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2020年3月29日日曜日

中国 陽性でも無症状は感染者に加えず 感染拡大に懸念の声―【私の論評】中国共産党も、日本の財務省も、その本質は「死神」であることが顕になりつつある(゚д゚)!

中国 陽性でも無症状は感染者に加えず 感染拡大に懸念の声


中国では新型コロナウイルスに感染して陽性反応が出ても症状がないことを理由に感染者の統計に加えず、公表もされていませんが、「無症状」の感染者から感染した可能性があるケースが出ていて、感染が広がることに懸念の声が上がっています。

中国 河南省の保健当局は28日、国内で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者45人のうち、省内の女性1人について、陽性反応が出ても症状がない人と濃厚接触していたと発表し、「無症状」の感染者から感染した可能性があることを明らかにしました。

中国政府は無症状の感染者について、隔離して2週間の経過観察の対象となるものの、せきなどの症状がないため感染させる確率は比較的低く、公表する必要がないとして感染者の統計に加えていませんが、香港メディアは非公開の記録として、先月末の時点で無症状の感染者が4万3000人以上に上っていたと伝えています。

国民からは公表されていない「無症状」の感染者から感染が広がることに懸念の声が上がっていて、李克強首相は今月26日に開いた会議で情報公開や対策を強化する方針を示しました。

【私の論評】中国共産党も、日本の財務省も、その本質は「死神」であることが顕になりつつある(゚д゚)!

中国は感染の初期段階でも、感染の事実を隠蔽したため、多くの国々の人々が感染しました。これは、すでに多くの人が知っている事実です。

中国の統計データは2月に3度も統計変更がありました。通常は変更後と変更前の複数時系列が発表されるべきですが、公表もそうした措置は見当たらず、全く信用ができません。

陽性反応が出ても症状がないことを理由に感染者の統計に加えなかったとしても、感染者として追跡をしたり、囲い込みをしたり、自宅療養させるなどの隔離の措置をとっていれば、防疫体制にはあまり問題がないかもしれませんが、もしこれを通常の感染していない人と同じ扱いをしていたとしたら、とんでもないです。

しかし、とにかく習近平政権としては、武漢ウイルスの感染が中国では終息したことをアピールしたいようですから、感染していない人と同じ扱いをしている可能性は高いです。

そうなるとさらに、かなりの人に感染がこれからも広がる可能性が高いです。これでは、日本としても、中国からの入国制限を当面緩めることはできません。

非常時には人の本質が顕になると昔から言われていますが、今回の非常時において、習近平や中国共産党の本質が顕になったのが、この統計の操作です。

とにかく自らの落ち度にならないように、自ら無謬でありたいがため、統計のとり方まで兵器変えてしまうのが、中共なのです。統計の操作といえば、もともと中国のGDPの値もほとんど信じられていません。まずは、地下経済を完璧に無視したものになっています。

さらには、伸び率などほとんど出鱈目です。これらは、貿易相手国の正確な数字を用いて、実際輸出入の数字とGDPに相当乖離があることや、人工衛星からの中国の夜間の灯りの推移を観察した結果などからも、かなり出鱈目であることが実証されています。

中国の統計数値は、正確なデータではなく、「政治的メッセージ」であるとみなすのが正しいです。要するに「武漢ウイルスを根絶せよ」「GDPをこのくらい伸ばせ」という号令のようなものとみなすべきなのです。

このようなことを、平気でするのが中共です。非常時には人の本質が顕になるというのは、無論中共だけではなく、日本の中でも見られることです。

たとえば、最近では広島県の県立広島大は29日、新型コロナウイルスへの感染が確認された今春卒業の女子学生(20歳代)について、欧州を旅行後、症状があったにもかかわらず、卒業式に出席していたと発表しました。大学側は1月以降、全学生に海外旅行を自粛するよう求めていました。

大学によると、学生は今月5~13日、英国などを旅行。帰国後、のどの痛みや鼻水などの症状が出たにもかかわらず、23日に学科別に開かれた卒業式にマスクをして出席しました。学生は福岡県在住で、同県が28日にこの学生の感染を発表しました。


少し古いもので記憶に残るものとしては、2月18日午後8時頃の福岡市営地下鉄内で、同じ車両の席でマスクをせずに咳をしている人がいるというので、非常通報ボタンを押し、電車を止めた男がいました。

テレビでも放映されたが、優先席に座っているので高齢者のようです。車内はガラガラでした。それほど嫌なら席を変えるかいったん下車すればよいです。“迷惑爺”としか言いようがないです。

しかも、この男は偉そうに足を組んで座っているのです。マナーも知らないようです。この現場に居合わせた青年によると、車内では「頭おかしいんじゃない」という声が上がっていたそうです。

2月28日には、山手線でもマスクした女性が咳をしたところ、女性に対して「コロナウイルスの可能性があるから、隣の車両に移れ」と怒鳴る男がいて、それを注意した男性と怒鳴り合いになる場面がテレビで放映されていました。傑作だったのは、この場面を撮影した高校生の「大人気ないなあ」というコメントでした。この男も恥ずかしい姿をさらしてしまいました。




トイレットペーパーをめぐっても恥ずかしい行動が相次ぎました。あるスーパーでは、デマ情報に踊らされた相当高齢だと思われる男性が12ロール入りのトイレットペーパーを4つもカートに乗せていました。この恥ずかしい映像は全国に放映されました。今の時代、どこで誰に撮られているか分かったものではありません。

先月末から今月にかけてトイレットペーパーがスーパーの棚から消えてしまいました。原因はSNS上で「トイレットペーパーなどの製造元である中国が、生産をしていないので品薄になる前に購入したほうがいい」というデマ情報が拡散したためです。

このデマ情報を拡散させた1人が米子医療生活協同組合の職員だったことが判明し、同生協が謝罪会見を行いました。この職員は、「伝え聞いた情報を確認せず投稿してしまった。転売目的ではない」などと釈明しているようですが、無責任きわまりない行為です。

愛知県・蒲郡市では、陽性だと判明した50代の男性が「コロナウイルスをまき散らしてやる」と言って、飲食店やパブに行っていたことが判明しました。正気の沙汰ではないです。当人は、すでに亡くなったそうですが、言語道断の行為です。

静岡県・焼津市から選出されている諸田洋之県議が大量のマスクをインターネットオークションに出品していたことが判明した。3月9日に本人が行った記者会見によれば、888万円の売り上げがあったそうである。もともと会社で持っていたものなので転売ではないから、悪いことをしたとは思っていないと開き直ったそうです。

1枚せいぜい数十円のものを何倍、何十倍もの値段で販売するというのは、マスク不足につけ込んで金儲けをしたということです。こういう他人の危機につけ込んでやる金儲けをするというのは、卑しいやり方です。県議以前に、人間として批判されるべきです。

以上のように、日本国内でも非常時には人の本質が顕になるという例がかなりみられました。これからも、怒るかもしれません。人の振り見て我が振り直せという格言もあります。私も、このような愚かなことをしないように気をつけたいです。

