2020年11月14日土曜日

社民党、ついに国会議員1人に 14日に臨時党大会 立民に合流容認で岐路―【私の論評】政治もメディアも、まずは現実的にならなければ生きていけない(゚д゚)!

 社民党、ついに国会議員1人に 14日に臨時党大会 立民に合流容認で岐路

 
 臨時党大会で立憲民主党合流希望者の離党を容認する議案を賛成多数で可決し、頑張ろう
 三唱をする社民党の福島瑞穂党首(中央)ら=14日午後、東京都千代田区


 社民党は14日、東京都内で臨時党大会を開き、希望する国会議員や地方組織が立憲民主党へ合流することを認める議案を諮る。福島瑞穂党首を除く国会議員が離党し、党は事実上分裂する見通しだ。「55年体制」の一翼を担った社会党の流れをくむ社民党は、大きな岐路に立たされる。

 「これまでの意見集約を踏まえ、一定の社民党の党内民意を踏まえた議案になったと考えている。なんとか臨時党大会で円満に決着して可決されるように、ギリギリまで全力を挙げる」

 社民党の吉田忠智幹事長は12日の記者会見で、臨時党大会への思いをこう語った。

 議案は、社民党の存続と立民への合流を「いずれも理解し合う」ことを諮るものだ。可決されれば、党所属の4人の国会議員のうち、社民党に残るのは福島氏のみとみられている。福島氏は11日の記者会見で「元気に新生社民党をたくさんの人と目指していきたい」と語った。

 社民党は昨年12月、旧立憲民主党の枝野幸男代表からの呼びかけを踏まえ、合流に向けた議論を始めた。ただ、地方組織を中心に反発が強かったため、今年2月の党大会での判断は見送り、今秋に改めて結論を出すことにしていた。

 当初、吉田氏は臨時党大会に向け解党による立民への合流の是非を問う議案を起草する意向だった。だが、社民党の機関紙「社会新報」によれば、10月9日の全国幹事長会議で「党の解体は断固反対。臨時党大会はやるべきではない」「日米同盟が基軸という政党と一緒にできない」といった反対論が続出。数の上では、賛成論を上回った。

【私の論評】政治もメディアも、まずは現実的にならなければ生きていけない(゚д゚)!

社民党は本日、立憲民主党が呼び掛けた合流への対応を話し合う臨時党大会を東京都内で開き、合流希望者の離党を容認する議案を賛成多数で可決しました。福島瑞穂党首は残留する考えを示しており、社民党の分裂は確実となりました。週明けにも行う立憲との党首会談で結果を伝えた後、両党は円滑な移籍に向けた調整を進めます。


朝日新聞もいずれ社民党と同じような運命をたどるのではないでしょうか。社民党がそうであるように、「観念的」です。例えば、日本の安保・防衛を論ずる際も、国際政治、東アジアの現状から出発するのではなく、憲法9条の規定をまず持ち出。憲法が国を守ってくれるはずもないのだが、彼らは前文のこの規定を持ち出します。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
彼らはこれを信じて疑わない「空想的平和主義者」、あるいは「空想的社会主義者」のようです。現実感、リアリティが欠落しています。

政治の世界で「左」、「右」という言葉が意味を持たなくなってから久しいです。現実には随分前から、「左」と「右」との対峙ではなく、「夢想家」と「現実主義者」との対決という対立軸に変わっていたのです。

歴代の政権の良し悪しはまた別の話として「夢想家」よりは「現実主義者」のほうがましです。ただ、いっとき「夢想家」が優勢となり、「民主党政権」というルーピーな政党ができあがりましたが、一時の徒花にすぎないことがすぐに明らかになりました。

「夢想家」と「現実主義者」のどちらを、国民が選ぶかといえば、「夢想家」よりは「現実主義者」を選ぶのが当然です。夢想ではない現実社会に生きている国民の多くが、夢想家を拒否するのは当たり前です。

この「夢想家」と「現実主義」との対立軸ができあがったときこそが、戦後日本が、やっと辿り着いた「歴史の転換点」だったのです。

では、何が歴史の転換点だったのでしょうか。それは、文字通りの“55年体制の終焉”です。周知のように、日本では、1955(昭和30)年に左右の政党がそれぞれ合同し、「自由民主党」と「日本社会党」が誕生しました。以後、長く「左右のイデオロギー対立」の時代が続きました。

その「55年体制」は、90年代半ばに日本社会党が消滅し、自民党も単独での政権維持が不可能になって“終焉”し、今では過去のものとなっています。国際的にも1989年の「ベルリンの壁」崩壊で、世界史的な左右の闘いの決着もつきました。

しかし、その考え方を基礎とした対立が、いまだに支配的な業界が「1つ」だけあります。それが、マスコミ・ジャーナリズムの世界です。古色蒼然としたこの左右の対立に縛られているのが、マスコミです。

マスコミは、さまざまな業界の中で、最も「傲慢」で、最も「遅れて」おり、最も「旧態依然」としている世界です。文字通りの守旧派がマスコミです。なぜかといえば、それは、マスコミに入ってくる人間の資質に負うところが大きいかもしれません。マスコミを志向するのは、いろいろな面で問題意識の高い学生たちではあります。だからこそ、ジャーナリストになりたいのです。

しかし、そういう学生は、得てして「理想論」に走り、現実を見ない傾向があります。また、そういう学生を教育する大学でも「現実論」ではなく「理想論」を教えるため、この傾向を助長しています。ほかの業界では、社会に放り出されれば「現実」を突きつけられ、あちこちで壁に当たりながら「常識」や、理想だけでは語れない「物の見方」を獲得していきます。

