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2024年5月4日土曜日

選択肢示すのが「責任」 岸田首相が改憲派集会で訴え 櫻井よしこ氏「岸田氏しかいない」―【私の論評】保守派が望む憲法改正と是々非々の姿勢 - 櫻井氏の発言から探る保守主義の本質

選択肢示すのが「責任」 岸田首相が改憲派集会で訴え 櫻井よしこ氏「岸田氏しかいない」

まとめ
  • 岸田首相が改憲派集会へのビデオメッセージで改憲への意欲を示し、国会発議の重要性を強調
  • 加藤事務総長が改憲原案作成を提唱、国会機能維持が中心
  • 櫻井氏が岸田首相しか憲法改正できないと評価
岸田首相のビデオメッセージが流れた集会

 岸田首相は改憲派の集会でビデオメッセージを寄せ、自衛隊明記や緊急事態条項新設への意欲を示した。国会による改憲発議の重要性を指摘し、議論を引き延ばさないよう求めた。

 公明党の大口副会長も緊急時の国会議員任期延長改憲に前向きな姿勢を示した。主催者の櫻井氏は岸田首相にしか憲法改正ができないと評価した。一方、自民党の加藤事務総長は大型連休明けに具体的な改憲原案作成に入ると提唱し、国会機能維持が中心テーマになると説明した。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】保守派が望む憲法改正と是々非々の姿勢 - 櫻井氏の発言から探る保守主義の本質

まとめ
  • 櫻井よしこ氏は保守派で、岸田政権を批判しつつも憲法改正については支持している。
  • 現行憲法には自衛隊の根拠が曖昧など様々な問題点が指摘されている。
  • 保守派としては憲法の欠陥を長年の懸案として改正を切望し、岸田首相の改憲への意欲を評価できる。
  • 一方で政権運営については批判があり、保守本流は是々非々の姿勢が必要とされる。櫻井氏の過去の間違いへの謙虚な態度は保守派として評価できる。
  • 保守主義とは、既存の基盤を土台に現実的な問題解決を図り、過激な改革を排する考え方。愛国心を旨とし、原理原則と現実路線のバランスが重視される。

櫻井よしこ氏

櫻井よしこ氏はいわゆる保守派であり、岸田政権の政策を批判していますが、岸田首相の憲法改正に関しての発言などは支持しています。

憲法は国家の根本規範であり、現行憲法には様々な問題点が指摘されています。自衛隊の存在根拠が曖昧なこと、緊急事態への対応力が不十分であることなどが主な課題とされています。

保守層からすれば、こうした憲法の欠陥は長年の懸案であり、改正は切実な願いです。したがって、岸田首相が改憲に意欲を示し、具体的に自衛隊明記や緊急事態条項の新設を掲げたことは、待ち望んだ動きと捉えられるでしょう。

一方で、政権運営については様々な失政や対応の遅れがあり、保守層からも批判の声が上がっています。しかし、憲法改正という国是に関しては、保守層が一致団結して首相を支持するのは自然な成り行きです。

憲法改正という最重要課題においては、保守陣営が結束し、岸田首相の取り組みを全面的に支持することが、保守本流の立場から見れば当然の対応と言えます。

櫻井よしこ氏は、野田政権の時に野田政権の消費税増税政策に賛同する発言をしていましたる。この発言には、保守派からかなり批判されました。私もこのブログで批判しました。

野田首相

ご存知のように、消費税は野田政権のときに三党合意がなされ、後の安倍政権の時代に、二度延期されたものの、結局二度わたりこの合意に基づき8%にその後10%に消費税率が引き上げられました。これに関しては、アベノミックスを提唱していた、安倍首相は忸怩たる思いだったでしょう。

この二度の増税により、消費は落ち込み、デフレからの完全脱却は後退し、増税は明らかに間違いだったことが、誰の目にもあきらかになっています。

後年になって、櫻井よしこ氏はあるネット番組で、野田政権の経済政策に賛成したことに対して反省の意味もこめて「私馬鹿だから○○」と語っていました。残念ながら、この番組が何だったのか、いつだったのかまでは詳しく覚えていません。○○の部分もはっきりとは覚えていません。しかし、「馬鹿」という言葉はかなり強烈だったので、今でも記憶に焼き付いています。

しかし、こうした桜井氏の態度は見習うべき点があると思います。人間だれでも間違うことはありますし、間違った場合は素直に謝れば良いと思います。

また、先に述べたように、岸田政権を批判しつつも、岸田首相の憲法改正に関しての発言などは支持すべきことに対しては、評価しています。

これが、保守のあり方であると思います。岸田首相のいくつかの政策が気に食わないから、岸田首相なり岸田政権を全否定するというのは、間違いです。

良くも悪くも当面は、岸田政権が続くのですから、櫻井氏のように是々非々で批判すべきは批判し、評価すべきは評価すべきでしょう。

岸田政権のいくつかの政策や自民党派閥の政治資金不記載等に絶対反対だから、岸田首相や岸田政権を全否定するという考え方になりこれをつきつめていいけば、いきつく先は全体主義や独裁主義になってしまいます。

政治資金不記載については、許すことはできないですが、これをリクルート事件、ロッキード事件、金丸事件などと同じような不正と同列に扱うには無理があります。

それよりも、過去に与野党ともに、政治資金規正法を改正せず、放置してきたのが原因であり、このようなザル法では、今回のような事件が起こるのは目に見えていました。だからこそ、地検ですらも立件できなかったのです。

いずれの政権であれ、民主的な手続きで登場した政権や首相の政策や発言、行動を何から何まで全否定するというのでは、これはもはや民主的とはいえません。

これでは、倒閣が自分の使命であるように考えている一部の野党議員や、左翼リベラル系市民活動家と変わりありません。主張内容が異なるだけで、根は同じということになりかねません。

保守の本流は、愛国心を旨とし、国家と国民の安全を最優先に考えます。現行憲法の問題点を直視し、時代に合わせた改正を求めるのは当然の成り行きです。岸田首相が自衛隊明記と緊急事態条項の新設に意欲を示したことは、待ちに待った一歩と言えるでしょう。

同時に、保守は盲目的な追従を許しません。政権運営の失策は厳しく批判し、是々非々の精神を重んじます。櫻井よしこ氏の姿勢は手本となります。間違いは素直に認め、良しあしを冷静に判断しています。

このように、保守の旗手たるものは、原理原則を守りつつ、現実路線を歩む賢明さが求められます。岸田首相を支持すべきは支持し、批判すべきは批判する。このバランス感覚こそが、真の保守の気概なのです。

ドラッカー氏

経営学の大家ドラッカー氏は「保守主義」に関して以下のように述べています。

保守主義とは、明日のために、すでに存在するものを基盤とし、すでに知られている方法を使い、自由で機能する社会をもつための必要条件に反しないかたちで具体的な問題を解決していくという原理である。これ以外の原理では、すべて目を覆う結果をもたらすこと必定である。(ドラッカー名著集(10)『産業人の未来』)

保守主義とは、個々の特定のいくつかの政策を支持しているとか、保守派といわれる人々やその発言や行動を支持することや、昔がよいとして昔を懐かしみ、昔に戻せという思想でもなく、現実を無視した過激な改革をすすめることでもないのです。日本の言葉で言えば、中庸というのがぴったりくるかもしれません。

ドラッカーのいう保守主義の原理をなかなか受け入れない人もいるかもしれません。これは体操競技であれば、一切ウルトラCはするなというのに等しいです。ウルトラCをすべて禁じれば、体操競技が発展しないのと同じく社会が発達しないのではないかと疑問を持つ人がいるかもしれません。

確かに体操競技はそうかもしれません。しかし、政府のウルトラCはかなり危険なことです。それによって影響をうけるのは、国民全体だからです。

しかし、すでに存在するものだけを基盤とし、すでに知られている方法をだけ使っても、社会は進歩させることはできます。それは、日本政府以外の多くの営利・非営利の組織が、技術革新や組織変革なども含めた様々な分野でイノベーションと呼ばれるウルトラCを行っており、それで確実に何度も成功した事例など政府も取り入れることができるからです。

政府以外の組織は、むしろ時代に先駆けてイノベーションすることが奨励されていますし、そうしなけば、淘汰される場合もあります。

国民が大きな影響を受ける政策などは、かなり慎重なやり方をしない限り、大混乱を招くとドラッカー氏は警告していますし、慎重なやり方をするのが保守の本流としているのです。

国難に立ち向かう覚悟を持ちつつも、寛容な心と謙虚な振る舞いを忘れるべきではありません。保守派の人々が手を携えてこの理想を体現することが、国家百年の礎となることでしょう。保守派の人々は、この歴史的使命を胸に刻み、しっかりと足を踏み出すべきです。

