EU=ヨーロッパ連合の商工会議所は投資先としての中国の魅力が低下したとする報告書を発表しました。中国側は対中投資が増加したヨーロッパの国もあると反論しています。
ロイター通信によりますと、EUの商工会議所は21日、会員企業1800社の回答をまとめた報告書を発表しました。
報告書では、企業が中国への信頼を失いつつあり投資先としての魅力が低下したと指摘したうえで、新型コロナ対策における「柔軟性の欠如と一貫性のなさ」が主な原因だと説明しています。
これに対し、中国外務省は21日の会見で「今年、対中投資が最も伸びた国のなかにはヨーロッパの国も含まれている」と反論しました。
そのうえで、「中国のコロナ対策は最も経済的で効果的だ」と主張し、各国の企業に対しより大きな発展のチャンスを提供していると述べました。
報告書では、企業が中国への信頼を失いつつあり投資先としての魅力が低下したと指摘したうえで、新型コロナ対策における「柔軟性の欠如と一貫性のなさ」が主な原因だと説明しています。
これに対し、中国外務省は21日の会見で「今年、対中投資が最も伸びた国のなかにはヨーロッパの国も含まれている」と反論しました。
そのうえで、「中国のコロナ対策は最も経済的で効果的だ」と主張し、各国の企業に対しより大きな発展のチャンスを提供していると述べました。
【私の論評】中国の不況は構造的であり「変動相場制」に移行しなければ低迷し続ける(゚д゚)!
このブログでは、国際金融のトリレンマを解説したことがあります。その内容は、国際金融において、「資本の自由な移動」、「固定相場制」、「独立した金融緩和政策」のうち、実現できるのは2つのみであり、3つとも実現することは不可能であることが知られていることを掲載しました。
中国としては今更「自由な資本移動」を捨て去ることはできないでしょう。上の記事にもある通り、中国は各国の企業に対して発展のチャンスを提供していると述べ、海外からの投資を制限しようとする考えはないようです。無論そうでしょう、中国の過去の発展は海外からの投資によるところもかなり大きいです。これが自由にできなくなれば、中国の発展はありません。
無論現状では、中途半端に制限している状況ですが、かといって完璧に遮断するということは今更できません。
「独立した金融緩和政策」も捨てられないでしょう。これができなければ、とんでもないことになります。しかし、現状の中国では、金融緩和政策そのものが効かなくなりつつあります。これは、一大事です。失業率が上がれば、金融緩和をすれば、失業率が下がるという経験則はいずれの国でもあてはまります。しかし、金融緩和しようにも、これが効かなくなりつあるのですから、失業率を下げることもままなりません。
であれば、最後に残されたのは、「固定相場制」を捨てることです。これにいつまでもこだわっていれば、中国の今後の経済の発展はありません。
しかし、そのような動きは見られないので、今後中国が経済発展する見込みはありません。
このようなことは、国際金融を少し齧った人間なら誰でもわかることです。このブログでも何度か掲載してきたことです。
このようなことが中国では顕在化しています。いつまでも「固定相場制」を捨てそうもない中国の様子をみて、EU=ヨーロッパ連合の商工会議所は投資先としての中国の魅力が低下したとする報告書を発表したのです。
そうして、「固定相場制」をやめそうもない習近平氏は、経済に関してはその都度弥縫策を取っているだけとみるのが正しい見方でしょう。何かを考えていると、見るからその真意がみえなくなるだけなのです。
中国経済は、過去には、普通の国のように、好景気、不景気を繰り返すという循環してきましたが、ここ数年はそうではありません。すでに構造的に不景気になっているのです、この不景気から抜けたすには、先に述べたように「固定相場制」をやめて「変動相場制」に移行するというような抜本的な改革をするしかないのですが、それを実施しない限り、中国経済がこれからも低迷し続けます。
アイリスオーヤマ本社 |
生活用品大手のアイリスオーヤマが、約50種類の製品の生産を中国・大連から国内の工場に移すことを決めたことが9月14日に報じられています。
このことについて、マスコミのほとんどは、「円安」ばかりに注目して報道しています。無論、これもその要因の一つでしょう。
ただ、それだけではないということを、マスコミも報道すべきです。中国の不況は構造的なものであり、「変動相場制」に移行するなどの改革なければ、低迷し続けるのてす。ゼロコロナ政策をやめたり、従来のように政府が巨額の投資をしたとしても回復しません。
中国の不況は、現象面だけみると複雑にも見えますが、その原因は至って単純なものなのです。
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