2007年12月20日木曜日

“199ドルノート”の安くない中身に迫る――ASUS「Eee PC」

台湾や米国などで、「199ドルPC」として話題となったノートPC「Asus Eee PC」が、日本での発売が決定したと発表され話題となっています。

発売するのは台湾のメーカー・ASUS社で、台湾や米国では10月~11月に販売が開始。実際の販売価格は299ドル~399ドル程度となったものの、大きな注目を集めました。

日本での発売は、2008年2月頃を予定しており、OSにWindows XPを搭載し、価格は5万円前後になるとアナウンスされています。スペック等の詳細は明らかにされていません。

「Eee PC」は、国内においてはマザーボードベンダーとして認知度の高い台湾ASUSTeK Computer(ASUS)製のミニノートPCだ。低価格を大きな武器としており、COMPUTEX TAIPEI 2007では“199ドルノートPC”として話題になったのが記憶に新しい。2007年10月から11月にかけて本国の台湾や米国で販売が開始され、大きな注目を集めている。

 この度発売となったのは、カスタマイズを施したLinuxと各種アプリケーションがインストールされた製品だ。ラインアップは複数用意されてお り、価格は当初より若干高い299~399ドルとなったが、それでもノートPCとしては圧倒的な低価格といえる。年内にWindows搭載モデルも投入さ れる予定だ。

tm0711eeepc01.jpgtm0711eeepc02.jpg フットプリントは225×165ミリ、厚みは21~35ミリで、工人舎のミニノートPC「SA1F」や「SH6/SH8」シリーズなどとほ ぼ同等だ。重量は約0.92キロと軽い。写真ではわかりにくいが、カラーリングはパール加工された白で光沢感がある。質感はプラスチッキーだが、ディスプ レイの開閉などは滑らかでヒンジもしっかりした作りだ

Eee PCは、ノートPCというよりは高機能インターネット端末という意味合いが強い製品だが、ハードウェアはx86アーキテクチャのノートPCそのもの。スト レージにSSDを採用するなど日本での注目度も高く、早期の発売が期待されている(現時点で国内での発売時期は未定)。今回は台湾で店頭購入した製品が届 いたので、そのインプレッションをお届けしよう。

ちなみにEee PCの「Eee」とは、「Easy to Learn」「Easy to Work」「Easy to Play」の3つの「Easy」を指しており、簡単に習得できる、仕事に使える、楽しめるといった意味を持つという。同社のWebサイトを見ると「Excellent」の「E」という意味も持たせているようだ。

Eee PCの基本仕様をチェック

Eee PCの正式名は「ASUS Eee PC 701」。いわゆるA5ミニノートPCで、重量は約0.92キロだ。液晶ディスプレイは7インチワイドで、解像度はWVGA(800×480ドット)をサ ポートしている。現時点ではメインメモリとSSDの容量、バッテリー容量の違いで4モデルが用意されており、今回はモデル名「Eee PC 4G」の512Mバイトメモリ、4GバイトSSD、大容量バッテリー(約3.5時間駆動)を搭載した製品を入手した。どうやら現時点では、このモデルしか 店頭出荷されていないようだ。

冒頭でも少し触れたが、今回レビューを行う製品は筆者の知人に台湾で購入してもらったものだ。12200元(ニュー台湾ドル)で購入したので、 2007年11月16日現在の為替では日本円で42000円程度になる。この関係でキーボードやプリインストールソフトは現地版となっているが、ソフトに 関しては店頭購入時に英語化してもらえた。ASUS(華碩電脳)の直営ショップ(と思われる)で対応してくれた店員さんに多謝だ。

tm0711eeepc03.jpgtm0711eeepc04.jpgtm0711eeepc05.jpg バッテリーは4セルで、容量は7.2ボルト5200mAh(写真=左)。カタログスペックでのバッテリー動作時間は約3.5時間だ。 「Surf」の名が付く下位モデルは、同じ4セルでも容量が7.2ボルト4400mAhに抑えられ、バッテリー動作時間は約2.8時間になる。付属品は、 ACアダプタをはじめ、Windows用ドライバやユーティリティを含むリカバリDVD-ROM、ソフトケース、マニュアル類で、マニュアルはすべて中文 版だった(写真=中央)。付属のソフトケースは収縮性が多少あり結構タイトで、本体が簡単に抜け落ちないようになっている(写真=右)。カバンなどに収容 する場合のインナーケースとして便利だ