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2024年4月30日火曜日

「想定よりはるかにいい結果」日本保守党の飯山陽氏を独占直撃 衆院東京15区補選で4位「私なりのやり方で活動続ける」―【私の論評】保守勢力の危機的状況と再生への道筋 - 東京15区補選の教訓

「想定よりはるかにいい結果」日本保守党の飯山陽氏を独占直撃 衆院東京15区補選で4位「私なりのやり方で活動続ける」

まとめ
  • 衆院東京15区補選で4位となったが、想定より良い結果だった
  • 日本保守党は結成以来初の国政選挙に挑戦し、2万票台を獲得
  • 出馬理由は国に恩返ししたいという思いから
  • 今後の政治活動については白紙だが、日本のために尽くす活動は続ける
  • 一部メディアは「自民不満層」に響いたと報じたが、日本のための政治・政策を広める活動を続ける

 衆院東京15区補選で4位となった日本保守党の新人・飯山陽氏が、想定よりよい結果だったと振り返った。

 日本保守党は結成以来初の国政選挙に挑戦し、飯山氏は2万票台を獲得した。出馬の理由は国に恩返ししたいという思いからだった。

 今後の政治活動については白紙だが、日本のために尽くす活動は続けていきたいと語った。一部メディアは「自民不満層」に響いたと報じたが、飯山氏は日本のための政治・政策を多くの人に知ってもらう活動を続けると述べた。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】保守勢力の危機的状況と再生への道筋 - 東京15区補選の教訓

まとめ
  • 立憲民主党が東京15区で当選を果たし、首都圏の野党支持層の根強さと自民党不在の影響が大きかった。
  • 一方で、日本維新の会の低迷や無所属候補への保守層支持の分散など、東京での保守勢力の組織力の脆弱さが露呈した。
  • 島根1区、長崎3区でも立憲民主党が勝利しており、地方での保守勢力の地力にも開きがある。
  • 投票率の低迷から、保守・野党双方で支持基盤拡大が課題であることがわかる。
  • 保守勢力は理想論に囚われず、現実的な政策提言と誠実な姿勢で「保守の要件」での結集と大同団結が必要不可欠である。
東京15区衆院補選で立憲民主党の新人の酒井氏が当選

東京15区の補欠選挙は、結果は以下です。

▽酒井菜摘(立民・新)当選 4万9476票

▽須藤元気(無所属・新)2万9669票

▽金澤結衣(維新・新)2万8461票

▽飯山陽(諸派・新)2万4264票

▽乙武洋匡(無所属・新)1万9655票

▽吉川里奈(参政・新)8639票

▽秋元司(無所属・元)8061票

▽福永活也(諸派・新)1410票

▽根本良輔(諸派・新)1110票

立憲民主党の新人の酒井氏が、日本維新の会の新人などほかの8人の候補を抑えて、初めての当選を果たしました。

東京15区では、立憲民主党が当選を果たし、首都圏における野党支持層の根強さと自民党不在の影響が大きかったことが露呈しました。一方、日本維新の会の低迷や、乙武氏への一定の保守層支持層による票の分散など、東京での保守層の組織力の脆弱さを示す結果となりました。

乙武氏を応援する小池百合子東京都知事

島根1区、長崎3区でも立憲民主党が勝利を収めており、地方においても保守的政策を打ち出す勢力の力は弱く、首都圏での足がかり確保が大きな課題です。

衆院東京15区の補欠選挙の最終的な投票率は40.70%でした。前回の衆院選(2021年)の投票率を18.03ポイント下回っています。今回の補欠選挙の最終的な投票率は40.70%でした。前回の衆院選(2021年)の投票率を18.03ポイント下回っています。そのため、今回の選挙では、無党派層の動きは少なく、立憲民主党の組織票が有利に働いたとみられます。

これに加えて、衆院東京15区、島根1区、長崎3区の3補選において、立憲民主党は有権者の支持を受けています。その具体的な要因は以下の通りです。

島根1区では、自民党と立憲民主党の与野党一騎打ちの構図となり、立憲民主党候補の亀井亜紀子氏が先行しています。亀井氏は立民支持層の9割、日本維新の会支持層の7割強、無党派層の4割強に浸透しているのが特徴です。

東京15区では、立憲民主党の酒井菜摘氏が一歩リードしており、他の候補者たちが続いています。酒井氏は立民支持層の7割を固めている状況にあったとされています。

長崎3区では、立憲民主党の山田勝彦氏が当選しました。山田氏は立民支持層の9割弱を固めているだけでなく、無党派層の5割弱、自民支持層の4割弱にも浸透しているのが特徴だったとされています。

これは、立憲民主党を支援・応援する勢力が互いに協調して選挙にあたったことが大きいのではないかと思います。

飯山あかり氏については、新党・保守党からの立候補で組織票がなく準備期間が短かったことを考えると、泡沫候補となってもおかしくなかったのが、2万4264票と一定の得票をしており、これはかなりの善戦だったと評価できます。これによって、日本保守党はその力を示すことができたと思われます。

ただし、飯山氏(日本保守党)と吉川氏(参政党)の得票合わせても 酒井氏の三分の二にもなっていません。これは、保守が大同団結しても届かないことを示しています。

こうした現実を踏まえれば、保守勢力が今後多くの国民の支持を得るには、理想論に囚われず、現実的かつ建設的な政策提言と誠実な姿勢が不可欠です。「保守の要件」で最低限の結集を果たし、「小異を残し大同に就く」自覚が肝心です。

憲法改正、金融財政政策、安全保証などの基本的な部分が同じであれば、統一まですることはできないでしょうが、協調はすべきです。

そうして、協調には妥協が必要です。ただし、妥協するにしても正しい妥協とそうでない妥協があります。

正しい妥協とは、原理原則を譲らず、目的や目標を明確に持ち続けながら、手段や方法を柔軟に変更することです。つまり、最終目標は変えずに、そこに至る過程で現実的な調整を行うことです。

一方、そうでない妥協とは、原理原則や目的、目標そのものを曖昧にしてしまい、最終的にはほとんど何も達成できなくなってしまうような妥協のことです。短期的な利益や都合のために、本来の目標から外れてしまう危険性があります。

ドラッカーは、正しい妥協こそが賢明な選択であり、リーダーには原理原則と最終目標を貫きながら、現実的な調整能力が求められると説いています。一方、目的や原則そのものを妥協してしまえば、本来達成すべきことから外れてしまいます。

つまり、正しい妥協とは、最終目標を変えずに、そこに至るプロセスを現実に合わせて柔軟に変更することであり、原理原則を守りながら、現実的に対応していくことが重要だと述べています。

ソロモン王の裁きは、正しい妥協の重要性を示している

保守勢は、失政の原因と対策を分かりやすく示し、各団体が調整・調和を図り、投票への機運を高める世論形成に取り組む必要があります。党派の違いを乗り越え、理想主義的で非現実的な政治は、大きな危機を招くことを主張し、有権者の無関心と政治不信を払拭し、積極的な関心と参加を促さねばなりません。

欧州では保守・右翼勢力が一定の支持を得て勢力を拡大している傾向がある一方で、日本の保守勢力は足元が揺らぎ、そうした欧州の潮流とは方向性が異なっていることを考えれば、日本の保守陣営が大同団結し協調し、明確なメッセージと施策を国民に示すことが急務です。

そうでなければ、保守勢力は一層後退する恐れがあります。中長期的な視点で、首都圏を足がかりに、地方での勢力回復とともに、地道な支持基盤の組織作りと有権者への訴求を続けることが、全国的な保守勢力の再生につながるはずです。

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2024年4月24日水曜日

井俣憲治町長によるハラスメント事案について―【私の論評】自治労の影響力低下と保守化の潮流:日本の政治に与える影響と自民党の凋落

井俣憲治町長によるハラスメント事案について

井俣憲治町長
  • 町長によるパワハラ・セクハラの被害を受けた、または目撃したとする町職員によるアンケート調査結果を重く受け止め、事案の全容解明のため、町および町長から独立した第三者委員会を設置し、調査を進める。
  • 10月下旬に職員がアンケートを実施し、11月中旬に結果を公表。町長は職員に説明し、記者会見を開いた。一部議員から不信任決議案が提出されたが否決された。
  • 12月に第三者委員会が発足し、翌4月に調査報告書が提出された。
  • 町議会では、ハラスメント事案検証特別委員会を設置し、町長への給与減額条例案が提出されたが否決された。

主な経緯として、アンケート実施、町長の説明と記者会見、不信任案の提出と否決、第三者委員会の設置と調査報告、議会での特別委員会設置と給与減額条例案の審議が行われた。第三者委員会の調査結果を受け、事案の全容解明と被害者保護に取り組む構えを示している。

