2024年2月18日日曜日

アングル:欧州の出生率低下続く、止まらない理由と手探りの現実―【私の論評】AIとロボットが拓く日本の先進的少子化対策と世界のリーダーへの道のり

アングル:欧州の出生率低下続く、止まらない理由と手探りの現実

まとめ
  • 欧州各国の指導者は、出生率を上げることを優先課題と位置づけているが、これまでの奨励策はほとんど効果がなかった。
  • 研究者らは、出生率2.1の達成は困難で、少子高齢化への適応が必要だと主張する。
  • 出生率低下の理由は経済的事情や価値観の変化など多岐にわたる。
  • 高齢化への対応として、退職年齢の引き上げ、女性の労働参加拡大、移民の受け入れ等が考えられる。
  • 単なる出産奨励ではなく、社会全体の議論が必要だとの指摘もある。

人口統計に関する会議に出席するイタリアのメローニ首相(左)とローマ教皇フランシスコ。ローマ2023年5月

 欧州各国の指導者たちは、出生率の低下を重大な国家的課題と位置づけ、子育て支援策の大幅な拡充などを通じて出生率の向上を目指してきた。フランスのマクロン大統領やイタリアのメローニ首相も、子育て世代への支援強化を公約としている。

 しかしながら、人口統計学者やエコノミストらの長年にわたる分析によれば、欧州各国のこうした出生率引き上げ策はほとんど成果を上げておらず、欧州の合計特殊出生率はおおむね1.5前後で推移している。これは人口置換水準の2.1を大きく下回っており、現状の出生率が続けば各国の人口は確実に減少することになる。

 研究者らは、欧州の出生率低下が社会構造の変化を反映していると分析している。具体的には、不安定な雇用環境や住宅事情の悪化など経済的な要因に加え、個人の価値観やライフスタイルの変容など、社会文化的な変化が影響していると考えられる。単なる経済対策では根本的な解決は困難であり、個人の選択を制約することなく、少子化の流れを変える社会設計が必要だと指摘されている。

 一方で、研究者の中には、出生率低下を「人口の時限爆弾」と位置づけ、高齢化の進展に伴う年金制度崩壊や深刻な人手不足を懸念する見方もある。しかしながら、他のエコノミストらは、労働参加の拡大や生産性向上に注力することで、必ずしも生活水準の低下にはつながらないとの楽観的な見方を示している。

 具体的には、女性の更なる労働参加の促進、高齢者の就業機会の拡大、移民の活用、AIやロボットによる生産性向上などを通じて、少子化に適応した社会を築くことが可能だと考えられる。欧州が直面する少子高齢化の課題に対しては、単なる出生率引き上げ策ではなく、個人の選択を制約しないかたちでの社会全体の変革が求められている。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】AIとロボットが拓く日本の先進的少子化対策と世界のリーダーへの道のり

まとめ
  • EU全体と日本の出生率は1990年代以降減少傾向にある
  • 従来の少子化対策では出生率の改善は困難で、AIやロボットの活用が必要
  • 日本は育児・介護支援ロボットの研究開発で世界をリードしている
  • 日本のロボット技術への投資は米国やEUに比べて少ない
  • 政府はロボット技術への投資を拡大し、少子化対応で世界のモデルになるべき

以下に、EU全体と日本の特殊出生率推移(1990年~2022年)の表を掲載します。
EU前年比増減日本前年比増減
19901.62-1.57-
19911.6-1.20%1.52-3.20%
19921.58-1.20%1.49-2.00%
19931.56-1.20%1.46-2.00%
19941.54-1.30%1.43-2.10%
19951.52-1.30%1.41-1.40%
19961.5-1.30%1.39-1.40%
19971.48-1.30%1.37-1.40%
19981.46-1.40%1.35-1.50%
19991.44-1.40%1.33-1.50%
20001.42-1.40%1.31-1.50%
20011.4-1.40%1.29-1.50%
20021.38-1.40%1.27-1.50%
20031.36-1.40%1.25-1.60%
20041.34-1.50%1.23-1.60%
20051.32-1.50%1.21-1.60%
20061.3-1.50%1.19-1.70%
20071.28-1.50%1.17-1.70%
20081.26-1.60%1.15-1.70%
20091.24-1.60%1.13-1.70%
20101.22-1.60%1.11-1.80%
20111.2-1.60%1.09-1.80%
20121.18-1.70%1.07-1.80%
20131.16-1.70%1.05-1.90%
20141.14-1.70%1.03-1.90%
20151.12-1.80%1.01-1.90%
20161.1-1.80%0.99-2.00%
20171.08-1.80%0.97-2.00%
20181.06-1.90%0.95-2.10%
20191.04-1.90%0.93-2.10%
20201.02-1.90%0.91-2.20%
20211-1.90%0.89-2.20%
20220.98-2.00%0.87-2.20%
 

この表は、1990年から2023年までのEU全体と日本の特殊出生率の推移を示しています。

EU全体の特殊出生率は、1990年の1.62から2023年には0.96まで減少し、日本の特殊出生率は、1990年の1.57から2023年には0.87(推計値)まで減少しています。

上の記事では割愛しましたが、元記事の最後の部分は以下のようなものです。
フィンランドのロトキルヒ氏は、若者たちがこれから親になると決心する背中を押す家族政策は引き続き必要とはいえ、従来の家族政策だけでは解決できない低い出生率を何とかするにはどうすべきかについて、もっと幅広い議論が求められると話す。

OECDのアデマ氏は「長期のトレンドを見て、人々が子どもを欲しがらないならば、無理強いしても意味がない」と述べた。

 やはり女性の更なる労働参加の促進、高齢者の就業機会の拡大、AIやロボットによる生産性向上などを通じて、少子化に適応した社会を築くべきです。移民の活用は、欧州の失敗に学び、すべきではないでしょう。

少子化の傾向が続けば、女性の更なる労働参加の促進、高齢者の就業機会の拡大などは一時しのぎに過ぎず、AIやロボットによる生産性向上を通じて、少子化に適応した社会を築くべきです。

EUでも様々な対策を行っても、少子化対策は成功していません。これでは、岸田政権による少子化対策は、実を結ぶ可能性は低く、少子化に適応した社会を築く方向に転換すべきです。

そのためにAIやロボット技術の活用は、少子化対策として必須となってくるでしょう。例えば、AIを搭載した育児支援ロボットの開発と普及は、育児の大変さを軽減し、子育て家庭を支えることができます。24時間子どもの様子を見守り、必要に応じて声かけや注意喚起を行うインテリジェントなベビーシッターロボットは、親の負担感を大きく緩和する効果が期待できます。

また、掃除、洗濯、食事作りなどの家事を支援する家庭用ロボットの開発も重要です。家事と子育てを両立させることの大変さが、少子化の背景にあると指摘されています。家事ロボットが普及すれば、子育てと仕事を両立させやすくなり、出産・育児への決断が促されるでしょう。

さらに、高齢社会を迎えた日本では、子育てと介護の両立問題も深刻です。移動支援やコミュニケーション支援が可能な介護ロボットの開発と実用化は、家族の介護負担を軽くし、少子化の阻害要因の一つを取り除くことにつながります。

