2012年4月24日火曜日

【調査結果】facebookタイムライン化によりファンからのエンゲージメントが平均46%増加!―【私の論評】もしドラッカーが生きていたら「タイムラインでライフログを残せ!!」と薦めたに違いない?

【調査結果】facebookタイムライン化によりファンからのエンゲージメントが平均46%増加!:

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Facebook社は、3月末から全てのFacebookページをタイムライン化しました。このことにより、企業は今までよりもさらにオリジナリティー溢れるブランディングが可能になったと言えます。

しかし、実際にタイムライン化で企業のFacebookを使ったマーケティングの効果はどのように変化したのでしょうか。

先月、調査会社Simply Measuredは、タイムライン化が企業のFacebookページにどれ程のインパクトを与えたかというレポートを発表しました。このレポートによるとタイムライン化に伴う宣伝効果の伸びは目覚ましく、Facebookを活用したブランディングに新しい光を差し込んだということです。

調査の対象となったのは、いち早くタイムラインを導入した米トヨタコカ・コーラなどの15社。調査の方法は、ユーザーによる各ブランドの投稿へのエンゲージメントをタイムライン導入の前後で比較するというものです。

ここでのエンゲージメントとは、ユーザーがある情報に積極的に携わるということで、具体的には各Facebookページ上の「リンク」「写真」「動画」「近況」への「いいね!」「コメント」「共有」といったユーザーからのリアクションのことを指しています。

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以上が今回の調査対象となった15社ですが、大半の企業がタイムライン導入後にエンゲージメントを上げていることがわかります。最も伸びが著しかったLivestrong米トヨタにいたってはそれぞれ161%、156%増となっています。

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上のグラフは、もともとブランドを「いいね!」していないユーザー(左)と「いいね!」しているユーザー(右)のエンゲージメントを比較したものです。数字は15社の平均をとったものですが、どちらにも増加がみられます。特にもともと「いいね」を押していなかったユーザーのエンゲージメントは46%も伸びています。

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次にコンテンツ別でのユーザーの「エンゲージメント」の変化を見てみましょう。コンテンツはグラフ左から「リンク」「写真」「動画」「近況」と分類されています。「写真」と「動画」に対する反応の増加が著しい一方、「近況」への反応が少なくなっていることが分かります。

まとめ

タイムラインの導入によって、ブランド・ページのコンテンツへのエンゲージメントは平均で46%も増加したという結果が見られました。特に「写真」、「動画」の増加率はそれぞれ52%、49%増となっていて、これはタイムラインがビジュアル・コンテンツを以前より効果的に引き立てるデザインになっているからだと考えられます。

今後もFacebookの新しいタイムラインの特性を活かして、効果的なブランディングをする企業が増えていくことは間違いないでしょう。

【私の論評】もしドラッカーが生きていたら「タイムラインでライフログを残せ!!」と薦めたに違いない?


スマホからGoogle+のアルバムにインスタント・アップロードされた写真、timeline状にならんでいる

タイムライン化かなり効果があったようです。これも、当然といえば、当然かもしれません。人は、タイムラインで情報を並べられるとかなり思い出しやすいというところがあります。しかし、最近、facebookがタイムライン化されたため、何かタイムラインは、facebookの専売特許のような感じがありますが、そんなことはないと思います。本日は、まずは、Timelineの意味など掲載します。

アップル製品のリリースのタイムライン

まずは、英語のタイムラインは、日本語訳では、時間配列表;予定表, 時刻表;年表です。要するに、時系列順にならんだもの全般を含んでいます。TwitterでいわれているTL (タイムライン)とは、文字通り、時系列でTwitterのホームページ上に、様々な人たち(自分がフォローしている人たち)の発言が流れてくるスペースのことを言います。特に求めているものを絞るでもなく、時間だけに任せて人の発言を流していることから、そのように命名したのだと思います。

マイクロソフト元会長のビル・ゲイツ氏のタイムライン

時折、TLのすごさを感じさせる瞬間があります。そのすごさとは、リアルタイムに皆が繋がっていることを感じること、そして、偶然や引き寄せの法則を感じさせるものなど、種類は様々です。感じ取る人によって、それ(すごさ)は大きく変わってくることもあります。

例えば、地元で地震が起きた時、TwitterのTLは、地震の情報で埋め尽くされます。
「揺れてる!」
という発言を筆頭に、次々に地震に対する恐怖心や感想、自分の置かれている状況、気付いたこと、震度の速報などなど、様々な情報が一気に流れ、ただTLを眺めているだけで、その地震に関する情報がかなり入手できます。

LEGOのタイムライン

私が初めてこの経験をしたのは、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本戦の中継があった時でした。テレビを見ていなくても、TLをたまに眺めるだけで、いつ、誰が、何を、どうやって、どのような結果を出したかが手に取るように分かりました。これに似たようなことは他にもいろいろな場面で感じ取ることが出来ます。最近では、複数の国会議員が、国会でツイートしているなんてこともあり、国会の様子がテレビを見なくても良くわかります。

iPhoneのタイムライン

ただ、どのケースでも同じように言えることは、リアルタイムで最新、最先端な情報が詳細な形で、色々な角度から得ることが出来るということです。これほどまでに何もしなくても、詳細な情報が、恐ろしいスピードで、向こうから勝手に集まってくるということは今までになかったことだと思います。だからこそ、しり込みしてしまう人が多いのかもしれません。しかしこれこそが、TLのすごさであり、Twitterのすごさ、大きな可能性を感じさせるものなのです。

さて、facebookのtimelineは、これとは、また異なります。時系列で並んでいることには、違いないのですが、ツイッターのタイムラインのようなウォールもありますが、それに加えて、新しくタイムラインが付け加えられたということです。そうして、それは、一言でいってしまえば、「自分史」です。ここからは、いくつかのfacebookのtimline cover(タイムラインにともに表示される写真)とともに、:掲載していきます。それにしても、アメリカでは、かなりセクシーなカバーがたくさんあることに驚かされます。