しかし、この現象は財務省にまで及んでいます。このブログでも、以前指摘したように、今回のような非常時には、経済の大停滞と未曾有の危機であり、かつ、消費税増税で景気が低迷しているわけですから、低所得層や子育て世帯の生活底上げを目指す給付金の支給と景気の底上げを目指す、消費税減税の両方を実行すべきです。

すぐに、効果がでるように、給付金を支給し、その後消費税減税を行い、その後も何度も様々な政策を実行すべきです。そうして、それを実行するには国債を発行すればよいです。国債発行により、金利が上昇することがあれば、日銀が金融緩和をすれば良いのです。今の日本ではやりようはいくらでもあります。

しかし、財務省は減税は頑としてやりたくないようで、政府に足して減税か給付金かの二者択一を迫っているようです。これは、はっきりいって財務省の越権行為です。減税と給付金を実行するしないかあくまで政府が決めるべきものです。

経済危機や不況の時の不十分な経済政策は、死者を生み出すことがスタックラー&バス『経済政策で人は死ぬか?』草思社で説得的に解説されています。これについては、このブログでも解説しました。その意味では長期停滞の主犯である財務省と旧日銀は人殺し組織といっても過言でないです。失業率と自殺者数の負の相関(オークンの法則)は明瞭なその証拠です。


仮に非常事態宣言を出せば経済への損失はさらに拡大するのは間違いないでが、それは経済対策をうまく実行すれば乗り越え可能です。国民一人当たり現金給付、消費減税などを行えば十分可能です。

これは、杞憂であってほしいのですが、といいつつ、その可能性は十分あると思うのですが、非常事態宣言による経済の悪化に対処するための経済対策に財務省の抵抗があり、政府がなかなか非常事態宣言に踏み切れないとすれば、財務省は本当に誰がみても人殺し組織ということになります。

このようなことを述べると、「政治家が悪い」「安倍政権が悪い」とかいいだす人も多いのではないかと思います。確かにその側面はないとはいえませんが、この種の愚劣な意見こそが、政権をまたいでずっと30年超も財政再建を無意味に唱える財務省を放任してきたともいえます。

中国共産党も、日本の財務省も、その本質は「死神」であることが顕になりつつあります。無論中国共産党と比較すれば、日本の財務省の官僚など、はるかにスケールが小さく「プチ死神」とでも呼ぶべきなのかもしませんが・・・・・・・。死神は死神です。

これからも、国でも、組織でも、個人でも、非常時にはその本質が顕になることが多いものです。顕になれば、顕ではなかったときよりは、その本質を見極め、良いことなら、それを応援し、悪いことなら、糾弾すべきです。糾弾されなければ、組織でも個人でも、ますます腐り、さらに悪さをするようになります。

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2016年2月6日土曜日

【日本の解き方】中国経済もはや重篤なのか 食い止められない資本流失―【私の論評】日銀に振り回され続けるか、資本規制かを選択せざるをえなくなった中国(゚д゚)!


日銀の黒田東彦総裁
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が個人的見解としたうえで、中国の人民元について「国内金融政策に関して一貫性があり適切な方法として、資本規制が為替相場の管理に役立つ可能性がある」と述べたと報じられた。

 物やサービスの移転を伴わない対外的な金融取引のことを資本取引という。日本の外為法では、居住者と非居住者との間の預金契約、信託契約、金銭の貸借契約、債務の保証契約、対外支払手段・債権の売買契約、金融指標等先物契約に基づく債権の発生等に係る取引、および証券の取得または譲渡-などが定められている。

 このほかにも、居住者による外国にある不動産もしくはこれに関する賃借権、地上権、抵当権等の権利の取得、または非居住者による本邦にある不動産もしくはこれに関する権利の取得も、資本取引とされている。

 こうした取引は、金融機関を通じて行われるので、資本取引を規制しようとすれば、金融機関を規制することとなる。規制の方法としては、全面禁止、取引許可、取引届出、取引報告などがあり、前者から後者にいくにつれて規制が弱くなる。

 黒田総裁が指摘した、為替管理と資本取引の関係を理解するには、「国際金融のトリレンマ(三すくみ)」を知る必要がある。それは、「独立した金融政策」「固定為替相場制」「自由な資本移動」のうち、2つまでしか同時に達成することはできないというものだ。

 この法則に従うと、資本取引規制によって自由な資本移動をあきらめれば、独立した金融政策と固定為替相場制を達成できる。つまり、国内物価の安定のために金融政策を使うことが可能となり、為替相場も安定させられるというわけだ。

 中国の資本規制は原則として許可制で、先進国が原則として報告だけなのに比べて格段に規制が強い。それでも香港などを経由した資本流出の動きを食い止められないようだ。

 もっとも、中国が本気になれば規制強化は容易だろう。なにしろ、中国では、問題を起こしたとして摘発された場合、政治的失脚までありえるからだ。

 筆者はかつて中国でのコーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する国際会議に出席した際、強烈な思い出があった。国有企業ばかりの国で、コーポレート・ガバナンスなんて所詮無理と思っていたところ、中国政府関係者が「中国では粉飾は死刑にもなります」と説明したのだ。さすがに、この発言には度肝を抜かれた。その延長線で、資本流出を勝手に行えば、重罰というのもあり得るだろう。

 先進国では、貿易自由化の後に資本を自由化するというのが一般的な流れだ。しかし、中国の場合、貿易の自由化を進めたが、ここに来て資本規制が必要となったことで、貿易も規制せざるを得なくなるかもしれない。

 すでに水面下では強烈な資本取引規制が行われているともいわれている。それでも資本流出が続いているのであれば、中国経済はかなり重篤だろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】日銀に振り回され続けるか、資本規制かを選択せざるをえなくなった中国(゚д゚)!

中国のGDPなどの経済統計は、出鱈目であることをこのブログでも過去に何度か掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
やはり正常ではない中国経済 GDPと輸入統計に食い違い ―【私の論評】政治的メッセージである中国の統計や戦争犠牲者数は、人民の感情に比例する?
2015年は輸入がマイナスになっている。この状況で
GDPがプラスとはとても思えない・・・・・・・・
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、確かに中国の国内統計は出鱈目なのですが、それにしても貿易は相手があることですから、相手国の貿易統計などは正確なものも多いですから、それらを集計すれば、中国の輸出・輸入など正確に把握することができることを掲載しました。

そうして、中国のGDP統計など、所詮「政治的メッセージ」に過ぎないことを掲載しました。

そうして、輸入からみると、中国のGDPは、政府が発表しているのとは異なり、おそらくマイナス成長になっているであろうことも掲載しました。

このように、いくら中国の国内の経済統計などが出鱈目であったとしても、輸出・輸入は相手があることなので、相手国の統計を集計すれば、中国の輸出入もどの程度であったか、大体の数字はつかめます。

そうして、それは資本取引も同じです。資本取引も、貿易と同じように相手国があることですから、中国の統計が出鱈目であったとしても、相手国の統計を集計すれば、中国の資本取引もほぼ正確につかむことができます。

