2016年5月3日火曜日

本日はノースサファリサッポロに行ってきました

本日はノースサファリサッポロに行ってきました

本日は、家族サービスで、ノースサファリサッポロに行ってきました。さすがに連休で、ものすごい渋滞で、行きには2時間近くかかりました。帰りも結構時間がかかりました。帰ってきてから、近くの根室に本店があるという「はなまる」という回転寿司にいってきましたが、ここも連休で、待ち時間が1時間以上もありました。
入り口です
ライオンの檻の上が開いていて、釣り堀のような感じて竿につけた糸に針金が
ついていて、そこに肉をつけてライオンにあげられるようになっています
アルパカです。この動物園、直接動物に触れられるのが普通の動物園にはない魅力です。
これはゾウガメですが、カップに餌が入れておいてあり、募金箱のようなものに
百円をいれて、カップの餌をもらい、それをこのようにゾウガメにあげることが
できます。他の動物にも餌やりができるようになっています。
ペリカンです
犬とトラが一緒の檻にいます。子どもの頃から一緒過ごしているそうです。
カンガルーとペンギンが同じところにいます
カンガルーが池の中のペンギンを見ています
以上、檻の中に入っている動物に関しては、犬とトラが一緒ということは以外でしたが、その他は当たり前といえば、当たり前なのですが、そのほか、カンガルーとペンギンとか、その他の動物がかなりオープンな場所にいて、人が自由に触れられるのに、逃げもせずにいるというのは、不思議に感じました。

それなりのノウハウがあるということなのだと思います。本日のブログの更新はこれにて、終わらせていただきます。

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2016年5月2日月曜日

大地震を利用する増税派の悪質な手口を忘れるな 田中秀臣―【私の論評】課税の平準化理論すら理解できない輩には、復興予算の議論をさせるな(゚д゚)!


自民党の全国政調会長会議であいさつする谷垣幹事長。
隣は稲田政調会長=4月18日午後、東京・永田町の党本部
「熊本地震」による深刻な被害が次第に明らかになっている。しかも強い余震がこの原稿を書いている時点でも続いていて、現地の方々の精神的な不安と肉体的な疲労は募るばかりだろう。まだ救援活動も継続している中で、熊本地震に関わる経済的な側面について論説を書くことを早急すぎると思われる方々もいるかもしれない。(総合オピニオンサイト iRONNA)

 東日本大震災の翌々日には、菅直人首相(当時)と自民党の谷垣総裁(当時)との間で、災害対策としての「臨時増税」が議論されている。この協議自体はのちに復興特別税として結実し、またこのときの与野党協議を基礎にして消費増税路線が構築されていった。増税派のやり口は急速で、また時には驚くほど露骨かつ大胆に進められる。

 2011年当時、このような復興目的を利用して増税路線をまい進する政府と財務省、またそれを支援する経済学者・エコノミスト、マスコミに対して、私は経済評論家の上念司氏との共著で『震災恐慌』(宝島社)<後に『「復興増税」亡国論』として再刊>を出版するなどして猛烈な批判を展開した。

 経済学の常識からすれば、大規模災害は、復興目的の国債を発行して、なるべく災害に遭遇している現時点の国民に負担を集中的に課すのではなく、きわめて長時間(場合によれば一世紀でもいい)をかけてゆっくりと負担するのが望ましいとされている。もし災害に直面している国民にも税負担を課してしまうと、経済的な困難がさらに増してしまう。また被災地を救援する多くの国民にも経済的な余裕を失わせてしまうことで、復興事業自体が滞ってしまうだろう。

 だが、過去の阪神・淡路大震災のときもまだ復興の道半ばで、消費税増税が行われ、日本は経済危機に直面してしまった。もちろん経済的に弱まっていた阪神・淡路地域の方々の経済的困難は他に比べても深刻なものになってしまった。この教訓があるにもかかわらず、2011年当時の与野党の増税派は、大地震を口実に消費増税を推し進めたのである。

 2011年から12年にかけて復興税に反対するために、言論の場だけではなく、きわめて少数ではあったが、与野党の議員の中で復興税に反対する勢力が形成され、積極的に反対活動が行われた。その中で、自民党の取りまとめ役として活躍したのが、安倍首相であった。この復興税に反対する議員連盟の中で、いわゆるリフレ派(デフレ不況を金融政策の転換で克服しようとする経済学者・エコノミスト集団)との接点が生まれた。それがのちのアベノミクスに至る大きな道になった、と私は推測している。

 他方で、不幸なことに、復興特別税の法案は通過し、また消費税増税法案も決まってしまった。この消費増税がいまも日本経済の不調の主因であることは、本連載でも繰り返し強調してきたところである。

 では、今回の熊本地震に際しての増税派的な動きはどうだろうか?

 例えば自民党総務会メンバーは、4月19日に会合をもち、報道によれば「財政規律」や「(景気対策のための)財源のための増税」を主張する議員がいたとされている。景気対策のためには財源が必要であるとすることはいかにももっともらしいが、現時点で経済的な困難に直面している国民を救うために、一方では景気対策をし、一方では増税でさらに負担を増やす、という意味が不明の「悪しき財源論」は、日本の経済政策の中でも最もトンデモな議論といっていい。しかも前者の景気対策は短期的に終わってしまうが、後者の増税は恒久化してしまう。まさに国民の不幸につけこんだ非情なやり口である。

 また稲田朋美自民党政調会長は、「固定概念にとらわれることなく議論する必要がある」として消費税のまずは1%の引き上げを志向する発言も伝えられている。もし「固定観念」にとらわれないとしたら、いままでの大災害や景気対策での「財源」としての増税路線を転換することが、まさに「固定観念」を打破するものではないだろうか?

