2025年5月18日日曜日

中学生正答率38%の「アレクサンドラ構文」 “機能的非識字”にはリスクも? 「IQとは違いトレーニングで良くなる」鍛え方は—【私の論評】メディアの堕落と石破首相の失策を暴く! 機能的非識字と国家観の危機を徹底解説

中学生正答率38%の「アレクサンドラ構文」 “機能的非識字”にはリスクも? 「IQとは違いトレーニングで良くなる」鍛え方は

まとめ
  • アレクサンドラ構文:女性の名Alexandraの愛称がAlexであることを問う読解テストの問題で、ネット上で話題。正答率は中学生38%、高校生65%と低く、誤答の多くは「女性」を選択。
  • 機能的非識字:文字や単語は理解できるが、説明文や契約書などを正しく読み取れない状態。社会生活での説明書理解、社会保障活用、政治参加、偽情報への耐性などに弊害をもたらす。
  • シン読解力:新井紀子教授が提唱する、知識や情報を正確に読み取るスキル。子どもの教科書音読・視写や大人の助詞問題などで鍛えられ、年齢を問わず向上可能。
  • 教育現場での実践:福島県相馬市では理科・社会の教科書を活用した音読・視写で学力向上。クラスが活性化し、ニュースに基づく議論も行われるようになった。
  • 社会的影響:機能的非識字は世界で5人に1人に及び、経済損失は約176兆円(2023年)。受験テクニックやSNSの短文文化が誤読を助長する一因。


「アレクサンドラ構文」は、文章の正確な読解力を測るリーディングスキルテスト(上画像)で、女性の名Alexandraの愛称がAlexであることを問う問題がネット上で話題となっている。一見簡単そうだが、正答率は中学生で38%、進学校に通う高校生でも65%と低く、誤答の多くは「女性」を選ぶものだった。答えは、もちろんAlexである。この誤答の背景には、文字や単語は理解できても文章全体を正しく読み取れない「機能的非識字」が原因として挙げられる。

機能的非識字は、識字障害や知的障害がないにもかかわらず、説明文、契約書、学校のお知らせ、公的な文章などを正確に理解できない状態を指す。これにより、説明書や契約書の誤解、社会保障制度の活用困難、政治参加の制約、偽情報や詐欺への脆弱性など、社会生活に多岐にわたる弊害が生じる。世界では5人に1人が機能的非識字を含む非識字状態にあり、経済損失は2023年時点で約176兆円に上ると推定されている(World Literacy Foundation)。

国立情報学研究所の新井紀子教授は、教科書や新聞、辞書など、わかりやすく書かれた文章を引用したテストでも読めない人が多いと指摘。2017年から小学生から大人まで50万人が受験したこのテストは、視力検査のように難易度が調整される仕組みで、文章読解の弱点を明らかにする。受験テクニックに頼る学習や、SNSでの短文文化、脊髄反射的な反応が誤読を助長しているとされ、コラムニストの河崎環氏は、問題文から答えを「検索」する癖が誤答を招く一因だと分析。

新井氏は「シン読解力」を提唱し、知識や情報の正確な理解を可能にするスキルを重視。子どもの場合は理数社の教科書の音読や1分間視写、大人の場合は助詞の正確な使用問題などで鍛える方法を提案している。福島県相馬市では、理科や社会の教科書から30〜50字を抜き出した音読・視写の実践により、教科書特有の表現が身につき、学力が向上。1年でクラスが活性化し、ニュースを基にトランプ大統領の政策を議論するまでに至った。読解力はIQとは異なり、40歳を過ぎてもトレーニングで向上可能とされ、生涯学び続けられる力として注目されている。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】メディアの堕落と石破首相の失策を暴く! 機能的非識字と国家観の危機を徹底解説

