育には、史実にそぐわない一方的な“日本悪者論”に基づくものが数多いです。それを真に受けた世代が、現在中国の人民解放軍の現場で中核的存在になっているのです。

自分たちの論理で、より過激な道を歩もうとする青年将校たちほど怖いものはありません。「“小日本”に核ミサイルをぶち込め」という意見がネットで氾濫する中国で、徹底した反日教育を受けた人民解放軍の青年将校たちは、今後、軍をどう導いていくのでしょうか。

日本の防空識別圏に大きく踏み込む形で中国が昨年一昨年11月に一方的に設定した空域で、中国機は、日本の海上自衛隊機と航空自衛隊機に対して、それぞれ、およそ50メートル、30メートルまで「並走するように近づいてきた」という出来事がありました。

言うまでもないですが、30メートルから50メートルまで近づけば、パイロットはお互いの顔がはっきりと見えます。つまり、相手の表情を見た上で、「おい、やるか? やるならやってみろ」と、事実上、“喧嘩を売ってきた”ことになります。

中国初の女性戦闘機パイロット
幸いに自衛隊機はそんな挑発には乗りませんでした。日本の防空識別圏に重なる形で中国は一方的に新たな防空識別圏を設定したのですから、中国にとってそこはあくまで「自国の空域」なのです。要するに彼らには、「日本が中国の防空識別圏に侵入してきた」という論理になります。

中国は、勝手に「領空・領海設定」をして、勝手に自国の領空(領海)だと「主張」し、そして相手には「有無を言わせない」。現在の中国が建国されて以来、周辺国(周辺地域)と紛争を繰り返し、国内でも粛清と弾圧ですべてを支配し、さらにはここ10年で4倍に国防予算を膨張させた中国の面目躍如というところかもしれません。「政権は銃口から生まれる」という毛沢東の言葉通りの国家方針は、今でも変わりません。

これらの領空で、操縦桿を握っているのは、彼らエリート意識に溢れた青年将校たちであす。何百回、何千回とつづいていく「スクランブル(緊急発進)」の中で、「いつ」「いかなる」不測の事態が勃発する可能性は十分にあります。

そうして、これは今回の米軍の南シナ海での示威行動に対しても、あてはまります。彼ら青年将校の論理からすれば、米軍のイージス艦は、中国の領海を侵犯している憎むべき相手以外の何ものでもありません。

日本の自衛隊を訪問した中国人民解放軍青年将校ら(左)
さらに、始末に悪いことに、中国ではここ数年最新鋭の戦闘機や艦艇、潜水艦、兵器などを導入しています。情報統制されて、世界を知らない中国の青年将校らは、ほとんどが一人っ子であり、子どもの頃は小皇帝などとも呼ばれ、自己主張の激しい性格の持ち主です。そうして、彼らは人民解放軍の世界での位置づけを知りません。自衛隊はおろか、米軍と同水準かそれ以上と思い込んでいる者も多いです。

彼らが、現場でいつ戦闘に挑みだすか、保証の限りではありません。彼らにとっては、現代の先進国の軍事技術からすれば、数十年遅れた軍事技術でつくられた、空母や、戦闘機、艦艇、潜水艦でも最新鋭のものです。彼らから、すれば、それら最新鋭の軍事力を用いて、自分たちが挑めば、できないことはないと考えるに違いありません。

このような中国の青年将校の思い上がりを是正するには、南シナ海で最初に中規模程度の衝突があったほうが、良いのかもしれません。そうなると、人民解放軍はなすすべもなく、海の藻屑と消えるでしょう。それが、人民解放軍の内部で語り継がれるようになれば、彼らも妄想から覚めることでしょう。
このような、世界情勢が目の前にもあるにもかかわらず、平和ボケした日本人の多くは、憲法解釈の変更による、集団的自衛権の限定的行使を目途とする安保法案を「戦争法案」とレッテル貼りして、違憲などとして、反対する有様です。

しかし、平和ボケしたわれわれ日本人も、不測の事態への「覚悟」だけは持っておくべき時代が来たことだけは間違いありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか。

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2015年11月3日火曜日

【緯度経度】“反日”女性米学者の「歴史」声明は政治活動 朴槿恵政権に助言も 韓国では「平和賞」受賞 ―【私の論評】中韓の歴史修正は国民の憤怒のマグマを日本に向けるためであり、これに協力する走狗は歴史の徒花に過ぎない(゚д゚)!


コネティカット大学のアレクシス・ダデン教授
米国の歴史学者が連名で日本政府に慰安婦問題などの「歴史認識」で特定の立場を取ることへの要求声明を出し始めて7カ月、この間、日本側の学者たちも米側の歴史認識のミスを指摘して、回答を求めてきた。だが米側は肝心の歴史の事実に関しては貝のように黙ったままである。

その間、米側の声明の主導者コネティカット大学のアレクシス・ダデン教授は韓国政府に政策助言を与え、日本非難を理由に韓国の「平和賞」を受賞した。この米国人女性の日本を非難する長年の言動や慰安婦問題での事実関係を論じようとしない態度、そして韓国との密接な絆などから、この米側から日本への「歴史」声明は実は政治活動だという実態がさらに鮮明となってきた。

一連の「声明」はまず今年3月、19人の米国側歴史学者の連名で日本政府が米側のマグロウヒル社の教科書の慰安婦の記述に抗議したことへの反発として出された。同記述は「旧日本軍が組織的に20万人の女性を強制徴用して慰安婦という性的奴隷にした」という誤記が主体だった。だが米側の声明は日本の抗議を「学問や言論の自由の侵害」と断じていた。

日本側は秦郁彦氏ら歴史家19人の連名でさっそく「軍の強制徴用」や「20万の性的奴隷」が虚構だとして反論した。すると米側は5月に「軍の強制徴用」や「20万の性的奴隷」という記述をあえて外した第2の声明を出した。内容が弱まったために署名者が187人から約500人へと増えた。ただし米国の学者以外の活動家タイプの署名も多かった。声明はなお日本政府や安倍晋三首相に「過ちや偏見を清算する」という表現で慰安婦問題での全面謝罪を求めていた。

日本側は著名な歴史学者多数が5月にも8月にも声明を出し、米側に慰安婦問題での事実関係の解明を要求した。9月にも大阪市立大学の山下英次名誉教授らが米側の3月の声明に照準を絞った声明を出し、米国政府による2007年の日本の戦争犯罪の再調査で慰安婦関連はなにも出なかった結果への見解を求めた。

米側の一連の声明はダデン氏が起草や署名集めを含めて主役となってきたことは同氏自身も誇らしげに語っている。連絡係には同氏と親しいジョージタウン大学のジョーダン・サンド教授も加わったが、この政治臭の濃い「声明」構想はダデン氏の独創だといえる。

そのダデン氏は今年7月には、戦前の抗日活動家の韓(ハン)龍(ヨン)雲(ウン)氏を記念して韓国で作られた「平和大賞」を受けた。理由は「安倍首相の歴史歪(わい)曲(きょく)に抗議する歴史学者たちの声明運動主導」で、本人は「日本の極悪非道な人権犯罪への反省を求めていく」と述べた。ダデン氏は朴(パク)槿(ク)恵(ネ)大統領の訪米に先立ち、韓国政府高官と会い、訪米では日本を利することのないよう具体的な政策を助言した(韓国の中央日報報道)。

ダデン氏のこの言動に対し同じ米国学界の日本歴史研究者の間でも「この人物は歴史学者というより特定の政治目的のために動く政治活動家とみるのが正確だ」(ウィスコンシン大学博士課程のジェーソン・モーガン氏)という見解があることは注目に値しよう。(ワシントン駐在客員特派員)

【私の論評】中韓の歴史修正は国民の憤怒のマグマを日本に向けるためであり、これに協力する走狗は歴史の徒花に過ぎない(゚д゚)!