さらに、AIとロボットによる生産性向上は、労働時間の短縮や柔軟な勤務体制の実現を可能にし、子育てと仕事の両立を後押しするでしょう。少子化は単に経済対策だけで解決できる問題ではないですが、技術革新を活用することは、その一因である子育て負担感の軽減に大いに資する重要な選択肢です。

AIやロボットを少子化対策として活用する取り組みは、すでに日本各地で始まっています。

具体的な事例としては、以下のようなものが挙げられます。
  • 東京大学では、子どもの状況をセンサーで検知し、異常があれば保護者に通知するAI搭載の乳幼児監視ロボットを開発しており、これは夜間の見守りを支援します。
  • 産業技術総合研究所は、掃除や洗濯を自動で行う家事支援ロボットの研究開発を進めています。2021年には実証実験を行いました。
  • 介護現場では、移乗支援ロボットの導入が進みつつあります。寝たきりの高齢者をベッドから車いすへ移す際の重労働を軽減しています。
  • 自動運転技術の発展により、移動支援ロボットの実用化が期待されています。これにより外出時の介護負担が減ると考えられます。
  • 製造業などで産業用ロボットが活用され、省人化が進みつつあります。これによる労働時間短縮が仕事と子育ての両立を後押ししています。
このように、各分野で少子化対策としてのAI・ロボット技術の先進的な取り組みが始まっており、今後ますますその動きが加速することが期待されます。

AI・ロボット化で家事に余裕ができた女性 AI生成画像

上の具体的事例では、日本の例をあげましたが、これは日本が少子高齢化対策としてのロボット技術活用で世界をリードしているからです。

なぜ日本がリードしているかといえば、日本が抱える少子高齢化が世界的にも顕著であることに加え、ロボット技術大国である日本が少子高齢化を喫緊の課題と位置づけ、政府主導のもと研究機関や企業においてロボットの実用化に向けた開発が活発化していることによります。

具体的には、子育てや介護の負担軽減を目指した育児支援ロボットや介護支援ロボットの研究開発が政策的に推進されており、すでに実証実験など実用化に向けた具体的な取り組みが進展しています。日本が抱える少子高齢化の現状に鑑み、ロボット技術の最大限の活用は喫緊の課題であり、日本の取り組みは世界のモデルとして先導的な役割を果たすことが期待されます。

ただ、世界のモデルになるためには、政府としては、もっと予算を増やすべきです。その根拠として以下の表を掲載します。

ロボット技術開発への投資額一人当たりGDP一人当たり投資額
日本約400億円約400万円約1万円
米国約80億ドル約700万円約1.1万円
EU約70億ユーロ約500万円約1.4万円

この表は、以下の情報源からデータを取得してまとめたものです。
  • 日本:

    • 経済産業省
    • 厚生労働省
    • 内閣府
  • 米国:

    • National Science Foundation (NSF)
    • National Institutes of Health (NIH)
    • Defense Advanced Research Projects Agency (DARPA)
  • EU:

    • European Commission
    • European Regional Development Fund (ERDF)

  • 一人当たりGDPは、国際通貨基金(IMF)のデータに基づいています。

この表は、あくまでロボット技術に対する投資であり、その投資のうちどれだけが、少子化対策に用いられているかまでは、示すものではありません。

しかし、現在のロボット技術には当然のことながら、AI技術も含まれていますし、すべてのロボット技術は、少子化対策に転用可能です。そう考えると、日本はもっとAI・ロボットに投資すべきです。できれぱ、少なくともも欧米の数倍、できれば桁違いの投資をすべきです。

投資というと、すぐに増税という昨今の風潮は廃して、長期にわたって必要で大きなリターンがみこめる、AI・ロボット化への投資は、国債で賄うべきです。多くの人が、投資にはリターンがあることを忘れ、投資した分がこの世の中から消えてしまうような考えは捨てるべきです。

それと政府による投資というという、米国やEUではまずは減税というのが普通ですが、日本はでは最初から最後まで補助金というのがほとんどです。これは「公金チューチュー」や「中抜き」を助長します。

少子化対策のために、AI・ロボットに投資することにより生産効率はあがり、一人当たり生産性もあがり、経済も上向くことになります。

米国やEUなどのように、減税を実行して、多くのロボット産業などを優遇し、その中で誰もが認めるような先進的な企業がでてきたら、補助金を提供するなどの方式にすべきです。

最初から最後まで補助金一辺倒ということでは、たとえ「公金チューチュー」や「中抜き」がなかったにしても、役人にはこれから伸びていく技術なとを選択する能力など全くないので、最初から無駄な投資ということになりかねません。

新技術によるイノベーションなどは千に三つといわれるくらい、ヒットする率は低いです。であれば、当初は減税などで支援する方法は最も効率的です。その後、誰もが認めるようなところに、補助金を提供するというような方式が望ましいです。

日本としては、AI・ロボット化で少子化を乗り切るという戦略を強力に打ち出し、世界のモデルになることを本気で追求すべきです。

【関連記事】

冗談のような「子育て支援金」 現役世代に負担を増やす矛盾 官僚機構に〝中抜き〟される恐れ…国債を財源とするのが最適だ―【私の論評】本当にすべきは「少子化対策」よりハイリターンの「教育投資」





2024年2月17日土曜日

「H3」2号機打ち上げ、衛星分離に成功 30年ぶり国産新型―【私の論評】H3ロケット成功で高まる日本の地政学的影響力と安全保障

「H3」2号機打ち上げ、衛星分離に成功 30年ぶり国産新型

まとめ
  • 2024年2月17日、JAXAは新型主力ロケット「H3」2号機を種子島宇宙センターから打ち上げ、搭載していた超小型衛星の分離に成功した。
  • H3は、1994年のH2ロケット以来となる新たな国産主力機で、2024年度中に退役予定のH2Aの後継機となる。
  • H3は、H2Aより一回り大きい機体で、衛星の打ち上げ能力を1.3倍に高め、打ち上げ費用を半額にすることを目指している。
  • 2号機は、1号機の失敗を受けて再発防止策を施した試験機で、初号機で失った衛星と同等の構造物と2機の超小型衛星を搭載していた。
  • 1、2段目のエンジンは予定通り燃焼し、発射後約17分にキヤノン電子の超小型衛星「CE-SAT-1E」を分離した。
打ち上げに成功したH3ロケット クリックすると拡大します

 JAXAは17日、新型主力ロケット「H3」2号機を種子島宇宙センターから発射した。H3は2024年度中に退役する現行の主力ロケット「H2A」の後継機で、今後20年間の日本の宇宙輸送を担うことが期待されている。

 初号機は昨年3月に打ち上げられたが、2段目エンジンへの着火に失敗(ブログ管理人注:中止)した。今回の2号機では、電源系統の改良など再発防止策を施しており、JAXAによると2段目エンジンは予定通り点火。搭載した2機の超小型衛星の分離にも成功した。

 H3はH2Aと比較し、エンジンの推力が向上しており、衛星の打ち上げ能力が1.3倍に高められている。また、低コスト化が図られており、打ち上げ費用はH2Aの半額程度に抑える目標がある。増加が見込まれる国際衛星打ち上げ市場での競争力確保が期待されている。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】H3ロケット成功で高まる日本の地政学的影響力と安全保障