Happy New Year! Timeline Cover
自分がFacebook上で投稿した出来事、アップした写真やチェックインしたスポットなどはもちろん、大学の卒業や、結婚といったライフイベント、いままで聞いた音楽や観た映画、作った料理など、自分に関するありとあらゆる事柄がタイムラインに積み重なっていきます。

ヴィクトリア・シークレッツのカバー
いままで自分の過去の投稿を見るには、ひたすらウォールを遡っていかなくてはなりませんでした。しかし、タイムライン上では、過去の出来事にもあっというまにジャンプすることができます。例えば二ヶ月前に自分がランチでどんなものを食べていたのか、一年前にどんなところに旅行に行っていたのか、過去にあなたがシェアした投稿が、タイムラインでは一目瞭然です。


タイムラインのページの一番上には自分のお気に入りの写真を大きく表示させることができます。そして、ページの一番下には「誕生」のイベントがあり、自分が生まれたときの写真を置くことができます。この世に生まれてから現在までの自分に関わる事柄が集まったタイムライン、まさに「自分史」と呼べる新機能です。


これによって、facebookは、いわゆるライフログのような使い方もできるようになったということです。evernoteなどで、写真などを含むlifelogをとり続けてきた私から、lifelogをとることの意味など掲載させていただきます。


ライフログをとることは、意図して意識して実施すれば、かなりためになると思います。ただ、自然にまかせて、記録をとるというのではなく、自分が成長したかどうかは、他人と比較するのではなく、過去の自分と比べるのです。そうすることによって、自分自身の変化がみいだせたら、それこそが自分自身の成長です。lifelogによって、自分が成長するために、成長を客観的に確認するためにログを生かすのです。昔なら、これは、メモくらいしかできませんでしたが、今なら、写真や動画も付加できるということです。それに、適当なログをつけておけば、文書だろうが、写真だろうが、動画だろうが、何でも瞬時に時系列に並べてみることができます。これは、メモによる時間記録では不可能なことです。数年にわたる記録の中から、これを行うことはほとんど不可能だったと思います。

ピンクフロイドのカバー
ちなみに、あの経営学の大家のドラッカー氏は、いわゆるできる人は、計画からスタートしないと『経営者の条件』という著書で語っています。いきなり計画からではなく、時間の記録をすることから始めるべきことを語っています。なぜなら、自分の時間がどのように使われているかからスタートしなければ、計画など立案できないからです。しかも、それを習慣化せよと言っています。ドラッカーの時代には、lifelogを簡単にとれるスマホなどありませんでしたから、手帳などでリアルタイムで書くしかありませんでした。そうして、数年に1回は実施することを薦めていました。しかし、今なら、スマホでかなり楽にできます。それどころか、写真や動画まで掲載できます。ドラッカーの薦めに従えば、日々lifelogをとるにしても、数年に一度は、自らの時間の使いかたを知るために、数年に一度は、リアルタイムのログをとるということになるかもしれません。 現在ドラッカー氏が存命されていたら、おそらくご自分でもスマホでlifelogをとったし、多くの人にそれを薦めていたに違いないと私は考えています。

Esther Baxteのカバー

常にログを取り、ログを見返し、ログと格闘し、常に成長を確認するように、人生をより良くすることを考え続けるようにログをとるのです。私は、会社という組織に入ってから、会社の方針もあって、いつも会社の中では、ログをとっていたと思います。端的にいうと、日々の出来事を記録するだけではなく、問題・課題をメモするのです。そうして、それが達成されたら、そのメモに消しこみをします。そうした習慣がついていたので、スマホを手に入れてからは、問題・課題を手帳に書くのはやめて、スマホのエバーノートアプリを用いて、ライフログをとるようにしました。問題・課題に関しても、いくつかに分類して、タグをつけるようにしました。これが成就されれば、終了のタグづけもするようになりました。こうすると、まだ未実施のものと、そうではないものとの区分がはっきりします。そうして、日々がチャレンジの連続となります。おそらく、こうしたlifelogをつけていない人と比較すれば、精神的にもかなり充実した生活を送っているのではないかと思います

ジャネット・ジャクソンカバー

航海日誌の無い船旅はありません。しかし人生という旅ではどうでしょう?スマホでなくても、手帳でも何でも、ログを残している人は、船でいえば、航海日誌を残しているようなものです。長い間ログつけていると、人生の航海日誌がライフログなのだと良くわかります。デジタルかアナログかが重要なのではありません。ごまかしのない、本当の自分の姿を知り、人生をより良い方向へ進める為に、ライフログを残し”続ける”ことこそが重要なのだと思います。

Woman by Window Timeline Cover

ここまで書いて、はたと気づきました。私は、今では、facebookも利用しています。しかし、これは、公開されるものなので、いわゆるライフログをとるには、適していないかもしれません。やはり、両方をやるのが良いのかもしれません。そうして、facebookは、アメリカの人たちがそうであるように、なるべく実際の人間関係に近いものにすると良いと思います。そうすると、人間関係のライフログが自然とできあがるわけです。これに、evernoteのようなライフログを併用すると、これは、もう完璧です。

特にクラウドを活用すれば、スマホからも、タブレットからも、PCからも、カメラからもライフログがとれる

客観的な記録というのはとても残酷な一面がありますから、見返して楽しいことばかりではありません。振り返って再度凹んでしまうことも多々あるはずです。また、逆に過去の成功体験をみて、勇気百倍になるときもあります。それでも、積み重ねた記録は嘘偽りの無い足跡です。足跡は自分を裏切ることはないと私は思います。これらを積み重ねていけば、確かな成長の証となることは、いうまでもありません。皆さんも、facebookのtimelineとともに、evernoteなどのlifelogをつけて、活用してみてはいかがですか!!



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2012年4月23日月曜日

古谷主税局長 歴史的答弁「デフレ下の増税は税収減らす」−【私の論評】増税などの緊縮財政は、デフレを克服してからの話!! コルセットだって、締めてばかりいては、色気もなにもあったものではない!!

