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2014年9月26日金曜日

コラム:さらなる円安が景気回復を後押しする訳=村上尚己―【私の論評】長い間デフレ風呂に浸かった、ゆでガエルたちは、お湯が多少ぬるくなったことは良いことなのに、危険と騒ぎたてる始末で正しく認識できない(゚д゚)!


村上尚己 アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト

「ドル高円安」は、日米の金融政策の違いを踏まえれば予想されたことであり、「急激な円安」にみえるのは、これまでファンダメンタルズがドル円の価格形成に必ずしも影響せず、かつ、この3カ月余り、歴史的な低ボラティリティでのこう着状況が続いたからだろう。

米経済が年初に一時的に減速したことに加えて、ユーロ圏でのデフレリスクが大きなテーマとなり、ドル円はこう着状態に陥った。ただ、上述の要因は永続しないので、年初110円前後へのドル高円安のコンセンサスがようやく実現しつつあるだけだ。

にもかかわらず、最近では「これ以上の円安は日本経済にとってあまり良くない」という説も増えてきた。ガソリンなど身の回りのモノの価格上昇という、「ミクロ視点」でしか経済現象を考えられない結果だろう。

ガソリン価格などの上昇は「相対価格の変化」であり、一般物価の上昇つまり「インフレ」とは異なる経済現象であることを理解していないためと考えられる。

ガソリン価格などだけが上昇する相対価格の変化が起きても、名目所得が変わらなければ、それ以外の財サービスへの需要が減る。このため、ガソリン価格などが上がっても、経済全体つまり一般物価の上昇は必ずしも起きない。そして、金融緩和強化の目的は、一般物価を押し上げることである。

アベノミクスで景気回復が実現していた2013年も、同様の誤解に基づく批判をよく耳にした。ガソリンや原材料価格が大きく動くのは、「相対価格の変化」で説明できる事象だが、為替市場がドル高円安方向へ動くたびに同じ議論がまた繰り返されているのだろう。

<日本はいまだ脱デフレの途上>

結論を言えば、1ドル110円前後の円安が、日本経済全体に悪影響を及ぼすとは到底考えられない。円安が進み、価格転嫁が難しい一部企業において原材料高の負担が強まる面はあるにしても、通常、川中・川下まで価格転嫁が及ぶには時間がかかる。

2000年代半ばに、円安に加えて国際商品市況が大きく上昇した。この時も、企業の価格転嫁に時間がかかる中で、「交易条件悪化で企業利益が停滞し景気後退が起きる」との懸念が高まった。しかし、実際には輸出や個人消費などが堅調に推移し、景気回復は続いた。

2014年度については、性急な消費増税によって個人消費が失速していることが懸念されるが、輸出、設備投資が増えており景気回復は何とか保たれている。また足元で、交易条件は、商品価格が落ち着いているのでほぼ横ばいで推移している。さらに円安が進んでも、それをきっかけに景気が腰折れするわけはなく、現在も2000年代半ばと同様に、緩慢ながらも景気回復は続いているとみられる。

現在多くの企業が抱えている価格転嫁が難しい、あるいは時間がかかることの本質的な原因は、経済全体では需給ギャップが依然残っているからである。現状では未だ、日銀が掲げる物価安定目標の2%を実現できていない状況、つまりいまだに脱デフレの途上にあり、「(デフレへ舞い戻るリスクを抱えた)脆弱な状況」にあるからだ。

現在の日本経済は未だにデフレでデフレ・ギャップが存在している

今後、総需要が一段と増えて、インフレ期待がプラス2%で安定するようになると、多くの企業が原材料上昇を、販売製品に価格転嫁できるようになる。それがまだ十分起きていない現在の状況であれば、日本における望ましい政策対応は、金融・財政政策をフル活用して総需要を刺激することだ。現状では、2014年4月からは大型増税による緊縮財政政策のブレーキで、日銀による金融緩和頼みの状況である。

こうした中で、金融緩和が続き自国通貨安になることは、日本経済全体にとってはプラスの効果が大きい。さらに円安が進むことによって、企業の利益が増え、株高・外貨建て資産が増えて民間部門のバランスシートが強固になり、そして設備投資や雇用拡大をもたらすメカニズムが一段と強まる。

「これ以上の円安は日本人にとって望ましくない」という的外れな議論は、日本経済がいまだに物価安定の目標である2%を実現できていないことを忘れているか、世界標準である2%の物価目標を日本だけ実現できないと勘違いしているかのどちらかだろう。あるいは、インフレ率はまだ低すぎるのに「インフレ加速」を心配していた2012年以前の日銀と同じ思考体系にはまっているのかもしれない。

*村上尚己氏は、米大手運用会社アライアンス・バーンスタインのマーケット・ストラテジスト。1994年第一生命保険入社、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、マネックス証券などを経て、2014年5月より現職。

この記事は要約記事です、詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】長い間デフレ風呂に浸かった、ゆでガエルたちは、お湯が多少ぬるくなったことは良いことなのに、危険と騒ぎたてる始末で正しく認識できない(゚д゚)!

昨年まで、「円高で大変だ」の大合唱のはずだったのに、今度は「円安で大変だ」と叫ぶ人たちが増えています。本当に困ったものです。

私自身は、村上氏の主張に概ね大賛成であり、何ら議論の余地はないものと思っています。

だから、上の村上氏の主張を論評するのではなく、なぜこのような的外れな議論がおこるのかを分析してみようと思います。

これは、いわゆる茹でガエル現象で十分に説明がつきます。

茹でガエル現象とは、『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』というものです。

この現象から、およそ人間は環境適応能力を持つがゆえに、暫時的な変化は万一それが致命的なものであっても、受け入れてしまう傾向が見られることのたとえに使われます。

例えば業績悪化が危機的レベルに迫りつつあるにもかかわらず、低すぎる営業目標達成を祝す経営幹部や、敗色濃厚にもかかわらず、なお好戦的な軍上層部などです。

経済政策に関する茹でガエル現象については、以前にもこのブログで掲載したことなので、その記事のURLを掲載します。
重要なのはアベノミクスの第1の矢だ:JBpress (日本ビジネスプレス)―【私の論評】第三の矢などずっと後回しで良い!そんなことよりも、デフレ脱却が最優先課題であり、そのために一番重要なのは金融緩和である!似非ケインジアンにだまされるな(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事ではデフレからの脱却には、金融緩和政策は効き目がないとか、それだけでは足りず、成長戦略や構造改革が必要だとする人々がなぜこのようになってしまうのかを解説しました。以下にその部分のみを掲載します。
このにような愚かな主張をする人々は、日本があまりにも長い間デフレスパイラルの泥沼に落ち込んでいるため、デフレが通常の状態だと思い込み、特に金融政策などまだ十分に効果をあげないうちから、あるいは金融緩和だけでは不十分として、成長戦略や構造改革が必須であると信じ込んでしまうのだと思います。この考えは全くの間違いです。デフレは経済の癌です。しかもインフレよりも始末が悪いです。インフレの場合は、とんでもないインフレで年率100%とか、とんでもないハイパーインフレになり、すぐに生活に大きな支障がでるため、誰もが度を超したインフレは大問題だといことがわかります。 
しかし、デフレは最大でも年率2%くらいのものにしかならず、ハイパー・デフレなどありません。2%くらいだと、1年くらいでは誰もその弊害に気づきませんが、3年、5年、10年となるとじわじわと雇用や消費に悪影響を及ぼします。そもそも、デフレは異常な経済であり、通常の経済循環の景気が良い、悪いという状況を逸脱したものです。これは、何をさておいても、デフレから脱却して、すくなくとも景気が悪いという状況にもどするのが王道中の王道です。特に変動相場制の国では、金融緩和が効き目が強いということもすでに、わかっていることです。 
しかも、その悪くなり方が少しずつのためであるため、まるで多くの人々が茹で蛙のようになり、悪化していること気づきません。現在の日本はまさに、その状況にあります。GDPデフレーターはここ20年右肩下がりに下がりっぱなしです。そうして、この状況を脱却するには、一番重要なのは、金融緩和です。アベノミクスの、三つの矢のうち、もっとも効果があるのは、金融緩和であり、その次は、財政政策であり、一番効果が薄いのは、成長戦略です。
デフレはゆでガエルを醸成する?
現在の日本では、デフレを脱却するだけで、かなりの経済成長が期待できます。
上の記事では、この当たり前の事実をもってわわって、グタグタと書いていますが、これは、マクロ経済学上の常識であり、当たり前のど真ん中です。
以上は、金融緩和策に関する、茹でガエル現象について説明したものですが、「円安が危険だー」と叫ぶ人たちも、この茹でガエル現象で十分説明がつきます。

こういう人たちは、あまりにも長い間デフレ風呂という風呂に浸かっていて、それがあたり前になった人たちなのだと思います。

デフレ風呂とは、お湯が緩慢にほんのすこしずつお湯が上がるようになっていて、お風呂にかなり長い開いた入っているので、温度もかなり上がっているにもかかわらず、このお風呂に入っている人は気付きません。本当は、すぐにでもお湯から上がったほうが良いのに、気持ちが良くてあがろうとはしません。

お風呂のお湯の温度が50度になっても、ゆっくりあがれば気づかない

ところが、この家の他の人が、お湯の温度があまりに高すぎなので、少し温度を低めに設定しようと、お湯の温度の変更をしました。設定変更をすると、当然お風呂場にもアラームが流れます。

