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2020年6月29日月曜日

香港・国家安全法が「中国の没落」と「日本の復活」をもたらす可能性 — 【私の論評】東京・ニューヨークが国際金融センターのトップとなる日が来る!(◎_◎;)

香港・国家安全法が「中国の没落」と「日本の復活」をもたらす可能性 
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ついに見えた、中国政府「衣の下の鎧」





 中国の「香港国家安全法案」が月内にも全国人民代表大会で成立する見通しだ。その場合、香港にどのような影響を与えるか。

  【写真】「韓国が嫌いな日本人」を世界はどう見ているのか

 この国家安全法は、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力と結託して国家安全に危害を加える行為を取り締まり、処罰する。香港政府が「国家安全維持委員会」を設立し、関連事務に責任をもつが、中国政府は指導・監督のため香港に「国家安全維持公署」を設置する。国家安全法が香港の他の法律と矛盾する場合、国家安全法を優先するとしている。

  このような、国家転覆を企てる行為を処罰する法制はどこの国にもある。しかし、中国は共産党が憲法の上位に位置する一党独裁国家であり、共産党批判は国家転覆につながるとみなされる。一方、民主的な国では、政権交代のための民主主義プロセスがあり、政権・政党批判は容認される。

 よく香港に関しては一国二制度といわれるが、その矛盾は、今回のような国家安全法制が出てくると、よくわかる。

  欧米の自由・民主主義国では、高度な自治を有する一国二制度ともいえる自治領が歴史的にも存在してきたが、やはり中国では、自由も民主主義の歴史もないので、一国二制度は当初から無理だったのだろう。これまでも中国政府は、一国二制度は「香港固有のものではなく、全て中央政府から与えられたものである」と公言してきたが、今回の香港国家安全法で、ついに衣の下から鎧があらわれてしまった。


 香港から一国二制度を取ったら何が残るというのだろうか。その証拠に、政治的基盤が揺らぎ始めてから、香港経済はガタ落ちだ。

  香港の2019年7-9月期の実質域内総生産(GDP)成長率は、前年同期比でマイナス2.8%。四半期のマイナス成長はリーマン・ショック以来10年ぶりで、民主化デモの深刻化による観光客の減少と、米中貿易摩擦による中国経済の減速のダブルパンチだった。10-12月期も前年同期比でマイナス2.9%と景気後退になった。2020年1-3月期は、コロナでマイナス8.9%とダメ押しになっている。

  香港は、イギリス・スタイルの規制の緩い世界有数の金融センターだった。

  イギリスのシンクタンクZ/Yenグループが2007年3月から、国際金融センターの国際的競争力を示す指標(国際金融センター指数)を公表している。100以上の都市・地域を対象とし、年2回ランキングを出している。

  2020年3月に公表された最新版によれば、香港のランクは3位から6位まで低下してしまった。

  その前まで、ニューヨーク、ロンドンに次ぐ3位をシンガポールと競っていたが、一国二制度が揺らいでいることから、今回は下がってしまったわけだ。

自由な政治がなければ、自由な経済もない




 もちろん、香港の国際金融センターとしての魅力は、自由な金融取引ができなければ維持できない。もはや、金融センターとしての香港の将来はないだろう。

  特に香港ドルについてはドルペッグされており、これが香港の金融インフラを支えている。米国がドル決済で国際金融機関に制限をかければ、香港の金融経済はまったく機能しなくなり、ひとたまりもなく没落する。米国はドルという世界最強通貨をもっているので、その気になれば香港の生殺与奪を握っているともいえる。

  中国にとって、香港を失うのは経済的な打撃である。国際金融センターとして上海が伸びてきているので、香港の代替ができるのではないかという意見もあるが、筆者は否定的だ。

 というのは、そもそも国際金融センターとして不可欠な「自由な資本移動」が、中国では不可能だからだ。

 これをきちんと理解するためには、まず国際金融の知識である「国際金融のトリレンマ」についての理解が必要だ。ざっくりいうと、(1)自由な資本移動、(2)固定相場制、(3)独立した金融政策のすべてを同時に実行することはできず、このうち二つしか選べないというものである。

 このため、先進国の経済は二つのタイプに分かれる。一つは日本や米国のような変動相場制である。(1)の自由な資本移動は必須なので、(2)の固定相場制をとるか(3)の独立した金融政策をとるかの選択になるが、ここで金融政策を選択し、固定相場制を放棄している。

  もう一つはユーロ圏のように、域内は固定相場制、域外に対しては変動相場制を取るというものだ。(1)の自由な資本移動は必要だが、域内では(2)の固定相場制のメリットを生かし、かわりに独立した金融政策を放棄する。もっとも、域外に対しては変動相場制なので、域内を一つの国と思えばやはり変動相場制ともいえる。

  いずれにしても、先進各国は(1)の自由な資本移動を最優先で確保している。逆にいえば、自由な資本移動があって、自由な国際金融センターがないと、先進国の資格がないというわけだ。先進国クラブといわれるOECD(経済協力開発機構)の加盟条件として、資本の自由化が含まれているのはそのためだ。

 中国経済は、そうした先進国タイプになれない。

 中国は、一党独裁社会主義であるので、(1)の自由な資本移動が基本的に採用できない。例えば、土地などの生産手段は国有というのが社会主義の建前だ。中国の社会主義では、外資が中国国内に完全な民間会社を持てない。中国へ出資しても、中国政府の息のかかった中国企業との合弁までで、外資が会社の支配権を持つことはない。

  要するに、中国では自由な資本移動がないために、本格的な国際金融センターを擁することも不可能なのだ。

  なお、先進国はこれまでのところ、基本的に民主主義国家である。これは、自由な政治体制がなければ自由な経済体制も作れず、その結果としての成長もないからだ。このあたりの理論的な説明は、フリードマン『資本主義と自由』に詳しい。

  この理論を進めると、今の中国の一党独裁体制では、経済的な自由の確保ができないので、いずれ行き詰まることが示唆される。

 この議論は、近く中国が崩壊するという悲惨な予測や、中国も経済発展を遂げればいずれ民主化するという楽観論とも一線を画しており、そうした予測をするものではない。

日本は「漁夫の利」を狙える

 いずれにしても、香港の将来は明るいとはいえない。香港の企業、金融機関や人々は、これから中国に従うか、それとも香港から脱出するかの二択を迫られることになるだろう。香港の人口750万人のうち、半数程度は香港に居づらくなるだろう。

  香港は、モノとカネによって中国と世界をつなぐ重要なゲートウェイだったが、もはや今後、その役割を担うことはなくなるだろう。

 それにしても、中国は香港について間違った選択をしている。あと10年くらい「一国二制度」を維持していれば、香港の能力をもっと活用できただろうに、そのチャンスを自ら失ってしまった。香港の自由が、中国の一党独裁という政治的な「不自由」に、よほど脅威だったのだろう。金の卵である香港を切り捨ててでも、一党独裁体制を守りたかったに違いない。

 もっともこの状況は、日本にとっては「漁夫の利」になる可能性がある。国際金融センターとしての東京の復権のためには、大きな援軍となるのだ。折しも実施される東京都知事選で、ここを是非とも争点にしてもらいたいところだが、そうした機運がないのは極めて残念だ。

  イギリスのロンドンもEU離脱により、国際金融センターとしての地位を低下させるだろう。イギリス経済をTPP(環太平洋パートナーシップ)に取り込み、さらに香港の国際金融センターとしての機能も企業とともに取り込んだら、日本の将来にとって大きな資源になるはずだ。

  香港国家安全法案が可決されたら、日本は「遺憾」を表明するだろう。これは、17日の先進7か国(G7)の共同声明での「重大な懸念」より踏み込んだ表現だ。それと同時に、香港から脱出する人に対して受け入れを優遇し、国際金融センター機能の取り込みもしたらいいだろう。

コロナ「第二波」はあるのか



 最後に、話題は変わるが、コロナ感染の第2波について気になっていることを書こう。

 新型コロナウイルスの感染者が、東京都内などで増加傾向にある。海外でも引き続き感染者が増えているが、今後どうなるのか。

  最近、一部週刊誌で、緊急事態宣言や活動自粛措置は意味がなかったとする見解が出ている。吉村大阪府知事は騙されたとするものもある。もっとも吉村知事は「騙されていないし、後出しジャンケンは有害以外の何物でもない」としている。

  筆者は1月下旬から、2日に1回のペースで感染拡大の予測を公表してきた。予測は感染症数理モデルによるもので、一定の前提条件の下で、新規感染者数についてピークの到来時期と落ち着く時期を明示した。

  筆者の予測は、3月下旬に1回だけ見直している。その当時の前提条件(自粛の緩みなど)が現実と乖離していたからだ。もちろん予測は常に外れる可能性があるので、前提条件と現実との乖離を注意深く見ての判断だった。それ以降見直しはせず、4月上旬がピーク、5月下旬に落ち着くとの予測はほぼ当たった。

  これが科学の流儀である。前提条件の違いを考慮し、修正を加えながら予測すべきで、その妥当性は予測が当たるか当たらないかで判断される。一部週刊誌は、こうした予測もできないくせに、難癖をつけたにすぎない。まさに吉村知事が言う通りの後出しじゃんけんだ。

  今の東京での新規感染者数をみると、筆者が予測を見直した3月下旬とはやや違うとの印象もある。クラスターは発生しているが、感染経路が比較的はっきりしており、爆発的な広がりの兆候は少ない。もっとも、第二波といえるかどうかは、もう少しデータが入らないと判断できない。

 今のところ、「第2波」はあっても、第1波ほどにはならない可能性が高いとみるが、今後もデータを注視していきたい。

【私の論評】東京・ニューヨークが国際金融センターのトップとなる日が来る!(◎_◎;)

国際金融都市とは、グローバルな金融機関が拠点を構えたり、株式や為替など世界の金融・資本市場の中心となる取引所が所在する都市のことです。

ニューヨークやロンドンは歴史的に株式・為替取引が多いことからも、その代表格といえます。最近では香港やシンガポールも存在感を高め、国際金融都市の仲間入りをしていました。

