2022年12月10日土曜日

サマーズ氏が予見、中国医療制度「壊滅的」影響も-コロナ政策転換で―【私の論評】6カ月後には、コロナ蔓延で中国はGDPで米国を追い越すと言われていたとは思えないような国に(゚д゚)!

サマーズ氏が予見、中国医療制度「壊滅的」影響も-コロナ政策転換で

「ゼロコロナ」終了に向けた動きは数十年ぶりの大きな政策転換に
中国は半年後に現在とは「極めて異なる」国になっている可能性も
    サマーズ元FRB長官

    サマーズ元米財務長官は、中国による「ゼロコロナ」政策終了に向けた動きについて、最終的に数十年ぶりの大きな政策転換になり、同国経済に極めて大きく、予測不可能な影響をもたらす可能性が高いとの見方を示した。

      サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「どのような結果になるかはまだ分からない」と発言。「他国が受け入れている現実に中国も再び問題なく加われるのか。それとも、これにより中国の医療制度は壊滅的かつ非合法なものになるだろうか」と述べた。

      中国の保健当局は7日、新型コロナウイルス対策で10項目の新たな措置を発表。広範なロックダウン(都市封鎖)や集団隔離施設といった従来の方針から緩和した。

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      ハーバード大学の教授でブルームバーグテレビジョンの寄稿者であるサマーズ氏は、「中国で数十年ぶりとなる大規模な政策実験が見られることになりそうだ」と述べた。

      中国でコロナ政策の緩和が一段と進んでいることを踏まえ、エコノミストらは2023年の同国経済成長率の予想を引き上げている。JPモルガン・チェースのエコノミストは8日、経済活動の再開がスムーズに進めば5%程度のプラス成長は「達成可能」との見方を示した。

      サマーズ氏は、今後半年は中国により一層注意深く目を向けていく必要があると指摘。「6カ月後に中国が現在とは極めて異なる国になっている可能性は大きい」と語った。

    原題:Summers Sees Risk of ‘Catastrophic’ Hit to China Health System(抜粋)

    【私の論評】6カ月後には、コロナ蔓延で中国はGDPで米国を追い越すと言われていたとは思えないような国に(゚д゚)!

    サマーズ氏の予測は的中する可能性がかなり高いと思われます。その理由の一つとしては、苛烈なゼロコロナ政策に対する中国人の反発は抑えることがほとんど不可能ということがあります。

    ウルムチの火災で亡くなったカマニサハン・アブドラマンさんと3人の子どもたち

    今回のウルムチでの火事についてのSNSでの恐るべき、伝播の速度と広範さに関して、金盾で厳重にネット空間を検閲する中国政府内にそれを見逃したか、奨励した人がいるに違いないと推測する識者もいますが、実体はどうやらそうではなさそうです。

    「マラソン大会 11月27日北京時間18時 上海市太倉路のスターバックス 白い紙1枚持参 リツイート希望」

    27日、こんなメッセージが上海のネットユーザーを駆け巡ったとされています。中国で約13億人が使う中国版LINE「微信(ウィーチャット)」、中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」、動画投稿アプリ「TikTok」の国内版「抖音(ドウイン)」など、様々なルートで拡散したそうです。

    この夜、少なくとも数百人が市内の通りに集まり、大学のキャンパス外では先駆けとなる大規模な抗議活動につながりました。白い紙は、言論統制への抗議を示しているとされています。

    社会の安定を最重視する中国政府は、影響力を増すネット空間の監視を強化。「グレート・ファイアウォール(ネットの万里の長城)」と呼ばれる検閲システムで海外からの情報の流入を厳しく制限しています。国内でも関係当局とプロバイダーなどが連携し、政権にとって都合の悪い書き込みなどを逐一削除しています。

    しかし、市民はその削除までの時間を日々体感し、素早い転送にも慣れています。メッセージは、デモを呼びかけていると当局が察知しない間に驚異的なスピードで拡散し、削除前に広く共有されたとみられます。

    海外サーバー経由でネットに接続できる仮想プライベートネットワーク(VPN)を使い、ツイッターのように中国国内では規制されるアプリを使っている人たちも、若者を中心に少なくないです。規制の外にあるネット空間を使った中国人同士による情報交換も、拡散につながった模様です。

    そうなると、中共としては、苛烈なゼロコロナ政策に反対するデモは、押さえつけるのはかなり難しいと判断したでしょう。

    建国以来毎年数万件発生しているとみられる、中国では通常の暴動はもとより、比較的大規模であった天安門事件や、いつの間にやら反政府デモになってしまう反日デモ、香港の反政府デモであっても、軍事力等を背景に中共はこれを弾圧することに成功しました。