まとめ
  • 西村幸祐氏の『マスコミ堕落論』:朝日新聞などのメディアが反日イデオロギーに染まり、尖閣や竹島問題の報道で堕落・劣化していると批判。GHQの「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」に起源を持ち、国家観欠如による機能的非識字が誤報の原因だと指摘。
  • 高橋洋一氏の「ど文系」批判:感情論や表面的な理解で経済を語る「ど文系」は、データや統計を軽視し、誤解や政策失敗を招く。機能的識字の重要性を訴える。
  • 石破首相の機能的非識字の可能性:2025年の商品券問題や米価発言で、文脈を捉えられない対応が見られる。国家観の薄弱さが機能的非識字を助長する。
  • 国家観と機能的識字の関係:文系・理系問わず、国家観がなければ情報の本質を見誤る。新井紀子氏のテストや相馬市の教育実践が、機能的識字の向上を示す。
  • 解決策と信念:成人教育で国家観と機能的識字を育て、誤報や誤った政策を見抜く社会を築くべき。国民一丸での真の社会実現を信じ、発信を続ける。

機能的非識字は、文字が社会の基盤となった遠い昔から存在する問題だ。情報を使いこなす必要が生まれた瞬間、その影はすでに忍び寄っていた。私は10年前、ブログで西村幸祐の『マスコミ堕落論』を取り上げ、その流れでメディアの機能的非識字を鋭く批判した。今、その核心を掘り起こし、さらには石破茂首相自身が機能的非識字に至っている可能性を、国民の視点から問う。

西村氏の『マスコミ堕落論』を読んで、朝日新聞をはじめとするメディアが反日イデオロギーに毒され、尖閣や竹島問題の報道で堕落し、劣化していると確信した。西村氏は、この病巣が終戦後のGHQによる「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」に根ざし、日本自身が反日報道を育てたと喝破する。さらに、メディアの知的レベルが一般国民に追い抜かれたとしている。

私はこの分析に心底共感する。メディアは安全保障や外交に無知で、社説では思考停止や論点のすり替えを繰り返し、国民の知る権利を奪う。2013年の特定秘密保護法や集団的自衛権の報道では、表面的な反対論を振りかざし、深い議論を避けた。こんなメディアに、国民はうんざりしている。

私が最も腹立たしく思うのは、メディアの知的レベルが一般国民に追い抜かれた背景に、多くの国民が、インターネットにより新たな情報源を得ただけではなく、記者やコメンテーターの機能的非識字が蔓延している現実だ。機能的非識字とは、文字や単語は読めても、新聞記事や公的文書を正しく理解し、社会で活用する力が欠如した状態である。この構図は基本的に今も変わっていない。

10年前のブログで私が触れた日経新聞の報道例は、物流危機の原因を単純な規制に帰し、長期デフレや雇用改善の影響を無視する誤報だった。読売新聞の貿易赤字報道も、赤字を一律に悪と決めつけ、経済全体を歪めて伝える。私は、これらの誤報がメディアの経済理解の浅さと機能的非識字に起因すると断言する。

高橋洋一氏が批判する「ど文系」も、同じ病巣を抱える。経済や政策を感情論や表面的な理解で判断し、数字やデータでの分析を軽視する姿勢だ。東京大学数学科出身の高橋氏は、複雑な経済現象を論理的かつ明確に整理し、統計やファクトで解説する。だが、「ど文系」の連中は、貿易赤字を一律に「悪い」と報じ、経済政策をスローガンで語る。デフレ下の雇用悪化やブラック企業を制度や悪意だけに帰し、金融政策の影響を見落とす。経済問題を基本原理で捉えず、細部に囚われる姿勢も問題だ。こうした思考は、日本経済の誤解や政策の失敗を招く。高橋氏は、数字、グラフ、統計を駆使した機能的識字の重要性を訴える。『「経済オンチ」が日本を破壊する!』で、この点を痛烈に論じている。