国際金融都市は国際金融センターとも呼ばれ、その基準の一つとされているのが、イギリスのシンクタンクが発表する「世界金融センター指数」です。これは世界の100以上の都市・地域を対象に、金融センターとしての国際競争力を測るものです。

2019年9月に発表された最新版では1位がニューヨークで2位がロンドン。3位に香港、4位にシンガポール、5位上海とアジアが続いて、東京はその次の6位となっています。

やはりニューヨーク、ロンドンの2大都市は国際金融都市の不動のツートップ。イメージ通りの実力のようです。

それを追いかけるのがアジア勢で、中でも上海は2018年に東京の順位を追い抜き、上位勢に迫る勢いを見せています。中国のメディアは「国際社会が上海を国際金融センターとして認めるようになった」と分析。胸を張っています。

この中では、東京はツートップの“控え”のようなポジションというイメージでした。

出典:東京都政策企画局2015年「東京国際金融センター推進会議」資料より転載
東京の国際金融都市を目指す動きの前に、他の都市につい少してみておきます。

「国際金融センター指数」ランキングの興味深いところは政治的な国情があまり反映されない点です。昨年のランキングでは、例えば市民デモが続く香港は政治情勢が揺れ動いていたのですが、3位という国際金融センターとしての地位は安泰でした。また、ブレグジットを巡って揺れ続けているイギリスにおいてもロンドンは国際金融センターとして世界第2位の位置を堅持していました。

香港やロンドンを見ると、いったんその地位を築くと簡単には揺らぐものではないといえそうでした。その意味で上海の躍進は特筆すべきところではありました。

日本の場合、国情の安定性という点ではまったく問題はないのに、ランキングでは上海に抜かれて6位ということは、政治以外の環境、特にビジネス面での環境があまり高く評価されていな買ったということがうかがえます。

興味深いのが韓国で、ソウルの「国際金融センター指数」のランキングはなんと36位。これは、韓国がソウルと釜山の両方を金融都市として発展させようとしたために力が分散してしまった結果とみられています。

2017年11月、東京都はアジアナンバーワンの国際金融都市としての地位を取り戻すために、「国際金融都市・東京」構想をまとめました。

ここでは、①魅力的なビジネス面、生活面の環境整備 ②東京市場に参加するプレーヤーの育成 ③金融による社会的課題解決への貢献、という3つの取り組みを中心に進められることが発表されました。

この一環として2019年4月には、官民連携で各種プロモーションを展開する組織「一般社団法人東京国際金融機構」(通称:FinCity.Tokyo)が設立されました。この機構にはメガバンクや大手証券会社、金融関連業界団体のほか、東京都も正会員として参加しています。

東京国際金融機構では、世界に向けて金融都市としての東京の姿を発信すること、国際的な金融機関などが日本に参加しやすいよう支援すること、東京の金融エコシステムをアップグレードすることなどを通じて、国際金融都市を目指して東京を海外にアピールしていきます。

東京がアジアでナンバーワンの金融センターとなり、ニューヨーク、ロンドンと並ぶ国際金融都市となるのは、決して容易なことではありません。しかし、このまま香港、シンガポール、上海に水をあけられっぱなしでいいはずもありません。同機構のこれからに注目したいところです。

以上か昨年までの国際金融センタへに関する一般的な見方でした。しかし、香港の問題や、コロナ禍により、今年に入ってからこの状況はすっかり変わってしまいました。

英国のシンクタンクZ/Yenと深セン市(Shenzhen)の中国総合開発研究所が3月26日に発表した「世界金融センター指数(Global Financial Centres Index)」で、香港に大きな衝撃が起きました。ニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界3位から一気に6位に転落。「世界三大金融センター」の座から滑り落ちたのです。昨年から続くデモ活動の影響とみられます。

世界金融センター指数は、金融センターの国際的競争力を示す指標として2007年3月にスタート。「ビジネス環境」「人的資源」「インフラ」「国際金融市場としての成熟度」「都市イメージ」の5項目を基準に、100以上の都市・地域を1000点満点で点数化し、毎年3月と9月に順位を公表しています。

最新の上位10都市は、ニューヨーク(769点)、ロンドン(742点)、東京(741点)、上海(740点)、シンガポール(738点)、香港(737点)、北京(734点)、サンフランシスコ(732点)、ジュネーブ(729点)、ロサンゼルス(723点)。

点数で見ると、上位10都市すべてが前回よりポイントを落としています。これは新型コロナウイルスや世界的貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱など全世界共通のマイナス材料による影響ですが、香港は34ポイントマイナスで、10都市の中でも最も下落しました。

国際金融のトリレンマには、さすがに中国もいくら資金を使っても、工作員派遣して、何らかの工作をしようとしても、これを破ることはできないようです。

国際金融センターの条件として、香港問題をきっかけに、国際金融のトリレンマが、クローズアップされ、コロナ禍により、防疫体勢を含めた、安全性が注目されるようになったのでしょう。そのため、世界金融センターとしての東京の地位が上がってきたのでしよう。

ただし、今回は東京が地位をあげたというよりは、他都市が地位を下げたということが言えると思います。

特に、国際金融センターとして東京が活躍するためには、日本の銀行の生産性が低すぎです。生産性を飛躍的に高めないと、せっかくの国際金融センターとしての活躍のチャンスが巡ってきたのに、それを不意にすることになりかねません。

ただ、これもこれからの本格的な人手不足が解消することになるでしょう。生産性を上げるか、淘汰されるしかないわけですがら、これは日本の銀行なども必死になっ生産性を上げることでしょう。

日本の東京はこれにより、国際金融センターとしての地位を向上させていくでしょう。自由のない香港、上海、シンガポールなどは、これからますます地位を下げていくでしょう。

ロンドンは、ブレグジットにより、地位を下げることになります。となると、未だコロナの感染者数が増え続けている米国の状況を見ると、東京・ニューヨークが世界の金融センターの事実上のトップとなる時がきたとしてもおかしくはありません。

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時刻: 6月 29, 2020 0 件のコメント:
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2020年6月28日日曜日

米名門大、元大統領名変更 人種差別主義者と判断— 【私の論評】「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は本当だ!(◎_◎;)

米名門大、元大統領名変更 人種差別主義者と判断
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黒人男性暴行死抗議デモ

ウッドロー・ウィルソン

米名門プリンストン大は27日、国際連盟創設に尽力したことなどで知られるウッドロー・ウィルソン元大統領の名前が付けられた学部や建物の名称を変更すると発表した。同大総長を務めた政治学者でもあったが「人種差別的な考えや政策は教育機関として不適切と結論付けた」と説明した。

改名の議論は過去にも浮上したが、2016年に名前を維持する方針を決定していた。大学によると、中西部ミネソタ州の白人警官による黒人暴行死事件を機に高まる人種差別撤廃の動きに影響を受け、改めて議論した結果という。

1913~21年に大統領を務めたウィルソンは世界平和に尽力し国際連盟創設も主導した功績によりノーベル平和賞を受賞。一方、19世紀の奴隷解放宣言後も白人と黒人を隔離し続けた南部諸州の政策を支持するなど人種差別主義者だったとの批判もある。

【私の論評】「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は本当だ!(◎_◎;)

米国では、黒人男性暴行死をきっかけとする、デモ活動などが吹き荒れています。私とししては、過激なデモ活動などには同意しがたいのですが、このプリンストン大学の措置は、良かったと思います。

それにこの措置は、前にも検討されたものであり、今回のデモに対応した部分もあるとは思いますが、以前から懸案になっていたものを今回判断したということです。

憲政史家の倉山満氏は、2016年に『大間違いのアメリカ合衆国』を出版しています。そうして、中でも日本人が思い描いているイメージとかけ離れたアメリカ大統領を厳選し、サイトで倉山氏が採点を連載で公表していました。その中には、ヴィドローウィルソンのものもあります。それを以下に引用します。

“
理想主義が招いた悲劇?人類に不幸を撒き散らした、最悪の大統領
第28代 ウッドロー・ウィルソン




第28代 ウッドロー・ウイルソン
①国益への貢献 1点 ☆
②世界秩序への貢献
マイナス30点

××××××××××
××××××××××
×××××××××× 
③正気を保ったか
マイナス15点 ××××××××××
×××××
世界秩序への貢献は五段階評価でマイナス30点、正気度はマイナス15点です。

これまでの私の著書でさんざん筆誅を加えていますので、もはや多弁を弄する必要もありませんが、大英帝国にケンカを売り、まとめてフランス帝国にケンカを売り、ついでに大日本帝国にケンカを売り、ロシア帝国を滅ぼし、ドイツ帝国をぶっ潰し、ハプスブルク帝国を八つ裂きにし、オスマン帝国を抹殺し、ロシア革命を擁護しまくってソ連を育て、その他中国・北朝鮮の共産主義国家を生まれさせたのも元をただせばコイツのせいです。

今の人類の不幸の最低九割がウィルソン一人の責任と言っても過言ではありません。

正気度は医学的に大マイナスだということが明らかになっています。私が勝手に言っているわけではなく、フロイトがそういう本を書いています。任期の最後の一年は本当に気が●っていました。

問題は国益への貢献で、第一次大戦をどう評価するかでしょう。

当時のアメリカでは第一次大戦への参戦はまったく評価されず、「何しに行ったのだ。結局、アメリカの若者を死なせただけではないか」とボロクソに言われていました。「世界の大国になんて俺たちは誰もなりたいと思っていない」という反発が強かったので、国際連盟加入も議会で否決されています。

第二次世界大戦がなければ第一次大戦にまったく意味はないので一点としましたが、いかがでしょうか

<採点方法>
① アメリカの国益にどれほど貢献したか
② 世界の秩序にどれほど貢献したか
③ いつまで正気を保ったか

①と②は他の国の指導者にも適用可能な普遍的なものです。

そこへもうひとつ③の基準がどうしても必要なのがアメリカならではです。①はアメリカ人から見たときの基準、②はアメリカ以外から見た客観的な基準、③は自然科学的基準です。各項目5点満点の5段階評価です。
“
ウィドロー・ウィルソンとはいっても日本では、比較的知名度も低く、何時ごろの大統領なのかも知られていないと思うので、以下に少し前の歴代の大統領の名前、代数などを記した表を掲示します。



