2022年12月21日水曜日

数カ月で人口の6割感染との予測も、中国のコロナ流行に世界から懸念の声―【私の論評】中共は、「ゼロコロナ」政策をやめ中国人が多数が死亡しても集団免疫を獲得すれば良いと考えたか(゚д゚)!

数カ月で人口の6割感染との予測も、中国のコロナ流行に世界から懸念の声

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中国当局は20日、新型コロナウイルス感染で新たに5人の死者を報告した。感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策を大幅に緩和した後もコロナ流行は続いており、各都市は病床の追加確保や発熱外来クリニックの増設に奔走している。

北京にあるこの体育館は、急遽発熱外来として使われることになった。同様の施設は、国内の主要都市に次々と設置されている。新型コロナの感染拡大による医療崩壊を防ごうと、集中治療室の収容力拡大や、発熱外来の設置が全土で進められている。

コロナが、中国の医療体制に打撃を与えようという兆候が徐々に強まっている。中国当局は今月、国民の抗議を受けて隔離と検査を繰り返す厳格な「ゼロコロナ政策」を大幅に緩和した。その結果、14億人の人口を抱える中国はウイルスの脅威に直面。集団免疫を獲得していないため、死者の増加や変異ウイルスの出現、経済や貿易への影響が懸念されている。

中国疾病予防管理センターの当局者は、新たな変異株が出現する可能性はあるが、懸念はないと述べた。また新たな変異株が、より致死性を増す可能性は低いとしている。

中国政府がウイルスを放置するという驚きの決断をしたことに対して、国際社会の懸念が高まっている。米国務省のプライス報道官は19日、中国で新たな変異株が発生する可能性は、世界にとっても脅威だとの見方を示した。

米国務省 プライス報道官
「中国のGDPや経済規模を考えると、感染拡大による影響は世界にとって懸念事項だ」

当局の会見に同席した北京大学第1医院の王貴強院長は、新型コロナ感染後に発症した肺炎や呼吸不全による死亡のみを、新型コロナによる死者として数えると述べた。心臓発作や心血管系疾患による感染者の死亡は、この基準には含まれない。2019年末にパンデミックが始まって以来、中国が発表した新型コロナの死者数は累計でわずか5242人で、世界的にみても少ない。

12月7日にゼロコロナを緩和して以来、この統計が新型コロナの本当の影響を反映しているのか、疑念が強まっている。規制緩和以来、一部の病院には患者が殺到し、薬局では薬の売り切れが続出している。自主隔離をする市民が増え、北京では薬を受け取りに来た配達員が薬局に集まっていた

一部の専門家は、今後数カ月で中国の人口の60%が感染すると予想。これは世界の全人口の10%に相当する。さらに200万人以上の死者が出る可能性があると予測している。

【私の論評】中共は、「ゼロコロナ」政策をやめ中国人が多数が死亡しても集団免疫を獲得すれば良いと考えたか(゚д゚)!

日本においては、コロナが発生してから、今日までの、合計死亡者数53,738人です。中国の人口は14億人、日本は1億2千万人ですから、中国の人口は日本の10倍より多少多いくらいです。

今後新たに100万人とか、200万人の死者がでるとされていますから、1/10にすれば、10万人〜20万人ということで、日本に置き換えても、これは結構な数ともいえます。

これは、とてつもないことになりそうですが、中国としては、中国製ワクチンはほあまり効かない、まともなコロナ薬が流通していないのですから、そうなるとみて間違いないでしょう。

日本では、たとえばCTが診療所レベルの診療機関にも設置してあり、世界で一番普及しています。これで診察すると、肺炎であるか否がすぐに診断できます。肺炎の人は、すぐにPCR検査などを受けるという措置がなされ、それ相当の治療がなされます。日本の医療現場では、このようなことが行われていました。日本では、このような対応が可能だったのです。

私達には見慣れたCTだが、中国をはじめあまり普及していない国もある

他国と同じように、PCR検査にのみ頼る診査体制であれば、日本の医療現場はかなり混乱したことでしょう。それこそ、医療崩壊を起こしていた可能性もありました。しかし、日本の場合、CTの普及率の高さなどが幸いして、未だにコロナ感染症の分類が2類とされているにも関わらず、何とか医療崩壊を起こさないですんでいます。今後、日本でもコロナ治療薬の「ゾコーバ」などが普及すれば、早急に5類に分類しなおすべきです。

中国では、日本のように医療体制が整っておらず、今後感染者、死者が増えれば、かなり深刻な事態になることが予想できます。特に、地方の僻地などでは、かなり医療体制が遅れていますし、都市部においても、貧困層は、まともな治療を受けられる体制にはありません。コロナに感染しても、病院で治療を受けないということは十分に考えられます。

上海市内にある集合住宅の中庭。四方を囲む形にして外部と遮断し、通り抜けできないようになっている。

中国政府がなぜ「ゼロコロナ」政策を緩和しかといえば、こういう実態を踏まえれば、「ゼロコロナ」など最初から不可能であったことをようやっと理解したのでしょう。

ただ、中国共産党中央政府には、これを認識した上で、さらに恐ろしい企てがあるかもしれません。それは、以前のブログでも述べたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
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サマーズ元FRB長官

日本では、中国のアウトバウンドを期待するむきもあるようですが、おそらく無理でしょう。多くの人が、感染を恐れて、海外旅行どころではなく、外出することすらためらうようになるでしょう。

こうなると、国民はデモどころではなくなります。中共の指導層は自分たちは、米国製ワクチンや薬を確保するとともに、自らを一般人から隔離する体制を強化しつつも、できるだけ安寧な生活ができるように準備して、医療体制も整え、大きな嵐が過ぎ去るのを待つつもりなのかもしれません。

全体主義国家の中共を甘く見るべきではありません。経済がどうなろうと、自国民が多数命を失おうが、体制を守り通そうとするのが彼らです。
中国共産党として、今後も全国各地で同時に「ゼロコロナ」政策に対するデモが起これば、これを鎮圧するのは難しいですし、かといってこれを放置すれば、反政府デモが過激化・先鋭化し、共産党の統治の正当性が危機にさらされると考えたのでしょう。

であれば、「ゼロコロナ」政策などやめて、多数の人間が感染して、死亡したとしても、それで中国人の多くが集団免疫を獲得すれば、いずれ収まると考えた可能性は十分あります。無論、その過程で「反政府」デモは、コロナ感染が鎮圧してくれるだろうという目論見もあるものと考えらます。

だとしたら恐ろしいことです。しかし、中国共産党の短い歴史をみても、そのようなことは十分考えらます。彼らを甘く見るべきではありません。

そうでなくて、国民の命が第一と考えれば、自分たちの非力を公にしても、海外からのワクチンや薬に頼るはずです。そのような気はさらさらないようです。

それで、サマーズ氏が予測したように、中国経済が落ち込んだとしても、自らの体制を守れれば良いと考えているのでしょう。

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