古谷主税局長 歴史的答弁「デフレ下の増税は税収減らす」

西田昌司「参議院予算委員会 質問 2012.4.4」


上の動画の説明、以下のように素っ気のないものですが、実は、消費税の増税に関して、歴史的答弁といっても良いくらいの答弁がなされています。
参議院予算委員会にて質問
・小川法務大臣の問題について
・中国農産物等輸出推進協議会問題について
・消費税の増税について
動画の45分くらいから47分くらいが歴史的答弁です。私は、西田議員での国会質問は、見られるときは、見ているのですが、この画像は、見逃していました。本日は、このブログにも時々登場する上念 司氏のツイートにこのことが掲載されていたので、このブログでも、これを話題とします。

【私の論評】 増税などの緊縮財政は、デフレを克服してからの話!! コルセットだって、締めてばかりいては、色気もなにもあったものではない!!

さて、以下に西田議員と、古谷主税局長とのやりとりの核心部分のみを掲載します。

西田参議院議員
「デフレ下で増税したら、税収は増えますか?」

古谷一之財務省主税局長
「減ります」
 西田参議院議員 
大事なことなのでもう一度繰り返します。
「デフレ下で増税したら税収は増えますか?」

古谷一之財務省主税局長
「減ります」

西田参議員議員
ちなみに、主税局長とは、徴税の責任者のことです。財務省主税局とは、財務省のサイトからそのままコピペすると、以下のような仕事をしています。
主税局は、国の税制の企画・立案を行っています。
税制は、我が国の経済社会活動を適切に運営するために必要な公的な財やサービスを提供するため、国民各層にそのための経費の負担を求める仕組みです。
現在、我が国は、少子・高齢化社会や経済活動のグローバル化に直面しています。主税局は、公平(税を負担する能力に応じて課税する)、中立(経済活動に歪みを与えないようにする)、簡素(国民に分かりやすい仕組みにする)の3つの租税原則を踏まえながら、毎年度の税制改正(年度改正)を通じて、その時々の経済社会の実像や将来像、さらには、財政の実像や将来像に留意しながら、望ましい税制「あるべき税制」の構築に取り組んでいます。
一般の人にもわかりやすいように言うと主税局長とは、マルサの総元締めです。

古谷さん、よくここまではっきりと言い切ったものだと思います。この答弁を引き出した西田さんの手腕んも大したものだと思います。

なぜ古谷さんがここまで踏み込んだ答弁をできたかといえば、まるで、すみからすみまで、増税オンリー派のように思われた財務省の中にも、古谷さんのように増税反対派が存在していて、しかも、地位からいって、その頭目とみ目されることです。、なんてばらしてはいけません。このような動きも見逃さないためにも、国会答弁はできたら見た方が良いです。今回は、増税の話題ですが、その他のことも良く理解できることがあります。そうはいっても、朝から晩まで、逐一リアルタイムでみていられるとは限りません。

そんなときに備えて、twitterなどで、その道の専門家など、フォローしておけば、テレビや、動画など、みるべきものをツイートしたりしています。私も、上の動画は見逃していて、いわゆる専門家のツイートをみていたら発見したものです。


それにしても、デフレの時期の増税など、上のグラフをみても理解できるように、絶対に税収はあがらないことは、すでに、マクロ経済学でも、証明ずみですし、全くマクロ経済学を知らなくなても、過去の統計を調べれば、デフレ時の、増税は、失敗することははっきりしています。

下のグラフは税収を示したものです。日本政府の税収は、最も多いときには、60兆円を超えていました。それが、昨年は、40兆円台です。では、60兆円を超えなくなってから、現在まで何があったかといえば、ほとんどの人が忘れているようですが、消費税の3%から、5%への値上げです。これを実施して以来一度も、消費税が3%であった時の税収を上回ったことはありません。

それから、消費税を導入したときには、一時税収があがっていますが、この時代を思い返して見れば、土地価格は毎年上昇し、家賃も上昇し、物価もあがり、賃金も上昇するのが当たり前でした。そうして、こんなことは、ここ20年ないことなので、大方の人は忘れているのではないかと思います。それに、若者は、誰一人知らないと思います。もう、日本は、統計数値でも明らかなように、20年近くもデフレになりっぱなしです。そんなときに、デフレ対策を打つとして、減税をはじめとする政府による、積極財政をする、日銀による、金融緩和をするというのならわかりますが、増税して、緊縮財政をするとか、日銀によって、金融引き締めばかりやってきたというのが実態です。

先日は、日銀が金融引き締めばかり結果として行うことについて、これがなぜいけないかについて、女性のガードルを例にとって述べました。詳細は、当該ブログをご覧いただくものとして、以下にその部分を掲載します。
経済とは、バランスが重要ですから、いくら、金融引き締めが、日銀のDNAであるからといって、常時引き締めをやっていれば、目だった引き締めなど永遠にできないのは、当たり前のことです。どこかで、緩めて、どこかで締めるということによりはじめて胸躍る、大胆な、引き締めができるというものです。
 
こんなこと、何も小難しい経済理論でなくても、理解できることです。たとえば、ガードルやブラだって、全部締めていれば、たるみが目立たないだけになるだけです。全部緩めていれば、そもそも、何の役にもたちません。やはり、締めるところは締めて、緩めるところは緩めるから美しい曲線が造形できるのです。全部締めっぱなしだと、色気も何もあったものではありません。
財政だって同じことです。財務省には、日銀と同じような、「緊縮財政が勝ち」というDNAがあるのでしょうか?あるのかもしれません。なにせ、日本では、江戸時代から、財政対策というと、「緊縮財政」を行って、もともこもなくしたという記録が残っていましすし、それに、アメリカに端を発した、あの世界恐慌では、日本も大きな影響を受けていて、いわよる昭和恐慌にみまわれていましたが、そのときの対策も、結局「緊縮財政」でした。これを高橋是清が、これを改め、積極財政に踏み切ったところ、日本はすばやく不況から脱することができました。

現在も、昭和恐慌のときと同じように、デフレが長期間続いています。緊縮財政がDNAだったにしても、華麗で大胆な、緊縮をするためには、どこかで、財政を緩めてなければ、いつまでたっても、大規模な緊縮財政はできません。であれば、大胆な緊縮財政をやるためには、どこかで、財政をゆるめて、大規模な公共工事など行う必要がります。今の日本は、民主党が「人からコンクリート」というスローガンで、結局緊縮財政です。この緊縮財政も、20年も続き、公共工事など、先進国中では、最低レベルの水準にまで、落ち込んでいます。そのため、耐用年数が過ぎて、わたれなくなった橋や、トンネルなどがでてきています。これから、年数を経ればもっとでてきます。そのうち、崩落するものもでてくるでしょう。まさに、今は、本来的には、公共工事のやりどきだと思います。