「円安が大変だー」と叫ぶ人は、そのアラームを聴いただけで、お風呂場のバネルも見もせず、家の他の人がお湯を低めにしようとしていることも考慮にいれず、大騒ぎしているようなものです。

デフレ風呂に浸かった人は、本当は温度が高いのですぐにでもあがったほうが良いのにそうとは思わない。

結局自分が熱いお湯の中にいることも体感できずに、お湯の温度を下げるという本当は自分にとって良いことでも、アラームが鳴って危機を感じているのとほんど変わりありません。

結局、金融緩和策により、相対的には良い方向に向かている途上であるにもかかわらず、あまりにも長い間デフレで、円高・物価安に慣れきってしまい、一時的な円安や、相対価格の変化何も考えずに過敏に反応してしまうということなのだと思います。

過去20年近くも、日銀が金融引締め策を実施してきて、昨年ようやっと金融緩和に転じたわけです。今までとは、全く状況が違います。金融緩和による経済対策は、即効性はありません、そのためその途上ではいろいろなことが起こるのがあたり前です。

それに最近は、増税をしてしまったがために、金融緩和の効果が削がれ、良い方向への変化がかなり緩慢になっているため、ゆでガエルたちが、さらに勘違いをしやすい環境になっているのだと思います。

短期的な視点だけからみれば、金融緩和の途上で一見良くないことも発生します。しかし、だからといって、金融緩和をやめてしまえば、またデフレに戻るだけです。

熱すぎるデフレ風呂からは、はやくあがって、バス
ローブにでも着替えたほうが良いに決まっている

これは、企業に置き換えるとさらに良く理解できるかもしれません。

たとえば、ある大企業がいろいろな理由があって、業績がかなりおちたときに、本格的な変革に踏み切ったとします。本格的変革に踏み切った途端に会社がよくなるわけもありません。最低でも、三年から五年かかるのが普通でしょう。

変革の途上では、役員や社員の給料を下げたり、あるいは、当面雇用を打ち切ったり、それこそ、リストラをすることもあるかもしれません。それをしなければ、会社が倒産してしまうかもしれません。その一方で、様々な改革で、業績をあげられるように努力して、少しずつ業績があがりつつあったとします。

こうした改革の途中であるにもかかわらず、社員が目先のことばかりに注目して、やれ給料が下がったとか、人手が足りないとか騒いだとします。このような人を会社の他の人達はどのようにみることでしょうか。

まともな社員であれば、そういう人たちを「先も見えず、現状もわきまえない馬鹿な奴」と思うことでしょう。会社の上層部からみれば、そんな社員こそリストラ対象にするかもしれません。

まさに、今の日本で、「円安がー」と叫ぶ輩は、このように、このような会社の中で自己中心的に「給料が下がったとか、人手が足りない」と叫ぶ社員のようなものです。

いずれにしても、大局観がなく、目の前のほんの一時のことに左右されていることに変わりはありません。

このような連中に耳を傾ける必要はありません。まともに受ければ、幻惑されるだけです。

私達は、大局観を持って経済の問題を考えていくべきであって、短期の指標などで一喜一憂すべきではありません。ましてや、短期的な指標だけに惑わされている馬鹿どもの意見に振り回される必要などもうとうありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わまれますか?

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2014年9月16日火曜日

竹田恒泰氏「朝日は意図的に問題をすり替えている」と慰安婦報道に厳しく言及―【私の論評】朝日新聞社と一部言論人による「広義の強制性」の追求など単なる"ひとりエッチ"に過ぎない!本当にやるべきは「貧困撲滅」だ(゚д゚)!

竹田恒泰氏「朝日は意図的に問題をすり替えている」と慰安婦報道に厳しく言及

竹田恒泰氏

13日に作家の竹田恒泰氏が自身のツイッターアカウントに、朝日新聞が吉田証言の取り消し後も主張する「強制連行」について持論を投稿した。

竹田氏は、従軍慰安婦強制連行の根拠とされていた吉田証言は、朝日新聞が取り消す以前から虚偽であることが分かっていたにも関わらず、朝日新聞の報道を盾に強制連行を肯定してきた言論人も糾弾されるべきだと主張。
さらに、竹田氏は吉田証言は虚偽だと判断し記事を取り消すとしたものの、別の記事では「強制性はあった」とする朝日新聞の主張に対し「詭弁」だとし、日本の責任について論じる以上は、政府か軍による「強制連行」があったかなかったかが問題だと指摘。

そのうえで「朝日は意図的に問題をすり替えている。騙されてはいけない」と厳しく批判した。
【私の論評】朝日新聞社と一部言論人による「広義の強制性」の追求など単なる"ひとりエッチ"に過ぎない!本当にやるべきは「貧困撲滅」だ(゚д゚)!

竹田のツイートまったく正しいです。ただし、ツイッターという140文字の制限もあるので、本当にエッセンスだけです。

ただし、上のツイートでは、誤解されやすい部分もあると思いますので、若干説明を加えさせていただきます。

上の二番目のツイートで、「意に反して連行された女性がいたことは遺憾」と述べていますが、これはあくまで、貧困などの原因によって、本当は売春婦などしたくないのに、仕方なくその道を選んだということです。

また、理由は同じにしても、日本軍によって連行されたのではなく、いわゆる女衒といわれる民間人に連れて行かれたということです。特に朝鮮の場合は、朝鮮人による女衒が関与していた事例が多いようです。

広義の強制性については、以前にもこのブログに掲載しましたので、そのURLを以下に掲載します。
【河村直哉の国論】社長謝罪の形で慰安婦誤報を隠した朝日新聞 「広義の強制性」スタンス変えず―【私の論評】朝日新聞が過去の売春婦の「広義の強制性」を報道しても、何も変わらない、本当にやるべきことをすべきだ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、広義の強制性について関わる部分のみを以下に掲載させていただきます。

韓国からは、世界中に売春婦が出て稼いでいるという 写真はイメージ 
おそらく、「広義の強制性」に関わるといった場合、貧困問題がほとんどすべてだと思います。貧困が原因で、自分では売春などしたくないのに、自分の意志に反して売春をするということです。 
であれば、貧困問題を解消することにより、「広義の強制性」はなくなるわけです。 
過去の「広義の強制性」については、日本と韓国の間では、すでに国家間で話し合いをして、日本側が多額の賠償金を支払って両国の了解のもとで解消しているわけです。 
そうして、当時の韓国政府が何をしたかということは日本には関係なく、日本がやるだけのことをしているからには、韓国内の過去の広義の強制性については、日本統治時代のものも含めて、現韓韓国政府が対応すべきものです。 
それどころか、日本が朝鮮を併合していた時代に、日本はかなり韓国に投資して、インフラの大改革を行い朝鮮を文明化し、良くしています。これにより、貧困問題もかなり解消しました。まさしく、「広義の強制性」を日本が低減したのです。 
であれば、過去の「広義の強制性」についても、日本は、朝日新聞に批判される筋合いではないですし、無論韓国からも批判される筋合いではないわけです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
しかし、これに対しては、私達日本人や日本政府が直接何かをしなければならないのでしょうか。そんなことは、ないはずです。最近の韓国は朴槿恵政権下で、まともな経済対策はしていないようです。
朝日新聞がすべきは、こうした朴槿恵政権の無能ぶりを批判して、「広義の強制性」を少しでも減らすことではありませんか?
それに、日本国内にだって、「広義の強制性」により、売春婦になる日本人だって多数存在すると思います。
それに対して、朝日新聞は何をすべきでしょうか。それは、当然、貧困問題を少しでも軽減するため、特にデフレ脱却を目指すことを政府に訴えかけるべきです。
「広義の強制性」について、朝日新聞ができることといえば、煎じ詰めれば、朴槿恵政権の経済対策の不手際の批判と、日本のデフレからの脱却を促すことです。
これをせずに、朝日新聞が過去の売春婦の「広義の強制性」を報道しても、何も変わらず、何も社会に貢献することはできません。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
それにしても、朝日新聞は自己を正当化するためなのか、「広義の強制性」については譲ろうとしません。しかし、これもすでに解決済みですし、過去の「広義の強制性」を問題にしたところで、何の意味もないわけです。

ということは、朝日新聞による「広義の強制性」とは朝日新聞による一人エッチに過ぎないのです。

そんなものは、自分の頭の中だけでやってくれといいたいです。わざわざ、人に見せつけるのは、変態行為としか言いようがありません。

国際的にみると、「広義の強制性」については、女性保護の問題として扱われることも多いようです。確かに、現在の世界でも、「広義の強制性」によって、自己の意図に反して、売春婦にならざるを得ない悲惨で不運な女性も多いです。

こんなことは、なくしたほうが良いに決まっています。そうして、それをなくす一番良い方法は、「貧困」をなくすことです。

しかし、これと今から70年以上も前の、慰安婦の問題とは全く別の問題です。

「狭義の強制性」では、その誤りを認めざるをえなかった朝日新聞とそれを活用、擁護してきた言論人ですが、今度は「広義の強制性」にて、一人エッチをしようとしています。

しかし、本当に必要なのは「貧困撲滅」です。それも、ただ貧困地域にお金や物資をばらまけば良いということではありません。貧困地域の人たちが、経済的に自活・自立できるようにし、何ものにも束縛されたり、それこそ他者に何ごとも強制されず、自分の考えで行動できるようにすることです。

それが、本当の「広義の強制性」をなくすための戦いです。朝日新聞や、言論人たちは、一人エッチなどやめて、こちらのほうに関心を持ち実行動をしてもらいたいものです。

特に、貧困問題というとすぐに、アフリカなどのことを思い浮かべてしまう人々も多いです。しかし、私達日本の足元をみると、長年のデフレのために貧困問題が顕在化しています。

貧困問題に取り組むビル・ゲイツ氏

これについては、このブログでも取り上げたことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
「子どもが生まれたら10人に1人、離婚したら半分以上が貧困になる時代を生きる」―【私の論評】ちょっと待ってくれ、貧困の大きな原因の一つとして、個々人の努力や社会制度の問題の前にデフレがあるのでは(゚д゚)!