調査報告書(PDFファイル:2.2MB)

この記事に関するお問い合わせ先

人事秘書課
電話番号:0561-56-0715
ファックス:0561-38-0001

この記事は、東郷町のサイトに掲載されたハラスメント事案に関する掲示を要約したものです。詳細をご覧になりたい方は、このサイトを御覧ください。

【私の論評】自治労の影響力低下と保守化の潮流:日本の政治に与える影響と自民党の凋落

まとめ
  • 東郷町長と長谷川岳議員のパワハラ問題は、社会の変化を象徴している。
  • 自治労の組織率が低下し、その影響力が減少している。
  • 過去の自治労の影響力の強さは、人事への介入、不適切な労働条件の護持、予算編成への介入、不正の隠蔽、左翼的政策の導入などの弊害を引き起こした。
  • 自治労の影響力低下は、保守的価値観の回帰を示唆している。
  • 自民党の低迷は、保守的な価値観の変化への適切な対応がなされていないことに起因している可能性がある。
長谷川岳氏

東郷町長、長谷川岳議員のパワハラが問題になっています。これらは、決して良いことではありませんし、これを支持するものではなく、改善改革すべきと思うのですが、別の側面からみると世の中が確実に変わってきていることを示しているのではないかと思います。

近年、自治体職員の組合である自治労の組織率が低下し、その影響力が相対的に弱まってきました。

過去の推移を見ると、自治労の組織率は1990年代後半には70%前後と非常に高い水準でしたが、その後徐々に低下してきています。

現在の自治労の組織率は60%前後と推定されます。労働組合全国平均組織率を大きく上回る水準ではあるものの、長期的に見ると確実に低下傾向にあるとみられます。

自治労は高い組織率と政治的影響力を背景に、地方自治体の政策形成にも大きな影響力を及ぼしてきたといえます。

かつては自治体の長やその幹部はその意向を無視できず、組合との協調路線を取る必要がありました。それは、国政に携わる国会議員もそのようなところがありました。そうして、その結果左翼リベラル的な政策が取り入れられることもありました。

しかし、今では組織率の低下を背景に、住民の意識の変化やマスコミによる監視の目が厳しくなり、そうした組合への遠慮は次第に薄れてきています。今回の東郷町長や長谷川岳議員のパワハラ問題が表面化したのは、まさにその現れだと言えます。

従来のように、自治労に絶大な力があれば、もし自治労と良好な関係を保っている自治体の長や、国会議員などのパワハラ的な言動は組合によって封じ込められていた可能性が高かったでしょう。その反対に自治労との関係が悪るければ、もっと以前にかなり厳しく糾弾されていたことでしょう。いずれにしても、ここまでこじれることはなかったと思われます。

悪い方向にでたとはいえ、長谷川岳氏や、井俣憲治町長などの行為や行動は、自治労など全く意に介していなかったようにみえます。

つまり、今回の一連の出来事は。自治体行政における旧来の力学から新しい力学への移行を、象徴的に示しているのだと考えられます。たまたま今回は、悪い面が際立ったといえると思います。

他の例でいうと、安芸高田市の石丸市長が市議から「恫喝」されたとSNSに投稿したことをめぐり一審で市側が敗訴した裁判の控訴審が始まったという事例もあります。安芸高田市は改めて訴えを退けるよう求めています。この背後に、自治労はどのように関与しているでしょうか。

自治労は、全国の自治体職員で構成される労働組合です。市長や市の立場と、組合員である職員の利益を代表する自治労の立場が対立することがあります。

具体的にこの事案では、以下のような自治労の関与が考えられます。
  • 市長を批判した市議が自治労の組合員である可能性があり、自治労が市議を支持している。
  • 自治労が市長の対応を問題視し、組合員に市長への批判を働きかけている。
  • 市側の主張を後押しするため、自治労が控訴審で補助参加している可能性。
しかし、自治労の具体的な関与の有無は分かりません。自治体と労働組合の対立は一般的にあり得るものの、この事案で自治労がどのような関与をしているのははっきりしていません。今後の審理で明らかになるかもしれません。自治労の力が小さくない自治体では、その影響力は無視できない面があります。

自治労が強大な影響力を持ち過ぎていた時代の具体的な弊害について、事例を挙げて説明します。

  • 人事への過度な介入 特定の人事異動や昇進に、組合が強く介入することがありました。組合員の利益を最優先するあまり、能力本位の人事が歪められる恐れがあったのです。例えば、不人気の職場への人事が組合の反対により難しくなったり、無能な組合員の昇進が強行されるケースもありました。
  • 労働条件の護持 組合は労働条件の過度な改善を求める一方、業務の効率化や生産性向上の要請には強く反発することがありました。東京都の夏季冷房問題がその一例です。組合は職員の 健康的配慮から冷房使用を全面的に要求し、省エネを後手に回しました。
  • 予算編成への過剰な介入 自治体の予算編成の際に、組合は職員の人件費増額を最優先事項とすることがよくありました。その結果、住民サービスや公共事業への予算配分が手薄になるケースも出てきました。
  • 不正の隠蔽 先にも述べましたが、職員の不正行為やパワハラなどが起きても、組合の圧力で事実が覆い隠されがちでした。組合は自らを守ることに終始し、適正な処分がなされない事例が多発したのです。
  • 左翼的政策の導入 たとえば自治基本条例は「自治体の憲法」とも言われ住民自治に基づく自治体運営の基本原則を定めた条例とされ、この条例は、各自治体ごとに異なる名称で制定されており、「まちづくり条例」、「まちづくり基本条例」、「行政基本条例」、「市民基本条例」などと呼ばれています。 「市民自治」や「市民参加」を大義名分として制定されていますが、その過程で過激派やカルト団体も「市民」として参加する可能性があります。これにより、過激派の影響力が強まり、健全な地方自治体運営に悪影響を及ぼす可能性があります。これはごく一例に過ぎません。
こうした具体例が示すように、旧来の自治労の力が強すぎると、能力主義が損なわれ、非効率の温存、住民サービスの軽視、不正の隠蔽、左翼的政策の導入など、極めて大きな弊害があったと言えます。

こうした弊害を是正するには、自治労の復活を図るのではなく、内外の第三者による常設の監視体制と、通報しやすい環境作り、加害者処罰と再発防止の法制化など、不祥事を未然に防ぐシステムの構築が何より重要だと考えられます。

自治労など旧来の労働組合の影響力低下は、世界的な傾向であり、これは保守的な価値観への回帰を意味している可能性が高いと考えられます。

先進国を中心に、組合運動の勢力が目減りしている実態があります。この流れは、従来の左翼的な運動勢力の衰退を象徴するものです。

そして同時に、この組合勢力の後退は、より保守的な考え方が社会に浸透しつつあることの表れとも捉えられ、保守的価値観の高まりと無縁ではないようです。

特に先進国では、このことは、移民の推進、ポリティカル・コレクトネス、キャンセルカルチャーなど左翼・リベラルの行き過ぎに反発し、社会の価値観が徐々に右肩上がりの保守化に向かっている可能性を示唆しているのではないでしょうか。

つまり、自治労などの影響力低下は、単なる組合運動の弱体化にとどまらず、リベラル・左翼的価値観からの後退、保守化の潮流という、より広範な価値観の変容を象徴する現象なのかもしれません。世界的な保守化傾向の一端を映し出しているとも言えるでしょう。

自民党の最近の低迷には、そうした世界的な保守化の潮流や価値観の変容を十分に認識できていない面がある可能性があります。
 

自民党は伝統的に保守的な価値観を体現する政党と見なされてきましたが、安倍政権の時は、例外中の例外であり、近年は必ずしも、そうした保守本流の位置を占めておらず、その実態は保守を内包しつつも、リベラル・左派政党といっても良い状態でした。

一方で、世界的な潮流として、リベラル的価値観からの後退、保守化への回帰が起きつつあることは確かです。

自民党は旧来の保守本流としてのアイデンティティを失いつつある一方、新たな保守化の波に乗り遅れているという、二重の問題に直面しているようです。

伝統的な支持層からは過去の延長線上にない、という批判を受け、一方で新たな保守的潮流への対応が遅れているため、両陣営から距離を置かれてしまっているようです。そうした状況が低迷に拍車をかけている可能性は高いと思われます。