これは、米国の歴代大統領の表の一部をiPadでキャプチャしたものです。28代から32代までの大統領の部分をキャプチャしました。

フランクリン・ルーズベルトは、第二次世界大戦を指導した大統領ということで、日本でも知名度があると思います。

このルーズベルトは、正気だったがどうかはわかりませんが、明らかに悪人です。ルーズベルトは反共国家の大日本帝国を滅ぼし、ついでに大英帝国も滅ぼし、スターリンをこれでもかと擁護しまくってソ連の超大国化を自ら後押しし、世界中に共産主義をまき散らして現在の中国、北朝鮮問題の端緒もルーズベルトのヤルタ会談にあります。

わが国との大戦でフランクリン・ルーズベルトが数多の国際法違反を繰り広げたことも忘れるべきではありません。米国の勝因は2つあります。それは、無差別通商破壊と無差別都市空襲です。

無差別通商破壊とは、わが国の輸送船への攻撃です。米軍は戦闘員と非戦闘員の区別など付けず、民間船こそ狙い撃ちしました。あまつさえ、病院船までも情け容赦なく攻撃して恥じることがありませんでした。

無差別都市空襲とは、軍事目標以外にも空爆を加えることです。大戦終盤、日本中の都市に空襲がなされました。焼夷弾による意図的な民間人殺傷などは明確な国際法違反であるのですが、米軍はためらいませんでした。

そうして、2発の原爆です。この時の大統領はルーズベルトではありませんでした。しかし、原爆投下への道筋を無差別都市空襲によってつけたのは、ルーズベルトだったと言っても良いでしょう。ルーズベルト直後の、トルーマン氏はどちらかというと、小市民的であり、当時すでに無差別都市空襲の実績がなければ、原爆投下の決定をしなかったかもしれません。

原爆は非人道兵器であり、その使用自体が国際法違反です。当時の米国の原爆投下に、違法性を阻却できるような事由は存在しません。民間人への意図的殺傷に加え、非人道兵器の使用の、二重の国際法違反です。

米国の憲法学者、草の根保守のリーダーであり、積極的な行動主義者であった、故フィリス・シュラフリー女史は、当時ソ連と対峙し反共の砦でもあった日本を戦争で打ち破ったことで、米国はソ連ならびその後の中国の台頭を許し、さらには今日北朝鮮の核にまで、怯えるような状況を作ったのはルーズベルトであるとしています。

今回、プリンストン大学がウッドロー・ウィルソンの学部や建物の名称を変更すると発表したのは、過去の歴史の見直しということで評価できますが、保守派にはある共有されている、フランクリン・ルーズベルト悪人説は、なかなか改められることはないでしょう。

なぜなら、これを認めてしまうと、ルーズベルトを正義として認めてきた、米国の人口の約半分を占め、法曹界、芸能界、大手米マスコミは無論、多くの職場や学校を占めるリベラル層の価値観が大きく揺らぐからです。自分が長く信じてきた、価値や信念がまちがいだっと認めることは誰にとっても辛いことです。

しかし、一方ではルーズベルトを悪党と認識する、保守層も間違いなく米国の半数近くは存在していたからこそ、トランプ大統領が誕生したのも事実です。しかし、メディアやその民間や公的機関で長い間、リベラルの声があまりにも大きく、保守派の声がかき消されてきたことも事実です。

だからこそ、今日米国のデモ騒動は深刻な事態となり、歴史的な建造物や人物の像を打ち壊すなどの深刻な事態を招いているのです。本日も以下のようなツイートを見つけました。


「リンカーンと奴隷像」を守ろうとする黒人男性にマッドな活動家の女性が、

「何故この像を守るのか?」

と詰問したら黒人男性が、

「何故かって?じゃあこの像製作にお金出したのは誰か?」

って逆に聞いてるんですよねこれ?

答え:この銅像製作にお金を出したのは解放された元奴隷の皆様です。 https://t.co/LXri8bAsqx
— Ricky_Elwood (@David_R_Stanton) June 27, 2020



この動画の活動家の女性は、「リンカーンと奴隷像」が開放された元奴隷たちのお金で、制作されたことを知らないのでしょう。ただ直情的に、奴隷の像に怒りをぶつけていたのでしょう。

実は、リーンカーンも悪人であるということを示す歴史的事実もあるのですが、それはさておき、そのようなことはこの活動家の女性は知らないでしょう。

しかし、当時のお金を出した黒人に取っては、リンカーンは救世主だったに違いありません。

その事実を無視して、直情的に像を壊そうとか、倒そうとするのは間違いです。それよりも、何よりも、歴史的事実を俯瞰的に、客観的に調べたりする習慣のある人はこのような愚かな真似はしないでしょう。

歴史的客観的事実から、自分の意見を形成し、まずはそれを主張することからはじめるとおもいます。そのようなことをすれば、時間がかかっても、プリンストン大学のような判断をする組織が現れてくるはずです。

直情径行的な行動に走らせるのは、やはり無知がなせる業でしょう。

なぜ今日、米国や日本が、中国や北朝鮮問題に悩むことになったかを真剣に遡れば、米国では悪人ルーズベルトに行きついたり、常軌を逸した、ウッドロー・ウィルソンに行き着くのは当然です。日本では、近衛文麿など行き着くことになります。

これは、通り一遍の歴史の教科書などを読んでいては、到底たどり着けません。やはり、自ら頭を使って、真摯にそうして客観的に歴史を遡る必要があります。

私は、学生にソ連やナチスを周知のこととして、話をしたことがあります。その直後にその学生に真顔で「ソ連やナチスってなんですか」と質問されて驚いたことがあります。

先の活動家女性も、この学生も歴史を真摯に遡ったことはないのでしょう。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

鉄血宰相と呼ばれたオットー・フォン・ビスマルク(1815年-1898年)の言葉です。

直訳は、

「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。
 私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む」

だそうです。

何かを判断するとき、自分の経験則だけに頼るのではなく、他者も含めた過去の歴史に学ぶことでより良い判断ができる、という意味の言葉です。

この言葉は一種の集合知の活用を推奨していると言うこともできます。この集合知というと、思い出すことがあります。

それは、会社で最初に私の部下になった青年ことです。その青年は東京の一流私大学出身でしたが、ある時「郵便を見てきてくれ」と指示を出し、実際にそうしてもらったのですが、何回も見に行ったにも関わらず、そのたびに「はい。見てきました」と返答しました。

しかし、さすがに4回目の時には、「もしかして」と思って郵便受けを自分で見に行くと、何と郵便物すでに到着していました。その青年は、本当に郵便を「見てきた」のです。


郵便受けを見る人

このことがあってから、特にコミュニケーションについては、よく考えないと失敗することもあると悟りました。そのため、コミュニケーションやマネジメントに関する書籍に興味を持ち、いろいろ探していたのですが、なかなか良い書籍が見つかりませんでした。

その時に、たまたまドラッカー氏の書籍、「マネジメント」に巡り合うことができました。その後その青年には、コミュニケーションにつき、ドラッカーの書籍に書いてあることを噛み砕いて教えました。

その後、コミュニケーションに関わらず、マネジメントなどに関わることで、何か疑問に思うことがあれば、質問しなさいと伝えると、彼は頻繁に質問するようになりました。

私は、その質問に応えるため、ドラッカーの書籍を何冊も読むことになりました。その都度彼が納得する応えができたので、彼も驚いているようでした。

そうして、気づいたのですが、マネジメントに関する問題のほとんどは、他の書籍をあれこれ読むまでもなく、ドラッカーの書籍にほとんど掲載されているのです。職場でいろいろな人が悩む事柄については、大抵のことがドラッカーの書籍に掲載されているのです。

これはある意味驚きでした。そうして、そのことをある日彼に話したのです。彼は驚くとともに、早速ドラッカーの書籍を読み始めました。その彼は、今では一人前になり、多くの部下を支えて、大活躍しています。

ドラッカー氏は、長年多数の企業のコンサルタントなどを実行して、様々な経験をし、それだけではなく様々な書籍も読んだ上で、様々な著作をしたのでしょう。

そのためか、ドラッカーの書籍にはマネジメントに関する集合知ともいえるありとあらゆる知識が満載されています。

このような集合知が手に入れ、それを実際の仕事に適用できれば、職場でマネジメント上のことでは、あまり悩むことこともありません。悩まずに、努力をすることができます。

これを知らない人は、様々なことで悩んでいるようです。新聞を読んだり、テレビなどを視聴していると、すでにドラッカーの著書に解決策が書かれていることで、悩んでいる人がいかに多いのか、本当に驚きます。

それ以外にも、ケインズやスティグリッツ、クルーグマン、フードマンなど名だたる経済学者が示している、経済理論などを知ることなく、自分の経験だけで経済や金融を語る人が多いことに驚きます。私自身は、経済の本よりは、ドラッカーの書籍を読むことが多いのですが、それでも時には読むことがあります。


スティグリッツ氏
特に難しい理論については、分からないことも多いので、一般向けに書かれた書籍を読むことが多いです。それでも、その時々で大まかな方向性などは理解できます。世の中には、そのようなこともせずに自分の経験や、ほんの数ヶ月の目の前の状況から経済を語る人が多いことに驚くことがしばしばあります。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という事例にも今でも頻繁に出会うことがあります。そうして、思うのは、やはり自らの狭い経験にだけ学ぶ人は、最終的には本当に困った人になってしまうということです。

困った人とは、すぐに他者に操作されてしまう人ということです。米国のデモで暴力的なことをする人たちも、人の知恵を借りたり、集合知を利用できず職場でいつまでも悩み続けいつまでもまともに意思決定できな人とは、結局そういう人なのかもしれません。

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2020年6月27日土曜日

【日本の解き方】秋の3次補正と衆院解散観測 経済対策の柱は消費税の減税…予備費10兆円活用で対応可能 — 【私の論評】安倍総理は、先進国定番の大規模な財政出動・無制限の金融緩和政策を実行し、再び強運を引き寄せろ!(◎_◎;)