そうして、中国からの資本流出が莫大な量にのぼることは、すでに周知の事実です。もう、それは昨年の時点ではっきりしていました。

2013年末から15年3月末の間の中国の経常黒字は2952億ドル(約35兆円)でしたが、本来なら経常黒字で増えるはずの対外純資産残高は逆に5922億ドル(約71兆円)も激減しており、合計8874億ドル(約106兆円)の対外資産価値が消失した計算になっていました。消失した金額の巨額さを正しく説明できるのは資本逃避だけです。

昨年の、8月に突如人民元を切り下げた習政権でしたが、ところがその直後から人民元の売り規制に転じました。これは、景気対策のためには元安が必要なのですが、それは中国経済の命綱である資金流出を招くことになり、ジレンマに当局が追い込まれていたものです。

しかし、ジレンマどころか、本来はブログ冒頭の記事にあるように、深刻な「国際金融のトリレンマ(三すくみ)」状況に追い込まれていたということです。

景気回復を狙い「固定為替相場制」をあきらめて、人民元を切り下げたところ、資本流出が加速したため、今度は資本規制に乗り出したということです。

日本をはじめとするいわゆる先進国は、「固定為替相場制」を放棄して、変動為替相場制に移行しています。これによって、「独立した金融政策」「自由な資本移動」を同時に達成することができました。

しかし、中国の場合は「固定為替相場制」を維持していますから、これをこれからも維持し続けるというのなら、国際金融のトリレンマを克服するためには、「独立した金融政策
」もしくは、「自由な資本移動」のうちのいずれかを捨てなけれはならないということになります。

以下に国際金融のトリレンマの図と若干の説明を掲載します。

  • ある国はこの3つの「自由な資本移動」「固定相場制」「独立した金融政策」のうち2つだけを受容することができます。もしある国が a の位置を選択し、「自由な資本移動」と「固定相場制」を導入するのであれば、金融政策の独立性は失われます。
  • 実際の例としては欧州連合ユーロ圏が挙げられます。もしユーロを受容し自国通貨を放棄すれば、ユーロ圏内で為替を固定することになります。また、域内での自由な資本移動も認められています。しかし、金融政策はすべて欧州中央銀行に一任することになります。

「独立した金融政策」とは、特に現在の中国にとっては具体的に何を意味するのでしょうか。中国が、固定相場制を堅持し、自由な資本移動も堅持したとしたら、何がおこるかといえば、それは日本などをはじめとする、外国の金融政策に左右され「独立した金融政策」を実行できなくなるということです。

実際にそれはもうすでに発生していました。日本が2013年の4月から、金融緩和に転じてから、円安状況になり、それまで円高の状況とは異なり、中国経済にとっては、独立した金融政策が脅かされる事態となりました。

それまでの、中国の経済発展を支えていたのは為替操作によるキャッチアップ型の経済成長であり、円高とデフレを放置する日本銀行によるものでした。

慢性的な円高に苦しんでいた日本企業は、過度な「元安」政策をとる中国に生産拠点を移し、出来上がった製品の一部を逆輸入していました。日本国内で一貫生産するより、わざわざ中国を経由した方がもうかる構造になっていたのです。

日銀は、「デフレ政策で日本の産業空洞化を促進し、雇用と技術を中国に貢ぎ続けていた」のです。まさに、日本経済はこれによって、中国に振り回されていたのです。

しかし、2013年の4月から、日銀が金融緩和に転じたため、この構造は崩れ、今度は中国が日本の金融政策に振り回されるようになり、「独立した金融政策」を維持することが困難になってきたのです。

2013年に異次元の包括的金融緩和を発表した黒田総裁
この状況を本格的に脱するには、中国が構造転換をして、経済的な中間層を増やし、その結果個人消費を増やす必要があります。しかし、これは文字通りの構造転換であって、実行するには10年くらいはかかるものです。

短期的には、中国がこれからも「固定相場制」を捨てないというのなら、「独立した金融政策」を捨てるわけにはいかないので、黒田総裁がブログ冒頭の記事の中で述べていたように、結局「自由な資本移動」を捨てるしかないということです。結局「資本規制」しか選択肢はないということです。

それにしても、資本規制を強めるというのなら、中国国内の資本が海外に逃避することはなくなりますが、海外から中国内に資本が大量に入ってくるということはなくなります。

となると、今までの中国の経済発展の構造は維持できません。今後、中国が構造転換をしないかぎり、これは変わりません。

ということは、いずれにしても、中国の経済の回復は長期間望めないということです。この構造転換に失敗すれば、中国も中進国のジレンマから逃れることができず、図体がでかいだけの、ありふれたアジアの独裁国家に戻るということになります。

発展途上国などの経済が飛躍的に伸びて、新興国などともてはやされても、なぜかほとんどの場合、その後経済成長ができなくなり、所得が発展途上国と、先進国の中間あたりで、止まってしまうという現象がよく見られます。それを中進国のジレンマと呼びます。

中国は、おそらくこのジレンマから抜け出すことはできないでょう。できるとすれば、中国の体制が根本的に変わり、民主化、経済と政治の分離、法治国家化を推進する体制になった場合のみです。現状の体制のままでは、抜けだせません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年8月8日土曜日

中国経済成長率、実際は公式統計の半分以下か 英調査会社が試算―【私の論評】戦争法案反対のデモを主催している人たちに朗報!君たちと同様未だ中国様の虚言癖は治ってない(゚д゚)!


いつもお笑いネタを提供してくれる中国国家統計局

 中国の経済成長率は実際どの程度なのか──。こんな疑問を抱くアナリストらが試算したところ、中国国内総生産(GDP)伸び率は公式統計の半分、もしくはさらに低い水準であるかもしれないことが分かった。

中国国家統計局が先月発表した今年上半期のGDP伸び率は7.0%で、政府が掲げる2015年通年目標に沿う内容となった。

こうした公式統計には、実際の景況感との矛盾を指摘する声が常に聞かれるほか、そもそも14億人の人口を抱える新興国がなぜ、米国や英国といった先進国より数週間も前に四半期データを公表することができるのかといった疑問も付きまとっている。しかも、中国がその後、公式統計を改定することはほとんどないにもかかわらずだ。

ロンドンに拠点を構える独立系調査会社ファゾム・コンサルティングのエリック・ブリトン氏は「中国の公式統計はファンタジーだと考えており、真実に近いということもない」と話す。

同社は昨年、公式GDPの予想を公表するのをやめ、実際の成長率とみなす数値を公表することを決めた。それによると、今年の中国成長率は2.8%、2016年はわずか1.0%にとどまると予想している。

内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米外交公電によると、現在は中国首相を務める李克強氏が、遼寧省党委書記を務めていた数年前、中国のGDP統計は「人為的」であるため信頼できないと語ったとされる。

ファゾム・コンサルティングは、李克強氏が当時、遼寧省の経済評価の際に重視するとした電力消費、鉄道貨物量および銀行融資の3つのデータを基にした、全国レベルのシンプルな指標を公表している。

それによると、実際の成長率は3.2%であることが示唆されている。鉄道貨物量の減少、トレンド成長を下回る電力消費を反映し、示唆された成長率は2013年終盤以降、公式統計から大幅にかい離している。

国家統計局にコメントを求めたが、回答はなかった。

先月の記者会見時には、公式統計に批判的な人は中国が利用するGDP計算方法を完全に理解していないとして、統計は正確だと反論。数値の正確性については常に向上に努めていると説明した。

【私の論評】戦争法案反対のデモを主催している人たちに朗報!君たちと同様未だ宗主国中国様の虚言癖は治ってない(゚д゚)!