韓国が「慰安婦問題」を語るならまだわかりますが、アメリカの一部の歴史学者らが、「慰安婦問題」を語ることには、本当に憤りを感じます。

まずは、歴史学という学問を志すものとして、きちんと歴史を学んでいるのか、研究をしているのか、学問の徒として恥ずかしくはないのかいいたいです。

それに、こうした誤った認識をアメリカの複数の学者が語るということが、新たな歴史の修正を生み出す可能性が大です。彼らの言うことを聴いたアメリカの人たちを含めて、世界の多くの人たちが「慰安婦問題」を事実と誤認してしまう可能性が大きいです。

ブログ冒頭の記事では、ジェイソン・モーガン氏が反論を述べていますが、彼はウィスコンシン大学の大学院生であり、以前早稲田大学にフルブライトの交換留学生として、件研究をしていました。

ジェイソン・モーガン氏
 早稲田大学フルブライト研究者のジェイソン・モーガン氏は4月24日、国家基本問題研究所企画委員会で、アメリカの間違った対日歴史観について講演、アメリカの歴史学者のほとんどが先の大戦後日本側をさばいた連合国側の東京裁判を鵜呑みにしており、慰安婦問題など日本側からの異論を全く認めない偏見に満ちている、との見解を明らかにした。 
 モーガン氏は、アメリカ歴史学会の対日歴史観は、潜在的な人種差別をベースに、東京裁判判決が加わり、その後のアメリカを脅かした日本の経済進出、そして現在は中国の経済、政治、軍事的な攻勢の中で、左翼的な日本悪者論が固定化していると指摘している。このため、日本側が南京事件や慰安婦問題、靖国参拝など日本非難に抗議しても全く受け付けず、相手側にも反論する権利があることさえ認めない頑なさが顕著で、学問の自由を自ら放棄している、と厳しく批判した。アメリカの歴者学者はほとんどが日本語の資料、書籍などを読んでおらず、日本側としては、いろいろな機会、ルートを通して事実を粘り強く伝えていく必要がある、と強調した。 
 モーガン氏は、先の大戦で航空母艦の乗組員だった祖父から「国の為に自分の命を捧げる日本の特攻隊員の潔さ」を教えられたのがきっかけで日本研究の道に入った、という。その後、日本について学べば学ぶほど、「アメリカの見方がおかしい」と思うようになった、と述べている。特に中国系アメリカ人・アイリス・チャンの「ザ・レイプ・オブ南京」はウソで固められている、と断言した。 
 モーガン氏は、今夏には早大での研究を終え、母校ウィスコンシン大学大学院の歴史学部に戻ることになっている。(文責・国基研)
日本としては、モーガン氏のような人が多数日本に来やすいように、留学制度など整えるべきものと思います。現在、中国の留学生が日本ではかなり多いそうですが、そんなことをするくらいなら、米国などから多数招いたほうが良いのではないかと思います。

アメリカの一部の学者の発言や、マグロウヒルの教科書では韓国が主張する似非「慰安婦問題」が歴史上の事実であるかのごとく語られています。

しかし、このようなことをして、韓国や米国の学者らに何らかの益があるのでしょうか。短期的には利益があるようにみえるかもしれません。しかし現実には、短期的にも長期的にも利益にはならないでしょう。


安倍晋三首相は2日午前、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と、ソウルの青瓦台(大統領官邸)で初めての首脳会談を行いました。日韓両国で理解に差がある慰安婦問題など、幅広いテーマが話し合われました。

1日には、中国の李克強首相を含めて、3カ国首脳会談も行われました。中韓両首脳は歴史問題で日本をけん制しましたが、安倍首相は「特定の過去ばかりに焦点を当てる姿勢は生産的ではない」などと“反撃”しました。南シナ海の米中軍事緊張や、危機的な韓国経済という背景もあり、中韓両首脳にかつての強硬姿勢は見られませんでした。

中国は、南シナ海の岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化していたことが、国際的批判を浴びています。オバマ米大統領は9月、習近平国家主席との米中首脳会談で対応を求めましたが、習氏は「(南シナ海は)古来、中国のものだ」と開き直りました。オバマ氏はこれに激怒し、スプラトリー(中国名・南沙)諸島にイージス駆逐艦を派遣するなど、世界最強の米軍と軍事的緊張状態にあります。
南シナ海に派遣されたイージス艦ラッセン
さらに、経済が低迷しており、このブログでも何度か掲載したように、金融も空洞化しています。アメリカに金融制裁など実行されたら、経済は完全崩壊します。

韓国も、インフレ率(消費者物価ベース)が50年ぶりの低水準にまで落ち込むなど、デフレという崖を転がり落ちています。苦境を脱するためか、日米などの12カ国が大筋合意したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加意向を示唆したり、財界トップが今年終了したばかりの「日韓通貨スワップ協定」の再開を求めたりするなど、恥も外聞もなく、日本にすり寄っている最中です。

このためでしょうか、3カ国首脳会談で、中韓首脳から慰安婦問題、戦後70年談話等歴史問題で具体的な指摘はありませんでした。今回は、中韓としても、手も足も出なかったのかもしれません。


現在までのように、中韓が歴史問題にこだわり続け、日本を悪者に仕立てなければならない理由は、はっきりしています。そうしなければ、自国民の憤怒のマグマが自らに直接向かってくることを回避するためです。もしそうなれば、両国とも現体制が崩れることになります。

両国とも、経済劣等生であり、国民に大きな負担を強いているし、韓国のほうは少しはましながら、両国ともに民主化、政治と経済の分離、法治国家化が不十分です。

特に経済に関しては、中国はGDPに占める個人消費の割合が、35%に過ぎず、韓国は50%台であり、これは他の先進国のレベルから見ると低いです。また、韓国の10大財閥の売り上げがGDPに占める割合は約75%です。

サムスングループはGDPの2割を占めると言われています。ちなみに10大財閥は韓国人全体の7%程度しか雇用していません。国内は放置し、いわゆる、グローバ化ばかりを推進してきた結果がこれです。

このような歪な経済が崩れるのは、当たり前で、両国とも本当は、個人消費をもっと伸ばす政策をとるべきなのですが、そのためには肝心要の中間層を増やし、それらが活発な社会・経済活動ができるように整備すべきなのに、そんなことはいっさいせずに、日本を悪者に仕立てて、自分たちの無能ぶり、無理解ぶり、時代錯誤ぶりは無視して、国民の怒りをそらすことばかりしかできません。

こんなことでは、両国ともいずれ近いうちに、社会・経済が崩壊します。いまのままであれば、両国政府ともいずれ国民の憤怒のマグマで焼きつくされることになります。

その頃には、歴史修正をしても、何の効果もありません。その兆候はもうすでに、特に中国にでています。

その兆候とは、中国国内で政府が官製反日デモを目論んで、人民が集まり暴動になったとしても、ほとんどの場合それがいつの間にか反政府デモになってしまうという現象です。

中国では反日デモが催されることがなくなった。その理由は・・・・・
これに先だって、政府が反日サイトをつくって、そこで反日プロパガンダを演出すると、それがいつの間にか反政府コメントで炎上するということがしばしば起こるようになってしまいました。

そのため、政府が反日サイトをつくることはやめましたが、それ以外の個人のサイトであっても、これを放置しておくと、必ずといっていいほど、反政府コメントで炎上するようになってしまったため、規制するようになってしまいました。

官製反日デモも、そのようになってしまったし、いまや官製でない反日デモも、規制されるようになってしまいました。

韓国ではいまのところ、そのような状況はあまりみられませんが、現状のまま政府が何もせずに、反日ブロパガンダばかり繰り返して、やるべきことをしないということを繰り返していると、いずれ中国と同じようになることでしょう。

いずれにしても、中韓の現体制は長く続くことは考えられません。両国の現体制が崩れたときには、反日どころではなくなることでしょう。

そんなときには、米国の馬鹿な学者の反日歴修正など、汚点として残るだけになります。そのような日は間近です。しかし、その日が来るにしても、私達日本人としては、いかなる歴史修正に対しても、それに対して明確な証拠をもとに抗議し、水掛け論に持っていく努力を欠かすべきではありません。

国際ルールでは、水掛け論になった場合、最初に言い出したほうが、負けです。いずれ、崩壊する体制の政府に対して、水掛け論以上の労力を費やす必要などないと思います。

いずれにしても、中韓の歴史修正は国民の憤怒のマグマを日本に向けるためであり、これに協力する走狗は歴史の徒花に過ぎないわけです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?