そうして、こんなこと、何も難しい経済理論など知らなくても、簡単に理解できることです。そうです、あの女性用のコルセットだって、ウエストをくびれて見えるように、胸から下を腰から上を締めています。これが、胸も、腰から下もすべて締めたらどういうことになるでしょうか?そうして、しまえば、うのくびれたウエストの線はだせまんせん。そうなれば、色気も何もあったものではありません。

やはり、緩めるとろは、緩めて、締めるところは、締めるから、豊かで美しいカーブを造詣できるのです。経済だって、金融だって、普段の私たちの生活だってそうです。いつも、締めてばかりいては、駄目になることは目に見えています。
 しかし、こんなことは、本当は、財務省の人たちは、全員了解ずみの簡単な理屈だと思います。だからこそ、いままで、増税一辺倒だと思われていたのに、古谷主税局長は、上のようにまともなことをことを答弁しています。ということは、緊縮財政は、財務省のDNAとばかりも言い切れないようです。

財務省としても、このまま増税して、緊縮財政を続ければ、非常に経済が停滞してまずいことになるというのは、十分理解しているのではないかと思います。ただし、野田さんや、谷垣さんの財政ブレーンである、財務省トップは異なるのだと思います。この人は、もう退官するのが近いですから、自分の名誉だけに注目して、最期にはなばなしい、増税という緊縮劇を演出したいのだと思います。去る人は、どうでもいいでが、これからも、しばらく財務省に残り続ける若い人たちは、一体どうなるのでしょうか?

民主党は、そのころには、とっくに政権の座から降りているから、どうでもいいのかもしれませんが、そのころには、民主党とは別の政権が政権を担っていることとなります。そうなれば、時の政府は、増税による悪影響をまずは、民主党政権時代の負の遺産ということで、野田さんや、当時の閣僚のせいであることを公表するでしょう。そうして、その頃には、民主党は野党になっているか、雲散霧消しているので、その頃の政権や、国民の憤怒の矛先は、財務省に向かうことになります。

そうなれば、財務省のいわゆる増税派には、降格その他の厳しい措置が待っていると思います。それこそ、降格はもとより、あの日銀独立による、大蔵省解体財務省設立のように、財務省自体が解体の憂き目にあうかもしれません。そうして、その頃には、与党にいるか、野党にいるかはわかりませんが、きっと、徹底的に、財務省の増税派を追求することでしょう。当然、民主党の責任も追求するでしょうが、何といっても、財務省への風当たりは強くなるでしょう。第二の「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件も発生するかもしれません。

そんなことにならないためにも、古谷主税局長は、あのような答弁をして、自らの意思をはっきりさせたのだと思います。あるいみ、アリバイ作りのようなところもあると思います。財務省のかたがたには、省益のためにも、自らの保身のためにも、増税には、反対していただきたいものです。こうした背景から、今回の古谷氏の発言は、歴史的な答弁になると思います。



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2012年4月22日日曜日

不況とSNSがラジオを変える!?―【私の論評】インターネットラジオとSNSが日本のスペンドシフトを加速する!!

不況とSNSがラジオを変える!?

不況による広告費の落ち込みに加え、ラジオに接する機会がなく馴染みのない若年層が増えており状況を悪化させている。

そのためラジオ業界は様々な形で努力をしてきた。スポンサーシップによる広告収入に加え、グッズ販売やイベントなどの収益事業も積極的に行いマネタイズ(収益化)を図る番組も多い。

またラジオ端末を持たない人のためにインターネットを通じて番組を聴くことができるradikoというサイマル放送を始めたり、番組の一部を後日パソコンやスマートフォンなどにダウンロードできるPodcastというサービスも提供したりと、実はリスナーにとっての利便性はどんどん高まっている。
その中、Twitterを始めとするSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が思わぬ役割を果たし始めているという。


もちろん従来のハガキやFAXによる投稿に加え、最近ではメールやSNSを通じてのコメントが多くなってきている。特にSNSはリアルタイム性が高く、ラジオとの親和性も高い。

しかしSNSがラジオに及ぼしている影響はそれだけではないという。

このニュースのつづきはこちらから(exite小ネタ)

【私の論評】インターネットラジオとSNSが日本のスペンドシフトを加速する!!

震災以降日本でも、従来よりは、ラジオを聴く人が増えたこと、それに新しい動きもあるようなので、本日は、ラジオについて掲載することとしました。本日は、セクシー過ぎるDJの画像とともに、掲載します!!


最近は、めっきりラジオそのものは、聴かなくなった人が多いのではないかと思います。私も、ここ10年ほどは、聴いていません。なぜかといえば、アメリカをはじめとする海外に行って、1ヶ月以上でも、滞在した方なら誰でもおわかりになると思います。


日本などのように、厳しい電波法の規制がないアメリカでは、ラジオ局が日本の数十倍あります。FMだけでも、たとえば、ニューヨークのような大都会であれば、数十局もあるのではないかと思います。そうなると、自分の聴きたい音楽や、話題などに近い内容を放送しているラジオ局が必ずあるので、結構聴く機会が増えるものです。それに、あれだけラジオが国民に根付いているせいでしょうか、オバマ大統領がラジオで全国民向けに放送することもあります。それも、場合によっては、かなり重要な話を20分~30分する場合もあります。日本なら、テレビでならそのようなこともあますが、ラジオではないですね。せいぜいニュースで要旨を紹介する程度くらいのものだと思います。


しかし、日本では、放送局自体が極端に少ないので、自分が聴きたい音楽や話を提供する放送局はまずは存在しません。どれも、雑多な音楽と、雑多の話題の集合体ということで、あまりというより、ほとんど聴く気になれません。こんなことからも、ラジオが衰退していたのだと思います。