中国の統計は出鱈目ということは前から言われていたことなので、上の記事を読んでも、「やっぱりそうか」という感覚です。

以前このブログでは、中国では保八(ほはち)というスローガンがあって、これは従来中国政府が守らなければならない経済成長率率8%を意味するものであることを掲載しました。

この8%の意味するところとして、中国は日米などとは異なり、まだ発展途上なので、このくらいの成長率を維持しなけば、雇用を十分に吸収できないことも掲載しました。

ただし、最近の中国ではこの保八すら維持することができなくなったことを掲載しました。

中国、成長目標下げへ 15年7%前後 安定軌道狙う ―【私の論評】保八を捨てるのではなく、捨てざるをえなくなった中国に将来はないものと心得よ!体制の崩壊と、それに伴う天下の大乱は必定(゚д゚)!


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に保八に関する記述のみ引用します。

中国には、昔からこの保八という言葉があり、「8%以上の成長率を保とう」という意味合いですが、2009年の全国人民代表大会(全人代)においては、当時の温家宝首相は「保八」への決意を高らかに宣言し、政府の経済運営の最大の数値目標として設定しました。
2009年の全人代で高らかに保八を宣言した当時の温家宝首相
過去15年間に、中国では求職者人口がピークに達し、都市部の急速な発展期を迎えていました。そのため、雇用機会を創出するため、政府当局は経済成長率8%を目標にしなければならなかったのです。
経済の成長率が8%以下に落ちると、失業率が拡大して社会的不安が広がり、体制安定の基盤が根本から脅かされかねない状況なのです。日米独のような先進国とは異なり、8%以上の成長をしなければ、雇用情勢が悪化するのです。
そのため、「保八」は中国当局最大の政治保証で、または中国の経済成長を判断する分岐点となり、人々が中国経済への信頼感を測る最低水準とされていました。この「保八」方針を取りやめた中国政府はやはり国内の経済発展に自信を喪失したのでしょう。
もともと、出鱈目の経済成長率ですから、保八なども簡単に出来そうですが、出鱈目であっても、何とかその出鱈目を粉飾できる範囲というものがあります。おそらく、これから、雇用情勢も悪化することも予想されるのだと思います。その時に保八を実行したなどと言っても、現実の雇用情勢の悪化など隠しおおせない程度に悪化していて、隠しおおせる状況にないのだと思います。
中国では、おそらくリーマン・ショック以降、本当は保八など維持できていなかっではないかと思います。中国では随分前から、大学を卒業しても就職先がないという人が大勢いました。もし、保八が維持できていたら、そんなんことはあり得ません。やはり、統計数値が出鱈目だったということです。

中国の蟻族 大学を卒業しても就職口がないか、あっても低収入のため集団生活をする若者

それにしても、試算による成長率は公表されている7%をはるかに下回る半分以下の2.8%に過ぎないというのですから、とんでもないことです。これでは、いくら頑張っても、7%を正当化できそうにはありません。

前々から中国のGDPは出鱈目であることが言われてきましたが、今回のこの結果もこれを裏付けるような形になりました。

そもそも、経済学者の中には、中国の経済統計はあまりにも出鱈目なので、中国は未だ世界第二の経済大国になっていない可能性があると述べている人もいるくらいです。

私は、これはあたっているのではないかと思っています。なぜなら、世界第二位の国が未だ日本からODAなどで援助を受けているとか、いくら貧富の差が激しいとはいっても、大都市でもとんでもない貧困層が存在しているという事実があります。

もしそうだとすれば、中国が日米にもAIIBに入ってほしいという考えも頷けます。もし、中国が本当に世界第二の経済大国であれば、中国だけが主体になって実行したほうがはるかにやりやすいし、中国の利益になると思いますが、そのようなことはしません。

なにやら、上の記事の内容、ここ日本にも似たような例がごまんとあります。ごく最近の事例では、以下のTweetをご覧いただければ、よくお分かりになると思います。
中国も、このデモを主催する人々も、数をごまかすということでは同じです。どうして、このようなことをするのでしょうか。

中国としては、中小企業が粉飾決算をして、銀行によく見られようとするように、中国国内外の投資家に良く見られたいというのがあるのだと思います。

中国の過去は、国内外の投資により中国内のインフラを開発して急激な発展を遂げたという経緯があります。その中には、海外の資金、特に熱銭すなわち中国から海外に流れていった資金による投資がかなり大きな割合を占めていました。

熱銭などの海外からの資金を得るためには、中国がこれからもまだまだ発展するように見せかける必要があります。

いわゆる、「戦争法案反対デモ」の参加者数の粉飾も似たようなものです。過去においては、左翼的な考えたがもてはやされた時代があります。もうその時代は終わったのですが、これからもそのような時代が続くようにみせかける必要が彼らにはあるのです。

本当に彼らは似ています。中国はこのままでは、壊滅します。日本の左翼運動も、ほとんど壊滅状態です。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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2016年9月1日木曜日

中国、底なしデフレスパイラル 経済悪化→リストラ拡大→冷める消費意欲―【私の論評】中国の本質は、中所得国と発展途上国の連合体(゚д゚)!

中国、底なしデフレスパイラル 経済悪化→リストラ拡大→冷める消費意欲

中国のGDPの統計値はほとんど出鱈目とされている。IMFも中国の
出した統計値を元にして、このグラフを作成しているものと考えられる。

 2016年4-6月期の中国の経済成長率(実質GDPの成長率)は、対前年比で6・7%増となっている。過去10年以上もの期間、中国の経済成長、つまりはGDP=需要の拡大を牽引してきたのは、投資という需要項目であった。特に、民間企業が設備投資や住宅投資に巨額の資金を注ぎ込み、経済成長に貢献してきたわけだ。

 その中国の「投資」が、驚くべき事態に陥っている。

 1-6月期の中国の投資において、民間投資はわずかに対前年同期比2・8%の増加に過ぎなかった。代わりに、国有企業が対前年同期比23・5%と、投資全体を下支えしている。

 要するに、現在の中国は民間が投資意欲を喪失し、政府の公共投資を国有企業が受注することで、何とかGDPが維持されている状況になっているのだ。

 投資ではなく、消費を見ても、やはり「政府」の影響力が強まっている。1-6月期の中国の個人消費は対前年同期比10・3%と、GDP成長に貢献した。消費の主役が何かといえば、自動車購入でであった。

 実は、中国共産党政府は景気の急激な失速を受け、自動車販売を下支えすべく、小型車やエコカー向けの減税や補助金といった政策を打ったのだ。結果的に、自動車販売が増え、消費総額が拡大したわけだが、投資同様に「政府の政策主導」になってしまっている。

 中国国務院は22日、企業の「借り入れコスト」を引き下げるための指針を発表した。例えば、中央銀行が市中銀行の流動性を拡大することで、中小企業への融資を拡大するという。