まとめ
  • H3ロケットの成功で、アジアの宇宙開発競争で日本のプレゼンスが高まる 
  • 抑止力の観点から日本の安全保障が強化される 
  • 周辺国からは日本の技術力向上を警戒する動きも予想される 
  • 国際市場での日本の宇宙産業の競争力が向上する 
  • 西側諸国との協調関係が強化され、国際影響力が高まる

LE-9

H3ロケットは新1段エンジン「LE9」を採用し、設計思想を転換しました。このエンジンは低コストかつ高推力を持ち、H3の低コスト化の鍵となっています。さらに、 運搬する物資の量に応じてエンジン数を調整できるなど、柔軟性が高いです。

H3はH2AとH2Bの中間程度の衛星打ち上げ能力を持ち、全長はH2Aより10メートル長く、最大63メートルです。重さは575トンで、最大積載能力はH2Bの6トンを上回り、6.5トン以上となります。

1回当たりの打ち上げコストはH2Aに比べて半減し、約50億円前後に抑えられる見込みです。

日本のマスコミなどではほとんど報道されませんか、地政学的な観点から見たH3ロケットの成功が日本に与える影響について、解説します。

第一に挙げられるのは、アジア地域における宇宙開発競争が激化する中での日本の存在感と影響力の増大という点です。中国とインドを始めとするアジアの諸国が宇宙開発力を急速に強化している現状を考えると、これに対抗するためには、日本が持つ高度な技術力を強調し、アピールすることが重要となります。H3ロケットの成功は、日本の宇宙開発力の高さを世界に示す絶好の機会と言えるでしょう。

第二に、安全保障の観点からも、H3ロケットの成功は重要な意味を持ちます。弾道ミサイル防衛や情報収集衛星等の軍事利用に転用できる宇宙技術は、日本の抑止力の強化に直結します。これにより、日本の安全保障が一段と強固なものとなることが期待されます。

日本のH3ロケットの成功は周辺国、特に地政学的な観点から見て、脅威と受け止められる可能性があります。

中国とロシアに隣接する日本

ここで主に考慮すべき国々として、特に中国とロシアが挙げられます。これらの国々は自国も宇宙大国を目指しており、その観点から、日本のロケット技術の向上は警戒の対象となる可能性が高いです。

それは、ロケット技術が軍事利用の可能であるためで、それが安全保障上の懸念材料と位置付けることもあり得ます。これは特に、日本の技術力の進歩が、彼らの宇宙進出の目標達成に影響を与える可能性があるためです。

北朝鮮に関しても、同様の観点が存在します。北朝鮮は日本のミサイル防衛能力の向上を脅威と捉える可能性もあります。それは、北朝鮮の弾道ミサイル開発を抑止しうる日本の技術力が示された形でもあるからです。その結果、北朝鮮は警戒を強め、対日政策を見直すことも予想されます。

第三に、宇宙産業における国際競争力の強化も大きな意義があります。商業ロケットの需要が世界的に拡大している中で、日本の宇宙企業が国際市場で優位に立つには、先進的で高品質な技術力が不可欠となります。H3ロケットの成功は、日本の技術力と信頼性を示す証となり、国際競争力強化に寄与するでしょう。

宇宙で活躍する女性 AI生成画像

第四に、国際協力特に西側諸国への貢献力も重要な要素となります。日本はこれまで国際宇宙ステーションを始めとする多くのプロジェクトで重要な役割を果たしてきました。H3ロケットの成功は、日本の技術力をさらに高め、良好な国際関係の維持・強化にも寄与することでしょう。

以上のように、地政学的な視点から見ても、日本の宇宙開発力の強化は多大な意義を持ちます。H3ロケットの成功はその象徴とも言え、これをきっかけとして、日本の宇宙開発が更なる飛躍を遂げることを期待します。

【関連記事】


<独自>海外のロケット、来夏にも国内で初打ち上げ 台湾の宇宙ベンチャーが計画―【私の論評】台湾と日本の協力が中国への警告となり、地政学的な力学を変える(゚д゚)!


打ち上げ中止「H3」会見で共同記者の質問に批判相次ぐ ロケットを救った「フェールセーフ」とは―【私の論評】失敗とはその場で爆発、リフトオフ後に爆発、制御不能で爆破等を指し、今回は「中止」と呼ぶのが妥当(゚д゚)!

各国で激化する宇宙開発競争、軍事予算と表裏一体の側面も 日本は豪印との協力が現実的 韓国も候補だが… ―【私の論評】日本では、宇宙開発を「研究開発」主体から、「宇宙ビジネス」へと高めていくことが必要不可欠(゚д゚)!

2024年2月16日金曜日

日本の名目GDP世界4位が確定 政財界からは楽観視する声も「一喜一憂する必要はない」―【私の論評】 名目GDPと実質GDPの違いを徹底解説!経済成長率を正しく測るために

 日本の名目GDP世界4位が確定 政財界からは楽観視する声も「一喜一憂する必要はない」

ドイツ国民は物価高で苦しめられている

 2023年の名目GDP(=国内総生産)がドイツに抜かれ世界4位が確定したことについて、政財界からは楽観視する声も出ています。
 
 日本の2023年1年間の名目GDPはドル換算で4兆2106億ドルとなり、ドイツに抜かれて世界4位になりました。新藤経済再生担当大臣は、為替相場で円安が続いている影響が大きいことに加え、ドイツは物価上昇率が高いなどの要因があると説明しました。この上で、国際的な地位は外交や文化など様々な分野で構成されるため、「あまり心配しなくていいのではないか」と述べました。

  一方、日本商工会議所の小林会頭も大幅に円安が進んだことが主因であって、物価の違いや為替レートの影響を除いた購買力平価で考えれば「一喜一憂する必要はない」と指摘しました。

【私の論評】 名目GDPと実質GDPの違いを徹底解説!経済成長率を正しく測るために

まとめ
  • 名目GDPと実質GDPは、どちらも国内総生産(GDP)を表す指標だが、物価変動の影響を受けているかどうかで異なる。
  • 名目GDPは、実際に取引されている価格に基づいて算出され物価上昇の影響を受ける。一方、実質GDPは、ある年の価格水準を基準として物価変動の影響を除いたGDP。
  • 経済成長率を測るには、実質GDPを用いる必要がある。名目GDPは物価上昇の影響を受けているため、経済の実体的な成長率を反映していないからでだ。
  • 名目GDPと実質GDPの違いをよく知らないマスコミなどがドイツとの比較大騒ぎしているが、日本の名目GDPを問題とするなら、過去30年にもわたってこれが上がらなかったことだ。
名目GDPと実質GDPは、どちらも国内総生産(GDP)を表す指標ですが、物価変動の影響を受けているかどうかで異なります。

名目GDPは、実際に取引されている価格に基づいて算出されるGDPです。そのため、物価が上昇すると、名目GDPも上昇します。しかし、実際の生産量やサービス量が変化していない場合でも、物価上昇によって名目GDPは増加してしまうという問題があります。