放送局がたくさんあり、自分の好みの局選べるのが昔から当たり前になっているアメリカでは、ラジオだけではなく、インターネットラジオの放送局も多いですし、それに驚いたことに、日本ではおそらく存在しない、衛星放送のラジオ局も多数存在します。日本だと衛星放送といえば、テレビだけですが、アメリカの衛星放送受信機は、ラジオも多数受信できるようになっています。それも、チャンネル数もかなりあります。アメリカでこのようなことを経験した私は、日本は永遠にそうはならないだろうと思っていましたが、最近はだんだんと事情が変わってきているようです。



まずは、ミニFM局が増えてきました。たとえば、札幌などではFM局でも、たえば、FM白石とか、三角山放送局などと、ほんとうに狭い地域専用の放送局もでてきています。さらに、最近は、インターネットラジオが聴けるようになったので、ラジオがなくても、世界中の放送を聴くことができるので、非常に聴きやすい環境が整ったと思います。


インターネットラジオといえば、私の場合特に、AccuradioとTunin Radioというアプリを使って聴くことがほとんどです。これらは、パソコン、スマホ、タブレット用のアプリがあってとても便利です。そうして、両方ともAirPlay対応アプリですから、AppleTVでは無論のこと、AirPlay対応のスピーカーなら、これらの放送を受信しているガジェットからワイヤレスで音を飛ばすことができます。Accuradioは、アメリカの音楽専用インターネットラジオで、考えられるほとんどのジャンルの音楽がそろっています。Tunin Radioは、世界中のインターネットラジオ放送局を集めて、聴くことができるアプリです。そうして、何と、スマホやタブレット用アプリの有料版だと放送が録音できたりします。


パソコンや、iPhone、iPad、アップルTVでも聴くことかできるので、最近は、時々インターネットラジオは聴くようになりました。この二つのアプリがあれば、まずは、誰でも自分の聴きたい放送を見つけられるのではないかと思います。


さて、いろいろ書いてきましたが、そろそろ、結論を書きたいと思います。インターネットの世界では、従来のラジオのような規制は少ないと思います。であれば、日本でももっともっとラジオ局を増やせるのではないかと思います。そうして、上の記事のように、最近では、ラジオに親近感をもつどころか、絆を見出している人多いようです。これは、以前書いたスペンドシフトという消費の傾向とも関連しているかもしれません。しかし、今まで、電波法の厚い壁があった日本では、地域に密着した新たなインターネットラジオ局を開設して、地域のための、放送を流し、絆を深めていくための大きなチャンスとなるかもしれません。その絆が新しい消費の形であるスペンドシフトを加速するかもしれません。



ちなみに、スペンドシフトとは、書籍の名称でもありますが、アメリカで9.11があったころから、顕著になり、さらに、リーマンショックで加速した、新たな消費傾向のことをいいます。以下にそれを簡単にまとめます。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
この傾向は、日本でもみられていましたが、特に昨年の東日本大震災で、顕著になり加速されつつあります。

DJ-Kaori

インターネットラジオで、地域に特化した放送を流すようにして、上のような傾向の内容を放送で流すようにすれば、このスペンドシフトという時流にのることができるだけではなく、さらにこの傾向を加速することができるのではないかと思います。そうして、放送をただ流すだけではなく、インターネットの特性をいかし、そこにfacebookやtwitter、Google+などのSNSとうまく絡めれば、かなり面白いだけではなく、文化的にも、本当に豊かで新たなライフスタイルを提供できると思います。何といっても、アメリカのように放送局が多くはない日本では、新たでさらに広くて深い需要を呼び起こすこともできるのではないかと思います。

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DJ-KAORIのその他の写真はこちらから!!

DJ-KAORIについては、こちからから!!

「絆」の次にくる消費は「想い・ストーリーがある商品」−【私の論評】日本のスペンドシフト発進!!












2012年4月21日土曜日

北朝鮮、核実験準備完了 韓国紙報道「2週間内に実施可能」―【私の論評】いくらGoogle EarthとMapなどで、誰にでも情報が入手しやすくなっても、過去のケーススタディーなどの歴史的事実はないがしろにはできない!!

北朝鮮、核実験準備完了 韓国紙報道「2週間内に実施可能」


北朝鮮の核実験施設

 【ソウル=辻渕智之】韓国紙・朝鮮日報は二十一日、韓国政府筋の話として、北朝鮮が北東部の咸鏡北道豊渓里(ハムギョンプクトプンゲリ)で進める三度目の核実験の準備を事実上完了したと報じた。実験直前に坑道を埋め立てるための土砂が坑道の入り口付近から消えたのが衛星写真で確認されたという。

続きは、こちらから。(東京新聞)


【私の論評】いくらGoogle EarthとMapなどで、誰にでも情報が入手しやすくなっても、過去のケーススタディーなどの歴史的事実はないがしろにはできない!!


北朝鮮自民解放軍女性兵士による剣舞、スタイルも抜群の選りすぐりを採用している


さて上の記事に掲載されている、核実験場をはじめ、最近ミサイルが打ち上げられたのとは別のミサイル発射基地など以下に掲載したので、是非ご覧になってください。北朝鮮の施設など、秘密のベールに隠されているのですが、今では、Google MapやEarthで丸見えです。何か新しい発見があるかもしれません。



北東アジア注意エリアと参考データ(座標ファイル)Google EarthGoogle Map
ムスダンリ北朝鮮弾道ミサイル発射基地kmlファイルURL
咸鏡北道吉州郡豊渓里北朝鮮核実験場最寄り駅kmlファイルURL
豊渓里核関連施設北朝鮮核実験関連施設kmlファイルURL
北朝鮮核実験場トンネル入口ISIS Imagery BriefkmlファイルURL
北朝鮮核実験場支援施設ISIS Imagery BriefkmlファイルURL
核実験VIP宿舎とヘリポートISIS Imagery BriefkmlファイルURL
核実験場韓国政府発表kmlファイルURL
寧辺(ヨンビョン)核施設実験用原子炉5,000kWekmlファイルURL
板門店南北連絡事務所kmlファイルURL
青瓦台韓国首相官邸kmlファイルURL
平壌/メーデースタジアムアリラン祭開催場所kmlファイルURL
Google Earthへ直接放り込みたいときは、URLを変換すればOK。ここで


