菅総理 |
欧州連合(EU)が、中国に決然とした姿勢を示した。中国当局によるウイグル族への人権弾圧をめぐる制裁合戦が続くなか、欧州議会は20日、EUと中国が昨年12月に合意した投資協定について、批准手続きを凍結する決議を圧倒的多数で採択したのだ。ジョー・バイデン米政権とともに、「人権問題では譲歩しない」という覚悟を固めたといえる。英国での先進7カ国(G7)首脳会談が来月に迫るなか、今後、アジアの自由主義大国である日本の姿勢が問われる。新進気鋭の政治学者、岩田温氏は、日本の政財官界に残る「政冷経熱」の終焉(しゅうえん)に迫った。
「政冷経熱」との造語がもてはやされた時期があった。日本と中国は政治的には冷めた関係だが、経済的には熱い関係にあるとの意味で用いられてきた。「政治的には問題を抱えた2カ国だが、経済的には極めて友好的な関係を維持したい」という日本人の意識を端的に表した言葉だったといってよい。
だが近年、「政冷経熱」なる言葉の空疎さが明らかになりつつある。
ドナルド・トランプ前米政権の末期、マイク・ポンペオ国務長官(当時)は、習近平国家主席率いる中国における新疆ウイグル自治区の人権状況を「ジェノサイド」と厳しく非難した。「ジェノサイド」とは20世紀に、ポーランド系ユダヤ人の弁護士、ラファエル・レムキンが「占領されたヨーロッパの枢軸国支配」において提唱した概念で、「一民族の抹殺」を意味する非常に強い言葉だ。
バイデン政権の、アントニー・ブリンケン国務長官も、こうした基本的な考え方を継承することを明らかにしていた。人権問題に関して中国に強い姿勢で臨むとの態度の表れだ。
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「政冷経熱」との造語がもてはやされた時期があった。日本と中国は政治的には冷めた関係だが、経済的には熱い関係にあるとの意味で用いられてきた。「政治的には問題を抱えた2カ国だが、経済的には極めて友好的な関係を維持したい」という日本人の意識を端的に表した言葉だったといってよい。
だが近年、「政冷経熱」なる言葉の空疎さが明らかになりつつある。
ドナルド・トランプ前米政権の末期、マイク・ポンペオ国務長官(当時)は、習近平国家主席率いる中国における新疆ウイグル自治区の人権状況を「ジェノサイド」と厳しく非難した。「ジェノサイド」とは20世紀に、ポーランド系ユダヤ人の弁護士、ラファエル・レムキンが「占領されたヨーロッパの枢軸国支配」において提唱した概念で、「一民族の抹殺」を意味する非常に強い言葉だ。
バイデン政権の、アントニー・ブリンケン国務長官も、こうした基本的な考え方を継承することを明らかにしていた。人権問題に関して中国に強い姿勢で臨むとの態度の表れだ。
沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題があろうとも、深刻な人権弾圧の問題があろうとも、「政治は政治であり、基本的に経済とは関わりのない問題である」との立場を取ってきた。
習近平 |
しかし、今回の米国によるユニクロ製品の輸入禁止措置で、「人権問題では中国と妥協しない」という米国の姿勢が明らかとなった。中国国内の人権問題という政治的問題が、日本企業の経済的問題につながったのだ。EU議会も「対中投資協定の批准凍結」という姿勢を示した。政治と経済とは無関係ではあり得ないことが示されたといっても過言ではない。
あえて言おう。「政冷経熱」は日本国民の願望からなる虚妄に過ぎない。国家が存在する限り、政治と切り離された経済など存在しない。日本国民は目を覚ますべきときだ。 =おわり
■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在、大和大学政治経済学部准教授。専攻は政治哲学。著書・共著に『「リベラル」という病』(彩図社)、『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)、『なぜ彼らは北朝鮮「チュチェ思想」に従うのか』(扶桑社)など。ユーチューブで「岩田温チャンネル」を配信中。
【私の論評】中国から輸入した製品や商品を使う人は、中国のブラック体質を応援し国内の労働者を脅かすことに(゚д゚)!
私は、このブログの中で、先進国が先進国になれた所以を民主化、政治と経済の分離、法治国家化によるものと主張してきました。
この3つが整わない限り、いかなる国でも、星の数ほどの中間層がでてきて、それらが自由に社会経済活動を行い、あらゆる地域、あらゆる階層においてイノベーション(技術革新ではなく社会革新)を行うことができず、結局経済発展しないということを述べてきました。
そうして、それは中進国の罠という形で、表面化します。中国も含めた発展途上国などの政府が経済に力を入れて、政府主導で経済を伸ばすこともできるのですが、ある一定限度を超えるとそれ以上は発展できなくなるのです。
一定限度とは国民の一人あたり所得、一人あたりGDPが100万円前後になると、そこから経済が伸びなくなるのです。これが、中進国の罠です。
現在の中国の一人あたりのGDPは100万円前後になっていますから、今後過去のように経済成長することはありません。さらに、以前このブログで指摘したように、中国は国際金融のトリレンマにはまり込み、独立した金融政策ができない状態になっています。たとえば、失業が増えても、有効な金融政策を実行できないのです。これでは、もう先は見えています。中国は今後経済発展しません。
今日先進国といわれる国々は、過去に民主化、政治と経済の分離、法治国家化をこれをすすめてきたからこそ、先進国になったのです。この文脈における「政治と経済」の分離は、いずれの先進国においても実現されています。
無論、「政治と経済」が完全に分離しているということはありませんが、それにしても政治が直接経済に介入するなどのことは、そもそも法律でも禁じられています。たとえば、株式市場などに政府が直接介入することなどは法律で禁じられています。ただし、規制という形などで、政治が経済に関与するということはあります。日本はどちらかといえば、規制が多い方です。
しかし、それにしても、中国のように政治と経済が不可分であり、政治が経済にたびたび直接介入するなどということはありません。政府が市場に直接介入することがあれば、自由競争が阻害され、市場が毀損されることになります。
しかし、中国においては、民主化も政治と経済の分離も法治国家化も行われておらず、政府は経済に直接介入します。
このような国とは元々「政冷経熱」などありえません。中国の経済は、富裕層が貧困層にたかって搾取して成り立っているといっても過言ではありません。日本でいえば、国そのものがブラック体質なのです。
このような国とは元々「政冷経熱」などありえません。中国の経済は、富裕層が貧困層にたかって搾取して成り立っているといっても過言ではありません。日本でいえば、国そのものがブラック体質なのです。
その中国の製品や商品を輸入すれば、ブラック体質も一緒に輸入することになります。中国がブラック体質でただか、タダ同然の安い賃金で製造したものを海外に輸出することにより、輸入した国はブラック体質も輸入することになり、それだけではなく、輸入した国の労働者を脅かすことになります。
中国から輸入した製品や商品を使う人は、知らずに、中国のブラック体質を応援することになるだげではなく、国内の労働者を脅かすことになのです。
このようなことに「ノー」を突きつけたのが、トランプ政権であり、米国議会であり、EUなのです。日本も「政冷経熱」などという妄想等かなぐり捨てて、中国の人権問題と対峙すべきなのです。
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