2025年5月4日日曜日

プーチン、涙目…!アメリカとウクライナ「鉱物資源協定」で明らかになった「トランプの本音」—【私の論評】トランプの親ロシア発言の裏に隠された真実!マッドマン戦略とウクライナ支援の全貌

プーチン、涙目…!アメリカとウクライナ「鉱物資源協定」で明らかになった「トランプの本音」

まとめ
  • 米ウクライナ復興投資基金の設立:ウクライナと米国が包括的合意に署名。ウクライナの資源はウクライナが管理し、米国による搾取は認めず、対等なパートナーシップを確立。
  • トランプのマッドマン戦略:トランプのロシア寄り発言は交渉戦術であり、実際の合意はウクライナ支援を重視。過去の対立や会談は演出で、政策は一貫。
  • 基金の運営とウクライナの主権:基金は50:50で運営、ウクライナの国営企業は民営化せず、軍事支援は実質無償。ウクライナの決定権と主権が尊重される。
  • ロシアの経済・軍事危機:ロシアは経済悪化(高金利、ローン延滞)と軍事資源不足(北朝鮮依存)に直面し、戦争継続が困難。
  • 米国の対ロシア姿勢強化:トランプ政権はロシアの停戦消極性に失望し、ウクライナ支援とロシアへの圧力を強める方針へ転換。

ウクライナのスヴィリデンコ第一副首相と米国のベッセント財務長官が、アメリカ・ウクライナ復興投資基金設立に関する包括的合意に署名した。この合意は、ウクライナの領土・領海内の全資源がウクライナに属し、採掘場所や内容の決定権もウクライナ側が保持することを明確に規定。米国による植民地主義的な資源搾取は認められず、両国は対等なパートナーシップを確立した。ベッセント長官は、「自由で主権あるウクライナ」を支持し、トランプ政権がロシアに対し長期的な和平プロセスにコミットする姿勢を示した。この発言は、ウクライナをロシアの属国とみなさず、独立性を尊重する米国の立場を反映している。

トランプの過去のロシア寄り発言やウクライナへの軍事支援に否定的な発言は、「マッドマン戦略」による交渉戦術であり、実際の合意内容は一貫してウクライナ支援を重視。2025年2月のトランプとゼレンスキーのホワイトハウス会談での対立や、フランシスコ教皇葬儀前の首脳会談での「小芝居」は、表面的な演出であり、裏では長期間の事務方折衝が今回の合意を支えた。合意内容は、以前の鉱物資源協定の方向性と一致し、トランプ政権のウクライナ政策の一貫性を示す。

基金は両国が50:50で運営し、決定権はどちらにも優越せず対等。ウクライナの国営企業(例:ウクルナフタ、エネルホアトム)は民営化されず、米国の影響下で乗っ取られることはない。ウクライナ側の資金は新規ライセンス収入の50%に限定され、別途資金準備は不要。米国側の拠出は金銭だけでなく、防空システムなどの軍事支援も含む。これにより、トランプが過去に否定した軍事支援が「基金への拠出」として実質無償で提供される道が開かれた。基金は収益性よりもウクライナ支援を優先し、軍事支援の損耗もウクライナ政府の負担とはならない仕組み。

ロシアは経済的に困窮し、原油・ガス価格低迷や高金利(年21%)によるローン延滞率の上昇(住宅ローン2.6%、消費ローン16.1%)に直面。軍事面でも装甲車や砲身の不足、北朝鮮への依存が進む。元米陸軍中将キース・ケロッグは「ロシアはこの戦争に勝てない」と発言し、米国の本音を代弁。トランプは当初、ロシアのメンツを考慮し譲歩しやすい環境を整えたが、プーチンの停戦への消極姿勢に失望。ベッセント長官は、ロシアやその支援国がウクライナ復興の利益を得られないと警告し、トランプ政権の対ロシア強硬姿勢を明確化。今後、米国のロシア対応は厳格化し、プーチン政権にとって厳しい局面が予想される。この合意は、ウクライナへの10年間の関与とロシアへの圧力強化を示す。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】トランプの親ロシア発言の裏に隠された真実!マッドマン戦略とウクライナ支援の全貌

まとめ
  • トランプのマッドマン戦略:親ロシア発言は交渉戦術であり、予測不能な振る舞いでロシアを揺さぶる。実際の政策はウクライナ支援を一貫して優先。
  • 2024年選挙期間の曖昧さ:プーチンを称賛し、ウクライナ支援に懐疑的。ゼレンスキーとの会談は友好的だが具体策なし。共和党孤立主義派へのアピールとロシア交渉の布石。
  • 2025年初頭の対立演出:ウクライナ支援凍結、ゼレンスキー批判、ホワイトハウスでの公開対立は、ロシアにウクライナの孤立を示す演出。共和党懐疑派を意識。
  • 2025年3~4月の交渉と転換:ロシアとの和平交渉でウクライナを排除、国連でロシア支持も、プーチンの非協力で支援再開へ。マッドマン戦略の限界と調整。
  • 2025年5月の合意と関税:復興投資基金でウクライナの主権と支援を保証。親ロシア発言を覆す。関税(ウクライナ10%、ロシア除外)は交渉戦術で、2018年の中国関税の成功例と同様。トランプの一連の行動は、かつての日本の「腹芸」を思いおこさせる。
トランプの親ロシア発言は単なる交渉の仕掛けだ。実際の合意はウクライナ支援を貫き、過去の対立や会談は巧妙な演出にすぎない。政策は揺るぎない。2024年の大統領選挙から2025年5月4日までのトランプの言動を追い、彼の「マッドマン戦略」—予測不能な振る舞いで相手を揺さぶる手法—を検証する。