Google Earthは、飛んで行きたい場所の kmlファイルをダウンロードし、クリックすれば Google Earthが起動して※2 自動的にその場所に連れて行ってくれます。

開いているウィンドウにファイルを Drug & Dropしても良いです。

「URL」をクリックすると、Google Mapが場所を表示します。

※1 kmlファイルのダウンロードは、[フォーカスを当てる] -> [右クリック] -> [対象をファイルに保存]で行う。

※2 もちろん Google Earthがインストールされていないと何も起きない。そんなときには、ここから無料版をダウンロードする。

【付帯情報】豊渓里核関連施設(豊渓里:プンゲヨク、プンゲリ)

北朝鮮が核実験を行った坑道の入り口は北朝鮮北東部の咸鏡北道吉州郡「豊渓里核関連施設」の北北西にあり、坑道を掘るために排出された土砂が同施設の北に大量に捨てられたとのこと。いずれ衛星写真が更新されれば見ることができるだろう。

2007年8月18日(以降、年度はすべて同じ)には米ABCテレビが、匿名の米国務省・国防省関係者らの話として、「北朝鮮が咸鏡北道吉州郡豊渓里で核実験準備をしている可能性がある」と報じた。豊渓里で不審なトラックの移動と地下核実験場と観測装備をつなぐのに使えるケーブルが巻かれた大型ケーブルリールがトラックから降ろされたことが目撃されたという報道で、リークによる北朝鮮への牽制と見られたが効果はなかったようである。

【付帯情報】北朝鮮核実験場トンネル入り口

米科学国際安保研究所(ISIS)が10月10日に発表した「北朝鮮核実験疑惑」のレポートをもとに座標を確定。右にトンネルを掘ったとき出した土砂を捨てた跡が見える。

【付帯情報】北朝鮮核実験場支援施設

米科学国際安保研究所(ISIS)が10月10日に発表した「北朝鮮核実験疑惑」のレポートをもとに座標を確定。

【付帯情報】核実験VIP宿舎とヘリポート

米科学国際安保研究所(ISIS)が10月10日に発表した「北朝鮮核実験疑惑」のレポートをもとに座標を確定。右に見えるのがヘリポート。

【付帯情報】核実験場(韓国政府発表)

10月15日に韓国地質資源研究院の地震研究センターが発表し直した核実験の震源地。咸鏡北道吉州郡万塔山のあたり。13日に最初の発表を修正した震源地、北緯41.267度、東経129.179度から約7キロ西にずらした。地震研究センターの最初の発表は北緯40.81度、東経129.10度の咸鏡北道金策市。

【付帯情報】青瓦台

「青瓦台」とその周辺は一般の地図で明らかにすることが禁じられ写真撮影も制限されているが、Google Earth、Google Mapでは一目瞭然で、長年の韓国政府の努力はいまや水泡に帰している。

【付帯情報】板門店

「板門店」の西南西に160m高の国旗掲揚塔(の影)が見える。また軍事境界線をまたぐ北と南の状況が興味深い。

【付帯情報】平壌

衛星画像はあるのだが、市内についての情報は入手が難しい。大きくてわかりやすいのがアリラン祭を行うメーデースタジアムである。

さて、先日ミサイル発射の記事に関して、その後わかった事実もあるので、続報を掲載します。特に下の動画は、もとイージス艦にも登場されていた方の解説なので理解しやすいです。





さて、上の動画では、航海長として乗艦なさっていたイージス艦「みょうこう」で、平成10年8月のテポドン発射をレーダー上で見届けられ、そして半年後の平成11年3月には能登沖で北朝鮮工作母船を追跡、海上自衛隊初の実戦に臨まれた伊藤祐靖氏をお迎えし、この度の弾道ミサイル発射への対処において政府が批判を浴びている「ダブルチェック」をめぐり、そもそもの認識や判断の鉄則が通じていない現状について御指摘いただきます。 また、能登沖不審船事案についての手記(『正論』4月号・5月号掲載)より、工作母船乗員に対してはからずも覚えてしまった「怒り」とは別の感慨や、海上警備行動発令による警告射撃に臨む艦橋で実感され、その後、創設に携わられた特別警備隊においても必須 且つ当然であった相互理解の前提となるものについても、お話を伺っています。




詳細は、上の動画を御覧いただくものとして、要するに、レーダーはもともと、人間の視覚と同じ理屈で、直線的であり、球形である地球の水平線のかなたまでは、認知できず、当然、ミサイルがかなり高く上がった時点でなければ、もともと、日本のイージス艦は、ミサイルを補足できないことは、最初からわかっていたということです。私もこの事実については、知ってはいたのですが、この動画ほど、日本政府のダブルチェックに関してのあわてぶりが、そもそもおかしいことをわかりやすく説明しているもはないと思います。それから、この伊藤氏はこの動画では、日本のイージス艦今回のミサイル、もしものことがあれば、かなり高い確率(ほとんど百発百中で)打ち落とせたことまでは、説明していませんでしたが、これも事実です。無論、伊藤氏もこれを承知しているとは思うのですが、この動画の趣旨からは外れるので、敢えて説明しなかったのだと思います。これに関しては、このブログでも掲載してあります。

これに関しては、以下にその核心部分のみ下に掲載しておきます。
2010年10月26日のことです。全世界を震撼させる、ある事件が起こりました。日本の海上自衛隊の護衛艦「きりしま」(写真下)が、ハワイ沖で大陸間弾道弾の迎撃試験を見事成功させたのです。
「きりしま」の放った迎撃ミサイルは、6発の大陸間弾道弾にすべて命中。弾道弾を、宇宙空間で迎撃してしまったのです。これは世界初の快挙です。世界で二番目に大陸間弾道弾がミサイルで撃墜させられたのです。しかも、この時は、軍事上の機密ということで、あまり詳しくは発表されてはいませんが、北朝鮮ミサイルも迎撃できることを十分証明することができたようです。
北朝鮮などの核弾頭は、一基しか搭載していませんが(技術水準からの推定)、アメリカ、ロシアなどの各先進国の核弾頭は、複数搭載しています。なぜこのようなことをするかといえば、一基であれば、途中で撃墜される率がかなり高いですが、複数であれば、その複数の弾頭が、複数方向に向かって落ちるわけで、ほとんど防ぐことは、不可能とされていたのを、日本の自衛隊のイージス艦が全部撃墜してしまったということです。であれば、一基しか積んでいない北朝鮮のミサイルはほとんど確実に打ち落とすことができたということです。核弾頭は、なるべく少ないエネルギーで、遠くに飛ばすためや、このように複数にするためにも核開発では小型化を目指しているものです。


