2023年10月12日木曜日

所得税や消費税の減税浮上 法改正で実行可能、社会保険料減免する手も 衆院「減税解散」なら岸田政権は負けない公算大―【私の論評】減税は、国民の自由と繁栄を促進する(゚д゚)!

高橋洋一「日本の解き方」

まとめ
  • 政府の経済対策をめぐり、減税が論点になっている。
  • 減税を行う場合、税法の改正が必要になる。
  • 所得税については、低所得者には減税と給付金を併用することで恩恵を拡大することができる。
  • 消費税については、社会保障目的税であることは減税の障害にはならないという指摘がある。
  • 社会保険料の減免も広く国民が利益を享受できる方法として提案されている。
  • 自民党内でも減税を求める声が高まっており、岸田首相は与党の議論を踏まえた上で経済対策を決定する予定である。

 政府の経済対策をめぐり、減税が論点になっている。岸田首相は賃上げ税制などの減税措置を打ち出しているが、与野党から所得税や消費税の減税を求める声も出ている。

 減税を行うには、税法の改正が必要だ。税法改正の実際の作業は財務省によって行われるが、税法を成立させるのは国会であり、改正の方向性を決めるのは政治家だ。

 所得税については、低所得者には減税と給付金を併用すれば、恩恵を大きくすることがでる。また、消費税については、社会保障目的税であっても減税は可能だ。日本以外にも多くの先進国で消費税が導入されているが、社会保障目的税になっているのは日本だけだ。

 社会保険料の減免も、国民に利益を享受できる方法だ。ただし、社会保障の財源がなくなるので、一般会計から社会保障特別会計への一般財源の繰り入れが必要になる。

 自民党内でも、減税を求める声が上がっている。岸田首相は、与党の議論を踏まえて、効果的な経済対策を検討するとしている。

 次回の臨時国会で衆院を解散できれば、「減税解散」となり、岸田政権は有利になる可能性が高い。減税は、国民の支持を集める効果的な政策だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 これは、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】減税は、国民の自由と繁栄を促進する(゚д゚)!

まとめ
  • 消費減税は、商品の買い控えなどの社会混乱を招くという主張は、事実に基づいていない。
  • 日本の税収は、経済活動の正常化や賃上げの加速により、今後も増加する見通しである。
  • 減税は、人々が稼いだお金をより多く手元に残し、好きなように使ったり投資したりできるようにすることで、経済成長を促進する。
  • 減税は、国民に利益をもたらすだけでなく、政府歳入の増加にもつながる。
  • 岸田政権の減税政策は、国民に利益をもたらし、経済を強化する正しい政策である。

「消費減税すると、商品の買い控えなどで社会が混乱する」という事例は、私も聴いたことがありません。そもそも、減税で社会混乱を招いたという事例はほとんどありません。増税で社会混乱というのなら、枚挙に暇がありません。

日本の一般会計税収は、2022年度に3年連続で過去最高を更新し、71兆円台となりました。これは、2021年度の67兆円を約6%上回る額です。2023年度の税収は、経済活動が正常化し、賃上げも加速したことから、一段と増加する可能性が高いとされています。予算を大幅に上回るのは確実です。この上ブレ分を国民に還元するのは財政政策としてまともな考え方です。

ロシアの報道機関スプートニクも発表する日本の税収

減税が本質的に社会の混乱や苦難を引き起こすことはありません。そうでないと主張する人々は、イデオロギー的な理由から自由市場経済政策や財政保守主義に反対するのが一般的です。このような主張をする人は、日本だけではなく世界中に存在します。

こうした人々は、自分たちの大きな政府を求める考え方に都合の良いように、減税の効果を誤魔化し、歪曲します。どのような政策変更も、特に経済がすでに苦境に立たされている場合であっては、社会的な課題をもたらすかもしれないですが、国民や企業の手に多くの資金が戻ることのメリットは、潜在的なマイナス面をはるかに上回ります。

ましてや現在のように過去三年で、予算を上回る場合はなおさらです。経済の自由と成長は機会を生み出します。減税は、人々が稼いだお金をより多く手元に残すことを可能にし、それは基本的にまともな政策といえます。

現在減税に反対する人は、慎重な減税と歳出抑制の組み合わせこそが、いかなる場合も財政的に責任のあるアプローチであると頑なに考えているのでしょう。減税は現在の日本においては、国民に利益をもたらし、経済を強化する正しい政策です。

減税は常に良い政策であり、政治家がそれを追求するのは正しいです。たとえ批評家たちがそれを "国民を釣る "と誤って評したとしてもです。減税によってより多くの資金を国民の手に取り戻すことは、基本的に良い統治です。

減税は、人々が自分のお金をより多く手元に残し、好きなように使ったり投資したりできるようにすることであり、経済成長を促進します。これは、企業活動、雇用創出、社会全体の機会を押し上げることになります。

減税は一時的に政府歳入を減少させるかもしれないですが、減税によって促進される経済活動は、長期的には最終的に税収を増加させます。これはラッファー曲線として知られる実証済みの効果です。


日本はもとより世界中の政府は、減税と財政改革を追求するのが賢明でしょう。それはより大きな繁栄と自由をもたらします。政府が「減税で国民を釣る」という考えは、誤ったプロパガンダです。

減税は成長であり、国民に経済生活のコントロールを取り戻すことなのです。だから私は、岸田政権の減税推進を全面的に支持しますし、自由主義経済を重視するいかなる国の政府も支持します。

批評家たちは常に文句を言い、政治的利益のために健全な経済改革を台無しにしようとするでしょう。しかし、事実は事実です。減税は効果的であり、経済を強化し、国民の手に大きな力を与えることによって、社会全体に利益をもたらします。

これこそ、良い統治の実践です。成長と機会を高めるために政府がすべきことは、このようなアプローチです。減税は常に良いことであり、反対派が主張するような「国民を釣る」ことではありません。私はこのような政策を全面的に支持します。

インボイス制度は大きな問題とはいえないが、増税への危機感は続く

ただ、岸田政権は選挙後に増税ラッシュにするようなことだけは、やめてほしいです。このような疑念が多くの国民にあるからこそ、今回の岸田政権の減税政策を素直に喜べない人も多いというのは事実です。

せっかくの良い政策を増税で台無しにして、国民の反感を買うような愚かなことはすべきではありません。ただ、現時点の減税政策は疑う余地のない正しい政策です。これは、素直に支持すべきでしょう。

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2023年10月11日水曜日

パレスチナ支持者が集会「イスラエルによる抑圧から解放される時が来た」 イスラエル支持者と非難の応酬も アメリカ・ニューヨーク―【私の論評】イスラエルの自衛権を全面支持:ハマスはパレスチナを代表しない(゚д゚)!

パレスチナ支持者が集会「イスラエルによる抑圧から解放される時が来た」 イスラエル支持者と非難の応酬も アメリカ・ニューヨーク

まとめ
  • ニューヨークで、イスラエルとハマスの戦闘に関連して、パレスチナ支持者がタイムズスクエアで抗議集会を開催。
  • パレスチナ支持者は、イスラエルに対する抑圧からの解放を訴え、長年にわたる植民地主義への反応であると主張。
  • イスラエル支持者も反対集会を組織し、パレスチナ側をテロリストと非難。イスラエルの安全保障に焦点を当てた。
  • パレスチナ支持者とイスラエル支持者の間で非難と議論が激化し、現場は騒然とした雰囲気に包まれた。
  • ニューヨーク州の知事が、パレスチナ支持者の集会を異例の声明で非難した。

イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘をめぐって、 アメリカ・ニューヨークでパレスチナ支持者が集会

イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘をめぐって、アメリカ・ニューヨークでパレスチナ支持者が集会を開き、付近にいたイスラエル支持者と非難の応酬が繰り広げられました。