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2015年11月2日月曜日

「日本の女子中高生の13%が援助交際」…国連特別報告者の発言に憤りの声続々―【私の論評】反日国連は世界平和の機関ではなく、 United Nations(連合国)であり、いまでも連合国のための組織(゚д゚)!


稀代の変態女、マオド・ド・ブーア=ブキッキオ
「根拠ない」政府批判

国連の「子どもの売買、児童売春、児童ポルノ」に関する特別報告者が、このほど来日した際の記者会見で「日本の女子生徒のおよそ13%が援助交際に関わっている」と発言し、物議を醸している。日本の女子中学生・高校生の多くが援助交際をやっているような印象を内外に与える発言に、日本政府内からも「根拠のない、ひどい話だ」と批判の声があがっている。

発言は児童の性的搾取問題の専門家、マオド・ド・ブーア=ブキッキオ氏が10月26日に東京・内幸町の日本記者クラブで行った会見で飛び出した。同氏は「日本には多くの性的搾取の形態がある」として、違法とされていないものの深刻な性的搾取につながる危険性の高いものとして援助交際を挙げ「女子生徒の間で流行(はや)っており、およそ13%が関わっている」と述べた。

産経新聞がジュネーブの国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に問い合わせたところ、「13%」を「概算」と表現した上で「残念ながらこの収益の大きいビジネスに関わっている未成年者数の公式な概算はない」と回答した。また、特別報告者が「概算」に着目したのは援助交際が「憂慮すべき現象」であるからで、関係機関による実態調査の必要性が強調されるべきだと説明した。

ブーア=ブキッキオ氏の発言を問題視する山田太郎参院議員(日本を元気にする会政調会長)は外務省、警察庁、厚生労働省、文部科学省にも確認したが、根拠となるようなデータはないとの回答を得たという。

しかし、国連特別報告者による会見での発言であるだけに、山田氏は「多くの人が事実だと思う」と懸念しており、外務省を通じて国連に発言の訂正と謝罪を求める申し入れを行うという。

ブーア=ブキッキオ氏は10月19~26日の日程で東京と大阪のほか、兵庫県川西市と那覇市を視察した。視察報告は来年3月の国連人権理事会で日本政府への勧告と一緒に発表される。(田北真樹子)

【私の論評】反日国連は世界平和の機関ではなく、 United Nations(連合国)であり、いまでも連合国のための組織(゚д゚)!


まずは、マオド・ド・ブーア=ブキッキオとは、どのような人物であるのか、以下にWikipediaから引用します。

"

来歴

オランダ南部のヘールレンにある町フンスブルク( Hoensbroek )に生まれる。ライデン大学でフランス語とフランス文学を学び、のちに法律も学ぶ。国際関係と労働法を専門として1969年に学位を取得、テーマは欧州連合法下における男女平等についての理論であった。

1969年に欧州評議会入りし、欧州人権委員会の法律事務をはじめとして、評議会議長秘書室、欧州人権裁判所の議員事務官など欧州評議会組織の要職を歴任した。2002年に議員会議議長に選出、2007年にも再選出。

慈善活動
行方不明児童及び搾取被害児童問題対策国際センター英語版)の
指導部のメンバーとマオド・ド・ブーア=ブキッキオ

マオド・ド・ブーア=ブキッキオはまた、行方不明児童及び搾取被害児童問題対策国際センター(International Centre for Missing & Exploited Children (ICMEC))の指導部のメンバーでもある。同センターは、児童性的虐待(性搾取)、児童ポルノグラフィ児童誘拐と戦う全球規模の非営利団体である。[5]

2013年には欧州行方不明児童〔対策センター〕長に選出され、前欧州裁判所弁務官フランシス・ジェイコブからその地位を引き継いだ。

私生活

欧州評議会「人権と法の支配」委員のジャンニ・ブキッキオ( Gianni Buquicchio )と結婚して二人の息子がいる。

"
ブログ冒頭の記事をご覧頂いた方は、かなり憤りを感じて忸怩たる思いをしているのではないでしょうか。私もそのような思いがします。

その一方で、やはり国連は多くの日本人が、考えているように所詮正義の機関などではなく、反日左翼の巣窟なのだとの思いを新たにしました。

そもそも、日本人の多くの国際連合に関する認識は間違えています。これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
潘国連事務総長に高まる疑問の声 ソウル前支局長起訴に沈黙 韓国世論優先? ―【私の論評】国連の事務総長が反日的であるのは、歴史からみて、ある程度あたり前だが、やはり報道の自由に関しては、連合国側の常識に従うべき(゚д゚)!
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下の日本語では、国際連合なる組織の本質にかかわる部分のみコピペさせていただきます。

"
『国際連合』というと、日本では世界の殆どの国が属した平和目的のための組織と思われているようです。そうして、多くの日本人が、国により力の強弱はあれ、’正義’というモラルに反しない、反することを許さない拘束力がそこにはあるはずという思い違いをしているようです。

そもそも、国際連合を英語で何というのかを知れば、その実体は自ずと分かるはずです。

ニューヨークの国連本部 クリックすると拡大します

国際連合は、英語では『United Nations 』―直訳すると「連合した国家」ということです。 この言葉には、InternationalとかGlobal という日本語でいう「国際」という単語は入っていません。

そうして、第二次世界大戦の『連合国』も、英語で『United Nations 』です。
 
なぜ、わざわざこのような名称にしたのか考えてみれば明らかです。"United Nations"には、何のための連合であるかということすら示されていません。

日本人の感覚からすれば、United Nations for International Peace 略してU.N.I.P であれば、受け入れやすいかもしれませんが、現実はそうではありません。

歴史的にいうと、日本では戦中は『United Nations』を『連合国』と訳していましたが、戦後に『国際連合』と訳を変えています。

中国では現在も「聯合國(連合国)」と呼んでいます、日本以外の国では、『連合国』と意味で国際連合をとらえています。

今更、「日本人は『国連』と『連合国』を別物だと思ってましたなどと言えば、外国人、特に戦勝国の人間には、笑われてしまうかもしれません。特に英語圏の人に笑われてしまうかもしれません。

彼らにとっては、"United Nations"は、そのままであり、昔から今に至るまで、『連合国』であり、変わりようもないからです。

そうして、第二次世界大戦の『連合国』と『国際連合』が英語では同じというのが、まさに実態を表しています。

安保理の常任理事国5か国(米、英、仏、露、中)は第二次世界大戦の戦勝国で国連憲章が改正されない限り恒久的にその地位にあり、拒否権も与えられています。

日本やドイツが常任理事国入りするためには、国連憲章の改正が必要で、5常任理事国すべてが賛成しなければならないのです。そうして、国連憲章には敵国条項があり、日本は敵国であるという条項が今でも生きています。

