2012年4月28日土曜日

日本の大陸棚拡張、国連が認定 沖ノ鳥島周辺などレアメタルなど採掘権、主張できる範囲広がる―【私の論評】今までも豊富だった資源がますます、豊富になる日本!!海外で日本を見つめなおしてみよう!!

日本の大陸棚拡張、国連が認定 沖ノ鳥島周辺などレアメタルなど採掘権、主張できる範囲広がる

今回国連が勧告した大陸棚の位置


政府は27日、国連の大陸棚限界委員会が日本最南端の沖ノ鳥島の北方など太平洋の4海域約31万平方キロメートルを日本の大陸棚として新たに認める勧告を採択したと発表した。国連同委の勧告には拘束力がある。国土面積の8割強に当たる海域が新たに認定され、日本はレアメタル(希少金属)や次世代の天然ガス資源であるメタンハイドレートなどの採掘権を主張できる範囲が大幅に広がる。

この記事の続きは、こちらから!!

【私の論評】今までも豊富だった資源がますます、豊富になる日本!!海外で日本を見つめなおしてみよう!!

さて、上の記事今までの日本の排他的経済水域は、かなり広いのに、さらに拡張できるということで、日本にとっては本当に良いことです。今回認められなかった部分も主張をして、かならず手中におさめるべきと思います。

それにしても、日本経済新聞、この記事なかなか秀逸だと思います。本当に、日本経済新聞は、経済以外の記事はすばらしいです。しかし、なぜか、経済だけは、本当に駄目になりました。というより、日本の大手新聞は、本当に経済に関してはまともな報道をしなくなったか、できなくなったようです。本当に困ったものです。

それは、それとして、今回は、EZ(経済的排他水域)を含む日本の凄さを改めて、掲載していこうと思います。

まずは日本のEEZは、今回日本の領土の8割にも及ぶ、拡張をする前から、かなりの広さです。それがどのくらいのものか、下に、その他国との比較を掲載します。

EEZと領海を合わせた国別順位
国名EEZ+領海EEZのみ
アメリカ合衆国の旗アメリカ11,351,000 km²
フランスの旗フランス11,035,000 km²
オーストラリアの旗オーストラリア10,648,250 km²
ロシアの旗ロシア7,566,673 km²
カナダの旗カナダ5,599,077 km²2,755,564 km²
日本の旗日本4,479,358 km²
ニュージーランドの旗ニュージーランド4,083,744 km²
イギリスの旗イギリス3,973,760 km²
中華人民共和国の旗中国3,877,019 km²
ブラジルの旗ブラジル3,660,955 km²
チリの旗チリ2,017,717 km²
ポルトガルの旗ポルトガル1,727,408 km²
インドの旗インド1,641,514 km²
アルゼンチンの旗アルゼンチン1,159,063 km²
マダガスカルの旗マダガスカル1,225,259 km²
EEZと領海と領土を合わせた国別順位
国名EEZ+領海+領土
ロシアの旗ロシア24,641,873 km²
アメリカ合衆国の旗アメリカ20,982,418 km²
オーストラリアの旗オーストラリア18,335,100 km²
カナダの旗カナダ15,583,747 km²
中華人民共和国の旗中国13,476,979 km²
ブラジルの旗ブラジル12,175,831 km²
フランスの旗フランス11,709,843 km²
インドの旗インド5,559,733 km²
日本の旗日本4,857,193 km²
ニュージーランドの旗ニュージーランド4,352,424 km²
イギリスの旗イギリス4,218,580 km²
アルゼンチンの旗アルゼンチン3,925,953 km²
チリの旗チリ2,773,813 km²
カザフスタンの旗カザフスタン2,717,300 km²
スーダンの旗スーダン2,505,810 km²
日本は、EEZ+領海では、世界で6位です。EEZ+領海+領土でも、世界で9位です。これは、凄いことです。このブログでも、以前掲載したことがありますが、この領域には、資源が豊富にあります。

