2025年1月1日水曜日

「平和な世界へ手携えて」 天皇陛下が新年の感想―【私の論評】天皇陛下の新年のご感想:戦後80年の節目に寄せる希望と平和への願い

「平和な世界へ手携えて」 天皇陛下が新年の感想

まとめ
  • 天皇陛下は新年の感想を述べ、平和な世界を築くためにお互いの違いを認め合い協力する重要性を強調された。また、戦後80年の節目に戦争の悲惨さに対する深い悲しみを表明された。
  • 両陛下は新年祝賀の儀に臨み、阪神・淡路大震災30年追悼式典や国民文化祭などの行事に出席される予定であり、広島県や沖縄県への訪問も検討されている。
  • 宮内庁の長官は天皇陛下の戦争の悲惨さを後世に伝えたいというお気持ちを述べ、秋篠宮家の悠仁親王殿下は今年、成年皇族となり筑波大学に進学される予定である。


 天皇陛下は新年の感想を述べ、平和な世界を築くためにお互いの違いを認め合い協力する重要性を強調された。また、戦後80年の節目に戦争の悲惨さに対する深い悲しみを表明された。
両陛下は新年祝賀の儀に臨み、阪神・淡路大震災30年追悼式典や国民文化祭などの行事に出席される予定であり、広島県や沖縄県への訪問も検討されている。

宮内庁の長官は天皇陛下の戦争の悲惨さを後世に伝えたいというお気持ちを述べ、秋篠宮家の悠仁親王殿下は今年、成年皇族となり筑波大学に進学される予定である。

 天皇陛下は新年に際し、戦後80年の節目を迎え、「平和な世界を築くためには、人々が互いの違いを認め合い、協力することが重要である」と述べられた。また、「終戦以来、多くの人々の努力により、我が国の平和と繁栄が築かれたが、現在もなお世界各地で戦争や紛争により多くの命が失われていることに深い悲しみを覚える」とお言葉を寄せられた。

 昨年の災害や物価上昇による困難を振り返り、「今年も人々が互いに思いやりを持ち、支え合って困難を乗り越えることを願っている」と記された。天皇、皇后両陛下は新年祝賀の儀に臨まれ、2日には皇族方と共に新年一般参賀に出席される。

 両陛下は、阪神・淡路大震災30年追悼式典のため神戸市を訪問し、長崎県での国民文化祭など四つの恒例行事に出席される予定である。関係者によれば、戦後80年にあたることから広島県や沖縄県への訪問も検討されている。

 宮内庁の西村泰彦長官は、天皇陛下が後世に戦争の悲惨さを伝えたいというお気持ちを持たれていると述べた。また、秋篠宮家の悠仁親王殿下は昨年、18歳の成年皇族となり、春に高校を卒業し筑波大学に進学される予定である。成年式は高校卒業後の適切な時期に行われ、大学在学中は学業を優先しながら公務にも臨むこととなる。

 この文章は、元記事の要約です。詳細は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】天皇陛下の新年のご感想:戦後80年の節目に寄せる希望と平和への願い

まとめ
  • 天皇陛下は新年のご感想で、昨年の災害や物価高騰を案じつつ、社会のために尽くす人々に希望を見出している。
  • 戦後80年を迎え、平和と繁栄は先人たちの努力によるものであり、現在も続く戦争や紛争に対する深い悲しみを表明された。
  • 日本の皇室は2670年以上の歴史を持ち、その存在が国体の根幹であることを強調。これは偶然ではなく必然である。
  • 陛下は「お互いの違いを認め合い、協力すること」の重要性を訴え、平和な世界の実現に向けた努力を呼びかけている。
  • 新しい年が希望に満ちたものとなるよう祈り、皇祖から続く「すめらぎ」の御代が末永く栄えることを願う。
戦後80年の節目を迎えた日本。平和と繁栄の陰で、今なお続く戦火と悲しみ。そんな世界を見つめる天皇陛下の眼差しは、慈愛に満ちていた。陛下は宮内庁を通じ、新年のご感想を公表された。その言葉の一つ一つに、国民を思う深い愛情が滲み出ていた。

天皇皇后両陛下は昨年3月22日、石川県内入りし、能登半島地震の被災者を見舞われた。

昨年、日本列島を襲った数々の災害。年初の能登半島地震、台風、豪雨。そして、止まることを知らない物価高騰。陛下は「多くの人にとってご苦労の多い年であったと思います」と案じられた。苦しむ国民の姿を案じつつも、陛下は希望の光を見出していた。それは、地道に社会のために尽くす人々の存在だった。「困難を抱えている人々のことを案じると同時に、そのような人々のため、また、社会のために地道に活動に取り組んでいる人も多いことをうれしく思っています」と述べられている。

先人たちの血と汗で築き上げられた平和と繁栄。陛下は「終戦以来、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられた」と評価された。しかし、世界に目を向けると、今なお戦火は絶えない。無辜の民の命が奪われる現実に、陛下は深い悲しみを覚えておられる。「現在も戦争や紛争により、世界各地で多くの人の命が失われていることに深い悲しみを覚えます」と述べられた。

平和な世界を築くために何が必要か。陛下の答えは明確だった。「お互いの違いを認め合い、共に手を携えて力を合わせていくこと」。この言葉には、長年の叡智が凝縮されている。

日本という国家の存在意義。それは計り知れない。我々日本国民が享受する恩恵は、他に類を見ない。天皇を戴く我が国の国体。それは世界に冠たる優れたものだ。だからこそ、一つの王朝が2670年もの長きにわたり続いてきた。「すめらぎ」の存在こそが、日本の根幹。この事実を忘れてはならない。「すめらぎ」なくして、日本は存在し得ない。

連綿と続く皇統

陛下は、戦後80年の節目に広島、長崎、沖縄を訪問される方向で検討が進められている。宮内庁の西村泰彦長官は「戦後80年は一つの節目であり、天皇陛下も後世に正しく戦争の悲惨さなどを伝えていかなければいけないというお気持ちです」と述べている。この訪問は、平和の尊さを改めて国民に伝える重要な機会となるだろう。

また、新年の行事として、1日に皇居で「新年祝賀の儀」が行われ、2日には2年ぶりに「新年一般参賀」が行われる。上皇ご夫妻も1日にお住まいの仙洞御所で皇族方からあいさつを受けられる。特筆すべきは、右大腿骨を骨折してリハビリ中の上皇后さまも、上皇さまと一緒に午前中に3回、皇居・宮殿のベランダに立たれる予定であることだ。これは、国民に寄り添う皇室の姿勢を象徴する出来事と言えるだろう。


陛下は感想の締めくくりに、「新しい年が、我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩んでいくことのできる年となることを祈ります」と述べられた。この言葉には、日本と世界の平和と繁栄を願う陛下の深い思いが込められている。我々国民一人一人が、この思いを胸に刻み、新しい年を歩み始めることが求められているのではないだろうか。

この新しい年が、陛下のお言葉通り、希望に満ちた年となりますように。そして、皇祖から連綿と続く「すめらぎ」の御代が末永く栄えますように。天皇弥栄。

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