【日本の解き方】秋の3次補正と衆院解散観測 経済対策の柱は消費税の減税…予備費10兆円活用で対応可能 


自民党の甘利税調会長

 自民党の甘利明税調会長がロイターとのインタビューで、「新型コロナウイルスからの復興に向けて、秋に本格経済対策を打つ予定」だと発言した。対策発表後には「安倍晋三首相が、衆院解散を行う可能性はゼロではない」とも指摘している。

 衆院議員の任期は来年10月までだ。今年10月で丸3年となるが、これまでの歴史では、任期途中で衆院が解散されることが多く、平均任期は3年弱となっている。

 今回は新型コロナウイルスの感染拡大で、東京五輪・パラリンピックが1年延期された。ということは、来年には、それに関連した各種イベントがめじろ押しになることが予想され、解散総選挙どころでなくなるかもしれない。

 逆に各種イベントがないこの夏の政治スケジュールは空いており、コロナ禍によって海外への渡航も制限されている。そこで政治家同士の国内会合があると、話題は総選挙の話題になり、これまでの経緯から「4年目はないだろう」となる。

 しかも、4月と5月の経済状況は、緊急事態宣言による各種の自粛活動もあってひどいものだ。それらが解除された6月以降、経済活動はやや持ち直しがあるが、それでも平年並みに戻るまで3カ月から半年を要するだろう。2回の補正予算により、50兆円程度の有効需要は創出されたが、国内総生産(GDP)の落ち込みをカバーするにはまだ力不足で、3次補正が必要だ。

 そこで、任期3年目が終わる10月までに補正予算のための臨時国会の招集、そこでの衆院解散というストーリーは自然に出てくるわけだ。

 ポイントは消費税減税だ。全国民への10万円の特別定額給付金は、地方事務として行ったこともあってあまりに手間がかかり予想通り日数を費やした。麻生太郎政権時代に実施した経験から、時間がかかることを見越した上で、2回目の給付金を阻止するという陰謀でもあったのかと邪推しそうになるほどだった。だから、筆者は海外の標準策である政府小切手の送付を主張した。

 それに比べれば、消費税減税や社会保険料減免は、効果がすぐ出る政策だ。

 甘利氏は別のインタビューで、消費減税について、財政に与える影響が大きいとして強く否定している。

 ただし、2次補正で予備費が10兆円あり、あと3兆円の追加補正をすれば、1年間の時限措置として消費税5%分の減税の財源確保ができ、甘利氏の懸念はなくなる。

 緊縮財政のドイツですら消費減税をやろうとしている。日銀の金融緩和政策との合わせ技なら、財政問題が生じない。

 今回のコロナ・ショックは、生産の落ち込みもあるが、それを上回る需要の落ち込み、特に消費需要の消滅の影響が大きい。これを喚起するには、消費減税が政策として望ましい。

 経済対策といいながら、消費減税を外すのは、まさに画竜点睛(てんせい)を欠くというものだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】安倍総理は、先進国定番の大規模な財政出動・無制限の金融緩和政策を実行し、再び強運を引き寄せろ!(◎_◎;)


今年の3月、昨年10月の消費増税の影響を受けた10~12月期のGDPが前期比7.1%減(年率換算)という衝撃的な経済統計が発表されました。しかし、コロナショックの影響が含まれた今年1~3月期は前期比3.4%減(同)、4~6月期も前期比25%減程度(同)というすさまじい数字が出るでしょう。このGDPを取り戻すには、総額で50~100兆円の真水が必要になります。

第2次補正予算では、25兆円の真水を出すべきだったのです。そうして最低ラインの50兆円になりました。2回目の10万円給付、家賃減免や雇用調整金の増額など、実施すべきことはいくらでもあります。

労働者の休業手当を助成する雇用調整助成金は、事業主が毎月支払っている雇用保険料の一部が原資です。民間保険なら〝万が一〟のとき、だいたい1週間以内で保険金を受け取れるはずです。

ところが、雇用調整助成金は申請が通るまでに1カ月以上もかかってしまうのです。実際4月下旬で2~4月に申請された案件の1%しか認可されていないとのことです。

雇用調整助成金について説明する厚生労働省のHP

これでは全く〝保険〟ではないではありませんか。事業主はいったい、何のために雇用保険料を支払ってきたのでしょうか。それは、今回のような万が一のためです。その万が一がいまやってきたのです。官僚は自らの天下り先に潤沢な資金を使ってきたはずなのに、天下り先の事業者も含まれるであろう、事業主に対してここでケチるなど全くもって信じられないことです。

財務省は、何のために省益を追及するかといえば、高級官僚が天下り先で、超リッチなセレブライフを謳歌するためのものであったはずです。無論私は、これが正しいことだと言っているわけではありません。

財務省の立場に立ったとしても、財務省はその省益すら忘れて、ひたすら緊縮に走るようになってしまったのかと思ってしまいました。だとしたら恐ろしいです。本来の自分たちの目的も忘れ、ひたすら緊縮に走ることが善であるという、宗教団体にでもなってしまったのでしょうか。

この未曾有の緊急事態のど真ん中で、国際情勢や国内情勢にも無頓着な財務省の盲目的な緊縮イデオロギーこそ〝日本の敵〟であることがはっきりしたと思います。その最中に、専門家チームに経済の専門家4人が加わりました。しかしメンバーの1人、小林慶一郎東京財団政策研究所研究主幹は筋金入りの増税派、財政破綻論者です。東日本大震災後のように、「復興税」が導入されるようなことがあれば、日本経済は終わりです。


これは、自民党の主導で第2次補正予算が検討されたので、財務省が〝緊縮牽制球〟を投げたのでしょう。西村康稔経済再生担当相はツイッターで、「(前略)任命に際し本人と何度も話しました。最近の氏の論文では、今は財政再建にこだわらず国債発行してでも厳しい状況にある人の支援を行うべきと、財政支出の重要性を主張しています。経産省の後輩でもあります」と投稿しましたが、大丈夫でしょうか。

財務省は復興税だけでなく〝2匹目のドジョウ〟を狙っている気さえします。緊急経済対策で財政支出を強いられるので、財政悪化を理由に復興税、その勢いで消費税も12%、15%へホップ・ステップ・ジャンプという具合に増税キャンペーンを始めるかもしれません。要注意です。

一方、日銀は4月27日の金融政策決定会合で、国債の買取について「年間80兆円」という上限の撤廃を決めました。無制限の国債買取は米国のFRB(連邦準備制度理事会)、ECB(欧州中央銀行)も実施していることです。しかし上限を撤廃ところで、これが現実的な財政出動に結びつかなければ意味がありません。

「無制限」というと聞こえは良いですが、日銀の年間国債買取額は2016年9月に長期(10年物)国債金利を0%程度で推移するように国債を買い入れるイールドカーブ・コントロールを導入してから、年間20兆円ベースに減っていました。これでは、白川方明前日銀総裁の頃と変わりません。〝黒田バズーカ〟は鳴りを潜め、黒田総裁の〝白川化〟してしまい「80兆円枠」は実績と乖離し、有名無実化していました。コロナショックを口実に撤廃しただけのことです。

わざわざ「無制限」といわなくても、20兆円ベースの現場では60兆円くらい国債を追加購入する余裕は十分ありました。25兆円の真水など造作もなくできたのです。これからは口だけでなく、実際にどれくらい購入するかが重要です。政府・日銀の連合軍をつくり、財政を気にしないでカネを刷れば良いのです。

これについてはこのブログでも何度が主張しましたが、政府が発行した国債を日銀が買い取れば、財政への負担はありません。利払い費が国庫納付金として政府に戻るくらいですから、財政負担など全くありません。

国債を日銀がいくらでも買い取るという仕組みはできました。政府と日銀は協調して、前例のない大規模な財政出動を行うべきです。思い切って「3年間消費税0%」というスローガンを打ち出せれば、国民も元気になると思います。

党派を超えて減税運動が起きていますが、消費減税は是が非でも実現させるべきです。「ゼロ」はムリなら、時限的に5%へ下げるべきです。社会保険料の免除もすぐに実行すべきです。「支払猶予」じゃなく、「免除」です。社会保険料はすべての国民が払っているのですから、止めるのも簡単です。なぜ実施しないのか、本当に不思議です。

今の状況を見ていると、ある意味で安倍首相は強運な政治家だと思います。昨年10月の消費増税に加えて、今春に予定されていた習近平の国賓招聘が実現していたらどうなっていたでしょうか。日本経済も復活させられず、安倍首相の肝煎で確立させた対米機軸外交も台無しになったでしょう。

保守層の総スカンを食らってオリンピック後、自民党内外の安倍おろしの圧力にあい惨めに首相の座を降りるだけだったでしょう。しかしここで、誤解を恐れずにいえば、安倍首相にはコロナショックという機会が巡ってきたのです。財務省との戦いに勝ち、大規模な経済対策を実施できれば、もう一度求心力を高めることができるはずです。

安倍首相には2度目の〝ちゃぶ台返し〟で、家賃補填、休業補償の拡充と消費減税を実現すべきです。ただ、安倍首相のまわりには緊縮イデオロギーに染まった人たちが囲っています。与野党問わず政治家は相変わらずですし、軽減税率という〝毒まんじゅう〟を喰らった新聞も、社会保険料の据え置きや法人減税というニンジンをぶら下げられた経済界も財務省の味方です。

それでも第1弾の緊急経済対策はギリギリ合格点であったように、大規模な財政出動・無制限の金融緩和という先進国の〝定番政策〟に近づいています。そして国民のマクロ経済政策への理解は、東日本大震災のときよりはるかに高まっています。これが日本経済復活への一縷の望みです。

安倍首相は、大規模な財政出動・無制限の金融緩和でふただび強運を引き寄せていただきたいです。そうすれば、また総裁選四選の目も出てくるかもしれません。



私自身は、安倍総理の政策を是々非々で見ており、安倍首相ファンというわけではないのですが、現行の安倍政権は、過去20年では、無論満足とはいかないまでも、最もパフォーマンスの良い政権だと思います。それにポスト安倍の顔ぶれを見ていると、いずれを見ても安心できないのです。特にマクロ経済と安保の両方に関してある程度は妥協したとしても、それでも安心して任せられると思える人材が見当たらないのです。