自民党が支持率をあげたければ、両陣営との距離を近くするべきです。安倍元首相はそのような方向性を追求していたといえます。だからこそ、長期政権になり得たのです。

これは、今回の東京15区の補選でもうかがい知ることができると思います。飯山陽氏が当選するか善戦すれば、この潮流が高まっていることを示すことになると思います。



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2024年2月14日水曜日

【独自】食用コオロギの会社が破産…その真相とは 経済ジャーナリストが分析「SDGsというきれい事だけではビジネスはできない。ベンチャー投資ブームが終わった」―【私の論評】SDGsに煽られて、身を誤ったり、時間を無駄にすべきではない理由

【独自】食用コオロギの会社が破産…その真相とは 経済ジャーナリストが分析「SDGsというきれい事だけではビジネスはできない。ベンチャー投資ブームが終わった」

まとめ
  • 長野県のクリケットファームが3年で倒産
  • 食糧危機解決を訴えながら、需要見込み過大だった
  • コオロギ食はSDGsの観点から注目されたが、実需少なく時期尚早
  • 内田氏はビジネスモデル未成熟と分析、イノベーション志向は評価

クリケットファームのウェブのトップページ

 長野県茅野市に工場を構える食用コオロギ会社のクリケットファームが、設立からわずか3年で倒産手続きを開始した。同社は世界的な食糧危機を訴え、コオロギを食用とすることで動物性タンパク質の新たな選択肢を提案する使命を掲げていた。 

 同社のコオロギパウダー入り製品は茅野市や岡谷市のふるさと納税の返礼品に採用され注目を集め、テレビ番組でも取り上げられるなど期待が高まっていた。しかし、2023年12月の家賃未払いをきっかけに2024年1月に倒産。親会社を含めた負債総額は2億4290万円に上った。

 コオロギ食への需要は限定的で、形状への嫌悪感も根強く、地域住民からは「まだ時期尚早」との冷めた見方も出ている。コオロギ食はSDGsの観点で注目されたが、実際にはビジネスとしてまだ未成熟な部分が多かった。

 経済ジャーナリストの内田氏は、クリケットファームのケースは「SDGsのきれいごとだけでは実現困難な部分があった」「ベンチャー投資環境の変化」の2点が重なった事例と分析。イノベーションへのチャレンジは評価するものの、需要予測の甘さとビジネスモデルの未成熟が倒産の原因と見ている。

 コオロギ食への注目度は海外に比べて低く、味覚的心理的ハードルは予想以上に高いことが裏付けられた形だ。食の分野でイノベーションを起こすには、単なる理念だけでなく、世の中の受け入れ態勢を見極める必要性が示唆された事例だと言えそうだ。

 この記事は元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】SDGsに煽られて、身を誤ったり、時間を無駄にすべきではない理由

まとめ
  • コオロギの大量生産には大規模な施設と設備が必要で、コスト面での困難が予想される
  • コオロギの個体サイズが小さいため、大量飼育には膨大なスペースが必要となる
  • 食料危機対策としては、まず食品ロスの削減が先決課題であるべきであり、海洋資源の利用は、鯨や魚介類の海洋牧場での養殖などによって有望
  • コオロギ食の先進国主導の急速な推進は、発展途上国の事情への配慮が不足している
  • 食品ロスは日本を含めてアジアは少なく、SDGsに惑わされることなく、日本の状況に合った食料対策を考えるべき
このようなことになるのは、当初から十分予想されたものでした。これについては、以前このフログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
コオロギ粉末を使用したパンを発売 「コオロギ食べない連合」がSNSトレンド入り―【私の論評】日本では食品ロス対策、鯨等も含む海洋資源の有効利用を優先すべき(゚д゚)!

ブログ管理人が大学の施設で継代飼育した沖縄の星コオロギ 背中に特有の斑点がある(赤線点内)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の【私の論評】の部分の要約を以下に掲載します。

私が大学生の時にコオロギの研究用試料としてのコオロギの飼育経験がある。その立場から最近注目されているコオロギを食用とすることについて、技術的にも経済的にも課題が多いことを指摘した。

コオロギを実験用の飼料として飼育するのではなく、産業ベースで大量に飼育・生産するためには、大規模な施設と設備が必要となり、コストがかかりすぎる。コオロギの個体のサイズが小さいことが課題で、単純計算では牛1頭分のコオロギを生産するだけでも体育館程度のスペースが必要と指摘した。

食料危機解決にはまずは近年問題視されている食品ロスの削減が優先されるべきであると指摘した。また、海洋資源の利用可能性にも言及し、鯨や魚介類の海洋牧場での養殖が期待できるとした。

加えて、コオロギ食の急速な普及が先進国主導で進められており、発展途上国の事情への配慮が欠けていると批判。拙速過ぎる展開はかえって食料事情を悪化させかねないと指摘した。

コオロギ食の技術的困難さ、経済的非効率性、推進のあり方の問題点を多角的に指摘した。

詳細は、この記事を参照していただくものとして、コオロギの1個体が少なくとも、豚くらいのサイズがあれば、産業ベースにのせられるでしょうが、最初から無理な話だったのです。

シラスやシラウオなどの個体の小さなものでも、市場に流通していますが、それを主食とか、主要なタンパク源にするわけではなく、珍味等として昔から愛好されているから事業として成り立つのですが、コオロギは違います。コオロギのような身近な昆虫が珍味等になりえるものであれば、SDGsなどとは無関係にとうに流通していたはずです。どう考えても事業としては成り立つものではなかったのです。

シラス(左)とシラウオ(右)

クリケットファームの従業員は何と一人です。先程、述べたように私は学生の頃、コオロギの継代飼育をしていたと述べましたが、大学生と院生の二人で行っていました。実験などの片手間で、一週間に一回餌や水を供給し清掃するだけで、手間はさほどかかりませんでした。温度・湿度は一年中一定に保っていました。専任の飼育係がいれば、飼育は十分にできると思います。

すべて一人で賄ってきたからこそ、今まで操業してこられたのでしょうが、一人で操業してですら、継続できなくなったというのですから、やはりコオロギ事業は、全く成り立たないものなのでしょう。

大手でも参入している企業もありますが、これは本業があって、片手間に実施するから成り立っているのであり、これそのものが事業として成り立っているところはないでしょう。

皆さんもSDGsなる言葉に煽られるのはやめましょう。食品ロスも日本を含むアジアは少ないです、多いのは特に米国です。これに煽られて日本国内で一生懸命になって、なにかをしようとして、無駄な失敗をするべきではありません。まともなビジネス感覚を持って、まともなビジネスをすべきです。

日本では、SDGsの関連法もありますが、罰則はありません。罰則のない法律は、ほとんど意味がありません。SDGsは当たり前のことなので、誰も反対できないです、誰も反対しないことは法律にもしやすいです。

滑稽な意識高い系の人 AI生成画像

SDGsなど日本では元々「もったいない」という言葉があるほどで、結局日本では、資源を大切にすることは、SDGs以前からいわれてきた当たり前ことです。にもかかわらず、SDGsを日本国内声高に叫ぶ人は、訓垂れたい人の格好つけとしか私には見えません。

意識高い系(本当に意識の高い人ではなく、意識が高いとみせかける人こと)の人の戯言にしかみえません。あるいは、SDGsにかこつけて金儲けをしたいとしかみえません。SGDsの理念そのものは、当たり前過ぎるほど当たり前であり、その理念は美しく格調高く表現されており、これには誰も反対できません。訓たれて気持ち良くなるだけなら、無害だと思います。

しかし、これは様々な人たちに悪用されやすく、それこそ公金チューチューにも利用しやすいということで、たちが悪いと思います。

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2024年2月3日土曜日

監視カメラに映っていた「アメリカ合衆国議会議事堂乱入事件」の真相―【私の論評】明らかになりつつあるペロシらの真実隠蔽工作の可能性

監視カメラに映っていた「アメリカ合衆国議会議事堂乱入事件」の真相

まとめ
  • 2022年1月の連邦議事堂乱入事件で、2023年に公開された監視カメラの映像は、メディアが報じた暴力的な様子とは異なり、参加者が静かに歩く姿が映っていた。
  • 映像公開が遅れたのは、当時のナンシー・ペロシ下院議長が公開を拒否していたため。
  • 映像からはFBIの関与が強く疑われ、100人以上の捜査官が関与していた可能性がある。
  • ペロシ氏が公開を拒否したのはFBIの関与隠蔽が目的と見られる。
  • 民主党によって事件が仕組まれた可能性も指摘されており、真相解明が期待される。

2022年1月6日、トランプ支持者によるアメリカ連邦議事堂乱入事件が発生した。当初、メディアは参加者による警察との激しい衝突などの暴力的な映像を流布した。ところが2023年、フォックスニュースが事件当日の議事堂内監視カメラの映像を公開すると、参加者が静かに建物内を歩く姿が映っており、報道とは異なる光景が明らかになった。