それから、この凄さに加えて、あまり認識されていないのですが、別の凄さを下に掲載します。それは、人口です。
順位2010年推計人口
border=none 世界 (人口)6,895,889,018
1中華人民共和国の旗 中華人民共和国1,341,335,152
香港の旗 香港7,053,189
マカオの旗 マカオ537,972
合計1,348,926,313
2インドの旗 インド1,224,514,327
3アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国310,383,948
プエルトリコの旗 プエルトリコ3,749,009
グアムの旗 グアム179,896
アメリカ領ヴァージン諸島の旗 アメリカ領ヴァージン諸島109,056
アメリカ領サモアの旗 アメリカ領サモア68,420
北マリアナ諸島の旗 北マリアナ諸島60,917
合計314,551,246
4インドネシアの旗 インドネシア239,870,937
5ブラジルの旗 ブラジル194,946,470
6パキスタンの旗 パキスタン173,593,383
7ナイジェリアの旗 ナイジェリア158,423,182
8バングラデシュの旗 バングラデシュ148,692,131
9ロシアの旗 ロシア142,958,164
10日本の旗 日本126,535,920
11メキシコの旗 メキシコ113,423,047
12フィリピンの旗 フィリピン93,260,798
13ベトナムの旗 ベトナム87,848,445
14エチオピアの旗 エチオピア82,949,541
15ドイツの旗 ドイツ82,302,465
16エジプトの旗 エジプト82,121,077
ここでは、国際連合の「世界の人口推計(2010年度版)」に掲載する229の国及び地域のうち、属領を本土と併せて表示しました。この元表での数は、国際連合加盟国192カ国とバチカン以外に、西サハラ及びパレスチナ自治区を他の属領としなかったため合計195となっていますが、全部掲載していると、きりがないので、16位のエジプトまで掲載しました。

人口においても、日本は、何と世界で10位以内に入っています。これは、かなりのものです。普段日本では、マスコミなど、中国や、インドなどと比較するので、少ないように思われますが、これは、かなり多いです。いや、それどころか、日本より人口の多い国は、全部が多民族国家です。

日本は他民族国家ではなくいわゆる、国民国家であり、ほぼ単一の文化と、人種の国としては、世界最大といっても良いかもしれません。何とあの広大な面積を持つロシアも、日本よりわずか2000万人人口が多いくらいのものです。こうしてみると、海まで含めた国土の領域といい、人口といい、日本は大国です。中国、インド、アメリカなどは、多民族国家であることはいうまでもないですし、それに、比較的新しく人為的にまとまった国です。どの国も、省とか、州があり、それらがかなり独立した行政単位となっており、日本などのような国とはまったく成り立ちが違います。国民国家の中でも、もっともそれらしい日本とこれらの複合新興国家(これらの中で比較的歴史の長いアメリカですから、200年くらいの歴史しかない)を単純に国と呼んでいるからといって、単純に比較するのはかなり無理があります。


それから、この表に出てこない、国民国家であるイギリス、フランス、イタリアなどは、すべて、6000万人前後です。日本の半分ということです。また、日本のマスコミなどが、よく税とか、社会福祉で引き合いにだす、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ニュージーランドなどの国々は、人口は、日本の自治体レベルである数百万に過ぎない小国です。このような小国と、日本とを単純比較するなど、まるで、子犬と巨体の象さんを単純比較するようなものであり、滑稽でさえあります。本当に正真正銘のミスリードだと思います。

海洋資源にも恵まれ、国民国家としての人口がこれだけ多いような国は、日本以外には、ありません。中には、「国民国家の人口が多かったとしても、やはり、中国やインドのように人口が圧倒的に多い国のほうが、市場も大きいではないか」とおっしゃる人もいるかもしれません。しかし、それは、実際の市場を知らない人です。

日本の場合は、日本の市場を単一の国民国家とみて、マーケティングができますが、中国や、インドはそのような具合にはいきません。多民族がいるの、言葉や習慣が異なるので、複数のマーケティング手段が必要になります。それも、たとえば、省や州できっぱり異なる手段を講じれば良いというものでありません。多くの文化的背景にある人々が、省や州など関係なく、分布しているわけですから、そんなに簡単なことではありません。


最近、楽天や、Yahoo Japanが中国に進出しましたが、早々と撤退しました。これは、このあたりの事情を良く飲み込めていなかったからだと思います。人口が多くいて、巨大な市場であるように見えても、それを構成している人々は、互いに言葉も、文化も、習慣も異なる人々によって構成されている、それも、行政区画などにそって区分されているのではなく、その地域地域によってかなり構成が異なるということです。そこにいくと、日本など、完璧に一つの文化、一つの習慣でまとまった人々の集まりです。北海道で成功した手法が、九州でもほぼ成功するわけです。こんな、単一巨大市場は、世界でも類稀です。日本は、マーケットとしても、かなり魅力的ということです。だからこそ、高度成長のときに、あれだけ内需を拡大することができ。ほとんど内需だけで、世界第二の経済大国になれたということです。