そんな、国連の事務総長が反日的な発言をするというのは、ある意味当然といえば当然です。

世界は今も第二次世界大戦の戦勝国のルールで動いている。日本がいかに世界平和に貢献しようとどんなに多く国連分担金を納めようと(世界2位、下表)常任理事国入りを目指そうと、中国が反対するから無理です。
国連分担金の多い国
順位国名分担率(%)分担金額
(百万未満四捨五入)
1アメリカ合衆国(米国)22.0006億1,850万
2日本10.8332億7,610万
3ドイツ7.1411億8,200万
4フランス5.5931億4,250万
5英国5.1791億3,200万
6中華人民共和国(中国)5.1481億3,120万
7イタリア4.4481億1,330万
8カナダ2.9847,600万
9スペイン2.9737,580万
10ブラジル2.9347,480万
(単位:%、米ドル 出典:外務省 「2011-13年 国連通常予算分担率・分担金」(2013年))

日本の常任理事国入りを認めると、日本を許す、反日を解除しなればならなくなり、中国共産党の正当性が崩壊してしまうことになります。「5常任理事国すべての賛成が必要」という国連憲章も、改正するには5常任理事国すべての賛成が必要です。だから、中国が自滅するまでは、ほとんど不可能です。

とは、いいながら、実はこれも確かなことではありません。そもそも、日本と現在の中国、中華人民共和国とは、戦争をしたことがありません。

日本が正式に戦争をしたのは、あくまでも、現在の台湾である、中華民国です。そもそも、戦争中には、中華人民共和国など存在しませんでした。中華人民共和国が建国したのは、1949年10月1日であり、終戦後のことです。

であれば、現中国は、戦勝国ではないわけです。それが、"United Nations"という組織の矛盾です。

1942年1月1日,国連宣言を表象する世論形成
ポスター「連合国:自由のために戦う国際連合」

ましてや、朝鮮人は、戦争中は日本に併合されていましたから、戦勝国ではありません。中国も、韓国も戦勝国ではないのですから、今の国連のあり方は、本当に矛盾しているわけです。
"

国際と名前がつくと、多くの日本人は無意識に「善意」「世界平和」などを思い浮かべるようですが、それ自体が上の記事をご覧いただければ、ご理解いただけるものと思います。

国際連合には、未だに敵国条項があり、日本やドイツは今でも敵国扱いです。そうして、国際連合をはじめとする、いわゆる国際機関は、参加国の利益の衝突の場所であり、各々の国のエゴのぶつかりあいの場所でもあります。

マオド・ド・ブーア=ブキッキオの発言「日本の女子生徒のおよそ13%が援助交際に関わっている」に関しては、本当に無責任な話です。数字を出すなら、その根拠を示すべきです。

彼女は、オランダ出身ですから、オランダは一応は戦勝国とはなってはいますが、実体は敗戦国です。

第二次世界大戦中には、ドイツに占領され、東南アジアのオランダの植民地は、大東亜戦争のときに、日本に攻めこまれ、オランダ軍は敗走し、日本はインドネシア独立運動を支持し、大東亜戦争後も多くの将兵が残留し、おびただしい犠牲を出しながらも、インドネシア独立のために、オランダと戦いました。

結果として、インドネシアなどは戦後に独立して、オランダは、東南アジアにおける植民地をことごとく失いました。

そういう意味では、オランダからすれば、日本に対しては恨み骨髄で、オランダ人の中には、事あるごとに日本を貶めようとする輩も存在します。マオド・ド・ブーア=ブキッキオも、およそ上記のように理性的でない行為をしていますから、そのような輩なのかもしれません。

国連が、UNITED NATIONS(連合国)ということから、私たちは旧戦勝国ならびに、本当に戦勝国ではないにもかかわらず、戦勝国面をしている中国や、戦勝国扱いを望む韓国も、機会があればことあるごとに、このように日本を貶めてやれと、虎視眈々と狙っていると考えるくらいがまともだと思います。

慰安婦問題、南京大虐殺などのその典型例です。慰安婦問題に関しては、当時売春があったことは事実だと思います。しかし、それが国が関与して、しかも20万人の性奴隷などとすることは明らかに間違いです。

南京大虐殺についても、南京を日本軍が占領した際にの戦闘により、ある程度の犠牲者がでた可能性は否定できません。しかし、それと20万人を虐殺したということは、全く別の問題です。

しかし、連合国や、連合国もどきは、ことあるごとにこのようなデマを流し、日本を貶め、それを外交カードなどに利用すべく虎視眈々と狙っているという面があるということは、私達日本人は忘れるべきではありません。

そうして、外務省をはじめとして、日本政府や、私達もことあるごとに、こういう問題が生じた場合は、徹底的に抗議をしていくべきです。

国連に対して、理想論的に考えたり、過大な期待をしたりするべきではありません。それにしても、国際連合などという言葉を最初に創りだした人、とんでもないことをしたと思います。この言葉により、いかに多くの日本人が、戦後の国際秩序に関して誤った認識を持ってしまったことか・・・・・。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年11月1日日曜日

【iRONNA発】TPP芸人の予言は全部外れた! 「支那包囲網」に揺らぐ習近平―【私の論評】経済劣等生の中韓がTPPに加入できない理由を、はっきりさせないTPP芸人は「中国スパイ」だ(゚д゚)!


昨年北京の人民大会堂で中国の習近平国家主席(右)と握手する韓国の朴槿恵大統領
 世の中にはいろいろな芸人がいるが、中でもTPP芸人という興味深いカテゴリーがある。かつて、民主党政権時代に「TPPは亡国の協定」とか、「国民皆保険がなくなる」とか、「日本の農業が壊滅する!」とか、面白いことを言って拍手喝さいを受けた芸人たちだ。安倍政権が誕生し、2013年にTPPへの参加を表明すると、この芸人たちは「表明した瞬間にすべてはアメリカの思い通り決まっている!」などと言っていた。この時はファンたちと大いに盛り上がったものだが、それも今となってはなつかしい楽しい思い出である。残念ながら一発芸人の命は短い。TPP芸人バブルは完全に弾けてしまったようだ。(iRONNA

 もちろん、日本の国益を守るためにTPPについて警戒すべき点があったことは事実だ。ISD条項やラチェット条項が本来とは違う意味でつかわれたりしたらこれは一大事である。

 ISD条項とは事後的な法律の変更などにより、対外投資が水泡に帰した場合、その賠償を請求できる権利を明記した条項だ。1989年に日本は支那と投資協定を結んだが、そこにもISD条項は入っている。支那のように法律をコロコロ変える国と取引する場合は必須の条項である。

しかし、この条項をありもしない機会損失に対しても類推適用するようなことがあってはならない。例えば、為替操作で損をしたので賠償しろ、といった無理筋の要求が通ってしまったら却って自由貿易に支障をきたすだろう。この点について私は注目していたが、結局今回のTPPでは従来通りのISD条項が採用されたに過ぎない。

 ラチェット条項については、すでに決まったものをひっくり返すことはできない規定と解釈されている。なので、日本がTPP交渉に参加してもタイミングが遅いので何も意見が言えないと、芸人たちは言っていた。

 しかし、実際はどうだろう? 日本が交渉参加してから2年の間TPP交渉は「漂流」した。その間、日本側の意見もかなりの割合で採用されている。芸人たちはいったいこの条項の何を理解していたのだろうか?