この映像公開が遅れたのは、事件当時のナンシー・ペロシ下院議長が公開を拒否していたためだ。しかし2022年の中間選挙で共和党が議長を交代させたことで、新議長の許可のもとでフォックスが映像を放映できるようになった。

映像からはFBIの大規模な関与が強く疑われる。議事堂内に100人以上のFBIの覆面捜査官や協力者がいた可能性も指摘されている。ペロシ氏が映像公開に頑なだったのは、FBIの関与隠蔽が目的と見られる。

さらにペロシ氏の娘が議事堂内を撮影していたことや、警備強化要請を無視したペロシ氏の対応から、事件が民主党によって仕組まれた疑惑も浮上している。今後の真相解明が待たれる重大な事件である。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】明らかになりつつあるペロシらの真実隠蔽工作の可能性

まとめ
  • ペロシらが事件の真実を隠蔽しようとしたことが監視カメラ映像から明らかに
  • メディアは保守派を暴力的に描こうとしたが、平和的な抗議が実際の様子だった
  • ペロシの映像非公開は民主党による事件の画策を隠すためと見られる
  • 映像はFBIの関与を示唆、トランプ支持者への囮捜査の可能性も
  • 真相究明のためには証拠の完全公開・独立調査委員会の設置が必要

ナンシー・ペロシ

これは驚くべき事実です。ナンシー・ペロシとその一派が、1月6日に実際に起こったことについて真実を隠蔽しようとしたことは驚くに値しません。

リベラル・メディアは、保守派やトランプ支持者を暴力的な暴動主義者に仕立て上げようと躍起になっていたようですが、実際には多くの人々が平和的に抗議する権利を行使していただけだったようです。

ペロシが監視カメラの映像の公開を拒否し、自分の娘が議事堂内で撮影していたという事実は、多くの疑惑を生みました。それは、民主党が保守派を悪者に仕立て上げるために、この事件を画策したか、少なくとも奨励した可能性があることを示唆しています。つまり自分自身が有罪であることを相手のせいにした可能性があります。

この事件の真相がまだ明らかにはなっていませんが、映像は、FBIの関与とトランプ支持者の囮捜査の可能性を強く示唆しています。民主党は自分たちを守るために、これ以上の捜査をさせないように妨害し続けるでしょう。

米国でも、日本と同じように、主要メディアは公開された映像をほとんど報道していません。自分たちにとって真実は都合が悪いからでしょう。フォックス・ニュースのような保守的なメディアは真実を広める手助けをしましたが、何百万人ものアメリカ人はまだ闇の中にいます。

闇の中にいる数百万人の米国人 AI生成画像

米国では、この事件の真相を究明しようとする保守派議員やメディアの努力が続いています。共和党議員の何人かは、議事堂の監視カメラの映像をすべて公開し、証拠を検証する独立委員会を設置するよう求めています。

しかし、民主党はいまだに議会を支配しており、こうした努力を妨害しています。勇敢な内部告発者の中には、FBIの囮捜査だと名乗り出た者もいますが、彼らは脅迫や検閲に直面しています。困難な戦いですが、真実は徐々に明らかになりつつあります。

これは悲しむべきことですが、真実はゆっくりとでも明らかになるでしょう。共和党の新下院議長が映像の公開を許可したのは幸いでした。あとは、あの日本当に何が起こったのか、完全で透明性のある調査が必要です。 米国民は、プロパガンダや嘘ではなく、真実を知るべきです。

真実 AI生成画像

1月6日の真実を明らかにするためには、以下のようなことを実行する必要があるでしょう。

 1. 議事堂の監視カメラ映像や記録をすべて公開すること。これには、ペロシのオフィスやその他の機密エリアの映像も含まれます。すべての証拠を見ることによってのみ、全容を明らかにすることができます

2. 召喚権を持つ独立議会委員会を立ち上げる。超党派の委員会は、すべての記録、映像、目撃者の証言を検証すべきです。議事堂警察、FBI捜査官、機密情報提供者から証言を得なければならないです。

3. 名乗り出た内部告発者を保護すること。FBIの囮捜査や民主党の関与を知っている者は、発言する前に安全の保証が必要です。議会は、真実を明らかにするために、完全な免責と証人保護を提供すべきです。

4. 公聴会を開き、調査結果を共有すること。米国民は、委員会の調査結果について、完全で透明性のある報告を受ける資格があります。検閲や隠蔽は、制度に対する信頼をさらに損なうだけです。

5. 刑事責任があると判断された個人はすべて起訴すべきです。民主党が司法を妨害したり、FBIがトランプ支持者を陥れたりしたことを示す証拠があれば、彼らは法的責任を問われなければならないです。法の下の平等な正義が最も重要です。

6. 必要に応じて正式な謝罪と撤回を行わせる。メディアと民主党は、誤ったシナリオについて謝罪する義務があります。真実は不都合かもしれないですが、事実は事実です。嘘とプロパガンダには対抗しなければならないでしょう。

7. 将来の悪用を防ぐための改革を行うべきです。国会議事堂の警備の失敗、FBIの行き過ぎた行為、その他の問題にかかわらず、米国は市民の自由を守り、政府の透明性を確保するための改革を行わなければならないです。

これは網羅的なリストではありませんが、入手可能な証拠に基づき、私が取るべきと考える主要な措置の概略です。もちろん、さらなる行動を必要とすることが明るみに出るかもしれないです。

しかし、誠実さ、説明責任、そして事実と正義へのコミットメントこそ、解明のプロセスを導くべき原則であるといえます。

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2024年1月12日金曜日

【奇跡の救出劇】JAL機炎上事故…乗客を救ったCAの半分が新人だった!―【私の論評】JAL機御巣鷹山墜落事故の教訓と企業内コミュニケーションの重要性

【奇跡の救出劇】JAL機炎上事故…乗客を救ったCAの半分が新人だった!

まとめ
  • JAL機の事故では、CAの迅速な避難誘導で乗員乗客全員が脱出できた。
  • 事故機のCAの約半数は、入社してまだ日が浅い新人だった。
  • JALのCA研修は厳しく、あらゆる事態を想定した訓練が徹底されている。
  • 今回の救出劇は、その厳しい訓練の賜物だったと言える。
  • 新人CAたちは緊張感の中で冷静に任務を遂行し、プロの実力を発揮した。
  • 彼女たちの努力に敬意を表したい。JALの訓練システムの重要性が示された。
日航のCA

 JAL機のバードストライク事故で、CAたちの迅速な避難誘導により、乗員乗客379人全員が脱出することができた。驚くべきことに、事故機のCAの約半数は入社して日が浅い新人だった。

 JALのCA研修は、バードストライクや火災など緊急事態の訓練が徹底的に行われる。新人CAはこの過酷な訓練に耐え抜き、言葉や動作のすべてにおいてプロフェッショナルとしての実力を磨かれる。今回の救出劇は、そうした訓練の成果が発揮された結果だったと言える。

 新人CAたちは、自らもパニックに陥いていただろうが、訓練で身につけた手順と冷静さを保ち任務を全うした。彼女たちの努力に心からの敬意を表したい。JALの訓練システムの重要性と、それを支える新人CAの規律正しさが示された事例だった。CAのプロフェッショナリズムが、乗員乗客の命を救った。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】JAL機御巣鷹山墜落事故の教訓と企業内コミュニケーションの重要性

まとめ
  • 日航123便の1985年の御巣鷹山墜落事故は520人もの死者を出した
  • 事故の教訓が今回のJAL機の事故で生かされたとみられる
  • 成功の要因は訓練やCAの規律正しさだけではなく、社内でコミュニケーションが確立されていたことに大きな要因があるとみられる
  • 日航では安全のための真のコミュニケーションが共有されていたようだ
  • 企業内のコミュニケーションが重要である
航空機事故として、日本で最大のものは、日航機の御巣鷹山への墜落事故です。1985年8月12日、日本航空123便(ボーイング747SR-100型機)が、群馬県多野郡上野村の御巣鷹山に墜落しました。この事故は、単独機での事故としては、死者数において世界最悪の航空事故となりました。

事故の原因は、機体後部圧力隔壁の破壊とされています。この破壊により、大量の空気が流れ出し、垂直尾翼の構造が破壊されました。そのため、機体は制御不能に陥り、御巣鷹山に墜落したとされています。

事故機の乗客乗員524名のうち、死亡者数は520名、生存者は4名でした。

この事故では、事故の発生場所が山奥だったことや、事故当日の天候が悪かったことも、生存者の数を減らした要因と考えられます。また、事故機の脱出の方法にも問題があった可能性があり、乗客は機体から脱出する際に、様々な危険にさらされました。