 他方で、与党の中では、景気の悪化や今回の熊本地震を考慮して、消費増税が困難になったという見方も強い。ただ安倍首相自身は、繰り返し消費税増税のスケジュールに変更はないことを今でも強調している。もしこれを額面通りにとれば、もちろん(地震災害と景気悪化の前では)最悪の選択となる。

 ただ消費増税をするか否かの政治的判断はまだ最終的なものではない、というのが大方の見方である。仮に現段階で、首相が消費増税の「先送り」や「凍結」を打ち出してしまうと、野党勢力はいまも公言しているが、このことを安倍政権の「口約違反」や政策のミスとして追及していくだろう。場合によっては内閣不信任案の口実とさえなりかねない。野党は(いろいろな能書きがあるようだが)表向きは消費増税に反対する態度を示しているが、政治的にみれば首相の消費増税凍結を阻止しているともいえる。参議院選挙を控える中で、首相はぎりぎりまで消費税に関する態度決定を回避することになろう。

 また首相が玉虫色な政策決定をする可能性はあるだろう。例えば消費増税と同時に、一時的な給付金や大規模な公共事業を行う政策である。しかしこのような給付金&公共事業の組み合わせは、前回の5%から8%への税率引き上げ時にも行われたが、結局は金額も過小になり、また効果も持続的なものではなかった。その証拠に、今日の景気失速の主因は2014年4月の増税開始からまったく実質消費が回復しないことである。いまは景気対策をする一方で、他方で増税するという「悪しき財源論」や「財政規律」に依存する政策から脱することが必要なのである。後者でいえば、むしろいまこそ「財政規律」を破壊すべきなのだ。国の財政はなんであるのか? それは我々国民の生活を豊かにするためだ。現時点で経済的な困難に直面している国民に対して財政的救済を行わない政府などその存在意義を疑われてしかるべきだろう。それはもちろん被災された方々の苦境を救うために必要な絶対条件ともいえるものだ。

 具体的な政策の大枠は前回のコラム「消費減税には100兆円「余剰資金」を動員するしかない!」 で書いた通りである。消費減税を中心とする財政政策がベストであり、それをサポートする金融緩和政策が必要条件になる。金融政策の決定会合は、今週27日(水)28日(木)に迫っている。例えば、長期国債の買い取りペースを拡大し、政府が震災対策として発行する新規国債を吸収して予算をバックアップするのもいいだろう。また新規発行された「財投債」、既存の地方債や社債、さらに有力候補としては外債の買い取りによって、日本銀行のバランスシートの規模を拡大させ、緩和基調の経済を生み出していく。このような金融緩和政策を前提にして、政府は「悪しき財源論」「財政規律」論を封じこめ、より積極的な財政政策を打ち出すことが、何度も繰り返すが必要であろう。

 われわれ国民ができることは、災害を利用する増税勢力をつねに監視し、警戒を強めていくことである。彼らは甘くはない。

■田中秀臣 上武大学ビジネス情報学部教授、経済学者。1961年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。専門は日本経済思想史、日本経済論。主な著書に『経済論戦の読み方』(講談社現代新書)『デフレ不況 日本銀行の大罪』(朝日新聞出版)など多数。近著に『ご当地アイドルの経済学』(イースト新書)。

(総合オピニオンサイト iRONNA)

【私の論評】課税の平準化理論すら理解できない輩には、復興予算の議論をさせるな(゚д゚)!

地震などの、大規模自然災害のときに、その復興を増税で賄うなどは、古今東西どの国も実行したことはありません。ただし、これには一つだけ例外があります。それは、上の記事にも掲載されている復興税です。

日本は、失敗することがはっきりしている、政策を実行して、実際に大失敗しました。これは、現代史に残る、大きな大失敗です。そうして、この失敗に懲りることもなくまだ復興が十分とはいえない、平成14年4月からは、8%増税を実施してしまいました。

この増税は、未だデフレの影響からも抜けきっていないし、東日本大震災の復興途上にあった、日本において行われました。これによって、日本は失敗に懲りることもなく、さらに大失敗を繰り返したわけです。

さて、ブログ冒頭の田中秀臣氏の記事、全く正しくこれを特段論評するなどという必要もないです。

大地震を利用する増税派の悪質な手口に関しては、このブログでも、今年だけでも二回掲載しています。

一つ目は、元記事は高橋洋一によるものです。
増税勢力はこうして東日本大震災を「利用」した~あの非情なやり方を忘れてはいけない―【私の論評】財務省、政治家、メディアの総力を結集した悪辣ショック・ドクトリンに幻惑されるな(゚д゚)!
被災地にかがみこむ若い女性
この記事は、今年の3月14日に掲載したものです。その時は、熊本地震など発生しておらず、一月後に熊本であのような大地震がおこるとは予想だにしていませんでした。

この記事も掲載したように、経済学には課税の平準化理論というものがあり、例えば百年の一度の災害であれば、100年債を発行して、毎年100分の一ずつ負担するのが正しい政策です。これは、何も私の思いつきなどで語っているのではなく、標準的なまともなマクロ経済学のテキストには普通に掲載されている理論です。

無論、標準的なテキストに掲載されるのですから、長年にわたって研究され実証された理論です。古今東西において、この理論に関して、否定する人などいません。

否定するような人は、経済の本質がわかっていない人だけです。課税の平準化理論など、とくに経済学の理論として学ばなくても、常識のある人なら誰にでもすぐにりかいできます。大震災などの大規模な災害の復興に、震災の復興を賄うのに、増税などあてれば、震災が起きた時の世代が、震災による停滞に見舞われるなかで、将来世代が使うインフラまで整備しなければならなくなります。

これはとんでもない不公平です。であれば、その災害が100年に一度起きるような災害であれば、100年債で応分に以外に見舞われた世代と、その後将来世代も応分に負担するというのが、当たり前のことです。こんなことは、小学生でも理解できると思います。

これを理解できないお粗末な政治家がいます。さらには、これを本当は理解しているのでしょうが、省益などを優先する財務省などが、経済理論など無視して、災害を利用して、増税キャンペーンを実施したというのが実態でしょう。

この記事では、大震災・大津波・原発事故を利用して、増税を実施する悪辣なこのやり方を「悪辣なショック・ドクトリン」と形容しました。

ショック・ドクトリンを提唱したジャーナリストのナオミ・クライン
ショック・ドクトリンとは、「大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革(The Rise of Disaster Capitalism)」という意味で、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クライン(Naomi Klein)氏が昨年著した本のタイトルでもあります。ただし、ナオミ・クラインは、市場原理主義を主張したシカゴ学派 (経済学) のミルトン・フリードマンを批判していますが、実際にはフリードマンの考えは悪辣な政治家などが、自分たちのとんでもない政策を正当化するために、フリードマンの理論を悪用したとみるべぎです。

しかし、震災などの復興につけ込んで、復興税などを導入し、さらにその後にも増税するという二段構えの悪辣な手口は、まさにショック・ドクトリンと形容しても良いというか、悪辣さらにおいてはさらに上手と言っても良いやり口でした。だからこそ、私は復興税を「悪辣なショック・ドクトリン」と形容したのです。

もう一つは、熊本の大地震の後まもなくの、今年の4月22日に掲載したものです。
【お金は知っている】菅直人政権時の無為無策を繰り返してはいけない 増税は論外、公共投資を粛々と―【私の論評】熊本震災復興は復興税ではなく国債発行を!東日本震災復興の過ちを繰り返すな(゚д゚)!
 