詳細は、この記事をご覧いただくものとしして、現在の日本には、公娼制度はありません。しかし、現実には風俗などの名称で、売春があることは事実です。風俗嬢にも、自分の意志ではなくいわゆる「広義の強制性」により、仕方なく売春をしている人も多いと思います。

そうして、その貧困の主な原因は、いろいろありますが、マクロ的に言えば、デフレです。これを放置しておけば、「広義の強制性」により、売春婦にならざるを得ない女性が増えるどころか、自殺者まで増えます。実際に、前回の増税直後に日本はデフレに陥り、98年にはそれまでの年間自殺者数は二万人台だったのに、三万人台に増えました。

これは、景気の回復もあって、最近では二万人台に戻っていますが、デフレと自殺者の相関関係については、現日銀の副総裁の岩田氏をはじめとして多くの経済学者が指摘するところです。

私達は、まずこの問題を解消すべきです。

「広義の強制性」に対するまともな挑戦もせず、ひたすら過去の日本の過去の「広義の強制性」を追求する試みは、ネガティブであり、これをやっている限りにおいては朝日新聞社や特に言論人は、ただの寄生虫と呼ばれても仕方ないと思います。

「狭義の強制性」でさんざん騙されてきた私達は、もうそんなに簡単には騙されないことと思います。それどころか、朝日新聞や、言論人たちの「広義の強制性」の一人エッチがはじまれば、誰もそのような変態行為には顔をそむけることになると思います。

そうなれば、朝日新聞も言論人たちも、破滅です。無駄なことは、やめて問題の本質に挑戦すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【ガジエット通信】国会で語られた「朝日新聞の慰安婦捏造」問題をどこのメディアも報道しないのはなぜ?―【私の論評】今度こそ何が何でも、中山先生を守りきろう!!守れなければ俺たちの「戦後体制からの脱却」はさらに遠のくばかりだぜイ!!




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2014年9月10日水曜日

年収と幸せは比例しない!? 年収600万円でも不幸だと嘆くサラリーマンの実像-【私の論評】ちょっと待ってくれ、高収入でも幸せになれなくなっのは、長引くデフレのせいではないのかい(゚д゚)!

年収と幸せは比例しない!? 年収600万円でも不幸だと嘆くサラリーマンの実像

苦悩するサラリーマン

まったく増える気配のないボクらの年収。吐き気がするほどの薄給に嫌気がさしている人も多いだろうが、一方で、「年収が高ければ高いほど幸せというわけではない」という考え方もある。

身を粉にして働き、やっと手にした「そこそこな年収」が、なぜ幸せと直結しないのか? 経済ジャーナリストの木暮太一氏はこう解説する。

「商品に原価があるように労働にもコストがあり、『商品=利益』ではありません。あくまでも所得は売り上げ、それを得るためにかけた『肉体的・精神的コスト』をマイナスにしなくてはならない。いくら高年収でも激務でコストが甚大になった結果、それが赤字ならば、幸せになれるはずがありません」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

9/9に発売された週刊SPA!に掲載されている特集『[年収400万円の幸せ]と[年収600万円の不幸]の境界線』では、上記のような「そこそこな年収でも不幸だと嘆く人々」だけでなく、「年収400万円でも幸せと断言する人々」が多数登場。決して強がりではない「年収400万円」の幸せも克明にリポートしている。

また、「最も幸福度の高い年収はいくらなのか?」「年収400万円でも幸せに生きる方法」にも言及。ボクらの年収にまつわる悲喜こもごもを大特集している。 <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>

【私の論評】ちょっと待ってくれ、高収入でも幸せになれなくなっのは、長引くデフレのせいではないのかい(゚д゚)!

どの機関が調査したのか、また詳しい内容も忘れてしまいました。数年前に、あるアメリカの機関が、年収が増えると幸福感が増すのは、どのくらいの水準までか、という調査を行っていました。

その結果わかったのが、年収600万くらいまでは、大多数の人が年収が増えると、それに比例して幸福感を感じるのだそうですが、それを超えるとそうではなくなるということでした。

それを思うと上の記事で、600万円を境にしてものを語っているのは、それなりに信憑性があると思います。

最盛期には、アメリカをも上まわっていた時期もあったのですが、今や、日本は年収がそれほど高い国ではなくなりました。

年々下がり続けるサラリーマンの年収。だが、600万を超えても幸福感を感じられない人もいる。


しかし、それにしても、世界水準では、600万円以上では、年収が増えても、それに比例して幸福感を感じないというだけで、不幸だと感じるわけではないと思います。

上の記事では、以下のようなことが言われています。

「商品に原価があるように労働にもコストがあり、『商品=利益』ではありません。あくまでも所得は売り上げ、それを得るためにかけた『肉体的・精神的コスト』をマイナスにしなくてはならない。いくら高年収でも激務でコストが甚大になった結果、それが赤字ならば、幸せになれるはずがありません」

要するに、所得が600万円を超えても、『肉体的・精神的コスト』があまりに大きく、これが所得があったとしも正味ではマイナスにならなければ、幸せとはいえないということです。

別の言い方をすると、年収が少なくとも、『肉体的・精神的コスト』があまりに大きくなければ、正味ではプラスになり、幸せを感じるということだと思います。

年収が高くても、肉体的・精神的コストを計算に入れると・・・・

日本の場合は、このコストが大きく、所得が600万円を超えても、幸せに感じられないどころか、不幸に感じるということだと思います。これに関しては、現実にそうなのかは、先の調査結果くらいしかないので、本当に大多数の人がそうなのかということはわかりません。

しかし、これが仮に正しいものとして推論を進めます。

では、なぜこのようなことになっているのでしょう。

個々人の心がけが悪いのでしょうか。会社が悪いのでしょうか。上の記事では、その答えはありません。



私は、ここで、マクロ的な観点からこれに答えを出していこうと思います。結論からいえば、やはりデフレがその根本原因です。

実体経済と、人々の幸福感にはある程度の相関関係があります。それが全部とはいいませんが、やはりデフレという異常状態は、社会に悪影響を与えるのは、はっきりしていまます。

私がなぜ、そのような結論を出したのか、その元となる情報を以下に示します。それは、過去のこのブログの記事です。そのURLを以下に掲載します。
インフレのある暮らし - 15年ぶりの1ドル80円時代に思うこと―【私の論評】「インフレっていいものですよ!!」は、本当だ!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は、2012年8月16日のものであり、約2年前のものです。この頃は、白川体制であった、日銀の金融政策が良くなかったため、日本は超円高であり、デフレスパイラルの泥沼に深くはまっていました。

米国はゆるやかな3%程度の、インフレ状況でした。この論評記事の元記事となった、ブログを書いている人は、アメリカのシリコンバレーに長らく生活している邦人女性です。

この方は、あまり経済にも詳しくない方のようですが、実体験から当時のアメリカと日本の違いを述べているため、日本の怪しげな、似非識者などより、よほど真実に迫っています。

アメリカン・ドリームもゆるやかなインフレでは、成立するが、デフレ下では全く無理

この記事では、もともと論評のもとになる記事の引用部分がほとんどないので、インフレに関する部分のみ以下に引用させていただきます。
さて、アメリカの方のインフレも年間3%くらいでしかないのだが、それでも15年たつとモノの値段が5割高になる。これはつまり、去年と今年の値段の差は誤差の範囲だが、10年、20年たつと目に見えて高くなる、というレベル。 
経済の教科書的に、インフレとデフレの消費者行動の違いは、
・インフレ=借金してでも買おう(将来買おうと思ったらもっと高くなる)
・デフレ=買い控えて現金で持っていよう(将来もっと安くなるから)
ということなのだが、いや、これ、自分個人の心理的に見て本当。
インフレというと響きが嫌な感じだが、中にいる実感としては 
「パイが大きくなっていく」 
という感じ。減少していくパイを奪い合わなくても、平均的なことをしていれば15年で5割増なわけです。心証的には「将来は高くなるから今のうちに買っておこう」という打算的な感じより、「この先もっとよくなるから安心して今買いましょう」という感じが強い。
「幻想だ!勘違いだ!」 
と思う人もいるかもしれない。 
でも、住んでいる人の多くが「今後も価値が上がっていく」と信じれば、消費行動が促進され景気が良くなる。そういう幻想を与えるのも政治の役目。(もちろん、ハイパーインフレは駄目ですが)。
これを読んでも、デフレ脳におかされている人たちは、ピンとこないと思いまます。

だから、私が注釈をいれておきます。この著者は、「アメリカの方のインフレも年間3%くらいでしかないのだが、それでも15年たつとモノの値段が5割高になる。これはつまり、去年と今年の値段の差は誤差の範囲だが、10年、20年たつと目に見えて高くなる、というレベル」と書いています。