出典は、以下のとおりです。
  • 日本航空123便墜落事故に係る航空事故調査報告書(昭和62年6月公表)
  • 日本航空123便墜落事故の真実(柳田邦男著)
  • 8・12連絡会ホームページ
なお、事故の原因や事故の状況については、様々な意見や説があります。しかし、事故調査委員会が発表した最終報告書では、機体後部圧力隔壁の破壊が原因であると結論づけられています。

この事故は、単独機での事故としては、死者数において世界最悪の航空事故となりました。事故の教訓を踏まえ、この航空機事故の防止に取り組んできました。

その成果が、今回の事故では生かされたようです。

ただ、今回の成功に関して、厳しい訓練を義務付けたからとか、CAの資質によるもののみではなく、やはり、日航内でのコミュニケーションが行き届いていたこともあると思います。

ただ、このブログでも、以前述べたことがありますが、コミュニケーションという言葉ほど曖昧に使われている言葉ありません。

アベノミクス以前のかなり景気が悪かった時期に多くの企業で採用の「コミュニケーション重視」と謳う企業が多く存在したので、就職フェアに参加していた他のいくつかの大手企業の採用担当者に「御社でいうコミュニケーションとは何を意味するのですか」と聞いてみたことがありました。

その返答はみな曖昧で、結局私には、結局のところ「景気が悪いから、独創的な人や、チャレンジ精神あふれる人ではなく、あたりさわりのない"調整型"の人を採用したい」というふうにしか聞こえませんでした。"調整型"ではあまりに格好が悪いので「コミュニケーション」という言葉言い換えたとしか思えませんでした。

この言葉は、定義が明確にされないまま、使われています。この定義に関しては、経営学の大家のドラッカー氏の原理を、このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
豊田真由子議員が会見「生きているのが恥ずかしい、死んだ方がましではないかと思ったこともありました」―【私の論評】私達の中の1人から私達の中のもう1人に伝わるものとは?

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事よりコミュニケーションの原理に関わる部分を以下に引用します。

"
1. コミュニケーションは知覚である
これは単純に言ってしまうと、相手の立場に立つということです
知覚という言葉を広辞苑で引くと「感覚器官への刺激を通じてもたされた情報をもとに、外界の対象の性質・形態・関係および身体内部の状態を把握する働き」と出てきます。つまり、自分とその周囲のものとの差を感じるということです。 
相手との違いをきちんと把握し、相手に合わせた手段でもって人と接する必要があるということです。ソクラテスは、「大工と話すときは、大工の言葉を使え」と言っています。例えば、自分が日本語と英語を話せて相手が英語しか話せなかったら、当然のように英語を使います。相手の立場に立って意思疎通をとる必要があります。受け手がいなければコミュニケーションが成り立たないのです。 
言葉だけでなく、自分の持っている情報と相手の頭にある知識は異なります。どのような言葉を使えば相手にストレートに伝わるのかを考えながらコミュニケーションをとる必要があるのです。
2. コミュニケーションは期待である
人は自分が期待していないものを知覚できない生き物です。期待していないものには意識がいかず、誤解が生じたりすることにつながるのです。相手の期待に反するようなことを伝えると相手に上手に伝わらないのはそのためです。 
今のやり方を維持したい部下に対して違うやり方を一方的に伝えても、それは相手の期待に反することであり、本当の意味で伝わることは難しくなります。そのような場合には、最初のやり方を変えるところから一緒に話し合い、納得してもらう必要があります。
受けての受け入れ範囲

3. コミュニケーションは要求である
つまり、相手の期待の範囲を知ること。コミュニケーションをとるということはつまり、相手に何らかの要求があるということです。自分の話を聞いて何かを変えたいと思うから、人は誰かとコミュニケーションをとろうとするのです。それが受け手の価値観に合致したとき、その要求は相手に伝わります。しかし、合わない時にはそれは反発され受け入れられません。コミュニケーションが難しいとされるのは、相手に何かしらの変化を与えることの難しさからくるのでしょう。 
相手に何か変化を与えたいと思ったとき、それは相手の期待の範囲をこえる場合もあります。その場合には、これからおこることは相手の期待の範囲を超えていることを伝えなけばなりません、そのためには覚醒のためのショックを与える必要があります。
覚醒のためのショックというと、仰々しいですが、平たくいうと、企業活動の日常でよくあるのは叱ることです。
この覚醒のショックを与えるには、相手の期待を良く知っていないければ無理です。 
4. コミュニケーションは情報ではない
コミュニケーションは情報ではありません。しかし、両者は相互依存関係にあります。情報は人間的要素を必要とせず、むしろ感情や感想、気持ちなどを排除したものの方が信頼される傾向にあります。そして、情報が存在するためにはコミュニケーションが不可欠です。 
しかし、コミュニケーションには必ずしも情報は必要ありません。必要なのは知覚です。相手と自分との間に共通するものがあれば、それでコミュニケーションは成り立つのです。
この原則からすると、豊田真由子氏と元秘書との間にはコミュニケーションが成り立っていなかったということで、豊田真由子氏は元秘書の期待の範囲を良く理解していなかったのだと思います。

豊田氏と元秘書の間には、「私達という関係」が成り立っていなかったのです。コミュニケーションが「私達の中の1人から、私達に伝わるもの」であるということを考えると、コミュニケーションの成り立っていない間柄の人間同士では、表面的な付き合いしかできないということです。

しかし、豊田氏はこのことを理解せず、相手のことを理解せず、「このハゲー」という覚醒のためのショックを与え、自分の要求を通そうとしたのです。

しかし、結果は惨憺たるものであり、元秘書は、豊田氏の覚醒のためのショックを暴言、暴力と受け取ってしまったのです。

"
上の記事の中で太字の部分は「私達の中の1人から、私達に伝わるもの」は、ドラッカー氏がコミュニケーション論議の結論と位置づける重要なものです。

私が、先に「ただ、今回の成功に関して、厳しい訓練を義務付けたからとか、CAの資質によるもののみではなく、やはり、日航内でのコミュニケーションが行き届いていたこともあると思います」と述べたのは、無論このコミュニケーションの原理にもとづくそれです。

上の記事には、コミュニケーションについては述べられていないものの、その原理を想起させる内容もあります。

たとえば、上の記事元記事には、 "なかには教官から『これが本番だったら、お客様は死んでいました。あなたは命を預かる責任の重さをわかってるの? 』と怒られ、涙を流す子もいるほどです」"という記述がありますが、これはコミュニケーションの原理"3.コミュニケーションは要求である"に関するものです。

ここで述べた、「覚醒のためのショック」です。日航では、安全を巡って様々なコミュニケーションが展開される、素地ができていたものと思います。

日航に入社したひとたちが、受ける新人の訓練の中には、厳しい安全に関する教育・訓練が含まれており、これを実施することで「私達といえる関係」を構築しているのでしょう。

その他にも、日航内では、公式でも非公式でも、様々なコミュニケーションが実施され、安全に関わる心構えが、社員に徹底されているいるのだと思います。

訓練システムや、規律正しさ、日航の社員の安全に関する心構えが、様々なコミュニケーションによって共有されているのでしょう。

コミュニケーションは私達の一人から私達につたわるもの

素晴らしい訓練システムが存在し、CAに規律があったからといって、それだけでは今回のような事故の安全確保ができるとは限らないと思います。

今後企業経営者が訓練システムを強化し、規律正しい新人を雇うことにだけ注力をした場合、いざというときに、日航のCAのような対応をとれるとは限らないです。

俗にいう、「ほうれんそう」=「報告・連絡・相談」を密にすることは、そもそもコミュニケーションではありません。ましてや、ノミニケーションでコミュニケーションが良くなる可能性は否定しきれませんが、これはコミュニケーションそのものではありません。実際、私達という関係を構築できていない人と飲みにいってもあまり楽しくはありません。

上の記事はそういう意味では物足りないです。もっと、日航の会社内でどのようなコミュニケーションがとられているのか、特に安全に関して、どのようにされているのか、それを明らかにして欲しかったです。

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2024年1月10日水曜日

EUのウクライナ支援を阻む「オルバン問題」―【私の論評】EUのウクライナ支援をめぐるオルバン首相の反対論点 - ハンガリーの国益優先かEUの団結損なうか

EUのウクライナ支援を阻む「オルバン問題」

岡崎研究所

まとめ
  • オルバン首相は、ウクライナに対するEUの500億ユーロの支援を阻害し続けている。
  • オルバンの行動の動機は、経済支援の継続である。
  • オルバンはEUの「スポイラー」として機能しており、EUは彼の不適切な行動を制止しなければならない。
  • EUは、オルバン首相と汚い取引をせずに、ウクライナ支援の方途を見出さなければならない。
  • EUは、オルバン首相の行動がEUの機能や存在意義を脅かすことを認識し、毅然とした対応をとるべきである。
オルバン首相