無論野党にも残念ながらそのような人材は見当たらないのです。本当に情けないです。安倍首相には、ポスト安倍を一度だけ実行していただき、次世代の首相にふさわしい人物を選ぶなり、育てるなどをしていただきポスト安倍の日本の安寧をより確かなものにしていただきたいのです。

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2020年6月26日金曜日

笑えぬ現実。米が朝日新聞「中国の宣伝機関」として認定する日— 【私の論評】中国を不当に利する企業は、ある日ふと気づくと、事業継続不可能という悪夢のような事態に見舞われる!(◎_◎;)

笑えぬ現実。米が朝日新聞「中国の宣伝機関」として認定する日

朝日新聞本社
アメリカ政府が中国メディアを相次いで「外国の宣伝機関」に認定し、合計9社が米国内で様々な制約を受ける状態となっています。この決定に中国当局は「政治弾圧だ」として強く反発していますが、そもそも中国メディア自体が中国共産党のプロパガンダ機関であることは明白とするのは、台湾出身の評論家・黄文雄さん。黄さんは今回、自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』にその証拠を記すとともに、朝日新聞が米国から「中国の宣伝機関」に認定される可能性についても言及しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年6月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【米中】朝日新聞が「中国の宣伝機関」としてアメリカに認定される可能性

● 米政府、中国メディア4社を「外国の宣伝機関」に追加で認定

アメリカの国務省は、中国の中央テレビ局(CCTV)、人民日報、中国新聞社(CNS)、環球時報の4社を、「外国の宣伝機関」に認定しました。2月に新華社、中国国際テレビ(CGTN)と中国国際放送(CRI)、英字紙チャイナ・デーリー、米国海天発展の5社を「外国の宣伝機関」に認定したことへの追加措置であり、これで同認定を受けた中国メディアは9社になりました。

これらのメディアは原則的に中国の外交官と同じ扱いを受け、アメリカ政府に従業員のリスト提出が義務づけられ、またビザ(査証)や財産取得も制約を受けることになります。保有資産の届け出や新規物件取得前の事前認可なども義務付けられるそうです。

これに対して中国外務省は、「中国メディアへの政治的弾圧だ。誤ったやり方をやめるよう促す」と強く反発し、対抗措置も辞さない考えを示しました。

● 4社を「宣伝機関」 米政府認定で中国反発

しかし、中国のメディアが中国共産党の宣伝機関であることは、子どもでも知っている周知の事実です。中華人民共和国の建国以降、中国のメディアは、中国共産党の「喉と舌」とされてきました。つまり、プロパガンダということです。

それを統括しているのが、中央宣伝部です。報道の統制を行い、国内世論をコントロール、さらには中国共産党に都合の悪い情報は隠し、都合のいいニュースだけを海外にも発信しています(対外工作機関には統一戦線工作部もある)。

そもそも、習近平は2017年の第19回党大会において、「党政軍民学、東西南北中、党是領導一切的」という、文革時代に毛沢東が使った言葉を引用して、すべてを中国共産党が指導することを強調しています。自ら、メディア統制を行っていることを公言しているわけです。

毛沢東時代から、中国では「公正、公平な報道」は、ブルジョワ階級によるプロレタリアへの攻撃であり、敵視されてきました。そのことを理解していない日本の知識人などは、中国メディアの実態を見誤ってしまうわけです。

たとえば、かつて劉少奇は外国記者が客観的で公正な報道を求めるのに対して、中国では自らの立場を強調する主観主義の報道が蔓延していると発言しましたが、これに対して毛沢東思想教育を主導した文革派は、「(劉少奇の)こういった考えこそが外国のブルジョワ階級の記者に対する全面降伏であり、プロレタリア階級の報道機関に資本主義の考えを全面的に持ち込もうとするものだ」として切り捨て、劉少奇を「外国の奴隷」だと断罪しました。そのことは、樋泉克夫氏の以下の寄稿に詳しく書かれています。

● 昔も今も変わらない!中国共産党のメディア戦略

毛沢東は中国を統治するためには「搶杆子(鉄砲)」と「筆杆子(ペン)」という2つの「両杆子」が必要だと主張し、それを実践してきました。軍事力とメディアによって人民を押さえつけてきたというわけです。

そして「筆杆子(ペン)」については、外国のメディアにも強要してきました。よく知られているのが、「日中記者交換協定」です。1968年、中国側と、田川誠一ら日本の親中派政治家によって、それまでの日中記者交換協定が破棄され、新たな日中記者交換協定が結ばれましたが、そこでは、「中国を敵視しない」「2つの中国をつくる陰謀に加担しない」「日中国交正常化を妨げない」という「政治三原則」の厳守が求められました。

つまり、これらの3つの項目に抵触するような記事は、日本の新聞は書かないということを、中国に約束したわけです。もしそれを破れば、中国に支局を置くことができなくなり、記者は追放されることになります。

こうして、日本のメディアは中国批判がまったくできなくなってしまい、中国のプロパガンダ機関に堕してしまったのです。「なんでも戦前の日本が悪い」とする自虐史観も、こうした中国のプロパガンダに乗って、日本に広まりました。いまだ一国の首相が靖国神社に参拝できないでいるのも、そのためです。

作家の曽野綾子氏は、『この世の偽善』(金美齢氏との対談、PHP研究所)において、次のように語られています。

曽野綾子氏
この40年あまり、産経新聞と時事通信を除く日本のマスコミは、絶えず中国の脅しを受けながら、特派員を受け入れてもらうために、完全に中国政府の意図を代弁する記事を書き続けてきということです。

『朝日』『毎日』『読売』などの全国紙、東京新聞他のブロック紙などは、中国批判はただの一行たりとも書かず、私たちにも書くことを許さなかった。私が少しでも中国の言論弾圧を批判すれば、その原稿は私が内容表現を書き直さないかぎり、ボツになって紙面に載らなかったのです。

ちゃんと曽野綾子という署名を入れた小さな囲み記事ですら、印刷中の輪転機を止めてまで掲載を許さなかった新聞もあります。
さて、アメリカが中国メディアを「宣伝機関」と認定したことで、何が起こるでしょうか。参考になるのはファーウェイです。アメリカ政府は安全保障上の理由から、アメリカ企業に対して、ファーウェイとの最先端技術を使用する製品の取引を禁じました(米国輸出管理改革法=ECRA)。

さらには、ファーウェイに対してアメリカの先端技術を含む製品を取引する外国企業との取引も禁じました。つまり、日本企業であっても、ファーウェイに対して、アメリカの先端技術を含むパーツやソフトを提供すると、アメリカ企業と取引できなくなるわけです。

当然、アメリカの銀行が取引を停止しますから、ドル取引ができなくなります。また、そのような日本企業と取引をしている日本の金融機関もまた「同罪」と見なされ、アメリカの銀行と取引ができなくなりますから、国内銀行はそうした日本企業とは取引停止せざるをえなくなります。

要するに、アメリカ企業のみならず、日本国内のどの企業からも縁を切られることになるわけで、そのような企業は倒産するしかなくなるわけです。だから2019年5月、グーグルはファーウェイへのOS提供を停止し、日本のメーカーはファーウェイへの製品出荷を一時的に停止せざるをえなかったわけです。ドコモなどの通信キャリアもファーウェイの新製品の発売を延期しました。

その後、アメリカの意向を見ながら、恐る恐るファーウェイとの取引は続けられてきましたが、今年5月、アメリカ商務省がファーウェイへの輸出規制強化を打ち出したことで、世界最大の半導体デバイス企業である台湾のTSMCがファーウェイへの部品供給を停止することが決まり、半導体業界に衝撃が走りました。

● 半導体の歴史に重大事件、ファーウェイは“詰んだ”

このアメリカのやり方を見れば、前述の中国メディアと協力関係にあるメディアもまた「中国の宣伝機関」と見なされる可能性が高いと言えるでしょう。つまり、アメリカで取材活動をしたいならば、その構成員リストをアメリカ企業に提出し、さまざまな取引についても、制限を加えられるということです。

さらにアメリカの規制が強まれば、ファーウェイ同様の措置が取られる可能性も否定できません。すなわち、アメリカでの取材活動も禁じられるばかりか、内外の銀行や企業との取引が規制される可能性があるわけです。

人民日報のホームページを見ると、朝日新聞、日経BP社、日経QUICK、みずほ銀行などとニュース提携を結んでいることが書かれています。

● 人民網日本株式会社へ ようこそ!

とくに朝日新聞は「人民日報日本支社」と揶揄されるほど、人民日報と同じような主張を展開することでも有名です。朝日新聞元北京特派員だった人物が人民日報海外版の日本代理人を務めたこともあります。

朝日新聞がアメリカから「中国の宣伝機関」と認定される可能性も、揶揄や冗談ではなく、現実になる可能性があるわけです。

【私の論評】中国を不当に利する企業は、ある日ふと気づくと、事業継続不可能という悪夢のような事態に見舞われる!(◎_◎;)

オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は24日、西部アリゾナ州フェニックスでの経済会合で「中国共産党のイデオロギーと世界的野望」と題した対中政策演説を行いました。オブライエン氏は「中国は米国民と米政府を操作しようとし、米国の経済に打撃を与え、主権の侵害を図っている」と非難し、「同盟・パートナー諸国と手を携えて中国に対抗していく」と強調しました。

オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)

オブライエン氏はまた、国防総省が米国内で経済活動をしている中国企業のうち、人民解放軍と関係が深い企業のリストを作成し、週内に議会に提出すると明らかにしました。国防総省によるとリストは24日に完成しました。

国防総省のリストによると、対象企業は20社。中国航空工業集団、中国兵器工業集団(ノリンコ)などの国有企業に加え、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)、監視カメラ大手のハイクビジョンなど日本で事業展開している複数のハイテク企業も含まれています。

ニューヨーク証券取引所に上場している中国電信と中国移動通信もリストに含まれました。

リストの作成と提出は、1999会計年度の国防権限法に基づく措置ですが、実施されるのは初めてです。

議会はこれらの企業に関し、制裁をかける権限を大統領に付与できます。20社は「米国の安全保障へのリスクがある」と名指しされた形で、米国内で資金を調達したり米企業と取引したりすることが困難になると見込まれています。