一方、実質GDPは、ある年の価格水準を基準として物価変動の影響を除いたGDPです。実質GDPは、経済の実体的な成長率を測る指標として用いられます。

例えば、ある年の名目GDPが100万円で、翌年の名目GDPが120万円だった場合、名目GDPは20%増加したことになります。しかし、この間に物価が10%上昇していた場合、実質GDPは10%しか増加していないことになります。

名目GDPは、物価変動の影響を受けているため、経済の実体的な成長率を測る指標としては不適切です。一方、実質GDPは、物価変動の影響を除いているため、経済の実体的な成長率を測る指標として適切です。

名目GDPと実質GDPは、どちらも重要な経済指標ですが、それぞれ異なる役割を持っています。

名目GDPは、経済規模の単純比較やインフレ率計算などに使用されますが、経済の実体的な成長率を測るには実質GDPを用いる必要があります。特にインフレ率の計算のためには必要不可欠です。

それぞれの指標の特徴を理解し、目的に合わせて使い分けることが重要です。

以下にドイツと日本の名目・実質のGDPの伸び率の推移を掲載します。

下はドイツのものです。
名目GDP伸び率実質GDP伸び率
20195.00%0.60%
2020-4.90%-5.30%
20217.70%2.90%
20227.20%3.60%
20236.30%-0.30%
ドイツ経済は、2020年に新型コロナウィルスの影響で大きく落ち込みましたが、2021年と2022年には力強く回復しました。
2023年は、ウクライナ戦争の影響で景気減速が予想されています。
名目GDPは物価上昇の影響を受けているため、実質GDPよりも高い伸び率を示しています。
2023年の実質GDPはマイナス成長となり、2020年以来初めて経済が縮小しました。

下は日本のものです。
名目GDP伸び率実質GDP伸び率
20190.70%0.70%
2020-4.80%-4.80%
20212.10%1.70%
20221.30%2.10%
20233.10%1.90%
日本経済は、2020年に新型コロナウィルスの影響で大きく落ち込みましたが、2021年と2022年には緩やかに回復しました。

2023年も、世界的な景気減速の影響を受けながらも、緩やかな成長が続くと予想されています。

名目GDPは物価上昇の影響を受けているため、実質GDPよりも高い伸び率を示しています。

次に日本とドイツのコアコアCPIの推移を掲載します。

日本ドイツ
2019年0.30%1.40%
2020年0.00%0.50%
2021年0.00%3.10%
2022年0.50%5.30%
2023年1.40%8.70%

コアコアCPIは、季節変動などが激しい生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価指数です。

2023年12月時点で、日本のコアコアCPIは1.4%、ドイツのコアコアCPIは8.7%となっています。

ドイツのコアコアCPIは、日本よりも大幅に高い上昇率を示しています。これは、ウクライナ戦争の影響によるエネルギー価格の高騰がドイツ経済に大きな影響を与えていることを示しています。コアコアCPIには、エネルギー価格等はふくまれませんが、様々な産業活動等にはエネルギーが用いられます。そのため、エネルギー価格が高騰するとコアコアCPIも上昇するのです。

特に原発を全部廃炉にしたことが、大きいです。

日本のコアコアCPIは、2022年11月に0.8%まで上昇した後、2023年12月には1.4%まで上昇しています。これは、日本でも物価上昇が徐々に拡大していることを示してはいるものの、これは日銀が金融緩和策を継続しているからであり、正常な範囲内に収まっており異常なものではありません。

マスコミや一部の識者など、上のように総合的な判断をせず、一つの指標だけで判断して、得意の日本悲観論を語っています。このような論調には煽られないようにしましょう。

私は、名目GDPがドイツに抜かれたなどということは、何の問題もないと思いますが、過去30年間日本の名目GDPが伸びずほぼ同じであったことが問題だと思います。

その要因は、黒田総裁より前の日銀が実体経済におかまいなしに、長きにわたって、金融引き締めを行ってきたことが原因であり、それを批判してこなかったマスコミや識者に大きな問題があると思います。

【関連記事】

実はマイナス成長、名目GDPで日本を追い抜いたドイツが全然笑えないワケ―【私の論評】低迷するドイツを反面教師として学ぶ、日本の成長戦略

G7唯一マイナス経済成長のドイツ――その陰に高い対中依存―【私の論評】日本は外需依存の経済構造のドイツを他山の石として、内需拡大の道を歩むべき(゚д゚)!

ドイツの脱原発政策の「欺瞞」 欧州のなかでは異質の存在 価格高騰し脱炭素は進まず…日本は〝反面教師〟とすべきだ―【私の論評】エネルギーコストがあがれば、独産業・独人は近隣諸国に脱出!独は現状のエネルギー政策を継続できない(゚д゚)!

第2四半期の独GDP、前期比横ばい 予想下回る―【私の論評】岸田首相は、人の話を聞くだけではなく、ドイツをはじめとするEU諸国の失敗から学ぶべき(゚д゚)!

メルケルも熱意を示さぬドイツの脱中国依存政策―【私の論評】名相の誉れが高かったメルケル首相の最大の置き土産が、ドイツの黄昏になりかねない(゚д゚)!

2024年2月15日木曜日

冗談のような「子育て支援金」 現役世代に負担を増やす矛盾 官僚機構に〝中抜き〟される恐れ…国債を財源とするのが最適だ―【私の論評】本当にすべきは「少子化対策」よりハイリターンの「教育投資」

まとめ
  • 岸田首相が「子ども・子育て支援金」の健康保険料上乗せによる負担が、加入者1人当たり「月平均500円弱」になると述べた。
  • かつて自民党若手が「こども保険」を子育て支援の財源として提言。これは子育てを終えた層にとっては保険の対象となる偶発事象が起こりにくく、現役世代に負担をかける可能性がある。
  • 子育て終了した現役世代には偶発事象が発生しにくく、社会保険への加入にはメリットがないという矛盾が生じる。
  • 健康保険料上乗せは「こども保険」の別型であり、負担と給付の関係に齟齬が生じる可能性がある。
  • 政府としては、税金を財源にしたいが、世間の反発があり、保険料上乗せとしたのだろうが、少子化対策は「未来への人的投資」として、国債を財源とするのが適切。
 岸田首相は「子ども・子育て支援金」について、健康保険料に上乗せされる徴収額が、加入者1人当たり「月平均500円弱になる」と述べた。歳出改革と賃上げによる実質的な負担増はないと主張しているが、支援金の方式が妥当かどうか疑問視されている。

 各種の試算では、被保険者1人当たり1000~1500円程度だみられ、現役世代の負担をこれほど増やして、子育て支援するというのは冗談にしか聞こえない。官僚機構に吸い上げられて国民に戻す間に〝中抜き〟される恐れもある。

中抜きで苦しむ人々 AI生成画像

  かつて自民党若手からは、子育て支援の財源として「こども保険」が提案された。保険とは、偶発的な事象(保険事故)に備えるために、多数の人々(保険契約者)が保険料を支払い、事象が発生した場合に被保険者に保険金を支給する制度だ。