 あるいは、銀行に対し、融資債権への妥当なプライシング(金利水準の決定)を求め、非正規の手数料徴求を禁じるという。分かりやすく書くと、銀行に対し「安い資金コスト(金利など)で企業にお金を貸し付けろ」というわけだ。

 問題は、現在の中国が完全な供給能力過剰、需要不足状態に陥っているという話だ。日本の例を見れば分かるが、需要が不足している環境下では、金融政策で金利を引き下げたところで、企業は借り入れや設備投資を増やさない。なぜなら、もうからないためだ。

 中国産業界は、すでに過剰生産能力を削り取るべく、リストラクチャリングに精を出している。鉄鋼や石炭、石油などの大手国有企業は、1社あたり数万人規模で人員削減を進める計画だ。

 企業のリストラは、中国人民の消費意欲を冷ます。結果、民間企業はますます設備投資を絞り込み、デフレスパイラルへと落ちていく。中国共産党は中国経済のデフレ化を食い止めることができるのか、正念場を迎えようとしている。

 ■三橋貴明(みつはし・たかあき) 


【私の論評】中国の本質は、中所得国と発展途上国の連合体(゚д゚)!

上の記事では、全く触れていないですが、中国のGDPはほとんど出鱈目だとされています。特に、GDPは全く正しくも根拠もなく、政治的メッセージに過ぎないものです。

それについては、過去のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
やはり正常ではない中国経済 GDPと輸入統計に食い違い ―【私の論評】政治的メッセージである中国の統計や戦争犠牲者数は、人民の感情に比例する?
2015年から輸入が激減、この状況だと猛烈なデフレになっているか
そもそも、GDPが出鱈目なのかいずれかのはずである・・・・・・
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部を以下に抜粋します。
中国の経済統計は実体経済の正しい姿と言うより、政治的なメッセージと受け止めるべきものだ。中国政府の意図は、対外的には「中国経済は良くないが心配しないでほしい」という願望、対内的には「7%成長は政治的な強い意志だ」との表明である。

GDP発表の1週間ほど前に発表された貿易統計は、外国との関係があるので、捏造しにくい。それによれば、15年の輸入は14・1%の減少である。輸入減の原因は資源価格の低下によるものと説明されているが、中国が発表した経済成長率が正しいなら、猛烈なデフレ経済になっていないとおかしい。

要するに、貿易統計が正しい場合、経済成長率が正しくないか、デフレ経済かということになってしまう。どちらにしても、中国経済は正常ではないというわけだ。
ブログ冒頭の記事で、三橋貴明氏は、中国のGDP統計が一応正しいものとして、論を進めているようですが、私自身は、中国経済はデフレでもあり、経済成長も6.7%ではなくもっと低いのだろうと考えます。一般的に一国の経済が、デフレ気味であれば、輸入は減ります。逆にインフレ気味であれば、輸入は増えます。

これは、理屈で考えればわかります。デフレであれば、そもそもモノが売れないので、輸入も減ります。逆にインフレであれば、モノが売れるので、輸入は増えます。

中国経済成長が政府発表の数字より低いのは、李克強指標をみても明らかです。

「李克強指数(Li Keqiang Index)」です。「チャイナ・モメンタム・インジケーター」とも言われるようです。これは電力消費と鉄道貨物輸送量と銀行融資を基にした指標です。本来これらは、GDPと強い相関関係があるはずであり、これによって、中国のGDPの実体を知ることができるとされているものです。

中国政府の発表するGDPが政治メッセージで過ぎないので、信用できないことから、李克強指数のほうが、GDPの実体を現していると考えられます。李克強首相が「GDPは信頼できないけどこの3つのデータは比較的信頼できる」と言ったことから「李克強指数」と呼ばれています。

ウィキリークスによれば、李克強総理は遼寧省書記をしていた2007年、駐中国米大使に「経済評価で注目する統計は、電力消費、鉄道貨物量および銀行融資の3つだけ。GDP統計は『人為的』で『参考用』にすぎない」と語ったとされています。

この李克強指数からみれば、中国の4 -6月期のGDPの数値も中国政府の政治的メッセージに過ぎず、15年あたりの数字から類推すると、おそらく3%以下、おそらく3%を切るものであることが推定できます。

それから、ブログ冒頭の記事で、三橋氏は、「金融政策で金利を引き下げたところで、企業は借り入れや設備投資を増やさない。なぜなら、もうからないためだ」としていますが、金融政策には金利引き下げの他にも方法があります。

それは、日銀が2013年から行っている、市場における有価証券や手形を中央銀行が買い取ることにより、市場に資金を放出し、金融の緩和を図る(買いオペレーション)方式や、人民元の刷り増しです。

しかし、それは中国はできません。なぜなら、中国ではすでにキャピタル・フライト(国内から海外へ資本(外貨、主にドル)が一斉に流出する資本逃避のこと)が起きているからです。

それに関しては、昨年すでに中国で2013年末から15年3月末の間に約100兆円のキャピタル・フライトが発生していたことをこのブログに掲載しました。

中国銀行(中国の中央銀行)が、大々的に買いオペをしたり、元刷り増しなどを行った場合、強烈な元安を招き、それが金融不安をまきおこし、キャピタル・フライトにさら拍車をかける可能性が大きいため、利下げ以外の金融緩和になかなか踏み切れないのです。

キャピタル・フライトが激しくなれば、中国内に大量のドルがあるということが、元の信用の裏付けになっていたものが、それがなくなり、元は紙切れのように価値のない存在になってしまいます。それを中国政府は恐れているのです。

この状況は、韓国と似ています。それについては、以前もこのブログに掲載しました。韓国もデフレ状況なのですが、日韓通貨スワップにより、外貨をある程度確保した上で、金融緩和に踏み切ることもできます。そうなれば、金融緩和によるキャピタル・フライトも激烈な状況にはならず、ソフトランディングして、デフレを克服するのは意外と簡単にできそうです。

ただし、韓国内では、政府から財界、マスコミに至るまで、経済難を乗り切るためには、金融緩和ではなく、構造改革が必要という認識のようで、なかなか金融緩和に踏み切るりそうにもありません。こんなことを繰り返しているうちに、また通貨危機に見舞われることになるかもしれません。

しかし、中国の場合はより深刻です。中国の場合は、元々米国や日本などと通貨スワップ協定を結んだこともないですし、これからも結ぶことはないでしょう。

それに、通貨スワップを結んでいたにしても、日本や米国でも、100兆以上もの資金を融通するのは容易いことではありません。

韓国の場合は、もともと経済規模が小さく、GDPは東京都とほぼ同じですから、中国などと比較すれば、相当低い金額の通貨の融通でも、何とかなります。それこそ、日本国内の地方自治体に対して支援するくらいの感覚ですみます。

しかし、中国はそんなに簡単にいきません。それに、韓国の場合は、元々GDPに占める個人消費の割合が、5割り程度ということもあり、通貨スワップでキャピタル・フライトを軽減しつつ、金融緩和をすれば、デフレを克服するのは、本来容易です。

しかし、中国の場合は、GDPに占める個人消費の割合は、35%程度であり、金融緩和をして個人消費が増えたにしても、それだけでデフレを脱却できるかどうかは未知数です。