オブライエン氏は「中華人民共和国に対して受け身で甘い考えを抱いていた時代は終わった」と指摘。中国による知的財産の窃取、少数民族ウイグル族などの人権侵害、ソーシャルメディアを通じた政治宣伝や偽情報工作といった中国の行動を列挙し、「米国人は懸念すべきだ」と訴えました。

オブライエン氏によると、この日の演説はトランプ政権高官らが今後数週間で相次ぎ行う中国演説の第1弾で、ポンペオ国務長官やバー司法長官、レイ連邦捜査局(FBI)長官も近く演説するとしています。

トランプ氏は11月の大統領選に向け、高官らによる演説を通じて対中強硬姿勢を改めて打ち出し、「中国に弱腰」との評判が付きまとう民主党のバイデン前副大統領への攻撃を強めていくとみる向きもありますが、多くの米国人の中国への見方は厳しくなっており、これは世論に合わせた動きと見るべきと思います。

対中強硬姿勢により、大統領選挙を有利にしようとするよりは、世論を汲み取り、それを実行することにより、大統領選挙で不利にならないようにするための措置と言えるでしょう。

大統領選挙の候補は、トランプ氏の限らず、バイデン氏や他の候補者たちもかなり厳しい対中政策を公約としなければ、選挙戦に不利なるでしょう。

トランプ氏は今選挙をすると負けるが、まだ予断は許されない情勢

何しろ、米国の対中強硬姿勢は、米国議会の意思であり、それは多数の米国民の意思でもあるからです。このブログにも何度か触れたように、米国は中共が、中国の中共一党独裁制をやめて別の民主的な体制に移行するか、中共が現在の中国の体制を変えないなら、大国に影響力を行使できなくなる程度まで、中国の経済を弱体化させることになります。

その途上で、米国内での中国関連企業への制裁が一巡すれば、その後は米国内の中国を不当に利する米国企業が対象になるでしょう。それが一巡すれば、米国内の中国を不当に利する米中以外の外国企業が対象になるでしょう。それも一巡すれば、その後米国外の中国を不当に利する外国企業企業に対しても制裁が課されることになるでしょう。

この流れはもう止まることはありません。米国は、最後の段階まで、詰将棋のように進めることになるでしょう。そうして、これはトランプ氏が次の大統領になるならないなどのことは全く関係なく、米国の意思として行なわれることになります。

その時には、黄文雄氏が語るように、朝日新聞が米国の制裁の対象になるかもしれません。そのようなことがあれば、無論それ以外の中国を不当に利する日本企業も対象になるでしょう。

この米国の対中制裁の方針に関する方向性は2018年あたりには、しっかりと決まっていたのですが、それを実行に移す段階では結構時間がかかっていました。ここまで具体的で厳しくなるには、コロナ以前だと、5年から10年もかかったでしょうが、コロナ後では、米国の対中制裁の実行速度がかなりはやくなっています。同じことが、短ければ、2年、遅くても4年で起こる可能性が高いです。

朝日新聞などの中国を不当に利する企業は、ある日ふと気づくと、事業ができなくっているという悪夢のような事態に見舞われる可能性も十分あります。

そのようなことにならないように、あらゆる組織や個人が、中国との関係を見直すべきです

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2020年6月25日木曜日

ボルトン氏が暴露したトランプ大統領の“駐留経費4倍要求”に森本敏・元防衛相「全く話にならない。安全保障が分かっていない」— 【私の論評】マネジメントの原則からも外れたボルトン氏は、自ら晩節を汚した!(◎_◎;)

ボルトン氏が暴露したトランプ大統領の“駐留経費4倍要求”に森本敏・元防衛相「全く話にならない。安全保障が分かっていない」



 トランプ大統領に側近として仕えたジョン・ボルトン氏の著書『The Room Where It Happened』(それが起きた部屋)が発売され、世界に波紋を広げている。

・【映像】トランプ大統領元側近が暴露本「日本を脅せば..」"思いやり予算"4倍増額を画策? 元防衛大臣と日米の安全保障を考える

 2018年4月~2019年9月まで国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたボルトン氏は「トランプ大統領の重要な決定はすべて再選のためだった」と主張。著書の中で世界が注目した北朝鮮との首脳会談を自分のアピールの場と捉えていたことなどを暴露している。

 こうした内容が報じられると、トランプ大統領は「私との会話は極秘事項であって、それを出版するのは法律を破ることになる」として連邦地裁に出版差し止めを請求。しかし棄却されたことで、予定通りの発売となっている。


 ボルトン氏の著書について、2012年に野田政権で防衛大臣を務めた森本敏氏は「あまり読みたくはない。肝心なところはほとんどがリークされてしまっている」と一蹴する。

 その上で、「連邦地裁が却下した理由は、すでにどこかで手に入ってしまっているものだし、通信技術が発達している現在では、誰かに意思があれば全世界に内容がリークされてしまうので、今ごろ有罪だなんだと言ってもほとんど効果がないからというものだった。しかし、どんなに意味がなくても、やってはいけないことをしたら、きちんと罰するというのが法治国家の責任だと思う。アメリカの裁判官もどうかしていると思う。また、外交上・安全保障上の機密を簡単に本にしてしまうことは、アメリカの国益を失わせることになるし、このような職にあった人がやってはいけないことだと思う。また、安倍総理やお父さんのことについても述べられているが、歴史観がだいぶ間違っている。どうもこの人は他民族に対する正しい歴史観を持っていないと思う」との見方を示した。


 ボルトン氏の暴露本では「日本から年間80億ドル(約8600億円)を得る方法は、すべてのアメリカ軍を撤退させると脅すことだ。そうすれば非常に強力な交渉上の立場を得られる」とトランプ大統領が指示したとされている。

 日本について、トランプ大統領は「すべての米軍を撤退させるよう脅せば、非常に強い交渉の立場を得られる」として、在日米軍の駐留経費、いわゆる思いやり予算をこれまでの4倍に当たる年間8600億円に増額するように求めていたという。ボルトン氏は去年来日した際、このことを日本側に伝えたという。ボルトン氏は「最終的にいくらで満足するのかは、トランプ大統領にしか分からないので、現実的な額を推測することに意味はなかった」と振り返っている。

 この当時、外務大臣を務めていた河野防衛大臣はきのう、「まだ交渉は始まっていないし、日本政府としてアメリカからこの件について何か要求があったことはない」と説明。ボルトン氏の暴露本についても、「なかなか注文できないのでKindleかなにかにしようかと思っているが、読むのを楽しみにしている」とかわした。


 こうしたアメリカ側の要求について、森本氏は「全く話にならない」と切って捨てる。

 「今の日本のホスト・ネーション・サポート(在日米軍の駐留経費負担)は年間約20億ドル、つまり約2000億円になるが、その内訳は在日米軍が雇用する日本人従業員2万3000人の給与・手当、そしてユーティリティと呼ばれる、水道・光熱費だ。それを4倍にしたとして、何に払うのかということだ。国家公務員との差が開きすぎるので、給料の増額はあり得ない。水道・光熱費も、そんなに必要なはずがない。そういうことを考えず、ただ数字だけ言っていたのではないか。また、米軍が海外に駐留しているのはアメリカの利益のためでもある。受け入れられなければ米軍が退くというのであれば、やってみてもいいと思うが、一番困ることになるのはアメリカだ。安全保障が分かっていない人の議論だ」。

 トランプ大統領が在日米軍の撤退を決断するということはあり得るのだろうか。森本氏は「やりかねないが、国防省と議会が体を張って反対すると思う。どうしても減らさなければならなくなった場合も、何を残さないといけないか、という議論になるはずだ」と話す。「アメリカがどうしても手放すことができないのは横須賀海軍施設と嘉手納基地、そして横田基地だ。そうなると、岩国にいる海兵隊などを少し減らすかもしれない。しかし結局困るのはアメリカの方だ」。


 ボルトン氏の著書によれば、アメリカは韓国に対しても前年の5倍を超える50億ドル(約5350億円)の在韓米軍駐留経費負担を要求したという。韓国政府は「前年比13%増」を提案するも、トランプ大統領はこれを拒否し、交渉の難航が伝えられている。

 「在韓米軍が雇用している韓国人従業員は9000人いるが、今年の春から無給になってしまっていた。これではあまりにひどいということで、韓国政府が法律を通し、自分たちで出すということにした。それでもSMA(特別措置協定)は妥結を見ていないので、政治レベルに上げる以外にない。もう一つはドイツだ。アメリカは米軍134万人のうち、22万人を海外に出していて、アジアが最も多い約9万人で、その中で最大なのが日本だ。そしてドイツには3万4000人がいるが、先週のNATOの国防会議でアメリカが“ドイツの国防費をNATO基準である2%出さないのであれば、9500人を減らす”と言い始めたようだ」。

 他方、「思いやり予算」とも呼ばれる在日米軍の駐留経費は、令和2年度で1993億円と過去10年でみれば微増しているが、漸減の傾向にあった。

 この点について森本氏は「日本の特別協定は韓国と違って5年ごとなので、現在の金額での支出は会計年度で終わることになる。したがって令和3年春からの予算は今年12月までに日米交渉を行って合意をし、来年度予算に計上することになる。この交渉過程の度にアメリカは“もう少し払えないのか”ということを言ってくる。正直に言って、今のアメリカの状態から考えると、次の5年間は今までの5年間よりもさらに余分に払わなければならないと思っている」との考えを示す。

 「アメリカは北朝鮮から飛んでくるミサイルを探知するために、コンステレーションという小型衛星を1000基くらい並べていて、打ち上げ費用としては5年で1兆円を計上している。私が外務省や防衛省に言っているのは、ビジネス用の小型衛星も一緒に打ち上げてもらって、その経費を肩代わりするという考え方だ。アメリカにとっても日本にとってもメリットがあるし、事実上のホスト・ネーション・サポートの増額になる。在日米軍は傭兵ではないので、このような新しいアイデアがなければ4倍になるということはない」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

【私の論評】マネジメントの原則からも外れたボルトン氏は、自ら晩節を汚した!(◎_◎;)

ボルトン氏の著書『The Room Where It Happened』(それが起きた部屋)は、まだ読んでいないので、内容はわからないですが、ニュース等で漏れ聞く範囲では、ボルトンの著書に書かれていることは、森本氏が主張するように、ほとんどが漏れていて、日本国内でも報道されいるのがほとんどです。