それに、こうした単一性は、いざというときに、一致団結できるということであります。今は、極左、左翼、左派、中間だの馬鹿カルトなど(今の日本には厳密な意味において右翼勢力はほとんどいません)にわかれていますが、本当の国難がやってきたときなど、他国では考えられないほどまとまって国難にあたることができます。それが、明治維新であり、戦後の復興と高度成長です。確かに、これらの時期にも意見の対立などがありましたが、それにしても、他国と比較すれば、本当にないに等しい程度のものです。

他国では、意見対立によって、流血の惨事になったりします。日本の場合は、言語、文化、習慣の土台が同じなので、立場や意見が分かれていたにしても、根底では互いに気脈を通じ合えるというところがあります。アメリカの南北戦争、中国の天安門事件や建国から現在まで、年間平均2万件発生しているといわれる暴動などその典型です。インドは、かつては土候国とも呼ばれ、族長や首長などが支配する部族国家でした。特に英国統治下のインドで、英国の保護国として存続したものをいいました。大小563を数えましたが、インドの独立とともにインド・パキスタン両国に併合されました。今だカスト制が残る国で、今でも身分が異なると、考え方が全く違いますし、それに輪をかけて、多数の民族が自己主張する国です。昔は、族長・首長同士の覇権争いが激しすぎたので、イギリスが仲介にあたり、さらにイギリスの植民地になって、ようやっと平衡をたもてたという国柄です。これらに比較すると、日本の明治維新は無血革命です。鳥羽伏見の戦いなど、他国から比較すれば、本格的な戦争などとは程遠く、単なる小競り合いにすぎません。


海外進出に失敗した、楽天は、今後社内の英語の標準語化をどうするつもりなのでしょうか。英語ができれば、海外のどこに進出してもどうにでもなるなどということはありません。それにこれだけ、歴史のある国民国家で、日本語であるコミュニケーションをしないということになれば、もともとかなり密なコミュニケーションが取れるにもかかわらず、それを捨てているということです。私は、日本語を含むマルチリンガルにしたほうが良いと思います。東南アジアなどの国々では、政治・経済・学問の世界はもとよりその他の複雑なことを表現するための母国語の語彙がありません。

だから、外国語を使うのです。というより、意思の疎通をしっかりするために使うのです。これらの国々と比較すれば、日本語には、外来語もかなり存在し、ほぼすべての語彙を網羅するどころか、それを上回るくらいです。そうして、何もこれは、外来語があるからどうのこうのというレベルではなく、江戸時代に関孝和が、西欧のそれとは全く関係なく、和算を用いて積分の概念を発展させていたということにも、みられるような、文化の成熟度合いにもよります。文化程度が低ければ、残念ながら、遣う言語の語彙も少なくなってしまうのです。積分の概念を母国語で説明できない、国などと異なり、日本では、日本語でかなり密なコミュニケーションが十分取れるどころか、それ以上なのです。だから、他国にはない言霊(ことだま)などという言葉さえ存在しているのです。

それは、歴史ある国民国家では、どこでもそうです。ドイツ、フランス、イギリス、オランダなどもそうです。だから、私は、国際語の英語を使うことに関しては反対ではありませんが、わざわざ、国民国家の言語を使わなくするということには大反対です。こうしたことから、今後の楽天の対応に関しては、興味が尽きないところです。三木谷氏や、孫氏は、自分たちが、こうした日本の文化の中でこそ、商売がうまくできていたことに思いもいたらず、日本文化を侮っていたに違いありません。だからこそ、失敗したのです。これが理解できていれば、中国市場に進出する際にも、もっと周到な準備ができたに違いありません。