この記事の元記事は、産経新聞の田村秀男氏によるもので、上のグラフも掲載されていて、東日本大震災と阪神淡路大震災を比較していました。このグラフをみても、わかるように、阪神淡路大震災のときには、公共投資が速やかに行われ、GDPの回復も速やかであったことがわかります。このときの復興は無論のこと、復興税ではなく、国債によって賄われています。これに比較して、復興税により賄われた、東日本大震災では、公共投資が速やかには行われておらず、GDPも上昇していないことがわかります。

これは、為政者の能力がどうのこうのというより、やはり、復興税が大失敗であったことを物語っています。

そうして、この記事の私の論評は、以下のように締めくくりました。
以上のようなことから、今回の熊本震災による復興は復興税ではなく国債によるべきであり、東日本震災復興の過ちを繰り返すべきではありません。 
今後の政治課題は、10%増税は見送りは当然のこととして、熊本震災復興そうして、未だ停滞している東日本大震災復興にも、国債を用いて十分な財源を確保して、一日も早く復興を成し遂げることです。
この結論、ブログ冒頭の田中秀臣氏の記事を読んで、ますます確信をもてようになりました。

熊本の震災復興に復興税を用いたり、それだけではなくさらに来年4月に10%増税してしまえば、日本経済はまたまた落ち込み、とんでもないことになります。

そんなバカ真似は断じてさせるべきではありません。復興は、国債ではなく、復興税でと考えるような政治家は、そもそも物事の基本的な仕組みがわかっておらず、本来は政治家などになべきではありませんでした。そうはいっても、選挙で候補者から選ばれているわけですから、すぐに政治家をくびにするというわけにもいきません。

しかし、経済に関して、課税の平準化理論すら理解できない政治家には、復興予算の議論をさせるべきではありません。彼らの存在が、足を引っ張り、議論を混乱させ、いたずらに危機を煽るだけになります。

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2016年5月1日日曜日

日本のアニメに怯える習近平政権 歴史観が日本に“洗脳”されてしまう!「進撃の巨人」の“排除”を指示―【私の論評】古代中国の徳や知恵の継承者は日本、現代中国ではない(゚д゚)!

日本のアニメに怯える習近平政権 歴史観が日本に“洗脳”されてしまう!「進撃の巨人」の“排除”を指示

閉幕する中国全人代に臨む(左から)習近平国家主席と李克強首相=3月16日、北京の人民大会堂

今から1800年ほど前の中国大陸で魏、呉、蜀が覇権を争った三国時代。日本でも劉備、曹操、孫権らが登場するこの時代は「三国志」として親しまれている。しかし、中国では三国時代などを題材にした日本のアニメやゲームが伝統的価値観を崩壊させてしまうとの指摘が出ている。日本のアニメやゲームの文化が中国人青年を“洗脳”し、自国の歴史への「正しい認識」をゆがめてしまうというのが彼らの主張だ。支配秩序を乱す恐れがあるという観点から中国共産党に狙い撃ちされる日本のアニメも出始めた。

■「5000年の歴史を持つ大国のメンツは!」と憤慨

 中国メディアの騰訊網は4月11日、「文化侵略?日本のアニメ・ゲームが『三国』に対する認知を破壊した」と題した記事を掲載した。記事は日本のアニメやゲーム業界で三国時代を題材にした作品が次々と出ていると指摘。「史実に基づかない多くのシーンが、中国の若者の頭に浮かぶようになった」と現状を説明したうえで、「われわれはすでに、日本のアニメ・ゲーム文化によって洗脳された世代の人間なのだ」と嘆いた。

日本のスマゲー『三国志ロワイヤル』
記事は三国時代をテーマにしたアニメやゲームとして「一騎当千」「龍狼伝」「SDガンダム三国伝」「恋姫†無双シリーズ」など取り上げ、「中国の古典名著が異邦人によって書き改められている。5000年の歴史文化を持つ大国のメンツはどこにあるのか」と憤慨してみせた。

■中国社会にすっかり浸透した日本のアニメ

 中国の古代をテーマにした日本のアニメやゲームは多く、秦の始皇帝の死による大乱から漢王朝樹立への道を描いた「項羽と劉邦」、宋の時代を舞台に宋江(そうこう)ら108人の豪傑が活躍する「水滸伝」、戦国時代にやがて秦の始皇帝となる秦王・●(=亡の下に口、下に月女迅のつくりを横に並べる)政(えいせい)と、大将軍を目指す少年・信(しん)の活躍を描く「キングダム」など枚挙にいとまがない。

中国ではテレビの普及とともに1980年代以降、日本からさまざまなアニメ番組が輸入された。「一休さん」、「ドラえもん」、「ドラゴンボール」、「聖闘士聖矢」など日本国内でもおなじみの作品を中国の子供たちは観て育ち、その作品は今はすっかり大人となった中国人の脳裏に刻み込まれている。2000年以降はインターネットで作品の配信も行われるようになり、日本のアニメやゲームは中国社会に大きな影響を与えている。

■危機感募らす習近平政権が日本アニメを“攻撃”

騰訊網が記事の中であらわにした危機感は、中国社会の中に日本のアニメやゲームの文化がすっかり根付いてしまったことを逆に裏付けるものだが、こうしたなか習近平政権は日本のアニメやゲームなどを狙い撃ちし始めている。

 昨年6月に上海で開かれ国際映画祭に合わせて日本の作品が紹介されたが、日本国内でも人気が高い「進撃の巨人」は上映できなかった。この時は、その理由が明らかにされなかったが、中国文化省は映画祭に先立って、「進撃の巨人」や「寄生獣」など38作品のリストを公表。インターネットでの配信を禁止する措置を取っており、この影響を受けたとみられている。

