2020年12月7日月曜日

はやぶさ2、カプセルからガス回収 試料採取は成功か―【私の論評】海洋だけではなく、「はやぶさ2」軍事転用で宇宙でも劣勢となる中国(゚д゚)!

はやぶさ2、カプセルからガス回収 試料採取は成功か


光跡を引っ張りながら地球に帰還する「はやぶさ2」の試料カプセル=6日未明

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、探査機「はやぶさ2」がオーストラリア南部の砂漠に着陸させた小惑星リュウグウの試料が入ったとみられるカプセルから、ガスを回収したと発表した。岩石の破片などの試料から生じた可能性があり、リュウグウでの試料採取が成功した公算が大きくなった。 

 JAXAの現地チームが日本時間7日午前、カプセルに針状の装置を刺して回収した。簡易分析を行ったが、ガスの量や成分は明らかにしていない。岩石の破片などが入っているかどうかも公表していない。

  リュウグウは約46億年前に太陽系が誕生した頃、惑星に成長できなかった小天体の残骸で、生命をつくる材料である有機物や水を多く含むとみられる。有機物はガスを発生させるため、生命の成り立ちの解明につながる有機物が採取できた可能性も高まった。

  カプセルは7日夜、チャーター機でオーストラリアを出発、8日に相模原市のJAXA宇宙科学研究所に到着する。その後は地球の大気に触れない厳重な密閉装置内で開封し、試料の有無を確認。入っていれば現地で採取したガスとともに詳細な分析を行う。

【私の論評】海洋だけではなく、「はやぶさ2」軍事転用で宇宙でも劣勢となる中国(゚д゚)!

昨日は、海上自衛隊は南シナ海からインド洋にかけての海域で行っている訓練に、潜水艦を追加で参加させると発表したのは、なぜかということを掲載しましたが、結論からいえば、海洋戦術・戦略においては、中国は日米に到底及ばないことを誇示するためというものでした。

この記事の案内をtwitterに掲載したところ、西村幸祐氏にも引用され、多くの人に反響があったようです。そのせいでしょうか、普段よりも倍以上の方々にこの記事を読んでいたたげたようです。中国に対する日米の優勢に関しては、ほとんど一般には報道されていないので、日米はすぐにも中国に負けてとんてもないことになると悲観する方も多いのではないでしょうか。

そんなことはありません。海洋でも宇宙でも、日米は犠牲を出さずに中国を阻止することができます。

さて、本日は「はやぶさ2」について書きますが、これについては他のサイトでも様々な解説がされているので、「はやぶさ2」そのものについてはそちらをあたっていただきたいです。このブログは「はやぶさ2」に用いられている技術のうち軍事転用できるものについて解説します。

「はやぶさ2」はミッションンを遂行する上で、以下の7つの世界初を成し遂げています。



これらの世界初はどれも素晴らしく、何らかの形で軍事転用できるものと思います。この中で特に私が着目したのは、「4.人口クレーターづくりとその詳細観測」です。

これは、直径10メートルの人工クレーターを開けて地下の物質をさらけ出して星のかけらを採取したことです。

「はやぶさ2」は2019年4月、小惑星「リュウグウ」に衝突装置「インパクタ」から発射した金属の塊を衝突させて、世界初となる人工クレーターをつくることに成功しました。

以下に「はやぶさ2」衝突装置「インパクタ」を発射下際の爆点の様子の動画を掲載します。


そうして、上空から撮影した画像を詳しく分析した結果、クレーターの大きさは直径は10メートル余り、深さは2メートルから3メートル程度あることが分かったと、5月9日に発表しました。

クレーターから少し離れた場所には、衝突装置の破片が飛び散ってできたと見られる直径1メートル前後の小さなクレーターも10個程度見つかったということです。

衝突体の詳細のスペックがJAXAから公示されています。それを以下に掲載します。


こで、注目は炸薬や薬莢などの付属部ではなく、目標に衝突して破壊力を生む弾頭部に相当する衝突体の重量は2kgとなっています。

弾頭2kgは105mm戦車砲の徹甲弾の一つ、105mm離脱装弾筒付翼安定徹甲弾M735の弾芯重量2.18kgに匹敵します。大きく注目すべきは、2km/s(2000m/s)という弾速です。