やはり、ブログ冒頭の記事でも「政府の公共投資を国有企業が受注することで、何とかGDPが維持されている状況」という構造的な問題があります。韓国の場合なら、日本などの先進国に比べれば、個人消費がGDPに占める割合が50%ですから、これを金融緩和と積極財政によって伸ばすことも容易です。

しかし、中国の場合、個人消費を35%から60%に持っていくなどのことは、至難の業です。おそらく、抜本的な構造改革が必要になるはずです。

その構造改革の中には、当然のことながら、民主化、政治と経済の分離、法治国家化も含まれることになるでしょう。これがある程度しっかりしていなければ、中間層による積極的な社会経済活動はできません。それでは、経済成長を達成することはできません。

韓国も、中国もデフレという点では同じことですが、中国のほうがより深刻です。

このままの状況が続くと、韓国も中国も中進国の罠(中所得国の罠と同じ、国民所得10000ドルからなかなか抜け出さない状況のこと)にどっぷりとはまりそうです。韓国の場合は、経済対策に対する考え方を変えて、金融緩和に踏み切れば、何とか回避できそうですが、中国のほうはそう簡単にはいきません。

実質経済成長率と一人当たりGDPの推移(60年代以降):1万ドル前後で中所得国の罠に陥る国も
このままだと、いずれ中国は、図体が大きいだけの、凡庸なアジアの独裁国家で終わる可能性が高くなってきました。

しかし、これはもともとの中国の本質なのかもしれません。中国の実体は、もともとはいくつかの発展途上国の集まりで、それを中国共産党中央政府が警察力や、軍事力を使って無理やり一つにまとめて、一国としてまとめてGDPを大きく見せていただけです。一人あたりのGDPではまだ日本に遠く及びません。

中国共産党中央政府は、世界各国の機関投資家などを幻惑して、これから中国は凄まじく発展すると期待させ、今投資しないと大損をするぞとばかり煽り、外貨を集め、それを国内でインフラ投資することで、大発展したのですが、もうその化けの皮が剥がれ、中国に積極的に投資するものなどいなくなりました。

そもそも、当の中国人ですら、そのようなことは期待していません。中国の官僚や富裕層が外国に自らの金を逃避させています。習近平でさえもその例外ではありません。中国出身の海外在留者、すなわち華僑も、今では中国に投資はしません。

そんな中国には、もうキャピタル・フライトを防ぐ術はありません。いずれ中国は、凡庸なアジアの独裁国家となり、国力も衰え、いくつかの国の連合体に成り果てることでしょう。いわゆる、一つの省、もしくは複数の省が一つの国のような存在になり、それらの国々は、ある国は中所得国で、ある国は発展途上国ということになるでしょう。中国共産党政府がそれらを一つに、従来よりは緩くまとめるような連合体に成り果てるでしょう。

というより、これが元々の本質なのですが、それが白日の下に晒されることになるでしょう。従来は、中国共産党中央政府の力が強く、省を強く支配していたというだけのことです。

中国共産党中央政府が、従来のように締め付けを厳しくすれば、いずれの国も中進国以上には発展し得ないでしょう。あまり締め付けを厳しくしなければ、もしかすると、一国くらいは中進国の罠を抜け出る可能性もあるかもしれません。しかし、そうなれば、その国は連合体から抜け出ることになるでしょう。抜け出なければ、先進国にはなれません。永遠に、中所得国のままで終わります。

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2012年5月27日日曜日

【大前研一のニュース時評】中国の経済統計、信用できず!副首相“発言”が示唆−【私の論評】大前研一氏が今更指摘するまでもなく、中国の統計はデタラメ!!気をつけなければならないのは、それだけではない!

【大前研一のニュース時評】中国の経済統計、信用できず!副首相“発言”が示唆:

李克強(り・こくきょう)氏

英フィナンシャル・タイムズ紙は、15日付で「中国経済、予想を超える急減速か」と題する記事を掲載した。来年3月に温家宝首相のあとを継ぐとされる李克強(り・こくきょう)第1副首相が、かつて経済成長を評価する際に「GDPではなく、電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資の実行という3つの統計を重視する」と語っていたことを紹介したうえで、最近発表されたこれらの数値がいずれも落ち込んでいる、と同紙は指摘したのだ。

繁栄と貧困が混在する中国社会
李氏は、「今度、首相になる予定の私は統計のことをよく知っている。だから(GDPではなく)、こういう即物的な(電力消費量などの)指標をみるという癖がついています」と言いたかったのだろう。逆にいうと、中国政府が発表するGDPなどの経済統計は信用できないことを示唆したわけだ。

中国でも大人気の大前研一氏

これは非常に重要なことだ。中国経済で信用できるのは、李氏の言うとおり電力消費量、貨物輸送量、融資のペースなのだ。不動産の売買、ガソリン売上高などを加えてもいいだろう。最近の即物的指標はたしかに、全部マイナスになっている。



【私の論評】大前健一氏が今更指摘するまでもなく、中国の統計はデタラメ!!気をつけなければならないのは、それだけではない!


中国が発表する統計資料は、何も、大前研一氏が今更指摘するまでもなく、以前からデタラメであることは、周知の事実であったと思います。本日は、このことと、あとは、中国人女性に関して、中国健康的女性群画像集(笑)とともに掲載させていただきます。


まずは、2010年4月時点で、以下のような記事を私のブログに掲載しています。
上海市とチベット自治区を除く中国29の省、自治区と直轄市が25日、第1四半期の国内総生産(GDP)成長率を発表した。新疆ウイグル自治区以外の28の一級行政区(省・自治区・直轄市)はいずれも、全国GDP成長率の11・9%を上回り、その中でも18の省、自治区、市の成長率は15%を超えた。これについて、インターネットでは疑問と批判の声が多数寄せられている。
発表を行ったすべての一級行政区は、GDPの「成長」を遂げた。特に海南省は同期比、25・1%という数字をたたき出し、全国トップとなった。昨年上半期で唯一、マイナス成長となった山西省は19・1%の増加で大躍進を遂げ、上位にランキング。全国のGDP成長率11・9%を下回ったのは新疆ウイグル自治区(11%)のみだった。
「各地のGDP成長率が全国の数字を上回るのはよくあることだ」と北京工商大学経済学院産業経済研究センターの周清傑執行主任は語る。「統計のやり方に問題があるほか、地方政府が業績を上げるために、データを水増しした可能性もある」と指摘する。
中国は、他民族なので、西欧系かと見まがう女性もいる

これに関して、当時中国のネット界では、「躍進以来の大躍進」などと揶揄の声が多数上がっていました。さらに、この年の前の年のことに関しても、下記のように掲載しています。
昨年は、鉱工業生産が著しく伸びているという統計を発表しながら、片一方では電力消費量が大幅に減っているという統計を発表しています。元々中国の統計は、かなり疑問であるといわれきました。昔は、ほとんど細かい情報など発表しなかったので、それを鵜呑みにするしかありませんでしたが、最近では中途半端ではありますが、各種情報をだすようになってきたので、こうした矛盾が目立ようになってきました。その後、電力消費量の統計をださなくなりました。どうしてなんでしょうか?
中国中央政府はどうして、こんな初歩的なヘマばかりするんでしょう。おそらく、元々出鱈目なのだと思います。特に、地方政府から中央政府に統計を出すときに、かなり粉飾されているのでしょうが、それを中央政府がチエックする術もないのだと思います。さらには、統計を出すときにも、矛盾すらチェックもできないのだと思います。