これは、物価のみしか書かれていません。そうです。給料の話が書かれていません。

では、給料はどうなっていたかといえば、5割以上伸びていたわけで、5割よりも伸びた分は、経済成長によるものです。

この時期のアメリカは、無論リーマン・ショックなどがあったりして、一様ではありませんでしたが、長いスパンでみると、物価は倍、給料も倍以上になっていました。倍以上どころか、インフレ分を差し引いても、給料は1.5倍くらいになっていました。

いや、これはアメリカだけではなく、EUも国や期間によって、多少凸凹はありますが、総じて平均してならしてしまえば、そのようなものでした。

緩やかなインフレの時期には、物価は上がるものの、給料もそれ以上に上がっていくというのが普通です。

しかし、日本は、主に日銀の金融政策がまずすぎて、どんな時にも、金融引締めを実行するという愚かな真似をしていたので、デフレに陥り、物価は下がり、給料も下がるという事態が続いていました。

これを聴くとデフレ脳に侵された人々は、なかなか信じないでしょうが、事実です。日本以外のデフレ以外の国々では、過去20年間は、物価は2倍、賃金はインフレ部分を相殺して実質で1.5倍になっていました。

デフレ脳におかされた人には、この賃金が実質1.5倍の意味も良くわからなくなっている可能性があるので、これも説明させていただきます。

実質1.5倍とは、仮にある会社に就職したとして、なかなか能力が伴わなくて、職位があがらず、そのまま同じ地位にいたとしても、15年から20年で給料が1.5倍になったということです。

ということは、職位が上がれば、さらに給料が上がるということです。

自分が、同じ職位についていたとしても、余程のことが無い限り、15年から20年もすれば、給料が倍になると見込める社会と、そうではないない社会とでは、どちらが幸福感を感じやすいかといえば、はっきりしています。同じ職位についていて、実質1.5倍になる社会のほうが良いに決まっています。

その差は、どこから出てきているかといえば、緩やかなインフレと、デフレの違いです。

これは、日本でもある程度の年配の方々に聴いてみればすぐにわかることです。バブル崩壊以前に退職した方などは、緩やかなインフレ時代に職業人として生きていたので、まさに物価が上がるのはあたり前で、15年もすれば物価は倍、給料は1.5倍以上だったでしょう。

それに、日本では、10年で所得が倍増などという時期もありました。それは、池田総理大臣のときに、実施された所得倍増計画が実施されたときです。

国会で演説する池田勇人氏

池田勇人氏について、倉山満氏は以下のようなツイートをしています。
この時は、おおまかにいうと、インフレ政策と、積極財政により、10年を待たずして、本当に国民の所得は倍増しました。デフレであっては、絶対にできない計画でした。

たとえ、貧乏だったにしても、将来は余程のことが無い限り、給料が上がり続けることを無邪気に信じられる社会と、今のような賃金が変わらないか下手をすれば下がるかもしれないということで、八方塞がりになる社会とどちらが良いのでしょうか。

それは、前者が良いに決まっています。今は、デフレで後者のような事態に陥っているからこそ、このブログ冒頭記事にもあるように、年収600万円でも不幸だと嘆くサラリーマンが増えているのです。

それだけに及ばず、デフレで経済が疲弊しているからこそ、せっかく上記のように池田隼人政権により、ソ連の間接侵略の芽を摘むことが出来たのですが、今度はそれに変わって、中韓が間接侵略をしかけてきているのです。

デフレという魔物は、単なるマクロ経済学上の現象というだけではなく、人々の日々の生活に影を落とし、安全保障上の問題もひきおこすなど、私達の日々の生活に悪影響を着実に及ぼしています。

これを考えると、まずは、デフレ脱却が日本における最優先課題であることが良く理解できます。

ある程度年収があっても幸福感がないのは、すべてデフレのためというわけではありませんが、かなり大きな影響を与えているということは否定できない現実です。

それに、これを理解すれば、自分や自分の周りの人たちが、不幸なのは自分だけの責任ではないということを知れば、心理的にはかなり楽になると思います。

貧しい国々で、貧乏な人たちが意外と幸せなのは、少なとくも貧困の原因が自分たちではないことを知っているからです。しかし、日本だと、貧困や仕事上のストレスなど、自己責任にしてしまう人が増えているようで、これでは、とても辛いことだと思います。

そうして、幸福感を感じられない、サラリーマン諸兄もただ投げているばかりではなく、少しは経済・政治・社会にも関心をもって、選挙のときなどは、デフレ脳の政治家には投票しないなどの実行動をしていくべきです。また、世論形成などにも踏み込んでいくべきとも思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年9月7日日曜日

未経験の30代「やらみそ女子」が急増中 専門サイトまで登場-【私の論評】今の日本では、デフレが一見関係無いように見える社会現象においてさえ、大きな歪を創りだしてしまっていることに目覚めよ(゚д゚)!

未経験の30代「やらみそ女子」が急増中 専門サイトまで登場
2014.09.07

クロスポートのサイトより。画像はブログ管理人挿入。以下同じ。

 
厚生労働省の調査によると、「30歳の3割が処女」だという。“20歳を過ぎれば処女を捨てるのが当たり前”なんて思い込んでいる人にとっては驚きの数字かもしれないが、当の女性たちはそんな固定観念に縛られず、むしろその縛りから自らを解放して性と向き合っている。

セックスに関するアドバイスを与える「恋人・夫婦仲相談所」の二松まゆみ代表によれば、近年「やらみそ」女性が増えているという。

「かつて男性は20歳を過ぎても処女の女性を『やらはた』(やらずの二十歳)なんて呼んでからかっていましたが、最近は女子会トークで『やらみそ』(やらずの三十路)という言葉が使われています」

二松代表のもとにはそんな「やらみそ」女性からの相談が増えているそうだ。

厚労省が実施する「第14回出生動向基本調査」(2010年)では、未婚の女性で「性経験なし」は20~24歳が40.1%、25~29歳が29.3%、30~34歳が23.8%、35~39歳が25.5%だった。30歳女性の約3割が処女という結果だ。

25~29歳女性の未経験率は、長年下落傾向にあったが、2005年の25.1%を境に上昇に転じた。

「処女増加」を背景に、新たなビジネスも登場した。今年5月に、「処女専門婚活サイト」と銘打った「クロスポート」がオープンし話題を呼んでいる。同サイトの運営担当者が語る。

「処女を妻にしたいという願望を持った男性と、処女であることにコンプレックスを感じて婚活に積極的になれない女性に出会いの場を提供するサイトです」

現在、約200人の処女が同サイトに登録し、男性会員は約550人を数える。

「女性会員は20代半ばが一番多く、次いで30代。処女かどうかはあくまで自己申告ですが、男性会員の期待はとても大きいと感じています」(同前)

※週刊ポスト2014年9月12日号

【私の論評】今の日本では、デフレが一見関係無いように見える社会現象においてさえ、大きな歪を創りだしてしまっていることに目覚めよ(゚д゚)!

「やらみそ女子」については、前から気になっていました。「やらみそ」とは、30歳台の独女ということになると思います。

未婚ということから、いわゆる、生殖、子どもをつくるためのセックスではなくて、婚外セックス、レジャーとしてのセックスをしない女性ということになると思います。

独女通信というサイトでもいわゆる「やらみそ」が話題となっていました。その記事を以下に引用します。
30代独女に処女が増えているってホント?
「30代独女にジワジワと処女が増えている」 
こんな噂が都市伝説のごとく巷で語られている。本当にそうなのか。口裂け女以来、都市伝説には一家言ある私は、さっそく取材を進めることにした。30代独女は私も同じ。でも恥ずかしながら、それなりに出会いもあった。別に美人じゃないけれど、フツーに暮らしていれば、たまにはぶつかる男だってある。30歳を超えて処女でいるっていうのは、けっこう大変なように思えるが、最近は違うのか? 
コラムニストの清水ちなみさんが監修した『大独身』(扶桑社刊)には、数多くの独女についてのアンケートがまとめられている。“30歳以上の独身女性の4人に1人は処女である”も、その中の一部。根本的な出会いがなかったから? キッカケがつかめなかったから? それとも男に根性がなかったから? 
どういう経緯で処女のままなのか、これからの可能性はあるのか、興味津々の私は、実際にインタビューをしてみることにした。でも、内容が内容だけに、いくら紹介とはいえ、なかなか聞きづらい。それでもなんとか30代、独身、処女の3大条件の揃った女性、ユカリさんにたどりつくことができた。 
色白でおとなしそうなユカリさん(32歳)は、エレガントな雰囲気をまとった、なかなか素敵な人だった。金融関係の会社に勤め、10年になるというが、こんな素敵な女性に声をかける男性はいなかったのだろうか? 
「残念ながら、恋愛経験は一度もありません。いいなあ、と思う人はいましたけど、告白しませんでした。どうしても、というほど追い詰められた気持ちにはなりませんでしたし、遠くから見ているだけでも充分に素敵な経験ですから」 
わからない。目の前においしそうなものがあると、手を伸ばさずにはいられない私にとって、「遠くから見てるだけ」というのは、なんとも理解に苦しむ。 
「別にひとりでいることが苦にならないんです。特に恋人が必要かと思うと、そうでもないし。お友達でも独身の人はたくさんいます。だから、今はこのままでいいんじゃないか……と」 
ますますわからないぞ。自分が嫁き遅れているとか、負け犬だのと、焦ることはないのか? 
「さあ……。たぶんないんでしょうね。結婚した友人達もいるけど、必ずしも優雅でリッチには見えないし、彼女たちをうらやましいと思ったことは、一度もありません」 
よーし、じゃ勇気を出して聞くぞ。ひとり寝が寂しいとか、男に抱かれたいとか、考えたことはないのか?「さあ……。そこまでストレートには……。でも手を握ったり、肩を抱かれて歩きながら、突然キスされたり、なんてシチュエーションには憧れます」と、頬を微かに赤らめて話すユカリさん。でも、中学生じゃあるまいし、聞いてるこっちも別の意味で恥ずかしいぞ。 
ユカリさんをインタビューして感じたことは、決して受け身の女性ではない、ということだ。実家がある、仕事を持っている、焦りを感じさせない環境など、さまざまな条件が揃っているからだろうが、彼女にとっての「独身・処女」は、決して偶然ではなく、選んだ結果、そうなっているということ。一方で、気持ちではいつも出会いを求めているのに、ずるずると今日まで来てしまった、という女性もいる。それが、ヒデヨさん31歳だ。