    しかし、今回のように非常に広範囲で、同時に起こるデモに対しては、弾圧しようがなかったみえます。

    香港民主化デモに対する弾圧

    中共としては、デモを弾圧する上で、苛烈なゼロコロナ政策を継続すべきか、それともデモが起らないように、ゼロコロナ政策を緩めるかの選択に迫られたものとみられらます。中共としても、苦渋の決断だったと思います。

    そうして、結局ゼロコロナ政策を緩める方向に舵を切ったとみられます。ただ、これは国民の要求に耳を傾けたなどのことではなく、ゼロコロナ政策の限界を感じたことと、暴動が頻発するくらいなら、コロナが蔓延して、暴動が起らないようにしたほうが、中共にとっては、得策であると判断した可能性があります。

    新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を突如緩和した中国には今後、難題が控えています。感染者の急増が見込まれ、死者は200万人を超えるとの予測もあります。

    世界最大の人口を抱える中国は、厳格なコロナ対策の柱だった全員検査やロックダウン(都市封鎖)、集中隔離を次々と取りやめました。ところが、一連の緩和策で生じる爆発的な感染拡大への対応に備える時間はほとんどありませんでした。一部の推計によれば、ピーク時には1日当たりの感染者が計560万人に上る可能性もあります。

    米欧で起きたもぐらたたきのような感染拡大パターンとは異なり、コロナに今までさらされてこなかった市民が多い中国では感染の波が一挙に襲ってくる公算が大きいです。

    このため、中国がコロナ感染症を受け入れるなら、パンデミック(世界的大流行)でこれまで見られなかったようなことが今後起きると考えられます。

    相次ぐ欠勤で工場の操業に支障が生じるほか、病院は重症者であふれ、感染拡大を受けて住民は自宅にこもることを余儀なくされ、科学や経済の専門家は混乱が迫っているとの見方を示す。ロンドン拠点の調査会社エアフィニティの推計によると、香港のオミクロン株の経験を基に、130万-210万人が命を落とす恐れがあるといいます。

    ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)教授で、公衆衛生担当の最高戦略責任者を務めるアリ・モクダッド氏は「ほぼ同時に全国的に広がるだろうが、密集度から見てまず都市部、それから農村部となりそうだ」と分析。「今から1カ月後、感染者は非常に多くなり、その2週間後に死者が急増するだろう。現在の状況に戻ることはない」としています。

    この予測に基づくと、感染者のピークは来年の春節(旧正月)連休に近くなる可能性があります。


    上の写真は、寒さのためひとけのない春節のショッピングセンターで、大量の風船を手にひとりすわる人の写真です。この写真が2016年には、中国のSNSで「さびしい」と話題になりました。「#さびしい」とハッシュタグをつけられ、拡散されました。来年の春節には、このような風景があちこちでみられることになるかもしれません。

    日本では、中国のアウトバウンドを期待するむきもあるようですが、おそらく無理でしょう。多くの人が、感染を恐れて、海外旅行どころではなく、外出することすらためらうようになるでしょう。

    こうなると、国民はデモどころではなくなります。中共の指導層は自分たちは、米国製ワクチンや薬を確保するとともに、自らを一般人から隔離する体制を強化しつつも、できるだけ安寧な生活ができるように準備して、医療体制も整え、大きな嵐が過ぎ去るのを待つつもりなのかもしれません。

    全体主義国家の中共を甘く見るべきではありません。経済がどうなろうと、自国民が多数命を失おうが、体制を守り通そうとするのが彼らです。

    以上のようなことを考えると、サマーズ氏の「6カ月後に中国が現在とは極めて異なる国になっている可能性は大きい」という予測は的中する可能性が高いです。

    サマーズ氏は、8月の時点で、サマーズ元米財務長官は中国が経済規模でやがて米国を上回るとの予測を巡り、ロシアや日本が米経済を上回るとした過去の外れた予言と相通じる部分があるとの見解を示していました。

    サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「半年ないし1年前の時点では、中国が将来のある時点において実勢為替レートで見た国内総生産(GDP)で米経済を追い抜くというのが自明と受け止められていた」とした上で、「今ではそれほど明確ではない」と述べました。

    サマーズ氏は「1960年代のロシア(旧ソ連)や90年代の日本について語られた経済予測を振り返った場合と同様に、2020年時点の中国に関する幾つかの予想に関しても振り返ることになるのではないか」と話しました。

    サマーズ氏は中国が抱える次の「さまざまな」課題を列挙しました。
    • 対GDP比での巨額の債務残高
    • 将来の成長を主導するダイナミクスが何か明確でない点
    • 一段と広範な民間企業への共産党の関与拡大
    • 労働年齢人口の縮小や総人口に占める高齢者の割合増加といった人口動態のパターン
    6カ月後には、中国は国内生産(GDP)で米国を追い越すと言われていた国とは思えないような国になっている可能性が高いです。



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