中国が侵攻なら台湾「戦う」 世論調査8割が回答 米国、ミサイルなど新たに武器売却へ
“暴走”北朝鮮台湾の防空識別圏に侵入したとされるY8対潜哨戒機の同型機 |
「中国軍機が台湾の防空識別圏に侵入 先月中旬以降で24回目」
台湾の中央通信社が運営する日本語サイト「フォーカス台湾」は27日、このようなタイトルの記事を報じた。
中国人民解放軍のY8対潜哨戒機とY8情報収集機が26日、台湾南西の防空識別圏に侵入したことを伝えたものだ。中国軍機の侵入は、活動を活発化させた9月16日以降で24度目という。
台湾海峡は最も狭い部分で約130キロしかない。当然、台湾の防衛意識は高まっている。
与党、民主進歩党系のシンクタンク、台湾民主基金会が今月中旬に行った世論調査では、中国が台湾に侵攻した場合、「台湾のために戦う」と答えた人は79・8%に上った。さらに、中国寄りだった台湾最大の野党、国民党系のシンクタンク、両岸発展研究基金会が21日~22日に行った調査でも、「戦う」との回答は77・6%に達したという。
米国務省は26日、台湾に地上発射型の対艦ミサイル「ハープーン」400基を含むハープーン沿岸防衛システム(HCDS)最大100基を、総額23億7000万ドル(約2480億円)で売却することを承認し、議会に通知した。ドナルド・トランプ政権による武器売却決定は9回目。
国務省は声明で、「海からの侵略行為や沿岸封鎖などに対する、効果的で信頼性の高い反撃や抑止を可能にする」と説明した。
中国が香港に国家安全法を施行した6月、「今日の香港、明日の台湾、明後日の沖縄」と言われた。台湾有事は、日本有事に直結する。中国の暴走を許してはならない。
2020年10月21日、中国軍網は、日本の新潜水艦「たいげい」について「警戒すべき」とする記事を掲載しました。
日本の最新鋭潜水艦「たいげい」の進水式 |
記事は、共同通信の報道を基に、日本の次世代潜水艦「たいげい」が、三菱重工業神戸造船所で進水したと紹介。2022年3月に就役予定で、その時には海上自衛隊の潜水艦は22隻となり、防衛省が10年の防衛計画の大綱で設定した潜水艦を16隻から22隻に増やすという目標を「基本的に達成することになる」と伝えました。
また、「たいげい」について長さ84メートル、幅9.1メートル、基準排水量3000トン、定員70人であると解説。「従来の鉛蓄電池に代わって新リチウムイオン電池を採用しており、潜水時間はそうりゅう型の約2週間という記録を大きく上回る」と伝えました。そして、「たいげいの進水はリチウムイオン電池が成熟したことを意味しており、大規模装備潜水艦部隊の需要を満たすものだ」と評価しました。
さらに、「従来のディーゼル・エレクトリック・システムにおける部品の多くをなくしたため、水中での静粛性が増し、敵による監視や追跡を困難なものにしている」と紹介。兵装ではそうりゅう型と同様の装備で、533mm魚雷発射管を6門搭載し、米製のMK37、89式長魚雷、18式長魚雷、ハープーン対艦ミサイルを発射することができると伝えました。
水中の潜水艦から発射されたハプーン |
その上で、「日本は最近、アジア太平洋の周辺海域での潜水艦の活動状況を声高らかに発表している」と指摘。例として、海上自衛隊の潜水艦とヘリコプター搭載護衛艦「かが」、護衛艦「いかづち」などがアジア太平洋海域で合同訓練を行い、べトナムのカムラン湾に寄港したことを挙げました。
こうした日本の動きについて、「アナリストからは『対潜演習によってアジア太平洋地域における存在感を示し、空中、海上、海中の全方位かつ立体的な介入を実現しようとしている』との分析が出ている」とし、「米国のインド太平洋戦略に協力し、海上安全をけん引して重点国家との防衛協力関係を高める狙いもある」と伝えました。
このほか、日本とベトナムが防衛装備品の技術移転協定の締結で実質的に合意したことに言及し、「日本はべトナムに海上偵察・監視システムを輸出できるようになる」と説明。今年7月にはベトナムに対して6隻の哨戒艇を支援することを決定していたことにも触れました。
記事は、「日本は頻繁に潜水艦建造や活動動向を公開すると同時に、アジア太平洋地域の関係国の懐柔・支持を強化している。これは、日本の地域戦略の意図について外部からの強い懸念を招いており、アジア太平洋の安全はより大きな不確実性に直面している」と警戒感を示しました。
また、中国のサイトメディア中国メディアの騰訊も以下のような報道をしています。
四方を海に囲まれた島国である日本は、明治維新以降、海における防衛力を重視しており、それは戦後の今となっても変わらないといえるでしょう。実際、海上自衛隊の実力は世界でも上位に入るといわれます。中国メディアの騰訊はこのほど、海上自衛隊の実力について分析する
記事は、海上自衛隊には護衛艦隊、潜水艦隊、航空集団などがあり、人員は約4万5000人で、艦艇数は英国やフランスより多いほどだと紹介。敗戦国の日本は、航空母艦や原子力潜水艦、戦略爆撃機、核弾頭などを持つことができないが、「グレーゾーン」を使って戦力を増大していると主張しました。
その一例が「ヘリ空母」だと記事は指摘。日本はヘリコプター搭載護衛艦を何隻も就役させているが、排水量はいずれも1万トンを超えており、他国の軽空母よりずっと大きいので「ヘリコプターを乗せているというだけで、その実質は軽空母だ」と論じました。しかも「かが」を改修してF35Bを搭載できるようにする方針であるほか、さらに大きくて先進的な「軽空母」が建造される可能性もあるとしています。
また、海中の戦力も日本は非常に強いと記事は紹介。リチウムイオン電池搭載の潜水艦は、静粛性に優れており、長期間潜水し続けることができると指摘。また対潜水艦能力や、機雷掃海、海上補給能力も世界一流で、哨戒機を約80機も保有しており、「海上、海中、空中の三位一体の対潜能力を形成している」と伝えました。
最後に記事は、「日本の恐ろしいほどの急速な発展は注意すべきで、その実力は過小評価できない。海上自衛隊はますます海軍のようになっている」と締めくくりました。中国も国産空母を建造して就役させるなど海軍力を強化しているが、それでも海上自衛隊には強く警戒しているようです。
米国のバージニア級攻撃型原子力潜水艦「ミシシッピ(SSN-782)」 |