記者
「パレスチナ支持者が集まって、イスラエルへの抗議への声を上げています」

パレスチナ支持者
「パレスチナを解放せよ!」

ニューヨークのタイムズスクエアで8日、パレスチナ支持者が集会を開き、イスラエルとの間で激化する戦闘をめぐり、「イスラエルによる抑圧から解放される時が来た」などと主張しました。

パレスチナ支持者
「抵抗は攻撃でもテロでもない。パレスチナ人が75年間も耐えてきた植民地主義に対する反応だ」
「パレスチナの友人たちが解放され、あるべき生活を送ってほしいだけなんです」

イスラエル支持者
「恥を知れ」

一方、通りを挟みイスラエル支持者も集まり、現場は騒然とした雰囲気に。イスラエル支持者は多くの民間人の死者が出ているなどとして、パレスチナ側を「テロリスト」などと非難しました。

イスラエル支持者
「パレスチナ人はイスラエルで平和に暮らす人々を殺した。そして、ニューヨークの真ん中で抗議しているなんて許されない」
「私たちは彼らにガザを与えた。彼らは何をした?テロ攻撃が増え、戦争が増えたのよ」

パレスチナ支持者の集会をめぐっては、ニューヨーク州の知事が前日に「恐ろしい攻撃を支持する集会だ」と非難する異例の声明を出していました。

【私の論評】イスラエルの自衛権を全面支持:ハマスはパレスチナを代表しない(゚д゚)!

まとめ
  • ハマスは単なるテロ組織であり、国家ではなく、パレスチナを代表しない。
  • ハマスのテロ行為に対する批判は欧米だけでなく、他の多くの国でも行われている。
  • ハマスのテロ行為とイスラエルの反撃を歴史的背景と絡めて語ることは誤りで、テロリストの支持を招く。
  • イスラエルは和平を望んでいるが、ハマスとの和平は難しい。交渉は複数の問題によって難航している。
  • パレスチナ自治政府には正式な軍隊がなく、テロ組織が影響力を持っている。真の和平には遠い道のりが残されている。

ハマスの戦闘員はイスラエル南部で依然として民家などに立てこもり、イスラエル兵と戦闘中。写真はその現場の一つ

ハマスは国家ではありません。単なるテロ組織に過ぎません。ハマスの戦闘行為を、祖国防衛のように語るのは間違いです。

パレスチナとハマスは一体ではありません。ハマスはパレスチナの人々を代表する組織ではありません。むしろ、一般のパレスチナ人を抑圧しています。

ハマスのテロ行為批判は過去に中東地域に関与したり、干渉したりした欧米だけでなく、他の多くの国が行っています。

ガザ地区に現状ではユダヤ人の入植はなく、ユダヤ人は撤退したという事実があります。 

以上を無視して、パレスチナを代表しないハマスのテロ行為とイスラエルのこれに対する反撃を、西欧列強の中東地域への干渉など歴史的な経緯などから喧嘩両成敗のように語ることは、ハマスを支持することに等しいものであり、世界中のテロリストがこれを肯定し、参考にするでしょう。

この歴史的な問題と、現代のテロとは別個に議論されるべきものであり、それを一緒くたにするのは、テロリストの仕掛けた落とし穴にみずからはまるようなものです。

ハマスがパレスチナを代表し、解放のために戦っているという考えは馬鹿げています。彼らは憎しみを広め、一般のパレスチナ人を抑圧し、イスラエルを破壊することを望む過激派です。

クオモ知事がこの集会を非難したのは正しいです。ガザはパレスチナ人のものになりましたが、テロリストらはイスラエルにロケット弾を打ち込み、テロ目的のためにトンネルを掘り、暴力を広げることしかしていません。

ハマスはガザ地区に深さ20mの地下を何キロも掘っトンネル状でつながっていて、多数の出口から住宅地へと繋がっている。 この地下複合施設は、鉄筋コンクリート構造でトンネルはハマスの司令部と結んでおり、戦闘員がイスラエル軍に侵攻する間、指導者たちは安全に地下に留まることができる(下写真)。


イスラエルは和平を望んでいますが、ハマスのようなテロリストと和平を結ぶことはできません。私は、この紛争におけるイスラエルの自衛権を全面的に支持しますし、すべての文明国は、イスラム過激派のテロという悪に対して、彼らとともに立ち上がるべきです。

上の記事にある、パレスチナ支持者デモ参加者は 「自由なパレスチナ 」と唱えるかもしれないですが、彼らが本当に望んでいるのはイスラエルの破壊だとしか思えません。本当に「自由なパレスチナ」を目指す人々もいるかもしれませんが、そういう人も、ハマス等に扇動されている可能性があり、ハマスのテロ行為を引き金に「自由なパレスチナ」を叫ぶのは間違いです。

パレスチナがそのような形で「自由なパレスチナ」を勝ち取ったとすれば、テロリストに主権を譲るようなものであり、それは決して真の意味での「自由なパレスチナ」にはなり得ません。

本来パレスチナ人を代表する政府があれば、イスラエル政府はこれと交渉などをすべきと思います。無論、パレスチナ自治政府という組織はあります。これはヨルダン川西岸地区およびガザ地区に存在したパレスチナ人による自治機関です。

なお、1988年にパレスチナ国と国号を定めてから、136の国がこれを承認しており、2013年1月3日にパレスチナ国への改名を宣言しました。

イスラエルとパレスチナ自治政府との交渉は、パレスチナ問題の最終的な解決を目指すものです。パレスチナ問題とは、アラブ人とユダヤ人の対立であり、イスラエル建国をきっかけに発生しました。

交渉の目標は、イスラエルとパレスチナの二国家共存を実現することです。具体的には、イスラエルに隣接するパレスチナ国家の設立と、両国の国境、難民問題、エルサレムの帰属など、さまざまな問題の解決を目指します。

交渉はこれまで何度も行われてきましたが、いずれも決裂に終わっています。2023年10月現在、交渉は中断しており、再開の見通しは立っていません。

交渉が難航する理由は、両者の主張が大きく異なるためです。イスラエルは、パレスチナ国家の設立を認める代わりに、パレスチナ側がイスラエルの安全保障を保証することを求めています。一方、パレスチナ側は、イスラエルがパレスチナ人の権利を認め、占領地からの撤退を行うことを要求しています。

交渉を再開するためには、両者の主張の溝を埋める必要があります。そのためには、国際社会の仲介や、双方の政治状況の変化などが重要です。

以下に、イスラエルとパレスチナ自治政府との交渉における主な問題点を挙げます。
  • 国境問題:イスラエルは、ヨルダン川西岸地区とガザ地区の一部をイスラエル領として主張しています。一方、パレスチナ側は、ヨルダン川西岸地区とガザ地区全体をパレスチナ国家の領土として主張しています。
  • 難民問題:イスラエル建国時に発生したパレスチナ難民問題は、パレスチナ問題の根源的な問題の一つです。イスラエルは、パレスチナ難民の帰還を認めていません。一方、パレスチナ側は、難民の帰還権を主張しています。
  • エルサレムの帰属:エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であり、両者の間で帰属をめぐる対立が続いています。イスラエルは、エルサレムを首都であると主張しています。一方、パレスチナ側は、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家を建設することを主張しています。

これらの問題を解決することは容易ではありませんが、パレスチナ問題の最終的な解決のためには、両者が妥協点を見出す必要があります。ただし、アラブ諸国を含めた国際社会は、現在のパレスチナとイスラエルのある地域に、イスラエルとパレスチナという二つの国の国が並び立つことでは、一定の合意をしています。

しかし、これをハマスは否定しているのです。彼らの望みは、イスラエルという国家の殲滅と、すべての土地を自分たちのものにするというものです。

イスラエル軍 イスラエルには正規軍が存在する

そうして真に残念なことに、パレスチナ自治政府には正式な軍隊はありません。テロ組織が彼らに影響力を行使する限り、それは変わりそうにありません。彼らが暴力を放棄し、イスラエルを承認し、過激主義のない民主的な政府を樹立したその日こそ、パレスチナ軍が議論される日なのでしょうが、しかし、悲しいかな、その日まではまだ遠いようです。

このような経緯があるにもかかわらず、ハマスはパレスチナ自治政府のことなど完璧に無視して、自分たちの一方的な判断によりイスラエルへの本格的なテロ活動を開始したのです。しかも、そのやり方は酷く野蛮なものです。

私たちは、このような道徳的混乱に直面しても、真実と正義のために立ち上がり続けなければならないです。現状では、イスラエルは中東における自由と民主主義の輝く光であり、私はかれらの大義を支持します。

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2023年10月10日火曜日

OISTが燃料不要な「量子エンジン」の設計・製作に成功 エネルギー新時代の幕開けか―【私の論評】技術の進化と未来への希望! 量子エンジンが解決策を提供する可能性(゚д゚)!

