2022年12月6日火曜日

台湾、公的機関でのTikTok使用を禁止=国家安全保障上の懸念で―【私の論評】中華アプリの使用は「自己責任」でどうぞ(゚д゚)!

台湾、公的機関でのTikTok使用を禁止=国家安全保障上の懸念で


中国の動画投稿アプリ「TikTok」に対して国家安全保障上の懸念が指摘される中、数位発展部(デジタル発展省)の官僚は5日、台湾では公的機関の情報通信設備や管轄区域でのTikTokや中国の写真投稿アプリ「小紅書」のダウンロード・使用を禁止していると明らかにした。

行政院(内閣)は2019年5月、各機関を対象に、サイバー分野の国家安全保障に危害を与える企業の製品の使用を禁止する規則を公布した。使用を禁止されたアプリにはTikTokや小紅書の他、TikTokの中国版「抖音」などが含まれている。同部の官僚は中央社の取材に対し、これらのアプリは以前から公的機関での使用を禁じられていると説明した。

官僚は、企業に対してこれらのアプリの提供を制限するべきかとの問題については、適法性や実施可能性などの影響要因評価に関わるため、関連部会(省庁)と連携して他国のやり方を参考に検討していくと語った。

【私の論評】中華アプリの使用は「自己責任」でどうぞ(゚д゚)!

TikTokの危険性については以前から言われていました。にもかかわらず、日本でも台湾においてさえも使われていたのです。上の記事にもあるように、台湾は、公的機関での、TikTok使用を禁止しました。

日本においては、デジタル庁が、米政府から安全保障上の懸念を指摘されてるTikTokと連携して、マイナンバー制度の普及啓発を目的としたショートムービーを9月8日から公開しています。


政府は、我が国の安全保障そっちのけで、若者に媚びてマイナンバーの普及のために、TikTokを活用しています。これは、日本におけるTikTokの普及に貢献しているともいえます。あまりに、危機意識が低すぎるといえます。

米国においては、ドナルド・トランプ前大統領が、とりわけ若者のユーザーに人気のソーシャルメディア・アプリ、TikTok(ティックトック)について国家安全保障上の問題を提起してから数年経った今、FBIは同アプリが、「我々の(米国の)価値観を共有していない」中国政府の利益になる活動をしていることを認めました。結局トランプ前大統領が正しかったことを認めたのです。


米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は15日、バイトダンス(字節跳動)が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」について、FBIに以前からある国家安全保障上の懸念をあらためて表明しました。また、米国内の運営継続を可能にする取引を審査している当局者と見解は一致していると述べました。

米下院国土安全保障委員会で証言したレイ長官は、数百万人に上るユーザーのデータやソフトウエアを管理する目的で中国政府がこのアプリを利用する恐れがあり、 ユーザーが次にどの動画を視聴するかを決める推薦アルゴリズムは、「中国政府が影響力作戦を選択した場合に利用されかねない」と述べました。

「簡潔に言えば、中国の法律では中国企業は基本的に、情報共有や政府の手段になるという点で政府の要望を果たす義務がある」とした上で、「主にそれが理由で極めて懸念される」としました。

FBIはこうした問題を審査している対米外国投資委員会(CFIUS)に懸念を伝えました。

ティックトックの広報担当ブルック・オバーウェッター氏は「レイ長官が指摘したように、FBIの見解は米政府との間で進められている交渉の一部で考慮されつつある」とした上で、「機密協議の詳細について語ることはできないが、米安全保障上のあらゆる妥当な懸念に全面的に対応する方向にあると自信を持っている」とコメントしました。

TikTokがユーザーの入力している内容を盗み取っているとも指摘されていたことがあります。

TikTokがユーザーの入力している内容を盗み取っている

TikTokに限らず、いわゆる中華アプリに関しては、知っておくべきことがあります。

2017 年 6 月 27 日、中国においては、国の情報活動の基本方針、実施体制、情報機関の職権、法的責任等 について定める国家情報法が制定され、同年 6 月 28 日から施行させ、中国の企業や個人に北京の命令があれば情報収集することを義務づけました。

これにより、中華アプリの開発企業すべてに対して、中国は政府は中華アプリ開発会社の経営陣の意思とは関係なく、従業員にアクセスすることを要求できるのです。


ましてや、中国政府は、TikTokの親会社であるByteDanceの出資者でもあります。その結果、中国政府は、米国人のユーザーデータがどこに保存されているかにかかわらず、中国にいるTikTokの従業員にアクセスを要求することができるのです。

TikTokは、閲覧履歴、地理データ、ファイナンシャルデータ、電話番号、連絡先、クリップボードデータ、生体データ、ドラフトのビデオなどをことごとく飲み込んでいます。


そもそも、中国の技術には、データへの不正アクセスを可能にするバックドアが仕込まれているという指摘は、TikTokが雇った外部監査人からもなされています。

このデータは人工知能(AI)技術を用いて集約され、ユーザーを情報操作や脅迫にさらせる高度なプロフィールが作成できるのです。たとえば、自分の代わりに不正な税の申告が行われることを想像してみてください。中国共産党は、いざとなったら躊躇しません。

TikTokなどの中華アプリを使う人は、このような危機にさらされていることを忘れるべきではありません。いざというときには、中共によって何をされるかわかったものではありません。日本政府のこれに対する危機意識は上で述べたように、かなり低く、現状では、中華アプリの使用は「自己責任でどうぞ」というしかありません。

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