「高校、短大と女子ばっかりで男性と知り合うチャンスは皆無でした。短大卒業後は叔母がやっているお花屋さんを手伝っていたので、やっぱり男性と知り合う機会がなくて、とうとう30歳を過ぎてしまいました。この先どうなるかはわかりませんが、35歳ぐらいまでには何とかしたいなって思います。焦ってもしょうがないですけどね。こればっかりは運命ですから」 
もうひとりの独女、38歳のシステムエンジニア、マリエさんも、出会いがなかったタイプだ。 
「私はすごく引っ込み思案で、男の人から声を掛けられたらつい逃げてしまうんです。女性の魅力にも自信がないし、このまま死ぬまで処女かもしれませんね」
今は恋人を持ちたいということに、熱意や夢がなくなったというマリエさん。30代前半は、恋人がいない状況がツラかったが、36歳を過ぎてから急に気が楽になってしまったそうだ。それはいったいなぜ? 強く異性を求めていた人が、そのうちに平気になっちゃうなんてことってあるんだろうか? 
「男性と違って女性の場合は、長い間性生活がないと、やがてそれに慣れてしまう傾向があるんです。それは独身女性も、結婚している女性も同じです」と語るのは、心身症の専門医、東洋英和女子大学大学院教授、河野友信医師。結婚している女性でも、夫との性生活がない人は少なくないという。だが、女性の場合は、なぜか性生活がなくても平気になってしまうことがあるというのだ。 
「男性の場合、まずそういうことはありません。でも、女性はそのままの環境に安住してしまうんです。ホルモンなどの生理的なメカニズムも関係していると思いますが、性に興味を失ってしまった、ということで悩んでいる女性も、たまにいらっしゃいます」と河野先生。 
独女を長く続けていると、異性への興味も失ってしまう可能性もある? なんだかそれも怖い。いや、そんなことはないか。独女にとっては、ありがたい身体のメカニズムなのかも。変な男に振り回されるくらいなら、ユカリさんのように泰然と、ひとり悠々自適で暮らす。それも悪くはないかもしれない。(取材・LADYWEB.ORG) 
■ライブドアニュースの人気連載「独女通信」
http://news.livedoor.com/category/vender/90/
これも、独女の30歳以上の女子で、「やらみそ女子」が増えていることを掲載しています。どうやら「やらみそ女子」の増加は、単なる憶測ではないようです。

これは、結局婚外セックス、レジャーとしてのセックスの経験ということを言っているのですが、このブログでも以前、「セックス」と限定はしなかったのですが、いわゆる若者の「経験」について取り上げたことがあります。

その記事のURLを以下に掲載します。
若い頃は経験すべき?それとも貯金すべき?-【私の論評】ちょっと待ってくれ、貯金と経験がトレード・オフの関係になってしまったのはデフレのせいではないかい?若者はデフレ脳から脱却しもっと政治・経済に関心をもて、選挙に行け(゚д゚)!
いつも奇抜なファッションでファンを魅了するレディー・ガガ。すごくない?
普通ならとてもできないが、若ければできる。それが若さの特権だったはず。
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、あまりにも長い間デフレが続いてしまったため、本来若者にとって「経験」と「貯金」はトレード・オフの関係にはなかったものが、そうなってしまっている厳しい現実について掲載しました。

そうして、以下のような結論を掲載しました。
十五年以上も、デフレが続いている国など世界広しといえども、日本しかありません。この状況は打破しなければなりません。 
であれば、若者も政治・経済に興味と関心を持ち、選挙にも行って、デフレ脳で完璧に腐った頭の政治家に票は入れずまともな政治家に投票すべきです。そのためにも、ある程度勉強しなければならないと思います。 
そうして、様々な経験が積めるような世の中にして、楽しいことも、大変なことも経験すべきです。それか、次世代を進歩させます。貯金と経験がトレードオフになる世の中は、進歩しません。 
私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか?
私は、この記事を書いているときに、「経験」と「貯金」の間には、現在は残念ながら、トレードオフになっていることは間違いないのですが、「経験」の中にセックスまで含めるのはどうかと思いながら書きましたので、敢えて「セックス」のことは掲載しませんでした。

巷では、リフレ派は何でも「デフレ」のせいにするという人もいますが、しかし、ブログ冒頭の記事や独女通信の記事をみていて、やはり「経験」の中に「セックス」を含めても良いのではないかと思いました。

というのは、若者が貯金や倹約に優先順位を置いて生活をした場合、やはり、行動範囲が狭まり、男女が出会う頻度もかなり低くなり、それが、「やらみそ女子」を増やしていると推測できるからです。

そうして、これは無論最近では、草食派といわれる男性も含まれると思います。

というより、男性の多くが、将来に対する希望がみえなくなったので、結婚や、結婚前のつきあいも、それどころか、婚外セックス、レジャーとしてのセックスなどにもなかなか踏み切れなくなっているのだと思います。

小数の例外をのぞいて、セックスは男女間でなりたつものです。男性がこの有り様では、女性も「やらみそ女子」が増えるのも当然のことだと思います。

デフレがあまりにも長い間続いてしまったので、「やらみそ女子」が増え、当然出生率も減るという状況になっているのだと思います。

それにしても、現在65歳以上のいわゆる団塊の世代の人は、このような見方はしていないようです。私は、この世代に接することも多いのですが、特に親しくなった人の本音などを聴いていると、ほとんどの人が、「現代の未婚の若い女性には、処女はほとんどいない」と無邪気に信じ込んでいるようです。

これは、やはり、デフレでない環境で長い間生活してきたということが大きく影響しているように思えます。

それにしても、ブログ冒頭の記事でも、独女通信においても、「やらみそ女子」が増える背景として、デフレのことには全く触れていません。

独女通信に掲載されていた写真、セクシーなランジェリーの是非について。

デフレは、不景気ではありません。好景気と、不景気は、通常の景気循環において、交互に現れる正常な社会現象です。景気が良ければ、いずれは悪くなり、悪くなったとしてもいつまでも悪いということはなく、いずれまた好景気に戻るというのが通常です。

普通は、20年も生きていれば、好景気と、不景気を両方を少なくとも一回づつくらいは経験します。もしかすると、二回以上も経験します。にもかかわらず、日本ではもう完璧に15年以上、デフレ気味になってからは、20年にもなります。

これは、全く異常もデフレというのは、全く異常です。デフレになるならないのは、単なる貨幣の流通上の問題であって、国際競争力とか成長戦略などとはあまり関係がありません。単なる中央銀行の金融政策の不味さの問題です。

しかし、デフレがあまり長い間継続してしまったため、特に若い世代は、デフレしか経験したことがないので、デフレは全く変えられないもの、所与のものとして物事を考える傾向がみられるようになています。

ブログ冒頭の記事と、独女通信もそうです。それに、雇用問題を考えるときにも、そのような傾向が多く見られます。しかし、現実には、雇用問題と中央銀行(日本の場合は日本銀行)の金融政策には密接な関係があり、実際日本以外の国では、雇用が悪化すると真っ先に非難されるのが、中央銀行の金融政策です。

私は、「やらみそ女子」が増えるという現象は、無論全部がそうだとは言いませんが、やはり、かなりの部分はデフレに関係していると思います。

それは、自殺者数でも同じことがいえます。日本では、1998年から、それまでは自殺者数が二万人台だったのが、三万人台になっています。最近では、景気が少し良くなったためか、また二万人台にもどってはいます。これは、現在の日銀の岩田副総裁を含む、多くの経済学者らが指摘するところです。



「やらみそ女子」に関しては残念ながら、実証することはなかなか出来ないですが、過去と比較すると現在のほうが、「やらみそ女子」が増えていることや、今後もしデフレから脱却する事ができた場合明確な数値をもって実証することが可能になのではないかと思っています。

いずれにしても、デフレは、社会に様々な歪をもたらすことだけは確かです。実体経済が良くなければ、社会に大きな歪が出るのは、あたり前のことです。デフレから脱却しない限り、こうしたデフレによる社会の歪は是正されません。

たとえ、何かを是正したとしても、他の別な悪い社会現象を発生させ、新たな歪を生み出し、結局のところモグラたたきになるだけです。

上の、2つの「やらみそ女子」の記事には、デフレに関する記載がまったくありません。これは、いわゆるデフレ脳というものに、おかされている査証だと思います。

私は、政治家のみならず、もっともっと多くの人々がデフレ脳から脱却しない限り、なかなかデフレは、克服できないと思います。だからこそ、日銀がデフレ・円高政策を続けても、デフレ脱却の世論は盛り上がらず、過去20年もの間、デフレであり続けたのだと思います。

今後は、そんなことで、いつまでたってデフレから脱却できなければ、ますます社会に様々な歪が発生していくだけです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年9月1日月曜日

40歳未満の非正規社員57%が「自活できない」 9割が年収「300万円未満」-【私の論評】ちょっとまってくれ、非正規社員の多くが自活できないのは、デフレのせいではないのかい!朝日新聞をはじめとするメデイアの虚偽報道によって創作されたもう一つの歴史問題に注目せよ(゚д゚)!