ところが、マスコミは違います。たとえ学生の頃の現実を無視した「夢想論」を振りかざしていても、唯一許される業界といえます。学生が、学生のまま“年寄り”になることができるのが、マスコミ・ジャーナリズムの世界なのです。

その代表的なメディアが、朝日新聞です。ひたすら理想論をぶちあげ、現実に目を向けず、うわべだけの正義を振りかざしていれば良いのです。上から下まで「夢想家」ばかりで、体力や思考力には差異があるのですが、頭の中身は理想論ばかの思考が停止した年寄の集団に成り果てたのです。

彼らは、ひたすら現実ではなく、理想や、うわべだけの正義に走ってきました。つまり「偽善」に支配されたのです。日本人のすべてが平和を志向しているにも関わらず、自分たちだけが平和主義者だと誤信し、日本に愛着を持ち、誇りを持とうとする人を「右翼」と規定し、「右傾化反対」という現実離れした論陣を張り続けてきたのです。

その朝日新聞が、信奉してやまないのが中国でした。ひたすら中国の言い分と利益のために紙面を使ってきた朝日新聞の中には、自分たちが書いてきたことが、実は「中国人民のため」ではなく、「中国共産党独裁政権のため」だったことに気づき始めたものもいるようです。世界が懸念する「中国の膨張主義」の尖兵となっていたのが、実は「自分たち朝日新聞ではなかったのか」と。

それでも空想家の最後の逃げ場がマスコミで、その代表が朝日なのです。これは55体制の残滓で、消滅寸前の社民党のようです。“年齢に関係なく頭が年老いた記者”、大いなる皮肉です。彼らは過去には高給と恵まれた労働条件の下で、資本主義的な豊かな生活を享受し、生涯保証されて、社会主義や革命を語り合ってきました。滑稽な風刺画のようです。

この滑稽な有様を最近経済評論家の上念司氏が、「世田谷自然左翼」と呼び揶揄しています。そうして、この傾向は米国にも存在していて、これを上念氏は「ビバリーヒルズ青春左翼」と呼んで揶揄しています。これは、無論米国の人気テレビ番組の「ビバリーヒルズ青春白書」をもじって揶揄したものです。

米国で1990年から2000年まで放送された「ビバリーヒルズ青春白書」

しかし、日本でも世界で左右対立の時代はとっくに終わっています。お互いを「右翼だ」「左翼め」と罵っている時代でありません。今は、現実を見つめるか、空想に浸っているか、の時いずれかになりました。つまり、左右対立ではなく、日本はやっと「現実主義」と「空想主義」の対立軸の時代を迎えたので。「歴史の転換点」という所以です。

それは、ネット上で闘わされている議論を見ても明らかです。古色蒼然とした「左翼」と「右翼」の対立ではなく、ニューメディアの登場・発展によって、時代は、とっくに新たな時代迎えていたのです。ただし、最近のSNSはこの流れに棹さす行動にでているようですが、現在は個人間でもメールや動画を配信できる時代です。そこまで規制すれば、SNSは全体主義のツールに成り果てることになります。この流れは止められません。

その最後の残滓の象徴が日本の政治の世界では「社民党」だったのですが、その社民党も福島瑞穂氏だけが残る、政党ともいえない組織になりました。立憲民主党に移る人たちは、以上の文脈からいえば、社民党よりはより現実主義的な政党に移ったのです。

しかし、立憲民主党もとても現実的とはいえず、次の選挙でも党勢を伸ばすことはできないでしょう。

これからは、より現実的な政治が有権者に支持されていくことでしょう。自民党内でも、より現実的な派閥が勢力を拡大していくことでしょう。空想論を強要してきた、労働組合やマスコミなども力を失いつつあります。そもそも、組織率が下降し、購読者が減っています。

今後は政治やメディアも一般の民間企業のように、まずはイデオロギー以前にリアリストでなければ政治の世界もマスコミの世界でも生き残れなくなるでしょう。民間企業はまずは、経済的な基盤をつくらないと存続できません。そのことが、否応なく彼らを現実主義者にしています。それが、政治やメディア世界にも及びつつあるのです。どんな綺麗事を言ったにしても、会社を存続できなければ全く意味がありません。

豊かだった過去の米国では、理想論だけでも何とかやってこれました。この理想論が世界各地で様々な問題を生み出してきたこともありました。しかし、これからはその米国でさえ、理想論・空想論では国を統治できなくなりつつあり、全体主義国家の中国の台頭で安全保障も「現実的」に対処しないと、ままならなくなりつつありまます。今は米国や日本だけではなく世界的な大転換期であるといえると思います。

カマラ・ハリスは理想主義者?

混迷を深める、米国の大統領選挙も背景にもこうした大転換があると思います。ポリティカル・コレクトネス等を声高に叫んだとしても、綺麗事だけで人々が幸せになれるわけではありません。それを無くしてしてしまえとまではいいませんが、まずはその前に現実的に対処できる政策がなければ、それを打ち出す政権がなければ、安全保証でも経済政策でも失敗し人々が自ら幸せになるための努力を削いでしまうことになるのです。そのことに多くの人々が気づきつつあるのです。

現実的に対処できる政策がなければ、それを打ち出す政権がなければ、安全保証でも経済政策でも失敗し人々が自ら幸せになるための努力を削いでしまうことになるのです。そのことに多くの人々が気づきつつあるのです。

政治の世界でも、ジャーナリズムでも現実主義を前提として、ものごとを考え、是々非々で様々なことに対処していかなければならないのです。

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