それにしても、こうして単純比較しても、日本の凄さがわかると思います。先に、海の資源のことも多少述べましたが、日本には、それも含めてかなり資源が豊かな国です。そのことは、以前のブログにも掲載したことがあります。以下にその一部をコピペしておきます。
日本近海は、様々な天然資源に恵まれすぎるほど、恵まれています。これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあります。そうです。メタンハイドレードは、もとより、天然ガス、その他、石油など、ものすごい埋蔵量があることが知られています。ただし、今のところ、原油などの天然資源の価格が安いので、まだ実用的ではないということです。
さて、天然資源もそうですが、まだまだ、日本には、他のとてつもない資源が沢山あります。日本が、資源のない国という考えは、非常識です。 
たとえば、日本の持つ電子プリント基板特許の輸出を止めると、ターゲットにされた全ての国の大部分の兵器が使用不可能になります。戦闘機も、ミサイルも、戦艦も、戦車も動かなくなくなります。というより、電子部品を使っているものは、何でも動かなくなります。
日本にしか製造出来ない1m当たり80tの荷重に耐え得る鉄道用レールの輸出を止めると、世界の「物流の要」=鉄道が崩壊します。新幹線の導入も不可能になります。中国の鉄鋼生産技術で生産された粗鋼は、現在、国際市場では「クズ鉄」として取引されています。
これらは、購入した国が再度、精錬し直さなければ、「使い物にならない」のです。精錬しなおしてさえ、日本のレールには及ばないのです。結局多少高くても、日本の鉄道用レールを使ったほうが、はるかに安くて経済的なのです。たとえば、中国は、今後、国内を縦横に走る大鉄道網の建設を準備しているが、日本が鉄道用のレールを「売るかどうかは、日本の自由」です。これは、何も中国だけではなく、他の国も同じことです。
日本の小松製作所にしか製造出来ない小型のパワーシャベル、ブルドーザーの輸出を止めると、ターゲットにされた国の全ての資源開発・工場等の建設工事・軍事施設の建設が不可能になります。
これらは、氷山の一角に過ぎません。まだまだ山のようにたくさんあります。こういった、日本の技術力などに恩恵を受けている国々は世界中にたくさんあります。
なお、日本にしか製造出来ない、ステルス戦闘機用のステルス機能を持つ塗料の輸出を止めると、米軍の戦略の要であるステルス戦闘爆撃機の製造が不可能になります。
戦闘機・核ミサイル用の、ジェット燃料を、世界中で圧倒的に生産量の少ない軽質油から製造する技術は世界各国が持っています。
一方で、質の悪い、圧倒的に生産量の多い重質油からジェット燃料を製造する技術は日本しか持っていません。日本が重質油原料のジェット燃料の輸出・製造を止めると、世界中で航空機・戦闘機・核ミサイル用の燃料が圧倒的に不足します。燃料が無ければ、最新兵器の軍備は、単なる鉄クズの集積になります。
昨年、二人の日本人にノーベル化学賞をもたらした、クロスカップリングという化学反応で、できる合成物である、テレビの液晶など、これも、日本が販売しないと、ほんどの国で、現状の品質を維持できなくなります。それは、サムソン電子も同じことです。ここに、掲載しないことでも、日本の独壇場で、日本にしか作れないものなどいくらでもあります。
簡単にさらに付け加えておきますが、日本が、輸出大国であるかのごとき誤った考えは、マスコミの偏向報道の典型です。10年以上前は、輸出がGDPに占める割合は、8%程度でした、それが、今は16%ですが、それでもかなり少ないほうです。これが、中国や、ドイツなど主だった輸出大国では、40%以上を占めます。しかし、日本の経常収支は真っ黒です。なぜかといえば、貿易収支などわずかにしかすぎないのですが、膨大な所得収支というものがあります。これは、貿易などではなく海外に日本が貸し付けたり、投資をしたりしたものよる、いわゆるあがりです。これが膨大であるため、貿易など駄目になっても、他の貿易大国などとは異なり、経常収支にはほとんど影響を受けません。

そのレベルがどのくらいかといえば、概算で、日本がこれから、一切輸出をしないどころか、工業製品を自国でつくらず全部輸入したとしても、所得収支があるために、あと少なくとも50年くらいは、国を維持していけるレベルです。