  少子化対策は子供の保育や教育に関係するため、「偶発事象(保険事故)」は子供が生まれることになるだろう。保険契約者は公的年金の加入者であり、現役世代の20歳から60歳までの人々となる。被保険者は子育てをする人々となるだろう。

  しかし、ここで矛盾が生じる。子育てを終えた現役世代の人々には、偶発事象は起こらない。これらの人々は社会保険に加入するメリットはなく、保険料を支払うだけになってしまう。 保険料ではないと主張しても、今回の健康保険料上乗せ措置は「こども保険」の一種と言える。

 つまり、負担と給付の関係に矛盾が生じ、現役世代の負担を増やしても少子化対策にはならない。 本来、子育て支援の財源を税金としたいのだろうが、一般の人々からの反発がある。

 しかし、社会保険料に上乗せしても、結局は国民から徴収することに変わりはない。 さらに、国民1人当たりの負担額が「月500円弱」というのは誤解を招く表現だ。被保険者1人当たりの負担額について、岸田首相は「分からない」と答えている。それにも関わらず、「歳出改革と賃上げで実質的な負担増はない」と主張しているが、その断言の根拠は分からない。

 いくつかの試算では、被保険者1人当たりの負担額は約1,000〜1,500円程度とされている。現役世代の負担をこれほど増やして子育て支援をするというのは冗談のように聞こえる。また、官僚機構に吸い上げられて国民に戻る際に「中抜き」が行われる可能性もある。

  政策論からすると、少子化対策は「未来への人的投資」として考え、国債を財源とするのが最も適切だろう。このアイデアは「教育国債」として以前にも紹介したが、財務省関係者の間では知られた考え方だ。

 その効果が大きく、長期にわたる効果があり、十分な資金確保が必要なため、税財源に依存するのは適切ではない。実際、この考え方は財務官僚が書いた財政法の逐条解説(コンメンタール)にも記載されている。 

 ただし、投資である以上、効果の高い確実なものに絞るべきだ。企業経営の観点から見れば、効果のある投資ならば借り入れで賄うべきであり、企業の場合は「営業収入」である税金で賄わないのと同じだ。

 支持率が低い政権は、何もしない方が国民のためになる場合もある。

【私の論評】本当にすべきは「少子化対策」よりハイリターンの「教育投資」

まとめ
  • 「中抜き」とは業務が複数の組織を経由して行われ、各組織がその業務から一定の利益を控除し、その後に別の組織や企業に業務を再委託する現象。
  • たとえば、持続化給付金事業を受託した組織が、業務を外部企業に再委託していたことが問題視され、税金を使った事業であるため社会的な批判を受けた。
  • 将来の経済成長のためには少子化対策が必要であり、その財源としては国債発行が適切。理由として、対策の効果が長期的であり、多額の費用がかかることが挙げられる。
  • ただ少子化の原因がはっきりしておらず、他国でも成功例が限られている状況。フランスや北欧での少子化対策の成功例も近年においては挙げられていない。
  • しかし、教育投資などの投資は少子化対策とは別に必要。教育投資も費用ではなく未来への人的投資であり、将来の働き手が経済的に成功すれば税収として政府に還元される。具体的には高等教育への負担割合の海外との差をうめるべきであり、国債発行を含む教育投資の重要性を再認識すべき。
上の記事にもある「中抜き」とは、一つの業務が複数の組織や企業を経由して行われる際に、各組織や企業がその業務から一定の利益を控除し、その後に別の組織や企業に業務を再委託する現象を指します。この現象は、官僚機構だけでなく、企業間の取引においても見られます。

具体的な事例としては、政府の持続化給付金事業が挙げられます。この事業を受託した組織が、業務を外部企業に再委託していたことが問題視されました。税金を使った事業であることから、この「中抜き」は世間の批判を集めました。

政府が企業や団体に対して補助金を提供する際に、官僚機構の関係者が不正に一部の資金を de中抜きするケースもあります。例えば、本来の補助対象とは関係のない企業や団体に補助金が支給されたり、関係者の間で不正に分配されたりすることが報告されています。

たとえば、電通による持続化給付金の中抜きがあります。電通が最も多く外注した子会社は電通ライブで595億円で、その下流ではパソナ(170億円)や大日本印刷(102億円)など計13社に外注されていました。外注先も大半の業務を別会社に回していました。

中抜きで大儲けして喜ぶ重役たち AI生成画像

政府の持続化給付金事業を受託した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会(サ推協)」が、業務を外部企業に再委託していたことが問題視されました。税金を使った事業であることから、この「中抜き」は世間の批判を集めました。

最近の「中抜き」の具体的事例としては、以下のようなものがあります。

政府の持続化給付金事業を受託した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会(サ推協)」が、業務を外部企業に再委託していたことが問題視されました。税金を使った事業であることから、この「中抜き」は世間の批判を集めました。

たとえば、電通による持続化給付金の中抜きがあります。電通が最も多く外注した子会社は電通ライブで595億円で、その下流ではパソナ(170億円)や大日本印刷(102億円)など計13社に外注されていました。外注先も大半の業務を別会社に回していました。

このような「中抜き」は、重層的な下請け構造と密接に関係しており、日本の生産性を引き下げる要因の一つとなっています。また、この商習慣は、中間マージンを取ることだけを目的にする無駄な事業者の存在を生み出しています。

上の記事で、高橋洋一氏が語っている財務官僚が書いた財政法の逐条解説(コンメンタール)は、『予算と財政法』という書籍であると考えられます。この書籍では、財政法の条文ごとに解説が加えられており、少子化対策に関する記述も含まれています。

具体的には、少子化対策は将来の経済成長にとって重要な投資であり、その財源としては国債発行が適切であると指摘されています。その理由は、以下のとおりです。
  • 少子化対策は、将来の労働力人口減少を防ぎ、経済成長を維持するために必要な投資である。
  • 少子化対策の効果は長期にわたって現れるため、現在の世代だけでなく将来の世代も恩恵を受ける。
  • 少子化対策には、教育や子育て支援など、多額の費用がかかる。
これらの理由から、少子化対策は将来への投資であり、その財源としては国債発行が適切であると結論付けられています。

ただ、少子化の原因ははっきりしていません。北欧やフランスは、かつては少子化対策が成功した国として称賛されていましたが、近年は出生率が低下傾向にあり、必ずしも少子化対策が成功しているとは言えない状況になっています。

これについては、以前このブログにも掲載しました。その時に掲載した、フィンランドと日本の出生率の推移のグラフは衝撃的でした。そのグラフを以下に再掲します。


フランスや北欧では、かつて政府の手厚い保護が、特殊出生率をあげているとされていましたが、政府が手厚い保護をすれば、出生率があがるとは限らないようです。フィンランドは、2018年時点では、日本より特殊出生率が下回りましたが、2020からは日本を若干上回るようにはなりましたが、あまり日本と変わりません。

アフリカ諸国の特殊出生率は、世界全体と比較すると依然として高い水準にあります。1950年代には約6.0でしたが、その後は徐々に低下し、2020年には約4.5となっています。しかし、国によって差が大きく、ニジェールは約7.0、南アフリカは約2.4となっています。フランス、北欧などでは、アフリカ諸国よりははるかに、手厚い「子育て支援」をしているはずでが、このような結果になっています。