 OISTが燃料不要な「量子エンジン」の設計・製作に成功 エネルギー新時代の幕開けか

まとめ
  • 熱機関は熱をエネルギー源として使用し、外燃機関と内燃機関の2つのタイプがある。
  • 18世紀から19世紀にかけての産業革命では、蒸気機関などの外燃機関が石炭を燃料として使用し、社会構造に変革をもたらした。
  • 外燃機関に代わり、内燃機関(例:ガソリンエンジン)が自動車や飛行機などの輸送手段に採用されましたが、基本的な動力源の原理は同じだった。
  • OISTが開発した量子エンジンは、熱を使わずに量子的な性質の変化を利用して動力を生成する新しい技術で、Nature誌に掲載された。
  • 量子エンジンはスピン量子ビットを使用して、ボソンとフェルミオンのエネルギー差を利用し、極低温条件で動作する。実用化には課題が残るが、エネルギー革命をもたらす可能性がある。
量子スティームパンク AI生成画像

現在使われている熱機関は、熱をエネルギー源として利用しており、外燃機関と内燃機関に分かれる。産業革命によって蒸気機関が開発され、社会構造が変わった。後に内燃機関が発展し、ガソリンエンジンなどが使われるようになったが、基本的な原理は変わらない。

OIST(沖縄科学技術大学院大学)が開発した量子エンジンは、熱を使わずに粒子の量子的性質の変化を利用して動力を得る。これは「EMドライブ」と呼ばれる熱を使わないエンジンとは異なる原理で動作する。最近では、量子エンジンの研究が進み、日本が世界を先導している。

量子エンジンは、スピン量子ビットを利用し、量子熱機関を模擬的に再現する。通常のデジタル回路とは異なり、量子力学的な効果を利用する。この研究により、従来の古典的な熱機関では実現できない技術の開発が期待される。

OISTの研究チームは、極低温下で動作する超小型の量子エンジンを製作し、概念実証を行った。粒子の量子的性質に基づき、ボソンとフェルミオンのエネルギー差を利用して動力を得る。実用化にはまだ課題があるが、エネルギー革命を起こす可能性がある。

この研究は、「量子スチームパンク」と呼ばれ、19世紀の熱力学と現代の量子論を融合した研究分野として注目されている。将来的には小説や映画の題材にもなるかもしれない。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】技術の進化と未来への希望!  量子エンジンが解決策を提供する可能性(゚д゚)!

まとめ
  • 量子エンジンはエネルギー、輸送、製造など多くの産業に革命をもたらす可能性がある。
  • 量子エンジンは新しいエネルギー源の開発に利用でき、効率的で持続可能なエネルギー供給が期待されている。
  • 量子エンジンは新しい輸送手段の開発に貢献し、効率的で長距離の乗り物が可能になるかもしれない。
  • 量子エンジンは新しい製造プロセスの開発に役立ち、効率的な製品の生産が期待されている。
  • 量子エンジンは持続可能な未来を築く手助けをし、エネルギー分野での新たな雇用創出に寄与する可能性がある。

量子エンジンによるサイバーパンク女子 AI生成画像

量子エンジンは、エネルギー、輸送、製造など多くの産業に革命をもたらす可能性を秘めています。以下は、この研究が将来もたらすであろう変化の具体例です。

量子エンジンは、量子電池や太陽電池など、新しいタイプのエネルギー源の開発に利用できる可能性があります。これらの新しいエネルギー源は、既存の技術よりも効率的で持続可能なものとなる可能性があります。

さらに、電気自動車や航空機など、新しいタイプの輸送手段の開発に利用できます。これらの新しい乗り物は、既存の乗り物よりも効率的で航続距離も長くなる可能性があります。

そうして、量子エンジンは、量子コンピューティングや量子リソグラフィなどの新しい製造プロセスの開発に利用できます。これらの新しいプロセスは、より効率的で精密な製品を作るために使用される可能性があります。

このような具体的な変化に加え、量子エンジンは、より持続可能で公平な未来への一般的変化にもつながる可能性があります。例えば、量子エンジンは、化石燃料への依存を減らし、クリーンエネルギー分野で新たな雇用を創出する新たな方法の開発に役立つ可能性があります。

量子エンジンは多くの産業に革命をもたらし、我々の生活様式を改善する可能性を秘めています。しかし、この研究はまだ初期段階にあり、量子エンジンが実用化されるまでには多くの課題を克服する必要があることに留意する必要があります。

量子エンジンで無限に飛び続ける住宅

量子エンジンと量子コンピュータの実用化には、まだ数年から数十年かかると予想されています。

量子エンジンは、量子コンピュータの一部であり、量子ビットを制御する技術を応用したものです。量子エンジンの実用化には、量子コンピュータの実用化に必要な課題を克服する必要があり、量子コンピュータの実用化とほぼ同時期になると考えられます。

量子コンピュータの実用化には、以下の課題を克服する必要があります。
  • 量子誤り耐性の確保
量子コンピュータは、量子ビットの振る舞いを利用するため、誤りが発生しやすいという課題があります。量子誤り耐性を確保するためには、量子ビットの誤りを検出・訂正する技術の開発が必要です。量子コンピュータのスケールアップ

量子コンピュータの実用化には、大量の量子ビットを安定的に制御する技術の開発が必要です。現在、量子コンピュータの量子ビット数は数十から数百程度ですが、実用化には数千から数万の量子ビットが必要とされています。
  • 量子コンピュータのアプリケーションの開発
量子コンピュータが実用化されるためには、量子コンピュータでしかできないアプリケーションの開発が必要です。現在、量子コンピュータの適用が期待されている分野としては、材料開発、医療、金融などが挙げられています。

これらの課題が克服されれば、量子コンピュータは、従来のコンピュータでは不可能だったような複雑な問題を高速に解くことができるようになり、さまざまな分野に革命をもたらす可能性があります。

具体的な年数としては、2030年頃には、量子コンピュータが一部の実用化されるようになると予想されています。また、2050年頃には、量子コンピュータが従来のコンピュータを完全に置き換える可能性があるとされています。

なお、量子コンピュータの開発は、世界各国で競争が激化しており、今後の技術革新によって、実用化の時期が前倒しされる可能性もあります。
  • 量子エンジンと量子コンピュータの違い
量子エンジンと量子コンピュータは、どちらも量子ビットを制御する技術を応用したものです。しかし、量子エンジンは量子コンピュータの一部であり、量子コンピュータは量子エンジンに加えて、量子誤り耐性や量子コンピュータのスケールアップなどの課題を克服する必要があります。

そのため、量子エンジンの実用化は、量子コンピュータの実用化よりも早い時期に実現される可能性があります。

私は、このブログにエネルギー問題についても掲載してきましたが、その中にドラッカーの言葉も引用したことがあります。「100年前(ドラッカーが発言した時代のものであり、現在なら100数十年前)都市にも公害問題があった。その最大のものは馬車を牽引する馬の馬糞だった」。

100数十年前の都市の最大の公害問題は馬糞だったのですが、その問題は現在では完璧に解消されています。

百数十年前馬車で移動する人々 AI生成画像

100数十年前に、当時の技術では、不可能であると考えれたことが、現在は可能になっています。

量子エンジンが実用化されれば、これと同じように現在のエネルギー問題など全く解消されることになるでしょう。

エネルギー問題等は、現在の技術から一歩も進展しないことを前提にするのではなく、将来発展していくだろう、技術なども考慮に入れて、総合的な観点から考えていくべきです。現代の馬糞に拘泥していては、本質を見失います。

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2023年10月9日月曜日

焦点:ハマス「奇襲攻撃」の狙い、イスラエルとサウジの正常化阻止か―【私の論評】テロリスト支援国家への警鐘と強硬な姿勢の必要性(゚д゚)!