38作品をリスト化した表向きの理由は「未成年者の犯罪や暴力、ポルノ、テロ活動をあおる内容が含まれる」というものだが、中国政府や共産党の見解を額面通りに受け取るような人はよほどのお人好しだろう。


■「ドラえもん」にまでかみつく

を捕食する「巨人」が支配する世界で、築いた壁の内側で戦きながら暮らす人類がやがて「巨人」との戦いを決意する「進撃の巨人」は、中国共産党の支配力が着実に浸透している香港に重ね合わせることもできる。巨人=中国共産党であり、人類=香港の人々という具合に。「進撃の巨人」は世界中でファンを獲得したが、香港でも大きな反響を呼んだ。

昨年春には北京テレビが「名探偵コナン」を取り上げ、「アニメ作品の旗を掲げた、あからさまな犯罪の教科書だ」と批判。また、2014年9月には成都市共産党委員会機関紙の成都日報が「ドラえもん」にかみついた。成都日報は「ドラえもん」が2020年東京五輪招致の際に招致スペシャルアンバサダー(特別大使)に就任したことなどに触れ、「ドラえもんは国家としての価値観を輸出し、日本の文化戦略で重要な役割を果たす」と主張。むやみに親しみを持たないように呼びかけた。

これだけ中国政府や共産党が日本のアニメやゲームの文化に対して警戒感と敵愾心を示すのは「たかがアニメやゲーム」と侮れない発信力があると認識している明らかな証拠だろう。

【私の論評】古代中国の徳や知恵の継承者は日本、現代中国ではない(゚д゚)!

上の記事では、「これだけ中国政府や共産党が日本のアニメやゲームの文化に対して警戒感と敵愾心を示すのは「たかがアニメやゲーム」と侮れない発信力があると認識している明らかな証拠だろう」と結んでいます。

それでは、なぜ中国の共産党(=中国共産党)は「たかがアニメやゲーム」と侮れない発信力があると認識するのでしょうか。無論、中国のアニメやゲームと比較すれば、日本のそれのほうが、格段に優れていて、中国の人民をも惹きつけるからでしょう。

これに比較して、中国のアニメやゲームなど、日本ではほとんど見られたりとか、プレイさたりという話は聞いたことがありません。あまりの低水準のため、日本のテレビで放映されたり、ゲームがダウンロードされるということもないのだと思います。

しかし、それだけのことであれば、なぜ中国共産党(中国政府)が警戒心と敵愾心を示すのか説明がつきません。

日本であれば「たかがアニメやゲーム」であり、それをすぐに現実と結びつける人などいません。日本人は、西欧とは異なり、青年や大人もアニメを見たり、ゲームをしたりしますが、その人たちのほとんどがアニメや、ゲームの世界を現実世界とダブらせることはありません。というより、現実世界から全くかけ離れたアニメやゲームのほうが非日常的であるからこそ、面白いし楽しいのだと思います。

しかし、中国では異なるようです。上の記事では、「『進撃の巨人』について、中国共産党の支配力が着実に浸透している香港に重ね合わせることもできる」としていますが、これを最初に語ったのは、香港の芸術家・ケイシー・ウォン(黄国才)です。

黄国才氏の作品「ベンチ」 廃材を利用したものです
彼は、香港で本作が評判を生んでいる要因として、1997年まで英国植民地として「壁」に守られていた香港が、中国返還後は中国資本メディアの台頭や、中国人移民の激増という「巨人」に脅かされ、自由な空気が損なわれている、という香港の時代背景を挙げ、本作のプロットとの共通性を指摘していました。

なお2011年3月11日以降はこの作品は内容上、東日本大震災に絡めて評されることが多くなりました。『ダ・ヴィンチ』2011年6月号掲載の特集では、「作中に登場する“前に巨人に襲われてから100年経っていたため脅威を忘れていた人々”や“自分の財産を守ろうとして人々の避難を邪魔した商人”などのキャラクター、そして“巨人”そのもの。これら全てが震災前に描かれたにもかかわらず震災を連想させるものばかりであり、震災後の日本と同じく本作も巨人から世界を取り戻すという“復興”を目指す作品である」とした上で、「ますます時代に関わる重要な作品になっていくだろう」と紹介しています。

震災については作家諫山自身も映画評論家・町山智浩との対談記事にて「作品内容に影響は無い」としながらも、別のインタビュー記事では「以前の日本には閉塞感が漂っていたが、震災を境に変わってしまった。今後は目の前にある脅威に対してどうやって勝ち得るのかを描いていきたい」と述べています。

私自身は、この作品は最初から、日本の安全保障を暗喩するものであると感じていました。しかし、見方によれば、この漫画の設定は、すべてフィクションであることから、日本以外の国でもあてはまるといえば、当てはまるので、無論香港に当てはめることもできるし、他のどのような国にも当てはめて考えることもできるわけです。

この作品は、それだけスケールの多い作品だということです。日本のアニメや、ゲームなど大人が見たり、プレイすることも念頭に入れて作られているので、大人を飽きせないためでしょうが、かなりスケール大きな内容のものが多いです。

その中には、人類としての普遍的な価値観を含むものもあります。この人類の普遍的価値観の中には、中国の最高統治機関である中国共産党にはなじまないものもあります。

そうして、なぜ中国共産党がこれに、警戒感と敵愾心を示すかといえば、やはり中国共産党の統治の正当性が脆弱であるということです。

どの時代のどの為政者も、特定の地域を長期間にわたって統治できるのは、統治の正当性があるからです。しかし、中国共産党は日本政府と比較すれば、統治の正当性がかなり脆弱です。

彼らは、昨年抗日70年記念軍事パレードを挙行しましたが、これ自体が中国共産党の統治の正当性の脆弱性をものがっています。そもそも、中国共産党は日本と直接戦争や、戦闘などしたことがありません。小さな小競り合いなど程度ならあったかもしれませんが、まともに戦ったことはありません。

日本が大東亜戦争時に戦ったのは、中華民国であり、今日の中華人民共和国は建国すらされていませんでした。中華人民共和国が成立したのは、1949年であり、大東亜戦争が終了してから4年後のことです。

彼らが戦ったのは、日本軍ではなく、中華民国の国民党軍です。そうして、中国共産党は、国民党軍に勝利をおさめ、彼らを台湾に追いやり、その結果中華人民共和国が建国されたのです。