核弾頭、三基の核が搭載された例

これが、なぜすごいかといえば、今までは、核攻撃は防御がまったく不可能といわれていたものが、日本の自衛隊が、可能であることを実証して見せたということです。これで、核に対する考えが変わったということです。防御できるということを日本の自衛隊が、世界に向かって示したということです。

それにしても、今回のイージス艦の配置により、日本は、打ち上げ直後にはもともと、それを確認できなかったこと。それは、もともと、沖縄周辺で有事のときにミサイルを確実に迎え撃つためにそのような配置をしたこと、さらには、かなり高い確率でそれを迎撃できた可能性など、これは、政府が悪いのか、マスコミが故意に発表しないのか、それとも、軍事機密なのかわかりませんが、少なくとも、国の安全保障を考える人たちは、正しい情報にもとづき判断していただきたいものです。

それに、今回のミサイル発射に関する政府の対応のお粗末さですが、私は表面的なことだけではなく、もっと深い背景があると思います。それは、歴史を学ぶという謙虚な姿勢に欠けているということです。これに似たようなことは昔もありました。日露戦争のときの、日本海海戦の前に、ロシア艦隊がウラジオストック港を目指してロシア黒海から出港ときに、太平洋側から入って、北海道と青森の間の津軽海峡をわたるか、それとも、対馬沖から入って、日本海を通り旅順港を目指すかの二通りが想定できました。

当時日本海軍としては、ロシアのバルチック艦隊を迎え撃つつもりでしたから、この二とおりのうち、いずれになるということは、かなり重要なことでした。そうして、海軍が出した結論は、もっとも可能性の高い対馬沖を通るであろうことを想定して、日本艦隊を配備するということでした。要するに、太平洋側は捨てるというものでした。当時の日本の海軍としては、対馬沖と、太平洋側の両方に艦隊を分散して、配置することは、兵力、艦艇数からして、不可能でした。もし、そのようなことをすれば、軍事力の点からいって、ロシア艦隊に大打撃を与えることは困難でした。(下の絵画は、日本海海戦における、旗艦三笠における、東郷平八郎とその幕僚たちの図)


だから、太平洋側は捨てたのです。これは、正しい判断でした。どちらにころんだとしても、良い判断です。対馬沖であれば、大打撃を与えられる、太平洋沖であれば、日本艦隊は無傷で、かなりやっかいなことになるのですが、次のチャンスを狙えるということです。しかし、兵力を二つにわけて、対抗すれば、半分の艦艇、兵力を失うことになるかもしれません。そうして、結果といえば、皆さんご存知のように、日本海海戦は、日本の一方的な大勝利に終わりました。軍事ではこのようなことは、いくらでもあります。

ちなみに、下の図は、当時想定された、ロシアバルチック艦隊がウラジオストックを目指す航路です。当時でも、宗谷海峡はほとんどあり得ないと考えられていました。しかし、津軽海峡を通ること十分あり得ることと認識されていました。




今回のミサイル発射での日本の対応も、沖縄付近で迎え撃つということで、ミサイル発射直後の対応は捨てているということです。であれば、政府としては、何もうろたえることはなく、当方としては、ミサイルの飛跡を確認できず、したがって、日本には、影響なしと、発表すれば良かっただけです。それに、プラスして、アメリカの情報では、発射は確認されたが、飛跡が見当たらないため、打ち上げに失敗したようであると公表すれば、それで良かったことです。




軍事的には、日本海海戦のように、何かを決断すれば、何かを捨てることにもなるということを学んでいれば、さほどあわてることもなかったと思います。しかし、歴史に学ぶという姿勢欠いているため、あのようなお粗末な対応になったものと思います。(上は、韓国の女優ハン・イェスル、中国のあるメディアは、これを美しい北朝鮮の陸軍中尉と紹介し、韓国のネットユーザーらを失笑させた。報道は、正しい情報にもとづいて行いたいものです)

さて、そろそろ、結論を掲載させていただきます。いくらGoogle Earthや、Mapなどで、誰もが情報を比較的簡単に入手しやすい時代になったとしても、判断ということになれば、人間が情報をもとに行うものであり、昔も今もあまり変わりはないということです。いくら情報が山ほどあって、最新であったとして正しい判断ができるとは限りません。ですから、歴史的事実などのケーススタディーもないがしろにできないということです。






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2012年4月20日金曜日

ふらんす亭の井戸実社長「ニートみたいな奴に限って何を根拠かわからんけどすぐ駄目になるとか悲観論を言う」―【私の論評】誰もがニートになれるし、井戸社長のようにもなれる!!考え方次第だ!!

ふらんす亭の井戸実社長「ニートみたいな奴に限って何を根拠かわからんけどすぐ駄目になるとか悲観論を言う」:

ふらんす亭の井戸実社長「ニートみたいな奴に限って何を根拠かわからんけどすぐ駄目になるとか悲観論を言う」


『ふらんす亭』や『とんかつ&サラダバー よしかつ』の代表取締役社長・井戸実氏が、インターネット上で「ニートみたいな奴に限って悲観論を言う」という内容の発言をし話題となっている。

井戸社長は『東洋経済』のインタビューで「たまに2ちゃんねるなどで炎上させて有料のメルマガに読者を誘導させる方法」や「このメルマガだけで毎月80万円の入金がある」などの発言をして物議をかもしていたが、またまたインターネット上で話題になりそうな発言をしたわけだ。以下は、井戸社長の発言である。

・井戸実社長の Twitter での発言
「なんでニートみたいな奴に限って、何を根拠かわからんけど、すぐ駄目になる。とか悲観論を言うんだろう。仮にいずれ駄目になったとしても今駄目な奴にとやかく言われたく無いよね」(引用ここまで)

これに対して一部のTwitterユーザーからは「悲観しているのではなく経験による鋭い予測かもしれません。今駄目な奴の意見は一番聞くべきです。問題点を知っています」という声があがっている。あなたは、井戸社長の意見に対してどういう感想を持っただろうか?