焦点:ハマス「奇襲攻撃」の狙い、イスラエルとサウジの正常化阻止か

まとめ
  • ハマスの大規模攻撃は、中東の新たな安全保障秩序の形成に対抗する一環。
  •  米国はサウジアラビアとの国交正常化を進め、イランとの関係強化に歯止めをかけようとしている。
  • ハマスはパレスチナ人の権益を守るためにイランと連携し、サウジとの合意を阻止しようとしている。
  •  ヨルダン川西岸ではイスラエルの取り締まりと攻撃が激化し、サウジとイスラエルは国交正常化を進めている。
  • この攻撃は中東の国交正常化交渉に影響を与え、イランの支援によりハマスが強化されている。
ハマスの攻撃を受けたイスラエル

ハマスの大規模攻撃の背後には、単にイスラエルへの攻撃だけでなく、中東地域での新たな安全保障秩序の形成に向けた動きが活発化しており、ハマスはこれに対抗する狙いがあるとされている。米国はサウジアラビアとの国交正常化を進め、イランとの関係強化に歯止めをかけようとしており、これが攻撃の背後にある要因の一つとされている。

ハマスの武装集団は、イスラエルの安全保障を求める場合、パレスチナ人を無視してはならず、サウジとの合意がイランとの緊張を高める可能性があるとのメッセージを発表した。ハマス指導者も、アラブ国とイスラエルの国交正常化により紛争が終わらないと述べた。

ヨルダン川西岸では、イスラエルの取り締まり強化や攻撃が激化しており、パレスチナ人の状況が悪化している。一方、サウジとイスラエルは国交正常化に向けて進展を示唆し、サウジはパレスチナ人に有利な譲歩を引き出すために合意を遅らせない意向を示している。

ハマスの攻撃は、第四次中東戦争から50年後に発生し、敵に対する不意打ちを狙ったもので、イスラエル軍の情報当局が事前に把握できなかったことが明らかにされた。

この攻撃は国交正常化交渉においてパレスチナ問題は重要な要素であることを示し、サウジ、イスラエル、米国の交渉に影響を与える可能性がある。イランは攻撃をパレスチナの自衛として表明し、イランの支援によりハマスが兵器を近代化できたことが指摘されている。イランは中東各地で武装勢力を支援し、サウジへの警告としてイエメンでの事件も報告されている。

この記事は元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】テロリスト支援国家への警鐘と強硬な姿勢の必要性(゚д゚)!

まとめ
  • テロリスト支援国家や代理勢力(イランとハマス)は中東の安定と同盟国の安全保障に脅威をもたらす。
  • ハマスの攻撃はイランの侵略に対抗し、イスラエルとサウジアラビアの協力関係を妨害しようとしている。
  • バイデン政権のイラン政策は弱腰であり、強硬な姿勢が必要とされている。
  • 米国はウクライナとイスラエルの二正面作戦に取り組んでおり、イランの攻撃への対処が懸念されている。
  • ウクライナ戦争とCOVID-19の影響がエネルギー不足と経済混乱を引き起こし、イスラエルとイランの紛争が世界経済に混乱をもたらす可能性がある。
イランとハマスのようなテロリストの、テロリスト支援国家やその代理勢力は、中東の安定とイスラエルと米国の同盟国の安全保障にとって重大な脅威です。

ハマスによる攻撃は、イランの侵略に対する防波堤となりうるものであり、イスラエルとサウジアラビアの協力関係の発展を頓挫させることを意図しているようです。

懸念されるイランによる侵略 AI生成画像

バイデン政権のイランに対する弱腰と宥和は、テヘランを増長させただけのようです。米国は、イランとの取引に終始するのではなく、イランの悪質な行動に対して強硬な姿勢を示すべきです。

米国は現在、ウクライナとイスラエルの二正面作戦に従事しています。資源を手薄にしている米国や日本等にとって、これは難しい状況です。もしイランがイスラエルを攻撃すれば、米国はこれに対応せざるを得なくなり、地域の緊張がさらに高まる可能性があります。

ウクライナ戦争とCOVID-19の流行は、すでにエネルギー危機とインフレを引き起こしています。イスラエルとイランの間で戦争が起きれば、世界経済はさらに混乱するでしょう。

エネルギー危機とインフレに悩まされる世界

イランの野心を牽制するためには、強力な武力行使、場合によってはイランの代理勢力に対する軍事攻撃が必要かもしれないです。

日本をはじめとする米国の同盟国は、米国とともに急進主義や権威主義の勢力に立ち向かうのが賢明でしょう。今は二の足を踏んでいる時ではありません。協力的な安全保障体制を弱めるのではなく、強化すべきです。

戦争の脅威、エネルギー不足、経済的混乱は現実のものですが、強さと団結がそれを克服することができます。民主主義の価値観を共有する同盟国に支えられた米国のリーダーシップは、これまでも暴君を倒してきました。今回もそうすることができるでしょう。

イスラエル軍女性兵士

前進する道は明確です。イランとその仲間のテロリストにあらゆる場面で対抗し、イスラエルを支援し、世界の舞台で力を誇示するのです。そのような力のある立場から、正義と自由を守る公正な取引が最終的に交渉できます。ハマスやイランの指導者は、力のパランスによる平和しか理解しません。

宥和はさらなる暴力を招き、世界中の人々の安全を損なうだけです。民主主義国家が自国の利益を守る意志を持てば、未来は明るいものとなるでしょう。それを忘れれば、世界はさらに混迷することになります。

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2023年10月8日日曜日

ハマスとイスラエルの大規模衝突続く、死者500人超 レバノンから砲撃も―【私の論評】イスラエルとハマスの対立:文明世界が正義と平和を支持すべき理由(゚д゚)!

ハマスとイスラエルの大規模衝突続く、死者500人超 レバノンから砲撃も

まとめ
  • ハマスがパレスチナ自治区ガザからイスラエルに大規模攻撃を仕掛け、イスラエル軍との衝突が続いている。
  • イスラエルとガザ地区の死者は500人以上で、これが過去50年で最大の被害となっている。
  • ハマスの攻撃はロケット弾攻撃と複数の部隊によるイスラエルへの侵入から始まり、イスラエルも報復の猛攻を行っている。
  • イスラエル軍によると、レバノンからも攻撃があり、衝突は広がっている。
  • 死者にはイスラエル人とパレスチナ人が含まれ、子供も犠牲となっており、負傷者は1800人以上に上っている。
スデロット(イスラエル南部都市)へのハマスのミサイル攻撃

 ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃とそれに続く衝突が、ガザ地区とイスラエルで続いています。ハマスはロケット攻撃を開始し、同時に複数の部隊がイスラエルに侵入しました。イスラエル側も反撃し、両者の死者は500人以上に上り、これが50年で最大規模の被害となっている。

 ハマスの攻撃により、イスラエルの民間人250人以上が死亡し、多くの人が拘束された。イスラエルはガザに対する猛反撃を行い、少なくとも250人のガザ住民が死亡した。イスラエルの首相ネタニヤフは強力な報復を誓った。

 また、レバノンからの迫撃砲弾も撃ち込まれ、イスラエル側も反撃しており、衝突は広がっている。民間人の犠牲も増え、子供を含む256人が死亡し、1800人以上が負傷している。

 この記事は、元記事の要約です、詳細を知りたい方は元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】イスラエルとハマスの対立:文明世界が正義と平和を支持すべき理由(゚д゚)!