こんな国がどうして、財政破綻するなどと、馬鹿で間抜けな、一部の政治家や、役人や、ほとんど全部のマスコミがそのようなことをいうのか全く理解に苦しみます。


さて、いろいろ、日本の凄さを述べてきました。今年の連休、ここしばらく減り続けていた、海外渡航がまた増える見込みです。この連休、もうすでに海外に出かけている方、あるいは、これから出かけていく方々も多くいらっしやると思います。これを機会に、特に海外に出かける方々は、上のような日本の凄さを念頭において、海外をみてきていては、いかがでしょうか?きっと、日本に対する見方が変わると思います。それは、特に、現地の人たちに日本のことをどう思うかなどを聞くと良く理解できると思います。とはいっても、中国や、韓国はそうともいえない部分があると思いますが、それは、劣等感のあらわれであるとみれば、見方も変わってきます。まあ、いろいろな意味で、日本を出て、日本を見るというのも楽しいと思います。



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2012年4月27日金曜日

メッツコーラが発売2日で年間目標の5割突破―【私の論評】これは、前から予想されていたことだが、立派な社会変革だ!!日本の技術力の素晴らしさだ!!

メッツコーラが発売2日で年間目標の5割突破


 キリンビバレッジは、特定保健用食品史上初のコーラ「キリン メッツ コーラ」が発売後わずか2日で年間販売目標の5割を突破した、と発表した。



 同社によると、メッツコーラは24日から全国発売。2日で年間販売目標である100万ケースの5割を突破したという。



 メッツコーラは、難消化性デキストリンを配合し、食事の際に脂肪の吸収を抑える、特定保健用食品史上初のコーラ系飲料。糖類はゼロ。健康意識の高い大人層、コーラユーザーのニーズに応える商品と見込んでいる。

【私の論評】これは、前から予想されていたことだが、立派な社会変革だ!!日本の技術力の素晴らしさだ!!

さて、上の記事、脂肪の吸収を抑えるという特保のコーラの史上初ということで、かなりの売れ行きを見せています。しかし、特保というだけで、これだけ売れるとは思われません。そこで、本日は、その背景など探っていきたいと思います。そうして、本日は、コーラのCMの画像を掲載しつつ、掲載させていただきます。ただし、ほとんどがコカ・コーラです。


まずは、なぜこのようなコーラがでてきたのかを知るためには、2004年に放映された「Super Size Me」という映画を忘れるわけにはいきません。これは、当時、あのマクドナルドの食事を日々三食とも、30日間食べ続けるとどうなるのかということに、興味を持った、監督兼被験者:モーガン・スパーロックが、その疑問を疑問ではなく、実際に実行し、実行しただけではなく、その一部始終を記録映画にしてしまったという驚天動地のものです。


記録映画スーパーサイズミーのポスター
■スーパーサイズミーは、驚天動地の映画だった!
さて、私は、このDVDを持っているので、何回か見たことがありますが、まあ、2~3回もみれば、もううんざりというすごい内容でした。YouTubeをみたら、この動画が投稿されていたので、まだご覧になっていないかたは、是非ご覧になってください。上にその動画part1だけ掲載しておきました。続きは、自分で探してご覧になってください。


さて、この映画は、マックを食べ続けて健康を害したという人が、マックを訴訟して勝訴したという事実から、モーガン・スパーロックが興味を持ったことが発端です。それ以前からいわれていたのですが、この映画ができるにおよび、マックが体に悪いという認識がかなり多くの人に広まりました。


そのため、マックもいろいろい対策を打ちました。たとえば、マックを食べたからといって、すぐに体を悪くするということはないが、毎日食べるのではなく、きちんと、日々野菜などを取りなさいというキャンペーンを張っていました。また、マックには、今も、そうして、当時も、コカコーラがありました。ハンバーガーに、コークはつきものということです。そうして、この映画が放映されてから、数ヶ月して、マックは、それまで、日本のコーラのLLサイズよりもはるかに大きな、「スーパーサイズ」というサイズを中止しました。このサイズ、とても大きく、それこそ、バケツのようでした。


このバケツサイズのコーラについて、一ヶ月日々三回飲み続けると、とんでもない砂糖分になることが、この映画の中でも、紹介されていました。そりや、そうです。なにせ、バケツサイズですもの!!