それらのほとんどは、このブログでも掲載したことがあります。そのため、テレビで報道されたとしても、目新しいものや、驚くような内容のものはありませんでした。

ボルトン氏は、すでに71歳ですが、晩節を汚してしまったようです。彼の今回の暴露本を書いた動機は、全て「辞任されたことへの報復」としか思えません。

ボルトン氏はイランや北朝鮮に対する軍事力行使を支持したタカ派です。ボルトン氏がジョージ・W・ブッシュ政権時代に国務次官(軍備管理担当)を務めた際には、2003年のイラク侵攻を主唱。ここ数年は保守派の論客として北朝鮮の核問題に対して強硬姿勢をとるよう主張しているほか、15年のイラン核合意の破棄も訴えていました。

ボルトン氏はワシントンでは乱暴な人物として知られ、官僚時代は内部闘争を繰り広げました。ジョージ・W・ブッシュ政権時代、国務省の彼の机の上には、信管を外した手投げ弾が置かれていたといわれています。

ボルトン氏が書籍を出版するのは、今回だけのことではありません。2007年に出版した回顧録のタイトルは、「Surrender Is Not An Option(降伏は選択肢にあらず)」。最も好む批判対象には、イランや北朝鮮、国連や欧州の各国政府、国際条約などが含まれます。

Surrender is not an optionの表示

2003年、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議開催を控え、ソウルで行った演説でボルトン氏は、北朝鮮の金正日総書記(当時)を「圧政的な独裁者」と批判。北朝鮮側は、ボルトン氏のことを「人間のクズ」と呼んで反発しました。

トランプ大統領と同じく、ボルトン氏はベトナム戦争には従軍せず、代わりに州兵に参加しました。

ときに無遠慮な同氏の振る舞いは、ブッシュ政権時代にも問題を起こしました。なかでも、キューバが高度な化学・生物兵器を持つ可能性を巡り疑問を呈した情報アナリストを怒鳴りつけた事件は、その後もボルトン氏についてまわることになりました。

2005年、ボルトン氏の国連大使指名を巡り米議会で開かれた公聴会では、証言に立った国務省の情報責任者カール・フォード氏が、「常習的な虐待者」で「上役におべっかを使い、部下を踏みつける典型的な類の男だ」とこき下ろしました。

米上院はボルトンの指名を承認せず、当時のブッシュ大統領は、議会の休会中に指名を行い、一時的に議会承認を回避する方法を使って、ボルトン氏を17カ月間国連大使として登用しました。

元々、かなり問題がある人物ですが、そのボルトン氏をなぜ、トランプ氏が大統領補佐官に登用したかといえば、やはりかなりのタカ派だったからでしょう。

特にトランプ政権は、中国との対立を最優先課題としていましたから、ボルトン氏のような群を抜いた強烈なタカ派も必要だったのでしょう。

このブログでも以前から掲載してきたように、意思決定の過程には意見の対立が不可欠であるという原則があります。

経営学の大家であるドラッカー氏は、意思決定について以下のように語っています。
マネジメントの行う意思決定は全会一致によってなしうるものではない。対立する意見が衝突し、異なる見解が対話し、いくつかの判断のなかから選択が行われて初めてなしうる。したがって意思決定における第一の原則は、意見の対立を見ないときには決定を行わないことである。(『エッセンシャル版マネジメント』)
20世紀最高の経営者と評されているGMのアルフレッド・スローンは、反対意見が出ない案については、検討不十分として結論を出させなかったといいます。

アルフレッド・スローン
意見の対立を促すには理由があります。一見もっともらしいのですが間違っている案や、不完全な案にだまされなくするためです。頭脳と感性を刺激し、すばらしい案を生み出すためです。

常に代案を手にするためでもあります。行なった意思決定が実行の段階で間違いであることや、不完全であることが明らかになったとき、途方に暮れたりしないためです。

そもそも戦略にかかわる問題については、ある案だけが正しく、ほかの案は間違っているなどと考えてはならないのです。そのようなことは、ありえないとすべきなのです。もちろん自分が正しく、他人が間違っていると考えてもならないのです。誰が正しく、誰がまちがいなどという考え方ほど、非生産的なものはありません。まともな意思決定などできません。

なぜ意見が違うのかを常に考え、それだけではなく、常に何が正しくて、何が間違いなのかという考え方をすべきなのです。
明らかに間違った結論に達している者がいても、それは、なにか自分と違う現実を見、自分と違う問題に関心を持っているからに違いないと考えなければならない。(『マネジメント』)
トランプ氏は、トランプ政権が意思決定をするときには、ボルトン氏のような考え方をする人も、正しい意思決定をするには必要だと考えたのでしょう。

ボルトン氏のようなタカ派中のタカ派が、トランプ政権に存在していれば、何らかの意思決定をしようとした際に、必ず意見が割れるでしょう。黙っていても、意見の対立が促されるわけです。これにより、より良い意思決定がなされることになるのです。

それが、トランプ政権内におけるボルトン氏の役割だったと思います。マネジメントの役割についてドラッカー氏は次のように語っています。
企業をはじめとするあらゆる組織が社会の機関である。組織が存在するのは、組織のためではない。自らの機能を果たすことによって、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすためである。組織は目的ではなく、手段である。(『エッセンシャル版マネジメント』)
ここでいう組織とは、企業、政府機関、非営利組織など、特定の目的を持つ人間集団を指します。無論、トランプ政権のような組織も含まれます。これらは、家族、親族、地域共同体など、絆そのものに価値を持つ人間集団と異なり、目的は組織の外にあります。組織の外である社会に対し価値ある成果をもたらすために、社会の資源を委ねられているにすぎないのです。

その組織を動かすものがマネジメントです。ドラッカーはマネジメントには、組織を社会に貢献させるうえで、基本とすべき次の三つの役割があるといいます。
 第一に自らの組織に特有の使命を果たすことである。
 第二に仕事を通じて働く人を生かすことである。現代社会においては、組織が、生計の源、社会的な地位、コミュニティとの絆、自己実現を手にする手段である。
 第三に自らの組織が社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題の解決に貢献することである。
最近目にする組織の不行状、不祥事の多くが、これらの基本を忘れたことに起因してことは明白です。

ボルトン氏もこのことを忘れていたようです。ボルトン氏の役割は、トランプ政権が正しい意思決定をすることに貢献することでした。

そうして、ボルトン氏は、仕事を通じて、自分の仲間や、とりわけトランプ大統領を活かすことです。これは大統領補佐官として最も重要な任務です。

さらに、トランプ政権が米国社会や世界に与える影響を処理するするとともに、米国や国際社会の問題の解決に貢献することです。
転換期にあって特に重要なことが、変わらざるものとしての基本と原則を確認することである。(『エッセンシャル版マネジメント』)
米中関係の悪化と、それに付随する北朝鮮や韓国との関係等の悪化、コロナ禍などの大転換期にある現在こそ、基本と原則を確認しなければならないのです。

にも関わらず、ボルトン氏は、トランプ政権がまだ現行政権であるうちに、暴露本を書いてしまいした。これは、確かに反トランプ勢力は、大喜びに飛びつくかもしれません。

しかし、内容は先ほども述べたように、既にどこかで聞いたような内容ばかりなので、すぐに飽きられてしまうでしょう。さらには、森本氏に「安全保障が分かっていない」と評される始末です。

ボルトン氏は、自ら晩節を汚してしまったようです。

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2020年6月24日水曜日

傲慢な中国は世界の嫌われ者— 【私の論評】米国による中国への本格的な金融制裁実施は時間の問題になってきた!(◎_◎;)

傲慢な中国は世界の嫌われ者

ブラマ・チェラニ(インド・政策研究センター戦略問題専門家)



<初動ミスへの批判に耳を貸さず、強硬姿勢で国際社会の信頼を失い孤立の道へ。本誌「中国マスク外交」特集より>

このところ世界中で中国批判の大合唱が起きている。新型コロナウイルス発生初期における情報隠しがパンデミック(世界的大流行)を招いたとして中国の責任が問われているのだ。だが中国は批判に耳を貸さず、香港への締め付けを強めるなど強硬姿勢一点張りで、火に油を注いでいる。

他国にマスクや防護服を提供し、暗黙のうちに政治的な見返りを求める、ウイルスの発生源に関する調査をかたくなに拒んだ揚げ句、国際世論の圧力に負けて渋々受け入れる──習近平(シー・チンピン)国家主席率いる中国政府のこうした迷走ぶりは信頼を失墜させ、自国を孤立に追い込むばかりだ。

習に良識があれば、中国はパンデミックで低下したイメージを立て直せたはずだ。破綻寸前に陥った「一帯一路」の参加国に債務の返済を免除するなり、貧困国に見返りを求めずに医療援助を行うなり、大国にふさわしい寛大さを示せばよかった。だが習政権にそんな度量はなかった。

けんか腰の外交姿勢にせよ、周辺地域での拡張主義的な活動にせよ、中国のやり方に世界は警戒を募らせている。にもかかわらず習は今の危機を覇権拡大の好機と見なしている。

実際、中国はパンデミックを最大限利用しようとした。1月時点で防護服などを買い占め、その後に価格をつり上げて暴利を得た。欠陥品のマスクや検査キットを売り付けたことも国際社会の怒りを買った。

習のワンマン支配の危うさ

世界がコロナ禍と闘っている隙に、中国軍は国境地帯でインド軍に小競り合いを仕掛け、尖閣諸島周辺の海域で日本の漁船を追尾するなど挑発行為を繰り返している。南シナ海の島々を管轄する行政区を新たに2つ設定し、この海域の支配を既成事実化する動きも関係国の神経を逆なでした。

オーストラリアが新型コロナウイルスの発生源に関する調査を呼び掛けると、中国はこれに猛反発。オーストラリア産の大麦に高関税をかけるなど報復措置に出て、両国の関係は急速に悪化した。

中国のかたくなな調査拒否は、2011年の東日本大震災で起きた福島第1原子力発電所の事故に関するIAEA(国際原子力機関)の調査を躊躇なく受け入れた日本とは対照的だ。それでもWHO(世界保健機関)の総会で調査を求める決議案が採択される形勢になると、習はメンツを失うまいとして土壇場で調査受け入れに転じた。