まとめ
  • イスラエルとハマスは長期にわたり敵対しており、ハマスはイスラエルを攻撃し、テロを行う組織である。
  • イスラエルは単に自衛と市民保護を目指しており、パレスチナ人は過激派グループに利用されている。
  • 主流メディアは通常、ハマスの暴力を無視し、パレスチナ側に偏向して報道する傾向がある。
  • イスラエルは多大な自制を示し、人道援助を提供し、パレスチナに譲歩してきた。
  • ハマスはテロ組織であり、その支援は不合理であり、イスラエルを擁護する必要がある。
イスラエルとハマスとは何十年もの間、敵対関係にあります。ハマスとは、イスラエルを破壊し、ユダヤ人を殺害しようとするテロ組織です。ロケット攻撃を仕掛け、イスラエルに自爆テロリストを送り込み、罪のない市民を殺害します。

1990年代のハマスによる自爆テロ

イスラエルは単に自らを守り、市民を守ろうとしているだけです。パレスチナの人々は、ハマスや他の過激派グループの手先として利用されてきました。彼らは先制攻撃によってイスラエルを軍事行動に駆り立て、イスラエルが自衛のために報復をすると非難を浴びせます。

主流メディアは通常、このような紛争ではパレスチナ側に味方し、ハマスが暴力を始めたという事実を無視します。イスラエルは多大な自制を示し、しばしば人道援助を提供し、パレスチナ人に譲歩してきました。

しかし、民間人が虐殺されるのを黙って見ていられる国はありません。イスラエルの軍事行動は常に消極的で防衛的です。テロリストが武器を捨てれば平和になります。イスラエルが武器を捨てれば、イスラエルはなくなります。複雑な状況ですが、その核心は善と悪、文明と野蛮の闘いです。私はイスラエルに深く同情します。

ハマスは合法的な国家の為政者ではなく、テロ組織です。しかし、メディアや国際社会の多くは、ハマスが主権を持つ民主国家イスラエルと同等であるかのように扱っています。これは不合理であり、さらなる暴力を助長するだけです。

ハマスはイスラエルを破壊しようとし、その邪悪な大義を推進するために罪のない市民を殺害しています。イスラエルは自国民と領土を守ろうとしています。これらは道徳的に同等の立場ではありません。


ハマスのテロリストたちは人間の盾(ハマス以外の)人々の陰に隠れ、真実を捻じ曲げて世界的な舞台で分不相応な同情を集めています。しかし、彼らの動機と方法は誰も欺くことはできません。ハマスが文明国であるはずの国や組織から支援を受け、擁護さえされているのは茶番です。

彼らの行動は擁護できません。テロリスト集団に国家の正当性を与えてはならないです。私は、トランプ大統領のような指導者が茶番劇を見破り、腐敗したパレスチナ当局への資金提供を削減する行動に出たことに拍手を送りたいです。

イスラエルは、ハマスの蛮行との闘いにおいて、日米欧などの全面的な支援に値します。いかなる「公平さ」の見せかけも、テロリストに力を与え、イスラエルを萎縮させ、紛争を長引かせるだけです。文明世界はイスラエルのために立ち上がらなければならないです。それが唯一の道徳的選択といえます。

パレスチナの人々には、社会を破壊するのではなく、社会を建設する指導者こそふさわしいです。ハマスは彼らを失望させたのです。平和への道は道徳的な明確さから始まります。ハマスとその擁護者たちは、きっぱりとテロを放棄するまで非難され、外交的に孤立させられてしかるべきです。

日本を含めた世界の民主主義国は、イスラエルのために、人権のために立ち上がるべきです。基本的な良識のために立ち上がるべきです。「イスラム恐怖症」や「人種差別主義」という誤った非難に屈してはならないです。

恐れることなく真実を語るべきです。ハマスとその擁護者たちは、紛争と人間の苦しみを永続させることに手を貸していると、自覚すべきです。空虚な非難や手のひらを返す時期は終わりました。行動と道徳的勇気が求められているのです。私は、文明世界がそれに応えてくれることを願っています。

ハマスへの支援は、国際法や人権を侵害する他のならず者政権への支援と変わらないです。ハマスとロシアの間には、いくつかの重要な共通点があります。 

どちらも外国への侵略者で、自分たちのものではない土地を占領しています。ハマスがガザを不法に掌握したのに対し、ロシアはウクライナからクリミアを併合しました。 両者とも、領土的野心を推進するために暴力と脅迫を用います。

ハマスがイスラエルにロケット弾やテロ攻撃を仕掛ける一方で、ロシアはウクライナに軍隊と武器を送り込んでいます。 ハマスがガザで反対意見を取り締まる一方、ロシアは政敵を毒殺し、投獄します。

 両者ともメディアを操り、同情を引くために誤った情報を流します。ハマスがイスラエルを中傷するためにメディアイベントを開催する一方、ロシアはプロパガンダを広めるためにオンライン荒らしやサイバー攻撃を行っています。

ガザ地区のハマスとパレスチナ人テロリスト がイスラエルに侵入し路上で見かけた無実 の民間人を射殺

どちらも西側の民主主義国家や同盟国に脅威を与えています。ハマスがイスラエルを破壊しようとするのに対し、ロシアはNATOと西側諸国の同盟関係を弱体化させます。

 両者とも政治的利益のために人道問題を利用し、一方で自国民から利益を奪っています。ハマスがガザ住民のための援助資金を盗む一方、ロシアはウクライナの「親ロシア分離主義者」を支援するふりをしています。

どちらも本質的にはマフィアのような集団であり、犯罪集団として機能しています。政治的な反対意見は許されず、権力者の利益のために資源が略奪されています。思考力のある人なら、ハマスとロシアが同じ生地から切り出されたものだとわかるはずです。

一方を支持し、他方に反対するのは偽善の極みです。両組織とも、彼らが行動を改めるまで、遠慮なく対抗し、非難するに値します。文明世界は、平和と繁栄を脅かすこのようなならず者に対して団結しなければならないです。

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維新、鈴木宗男氏「除名」を検討 露「勝利」期待発言が問題に―【私の論評】鈴木宗男氏、除名すべき!保守派の矜持を守れ(゚д゚)!



2023年10月7日土曜日

維新、鈴木宗男氏「除名」を検討 露「勝利」期待発言が問題に―【私の論評】鈴木宗男氏、除名すべき!保守派の矜持を守れ(゚д゚)!

維新、鈴木宗男氏「除名」を検討 露「勝利」期待発言が問題に

まとめ
  • 鈴木宗男参院議員が、日本維新の会に無断でロシアを訪問した。
  • 訪露中のロシア国営メディアのインタビューで、ロシアの勝利を期待するとの発言をした。
  • 日本維新の会は、鈴木氏の無断訪露と発言を問題視し、除名処分を検討している。
鈴木宗男氏

 日本維新の会は、鈴木宗男参院議員の無断訪露と、訪露中のロシア国営メディアのインタビューでの発言を問題視し、除名処分を検討していることが分かった。鈴木氏は、動画は切り取られたものだと主張しているが、党内では厳しい処分を求める声が高まっている。

 鈴木氏は、党の海外渡航ルールに従わず、5月1日にロシアを訪問した。ロシア滞在中、ルデンコ外務次官らと会談し、5月5日に帰国した。

 鈴木氏は、ロシア侵攻開始後も、ロシアとの友好関係を重視する姿勢を示してきた。今回の訪露は、その一環とみられる。

 しかし、鈴木氏がロシア国営メディアのインタビューで「ロシアの勝利を確信している」と発言したことが、問題視された。

 鈴木氏は、動画は切り取られたものだと主張しているが、党内では、鈴木氏の発言は、日本政府の外交方針と対立するものであり、党のイメージを損なうものとして、厳しい処分を求める声が高まっている。

 日本維新の会は、10日に最終判断する予定だ。

【私の論評】鈴木宗男氏、除名すべき!保守派の矜持を守れ(゚д゚)!