 確かに、ラチェット条項においては大筋で合意した分野をひっくり返すことはご法度である。しかし、逆に言えば合意前の分野はいくらでもひっくり返せるということにならないだろうか。今年8月の交渉の際に、ニュージーランドが乳製品の輸入枠をめぐってトンデモないちゃぶ台返しをした。産経新聞は次のように報じている。

 日米に交渉を乗っ取られた腹いせに、当初提示していた3万トン程度の乳製品の枠を、一気に3倍増の9万トンにしてきたわけだ。こんな無茶苦茶な連中がよく2年間の「漂流」でまとまったものだ。日本が参加した時点でまだまだ大筋合意に至っていない分野はまだまだたくさんあったのだ。

この記事の執筆者 上念司氏

 では、TPP芸人たちの予言はどの程度当たったのか、結果を見てみよう。国民皆保険はなくなっていない。というか、そもそも、そんな話し合いは最初から行われていない。「○○が食えなくなる」シリーズは今のところ全部ハズレだ。ISD条項で巨額賠償を払うこともなさそうだ。

 逆に、工業製品に対する関税は即座に2割程度撤廃され、将来的に99%撤廃される。農産物についても、日本は海外産の農産物を受け入れる代わりに、海外向けの輸出について無税枠や大幅な関税の撤廃という「果実」を手に入れた。和牛や質の高い果物など、関税があった時代から輸出されていた農産物の生産者は大いに盛り上がっていることだろう。

商売をやったことがない人は人のうわさを信じやすい。「再開発で渋谷がダメになる!」という与太記事を読んで真に受けてしまったりする人がいる。都営大江戸線は開業当初、「いったい誰がこの電車に乗るんだ?」と言われるほどすいていた。税金の無駄遣いだと。しかし、今は大江戸線の乗降客は相当増えている。麻布十番などは大江戸線と南北線の交わるターミナルになり、また近くに六本木ヒルズなどもできたことから商店街は活況だ。

 交通インフラや取引のルール変更などがあっても、そのことによってある地域や業界がダメになったりよくなったりすることが決まるわけではない。もちろん、各自が勝手に予想するのは自由だが、それがあたかも決められた未来であるかのように言うのは言い過ぎだ。ルールが変わったのなら、いち早く事業モデルをそれに適応させればよい。正解は分からないので、様々な挑戦を繰り返し、失敗しながら学べばいいだけだ。TPP参加国の民間企業は新しいルールに合わせて様々なチャレンジをするだろう。各国で多くの企業がチャレンジすることで経済は活性化する。日本の負けは決まったわけでもないし、勝ちも決まったわけではない。すべてはここからの努力次第なのだ。

そういう意味でいうと、今回TPPに参加できなかった支那と韓国は大きなハンデを背負うことになった。自業自得だから仕方がない。TPP加盟国は支那や韓国にいくらでも関税をかけたり、輸入制限をしたりすることができる。(もちろん、個別に貿易協定は結んでいるだろうからその範囲内であるが…)

 TPPに入るためには、資本取引が自由化されているとか、投資家の権利が守られているとか、様々な前提条件がある。しかし、支那において共産党の権力は神にも匹敵する。というか、神以上でなければならない。そのため、世界的な貿易ルールよりも、支那共産党の都合が優先されないと困ったことになってしまう。もちろん、投資家の権利など守っていたら支那共産党のメンツは丸つぶれだ。常に、経済問題は政治問題化するリスクがある。

 支那がTPPに参加しようとするなら、こういった宿題を自分でやってこなければならない。もちろん、宿題をやっている最中に共産党の仲間割れが修復不能になるかもしれないし、人民が暴動を起こして文字通り「爆発」するかもしれない。TPPに参加するメリットとこれらデメリットを比較して習近平は決断するのだろうか? 生暖かく見守りたい。

 また、韓国はTPPに入れない支那にあくまでも付き従っていくのだろうか? もはや二股外交は完全に破たんした。事大主義を貫き通すなら、そろそろ新しいご主人様を探すタイミングなのかもしれない。

 とはいえ、日本が韓国に救いの手を差し伸べるにはまだまだ早いのではないか? 国際的な反日キャンペーンについて、真摯な謝罪と賠償が終わっていない。まずはその問題を解決するのが先だ。韓国国内で大いに議論していただければいいのではないだろうか?(経済評論家・上念司)

【私の論評】経済劣等生の中韓がTPPに加入できない理由を、はっきりさせないTPP芸人は「中国スパイ」だ(゚д゚)!

上記の記事を書いている、上念司氏が最初からTPP大賛成の立場をとっていたというわけではありません。私が記憶しているTPP加入が決まりかけていたころの、上念氏のTPPに対する発言は、「TPPによって本当に自由貿易になるのだったら賛成だが、そうでない可能性もあるので今のところは反対の立場ということにしておく」というものでした。

その頃の私の立場は、このブログでも表明したことがありましたが、「とにかく、交渉能力の低い、民主党野田政権の時代には交渉すべきではない」というものでした。その当時には、自民党なら何とかなるかもしれないと考えていました。

日本がTPP交渉に入る直前には、TPPとはいってもまだまだ全貌は知られておらず、とにかく巨大で複雑で、理解しにくいものでした。これは、今でもかわらず、この協定の本質なのだと思います。

だから、TPP加入が決まりかけたころにTPP芸人たちや、政治家、農林水産業者が大騒ぎしたのも無理もないところもあったと思います。

しかし、日本がTPP交渉に入った頃から、TPP芸人たちと、上念司氏との行動は違っていました。いわゆる、TPP芸人たちは相変わらずTPP反対を続けていました。上念は、TPP芸人たちの語る危機について、一つ一つ薄皮を剥ぐように、その危機の根拠のなさをエビデンスをもって解明していきました。

そうして、今日に至っています。あまりよくわからないことに対しては、当初の上念主氏のように対応するのなら、許せるのですが、他者の受け売りで「反対、反対」と叫んだり、よく確かめもしないうちから、「TPPで日本は不利」と断定して、断定するだけではなく、それを真実にのように喚き散らすのは良くないことだと思います。

そうして、今日に至るまで、「絶対反対」ということも良くないことです。そうして、きわめつけは、TPPに反対して、AIIBにはバス乗り遅れ論を語る輩です。このようなTPP芸人は信用できません。

TPP芸人のうちでも、TPPに反対しながらも、AIIB参加にはもっと反対するというのであれば、まだまともだと思います。

しかし、同じTPP芸人でも、TPP大反対でありながら、AIIB参加に大賛成したり、「バス乗り遅れ論」を主張する輩ははっきりいえば、「中国スパイ」です。

AIIBがとんでもない代物であることは、このブログでも過去に掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
麻生財務相の「参加見送り」見解、中国メディアは未練たらたら・・・「日本国内でもAIIB参加すべきの声」と報じる―【私の論評】中国小国化に向け追撃戦に転じた安倍総理(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事ではAIIBの瑕疵について以下のように掲載ました。
1.AIIBには、ガバナンスの点で大いに問題がある。たとえば、AIIBの融資について理事会の関与がほとんどない。中国トップがある国へのインフラ投資を政治判断したら、AIIBはプロジェクトの採算性などを度外視して融資する可能性がある

2.AIIBは中国主導であり、中国がその後ろ盾になる。よって、その格付は中国と同等になる。中国の格付けは、トリプルAのアメリカ、ダブルAの日本より下のシングルAである。ということは、アメリカと日本が参加しない、AIIBの格付けは他の国際金融機関よりも低いということになる

3.中国の金融システムは金利の自由化すら終了していない途上国並みの未熟なもので、国際金融業務のノウハウも乏しい
要するに、AIIBは悪質な金融業者のようなものであり、中国が儲けるためには、信用など度外ししてとんでもないことをやらかす可能性が高いということです。