にもかかわらず、中国共産党が抗日記念軍事パレードを行うのには、それなりの理由があります。その理由とは、中華民国と戦ったこと自体は、同じ国の同胞同士が戦った単なる内乱・内紛であり、それに勝利した事だけでは、中国共産党の統治の正当性を主張できないからです。

なぜ主張できないかといえば、中国共産党は、現状の中国版図を軍事力で奪いとったのであり、そこには、多くの人民の同意も何もなく強制的に中華人民共和国を建国したからです。そもそも、現中国では、建国前後も、その後にも選挙など一度も行われておらず、建国以来毎年平均2万件もの暴動が起こったとされています。さらに、2010年あたりからは、毎年平均10万件の暴動が発生しているといわれています。

昨年5月に発生した四川省での大規模な暴動
中国共産党に統治の正当性があるというのなら、これだけの毎年これだけの暴動が発生するはずもありません。日本でも、過去の暴動がなかったとはいいませんが、近年は滅多にみられなくなりましたし、そもそも、日本政府は選挙という民主的手続きで選ばれた政治家が構成するということで、それで政府の統治の正当性は十分主張できます。

そもそも、中国共産党の統治の正当性があまりに脆弱であるため、中国共産党は、日本製のアニメや、ゲームでさえ、それを脅かす存在として、怯えるのです。

これに対して、日本の政府は国内においては、中国共産党などよりははるかに、統治の正当性があるので、中国文化などを恐たりはしないのです。それは、過去においてもそうで、過去においても、古代中国の考え方など取り入れて、自分たちの血と肉として、さらに統治の正当性を高めていって、今日に至っているのです。

中国の過去の歴史は、大帝国を築いても、結局分裂し、また新たな帝国ができるのですが、過去の帝国とは全く分断され、文化や伝統など継承しませんでした。過去の中国は、何の反省もなく、それを繰り返しました。

そうして、今日の中国も同じことであり、過去とは断絶しています。古代中国と現代中国は全く別物です。だから「5000年の歴史文化を持つ大国のメンツ」などというのは、まさに噴飯物です。

現代中国は、文化大革命で、過去の中国の知恵からは完璧に断絶されました。文化大革命(プロレタリア文化大革命とも呼ばれる。簡体字:无产阶级文化大革命 繁体字:無產階級文化大革命)、通称文化大革命(ぶんかだいかくめい)は、中華人民共和国で1966年から1976年まで(終結宣言は1977年)続いた、社会的騒乱です。略称は文革(ぶんかく)。

名目は「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」という政治・社会・思想・文化の改革運動でした。しかし実際は、大躍進政策の失敗によって政権中枢から退いた毛沢東共産党主席が自身の復権を画策し、民衆を扇動して政敵を攻撃させ失脚に追い込むための、中国共産党の権力闘争でした。

これにより1億人近くが何らかの損害を被り、国内の大混乱と経済の深刻な停滞をもたらしました。

この文革、ハチャメチャな権力闘争であり、その中でも、1973年8月から1976年まで続いた「批林批孔運動」は酷いものでした。その内容は、林彪と孔子及び儒教を否定し、罵倒する運動でした。

幼少の頃に文化大革命に遭遇し、後に日本に帰化した石平氏は、「この結果、中国では論語の心や儒教の精神は無残に破壊され、世界で屈指の拝金主義が跋扈するようになった」と批判しています。

中国では、文化財などの保存もいい加減であり、とても、過去の先達の知恵を継承しようなどという考えがあるとは思えません。

古代中国の知恵を自分たちの血とし、肉として、それを現代に至るまで継承してきたということでは、日本のほうが現代中国よりも、古代中国の知恵の継承者として、数段上にあると言っても良いくらいです。誰でも、一度は漢文に接したことがあることでしょうし、習字をしたこともあると思います。さらに、私達の生活習慣の中にも、古代中国の知恵や文化が息づいています。


これに関しては、上の写真を見ても理解できます。上は、日本の安倍総理による習字と、習近平のものを対比したものです。

これを見ても、どちらが古代中国の文化や知恵、徳の継承者であるか良く理解できます。そうは、言っても、日本でもとても古代中国の文化を継承しているとは思えない人もいます。それは、以下の写真をご覧いただければ、おわかりいただけるものと思います。


このような例外は、除いて、普通の日本人なら、古代中国の徳や、知恵が体に染み付いています。日本のアニメや、ゲームも作者は意識していなくてもそうなので、それが意識しなくても、作品に現れてしまうのです。それを中国共産党は、自分たちの統治の正当性を脅かすものとして、警戒感と敵愾心を示すのです。

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2016年4月30日土曜日

スカボロー礁で“米中軍事衝突”懸念 中国艦船が周辺で測量 米国防長官指摘―【私の論評】日米はいつ実行動を起こすのか?その時を定めておくべき(゚д゚)!

スカボロー礁で“米中軍事衝突”懸念 中国艦船が周辺で測量 米国防長官指摘

カーター米国防長官
 米軍が南シナ海で、中国への軍事的圧力を強めている。米海軍の事実上の拠点であるフィリピン・スービック湾に近く、領有権問題があるスカボロー礁(中国名・黄岩島)で中国が測量を始めるなど、軍事基地化の構えを見せているからだ。米軍はA10攻撃機などを連日のように警戒監視させている。米中が軍事衝突する可能性が出てきた。

「非常に深刻に受け止めている。(埋め立てと軍事拠点化は)軍事衝突を引き起こし得る」「そうした懸念があるため、われわれはフィリピンと取り組み、軍事施設を構築し態勢を強化するようにしている」

カーター米国防長官は28日、上院軍事委員会の公聴会で、中国がスカボロー礁を埋め立てる可能性について、強い懸念を示した。

スカボロー礁はフィリピン北部ルソン島の約200キロ西にあり、中国が実効支配している岩礁や人工島の中で、米軍が利用している旧米海軍基地のスービック湾や、クラーク旧米空軍基地などに最も近い。

スカボロー礁 ランドサットから撮影
 米海軍のジョン・リチャードソン作戦部長は今年3月、中国艦船が同礁周辺で測量を行っていることを指摘し、「新たな人工島を造成するための埋め立ての前兆だ」とみていることを明らかにした。