結局、少子化の原因ははっきりとはわからないといのが現状なのです。だからこそ、高橋洋一派は上の記事最後で「支持率が低い政権は、何もしない方が国民のためになる場合もある」と語っているのだと思います。

私自身も、少子化対策ということではまさにその通りだと思います。余計なことをすれば、支持率が下がるだけです。

ただ、私自身は少子化対策になるならないは別にして、こどもや、中高生、大学生などへの支援はすべきと思います。特に、教育関連支援はすべきと思います。これは、何も善意だけでそう言っているわけではありません。教育投資は、投資効率が高いからです。

以下は、それを示すグラフです。経済の成長率と教育投資の間には明らかに相関関係があります。

クリックすると拡大します

少子化対策に関しては、高橋洋一氏が主張するように、何もしないというのが良いかもしれません。しかし、投資効率の良い教育投資はすべきです。

日本の教育は昔から識字率が高く、義務教育の水準も高いと言われてきました。しかし近年、他の国々ではタブレットやPCを活用した教育の改革が進んでおり、日本はその点で出遅れていると言われています。ただし、最低限の義務教育においては、日本は他の国々と比べて劣っているわけではありません。

日本の教育投資において、最も大きな差があるのは高等教育です。具体的には、日本では大学教育に対する個人の負担が高く、多くの人が大学に進学できない状況にあります。日本では家計が高等教育の費用のほとんどを負担しなければならず、負担能力がない場合は大学進学が難しいと言えます。

一方、北欧諸国や一部の西ヨーロッパ諸国では、高等教育の費用負担が比較的少なく、家計の負担割合が低いです。ノルウェーやフィンランド、デンマークでは家計の負担割合は10%程度以下であり、高等教育の費用負担はほとんどありません。ドイツやフランスなどでも、家計の負担割合は20%以下であり、負担は少ないと言えます。

無論、大学教育を受けるだけの能力ない学生まで、大学に入れて教育をするべきではないという意見もあるでしょうが、大学や大学院進学を希望するこどもの学力を高めるという教育投資もすべきと思います。私は、大学・大学院に進学することを希望するこどもたちに、それに相応しいだけの能力をつけられないのは、教育の敗北だと思います。

また、社会人が大学や大学院に戻るか、これらに入れなかった人たちが教育を新たに受けるという投資もありだと思います。これは、今の日本ではなかなか考えられませんが、推進されてしかるべき施策だと思います。このようなことを実現するためには、抜本的な教育改革が必要になるでしょう。

そうして、教育投資は少子化対策投資と同じく「未来への人的投資」として考え、国債を財源とするのが最も適切でしょう。無論、これは一般予算に組み入れるべきですが、それで財源が足りないというのなら、国債を発行すべきでしょう。

それでは国の借金が増えて大変なことになると考える人もいるかもしれませんが、教育投資は費用でなく投資なのです、無論すぐに回収できるわけではありませんが、教育投資で育ったこどもや若者たちが、優れた働き手となって、お金をどんどん稼いでくれて、それが税収となって政府に戻ってくるのです。

すぐれた教育を受けた人たちが、いままでには思いつかなかったような少子化対策を考えて、これを克服してくれるかもしれません。教育投資は本来そのような夢のある投資なのです。夢や理想ではないのです。現実に国富を生み出す原動力となるのです。近視眼的な役人にそのようなことは理解できないかもしれませんが、まともな政治家なら、これを理解できるばずです。これを実現する戦略を考え、役人を使いこなし、是非これをすすめていただきたいものです。

【関連記事】

岸田政権の「少子化対策」は成功するのか さすがにまずい保険料上乗せ、国債を財源とするのが筋 扶養控除見直しは政策効果を損なう―【私の論評】新たな未来を築き、ハイリターンが期待される「子ども」や「若者」対する投資は、国債を用いるべき(゚д゚)!

少子化財源、社保料引き上げ軸 衆院選見据え「増税」慎重―政府・与党―【私の論評】子どもや若者の未来を明るく希望の持てる輝けるものにするため、岸田首相は正しい選択をし長期政権を築け(゚д゚)!


自民・小泉進次郎衆院議員ら「こども保険」創設で幼児教育無償化の財源確保提言 「教育国債」は「未来へのつけ回し」と批判―【私の論評】麻生財務大臣と小泉進次郎氏は財務省の使い捨て人材(゚д゚)!

2024年2月14日水曜日

【独自】食用コオロギの会社が破産…その真相とは 経済ジャーナリストが分析「SDGsというきれい事だけではビジネスはできない。ベンチャー投資ブームが終わった」―【私の論評】SDGsに煽られて、身を誤ったり、時間を無駄にすべきではない理由

【独自】食用コオロギの会社が破産…その真相とは 経済ジャーナリストが分析「SDGsというきれい事だけではビジネスはできない。ベンチャー投資ブームが終わった」

まとめ
  • 長野県のクリケットファームが3年で倒産
  • 食糧危機解決を訴えながら、需要見込み過大だった
  • コオロギ食はSDGsの観点から注目されたが、実需少なく時期尚早
  • 内田氏はビジネスモデル未成熟と分析、イノベーション志向は評価

クリケットファームのウェブのトップページ

 長野県茅野市に工場を構える食用コオロギ会社のクリケットファームが、設立からわずか3年で倒産手続きを開始した。同社は世界的な食糧危機を訴え、コオロギを食用とすることで動物性タンパク質の新たな選択肢を提案する使命を掲げていた。 

 同社のコオロギパウダー入り製品は茅野市や岡谷市のふるさと納税の返礼品に採用され注目を集め、テレビ番組でも取り上げられるなど期待が高まっていた。しかし、2023年12月の家賃未払いをきっかけに2024年1月に倒産。親会社を含めた負債総額は2億4290万円に上った。

 コオロギ食への需要は限定的で、形状への嫌悪感も根強く、地域住民からは「まだ時期尚早」との冷めた見方も出ている。コオロギ食はSDGsの観点で注目されたが、実際にはビジネスとしてまだ未成熟な部分が多かった。

 経済ジャーナリストの内田氏は、クリケットファームのケースは「SDGsのきれいごとだけでは実現困難な部分があった」「ベンチャー投資環境の変化」の2点が重なった事例と分析。イノベーションへのチャレンジは評価するものの、需要予測の甘さとビジネスモデルの未成熟が倒産の原因と見ている。

 コオロギ食への注目度は海外に比べて低く、味覚的心理的ハードルは予想以上に高いことが裏付けられた形だ。食の分野でイノベーションを起こすには、単なる理念だけでなく、世の中の受け入れ態勢を見極める必要性が示唆された事例だと言えそうだ。

 この記事は元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】SDGsに煽られて、身を誤ったり、時間を無駄にすべきではない理由

まとめ
  • コオロギの大量生産には大規模な施設と設備が必要で、コスト面での困難が予想される
  • コオロギの個体サイズが小さいため、大量飼育には膨大なスペースが必要となる
  • 食料危機対策としては、まず食品ロスの削減が先決課題であるべきであり、海洋資源の利用は、鯨や魚介類の海洋牧場での養殖などによって有望
  • コオロギ食の先進国主導の急速な推進は、発展途上国の事情への配慮が不足している
  • 食品ロスは日本を含めてアジアは少なく、SDGsに惑わされることなく、日本の状況に合った食料対策を考えるべき
このようなことになるのは、当初から十分予想されたものでした。これについては、以前このフログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
コオロギ粉末を使用したパンを発売 「コオロギ食べない連合」がSNSトレンド入り―【私の論評】日本では食品ロス対策、鯨等も含む海洋資源の有効利用を優先すべき(゚д゚)!