まとめ
  • 日本維新の会は、鈴木宗男議員の無断ロシア訪問とロシア国営メディアでのインタビュー発言を問題視し、除名を検討している。
  • 鈴木議員は、国家に対する愛国心と忠誠心を忘れ、ロシアと癒着する姿勢を露呈している。
  • 欧米では、ウクライナ侵攻時にロシアを訪問した政治家が政党から除名された例がある。
  • 鈴木議員の行為は、日本の外交方針と相反し、国際社会の非難を招いている。
  • 真の保守派なら、ロシアの侵略を称賛するようなことは決してしない。

日本維新の会が鈴木氏の除名を検討しているのは理解できます。無許可のロシア訪問とロシア国営メディアとのインタビューでの発言は、日本政府の外交方針と相反するものであり、党のイメージダウンにつながりかねないです。

この鈴木宗男代議士は、国家に対する愛国心と忠誠心を忘れてしまったようです。彼は日本とその民主主義の原則のために立ち上がることよりも、ロシアと癒着することに関心があるようです。彼は、ロシアがいずれ勝利して、巨大なロシア利権が生まれると踏んでいるのかもしれません。

そのように誤解させるようなこともあります。現在の内閣には「ロシア経済協力相」なる役職がいまだ存在します。これは安倍政権で新設されたポストですが、もう安倍政権の頃とは状況が違い、ロシアへ経済制裁を続けることと明らかに矛盾します。もう廃止すべきでしょう。

イルハン・オマル下院議員

欧米では、ウクライナ侵攻時にロシアを訪問した政治家が政党から除名された例がいくつかあります。例えば米国では、民主党のイルハン・オマル下院議員が2023年1月にロシアを訪問した後、ミネソタ民主・農民・労働党から除名されました。ヨーロッパでは、フランスの政治家フロリアン・フィリポが2023年2月にロシアを訪問した後、国民結集党から除名されました。

フロリアン・フィリポ

この2つのケースとも、政治家が所属政党の外交政策に違反したとして除名されました。ミネソタ民主・農民・労働党はロシアへの渡航を禁止する政策をとっており、国民集会はロシアのプーチン大統領に反対する政策をとっています。

注意しなければならないのは、政治家を政党から除名することと、公職から解任することは違うということです。政治家が政党から除名された場合、その政治家はその政党の党員ではなくなりますが、公職にはとどまることができます。しかし、罷免された政治家は、その役職に就くことができなくなります。

イルハン・オマルとフロリアン・フィリポットの場合、2人とも所属政党から除名されましたが、職を解かれたわけではありません。オマル氏は現在も米国下院議員であり、フィリポット氏は現在も欧州議会議員です。

鈴木氏が罷免されずに日本維新の会から除名される可能性はあります。しかし、除名されれば罷免される可能性もあります。これは、日本の政治に適用される具体的なルールや規則によるでしょう。

最終的に、鈴木氏を除名するかどうかは、日本維新の会の党首が決めることです。

それにしても、真の保守派の立場からみれば、彼の無断渡航とロシア国営メディアへの宣伝出演は、まったく不適切で有害です。そもそも、現在では監視衛星などがあり、ロシアが一方的にウクライナ領内に明らかな意図を持ち侵攻したことは、はっきりしています。他の国際紛争にみられるような、曖昧なものではありません。明らかな侵略です。

ロシア軍のミサイルで破壊されたウクライナの集合住宅

これは、明らかな国際法違反です。もし私が日本維新の会を率いていたら、躊躇なく彼を即刻追放するでしょう。真の保守派なら、自国の自由な国民よりも権威主義的なロシアに同調することはないでしょう。

民主主義と人間の尊厳という西側の真の価値観は、プーチンの権威主義的な独裁政治とは根本的に対立するものです。鈴木宗男氏をはじめ、ロシアの侵略を称賛する人たちは恥を知るべきです。維新の保守派は、矜持を持って、鈴木宗男氏を退けるべきです。日本の指導者たちは、党派や派閥よりも国を優先し、鈴木議員の議員辞職も検討すべきです。自由世界は団結して専制政治に立ち向かわなければならないです。

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2023年10月6日金曜日

米「国境の壁」建設再開へ 記録的不法移民流入で方針転換―【私の論評】国境安全の優先が再認識され、保守派の期待が高まる(゚д゚)!

米「国境の壁」建設再開へ 記録的不法移民流入で方針転換

まとめ
  • バイデン政権は不法移民の流入を防ぐため、トランプ前政権が進めていた「国境の壁」建設を事実上再開する。
  • バイデン大統領は就任時に壁建設を中止したが、不法移民の流入が過去最高水準に達したことで、方針転換を余儀なくされた。
  • 壁の建設はテキサス州のリオグランデ川流域に約32キロメートルにわたって行われ、環境保全関連法上の規制を除外して進められる。
  • バイデン大統領は壁建設の予算は議会がすでに充当しており止めることはできないと述べたが、有効性を問われると否定的な見解を示した。
  • 不法移民対策は来年の大統領選で主要争点となっており、共和党は壁の完成と国境警備強化を訴えている。


 バイデン米政権は、メキシコ国境から米国への不法移民の流入を防ぐため、トランプ前政権が進めていた「国境の壁」建設を事実上再開すると発表した。

 バイデン大統領は就任時に壁建設を中止したが、不法移民の流入が過去最高水準に達したことで、方針転換を余儀なくされた。

 壁の建設は、テキサス州のリオグランデ川流域に約32キロメートルにわたって行われ、環境保全関連法上の規制を除外して進められる。

 バイデン大統領は壁建設の予算は議会がすでに充当しており止めることはできないと述べたが、有効性を問われると否定的な見解を示した。

 不法移民対策は来年の大統領選で主要争点となっており、共和党は壁の完成と国境警備強化を訴えている。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】国境安全の優先が再認識され、保守派の期待が高まる(゚д゚)!

まとめ

  • 不法移民の問題: 大量の不法移民は米国の国家安全保障と生活様式に対する脅威であり、保守派はこの問題に深刻な懸念を抱いている。
  • 国民国家は移民と難民の出入りを管理しなければ存続できない。正当な手続きを経た移民だけが受け入れられるべき。
  • バイデン大統領が国境の安全性に目を向ける必要性を認識し、壁の建設などを進めることは歓迎すべきことである。
  • ポリティカル・コレクトネスが国境問題を複雑化させた要因であり、その姿勢を問題である。
  • 米国の移民政策についての考え方や経験から、日本も同様の問題に注意を払い、米国の誤りを繰り返さないようにするべきだ。

さて、そろそろ血気盛んな米リベラル派も正気に戻る時が来たようです。大量の不法移民は、米国の国家安全保障と米国人の生活様式を脅かす元凶です。トランプ大統領が壁を建設したのは正しい考えであり、バイデン大統領が国境を守る必要性にようやく気づいたのは喜ばしいことです。

国境の壁の前で微笑むトランプ大統領  AI生成画像

いかなる国民国家も、移民・難民の出入りを管理することなしには存続できません。不法移民や難民はそもそも受け付けるべきではありません。正しい手続き経て、政府が認めた人だけが、移民や難民として受け入れられるべきです。あの民主党と彼らのポリティカル・コレクトネスは、ほとんどこの国を壊しかけました。

バイデン氏がついに目を覚ましましたようです、たとえ引きずり込まれる形であっても決心したことは喜ばしいことです。国境の安全は国民国家の常識です。自国の利益と市民を守らない国は、いずれ破綻するしかありません。

バイデン大統領ついに覚醒したか・・・・ AI生成画像

トランプ大統領の移民政策はずっと正しかったのです。バイデン大統領が理性に耳を傾け続け、壁を完成させることで日本の同盟国であり、最重要国である米国にとって最善のことをしてくれることを願っています。