中国の挑発行為を黙ってみている米軍ではない。

米太平洋空軍は29日までに、スカボロー礁近くの上空を、今月19日から21日にかけて米軍のA10攻撃機(サンダーボルトII)4機と、HH60救難ヘリ2機が警戒監視のため飛行したと発表した。A10は米軍が「航行の自由」作戦を実施している地域での軍事力補強のためで、数週間、同様の飛行を続ける。

A10は冷戦時代、ソ連軍機甲部隊を食い止めるべく開発された対地攻撃専用機で、「最強の地上攻撃機」と呼ばれる。湾岸戦争などで大活躍した。中国の測量・埋め立てへの強烈な牽制になるとみられる。

米軍のA10攻撃機

これに対し、中国国防省の呉謙報道官は28日の定例記者会見で、「中国に対する政治的、軍事的な挑発であり、不測の事態を招きやすく危険だ。海空で監視を続け必要な措置を取る」と批判した。

オバマ米大統領の残り任期が来年1月に迫るなか、中国は「軍事的衝突を避ける傾向があるオバマ氏のうちに、南シナ海の支配力を強化する」と考えているフシがある。

史上最強の米軍としては、これ以上、中国に好き勝手させるわけにはいかず、「関係国やアジア太平洋地域の安定化に向けて、公海での航行や公海上空の飛行の安全性を促進する」(米太平洋空軍)としている。

【私の論評】日米はいつ実行動を起こすのか?その時を定めておくべき(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事に出てきた、A10 サンダーボルトⅡの性能などについては以下の動画をご覧ください。


この動画をご覧いただければ、A10は地上攻撃に特化した航空機であり、さらに現状では最強の地上攻撃機であることがわかります。

この航空機の持つ特性から、これだけでスカポロー礁の攻撃を行うことはできないかもしれませんが、他の航空機やミサイルなどによりピンポイントで、中国側の地対空ミサイルなどを破壊し終わった後で、地上の戦車や兵舎や滑走路などの施設を破壊するには、最も効果的な兵器であることが理解できると思います。

これが、スカボロー礁の近くを4機も警戒監視のため飛行したというのですから、中国側としては、かなり神経を尖らしたものと思います。

それにしても、中国側としてはいくら米国がこのような示威行動を行ったにしても、所詮示威行動に過ぎず、実力行使はしないであろうと踏んでいると思います。

南シナ海の中国の暴挙については、数年前からマスコミなどでも報道するようになりましたが、中国南シナ海への進出は1980年代から始まっていました。すでに、20年以上もの歴史があります。

今から22年前の、1994年にフィリピンが実効支配していたミスチーフ礁(中国名: 美済礁)を中国が占拠して建造物を構築したいたことを、1995年2月フィリピン政府が公表しました。

以下に動画と写真で、その歴史の一部を掲載します。

「無から有へ」。占領当初のファイアリー・クロス礁。これが今はとんでもない規模に!

中国によるベトナム侵略の証拠
環礁上の構築物も当初はこの程度の掘っ立て小屋にすぎなかったのだが・・
そんなに前から徐々に進出して、最近では大規模な埋め立てを行い、滑走路まで構築するようになったわけですから、中国側としては、南シナ海の環礁をすでに長期にわたって実効支配しており、もう自分たちの領土のように思っています。

さらに、この間この海域では、かつての中ソ国境紛争のような大掛かりな紛争や、中ロ国境紛争で屈辱的な敗北を味合わされ、ロシアに一方的な譲歩をしたということもなく、周辺諸国も、米国も結局は中国に対して実力行使もしてきませんでした。

だから、中国側としては、米国も周辺諸国も自分たちの行動を認めてきたと判断していると思います。残念ながら周辺諸国は、中国から比較すると軍事的にあまりに非力で、中国の意図をくじくこともできませんでした。

しかし、過去のいずれかの時点で、米国は、中ソ国境紛争のように本格的に中国に対峙すべきでした。


中国側は、上記の九段線が中国の領海であると主張しています。しかし、この九段線は、そもそもが中華人未共和国の、国民党軍の高官が酔っ払ったときに、これが中国の領海だとしたとルトワックの著書『中国4.0』に掲載されています。

そもそも、中国が南シナ海の九段線が自分たちの領海であると主張する根拠はこれだけであり、何の根拠もありません。

そこを20年以上にわたって執拗に自分たちの領海であると主張し続け、今日に至っているのですから、今後も中国はこの路線を継続すると考えるべきです。

だとすれば、これはどこかで止めなければ、中国はどこまでも突き進むのは、必定です。

もうすでに、中国は環礁に滑走路まで構築し、完璧に軍事基地化しています。このまま放置しておけば、中国の軍事基地はさらに増強されることになります。

そうして、その果てにあるのは、尖閣諸島を奪取して、これも軍事基地化することです。その後には、沖縄奪取、それがすめば、第一列島線、第二列島線までの進出です。

それが完成すれば、日本奪取です。その後は、ハワイより西側を自分達の領域にする腹です。過去の中国の動きからして、彼らはこれを何年かかってもやり遂げる腹です。


2014年には、上の地図が、「中国2050年の国家戦略地図」がネット上で話題になっていました。これは、中国外務省から流出されたとの噂がありました。この地図です台湾や朝鮮半島、インド、ベトナム、日本までもが中国の領土として記載されていました。

更にはインドネシアやオーストラリアも中国と同じ色になっており、アジア太平洋地域が全て中国の物となってしまっています。

ネット上では「誇大妄想」などと言われていますが、実はこの計画を示唆する言葉が中国の軍関係者から飛び出ています。数年前に米太平洋軍司令官(海軍大将)のキーティングは、議会証言で中国軍幹部からある「提案」を受けたことを明らかにしました。

それによると、2008年に中国軍幹部が「太平洋のハワイから東部を米国が、西部を中国が取るというのはどうか」という提案をアメリカ海軍大将に持ち掛けたとのことです。更にはその2年前にも胡錦濤国家主席が軍会議で、「中国は海洋大国である」と宣言し、「海洋権益を擁護するために強力な海軍が必要だ」と述べました。

その後、中国は南シナ海に面した場所で続々と大型の軍艦が入港できる海軍基地の建設を開始しました。2014年には、ベトナムの漁船と中国海軍がぶつかっていましたが、これもその計画の延長線上で発生した事です。

ただし、この地図はどうも中国が作成したものとは思えません。そもそも、中国語表記におかしなところがありまます。さらに、周辺諸国が全部中国の植民地になっているにもかかわらず、パキスタンやミャンマーが独立を維持しているというのが解せません。