40歳未満の非正規社員57%が「自活できない」 9割が年収「300万円未満」

若者の無限地獄はまだまだ続く?


正規雇用で働いた経験がない40歳未満の非正規社員の57・1%が低収入のため自活できず、生活費の大半を同居家族らに頼っていることが、求人広告会社アイデムのアンケートで31日、分かった。

調査は2月にインターネット上で実施し、1527人が回答。

23~39歳の働く未婚男女に「生活費」を主に誰が出しているかを聞いたところ、「家族など自分以外の人が大部分、または全部を出している」と答えた割合は、最初の就職から現在まで正社員の人が29・3%だったのに、正社員経験のない非正規社員では57・1%に上った。

また、非正規社員の90・9%は平成25年の年収が「300万円未満」だったと回答。59・9%が「将来的には正規雇用で働きたい」と答えた。

【私の論評】ちょっとまってくれ、非正規社員の多くが自活できないのは、デフレのせいではないのかい!朝日新聞をはじめとするメデイアの虚偽報道によって創作されたもう一つの歴史問題に注目せよ(゚д゚)!

一昨日、昨日と結局雇用問題、特に若者の雇用問題について掲載しました。結局本日もその話題を掲載しようと思います。

どうして、そうするかといえば、現在メディアでは、朝日新聞の虚偽報道が巷を賑わせていますが、もう一つの大きな虚偽報道がほとんど問題とされず、これがもうすでに、新たな歴史問題となっています。

このブログでは、昨日は、サポステの実態が酷いことと、その根本要因は、長く続くデフレであることを掲載しました。

昨日は、多くの若者にとって、貯金と経験はトレードオフの関係になってしまったことと、その根本原因はやはりデフレであることを掲載しました。

これらの記事まだご覧になっていない方のため、以下にURLを掲載しておきます。


若い頃は経験すべき?それとも貯金すべき?-【私の論評】ちょっと待ってくれ、貯金と経験がトレード・オフの関係になってしまったのはデフレのせいではないかい?若者はデフレ脳から脱却しもっと政治・経済に関心をもて、選挙に行け(゚д゚)!

いずれにしても、雇用をめぐる問題は、本人がいくら努力しようと、企業側がいくら努力しようと、多くの人や、さまざまな機関が手を差し伸べようとも、デフレが解消しない限りは、その根本原因は解決せず、モグラたたきになるだけで、放置しておけばこの世の無限地獄になるだけです。

それにしても、ブログ冒頭の記事にあるように、デフレによる雇用状況の悪化は、かなり酷いことになっています。

こんな状況では、いつどうなるかわからないので、いろいろな経験をつむよりは、貯金できればするというのがあたり前てす。貯金できる若者はまだ良いほうです。

最近は、多くの人々がいわゆるデフレ脳となってしまい、デフレがあたり前で、それを前提にものごとを考えるようになりました。なぜそうなったかといえば、マスコミや識者がデフレを肯定するようなことばかり語るからです。

まずは、日銀が金融緩和をしても何も変わらないとか、国債が暴落するとか言って、結局日銀は、長い間金融引締めばかりやって、デフレ・円高の番人のようなことをしてきました。しかし、これに関しては、昨年4月より、日銀は異次元の包括的金融緩和に転じて、経済指標など良くなっていますが、なぜか、マスコミや多くの政治家などが、この成果をあまり語りません。

あるいは、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を重視するため、増税するのがあたり前というとんでもないことばかり語るからです。本当は、プライマリー・バランスなど財政をまともにするために、増税したとしても、景気が冷え込み、税の原資である国民所得が減り、さらに財政は悪化するだけです。

本当に実行すべきは、経済成長であり、経済成長することにより、国民所得が増え、税の原資も増え、財政もまともになります。

しかし、マスコミ、財務省そうして、多くの政治家は、このことを知ってか知らずか、語ることはほとんどありません。

しかし、最近4月からとうとう消費税増税をしてしまい、4月-6月の経営指標は、かなり悪化してしまいましたが、マスコミや多くの政治家は、これを想定内として、増税のせいにはしません。

本当は、増税によって、せっかくの日銀の金融緩和の効果が減衰されて、景気が落ち込んでいるだけです。そうして、増税によって、デフレからの脱却は遠のいてしまいました。

そうして、来年10パーセント増税をしてしまえば、デフレからの脱却のめどはたたなくなります。

それでも、マスコミや多くの政治家が増税すべきとして、デフレを継続させるための論陣をはっています。

そうなると、多くの人々がデフレ脳になるのは当然のことです。

ブログ冒頭の記事も、非正規雇用の実体を示しながらも、その真の原因であるデフレには一言もフレていません。

以下に非正規労働者の比率を示すグラフを掲載しておきます。

このグラフを見ると、女性の非正規労働者の比率が異常に高いことがわかりますし、それに、ちょうど97年以降、すなわち2回目の消費税増税の後から、日本経済はデフレに突入しており、そのころからかなり増えていることがわかります。


この状況だと、確かに女子は大変です。最近すぐに結婚したがる女子が増えているということが理解できます。実際かなり、増えています。そうして、この非正規労働者の雇用条件はブログ冒頭にも示しているようにかなり悪いです。

女子で非正規で高賃金というというと、以下のようなバイトしかないのかもしれません。割りきってしまえば良いのかもしれませんが、つらいものがあります。もちろん、私は、このようなバイトをしている女の子たちを責めるつもりはありません。

札幌では女子店員さんがビキニの店もあるとか、女子の非正規で高賃金というとこういう仕事しか無い?
私自身このようなお店に向学のため一度くらいは、行ってみたいとも思いますが、それにしても上に書いたような背景をいろいろ考えると、なかなか行く気にもなれず、残念ながら行ったことは一度もありません。

デフレが克服されて、インフレ傾向になり景気が上向いても、この店があれば、是非行ってみたいものです。もし、その頃も存在していれば、これは顧客ニーズを汲み取った本当のまともな商売であり、そうでなければ、デフレにおいてのみ機能するデフレビジネスだったということになると思います。

それにしても、なぜこのように非正規社員の待遇が、悪いのかといえば、それもデフレのせいです。

少なくとも、デフレでなければ、非正規労働者の時給などは、正規社員に比較すると良いのがあたり前でした。

本来デフレでなければ、非正規労働者と正規労働者が全く同じ仕事をした場合、非正規労働者の時給のほうが高くなるのが、あたり前です。

正規労働者が一時間勤務したとして、それを時間で換算してみた場合、非正規労働者が一時間働くよりも低くなるというのが、普通です。なぜなら、正規社員の場合は、雇用が安定していますが、非雇用社員の場合は、本当に必要なときしか仕事が得られないため、時間あたりの単価は高くなるのです。ただし、これはインフレ気味のときに通用する理屈です。

ただし、これは無論のこと、非正規社員が正規社員と全く同水準の仕事をした場合に限ったことです。単純作業や、経験や知識のいらない仕事については当てはまりません。

しかし、デフレに入ってからは、この常識は通用しなくなりました。正社員と実質上同じ仕事をしていても、非正規社員のほうが賃金が安いという異常事態に突入しました。何のことはない、非正規社員は低賃金労働のための道具と化してしまったのです。

デフレ下では、このような、低賃金であっても、働く人が大勢いるため企業側もなるべく賃金全体を低くするため非正規雇用の従業員の賃金を正規社員の賃金よりも低くするという事態になりました。

こうなると、正規社員もうかうかとはしていられません。非正規社員のうちでも、単純作業しかできない人たちと、同等の能力しかない場合には、非正規社員にされてしまうなどということが起こりえるわけです。会社が苦しくなれば、リストラされてしまいます。

こうして、どんどん非正規社員が増え、上記のグラフのようになっているわけです。それにしても、女性の非正規社員化率の高さは、異常です。やはり、女性の社会進出などとはいっても、結婚や、出産などで、辞めたり、休職したりする率が高いので、こうしたリスクを避けるため、非正規社員化率を高くしているのだと思います。

こんなことを掲載すると、あたかも、民間企業を非難しているように思われる方もいるとは、思いますが、根本的にはそうではありません。やはり、その本当の原因はデフレだからです。デフレだと物が売れない、物がうれなければ、設備投資も、人材投資もせず、賃金も安くするのがあたり前です。

ニートの割合も少しずつ増えている

デフレの最中にあっては、大企業であっても、ブラック的にならざるを得ないのです。そうして、当然のことながら、ブラック企業も増えます。デフレで職がないので、ブラック企業であっても、働けて、正社員になれれば良いと考える人が増えるからです。

これだけ、デフレの酷さがはっきりしているのに、政府は今年4月から増税し、来年は10%増税に走ろうとしています。そうして、そのための論陣を財務省がはっています。

こんな最悪の状況から脱するためには、本来はデフレからの脱却を最優先にすべきなのに、財務省や、与党の自民党議員の中にも、増税を当然とする勢力があり、これらが日々増税の正当性をとき、とにかくデフレを定着させようと、日々努力しています。