参照元: Twitter / idominoru.



【私の論評】誰もがニートになれるし、井戸社長のようにもなれる!!考え方次第だ!!

それにしても、井戸社長このブログにも何回か掲載させていただきましたが、本当に時々、意識してか、無意識なのか、かなり物議を醸すようなツイートをしています。私自身は、誰もがニートにはすぐになれるし、井戸社長のようにもなれると思っています。ただし、両者には、考え方におおきな隔たりがあります。私は、この考え方の違いを井戸社長が彼独特の言い回しで、言っているのだと思います。

本日は、この記事のほかにも以下のような記事が掲載されていました。

やってはいけない不幸を呼び寄せる習慣

この記事は、ベストセラーを多数上梓している若者向け自己啓発書のカリスマ、千田琢哉さんの著書『幸福をつかむ50の習慣』から、やっては、いけない三つの習慣をとりあげています。


■愚痴を吐く人の周りは愚痴だらけ
仲間内で愚痴を言い合ったり、いつも不平不満を言ったりしてしまう。自分の思う通りにいかなければ、そんな風になってしまうこともあるでしょう。しかし、愚痴やネガティブな情報ばかり発信してしまうと、周囲も愚痴ばかりになり、いつしか自分の周りには不平不満で溢れかえっている…という状況になってしまいます。
幸せになりたければ、自らポジティブな言葉を発信し続けることが大切です。これは今すぐにできることです。


■暗い顔は伝染する
どん底に落ちたとき、多くの人は暗い顔をしてうなだれます。
しかし、暗い顔をするから生命力が落ち込んでますます暗い人生になっていくと千田さんは言います。さらにその暗い顔はそのまま伝染し、周囲から応援もされない孤立無援な状況に陥ってしまいます。
そうならないように、どん底のときこそ笑うのです。どん底で暗い顔せずにイキイキと歯を食いしばっていると、必ず出逢いがあります。その出逢いがあなたを助けることになるのです。

■「けど」の多用は禁句
失敗した「けど」仕方ないよね。遅刻した「けど」仕方ないよね。そんな風に「けど」を使ってしまうことはないでしょうか。
千田さんはこの「けど」という言葉は、その前にある言葉を悪気なく水に流してしまう悪魔の言葉だといいます。一瞬にしてそこで成長をストップさせてしまう恐ろしい口癖であり、急激に運気を落としてしまうとまで言います。
確かに失敗した、という言葉に「けど」と続くと、自分で自分の罪を勝手に許してしまっているように聞こえます。
ビジネスパーソンは結果が大事です。結果を求めるのであれば、「けど」は禁句です。
よくやってしまいがちなこれらのことですが、私たちは知らず知らずのうちに自分の運気を下げていたといえます。

本書では人生、仕事、恋愛、友情、お金という5つのトピックから運気を上げるための50のヒントが示されており、どの部分からでも読み進めることができます。
「最近イケてないな、自分の周囲は」と思ったら、まずは自分がネガティブなオーラを発信していないか、確認してみるのはいかがでしょうか。意外と自分に一番問題があるのかも知れませんよ。
この著者は、幸福になれる人となれない人の差は、性格によるというような言い方をしています。しかし、性格というものは、習慣からできあがるものです。そうして、その習慣は、意図して意識すれば、誰にでもできるものと思います。

ニートの人たちには、いわゆる、悪い習慣が身についてしまっていて、すぐに悲観的になりやすいことを指摘しているのだと思います。一方、井戸社長は、悲観的にはならないで、悪いことがあっても、すぐに悲観的ににはならず、何かの方策を考えるということが、習慣になっているのだと思います。

いずれにしても、すぐに愚痴を吐く人、暗い顔をしている人、「けど」を多用する人には、明るい未来はやって来ないのは、必定だと思います。井戸社長は、そんな人からネガティブなイメージを受け取り、自分もネガティブになるつもなど全くないということを言いたいのだと思います。

井戸社長は、今の仕事は、フランス亭のアルバイトから始めていました。この店をひきうけたことから、現在の仕事がはじまっています。親の仕事を引き継いだというわけではありません。その後、他の業態なども開発し、現在にいたっています。だから、条件としては、ニートのひとたちともあまりかわらないところから、現在の事業を軌道にのせているわけです。問題にばかり集中し、悲観的になるのではなく、機会を追求し続けた姿勢により現在があるのだと思います。


会社の社長などやっていれば、愚痴を吐くわけにはいきません。業績が 悪いからといって、暗い顔をしていたら、ますます、会社は傾きます。そうして、 社長の双肩には、お客様、従業員、取引先への責任があるわけですから、 「けど」などといって、責任を転嫁するわけにもいきません。

ニートの人も、自分の人生観によって、ニートをやっているというのであれば、それを貫けば良いし、そうでなければ、自分の愚痴や暗い表情や、責任転嫁で、他の人までも、ネガティブにするようなことは、やめるべきです。井戸社長は、まさにこのことを言いたいのだと思います。まあ、ニートと、いわゆる会社の社長とでは、価値観が最初から異なるのは当たり前のことと思います。

しかし、Twitterなどでは、誰もができることですし、ニートであっても、誰にでもツイートもできるわけですから、このような間違いが起こるのだと思います。日本人には、まだまだ、平等主義意識というのが残っているのだと思います。周りの人も自分もみんな同じであるような、おかしげな幻想を持っている人が多いということだと思います。まずは、人と自分は異なるということ、それに、自分の生き方は、結局どのような境遇にあろうと、日本などの社会では、結局自分のせいであること。それを変えたいなら、まずは、自分を変えなければならないということです。



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