まあ、これに関しては、何も私が指摘するまでもなく、多くの中国専門家らが、前々から指摘していることです。いまさら、降ってわいた話ではありません。


このようなことは、中国ではあまり珍しいことではありません。特に、人間関係でも同じことがいえます。人間関係で気をつけなければならないのは、特に、男女関係などです。これに関しては、私の知人で、中国人女性と結婚して離婚した人がいます。この人のいうには、どうしても我慢できなかったことがあるそうです。しかし、これは、私などがこうした少ない事例を述べるよりは、もっと、広く中国の事情に詳しい人の話を聴いたほうが良いと思いますので、以下にその動画を掲載します。


上の動画は、東洋史家の宮脇淳子氏をお迎えし、元産経新聞記者のジャーナリスト・福島香織氏と御一緒に著された新著書『中国美女の正体』を御紹介いただきながら、外見からは想像もつか­ないほどに、精神性も価値観も日本人とは大きく異なる中国人の、中でも"美女達"の繰り出す謀略から、自身と国を守るための術はあるのか、日本人が知っておくべき彼らの本­音と思考について、温かい叱咤激励とともに お話しいただいたものです。


ただし、私自身は、この動画をみて、中国人などという人種は存在しない以上、中国人女性という言い方もおかしく感じました。特に、私は、中国人というと、昔うちの会社のレストランでバイトをしていた、女性の方を思い出してしまうのですが、その方、レストランのその他の日本人よりもはるかに日本語ができ、私たち日本人の考え方も良く理解していました。よく言われるように、謝ることは絶対せず、自己主張だけ激しいなどということなく、ごくまともな方でしたので、すべての中国の女性が上の動画の類型にはてはまるなどとは、思いたくありません。


その方は、ご主人様も中国人で、当時は、ご主人が北海道大学水産学部の教授でした。中国にご主人ともどももどられて、しばらくしてから、船の事故でご主人様がなくなって、今は、函館のイカ釣りロボットの会社の大連の合弁企業で働いていらっしやいます。先日、NHKのテレビで大連の合弁企業のことが放映されていて、おそらく、その女性と思しきかたが、通訳などをしているところが、写っていました。


だから、すべての女性がそうだというわけではありませんが、上の動画の内容は、それなりに、真実でもあると思います。私たち、日本人は、中国人の容貌が日本人と似ていること、さらには、漢字などの共通文化や、儒教などの共通の文化があるので、ついつい、共通点が多いと思ってしまいがちですが、決してそうではないことを銘記しておくべきです。そうして、謀略には、個人レベルから、国家レベルの大きなものまであることを認識しておかなければなりません。


国家レベルというと、中国でいうところの、超限戦の一環でもあるハニーとラップにかかる人もかなり多いとききます。これは、何も、国の重要な機関に所属している人だけに関係していることではありません。とにかく、影響力の大きい人などには、これにかかる可能性は常にあると考えるべきです。


中国のハニートラップに関しては、以前のこのブログにも掲載しました。その部分と、ハニートラップに政府筋から利用されようになった、女性邵小珊さんの告白です。以下にのその部分をコピペしておきます。ついでに、邵小珊の写真も再掲します。

































女性スパイを使って、相手の男性から機密情報を手に入れる「ハニートラップ」。中国では、今でも盛んに行われている疑惑が浮上した。
日本でも近年、「わな」を仕掛けられたとされる外交官や自衛隊員が情報漏えいを迫られ、果ては自殺にまで追い込まれる悲劇が報じられた。最近では、中国の民主活動家にも女性スパイを接触させ、活動の妨害を図っているようだ。
「明日にでも毒を盛られ、殺されるかもしれない」
上海の美しい夜景の裏に潜むものは…
「外交官の息子と交際していた私に、中国軍当局はスパイ活動を強要した」
「軍の命令を拒んだ私は2年間にわたって監視、いやがらせを受けてきた」

 2011年7月31日、中国人女優の邵小珊さんはブログと、中国版ツイッター「新浪微博」に長文でこう告発した。「こんなことを書けば、明日にでも毒を盛られ、自然死に見せかけて殺されるかもしれない」と身の危険を感じながらも、当局の仕打ちに怒りを感じてインターネット上に公表した。
 

上の記事では、疑惑としていますが、これは疑惑ではありません。事実です。 まさに、中国は、国家の真の姿も偽り、海外からの投資をつなぎとめようとしています。さらに、女性を使って、ハニートラップを仕掛けて、情報を引き出したり、自分の都合の良いように動かそうとするのです。個人レベルでも、かつての儒教の教えは雲散霧消したどころか、偏狭な個人主義が蔓延しています。

最近中国のネット界で、清楚な少女として話題となった画像
他にも、危ない情報は、多くありますが、今日はこのくらいにします。とにかく、日本人は、中国のこうした側面をあらかじめ知ったうえで、つきあっていくという心構えが必要なのは間違いないことです。

それにしても、情報通で、このようなことは以前から十分承知のはずの大前氏が、わざわざ、これをいまさら取り上げて、文末で、「最近は米国も日本も、1人あたりのGDPをいくらにするといった目標は、さすがに掲げなくなった。こういう目標を掲げるのは途上国の特徴ともいえる」などと締めくくるという発言には、一体どういう含みがあるのでしょうか?

大前氏の主張には確かにときどき矛盾があります。しかし、中国経済に対する分析を一括してみてみると、中国の応援団と呼ぶに相応しいです。

現在日本は、デフレ・円高の真っ最中です。この状況であっても、日銀は、増刷拒否の姿勢を崩さず、政府・財務省は、一体で増税をしようとしています。この状況が続けば、ますます、日本のGDPは縮小し、さらに円高となります。これは、中国を利する行動に他なりません。大前氏よる、この文末の意味は、この日本による、中国経済応援システムをこれからも、続け日本の1人あたりのGDPをこれからも、減らし続けて、その分中国に上乗せしろと、言っているように聴こえるのは、私だけでしょうか?




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2023年11月14日火曜日

北大で発見 幻の(?)ロシア貿易統計集を読んでわかること―【私の論評】ロシア、中国のジュニア・パートナー化は避けられない?ウクライナ戦争の行方と世界秩序の再編(゚д゚)!