他にも、辻褄の合わないところがあります。中華人民共和国が計画的な移民浸透作戦を繰り広げているアフリカが領土化されていません。中華人民共和国よりも人口が多くなっているであろうインドが領土化されています。大中華構想”の北限目標である“悲願のバイカル湖”が領土化されていない

中国共産党というか、漢族から見た中華思想による他地域の統治は以下のようなものです。

かつて漢族に朝貢外交していた地域は全部、漢族のものである。しかし、漢族が大多数を占めてないと不安なので、人口の多い異民族地域は領土にしないし、異民族が多数を占めることを避ける傾向があります。

現在でも、その傾向はひきつがれていて、モンゴル族、ウイグル族、チベット族などの異民族とは、直接関わりたくないので自治権を与えて懐柔するという政策をとっています。

漢民族は、もともとそういうヘタレなので、漢族は大帝国を築いたとしても、結局は人口の少ない側にいつも歴史的大敗を喫するということを繰り返しました。

この地図だと、漢族の人口よりも異民族の人口がはるかに多いことになります。この地図はどうも、漢族が作成したものとは思えません。

結論から言えば「これは中国語が多少解るパキスタン人等が作成したいたずらに過ぎないと私は思います。そもそも、漢族がこのような大帝国をつくり、すべてを自分の直轄にするなどということは考えられません。過去において、現在の中国も含む最大の版図をつくりあげたのは、漢族ではありません。それは、モンゴルです。

東は日本海から西は地中海に至る史上最大の帝国”モンゴル帝国”
しかし、そうは言っても、このような地図が作成され、ネットで話題になったのは、中国の高官による、「太平洋のハワイから東部を米国が、西部を中国が取るというのはどうか」という発言もあったからでしょう。

私自身は、この高官の発言は、漢族のセンスから言っても、ハワイから西部を中国が取るというのは、何もすべてを領土にするというのではなくて、中国の覇権の及ぶ範囲にしたいという意味だと思います。

現在のアメリカはオバマが「世界の警察官」をやめたとはいいながらも、何か重大な事態が発生すれば、ロシアや中国等の覇権の及ぶ国々以外のところには、今でも軍隊を派遣できます。

それと同じように、中国の軍艦部の発言は、中国も将来はハワイより西側および、アジア一帯を自らの覇権の及ぶ範囲として、何かがあれば、軍隊を派遣できるようにしたいということを意味していたのだと思います。要するに、世界を半分にして、米中の二国間体制を築きたいという、意図の表明です。これに関しては、習近平も会談でオバマに提案しましたが、無論にべもなくオバマに断られていました。

オバマ・習近平会談
このようなことは、米国にとっては、無論のこと日本としても絶対に許すことはできません。

過去の失敗は、悔いてもしかたありません。どこかで、中国のこの動きは完璧に封じ込めなければなりません。

米国としては、上記のような順序で中国が海洋進出をはかることははっきりわかっているわけですが、いずれかの段階に来たときに、反撃を加えることを予め計画しておき、その時がきたらそれを実行するようにすべきです。

既に、示威行動だけで済むような状況ではないことは、明らかです。日本としては、少なくとも自らの領海と、領空は守り切ること、そうしてできれば、南シナ海での哨戒活動にも協力できる体制を整えるべきです。

特に東シナ海でも、領海の侵犯をしたり、尖閣を奪取しようとしたときには、具体的にどのような状況になったら実力行使をするのか、今から定めておくべきです。

そうしなければ、中国は、覇権主義をさらに拡大させ、とどまるところを知らなくなることは明らかです。

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2016年4月29日金曜日

野党共闘で無党派層が存在感 本格景気対策なければ与党は参院選苦戦免れず ―【私の論評】経済対策でサプライズを打ち出せば与党は選挙で快勝(゚д゚)!


衆院北海道5区補選で当選を決め、自民党の故町村信孝前衆院議長の
写真を手に笑顔を見せる和田義明氏。左は町村氏の娘で妻の直子さん
=24日夜、札幌市厚別区

衆院北海道5区の補欠選挙で勝利した自民党新人の和田義明氏=公明、日本のこころ推薦=は13万5842票、得票率52・38%、敗れた無所属新人の池田真紀氏=民進、共産、社民、生活推薦=は12万3517票、得票率47・62%だった。

北海道5区の補選は、町村信孝前衆院議長の死去に伴うもので、町村氏の娘婿の和田氏が優勢とみられていた。しかし、共産党が候補を取り下げて民進党と共闘したため、池田氏との間で、自民・公明党と民進・共産の対決となった。

同選挙区は、2009年を除いて町村氏が多選されてきたが、得票率は50%を少し上回る程度で、これまでも野党が統一候補にしていれば、常に接戦だったはずだ。例えば、14年12月の衆院選では、今回の補選とほぼ同じ投票率53・43%で、町村氏は13万1394票、得票率50・9%。民主と共産の票数を合わせて12万6198票、得票率49・1%と「僅差」だった。

今回のNHKによる出口調査が興味深い。政党支持率は、自民44%、民進20%、公明5%、共産5%などで、支持する政党のない、いわゆる無党派層は24%だった。

和田氏は、自民支持層の90%余り、公明支持層の90%台前半、無党派層の30%余りの支持ということで、今回の得票率をほぼ完璧に説明できる。

北海道5区の過去の選挙では、投票率が高くなると、町村氏の得票率が低下する傾向が弱いながらもあった。今回の選挙でも、もっと投票率が高ければ、無党派層の野党支持が増えて、結果はどうなっていたのかわからない。

自民・公明と民進・共産の対決の構図は結局、政権運営の評価になる。この意味で、今の政権運営がよければ与党有利、まずければ野党有利という当たり前の話になる。政権運営に敏感に反応する無党派層の動向が選挙結果を握るカギになることもしばしばだ。

与党が政権運営に失敗すると、それを批判する無党派層が投票に行き、与党候補が敗れるという構図が浮かび上がってくる。特に、野党が共闘した場合には、影響が大きく出ることになるだろう。

補選直前にあった熊本地震では、政府の対応も素早かったので、政権運営についてプラスの評価だったはずだ。それにもかかわらず、北海道5区の無党派層のうち3割しか、自民公認候補の和田氏に支持が集まらなかったことは、同党関係者から見ればショックであろう。

それでも、和田氏は前回の町村氏から4448票増やし、池田氏は前回の民主・共産の合計から2681票減らしており、町村氏の“弔い合戦”に臨んだ和田氏に票が流れた面もあるともいえるだろう。

出口調査によると、最重要視された政策課題は景気対策だった。熊本地震の補正予算のほかに、しっかりした景気対策を打たなければ、政権運営の評価は高まらないだろう。5月の伊勢志摩サミット後に本格的な景気対策が出てこない場合、7月の参院選で与党は苦しくなるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】経済対策でサプライズを打ち出せば与党は選挙で快勝(゚д゚)!