石破茂首相自身にも、機能的非識字の兆候が見られるのではないか。私はそう疑う。2024年10月に第102代首相に就任した石破氏は、2025年3月の商品券配布問題で火だるまになった。衆院選当選の自民党新人議員15人に10万円相当の商品券を渡し、「政治とカネ」の批判を浴びた。石破氏は「慰労は慰労」「政治活動ではない」と弁明したが、共産党の田村智子氏は「裏金」と断じ、維新の柳ケ瀬裕文氏は「詭弁」と追及した(朝日新聞、2025年3月14日)。この対応は、政治資金規正法や国民の不信を軽視し、文脈を正しく捉えられない機能的非識字の特徴を示す。国家観があれば、首相として「政治とカネ」の敏感さを理解し、こうした行動を避けたはずだ。

さらに、2025年5月の米価高騰問題では、石破氏が『日曜報道 THE PRIME』で「世界に日本米を提供」と発言し、国内の米不足を無視したとして国民の怒りを買った(週刊女性PRIME、2025年5月17日)。経済データや国民生活の文脈を軽視し、表面的なグローバル志向に走る姿勢だ。Xでは「経済音痴」との声が上がり(2025年5月12日)、機能的識字の欠如を指摘された。国家観があれば、食糧安全保障や国内農業を優先した発言ができたはずだ。

石破氏の答弁スタイルも問題だ。日本テレビの分析(2025年1月5日)では、予算委員会の22万語で「議論」「私ども」「委員」が頻出し、「石破構文」と揶揄される。具体性に欠け、国民に政策を活用させる機能的識字を欠く。国家観が薄弱だと、首相として日本全体の利益を優先するビジョンが持てず、議論のための議論に終始する。


機能的識字と国家観は、一見無関係に見えるが、実は深く結びつく。文系でも理系でも、国家観がなければ情報の本質を見誤る。文系では、特定秘密保護法報道でメディアが感情的な反対に終始し、国際的文脈を無視した。理系では、物流の2024年問題の報道で、日経新聞が危機の原因を時間外労働の上限規制(年960時間、2024年4月1日施行)に帰し、雇用改善やデフレ脱却の影響を無視した。

理系の素養がある記者なら、失業率低下や賃金上昇の統計を分析できたはずだ。国立情報学研究所の新井紀子氏のテスト(2017年開始、50万人受験)では、中学生の38%、高校生の65%しか「アレクサンドラ構文」を正解できなかった。これは、文脈を捉える力の欠如を示す。STEM教育の研究(2018年)も、技術的識字だけでなく社会的文脈の識字を求める。原発やAI開発で、国家戦略を無視すると、技術の意義を見誤る。

私は、国家観の欠如が機能的非識字を助長すると確信する。政府批判や情報理解には、国家観が不可欠だ。国家が世界の行政単位である以上、日本固有の国家観を前提としなければ、歴史、文学、政治、文化、外交を深く理解するのは不可能だ。深い理解は、その存在を認めなければ不可能だ。他国も同様で、各国独自の国家観を認めなければ、その本質はつかめない。何も、自国や他国の国家観を全て無条件に是認しろと言うのではない。まずその存在を認めなければ、判断も議論もできないのだ。特に日本の国家観は、日本人の潜在意識に根底にある、日本の霊性の精神文化を理解しなければ、本当には理解できないだろう。

福島県相馬市の教育実践(2023年)では、教科書の音読・視写で理科や社会を学び、ニュース議論を通じて機能的識字が向上した。World Literacy Foundation(2023年)は、機能的非識字が世界で5人に1人に及び、経済損失が176兆円と報告する。

私は、文系も理系も、機能的識字能力に欠ける人は、知識を記憶するだけで判断や解決ができないと断じる。石破首相の例に見るように、機能的非識字は指導者にも忍び寄る。成人向け教育でメディアや政治家の機能的非識字を克服し、国家観を取り戻すべきだ。私は、国民が機能的識字と国家観を磨き、誤った政策や報道を見抜く力を育てれば、真に健全な社会が築けると確信する。それが実現されるまで、私は発信を続ける。

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