それに、中国がAIIBを主催する理由は、自国内から海外に金が逃避して、国内の金融が空洞化しており、さらには中国国内では投資が一巡して、大きな投資案件がないため、このままでは過去のように、国内で金をあつめてインフラ投資をして大きく経済発展するなどということが不可能になったため、これを打開するためです。

そうして、国外のインフラに投資して、それで中国が儲けてまた、経済発展をしようという腹です。

しかし、悪質な金融業者に過ぎないAIIBにそんなことができるはずもありません。おそらく、焦げ付きがたくさんでて、不良債権を増やすだけになります。こんなAIIB日本が参加すべきといい、TPPは大反対というなら、そんな人は、中国スパイの謗りを受けても当然のことだと思います。皆さん、このようなことを主張するTPP芸人の言うことは絶対に信用してはなりません。

それと、中国と 韓国が、TPPに入れない理由としては、ブログ冒頭の記事にも掲載されていましたが、これよりもっとはきりいえば、両国とも経済劣等生だからです。

それについても、このブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【米韓首脳会談】韓国トホホ… TPP参加にオバマ大統領から言及なし 朴氏は「緊密協力」―【私の論評】中韓は、個人消費をないがしろにする愚かな経済劣等生、TPP加入は全く無理(゚д゚)!
内閣府でフロマン米通商代表部代表(左)を迎える甘利明内閣府特命担当大臣

これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、ここでは中韓の経済劣等生ぶりを示す部分だけ引用します。

結局中韓は個人消費をないがしろにしている

韓国も、個人消費はなおざりにして、インフラ整備やグローバル化ばかり繰り返し、外国の影響をもろにかぶる体質になってしまい、今や元は本来高くしなければならないのですが、それをしないため中国はインフレ、韓国はウォン高で苦しんでいます。

TPP 加盟国のうち、経済があまり良くない国もありますが、経済の規模にもよりますが、いずれにしても中韓のようにこれだけ、個人消費を犠牲にして偏った経済の国はありません。

そんなことから、中韓のTPP加入はまだまだ時期尚早です。
中韓の経済を良くする処方箋はあるのだが・・・・・

中韓の経済をまともにする処方箋は決まりきっています。両国とも、中間層をもっと増やしそれらが、社会・経済活動を活発にできるようにすれば良いのです。

中国であれば、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を進めれば、中間層が増えて、社会経済活動も活発化します。今までが、今までだったので、少しでもこの方向に進めば、実体経済は必ず良くなります。

韓国の場合は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化に関しては、中国よりは進んでいますが、それでも先進国から比較すれば、遅れているので、それを推進すべきです。それとともに、グローバル化の推進一辺倒から、内需を拡大する方向に舵を切り直すべきです。
サムスンなどのグローバル企業ばかり育成しようとしても、結局は脆弱な経済になるだけです。まずは、内需を拡大させるべきです。そのための方策はいくらでもあるはずです。

しかし、両国の首脳も、政府もこのようなことは、わかりきったことなのに、この方向に向かっての動きはまったくしようとしません。習近平は、反日とインフラ投資、朴槿恵は反日とグローバル化とりわけ、中国接近を馬鹿の一つ覚えのように繰り返すばかりです。愚かとしか言いようがありません。

であれば、中韓がTPPに参加すれば、とにかく韓国は、自国民を犠牲にしても、安い製品で他国から儲けることばかり考え、中国は外国へのインフラ投資をすることで儲けようとし、それを繰り返し、結局中韓もダメになり、他の国も悪影響を及ぼしてしまいます。
中韓の経済はいびつです。どこの国でも、経済に関して万全な国というのは、なかなかありませんが、それにしても中韓の実態経済はあまりにも歪です。このような国が、今後も安定して成長していけるなどと思い込むのは根本的な誤りです。こういう国は、TPPに加入させてはいけません。

にもかかわらず、 経済劣等生の中韓がTPPに加入できない理由を、はっきりさせないTPP芸人は、私は「中国スパイ」と断定します。だからこそ、ABBIバス乗り遅れ論など平気でぶちあげるのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連書籍】

中韓のTPP加入などあり得ません。それどころか、中韓の経済はもう瀬戸際です。崩壊するのは予定帳場となりました。もう、秒読み段階です。今後、日本が気をつけなければならないのは、経済だけではなく、中韓からの偽装難民です。以下に、それらを納得していただける書籍を掲載しました。

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2015年10月31日土曜日

井沢元彦氏がSEALDsに意見 「9条を守れ」の主張は人権侵害―【拡散希望】主流派憲法学者の解釈を踏襲するな!京都学派の解釈に従えば、ほとんど現実世界と矛盾しない(゚д゚)!


井沢元彦氏(写真左)今年1月 写真、動画はブログ管理人挿入 以下同じ

作家・井沢元彦氏は、集団的自衛権行使容認に反対する人たちのやみくもな軍隊否定や護憲主義に疑問を投げかけている。憲法9条を守れと主張することは、ときに人権侵害にも及ぶ状況があるという。週刊ポストの連載「逆説の日本史」における井沢氏の解説を紹介しよう。

* * *
1985年(昭和60)のことである。当時イランと戦っていたイラクのフセイン大統領は、敵国イラン領空を飛ぶ飛行機はたとえ民間航空機であってもすべて撃ち落とすという、とんでもない声明を発表した。当時イランにいた日本人二百人余りは直ちに脱出しようとしたが、脱出のための航空機派遣を政府から依頼された日本の民間航空会社はこれを拒否した。労働組合が反対したのである。

もっともこれは当然の反応ではある。ミサイルが飛んでくるかもしれない危険空域に丸腰の民間機が入ったら乗務員の安全は保証できない、反対したこと自体は責められない。だからこそ、こういう時のために訓練を積んだ軍隊というものが必要なのである。警察では国外の戦争が絡んだ事件に対処する能力も権限もない。

しかしそういう能力を持った自衛隊機は現地に飛べなかった。日本社会党を中心とする護憲派が「海外派兵絶対反対」と強く反対したからである。このためイランの首都テヘランに残された日本人約二百人は脱出できず、中には死を覚悟した人もいたという。


助けてくれたのはトルコであった。トルコ共和国政府の意を受けたトルコ航空の民間パイロットが名乗りを上げ、危険を冒してテヘランに飛び日本人全員を脱出させてくれた。実は1890年(明治23)、トルコ海軍の軍艦エルトゥールル号が日本の紀州沖で沈没した時、近くの村の日本人が命がけで乗組員多数を救助してくれたという話がトルコでは歴史の教科書に載っていて、「その借りを返すため」に命がけで助けてくれたのである。

ところが、この行為に対して感謝するどころか、もっとも不快に思ったのが「護憲派の守護神」朝日新聞である。朝日は記事でトルコが助けてくれた理由を、日本が「トルコ経済援助を強化している」からだと書いた。要するに「カネがもっと欲しいんだろう」と貶めたのである。朝日がなぜそんなことを書いたか、これをきっかけに「軍隊は必要だ」という議論が高まることを恐れ「カネをバラ撒いていれば大丈夫だ」と思わせたかったのだろう。

こんな事件が過去にあったことを、つい最近まで国会を包囲していたSEALDsの若者たちは知っているのだろうか? そしてまた同じような事件が起こったら「海外派兵絶対反対」と叫んで、再び「平和憲法を守るため」戦うのか?