このような、風潮に対して、(まともな)エコノミストである村上尚己氏が以下のようなツイートをしています。

まさに、このデフレの放置は、もう15年以上も継続されています。日本がデフレ気味になってからは、すでに20年も経過しています。こんな無限地獄はもうやめるべぎてす。

日本の無限地獄 デフレはいつまでたっても克服されそうにない

過去5、6年くらいのことではなく、これだけの年月がたつと、これは、もはや現代史の一コマであり、立派な歴史問題だと思います。

この歴史問題が、慰安婦問題のように30年も放置されたら、日本の雇用はズタズタになり、貧困問題はさらに悪化し、ブラック企業は増えて何も良いことはありません。

デフレを許容する、あるいは、デフレを推進する官僚、政治家、識者などのことも、偽証ということで、追求していくべきです。そうして、多くの人々がデフレ脳から脱却して、この歴史問題に気づき、早めに対処することが最優先課題だと思います。

慰安婦問題のように、30年後に偽証であることが明るみに出るなどということになったら、その頃、日本は大変なことになっていると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【私の論評】


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2014年8月31日日曜日

若い頃は経験すべき?それとも貯金すべき?-【私の論評】ちょっと待ってくれ、貯金と経験がトレード・オフの関係になってしまったのはデフレのせいではないかい?若者はデフレ脳から脱却しもっと政治・経済に関心をもて、選挙に行け(゚д゚)!

若い頃は経験すべき?それとも貯金すべき?

いつも奇抜なファッションでファンを魅了するレディー・ガガ。すごくない?
普通ならとてもできないが、若ければできる。それが若さの特権だったはず。


「若い頃はお金を使ってでも経験しろ」なんてよく聞きますよね。でも正直お金がないのも若い頃。お金を使ってでも経験、それともコツコツ貯金貯金、どちらを優先すべきでしょうか?

「大人の方へ!!」

回答は「どちらも正解」、「出世したいなら経験、堅実に生きるなら貯金」、「やっぱり経験」という声が多め。その中でも、自分はどうすべきか考える時のポイントを3つご紹介します。

■どちらを選んでも「後悔」する

まず心得たいのは、「どちらを選んでも必ず後悔する」こと。

「どのみち後悔しますよ・笑。お金を使ったなら、ああー、あのお金をもっと有効なことに使うか貯金していたら今頃はーって思うし、お金をやたらじっとり貯めこんでいたら、ああーこんなつまらない人生なら何かぱあっと使えば良かったーと思うし」(erer4649さん)

後悔しないなんてあり得ないことを、わきまえておきましょう。

■どちらを選んでも失敗するケースも

一方でdemergerさんは、どちらを選んでも失敗するケースを紹介。

「『自分に投資』をやみくもに、目的も無く散漫に進学し資格収集し『学んでいるつもり』ならば、単なる自己満足。それは『死に金』(中略…)(コツコツ貯金も)『真面目』=『自分の頭で何も考えず、他人が言うがままに働く』などとはきちがえていると、それは『死に時間』」

「死に金」「死に時間」ゾッとする言葉ですが、つまり自分の意志が大切。

「『どのような自分になりたいか』が明確でないと、どちらであっても『死に金』『死に時間』だけが積み重なるだけです」

自分と向き合い、自分の興味や意志の対象を明確にしていくことも大切ですね。

■取り返しのきかない「若さ」

大事なのは、「若さ」という意見も。

「気にすべきとこはお金の使い道でなく、その若さ。若くしても老いてもお金は貯金できる。老いてから若かった自分に対して投資はできない。使いなさい。生き金死に金気にしちゃいけない。貯めなきゃならなくなってから貯めなさい」(sundaraさん)

「若いうちの失敗はいくらでもやり直しが効きますからね」(noname#197439さん)

「経験=挑戦・失敗・やり直し」。それ相応の、体力・知力・時間も必要です。年を重ねるほど老化するだけでなく、結婚・子育て・介護…と自分の時間も減るもの。「若気の至り」という言葉もある通り、失敗できるのも若いうちですよね。若さの意義も、しっかり考えておきましょう。

最後にta72さんが紹介した言葉も、参考になります。

「貯めれば金が残る。使えば経験が残る。貯めれば貯め方が分かる。使えば使い方が分かる。使い過ぎたら借金が残るが貯め過ぎても残るのは数字(中略)…貯めたければ、まず入れ物(器)を広げる事。貯めるのは大きく使う為、使うのは器を広げる為。どちらにしろ、金は使う物」

宮野茉莉子(Miyano Mariko)

【私の論評】ちょっと待ってくれ、貯金と経験がトレード・オフの関係になってしまったのはデフレのせいではないかい?若者はデフレ脳から脱却しもっと政治・経済に関心をもて、選挙に行け(゚д゚)!

上の記事では、大人たちが最もらしいことを書いていますが、この人達もデフレ脳に侵されているのではないかと思ってしまいます。

デフレ脳とは、デフレが所与の条件(変えることのできないもともと与えられている条件)となってしまっていて、それを前提に物事を考える思考のことをいいます。

エコノミストの村神尚己氏が良く遣う言葉です。デフレ脳になっているという査証として、貯金と経験がトレードオフの関係になってしまっているという事実があります。

最近の若者は堅実に貯金する人が増えているというが・・・・・・・・


今は、特に若者の貯金と、経験がトレードオフの関係になってしまっているようです。

トレードオフの関係にある事柄は、全体をみることと、長期・短期ともにみることが重要です。

全体では、良いことなのか、悪いことなのか、長期・短期的にみて良いことなのか、悪いことなのかをバランス良く考えて意思決定をする必要があります。このバランスが重要です。

トレードオフとは、経済学でも良く使われる言葉です。

トレードオフ(英: Trade-off)とは、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという状態・関係のことです。トレードオフのある状況では具体的な選択肢の長所と短所をすべて考慮したうえで決定を行うことが求められます。また、トレードオフ選択しなかったことによる損失を「機会費用」と呼びます。

これって、この定義だけでは良く理解できないと思いますので、経営学の大家ドラッカー氏があげた三つの例を以下に掲載します。



まずは、会社を経営していく上で、短期と長期のトレードオフをバランス良く考えていく必要があります。

目の前の短期のことだけ考えていれば、長期的には会社の将来は危うくなります。とはいいながら、会社の10年後、20年後のことばかり考えていれば、短期的なことが疎かになり、すぐにても会社は危うくなります。

これをバランス良く考えていく必要があります。場合によっては、短期的にみれば多少効率を落としてでも、長期に備え場合だってあり得ます。

第二に全体と個のトレードオフです。全体とは、たとえば会社全体と、その一部の課との関係などもトレードオフの関係にあります。ある課にとって非常に良いことが、実は会社全体にとっては良くないことなどはいくらでもあります。それとは、逆に会社全体にとっては非常に良いことが、いくつか課にとっては悪いことで、全体を良くしようと考えるあまり、複数の課を駄目にしてしまうこともあります。これもバランスをとって考えなければなりません。

第三に、特に民間営利企業では、利潤に関するトレードオフがあります。たとえば、販売促進費を際限なく、かけれは、確かに売上はあがります。しかし、利益はでません。適当なところでバランスをとらなければなりません。

そうしてこの長期デフレのせいで、企業でも個人でもトレード・オフになる事柄が非常に増えてきました。デフレでなければ、特に若い時の貯金と経験がトレードオフになるということはあまりありません。

今でもバイト学生は多いが、稼げる金額は・・・・・・・・


自分の経験でも、バブルではないものの少なくともデフレではなかった自分の学生時代には、随分と金を稼いだものです。毎月最高で、30万くらいは稼いでいました。家庭教師、その他もろもろ合わせるとそのくらい稼いでいる連中は他にも結構いました。何も珍しい存在ではありませんでした。今なら極めて珍しい部類にはいるのでしょうね。

私は、金を稼ぐなどということは、あまり上手ではなかったのですが、この時期にいろいな友人が稼ぎがたをいろいろと教えてくれました。楽なものから、厳しいものまで、いくつもありましたが、やはり厳しいほうが稼ぎが良かったのて、厳しいほうを選びました。とは、いっても主に頭を使うものだったので、時間をかなりかけるとか、体自体は酷使するものではありませんでした。

別の角度からみれば、楽といえば、楽でした。今でいえば、エクセルのまともな表を作れれば、それで結構金になる時代でした。ただし、まともという意味は、ただ表がつくれるということではなく、現場できちんと役に立つ表という意味です。

これに関しては、大学の先生をかなり活用させていただきました。現場で必要になる知識を統計学の先生やら、コンピュータ・サイエンスの先生に良く質問に行きました。どの先生も前もって予約しておけば、快く応じていただけました。これは、学校の勉強と、現場での仕事(平たくいうとお金)が結びついた素晴らしい好循環でした。

なにせ、金になるということで、勉強にも、先生への質問もかなり熱心になります。それが、相手に伝わって様々な知識というか、そこまではいかないようなノウハウなどもたくさん提供していただいて、大助かりでした。教授の側も、自分たちの学問が現場でどのように活用されるのか、興味津々だったようです。