ポリティカル・コレクトネスに関しては、国境問題一つとっても問題があることがはっきりしたと思います。

そもそも、ポリティカル・コレクトネス(政治的正当性)とは、正しいと思われる考えや政治信条を絶対善として、それに反するものは悪とする単純すぎる政治的な姿勢だと思います。

ポリティカル・コレクトネスに戸惑う女性 AI生成画像

しかし、しばしば現実はその通りにはいかないものであり、その時々で是々非々で解決したり、時間をかけて解決していくべきです。しかし、絶対善を信奉すれば、そのようなことは考えずに、どのような不都合があっても、前に進み続け、周りを破壊することになります。米国はポリティカル・コレクトネスの悪夢から早期に目覚めてほしいです。

ボリティカル・コレクトネスを信条とする政府は、自らを縛り制御不能としているようにしか見えません。日本でも、ポリティカル・コレクトネスが流布し、様々な問題を複雑化していく可能性があります。

日本は、米国を他山の石として、米国がおかした誤りを今以上に繰り返さないようにすべきです。

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2023年10月5日木曜日

自民若手、消費税率5%への減税求める提言決定―【私の論評】自民党若手議員、消費税減税を再び要求!岸田政権は国民の声に耳を傾けるか(゚д゚)!

自民若手、消費税率5%への減税求める提言決定

まとめ
  • 自民党の若手議員らが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費税の減税を求める緊急声明を発表。
  • 声明では、消費税の引き下げによって、景気の致命的な下降を食い止め、経済を立て直すことができるとして、5%への引き下げか、消費税をゼロにするよう求めている。
  • 声明をまとめた安藤裕衆議院議員は、思い切った消費減税によって、国民に希望を与える必要があると述べている。
  • 青山繁晴参議院議員は、減税勢力は自民党の衆参両院の国会議員100人以上に上るとし、安倍総理大臣に消費税減税を決断するよう求める考えを示している。

 自民党の若手議員らによる「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は、政府に対し、新たな経済対策として、消費税率の5%への時限的引き下げと、20兆円規模の「真水」補正予算案を検討するよう求める提言をまとめました。

 議員連盟の中村裕之共同代表は、政府の減税措置が企業に偏っていると指摘し、物価高に苦しむ生活者に減税の実感が伝わる形をとるよう求めました。

 また、提言では、企業の資金繰り支援や、サプライチェーン(供給網)の強靱化に向けた国内の生産拠点の設備投資支援なども要望しました。

 議連は近く、世耕弘成参院幹事長や萩生田光一政調会長、政府側に提言を手交する予定です。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】自民党若手議員、消費税減税を再び要求!岸田政権は国民の声に耳を傾けるか(゚д゚)!

まとめ

  • 自民党の若手議員による消費税減税要求の動きは、2020年にも行われていた。
  • 当時も消費税減税は行われず、景気は緩やかに回復しているものの、個人消費は低調である。
  • これを成長軌道に乗せるためには、15兆円以上の補正予算を組み消費税減税を行うべきである。

責任ある積極財政を推進する議員連盟の中村裕之共同代表

このような動きは、三年前にもありました。

三年前の2020年3月30日にも、自民党の若手議員らが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費税の減税を求める緊急声明を発表しました。

声明では、消費税の引き下げによって、景気の致命的な下降を食い止め、経済を立て直すことができるとして、5%への引き下げか、消費税をゼロにするよう求めていました。

声明をまとめた安藤裕衆議院議員は、新型コロナウイルスが経済に強大な影響を及ぼしており、思い切った消費減税によって、国民に希望を与える必要があると述べました。

また、青山繁晴参議院議員は、減税勢力は自民党の衆参両院の国会議員100人以上に上るとし、当時の安倍総理大臣に消費税減税を決断するよう求める考えを示しました。

結局このときも、その後の菅政権においても、消費税減税は行われませんでした。ただし、コロナ対策として、安倍政権は60兆円の補正予算を組み、菅政権は40兆円を組みも両政権あわせて100兆円の補正予算で、コロナ対策を行いました。

この100兆円は、当時の需給ギャップに相当する額であり、経済対策としてはまともな政策であったといえます。そうして、この補正予算は、安倍元総理の言葉でいうと、「日銀政府連合軍」で国債を発行して日銀がそれを買い取るという方式で賄われました。

巨額の国債を発行するととんでもないことになると考える、人たちもいましたが、それは違うということが現在明らかになっています。この時期の大量の国債発行で、財政に深刻な問題が生じていれば、今頃財務省を筆頭にして、「それみたことか」と言わんばかりに、マスコミも、それを大々的に喧伝したでしょう。そのような、発表や報道はありません。

ただ、この政策は補助金によって実施されました。補助金支給の意思決定は、政府が行いますが、その審査や給付の事務手続きは市町村等の地方自治体が行うので、事務量が莫大になるため、執行の遅れや漏れが生じるのです。事務量が膨大になるため、審査は形式的なものならざるを得ず、補助金給付で様々な不正が発生していることを皆さんもご存知だと思います。中には、大手企業の事業所でそれが行われていたことが、報道されたりしました。

ただ、その執行漏れも、岸田政権によって実行され、景気は上向き、さらに円安メリットも加わり、日本経済は成長しました。ここ数年、毎年税収が過去最高を更新し続けていることが、それを示しています。

ただ、現状でもなお、15兆円以上の需給ギャップが存在していることは明らかであり、個人消費は低調です。円安により輸出がそれを補う以上の伸びを示したので、株価も上がり、日経平均株価は33年ぶりの高値水準にあり、3万円台で値固めを続けているので、景気は悪くないようにもみえます。

しかし、2023年6月の短期経済見通しによると、2023年度の実質GDP成長率は前年比+0.9%と予想されています。物価上昇や海外経済減速による下振れ懸念が残るものの、内需を中心に緩やかな景気回復が続くと見込まれています。

日本銀行の消費活動指数(旅行収支調整済)を見ると、今年1-3月期は前期比+1.4%、4-6月期は同ー0.6%であり、均してみると緩やかな増加に留まっています。

これを成長軌道に乗せるためには、やはり少なくとも、15兆円以上の補正予算を組み消費税減税などをするのが最善の経済政策です。現在の失業率の水準から試算すれば最低でも10兆円、日本経済の潜在能力から推測すると最大20兆円の需給ギャップが存在しています。

鈴木俊一財務相

鈴木俊一財務相は「規模ありき」を否定していますが、いまの日本に必要なのは、「まず規模ありき」といえます。また消費の低迷が著しいのですから、消費税の減税で国民に経済成長の成果を還元すべきでもあります。

経済対策は、マクロ的には「規模ありき」であり、十分な量がなければ、対策は目的を成就することはできません。マクロ的にみれば、何をしても効果はあります。バラマキ否定論者は、マクロ経済を知らないただの愚か者です。バラマキこそ正義です。経済が良くない時に、バラマキを否定して、結局緊縮財政を推進しようとする輩こそ、悪です。

だからこそ、ヘリコプターマネーなどと言われるのです。バーナンキ氏は、「日銀はトマトケチャップを買え」と言うのです。ただ、補助金ばかりでは、執行遅延や漏れや不正が起きやすく、しかも消費が低迷している現状では、現状ではすぐに効果が期待できる消費税減税が良いと言っているのです。そうして、一部は補助金として、特に現在の政権の持ち味を出したい分野に集中的に注げば良いです。

ここで岸田政権が減税を掲げて解散しなかったら愚かとしか言いようがありません。まずは、減税を大義とした解散ができますし、消費税・所得税減税+給付金を打ち出せば、よほどのことがない限り、大勝利ですし、実体経済も良くなり国民も満足すると思います。まずは、量ありきで、15兆円以下の経済対策では無意味です。

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2023年10月4日水曜日

コソボに「安倍晋三公園」 「両国の絆期待」昭恵夫人―【私の論評】コソボの過去から未来への希望:友情と協力が築く平和の道(゚д゚)!