コロナ後の世界は元の姿には戻らない。国際政治の在り方も変わるし、経済も変わる。危機をきっかけに世界は中国頼みのサプライチェーンの危うさに気付き、既に生産拠点の分散化に着手している。

サプライチェーンの一極集中もさることながら、コロナ禍が浮き彫りにしたより根本的な問題は習のワンマン支配の危うさだ。中国は初動対応についての批判をかわそうと事実をごまかし、外交攻勢や情報操作で大国の面目を保とうとした。対外的な隠蔽工作や他国に対する恫喝といった習政権の恥知らずなやり方は今に始まったものではないが、今回ばかりはそれが全て裏目に出たようだ。

アメリカの世論は今、中国とその指導層にかつてなく厳しい見方をしている。日米など主要国は製造業の「脱中国」を促すため、生産拠点を中国から移す企業に補助金を出す意向だ。インドは中国からの直接投資を事前に政府が審査する制度を初めて導入した。

1970年代末の改革開放以降、今ほど中国に対する世界の風当たりが強まったことはない。習の過剰な支配欲はブーメランのように自国に跳ね返ってきた。中国発のパンデミックが国際社会における中国の地位低下を招き、将来の成長を阻む事態はもはや避けられそうにない。

©Project Syndicate

<2020年6月30日号「中国マスク外交」特集より>

【私の論評】米国による中国への本格的な金融制裁実施は時間の問題になってきた!(◎_◎;)

中国の風当たりが強くなるくらいなら、鉄面皮の習近平は何も気にせず、これからも傲慢な態度を改めないでょう。

しかし、米国においては、詰将棋のように対中政策を次から次へと厳しくしています。その際タイルものは、ファーウエイ潰しでしょう。現状では、ファーウエイは、半導体の供給停止で5Gスマホ開発が不可能になっています。



それでも、なんとか新しいスマホを開発をしていますが、現状では基本的にはアンドロイでありながら、Googleからソフトの供給が絶たれ、Googleなしのスマホを開発しています。いずれは、アンドロイドとは一線を画したスマホを開発するつもりなのかもしれません。

現在、半導体生産はファブレスの設計会社とファウンドリ(受託生産会社)による分業が進んでいます。また、設計に関しても、アームなどのCPUの基本回路、半導体版CADに該当するシノプシス、ケイデンス・デザイン・システムズ、メンター・グラフィックスのアメリカ3社の協力なしでは、新規の開発はできません。

また、設計だけでなく、TSMCなどからの半導体の販売を禁止することで製造の部分も押さえているため、ファーウェイは最先端プロセスでの半導体が手に入らなくなりました。これに対応するために、中国は中芯国際集成電路製造(SMIC)にオランダのASMLの半導体製造装置の輸入を画策していたのですが、これも米国に止められています。そのため、現行の14nmプロセスが最新ということになるわけですが、これでは低消費電力と小型化が求められる5G対応の最新スマートフォンなどに使用することはできません。

その上で、米国の規制を破った企業にはドル決済禁止や巨額の罰金などの厳しい制裁が課されることになっており、それは企業の倒産を招くことになります。中国は巨額の報酬で人を集めていますが、これは製品販売だけでなく技術移転の禁止でもあるため、人も制裁対象になります。

そうして、制裁の対象になった人は、得た利益と個人資産を没収され、長期の懲役刑が待っています。外国であっても、犯罪人引き渡し条約があれば米国に身柄が引き渡されることになり、同時に米国ドルは基軸通貨になっていることもあり、米国は世界中の銀行口座を監視できるため、外国資産であっても凍結や没収の対象になります。

さらに、米国の大学内では“スパイ狩り”が始まっています。中国は「千人計画」の名のもとに世界中の研究者に資金援助を行い、技術移転を求めてきたのですが、これは本来、米当局への許可や報告が伴わなくてはならないものです。現状では、最先端分野の研究に関して許可が下りる可能性はないに等しく、多くは無許可無報告で行われていたわけです。これに対して、順次調査が進んでおり、摘発が相次いでいます。

また、米国は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、中国に滞在する約7万人の自国民に帰国命令を出しましたが、そのほとんどがホワイトカラーであり、技術者や研究者です。

通信業界では、NTTが主導する形で2025年に5.5G、30年に6Gの採用が始まる予定になっていて、日本の通信および半導体メーカー復活に向けての希望となっています。そうして、これはインテルやマイクロソフトなど米企業との協力と連携によるものであり、日米両政府が支援するプロジェクトです。必然的に、この枠組みからファーウェイをはじめとする中国企業が外されることは必至です。

米国の一連のファーウェイ対応は、まるで詰将棋を見ているかのようです。

さらに、米国はコロナ以前から、様々な対中国関連の法律を施行させていましが、コロナ禍の最中においても、「ウイグル人権法」を施行しました。

6月17日トランプ大統領は、中国でウイグル族への人権侵害があるとして、これに関わった中国の当局者に制裁を科す「ウイグル人権法案」に署名し、法律が成立しました。

「ウイグル人権法」は、中国の新疆ウイグル自治区で、大勢のウイグル族の人たちが不当に拘束されているとして、アメリカ政府に対しウイグル族の人権侵害に関わった中国の当局者に制裁を科すよう求める内容で、先にアメリカ議会の上下両院で可決されていました。

これは、よりわかりやすくいうと、ウィグルの迫害に関連した、中国の政府高官の資産を凍結したり、米国への入国を禁止するものです。

この動きはますます加速しています。たとえば、

「日本の尖閣諸島への中国の領有権を認めてはならない」「中国の尖閣海域への侵入には制裁を加えるべきだ」

このような強硬な見解が米国議会で超党派の主張として改めて注目され始めたのです。

尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関して、これまで米国政府は「領有権の争いには中立を保つ」という立場を保ってきました。ところが、中国が米国にとって最大の脅威となったことで、東シナ海での膨張も米国は阻止すべきだとする意見が米国議会で広まってきたのです。

尖閣諸島 手前航空機は海自P3C哨戒機

2019年5月に、ミット・ロムニー(共和党)、マルコ・ルビオ(共和党)、ティム・ケイン(民主党)、ベン・カーディン(民主党)など超党派の14議員が「南シナ海・東シナ海制裁法案」を上院に提出しました。

同年6月には、下院のマイク・ギャラガー議員(共和党)とジミー・パネッタ議員(民主党)が同じ法案を下院本会議に提出しました。今回の下院共和党研究委員会の報告書は、その法案に米国議会の立場が表明されているとして、法案への支持を明確にしました。

なお上院でも下院でも法案は関連の委員会に付託されましたが、まだ本格的な審議は始まっていません。今回、下院共和党研究委員会は改めてこの法案の重要性を提起して、その趣旨への賛同と同法案の可決を促したのです。

今回、新たな光を浴びた「南シナ海・東シナ海制裁法案」の骨子は以下のとおりです。
・中国の南シナ海と東シナ海での軍事攻勢と膨張は、国際的な合意や規範に違反する不当な行動であり、関係諸国を軍事的、経済的、政治的に威嚇している。 
・中国は、日本が施政権を保持する尖閣諸島への領有権を主張して、軍事がらみの侵略的な侵入を続けている。この動きは東シナ海の平和と安定を崩す行動であり、米国は反対する。 
・米国政府は、南シナ海、東シナ海でのこうした不当な活動に加わる中国側の組織や個人に制裁を科す。その制裁は、それら組織や個人の米国内での資産の没収や凍結、さらには米国への入国の禁止を主体とする。
同法案は、中国に対する経済制裁措置の実行を米国政府に義務付けようとしています。つまり、米国は尖閣諸島に対する中国の領有権も施政権も否定するということです。米国政府は、中国当局の東シナ海での行動は、米国の規準でも国際的な基準でも不当だとする見解をとり、従来の「他の諸外国の領有権紛争には立場をとらない」という方針を変更することになります。

「ウイグル人権法案」も「南シナ海・東シナ海制裁法案」もその制裁は、当該法案に抵触した組織や個人の米国内での資産の没収や凍結、さらには米国への入国の禁止を主体としています。

今後米国は、ありとあらゆる中国の個人や、組織を対象にして、資産凍結や入国禁止の措置が取れるようにし、実行していくことになります。

最初は、共産党幹部から始まり、もっと下の層や、地方の幹部にまで制裁が及ぶ可能性があります。

「中国当局者の資産凍結」や「渡航制限」以外にも、「査証の取り消し」「中国人に対する学生査証の発給停止」「米金融機関による中国企業への融資制限」「中国企業の米証券取引所への上場禁止」などもあります。

この制裁に中国は耐えられるのでしょうか。たとえ、耐えたとしても、さらに厳しい制裁もあり得ます。それは、本格的な金融制裁です。

トランプ大統領

トランプ大統領は関税戦争以来、米国と中国の隔離を進めてきたといえます。モノ、人、金の相互依存を引き離すべく、米国企業に中国を去るよう勧めてきました。トランプ大統領は2020 年の大統領選挙への関心のあまり、ニューヨークの株価が気になりすぎていると批判されていますが、関税賦課については、米国経済への悪影響を最小限にしながら、2018 年から、2 年をかけて行ってきたとも言えます。

金融制裁については、大統領も議会も米中間の金融分離が十 分進んで米国への被害が少な区なる状況を待っているようです。大統領は米国企業に中国から離れろと言い続けています。まず、米国の中国への資金貸与を制約するでしょう。さらなる関税賦課も在中米国企業を中国のサプライチェーンから外す効果はあります。あとは時期を待ち、正当な理由を見つけることです。

最近の武官ウイルスにの隠蔽や、ウイグルでの人権非難や香港での弾圧事件、南シナ海や台湾海峡、尖閣諸島での事件は、金融制裁の十分な口実となります。

上の記事でも指摘されているように、最近の傲慢不遜な態度ばかりとる中国は、米国に金融制裁をされても、他国はそれを真っ向から批判するということはないでしょう。

コロナ禍が、全ての国際情勢の変化を促進しています。もう時間の問題でしょう。

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