ブログ管理人が大学の施設で継代飼育した沖縄の星コオロギ 背中に特有の斑点がある(赤線点内)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の【私の論評】の部分の要約を以下に掲載します。

私が大学生の時にコオロギの研究用試料としてのコオロギの飼育経験がある。その立場から最近注目されているコオロギを食用とすることについて、技術的にも経済的にも課題が多いことを指摘した。

コオロギを実験用の飼料として飼育するのではなく、産業ベースで大量に飼育・生産するためには、大規模な施設と設備が必要となり、コストがかかりすぎる。コオロギの個体のサイズが小さいことが課題で、単純計算では牛1頭分のコオロギを生産するだけでも体育館程度のスペースが必要と指摘した。

食料危機解決にはまずは近年問題視されている食品ロスの削減が優先されるべきであると指摘した。また、海洋資源の利用可能性にも言及し、鯨や魚介類の海洋牧場での養殖が期待できるとした。

加えて、コオロギ食の急速な普及が先進国主導で進められており、発展途上国の事情への配慮が欠けていると批判。拙速過ぎる展開はかえって食料事情を悪化させかねないと指摘した。

コオロギ食の技術的困難さ、経済的非効率性、推進のあり方の問題点を多角的に指摘した。

詳細は、この記事を参照していただくものとして、コオロギの1個体が少なくとも、豚くらいのサイズがあれば、産業ベースにのせられるでしょうが、最初から無理な話だったのです。

シラスやシラウオなどの個体の小さなものでも、市場に流通していますが、それを主食とか、主要なタンパク源にするわけではなく、珍味等として昔から愛好されているから事業として成り立つのですが、コオロギは違います。コオロギのような身近な昆虫が珍味等になりえるものであれば、SDGsなどとは無関係にとうに流通していたはずです。どう考えても事業としては成り立つものではなかったのです。

シラス(左)とシラウオ(右)

クリケットファームの従業員は何と一人です。先程、述べたように私は学生の頃、コオロギの継代飼育をしていたと述べましたが、大学生と院生の二人で行っていました。実験などの片手間で、一週間に一回餌や水を供給し清掃するだけで、手間はさほどかかりませんでした。温度・湿度は一年中一定に保っていました。専任の飼育係がいれば、飼育は十分にできると思います。

すべて一人で賄ってきたからこそ、今まで操業してこられたのでしょうが、一人で操業してですら、継続できなくなったというのですから、やはりコオロギ事業は、全く成り立たないものなのでしょう。

大手でも参入している企業もありますが、これは本業があって、片手間に実施するから成り立っているのであり、これそのものが事業として成り立っているところはないでしょう。

皆さんもSDGsなる言葉に煽られるのはやめましょう。食品ロスも日本を含むアジアは少ないです、多いのは特に米国です。これに煽られて日本国内で一生懸命になって、なにかをしようとして、無駄な失敗をするべきではありません。まともなビジネス感覚を持って、まともなビジネスをすべきです。

日本では、SDGsの関連法もありますが、罰則はありません。罰則のない法律は、ほとんど意味がありません。SDGsは当たり前のことなので、誰も反対できないです、誰も反対しないことは法律にもしやすいです。

滑稽な意識高い系の人 AI生成画像

SDGsなど日本では元々「もったいない」という言葉があるほどで、結局日本では、資源を大切にすることは、SDGs以前からいわれてきた当たり前ことです。にもかかわらず、SDGsを日本国内声高に叫ぶ人は、訓垂れたい人の格好つけとしか私には見えません。

意識高い系(本当に意識の高い人ではなく、意識が高いとみせかける人こと)の人の戯言にしかみえません。あるいは、SDGsにかこつけて金儲けをしたいとしかみえません。SGDsの理念そのものは、当たり前過ぎるほど当たり前であり、その理念は美しく格調高く表現されており、これには誰も反対できません。訓たれて気持ち良くなるだけなら、無害だと思います。

しかし、これは様々な人たちに悪用されやすく、それこそ公金チューチューにも利用しやすいということで、たちが悪いと思います。

【関連記事】

コオロギ粉末を使用したパンを発売 「コオロギ食べない連合」がSNSトレンド入り―【私の論評】日本では食品ロス対策、鯨等も含む海洋資源の有効利用を優先すべき(゚д゚)!




2024年2月13日火曜日

「安倍イズム」継承へ保守派再結成の動き 鈴木哲夫氏「岩盤支持層がカギ」―【私の論評】政局混乱で問われる岸田政権の去就と官僚の影

「安倍イズム」継承へ保守派再結成の動き 鈴木哲夫氏「岩盤支持層がカギ」

まとめ
  • 自民党の政治資金スキャンダルで保守系議員が再結集
  • 安倍派の解散で、憲法改正実現に動く議員が出現
  • 総裁選を控え、岸田政権への批判と対抗馬の動きも
  • 保守系議員の再編が、党内グループの再編に影響
  • 安倍政権の未完の政策を引き継ぐ動きが注目される
安倍晋三氏

 自民党が「政治とカネ」の問題で大混乱するなか、保守系議員が動きを活発化させている。安倍晋三元首相が凶弾に倒れ、安倍派が派閥解散を決めたが、憲法改正や安定的な皇位継承などを重視する議員らが結集しつつある。日本を取り巻く安全保障環境が激化する中、国家観や安保戦略の希薄化は国難を加速させかねないとの危機感がある。「安倍イズム」の継承が問われている。 

 高市早苗経済産業大臣は保守団結の会で講演し、セキュリティー・クリアランス制度の重要性を訴えた。高市大臣はこの制度を特定秘密保護法を補完するものと位置づけ、安倍氏の未完の課題だと強調した。最大派閥の解散で、党内のリベラル派が力を持つ中、100人近い元安倍派議員の動向が注目される。

 ある中堅議員は、安倍派の政治不信を省みつつ、喫緊の安保や経済課題に取り組むためには保守系議員が改革を先導し、国民の信頼を回復する必要があると語った。9月の総裁選では、支持率低迷の岸田政権の去就が焦点で、地方組織からも「岸田の顔では戦えない」との声が上がり、対抗馬の動きもある。

 このような中、保守団結の会は勉強会を継続的に開く方針だが、保守派再結集の動きともされる。また青山繁晴氏らが「政治変革会議」を立ち上げ、次期総裁選への動きを見せている。鈴木哲夫氏は、岸田の派閥解消は再編を意味し、保守系議員の再編も重要と指摘する。安倍政権の未完の政策を引き継ぐ動きが、党内のグループ再編に影響を与えると見られている。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になっ下さい。