基本スペックを確認しておくと、今回入手した個体はCPUがCeleron M 353(900MHz)、チップセットがIntel 910GML Express/ICH6-M、グラフィックスチップはチップセット内蔵のIntel GMA900という構成だった。簡単にいえば、一世代前のミニノートPC向けIntelプラットホームだ。

CPUコアはPentium Mの2次キャッシュ縮小版「Dothan-512K」で、L2キャッシュ512Kバイト、FSB 400MHzとなっており、90ナノプロセスで製造されたものだ。「今回入手した固体」と断っているのは、ASUSのグローバルサイトで確認すると、マー ケットによって主要スペックも変更があると記述されているし、既に発売されている北米向けのサイトでも「Intel CPU & Chipset」以上の表記がないためだ。

tm0711eeepc06.jpgtm0711eeepc07.jpg 「CPU-Z」でCPUやチップセットを確認。CPU動作クロックが定格の900MHzではなく630MHzとなっているのが気になるが、この点は後編で触れる

 メインメモリはDDR2のSO-DIMMをサポートしており、メモリスロットは1つだ。今回入手した製品のメモリ容量は512Mバイトだが、増設 する場合にはメモリモジュールの交換が必須となる。メモリスロットには底面のカバーを空けるだけで簡単にアクセスできるようだが、ここには封印シールが張 られており、ユーザーによる交換は保証対象外だ。この点はEee PCの位置付けが高機能インターネット端末であることに関係するのだろう。

 モバイルノートPCに必須のネットワーク機能は、100BASE-TXの有線LANとIEEE802.11g/bの無線LANを装備。無線LANチップはアセロス・コミュニケーションズ製で、同社の無線高速化技術「Super G」もサポートしている。

 外部インタフェースは、3つのUSB 2.0ポート、SDメモリーカードスロット、アナログRGB出力、オーディオ入出力を備える。特に豊富ではないが、サイズを考慮するとUSBポートが3つ あるのはポイントが高い。また、SDメモリーカードスロットはすっぽりとカードが収まるタイプなので、装着したままでも安心して携帯できそうだ。SDHC にも対応しているようなので、大容量カードを増設ストレージとしても使えるだろう。

tm0711eeepc08.jpgtm0711eeepc09.jpg 外部インタフェースは左右に分散されている。USBポートは3つで、右側の2ポートが上下ではなく左右に並んでいるため、厚みのあるコネク タでも無駄なくポートを利用できる。モジュラージャックは埋められているが、インターネット接続環境がダイヤルアップ中心の地域向けには、モデム内蔵モデ ルも提供されるのだろう

tm0711eeepc10.jpgtm0711eeepc11.jpgtm0711eeepc12.jpg
SDメモリーカードのスロットは、このようにカードがすっぽり収まるタイプ(写真=左)。エレコム製の4GバイトSDHCメモリーカードは 問題なく認識された。インジケータは右側最前列に用意され、ディスプレイを閉じた状態でも確認できる(写真=中央)。すべて色が異なり、識別は容易だ。イ ンジケータは液晶ディスプレイを閉じた状態でも確認できる(写真=右)

100ドルパソコンも話題となりましたが、このくらいのスペックのノートパソコン日本国内で、5万円程度で手に入るようになれば、いろいろ事情が変わってくると思います。100ドルパソコンはあくまでも、開発途上国を意識したものでしたが、これは違います。20年前くらい前でしょうか、インターネットにせよ、なんにせよ、端末が5~6万円くらいにならなければ、なかなか普及しないし、世の中を変えるインパクトにはならないだろうという論評を見た記憶がありますが、あれから20年を経てようやっとそのような世の中がやってくることになります。これからどのように変わっていくのか楽しみです。

このノートパソコン、日本国内でも波紋呼びそうです。これが大量に出回るようになれば、他の国内パソコンメーカーにも影響を及ぼすことは必至です。いよいよ、乱世が始まるかな?

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