エウトール号の遭難や、テヘランでの日本人救出に関してはこの動画をご覧ください

以上のような事例を知った上で、まだ「日本に軍隊は必要ない」と叫ぶなら、それはそれで仕方がない。論理を受け付けない人間と議論はできない。しかしそうでないなら言おう。

 軍隊の必要性を認めた上で「憲法九条を守れ」と主張することは、極めて重大な人権侵害であることに君たちは気がついているのか? 「必要ない」と言うなら仕方がないが「必要」ならば、自衛隊及び自衛隊員は法治国家日本において正式な存在であるべきだ、しかし憲法九条は法律がなんと言おうと彼等の存在を否定している。だから憲法九条を守るということは、実は自衛隊員の地位と権利を正式なものとしては絶対に認めないということになる。

これもわかりやすく時代劇にたとえようか。

ある旗本の家、そこが突然武装強盗に襲われた。先代の嫡男である当主が撃退しようとしたが日ごろから武芸にはうとく、危うく殺されそうになった。そこへ颯爽と登場したのが側室の生んだ次男、つまり当主の弟である。次男の命をかけた奮闘で賊は撃退された。そして、あそこには強い用心棒がいるという評判が立ち賊も敬遠するようになった。何もかも弟のおかげである。

ところが兄は感謝するどころかこう言う。「メカケの子のくせに図に乗るな、お前はあくまで日陰の存在だ。メシは食わせてやるが、名誉も地位も求めるな!」。

どうです? ひどい兄だとは思いませんか? 人間のクズと言っても過言ではないだろう。

しかし「憲法九条を守れ」と言うのは実はこれと同じことで、「自衛隊員よ、お前たちはあくまでメカケの子だ、引っ込んでいろ」と言っているに等しい。そのことに君たちは気がついているのだろうか?

たぶん気がついてはいないのだろう。気がついているならばこんな態度をとるわけがない。瀬戸内寂聴さんや大江健三郎さんのような日本の良心と言われている人たちも気がついていないのだから仕方がない。本当の日本の歴史を知らないからだ。

【拡散希望】主流派憲法学者の解釈を踏襲するな!京都学派の解釈に従えば、ほとんど現実世界と矛盾しない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事の、トルコが助けてくれた話は有名なものです。もし、あの時トルコが助けてくれなかったら、多くの日本人が本当に命を落としたかもしれません。そうして、この事例は日本の安全保障を考える上で非常に良い事例だと思います。

さて、井沢氏が指摘するとおり憲法9条には上記で示すような矛盾があります。しかし、このような矛盾は、日本の東大を頂点とする憲法学者主流派の解釈を踏襲しているから矛盾しているように見えるだけです。

その解釈とは、憲法9条ではいかなる戦力を保持しても、武力を行使してもいけないう解釈です。東大を頂点とする、日本の主流の憲法学者の解釈を踏襲すれば、確かに上記のように、人権侵害を憲法が許容しているようなとんでもないことが起こる可能性がこれからもあり得ます。

しかし、憲法9条に対する解釈を変えれば、このような矛盾は生じません。実際、憲法学会における京都学派の解釈に従えば、このような矛盾は生じません。

では、京都学派の解釈とはどのようなものでしょうか。それに関しては、このブログに以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
佐々木惣一の「憲法第九条と自衛権」―【私の論評】安保法制=戦争法案としてデモをする人々は、まるで抗日70周年記念軍事パレードをする人民解放軍の若者と同じか?

佐々木惣一氏は憲法学者の中で、京都学派の重鎮だった方です。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から憲法9条の解釈に関する部分を以下に掲載させていただきます。
さて佐々木惣一は戦後、特に力をいれた仕事は、憲法第九条と自衛力との関連のものである。今日の安保法制に関してマスコミの報道では、「集団的自衛権は違憲である」というのがまるで総意であり、「真理」であるかのように喧伝されている。だが敗戦後、佐々木惣一は一貫して、憲法第九条の法理論的解釈として、日本が自衛力を保有することを合憲としていた。ちなみに今日の議論のように、自衛権を個別的自衛権と集団的自衛権にわけて、それを厳密に区分して議論する日本的な風土とは、佐々木の自衛権解釈は一線を画している。つまり自衛self-defenseには、国際的な解釈と同じように、自分(自国)のみならず、親や子など近しいもの(同盟を組んでいる他国など)を守るという意味も含んでいる。
佐々木の自衛権解釈の多くはネットなどで容易に見ることができないせいか、ほとんど忘却されている。まず佐々木は、さきほどの倉山本の内容を紹介したときに言及したように、憲法論と政策論は別にわけて慎重に議論すべきだとしている。つまり憲法解釈がいかに解されようと、それと現実の問題はまた別に認識し、相互の関係を判断しなければならない、という姿勢である。これは佐々木の憲法第九条解釈の重要なポイントである(後の砂川最高裁判決の内容と共鳴する論点ではないかと思案する)。佐々木のこの区別(憲法解釈の次元と政策論の次元の区別)は、彼の戦前からの立憲主義の見方にも通ずるものである。つまり単に条文解釈に安住するのが立憲主義ではなく、その現実的政策、政治のあり方との関連を厳しくみることが、立憲主義の本意である(佐々木惣一『立憲非立憲』)。
佐々木の「憲法第九条と自衛権」をめぐる主張は、まずは純法理論的に行われている。この憲法第九条と自衛権の関係については、佐々木の『憲法学論文選(三)』(有斐閣)を中心に収録されている。ここでは、以下の著作から引用しておく。
「国際関係複雑を極め,諸国間の対立激甚を極める今日,いかなる場合にも,いかなる国家よりも,侵略をうけることがないとは限らぬ。そういう場合に,国家としては,自己の存在を防衛するの態度をとるの必要を思うことがあろう。これに備えるものとして戦力を保持することは,国際紛争を解決するの手段として戦力を保持することではないから,憲法はこれを禁じていない。このことは,わが国が世界平和を念願としている,ということと何ら矛盾するものではない。これは,今日いずれの国家も世界平和を希求していること,何人も疑わないにもかかわらず,戦力を保持しているのと同じである。」(佐々木惣一『改定 日本国憲法論』)。
また佐々木は憲法第九条の条文そのものに即して以下のように詳述する。
「憲法によれば、国家は、戦力、武力による威嚇及び武力の行使については国家が国際紛争を解決する手段としてする、というものという標準を設け、かかる戦争、武力による威嚇及び武力の行使を放棄している。故に、国際紛争を解決する手段としてではなく、戦争をし、武力による威嚇をし、武力を行使することは、憲法はこれを放棄していない。即ち禁じているのではない。このことは、前示憲法第9条第一項の規定を素直に考究すれば、明瞭である。同条項によりて、国家は、戦争、武力による威嚇及び武力の行使の三者を放棄する。換言すれば、してはならぬ、と定めている。が、併し、これらの行動を全般的に放棄しているのではなく、その行動を、国際紛争を解決する手段として、することを放棄する、のである。故に、国際紛争を、解決する手段以外の手段として、戦争することは、憲法により禁ぜられているのではない。国際紛争を解決する手段以外の手段として、戦争をする、という場合としては、例えば、わが国が突如他国の侵略を受けることがあって、わが国を防衛するために、その他国に武力を以て対抗して、戦争をするが如きは、明らかにこれに属する。(略)故に、いわゆる自衛戦争は憲法の禁ずるところではない」(佐々木惣一『憲法論文選(三)』)。 
また第二項の戦力の保持や交戦権についての条文については、まず前者は国際紛争を解決する手段としての戦力保持を禁じているだけであり、自衛のための戦力保持を禁じてはいないとする。また交戦権については、「第一項は戦争するという事実上の行動に関する規定であり、第二項は、戦争に関する意思の活用に関する規定である」として、国際紛争を解決する手段としての戦争をする意思を活用することを表現している。そのためこの交戦権も自衛権を放棄していることではない。
この佐々木の解釈は純粋な法理論のモノであり、現実の政策とは分けて考えるべきだと、繰り返し佐々木は強調している。わかりやすくいえば、どんなに憲法解釈が純法理的にすばらしくても、現実に平和が維持されないでは意味をなさない。そこに佐々木の平和主義的な立場が濃厚に表れる。現在の安保法制議論でも単なる憲法学者の「違憲」表明だけで法案の現実政策的側面が忘却されがちであるが、その点を合わせて考えると、佐々木の視点はいまも鋭い。
また(旧)日米安保条約について、佐々木は米国軍の日本駐屯と憲法第9条は矛盾しないと述べている。この点は純法理的な解釈だけではなく、佐々木がどのように、現実の政策と純法理的な解釈との(緊張)関係をみていたのか、それを考えるうえでも有益である。
佐々木は当時の日本の現実の自衛力を踏まえた上で、「然るに、わが国は、現在では一切の戦力を有していないのだから、自衛のための戦争でも事実、することはできない。それで、自国を防衛する方法として、他国の戦力に依頼し、他国の軍隊をして、わが国の領土に駐屯して、必要に応じてわが国の防衛に当らしめる、ということを定めたのが日米安全保障条約である。これは、わが国が他国の侵略に対して自国を防衛する一方法である。憲法第九条に抵触するものではない」(『憲法論文選(三)』)。
今日では砂川判決をめぐる議論の際に、「判決は日本の個別的自衛権のみについてふれていて、米軍基地は米軍の集団的自衛権に関わる」などの主張がきかれる。これらの「通説」と佐々木の主張がいかに離れたものであるかが、わかるだろう。