2024年、選挙戦の熱気の中で、トランプはウクライナ・ロシア紛争を「就任初日に終わらせる」と高らかに宣言した。プーチンを「尊敬すべき指導者」と持ち上げ、ゼレンスキーを「狡猾な策士」と切り捨て、ウクライナへの軍事支援に冷ややかな目を向けた。欧州に負担を押し付けるべきだと訴えた。

9月、ニューヨークでゼレンスキーと会談し、笑顔を振りまいたが、具体的な約束はゼロ。和平交渉の急務だけを口にした。この曖昧さは計算ずくである。共和党支持者の54%しかウクライナを好まない(ギャラップ調査)と知り、孤立主義の心をつかむためだ。同時に、ロシアに「話せる相手」と印象づけ、交渉の扉を開くマッドマン戦略の第一歩だった。2017年の北朝鮮との舌戦から対話への転換を思えば、トランプの狙いは明らかだ。

2025年1月20日、大統領に返り咲いたトランプは、ウクライナ支援を一時凍結し、ロシアとの対話を優先した。2月、特使キース・ケロッグがゼレンスキーの正当性に疑義を呈し、停戦後の選挙を迫った。2月18日、トランプは「ウクライナが戦争を始めた」と言い放ち、ゼレンスキーを「選挙を避ける独裁者」と罵った。

ゼレンスキーは「ロシアの偽情報に毒されている」と反撃。2月28日、ホワイトハウスでの会談は、公開の場で罵り合いに終わり、トランプがウクライナの鉱物資源を求める強引な取引を押し付けたと報じられた。会談は崩壊。ウクライナは「圧力だ」と憤った。だが、上の記事が「演出」と呼ぶこの衝突は、トランプの仕掛けである。

ロシアに「ウクライナは孤立する」と見せかけ、交渉を急がせる。共和党内のウクライナ懐疑派—マイク・ジョンソンらの声—を抑える計算もあった。ピュー調査(2025年3月)で43%の米国人がトランプの親ロシア姿勢を危ぶむ中、彼は大胆に振る舞った。

3月、舞台は動く。サウジアラビアでロシアとの和平交渉が始まり、ウクライナは蚊帳の外。国連では、米国がロシア非難決議に反対し、ロシアや北朝鮮と肩を並べた。衝撃的な一手だ。ノルドストリーム2の制裁解除も検討された。だが、4月、プーチンの非協力にトランプは苛立ちを隠さず、ウクライナ支援再開を模索した。

サウジアラビアでの米露による和平交渉

ロシアに甘い顔を見せつつ、ウクライナを締め上げる—これがマッドマン戦略の核心だ。国連での行動は、プーチンに「本気だ」と示す賭けだったが、同盟国の反発を招いた。支援再開の兆しは、ウクライナを切り捨てない姿勢をさりげなく示す。上の記事の「支援の根底」を裏付ける瞬間である。

2025年5月、物語は頂点に達する。米国とウクライナが「復興投資基金」合意に署名。ウクライナの資源はウクライナが握り、国営企業は民営化せず、50:50の対等な運営を確立した。米国は防空システムなどの軍事支援を「拠出」として提供し、実質無償の道を開いた。

トランプは黙したが、ベッセント財務長官が「自由で主権あるウクライナ」を掲げ、ロシアを牽制した。この合意は、トランプの親ロシア発言を覆す。プーチンとの交渉が停滞し、トランプはウクライナ支援を強め、ロシアへの圧力を選んだ。2月の対立や教皇葬儀前の短い会談は、交渉を操る演出だった。裏では、数か月の折衝がこの合意を築いた。過去の鉱物資源協定と同方向を向くこの一歩は、トランプの政策が揺るがなかった証である。


このマッドマン戦略は、関税にも息づく。2025年4月、トランプはウクライナに10%関税を課したが、ロシアは除外した。ロシアに交渉の甘い誘いをかける戦術だ。2018年、中国に25%関税を突きつけ、貿易交渉を動かした手口と同じである。ブルームバーグ(2025年3月)は、トランプが関税を「交渉の武器」と呼び、相手の出方次第で即座に解除する柔軟性を示したと伝える。ウクライナへの関税はロシア優先のポーズだったが、5月の合意で支援を固めたように、関税も最終的には同盟国との絆を優先する道具である。トランプの戦略は一貫している。

トランプの2024年から2025年5月への軌跡は、鮮やかに真実を照らす。親ロシアの言葉、ウクライナとの衝突は、プーチンを交渉に引きずり出すマッドマン戦略の仮面だ。5月の合意は、ウクライナの主権と支援を貫く本心を暴く。

プーチンの裏切りと国内の批判—43%が親ロシアを恐れた—が、トランプをロシアへの強硬姿勢に押しやった。関税もまた、交渉の刃として振るわれ、トランプの現実主義と世界の風を読む鋭さを物語る。彼の真意は、揺らぐことなくウクライナを支え、ロシアを牽制する道にあった。

トランプのマッドマン戦略と日本の腹芸は、対立の仮面で最終的には協調を追い求めるということで共通点がある。トランプの叫びも、日本の微笑みも、最終的には対立ではなく、共存の道を探る。2025年のウクライナ支援も、過去の日本の外交も、この真理を刻む。

だが、日本では腹芸が色褪せ、最初から最後までフランクさが「上等」と錯覚される。一昔前の日本人なら、トランプの行動を異常とみなすことはなかったろう、それどころか当たりと受け取っただろう。SNSやグローバル化が、和の知恵を薄れさせたのかもしれない。情けないが、日本人は腹芸の価値を思い出す時だ。トランプの戦略から学び、協調の心を再び燃やそう。トランプのこの物語から日本の魂を取り戻すヒントを見つけられるはずだ。

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