機関砲、戦車砲、艦砲は弾速は1000m/sくらいで頭打ちになっています。これは、火薬の性能、砲身や砲弾の強度、摩擦や空気抵抗など物理的制約を受けます。特に高性能とされている戦車砲のラインメタル 120 mm L44で、弾速は1700m/s。はやぶさ2の2000m/sは火薬を使った砲では最高レベルの夢のスペックだと言えるでしょう。(自衛隊の最新の10式戦車の弾速は2000m/sに達しているという噂もあります)

2kgの弾頭は74式戦車や開発中の機動戦闘車の主砲の105mm砲の水準で、西側諸国の主力戦車の多くに採用されているラインメタル 120 mm L44の砲弾に比べると小さいものですが、実体弾が持つエネルギー(破壊力)は重量には正比例、速度には二乗に比例する事から、最新の戦車並みの威力だと言えるでしょうか。

装甲を貫く砲弾と、岩石を砕く衝突体の威力を単純比較するのは難しいですが、西側諸国の主力戦車の戦車砲をしのぎ、世界最高の10式戦車の砲に相当する弾速を、惑星間探査機に搭載するのは驚異的技術です。これは、国際宇宙ステーションをも一撃で粉砕できます。小さな衛星も一撃できます。

10式戦車

「はやぶさ2」は兵器ではなく、科学探査機です。しかし、非常に強力な砲を正確に撃ちだす機能を持ち、軍事衛星や弾道弾の破壊といった軍事転用への可能性は否定できません。

事実国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が幕張メッセで昨秋開かれた「防衛・セキュリティ総合展示会 DEFENCE & SECURITY EQUIPMENT INTERNATIONAL (DSEI) JAPAN 2019」の協賛団体となり、会場に陸域観測技術衛星「だいち2号」を展示しました。JAXAは昨年6月に同じく幕張メッセで開催された「防衛装備技術国際会議/展示会 MAST Asia 2019」にも出展しています。

「はやぶさ」が成功させた、再突入カプセルの目標への正確な着陸とサンプルの回収は、弾道ミサイルの弾頭設計と誘導技術そのものであり、同様に潜在的な軍事技術です。

さらに米国をはじめ世界中の国々が喉から手が出るほど欲しがっている「はやぶさ」の潜在的軍事技術もあります。それは、イオンエンジンです。

はやぶさの長距離長時間の航行を実現した基幹技術です。推力はロケットエンジンに比べると非常に小さいですが、長距離長時間の航行を実現したように、燃料の消費量が非常に小さく長期間の運転が可能になります。

小推力を長時間維持するイオンエンジンは、上層大気の空気抵抗を受ける低高度のスパイ衛星の軌道高度と速度の維持に最適であり、現在は非常に短い衛星の寿命を飛躍的に向上する事が可能になります。

高度な技術の擦り合わせと、品質と性能の極限の追求、少量生産や受注生産が前提となる、宇宙航空、軍事技術は日本の製造業の躍進の余地が大きな分野です。

現実にも、国産の対潜哨戒機(P-2)と輸送機(C-2)、H2Bロケット、イプシロンロケット、HTV(こうのとり)、10式戦車など、比較的低予算での開発と実用化が成功しています。
基幹技術であるロケットエンジンの米国への供給も検討されています。

停滞している日本の製造業は、実は世界最強となる潜在力を持っています。そうして、その製造業を有する日本は、軍事的にも大きな潜在能力を持っていることは明らかです。

民生技術を軍事に転用することを悪いようにいう、左巻きの人たちもいますが、世界で中国共産党が傍若無人に振る舞っている現状では、当然のことと思います。民生技術でも、何でも、中国共産党の宇宙空間での野望を阻止するためには、何で使うべきです。

そうして、中国はさらに宇宙でも劣勢になることが予想されます。昨日は、このブログで海洋戦術・戦略においては、陸上国中国は海上国日米に到底及ばないことを解説しました。

海洋国にもなりきれていない中国が、宇宙に軍事的な進出をしたとしても、うまくはいかないようです。それにしても、膨大な投資が必要です。いまのままだと、中国はかつてのソ連のように、軍拡・宇宙開発競争で疲弊し米国に負けて疲弊し崩壊したように、崩壊への道を真っ直ぐに進むことになるでしょう。

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