佐々木惣一氏は、憲法9条は、国際紛争を解決する手段として武力を用いることを否定しているのであって、これ以外の自衛戦争まで禁じているわけではないと解釈しています。例えば、わが国が突如他国の侵略を受けることがあって、わが国を防衛するために、その他国に武力を以て対抗して、戦争をすることは、明らかにこれにこれを禁じているわけではないとしています。

そんなこと憲法典(文書として書かれた憲法)には、一つも書かれてはいないから、それは詭弁にすぎないという人もいるかもしれません。しかし、憲法9条を端から端まで何度読んでみても、明らかに防衛戦争を否定するとは、はっきりとは書かれていません。

このようなことをいうと、書かれていないからといって、書かれていないことが、なんでもできたらとんでもないこになてしまうから、そんなのは詭弁だというかもしれません。

しかし、そんなことはありません。世界の多くの国々の憲法典でも、自衛権に関してはっきり明記しているものは多くはないです。それは、自然権であり、当然の権利であり、わざわざ記載する必要もないということなのだと思います。

この事実からも、憲法典に書かれていない事柄は、やってはいけいことなどという解釈は成り立たないことが理解できます。であれば、佐々木惣一氏の日本憲法典の解釈は、突飛でも、詭弁でもないことが理解できます。

ブログ冒頭の記事を書いた井沢元彦氏は、おそらく改憲派だと思うのですが、それにしても、佐々木惣一氏らの京都学派による憲法解釈はご存知ないのではないかと思います。確かに、日本主流の憲法学者らの解釈によれば、外国にいる日本人の生命がおびやかされても、日本は何もできないということになってしまいます。

しかし、京都学派の解釈なら、自衛隊そのものはそもそも違憲ではないし、場合によっては、日本人の生命を守るために海外に自衛隊を送っても何ら憲法違反にはならないことになります。

かつては、京都学派の憲法解釈も知られていた時期がありました。私が中学生か高校生だった頃に、社会科の教師が「京都学派」という名称までは語らなかったとは思いますが、憲法学者の中にはこういう考え方の人もいるという話をしていたことを覚えています。

確か、テレビでも、コメンテーターがそのようなことを語っていたこともあったことを記憶しています。

しかし、今では、この京都学派の憲法解釈はほとんどの人が知りません。井沢氏も知らないのだと思います。だからこそ、ブログ冒頭の記事のような矛盾を指摘したのだと思います。

作家といえば、百田尚樹氏もあるテレビ番組で「確かに憲法を字面通りに読めば、軍隊を持てないし、武力も行使できません」と語っていました。おそらく、百田尚樹氏ですら、京都学派の憲法解釈のことなど知らないのだと思います。

百田尚樹氏

日本の安全保障を考える上で、今の日本の主流の憲法学者の憲法解釈を踏襲すると、ほんとうに矛盾だらけです。しかし、京都学派の解釈であれば、大きく矛盾するようなことはありません。

であれば、私たちは京都学派の憲法解釈を踏襲するべきではないでしょうか。そうすることにより、憲法を改正しなくても、自衛隊を自衛軍とすることもできますし、日本人の生命を守るために、自衛隊を海外に送ることもできます。そうして、実際に他国が日本を攻めたり、日本人の生命を脅かすような軍事行動をとった場合、それに対抗しても、何ら矛盾は発生しません。自衛隊員を日陰者扱いする必要性もありません。

それにしても、どうして日本では京都学派の憲法解釈が顧みられなくなったのでしょうか。私自身は、京都学派の憲法解釈が忘れさられたからこそ、日本の安全保障の論議が全くおかしなことになっているのだと思います。

私自身、憲法解釈としては、こと憲法9条などに関しては、京都学派の見方が正しいと思います。そもそも、日本国憲法は、GHQが作成したものを下敷きにして作成されたものです。そうして、GHQには当時コミンテルン(旧ソ連のスパイ)が多数存在していました。

そのコミンテルンらが、日本国憲法草案に関わったとされています。これは、ベノナ文書などでも明らかにされています。

当時のコミンテルンがソ連に有利になるように、日本国憲法で日本国弱体化を目論んだのでしょうが、さすがに彼らも「日本国には防衛権すらない」などとはっきりと、憲法典に明記することはできなかったのでしょう。

もし、「日本国には自衛権がない」という条文を日本国憲法に盛り込んだ場合、さすがに日本国弱体化を目論むマッカーサーや、米国大統領や議会もこれではあまりにもあからさまということで、承認しなかったことでしょう。そもそも、西欧諸国にとっては、自衛権は独立国にとって「自然権」であるという大前提があります。さすがに、この大前提を崩すことはできないかったと思います。

実際には、ひよっとすると、コミンテルンは「日本には自衛権がない」という条文を盛り込んでいたかもしれませんが、そんなことではとても独立国の憲法としては認められないということで上層部に却下されて、今日の日本国憲法になったのかもしれません。

いずれにしても、憲法典に書いてあることだけは正しくて実行しても良いことであり、書かれていないことはとにかく何が何でも実行してはいけないなどということでは、あまりにも硬直的であり、それはもうすでに、実務的な政治や法律の世界とはかけ離れており、それはすでに宗教の領域です。それも、宗教の権威だけが正しいとする教条的、強権的なものであり、それこそ、イスラム過激派、原理主義者などとあまり変わりないと思います。

日本の護憲派は、行動ではさすがに、過激派や原理主義者のような酷いテロ行為はしませんが、考えたは非常に似ていると思います。テロリストにとっては、自分たちの考えが絶対的ですが、日本の護憲派にとっては、憲法典そのものが絶対的なものになっていて、京都学派などの憲法解釈などは全く受け付けません。

こんな状態を打破するためには、井沢氏や百田氏ですら知らない、京都学派の憲法解釈を拡散していく必要があると思います。井沢氏や百田氏だって、これを知れば随分と考え方が根本から変わると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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