さて、この野党共闘ですが、その背後にはかつて、「選挙のプロ」とか「選挙の神様」と言われていた、小沢一郎氏の目論見があります。

国民連合政府構想を説明する党首会談に臨んだ共産党の志位和夫委員長(右)と
生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表=2015年9月28日午後、国会内
共産党の志位和夫委員長と生活の党の小沢一郎共同代表は先月下旬発売の月刊誌「世界」別冊(岩波書店)で対談し、夏の参院選や取り沙汰される「衆参同日選」に向け、野党共闘をさらに本格化させる必要性を確認しました。関係者が先月20日明らかにしました。

小沢氏は、参院選の改選1人区で独自候補を取り下げるなど、野党共闘を優先する共産党の判断が「日本の歴史を変えるきっかけになる」と称賛。同時に「共産党とは組めないとか、小沢は嫌いだと言っているようでは、安倍(晋三首相)さんになめられる。その他の野党の器量の問題だ」として、民進党などを念頭に、協力強化を促しました。

「野党がバラバラで選挙を戦っても自民党には勝てない」が持論の小沢氏は、衆参わずか5人のミニ政党(生活の党と山本太郎となかまたち)の共同代表で「もはや小沢の時代ではない」(自民党ベテラン)と見られながら、再び野党共闘のキーマンに浮上したといえます。

最近までの野党の動きを見ていると、失礼ながら本当に選挙で勝つつもりがあるのだろうかという体たらくでしたが、小沢氏の目論見によって、野党共闘が実現し、なにやら、それなりの動きになった観があります。

この野党共闘ですが、共闘するにおいて、各党で一致するのは、与党の安保法制に対する反対だけです。安保に関しても、民進党内では意見が別れるところもありますが、党としては、安保反対という姿勢で、共闘しています。結局のところ、安保以外では「反自民・反安倍」というだけで一致しているということです。

今年の2月民社党大会に異例の5党結集。5党幹部は壇上で手をつなぎ連携を訴えた。
このようなことから、野党共闘を野合と批判する人もいて私もそう思いますが、それでも北海道5区補選の結果からもわかるように、実際に無党派層の7割を惹きつけているわけですから、これは、侮るわけにはいきません。

次の参院選でも、無党派層の動きにかなり左右されることになります。そうして、その無党派層を与党が取り込むには、政府の景気対策ということになります。

では、景気対策として望ましいのはどのような政策かという話になりますが、それに関しては、以前のこのブログにも何度か掲載しています。それを掲載してある、記事のリンクを以下に掲載します。
中国ではリーマン級の危機 消費増税“強行”なら取り返しがつかない―【私の論評】10%増税で財務省は天国!国民は夢と希望を捨て、若者は、進学、就職、結婚を諦めよ(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では政府が行うべき経済対策として以下を掲載しました。
1.追加緩和
2%の物価目標も達成がなかなかできていないのですから、追加金融緩和を行い。これを達成する速度をはやめるべきです。イギリスの事例をみてもわかるように物価目標をいっとき4%程度にしても、ハイパーインフレになる可能性はありません。2%などと悠長なこと言っていないで、言っとき4%にするべきと思います。 
2.増税延期or凍結 
これは、上記で述べたように絶対に増税などすべきではありません。増税は、緊縮財政の手法であり、本来景気が加熱して、ハイパーインフレなどになりそうなときに行う手段であり、デフレから脱却するときに行う政策ではありません。デフレからの完全脱却を目指すなら、減税や給付金などの積極財政を行うべきです。 
3.20兆円ぐらいの大型補正予算 
日本には、未だ、10兆円のデフレギャプがあります。これを埋めるためには、補正予算3兆円など、焼け石に水です。最低でも10兆円、できれは20兆円の補正予算を組むべぎです。日本にはその能力があります。実際、特別会計には、為替特別会計など、円安の現状では、必要のないお金が天文学的に積み上げせられています。これで、20兆円など簡単に捻出できます。ただし、政治決断が必要。今回のリーマン・ショック級の危機はこれらを実行するために、良い口実になると思います。安倍総理は、これを口実に努力していただき、上記のような政策を実行していただきたいものです。
この記事は、今年の1月20日のものです。そのときは、熊本の地震が発生していませんでしたし、予想もつきませんでした。中国の景気がかなり停滞して、世界的に悪い影響を及ぼすことはもうはっきりしています。さらに、熊本の地震ですから、これは当然のことながら、何か政府としてサプライズがなければ、無党派層の有権者を惹きつけることはできません。

10%の消費増税を延期したり凍結するのは、もう当たり前です。諸費税の見送りは、2014年の衆院選でも実施した手であり、もはや目新しいものではなく、これではサプライズにはなりません。

サプライズを起こすとすれば、8%増税で失敗しているのですから、5%に減税するなどのことてもしなければ、決してサプライズにはなりません。

とにかく、上であげた3つの政策は当たり前に実施して、さらに消費税を5%に戻すくらいのことをしなければ、サプライズにはなりません。

考えてみると、安倍自民党政権が成立したときのことを考えると、やはり、金融緩和、積極財政、成長戦略を打ち出したことが大きなサプライズとなり、市場関係者もこれを好感して、安倍政権成立前から、株価が上昇しました。

夏の参院選、そうして同時選挙になるかどうかは、まだわかりませんが、次の衆院選でも、伊勢志摩サミット時か、その後に何かのサプライズを打ち出さなければ、与党は選挙で苦戦を強いられるのは確かなようです。

ただし、その逆も真ということです。2012年衆院選挙で、自民公明が大勝したときのように、経済対策でサプライズを打ち出せば、「反自民」だけで一致する野党共闘なども有名無実となり、大勝できます。

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