こんな時に、貯金と経験をはかりにかける人など誰もいませんでした。親からの仕送りがないとか、少ない人でも、バイトをすれば、何とか学費くらい稼げたし、返却しなくても良い奨学金をもらってい人もいました。院生で本当に優秀な人は毎月7~8万程度もらっていて、それは返却しなくても良いそうで、その他バイトをあわせると楽々と学業に勤しむことができました。

最近は若者の海外旅行離れも進んでいるという

ただし、私は貯金はあまりできませんでしたが、いろいろと経験はそれなりにつめたと思います。それが良いことだったどうかは、いまもってわかりませんが、その頃の経験も含めて、今の私がかたぢづくられているのは、間違いありません。

思い返してみれば、帝国ホテルであの、美味しい、ロースト・ビーフのワゴンサービスなど食したのもあの頃でした。これって、世界のどこよりも美味しいと思います。最近は、ほとんど行っていないなぁー。

国内旅行や海外旅行なんてもの結構やっていました。1年休学して、一年間海外旅行と金稼ぎなどという馬鹿真似もしでかしました。それは、それで良いことだったと思います。後で親にバレてこっぴどく叱られましたが・・・・・。

帝国ホテルのロースト・ビーフのワゴンサービス
目の前できりわけてくれる

それにしても、こんなことをしてるのは、自分だけかと思っていたら、海外に出かけると、そういう変な奴が一杯いました。

しかし、こんなことをしていても、就職の時期になれば、家に帰ると、その頃は印刷媒体が中心だったので、リクルートなどから山ほどいろいろな資料が山積みになっていて、就職も適当にやっていれば、何とかなるという雰囲気でした。

確かに、私自身も、周りをみていても、そうでした。第一志望が駄目でも、似たような業界の第二、第三志望くらいはどうにでもなるという感じでした。院生ならば、ほとんど何も就職活動をせず、教授の紹介で、自分が院生のときに実験していた事柄と同じような基礎研究ができる企業に就職している人もいました。

とにかく、よほどの事がない限り、就職に完璧に失敗するなどということはありませんでした。一部、変わり者が、大学や大学院を卒業しても、職に就かないというものもいましたが、そういう人も、それなりに自分の夢を叶えたり、中途入社して何とかなっていたというのが普通でした。

大学時代や、就職しても若いうちはなかなか貯金がたまらないというのは、普通のことでした。しかし、そうであっても、いずれ結婚し、結婚するとそれなりに貯金もするようになり、まあ何とかという状況でした。

そうです。当時は、中年以上ともなれば、失敗すれば、取り返しがつかないと思われていましたが、若ければ、特に長期完全失業とか、派遣などということは考えられませんでした。それが若さの特権と信じて疑いませんでした。

これは、おそらく現在の45歳以上の人の若いころはそうだったと思います。特に五十歳以上で、70歳以下であれば、完璧にこの範疇にはいると思います。これは、バブルの時代まっただ中での青春でなくてもそうでした。

しかしいつのまにやら、世の中はデフレに見舞われ、私の身の回りでも、新卒が明らかに変わってきたことがわかります。たとえば、札幌の大学に四年間いたというのに、薄野(すすきの)にほとんど行ったことがないとか、飲むとすれば、家飲みがほんどだったりとか、それに最近では、大学や大学院を卒業しても、奨学金数百万の借金があるということが珍しくはないようです。

であれば、最近の若者は、経験を後回しにして、貯金に励むのは当然のことと思います。貯金と、経験がトレードオフの関係になるのは当然のことと思います。

私の若い頃とは全く違うということです。それにしても、全くつまらない世の中になったと思います。

昔の若者だと、大学や大学院など卒業した新人など、たたくの何やらの埃がてできました。たとえば、学生時代にこんな変わったバイトをやっていましたとか、海外でこんな馬鹿真似をしていましたとか、いろいろでした。それなりに、面白い経験をしていきている人が多かったものです。

しかし、最近ではそのようなあまりなく、あったとしても、ありふれたバイトで、後は学生生活だけで、まるで無色透明のような学生生活を送ってきた人が多いようです。

そうして若者がそうなったことの原因としては、やはり、あまりにも長い間デフレが続いて、将来に希望が持てなくなっているということがあると思います。

だから、若いうちから、貯金と経験がトレードオフになってしまっているのです。

いつまでもデフレであり続けることはキモい 過度のデフレ脳もキモい


多くの人は、先にも述べたようにデフレ脳になってしまっているため、これが普通のように思っているようですが、それは完璧に間違いです。

デフレは、経済の癌ともいわれるように、異常状態です。これは、普通経済循環である、不景気、景気を繰り返すパターンから完璧に逸脱した、人でいえば癌ともいえる、異常な状況です。

しかし、日本では、デフレのことを不景気くらいに思っている人が多いてす。これは、完璧にデフレ脳です。

デフレ脳になってしまえば、このブログの冒頭の記事のように、若者の経験と貯金がトレードオフになるのが異常と思わず、あたり前に思ってしまうのです。

若者の経験と、貯金がトレードオフとなる世の中は、異常です。若ければ、貯金がなくても、後から頑張れば、何とでもなるのが普通です。就職して頑張れば、貯金もできて、様々な経験もできるのが若者の特権であったはずです。

この特権がなくなった社会は異常です。

これがない世の中は、進歩しません。若いうちは、なかなかオリジナルなことは考えられませんが、いわゆるリミックスということを実践していけば、いずれオリジナルなものもたくさん生まれてきます。れそがない世の中は、進歩がありません。

リミックスについては、このブログでも以前紹介したことがあるので、その記事のURLを以下掲載します。
『海賊のジレンマ』が教えてくれる「未来のアイデアを育てる」方法−【私の論評】単なる天才のひらめきで、イノベーションはできない体系的なRemixのみが社会を変える!!
レディガガのアルバム、The Remix

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、リミックスについて説明した部分のみを以下に掲載させていただきます。
新しいものが、全くの無から生まれてくることはありません。バッハも、同時代の先輩格のビバルディやコレルリの曲を何曲も編曲して新しい楽曲を生み出しています。特に、バロック時代にはそのようなことは、日常茶飯事に行われていました。今のように著作権法などはありませんでした。このようなことを行っていくうちに、バッハも自分独自の素晴らしい楽曲を作成するに至りました。アインシュタインだってそうです。彼自身が、自分がやったことは、過去の人がやったことに1%を付け加えたに過ぎないと言っています。その1%が素晴らしいことだったのです。彼でさえ、99%は、リミックスだったのです。
特に、社会変革に関する企画に関してはそういうことがいえます。今まで社会でどの時代のものであれ、うまくいったことは、すべて手本にすべきです。近江商人など昔の商人のやったことだって、多いに役立ちます。だから、過去に行われたこと、現在多くの人が行っていることは、徹底的に調べて、まずは、著作権法、商標法などに違反しないかたちで、複写・変形・結合することによって、新しいものを生み出すべきです。
複写・変形は、すぐに著作権侵害をしてしまう恐れがあります。ただし、誰が最初にやったのかわからない形で、世の中に広まってものは、そのようなことはありません。複数のものを結合して新しいものをつくってしまえば、それは最早、複写・変形の域を超えています。だからこそ、結合が重要なのです。そうして、努力を重ねて、さらに運がよければ、アインシュタインのように、1%の全く新しいものを付け加えられるかもしれないです。そのとき私たちは天才と呼ばれるのかもしれません。しかし、天才と呼ばれることがなくても、商売や事業は十分やっていけます。だから、凡人は、まずは、リミックスすべきなのです。
リミックスは、若かった頃の、スティーブ・ジョブズも、ビル・ゲイツだってやっています。今のアップルだって、マイクロソフトだって行っています。アートの世界もそうです。

特に、若者は、若い内に徹底的に先人の業績を研究し、真似して、リミックスを実践すべぎです。

そんな時に貯金だけしていては、将来の芽をつんでしまいます。ただし、残念ながら、今は貯金と経験がトレードオフの関係にあることも事実です。

であれば、今の若者には、倹約して貯金もしつつ、経験もたくさん踏んでいただきたいものです。お金をかけなくても、経験をつむことはいくらでもできます。たとえば、恋愛とか。これも、最近の若者はあまり経験していないようです。

それとか、最近では、電子書籍などでも無料のものが結構提供されています。確か福沢諭吉の『学問の進め』など、AmazonのKindleで無料で提供されていました。その他、多少お金はかかるものの、安いKindle本や、文庫本などもたくさんあります。

それに、大学生や院生であれば、自分の担当教官だけでなく、大学中の先生から知識やノウハウをいただくこともできます。

それに今の時代、インターネット、スマホ、タブレットなどありますし、若者はこれを多様しているはずですから、LINEなどの内輪の話だけではなく、いろいろ自分なりに勉強した上で、世界中の人からいろいろなことを聴いて回ることもできますから、これを利用しない手はないと思います。

とは、いいながら、これだけだと実体験はなかなか積めないですから、やはり、これから世の中を変えてまともにしていかなければなりません。

デフレ脳に陥っている人はマインド・コントロールされているようなもの


十五年以上も、デフレが続いている国など世界広しといえども、日本しかありません。この状況は打破しなければなりません。

であれば、若者も政治・経済に興味と関心を持ち、選挙にも行って、デフレ脳で完璧に腐った頭の政治家に票は入れずまともな政治家に投票すべきです。そのためにも、ある程度勉強しなければならないと思います。

そうして、様々な経験が積めるような世の中にして、楽しいことも、大変なことも経験すべきです。それか、次世代を進歩させます。貯金と経験がトレードオフになる世の中は、進歩しません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか?

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