そうして、これらが、きっかけとして、ハンバーガーや、コーラなどかなり体に悪いという認識をかなり多くの人が持つようになりました。当然、売れ行きも落ちました。


■日本でも、コーラーに対する体に悪いという認識は高まった
日本でも、この認識はありましたが、そもそも、スーパーサイズのコーラなど、日本ではもともと、販売されてることはなく、さほどでもなかっのですが、やはり、その後しばらくして、真夏の暑い時期に、甘味清涼飲料水を多量に飲むと、体に良くないことが認識されるようになりました。


清涼飲料水によく使われている果糖ブドウ糖液糖は、とうもろこしなどのでんぷんから作られた液状の糖分です。これは砂糖に比べると、ひじょうに純度の高い糖分で、体内での吸収がとても早いため、摂り過ぎると体にとってさまざまな影響を及ぼします。


吸収の早い糖分をたくさん摂ると急に血糖値が上がります。体は血糖値を下げようと、膵臓から大量のインスリンを分泌します。すると急激に糖分が吸収されたことでインスリンが出過ぎてしまい、今度は血糖値が下がって低血糖症になってしまうのです。


こうなると脳のエネルギーが不足し、イライラしたり、食欲がなくなったり、体がだるくなったりします。さらに低血糖症になると体は糖分を求め、もっと甘いものをほしくなるという悪循環に陥ります。甘い飲み物を飲むとさらにのどが乾くようになるのはそのためです。


一方、体は低血糖では困るので、血糖値を上げるために、アドレナリンというホルモンを分泌します。アドレナリンは攻撃ホルモンといわれ、たくさん分泌されると落ち着きがなくなったり、カッとなりやすくなります。そのため、寝る前に飲むと寝付きにくくなりやすく、不眠の原因にもなります。


こんな認識が日本でも、多くの人々にかなり広まったため、当然日本でも、甘味清涼飲料水全般、その中でも特にコーラ類の売れ行きは、落ちました。


このままにしておけば、コーラ類が売れません。それまでも、ダイエット・コークなどがありましたが、これは、女性に主に飲まれていたもので、男性向けの製品を開発する必要性がでてきたわけです。


そうして、その開発が行われ、アメリカでは、ペプシのネックス、コカコーラのゼロが開発され、2005年に発売されました。


■味が決め手
日本では、2007年に発売され大人気となりました。ネックスにいたっては、日本市場での売上げはペプシコーラそのものを上回るほどの人気でした。さて、その背景にはどのうようなものがあったかといえば、やはり、味でした。





コーラは、この以前からダイエットコーク、ダイエットペプシと、ダイエット系飲料は存在しました。しかし、これら商品はある一定の人気はあるものの、当時大人気となった、ネックスやゼロのような大人気にはなっていませんでした。では、何がこのブレークにつながったかといえば、味です。甘味料の味が当時かなり向上していたことが、まずは、決め手のようです。アメリカで、いわゆる、昔からあるコカコーラ、いまでいうところの、コカコーラ・クラシックを廃止すると発表したところ、全米で大反対運動をがおこったそうです。やはり、長年飲みなれた、味を失うことによる反発でした。しかし、ネックスやゼロでは、新しい甘味料により、味が元のものに近いにもかかわらず、糖質ゼロにすることに成功したのです。


■メタボはブームから定着へ
コーラのみならず、ダイエット系飲料、食品は以前より数多く存在していましたが、先の記録映画などの、影響があり、メタボへの関心が定着し、健康を気にする人が増えたことにより、再度ダイエット系飲料、食品への注目が高まったという構図がありました。ダイエットブームは定期的に繰り返されるものですが、当時は女性のみならず、特に男性の注意も喚起された点がそれまでのダイエットブームと異なりました。こうしたことから、ダイエット飲料、食品のターゲット顧客は拡大していたのです。


■マーケティングの上手さ
その点、当時のネックス、ゼロともに、商品のイメージカラーは黒。男性っぽいイメージを打ち出していました。実際、商品のターゲット顧客としては男性を想定しているということで、この点が既存のダイエット系飲料、食品と大きく異なりました。


また、既存のダイエットコーラをリニューアルする形にしなかったのは、既存のダイエットコーラには一定のファンがついていたのであり、それを離反させないためでした。確かにそれまでのダイエットコーラが女性の間で人気であったのであれば、当時は商品を男性向けにすることにより、商品間での顧客の食い合いも起こさず、市場の拡大につながりました。しかも、今回のカロリーゼロコーラは、男性だけでなく、結果としては女性をも取り込めていたこともあり、メーカーにとってはうれしい誤算だったようです。