コソボに「安倍晋三公園」 「両国の絆期待」昭恵夫人

まとめ
  • コソボの首都プリシュティナで、故安倍晋三元首相の名前を付けた「安倍晋三公園」の開園式が行われた。
  • 公園は、段々畑のようなつくりで、安倍氏の昭恵夫人によるメッセージが代読された。
  • 安倍氏は首相時代にコソボ支援を積極的に進め、プリシュティナ側から命名が提案された。
コソボの首都プリシュティナ HDR撮影

 コソボの首都プリシュティナで3日、故安倍晋三元首相の名前を付けた「安倍晋三公園」の開園式があった。水内龍太駐コソボ大使が出席、「公園で育まれる温かな交流により両国の絆がより一層深く結ばれていくことを夫も期待していると思います」とした安倍氏の昭恵夫人によるメッセージを代読した。

 公園は、段々畑のようなつくりで「安倍晋三公園」と漢字で書かれたプレートが設置されている。水内氏とプリシュティナのラマ市長らが桜を植樹した。ラマ氏は取材に対し、安倍氏は「われわれの偉大な友人だ」とし、命名について「敬意を示すためだ」と語った。

プリシュティナのラマ市長

 安倍氏が首相だった2018年1月に、欧州連合(EU)加盟を目指すコソボなどに対する経済社会改革の支援などを目的とした「西バルカン協力イニシアチブ」が発表された。20年には在コソボ大使館を開設した。

 昨年安倍氏が亡くなった後、プリシュティナ側が公園の命名について提案した。

【私の論評】コソボの過去から未来への希望:友情と協力が築く平和の道(゚д゚)!

まとめ
  • コソボの歴史は古代から続き、イリュリア人やダルダニア人などの先住民が住んでいた地域で、多くの帝国や文化の影響を受けた。
  • コソボはセルビアの領土でありながら、アルバニア人の居住地域として変化し、20世紀に紛争が勃発した。
  • コソボ紛争は1996年から1999年にかけて続き、セルビアとアルバニア系住民との間で独立を巡る対立が激化した。
  • 安倍晋三氏のリーダーシップにより、日本はコソボに経済支援と社会開発支援を提供し、その結果、国際社会での認知度が高まった。
  • コソボの未来は協力と対話による和解の可能性があり、我々はその成功を支持し、見守る責任がある。

バルカン諸国の一つのコソボ 中央より少し下の青い部分がコソボの版図

コソボの歴史は石器時代までさかのぼり、古代には先住民であるイリュリア人やダルダニア人が住み、ダルダニアと呼ばれていました。その後、ローマ帝国、ビザンチン帝国、ブルガリア、中世セルビア王国、オスマン帝国の一部となり、多様な文化・歴史が積み重なってきました。

コソボは、セルビアの領土でありながら、ちょうどそのアルバニア人の住む地域に重なっています。三百年くらい前まではセルビア人が多く住む土地でしたが、東から進出してきたオスマン・トルコ帝国の支配下で、多くのアルバニア人が移り住むようになり、民族の構成が変わりました。

1946年にセルビア共和国内の自治州(コソボ・メトヒヤ自治州)とされました。

1990年には、アルバニア系住民が「コソボ共和国」の樹立とセルビアからの独立を宣言しました。これに対し、セルビアは自治州議会及び政府の機能を停止し、直接統治を開始しました。アルバニア系住民は武装組織「コソボ解放軍」(KLA)を組織化し、武力闘争を始めました。

この武力闘争は、コソボ紛争と呼ばれ、1996年から1999年にかけてバルカン半島南部のコソボで発生した武力衝突です。この紛争は、セルビア共和国に属するコソボ自治州の90%を占めるアルバニア人が独立を要求し、これを認めないセルビア共和国との対立によって引き起こされました。

紛争の発端は、1989年3月にセルビア議会が共和国憲法修正案を可決し、コソボ自治州の権限を共和国に集中したことです。1998年3月初めに対立が表面化し、99年6月に和平が成立しました。

ユーゴスラビアは、スロボダン・ミロシェヴィッチが大統領となって以降、内戦状態に陥りました。ミロシェヴィッチは、大セルビア主義を掲げ、アルバニア系住民の多いコソボ社会主義自治州の併合を強行しようとしました。これに反発したコソボは1990年7月に独立を宣言し、ユーゴスラビア国内は内戦状態となりました。

国家の主権は重要ですが、指導者には公正に統治し、専制政治を避ける責任もあります。ミロシェビッチはその責任を果たせず、セルビアは彼の攻撃的な民族主義政策と人権侵害の結果、コソボを失うという代償を払ったといえます。

この紛争では、ユーゴスラビア軍とセルビア人勢力、コソボ独立を求めるアルバニア人テロリストであるコソボ解放軍が対立しました。1999年3月24日、NATO軍がユーゴスラビアを空爆しました。この空爆は78日間続き、ユーゴ側発表によると民間人死者1200人、NATO側発表によると兵士死者5000人を出しました。そのため、この空爆を批判するむきもあります。

2008年2月、コソボはセルビアからの独立を宣言し、日本は同年3月18日にコソボを国家承認しました。これは、安倍政権の頃です。

コソボを国家として認めた最初の国は、アメリカ合衆国です。コソボは2008年2月17日にセルビアからの独立を宣言しましたが、セルビアは独立を認めず、国際社会でも意見が分かれました。しかし、アメリカ合衆国は独立宣言の翌日の2月18日にコソボを国家として承認し、これに続いてイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの欧米諸国も承認しました。

なお、日本は2008年3月18日にコソボを国家として承認しました。

日本は、コソボの独立を支持し、経済・社会開発支援を実施しました。

経済支援としては、2008年3月に10億円の円借款を供与し、コソボの経済基盤整備を支援しました。また、2010年には、コソボの中小企業支援や農業振興のための支援プログラムを立ち上げました。

社会開発支援としては、2009年にコソボの学校や病院への支援を開始し、2011年には、コソボの青年の就業支援のためのプログラムを立ち上げました。

具体的には、以下の支援が行われました。
  • 2008年3月:10億円の円借款供与
  • 2010年:コソボ中小企業支援プログラム、コソボ農業振興支援プログラムの立ち上げ
  • 2009年:コソボ学校支援、コソボ病院支援の開始
  • 2011年:コソボ青年就業支援プログラムの立ち上げ
また、日本は2010年には、コソボの欧州連合(EU)加盟を支持する声明を発表し、2012年には、コソボの独立を承認した国を増やすための外交活動を展開しました。

令和元年9月13日、安倍総理は、コソボ共和国のハシム・サチ大統領と首脳会談等を行った

安倍政権は、コソボに対して、外交関係樹立10周年を迎えた2018年に、コソボの大統領であるハシム・サチ氏を招き、首脳会談を行いました。この会談では、日本とコソボの二国間関係の発展や、コソボの国造りを支援することが話し合われました。 

また、安倍政権は、西バルカン協力イニシアティブを発表し、コソボを含む西バルカン諸国に対する二国間支援の強化、地域協力の支援、大使館の新設などを強調しています。

以上のように、安倍政権は、コソボに対して、二国間関係の発展や国造りの支援など、様々な貢献を行ってきました。

日本はコソボに経済支援と社会開発支援を提供し、その結果、コソボの経済は安定し、国民の生活水準が向上しました。さらに、日本は、コソボとセルビアの和解を促進し、未来への希望を築くために引き続き支援を行っています。

この物語は、歴史的な試練を経ても、協力と対話を通じた友情が平和と繁栄を築く可能性を示しています。コソボの未来は希望に満ちており、国際社会との連携によってさらなる成長を遂げることでしょう。我々は、この地域の発展と和解を支持し、コソボの成功を見守る一員であり続けるべきです。

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