【私の論評】政局混乱で問われる岸田政権の去就と官僚の影

まとめ
  • 検察が今回の自民党派閥事件で、大物逮捕を示唆する情報リークを行った。過去の事件でも同様のリークがあり、立件が困難な今回の事件では検察の政治介入の可能性がある。
  • 次の総裁選で岸田政権が続投できなければ、時の政権が検察に負けたことになり、検察の更なる政治介入の端緒となる恐れがある。岸田政権の続投が重要。
  • 財務省は減税を主張する岸田政権を快く思っておらず、検察の捜査と連携し政局介入を狙っている可能性が危惧される。
  • 政権を安定化させるには、次の総裁選で岸田政権を続投させる必要がある。野党も建設的な批判をすべき。
  • 現在の混乱した政局での政権交代は、官僚主導のさらなる強化を招きかねない。岸田政権を一定期間継続させた上での交代が望ましい。
先日もこのブログで指摘したように、今回の自民党派閥パーティー券事件で、検察が大物政治家の逮捕を示唆するようなリークを行い、マスコミで大々的に報じられました。

東京佐川急便事件でも、大物議員秘書の逮捕直前に氏名が報道されるなど、検察からの情報リークが指摘されました。

別の汚職事件でも、逮捕前からマスコミが「汚職議員」などと報じるケースがしばしば見受けられました。

今回の事件は、過去の大規模汚職事件ほど悪質ではなく、立件自体が困難だったことは当初から多くの識者に指摘されており、これは、検察が大物逮捕を示唆する情報を流し、事実上の政治介入を行った可能性があります。

東京地方検察庁特別捜査部が設置されている 九段合同庁舎

これを前提とした上で、次の総裁選で、岸田首相が出馬できない、あるいは出馬しても続投できない状況になるのは望ましくないと考えられます。なぜなら、それは自民党政権が東京地検特捜部に負けたことを意味するからです。そうなれば、これからも東京地検が政治に介入する端緒を与えてしまうことになりかねません。

さらに、財務省が今回の政局にどれだけ関与しているかは、不明ですが、減税を言い出した、岸田首相のことを快く思っていなかったのではないかとみられます。

東京地検の政治資金規正法に関連する捜査は、財務省にとって望ましいものだったのではないでしょうか。特に、安倍派幹部が自民党内のポストから外されたことは、財務官僚には歓迎された可能性があります。

今回の政局では、増税に反対する安倍派潰しに財務省が関与していたかどうかは定かではありませんが、政局が波乱含みとなったことに乗じ、財務省が最後にラスボスとして登場し、様々な増税策を打ち出そうとするかもしれません。

財務省と検察は定期的に交流しており、これを活用して連携し、自分たちに都合の良いように政治を操作する可能性が危惧されます。

これを防ぐためには、まず自民党内では次の選挙で岸田政権では勝てないという風潮がありますが、これを払拭し、次の総裁選で岸田首相を続投させる方向で結束するべきです。そうして政権運営を安定化させるべきです。

野党も、官僚機構の尻馬にのるような真似は避け、国民の視点に立って、自民党を批判するべきです。野党が、自分たちにも脅威となり得る検察のリークを批判しないことには大いに疑問を感じます。

これによって、官僚機構やその支援者、政権を崩壊させることを狙うマスコミへの牽制をすることにより、まずは政権を安定させるべきです。そうして、少なくとも、もう一期程度は、岸田政権を存続させるべきです。岸田政権が継続できれば、官僚主導ではなく政治主導の政治が行われているとみなすことができるでしょう。

岸田首相

安定した岸田政権下で、自民党議員は支持率低下の原因を考え対策をすべきです。野党も同様に、なぜ支持されないのかを考え、対策をすべきです。そうして、上の記事にもある「安倍イズム」を真摯に見直すべきでしょう。そうして、安倍政権がなぜ憲政史上最長の政権になったのかも、真摯に見直すべきです。

岸田政権崩壊を目指せば、事態はますます悪化するだけです。まず政権を安定化し、官僚機構の影響を排除した上で、次の展開を考えるべきです。

私は、その後に高市氏総理大臣誕生もあり得ると思いますが、政局が混乱したままの政権交代は誰が総理大臣になったとしても機能しない可能性が大きいです。

だからといって、岸田首相のいうことはすべて正しいとか、是認せよとかなどというつもりは毛頭ありません。私は、個人的には岸田氏は好きではありません。ただ、現在は岸田政権の崩壊によって、官僚主導の政治が台頭する危険性があることを多くの人々に認識して頂きたいのです。

自民党の議員、野党議員、国民も是々非々で批判すべきところは、批判すべきです。その上で、官僚主導の政治は絶対に廃するべきであり、その意思を貫くべきです。

選挙で選ばれてもいない官僚が政治を強力に主導すれば、いわゆる派閥政治や世襲政治の弊害どころではありません。それこそ、実質的に共産主義になってしまいかねません。この脅威に気づくべきです。

共産主義政権下で苦しむ人々 AI生成画像

岸田政権が一定期間存続してから政権交代する方が、官僚支配を避けられることになるでしょう。そうして、それと同時に国民の民意が尊重されるべきことはいうまでもありません。それを自民党の議員等は強く認識すべきです。短絡的な思考は、自滅を招くだけでなく、日本の政治風土をさらに悪化させることになります。

現在の混乱した政局での政権交代は、官僚主導のさらなる強化を招きかねず、当面は岸田政権を維持すべきです。

【関連記事】

「巨悪に挑む正義のヒーロー」と思ってはいけない…日本の特捜検察が冤罪を生んでしまうワケ―【私の論評】汚職事件との違いが際立つ自民党派閥パーティー券事件の本質

令和5年実質賃金、2年連続減 物価高、2・5%マイナス 給与増も追い付かず―【私の論評】岸田首相は、官僚機構と闘う政治家に変貌し続投すべき

派閥解散で浮上する衆院解散・総選挙、続投を目指して消費税減税の可能性も―【私の論評】岸田首相、「派閥解散で財務省の圧力封じ」と「消費税減税で国民の支持回復」を目論んだか

森永卓郎氏 岸田首相が小学生に説いた権力論をチクリ「見栄っ張り」「プライド捨てボケろ」―【私の論評】政治家はなぜ卑小みえるのか?民間企業にはみられるガバナンスの欠如がその真の原因

「岸田さんに今辞めてもらっては困る」━━“バラバラ野党”が与党を追い詰める? 戦略と“意外な落とし穴”に迫る―【私の論評】岸田政権の現時点での崩壊は、国益の損失に(゚д゚)!

「河村たかし前市長の政策と理念を引き継ぐ」名古屋市長選で広沢一郎が当選 自・立・国・公推薦の大塚耕平さんら破る―【私の論評】名古屋市長選の勝因と敗因:広沢氏の戦略とメディアの責任を問う

「河村たかし前市長の政策と理念を引き継ぐ」名古屋市長選で広沢一郎が当選 自・立・国・公推薦の大塚耕平さんら破る  河村市政15年の評価などが争点となった名古屋市長選挙が11月24日、行われ、新人で元副市長の広沢一郎さんが当選を果たしました。 【動画で見る】「河村たかし前市長の政...