■メタボ疲れの反動も
ペプシのネックスの日本での売上げは、本家のペプシコーラをも上回る勢いということで、健康志向が高まるコーラ市場にとっては大きな朗報でした。ただ、そもそも健康志向であれば、カロリーゼロでもコーラは避けて水やお茶にすべきではないか?とも思かたところですが、たまにはスカッと爽やかな飲料も飲みたいというのが人間の欲望ということでしょう。また、メタボ疲れを起こしていることも背景にありました。




それは、アメリカでも同様な傾向がありましたが、日本でも、マクドナルドが当時発売したどでかいバーガー「メガマック」が大ヒットとなったことや、アメリカからやってきたドーナツが大人気という現象からも見て取れましたが、やはりファストフードや間食系の飲食物は潜在的な人気があったということです。いくらメタボに注意と分かっていてもやめられなかったわけです。そんな中登場したネックスとゼロ。見事にそれらのニーズを汲み取っていました。実際、ネックスは日本で開発、発売された商品ということですので、より当時の日本に合った商品を投入できたことが成功の理由だったのだのです。。

■高機能化ペットフードが増加
さて、当時ダイエット飲料、食品はその後も広がることが予想されていましたが、一方で、ペットフードではもう一歩先を行った食品の高機能化がすでに進んでいました。それは、ペットフードの中で、オリゴ糖やビタミンを含むものや関節痛にきく成分の入ったものなど、高齢化したペットに対応したものが多数登場してきていたのです。


その当時から、ペットブームという言葉を聞くようになってから久しかったのですが、犬の平均寿命を考えると確かに高齢化した犬が増えていたという頃でした。


■人間の食事の将来も…
しかし、高齢化社会の本格的到来が目前となってきた当時の日本においては、このペットフードで起きている高機能化の流れが人間の食事にも登場するのではないかと予想されていました。当時はダイエットで盛り上がっていましたが、コーラの中にさまざまな栄養素が投入されて…なんて日が来るとも予想されていました。実際コーラ以外の飲料では、こうしたことが早くから実現されていました。それは、たとえば、サントリーの特保の黒烏龍茶です。これに関しては、あの中国人と思しき人たちが、脂っこい食べ物を食べるーシーンで、「黒、黒!!」と叫びながら、黒烏龍茶を飲むCMで記憶されている方も多いのではないかと思います。


そうして、その当時でも、味の素のアミノ酸、ヤクルトやカルピスの乳酸菌など、食品業界では成分の機能に対する着目が再度高まっていました。デフレ環境下では、価格のみに注目された飲料、食品業界でしたが、次はダイエット、その次は機能性が各社の業績を引っ張っていくと予想されていましたし、実際そのとおりに推移してきました。



このように、コーラそのものに、機能性を持たせるという考えは、結構前からあったのです。それは、時間の問題ともいわれていました。これを世界最初に実現したのが、なんと、キリンベバレッジのキリンメッツコーラだったということです。


■社会を変革する大イノベーションか
新たなコーラのパッケージも、黒色で、やはり、男性をターゲットとしたものなのでしょう。しかし、この開発、2007年頃からこうしたニーズがあってから、今年初めて世にでたということです。しかも、日本から出たということです。やはり、日本の技術力は、すごいですね。おそらく、これには、世界中の飲料大手メーカーがしのぎを削っていたと思います。


これも、確かに社会を変えています。いままでのコーラだと、糖分が多いか、糖分をカットしただけでした。今度の新しいコーラは、それは当たり前のことで、脂肪吸収を遅らせるという確かな効能があるというわけです。とにかく、こうした成分を入れても、味を変えないということが難しかったのではないかと思います。


しかし、世間では、iPhoneや、iPadなどばかりが、イノベーションと考える人も多いですが、これも、人の健康に直接かかわる大イノベーションだと思います。だからこそ、多くの人々が、その価値を認め、上の記事で紹介したような、信じられないような、販売数量を記録することができたのだと思います。さて、世界に先んじて、このようなコーラを販売したキリン・ベバリッジですが、うちの会社の取引先でもあります。今後、どのような製品を開発するのか、目が離せないところです。


それから、先は越されましたが、コカコーラや、ペプシ、サントリーだって、開発すると思います。今後、機能性をめぐって、さまざまな会社、さまざまな開発を行い、さまざまな製品を提供していくと思います。これも、見逃せません。今後、この方面で、また、新たな動きがあれば、このブログでも、とりあげるものとします。よろしくお願いします。



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