 フィナンシャル・タイムズ紙の12月19日付け社説‘The EU has a messy Orbán problem’は、ハンガリーのオルバン首相が欧州連合(EU)の500億ユーロの対ウクライナ支援を依然として妨害し続けていることについて、EUがオルバン首相と汚い取引をすることなく、「オルバン問題」に対処する方途を見出さねばならない、と論じている。

 社説は、オルバンの行動の動機は、大方カネであり、経済を押し上げ、自分に対する支持を支えるためには、EUの資金がハンガリーに流入し続ける必要があるとしている。また、オルバンはEUを離脱するつもりはなく、有志の諸国とともにEUを「乗っ取ろう」と欲しているが、その目標から遠いところにあると指摘している。

 しかし、オルバンは「スポイラー」としての能力を証明したとし、EU諸国は、彼と彼の仲間の不適切な行動を制止するために、持てる道具を断固使うべきであると主張している。具体的には、EU条約第7条を発動し、ハンガリーの投票権を停止することも可能であることを明確にすべきであるとしている。

 また、加盟国が民主主義や法の支配に逆行する場合、EU資金の提供を封鎖する仕組みを使うことをEU首脳はひるむべきではないと述べている。さらに、ウクライナに対する援助資金については、EUは26カ国の政府間合意による他のルートを見出さねばならないと提言している。

 最後に、社説は、欧州のより広い範囲の安定のために、EUの拡大の可能性が戻って来たことは歓迎であるが、EUはその機能が少数派の人質に取られることを認めることは出来ないと強調している。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧ください。

【私の論評】EUのウクライナ支援をめぐるオルバン首相の反対論点 - ハンガリーの国益優先かEUの団結損なうか

まとめ
  • オルバン首相はEUのウクライナ支援策に反対している。これはハンガリーの国益を優先するためだと支持者は主張する。
  • しかし、多くのEU加盟国からは、オルバン氏の行動はEUの団結を損ない、ウクライナ支援を妨害するものだと批判されている。
  • 一方、オルバン氏はハンガリーの国益に資する独立したウクライナの重要性を認識しており、完全にウクライナ支援に反対しているわけではない。
  • ただし、支援の在り方には慎重で、資金流用のリスクがあるとして直接支援には反対している。
  • 汚職や資金流用の疑惑が絶えないウクライナで、オルバン氏の懸念は決して杞憂とはいえない。
  • EUはウクライナ支援の正当性と同時に、資金の透明性・適正使用の確保にも配慮が必要だ。
上の記事に出てくるフィナンシャル・タイムズの記事は、煎じ詰めれば「オルバン首相の行動は、EUの機能や存在意義を脅かすものであり、EUは毅然とした対応をとるべきであると主張している」ということです。

EUの旗

ただ、この見解が正しいか、間違いかは、一概には言えないところがあります。

オルバン氏の行動を支持する議論としては、以下のようなものがあります。
 オルバン首相が500億ユーロの援助パッケージに反対することでハンガリーの国益を優先していると主張する人たちがいます。 彼らは、ハンガリーには、特に景気低迷下においては、これほど多額の拠出金を支払う余裕はないと考えています。

ウクライナが援助資金をどのように使用するのかを疑問視し、汚職や不正管理の可能性について懸念を表明する人もいます。

オルバン首相は一部のEU政策を声高に批判しており、この機会を利用して不支持を表明したり譲歩したりしている可能性があります。
オルバン氏の行動に対する反論する議論としては、以下のようなものがあります。 
多くの人は、オルバン首相の行動は、危機の際にEUの団結と団結を弱体化させようとする試みであると見ています。

援助パッケージを阻止すれば、ロシアの侵略からウクライナを防衛する能力に大きな損害を与える可能性があります。

オルバン首相はほとんどの加盟国が重要視している大義への貢献を拒否しながら、EUの資金提供から恩恵を受けていると主張する人もいます。

オルバン首相の行動は、民主主義と法の支配というEUの中核的価値観に対する攻撃であると一部の人は見ています。
オルバン首相は「ハンガリーの安全はウクライナの安全に大きく依存している」と述べています。 オルバン氏はウクライナ政府に直接送金することに懸念を抱いていますが、ウクライナの安定がハンガリーの国益にかなうことを認識しています。

ハンガリー国旗

 オルバン氏によれば、「我々はウクライナが独立した一体国家であり続けることに既得権益を持っている」と語っています。 ウクライナがロシアの支配下に置かれた場合、ハンガリーにとって脅威となり、欧州の安全保障が損なわれる可能性があります。

 オルバン氏は「最も重要なことは、ウクライナが西側世界に属するべきだということだ…ロシアに属すべきではないと信じている」と語っています。 同時にオルバン氏は、大規模な援助を受ける前に、汚職などの問題に対処するために「ウクライナは政治経済改革をする必要がある」と主張しています。

 同氏は、EUは指導者に「白紙小切手」を切らずにウクライナの安全と独立を支援する方法を見つけるべきだと考えています。 鍵となるのは、資金が責任を持って使われ、実際にウクライナ国民の利益となるようにすることです。 [出典:2014年から2017年にかけてロイター通信、ポリティコ、その他メディアとのインタビューから得たヴィクトル・オルバン氏の引用]

オルバン氏は国家主権の忠実な擁護者である一方、ハンガリーの安全保障はウクライナの抵抗や、独立に依存していることを認識しています。 

 しかし同氏は、EUがウクライナ政府に援助や保証を提供する方法については慎重でなければならないと考えています。 現在の支援の仕方では、ウクライナそのものを支援することにはならず、汚職や政治的失政で資金を浪費することになってしまいかねないことを危惧しています。そうでななく、責任ある指導者を支援すべきとしています。

最近でも、汚職や不正の疑いは絶えないです。

ゼレンスキー大統領は9月3日夜のビデオ演説で、オレクシー・レズニコフ国防相(57)を交代させると発表した。国防省では軍の調達などをめぐる汚職疑惑が相次いで発覚しており、事実上の更迭とみられる。ウクライナ側の反転攻勢が続く中での重要閣僚の交代となり、戦況への影響が注目されました。

オレクシー・レズニコフ氏

ゼレンスキー氏は演説で、「国防省には新しいアプローチや軍、社会との新たな関係が必要だ」と述べた。国防省では今年1月、兵士らの食料調達が小売価格の2~3倍で行われていた疑惑が浮上。当時の国防次官が解任され、レズニコフ氏の監督責任を問う声も上がったが、ゼレンスキー氏が留任を求めたとされます。

ウクライナでは、徴兵逃れなどでも汚職が指摘されている。ゼレンスキー氏は汚職対策に取り組む姿勢を強調し、米欧からの支援に影響しないよう腐心しています。

レズニコフ氏は2021年11月、国防相に就任しました。ロシアの侵略以降、米欧諸国からの軍事支援取り付けで中心的な役割を果たしてきました。

国防省では昨年1月、食料調達をめぐる汚職が浮上しました。当時の国防次官が解任され、レズニコフ氏の監督責任を問う声も上がったのですが、ゼレンスキー氏が留任を求めたとされています。国防省ではその後、別の汚職疑惑も伝えられていました。

レズニコフ氏は、弁護士出身で2021年11月に国防相に就任しました。ウクライナメディアは国防相を辞任後、駐英大使に就任する可能性があると伝えていました。ただ、現在時点では、レズニコフ氏が駐英大使になったという公式の情報はありません。

ウクライナは、ソビエト連邦の崩壊後、汚職と腐敗に苦しんできました。ウクライナは、世界の腐敗指数であるトランスペアレンシー・インターナショナルの調査によると、2012年には180カ国中122位でした。しかし、2014年以降、ウクライナは汚職対策に取り組んでおり、改善傾向が続いています。

 2023年8月には、ウクライナの大統領であるゼレンスキー氏が、汚職に対する取り組みを強化するための法律に署名しました。 この法律は、汚職に関与した公務員や政治家に対する厳しい罰則を設けることを目的としています。しかし、ウクライナはまだ汚職と腐敗に苦しんでおり、改善が必要な状況にあります。

ウクライナ国防省内で汚職や不正行為が懸念されているのは事実です。 ただし、一般化する前に、聞いた情報を注意深く分析し、信頼できる情報源に相談したり確認することが重要です。

ただ一ついえることは、オルバン氏の懸念は決して杞憂として片付けられるものではないということです。

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2024年1月9日火曜日

2024 年 10 大リスク―【私の論評】ドラッカー流のリスクマネジメントで、ユーラシア・グループの10大リスクに立ち向かう

2024 年 10 大リスク


まとめ

  • 米国の分断
  • 情報戦争の中毒
  • ウクライナの事実上の割譲
  • AIのガバナンス欠如
  • ならず者国家の核脅威
  • 深海へ侵害できない自己主権
  • 重要領域物資の短絡
  • インフレの足音がせまる
  • エルニーニョ再来
  • 米国でのリスキーなビジネス


コンサルティング会社ユーラシアグループの社長イアン・ブレマー氏


 ユーラシア・グループは2024年の地政学リスクトップ10を発表しました。


 1位は米国内の深刻な政治分極化です。11月の大統領選は既存の分裂を悪化させ、過去150年間で最も米国の民主主義を脅かし、国際社会での信頼性を損なうと予想しています。


 2位は中東の緊張です。イスラエルとハマスの戦争がエスカレートし、イランとの戦争に発展するリスクが高いと指摘しています。イスラエルの攻撃、ヒズボラの反撃、フーシの活動などが引き金となる可能性があるとしています。


 3位はウクライナの事実上の分割。ロシアが人的・物的に優位に立ち、ウクライナが劣勢になると予想。米国の支援低下も分割に拍車をかけるとしています。


 4位はAIのガバナンス不足。生成AIによる偽情報が選挙や紛争を混乱させると懸念。


 5位はならず者国家同盟の台頭。ロシア、北朝鮮、イランが武器供給で協力し、世界秩序に挑戦すると予測。


 6位は中国経済の停滞。構造的制約が続く中、成長の回復は望めないと指摘。


 7位は重要鉱物を巡る争奪戦。米中の覇権争いがサプライチェーンを混乱させると警告。


 8位はインフレによる世界経済の逆風。高金利が成長を鈍化させ、金融リスクを高めると予想。


 9位はエルニーニョ現象による異常気象の頻発。食料危機や自然災害のリスクを増すと懸念。


 10位は企業の米国市場リスク。共和・民主両州の対立に企業が挟まれると指摘。


 米国と中東の政治・軍事的リスクが最大の焦点とされています。


この記事は、元記事を要約したものです。詳細をご覧になりたい方は、元記事をご覧になって下さい。


【私の論評】ドラッカー流のリスクマネジメントで、ユーラシア・グループの10大リスクに立ち向かう


まとめ

  • ドラッカーのリスクに対する考え方は、ユーラシア・グループの10大リスクに対処する上で、重要な示唆を与えてくれる。
  • リスクをゼロにすることは不可能であり、むしろリスクを認識してそれをコントロールすることが重要。
  • 適応的なリーダーシップを育成し、長期的な回復力への投資を進め、グローバルなコラボレーションを促進すべき。
  • 以上をもって計算されたリスクテイクを行うことが重要。
ドラッカー氏

経営学の大家ドラッカー氏は、リスクについて以下のように語っています。
企業活動に伴うリスクをなくそうとしても無駄である。現在の資源を未来の期待に投入することには、必然的にリスクが伴う。(『マネジメント』)
複雑な世界にあって、見えない未来に向けて、ヒトとモノとカネを投入する。そして、投入したものをはるかに超えるものを得る。それが企業の成長であり、社会の繁栄である。そこにリスクが伴うのは当然である。わかりきったものからは、わかりきったものしか手に入れられないのです。

ドラッカーが気にするのは、この当然のことに対する無知や無理解ではない。それ以前の問題として、頭もよく知識も豊かな人たちが、リスクについて持っている考え方である。リスク抜きを是とするメンタリティです。

それは世界からリスクを取り除くことはできるし、取り除かなければならないとする考えです。

そうではなく、より大きなリスクを負えるようにすることが必要なのです。

たとえば、毎年数百億円を研究開発につぎ込めるようになることが肝心なのです。

経済活動において最大のリスクは、リスクを冒さないことです。そしてそれ以上に、リスクを冒せなくなることです。
リスクの最小化という言葉には、リスクを冒したり、リスクをつくりだすことを非難する響きがある。つまるところ、企業という存在そのものに対する非難の響きがある。(『マネジメント』)

 ドラッカーは、おもにビジネスの世界のリスクについてとりあげており、地政学的リスクに焦点を当てたわけではないですが、それがビジネスや社会に与える潜在的な影響を認識していました。

1970年の著書『断絶の時代』の中で、EUや日本のような「メガブロック」の出現について書き、その経済的・政治的影響力の増大を予測し、その影響を考慮するよう企業に促しました。

また、資源不足や環境問題が主流となる数十年も前に、そのリスクについて警告を発し、サプライチェーンや世界の安定を破壊する可能性を強調しました。

また、国際舞台におけるパワー・ダイナミクスの変化を理解することの重要性を強調しました。彼は、中国やインドといった新たな経済大国の台頭について書き、それに応じて戦略を適応させるよう企業に促しました

また、世界政治が複雑化し、テロリスト集団のような非国家主体が新たな安全保障上の脅威を引き起こしていることも認識し、企業はそれを考慮する必要があるとしました。

この考え方は、企業だけではなく、政府を含む他の多くの組織にもあてはまると思います。

ドラッカー流の考え方に立脚すれば、ドラッカーの視点をユーラシア ・グループが特定した 10 の主要なリスクに適用できると、考えられる政府や企業を含むあるゆる組織にとってのリスクへのアプローチ法がいくつか示すことができます。

まずは、固有のリスクを受け入れることです。 純粋にリスクの排除を目指すのではなく、複雑な世界をうまく切り抜けるには固有のリスクが伴うことを受け入れるべきなのです。 これらのリスクの性質、その潜在的な影響、およびそれらがもたらす機会を理解することに焦点を当ててるべきなのです。

次に、リスクをひたすら忌避するリーダーシップではなく、適応的なリーダーシップを育成するべきです。企業、政府、組織は、変化する地政学的な状況の中でタイムリーな意思決定を行い、戦略を調整できるリーダーを必要としています。 予期せぬ課題に効果的に対応するために、柔軟な計画、シナリオ分析、継続的な学習を奨励すべきです。

第三は、長期的な回復力への投資をすべきです。衝撃や混乱に耐えられる堅牢なシステムとインフラストラクチャを構築します。 潜在的な危機の影響を軽減するために、サイバーセキュリティ、エネルギー安全保障、食糧安全保障などの重要な分野への投資を優先します。

第四に、グローバルなコラボレーションを促進すべきです。 ドラッカーは世界が相互につながっていることを認識していました。 重大なリスクに対処するには、国際的な協力と調整が必要です。 対話を促進し、パートナーシップを構築し、地球規模の課題に取り組むための責任の共有を促進するのです。

第五に、計算されたリスクテイクを受け入れることです。 たとえ重大なリスクを伴うとしても、長期的なニーズに対応する大胆な取り組みを躊躇するべきではないのです。 たとえば、次世代の小型原発や、核融合に多額の投資をしたり、野心的な防災・減災開発プロジェクトを立ち上げたりするには、固有のリスクを認識しながらも、莫大な利益が得られる可能性を認識する必要があります。

第六に、戦略的な先見性を強調すべきです。 ドラッカーは長期的な思考とシナリオ計画を支持しました。 これらのリスクから生じる潜在的な将来のシナリオを分析し、機敏性と備えを確保するための緊急時対応計画を策定するよう組織を奨励します。

第七に、倫理的なリーダーシップの促進をすべきです。 倫理的な意思決定と企業の社会的責任は、ならず者国家の台頭や AI テクノロジーの悪用など、特定のリスクによる悪影響を軽減するために重要です。

第八に、知識と理解に焦点を当てるべきです。ドラッカーは、リスクを効果的に管理するには知識が鍵であると信じていました。ただ、ドラッカーのいう知識は、百科事典に書かれているような知識ではなく、たとえば、現代の医学知識のような、広く理解されて行動の基盤となる知識のことです。

 これらの世界的なリスクの性質と複雑さをより深く理解するために、研究、データ分析、情報共有に投資すべきです。

ドラッカーのアイデアはビジネスに焦点を当てていたことを思い出してください。 これらをより広範な社会および政府レベルに適用するには、思慮深い解釈と適応が必要です。 しかし、リスクを受け入れ、回復力を育み、長期的思考を優先するという彼の基本原則は、ユーラシア グループが浮き彫りにした複雑で相互に関連した課題に対処するための貴重な洞察を提供します。

これらの戦略を実行することで、組織や政府はリスクを最小限に抑える考え方から、責任あるリスクテイクと積極的な管理の考え方に移行し、より機敏性と回復力を持って将来の不確実性を乗り越えることができます。

この視点が、これらの世界的なリスクの潜在的な影響を分析し、それに対処するための有用な枠組みを提供することを願っています。

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