北大で発見 幻の(?)ロシア貿易統計集を読んでわかること

服部倫卓 (北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授)

まとめ
  • ウクライナ侵攻後、ロシアの貿易統計は非公開となったが、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターの図書館で2022年版の貿易統計集が発見された。
  • この統計集によると、ロシアの貿易は、欧米日などの「非友好国」から、中国やインドなどの「友好国」に大きくシフトした。
  • 特に石油輸出では、中国とインドが急増し、2023年第1四半期には、ロシアの原油輸出の73.3%が中印向けとなった。
  • 半導体輸入については、先進国からの輸入が減少したものの、中国からの輸入は減少せず、ロシアの半導体不足は解消されていない。
  • ロシアの対外貿易では、中国が圧倒的なシェアを占めており、2023年には、露中貿易が往復で2200億ドルに達する見込みである。

 ウクライナ侵攻後、ロシアの貿易統計は非公開となったが、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターの図書館で、2022年の貿易統計集が発見された。

 この統計集によると、ロシアの貿易は、欧米日などの「非友好国」から、中国やインドなどの「友好国」に大きくシフトした。

 特に石油輸出では、中国とインドが急増し、2023年第1四半期には、ロシアの原油輸出の73.3%が中印向けとなった。

また、半導体輸入については、先進国からの輸入が減少したものの、中国からの輸入は減少しなかった。

さらに、ロシアの貿易相手国では、中国が圧倒的なシェアを占めており、2023年には、露中貿易が往復2200億ドルに達する見込みである。

この結果、ロシアは、中国への依存度を高め、中国のジュニアパートナー化まっしぐらと言える状況となった。

なお、ロシアは、貿易統計を非公開とした理由について、国際的な制裁によるダメージを避けるためと説明している。

しかし、ロシアが貿易統計を隠したことによって、かえって、ロシアの経済状況の悪化を世界に知らしめることとなった。

【私の論評】ロシア、中国のジュニア・パートナー化は避けられない?ウクライナ戦争の行方と世界秩序の再編(゚д゚)!

まとめ
  • 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターは、旧ソ連・東欧地域の総合的・学際的研究を行う国内唯一の研究所である。
  • センターは、ロシアは中国のジュニア・パートナーになりつつあることを指摘。ウクライナ戦争でロシア最終的に敗北することになるだろう。
  • ロシアの敗北は、プーチン政権の存続にも影響を与える可能性がある。
  • ロシアの敗北は、中国の台頭をさらに加速させ、ユーラシア大陸の安全保障に大きな影響を及ぼすだろう。
  • 理想的な結末は、プーチンが失脚し、ロシアが西側諸国との関係を回復することである。


北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターは、旧ソ連・東欧地域の総合的・学際的研究を行う研究所です。国内唯一のセンターで、専任研究員11名、客員研究員20名、研究生20名が在籍しています。

研究テーマは、政治、経済、社会、文化、歴史など多岐にわたります。地域比較研究にも力を入れています。

研究成果は、学術論文や著書、報告書などの形で発表されており、国内外の学界で高い評価を受けています。政府や企業などの政策立案にも活用されており、旧ソ連・東欧地域の総合的な研究で国内外で高い評価を受けています。

私は、上の記事のロシアが中国のジュニア・パートナーになりつつあるという評価に賛成です。貿易統計がそれを裏付けています。ロシアが石油輸出を中国に依存していることは特に問題です。そのことについては、前から言う人もいましたが、今回それが数字で明確に確認されたといえます。

もし中国がロシアの石油の輸入を減らすことになれば、ロシア経済に壊滅的な打撃を与えるでしょう。そうして、現状ではそのようなことはないでしょうが、その可能性は完全に否定できません。そうしてこのような脅威があるからこそ、ロシアが中国のジュニア・パートナー化はますます避けられなくなるでしょう。半導体に関しても同じことがいえると思います。 ウクライナ戦争でロシアが勝つと信じている人は、欧米にはみられません。ほとんどの専門家は、ロシアはいずれ敗北すると考えていますが、それがいつになるかはわからないです。ただ、長期的には敗北するだろうと見る人が大勢を占めているように見えます。 日本では、ロシアのプロパガンダに影響されてロシアが勝つと信じている人もいるようですが、現実にはロシアは戦争に負けています。ロシアは多くの犠牲者を出し、経済はボロボロです。


米国、欧州、日本はウクライナに軍事・財政援助を行っています。この援助は、ウクライナが自国を守り、ロシア軍を押し返すのに役立っています。 ただロシアが核保有国であることを忘れるべきではありません。戦争が続けば核がエスカレートする危険性があるということです。しかし私は、ロシアが核兵器を使用するよりも、通常兵器で敗北する可能性の方が高いと考えます。 結論として、ロシアは中国のジュニア・パートナーになりつつあり、最終的にはウクライナでの戦争に敗北することになるでしょう。

そうして、ロシアの無謀なウクライナ侵攻が敗北に終われば、プーチン政権にどれほどのダメージを与えるかわからないです。モスクワの街頭での抗議行動から、明白な政権交代まで、何が起こるかわからないです。

ロシアはすでに侵略と人権侵害で西側諸国から孤立しています。そして中国は、世界的な影響力を拡大するために、ロシアの弱みにつけ込もうとしているようです。ウクライナで敗れたロシアが中国への依存を強めれば、中国がユーラシア大陸を支配し、海外における日米とその同盟国の利益を脅かすことになりかねないです。

これは保守派にとっては耐え難いことです。理想的な結末は、プーチンが失脚し、その後、西側諸国との関係を回復し、中国の手先になることを避ける新たな指導者が誕生することです。

自由で民主的なロシアが西側諸国の仲間入りをする。これは容易なことではないでしょうが、自由と民主主義はこれまでも長い困難を乗り越えてきました。さらに、中国経済はかつてないほど疲弊しています。強さと勇気と信念があれば、米国とその同盟国はロシアを共産主義中国の牙城から引き離すことができでしょう。

ウクライナ戦争の行方により、中国陣営と自由世界がロシアの引き抜き合戦を行い、その結果により世界秩序の再編が起こることなるでしょう。

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2010年4月29日木曜日

「大躍進の再来」 各省のGDP成長、全国平均値を上回る ネットに批判殺到=中国―もうすでに中国ではバブル崩壊が始まった?

「大躍進の再来」 各省のGDP成長、全国平均値を上回る ネットに批判殺到=中国(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

25日、中国各地の第1四半期GDPが発表された。いずれも成長率11%以上を記録

【大紀元日本4月28日】上海市とチベット自治区を除く中国29の省、自治区と直轄市が25日、第1四半期の国内総生産(GDP)成長率を発表した。新疆ウイグル自治区以外の28の一級行政区(省・自治区・直轄市)はいずれも、全国GDP成長率の11・9%を上回り、その中でも18の省、自治区、市の成長率は15%を超えた。これについて、インターネットでは疑問と批判の声が多数寄せられている。

発表を行ったすべての一級行政区は、GDPの「成長」を遂げた。特に海南省は同期比、25・1%という数字をたたき出し、全国トップとなった。昨年上半期で唯一、マイナス成長となった山西省は19・1%の増加で大躍進を遂げ、上位にランキング。全国のGDP成長率11・9%を下回ったのは新疆ウイグル自治区(11%)のみだった。

「各地のGDP成長率が全国の数字を上回るのはよくあることだ」と北京工商大学経済学院産業経済研究センターの周清傑執行主任は語る。「統計のやり方に問題があるほか、地方政府が業績を上げるために、データを水増しした可能性もある」と指摘する。

「大躍進の再来」

各地の「業績上々」の経済成長ぶりに、ネットユーザーは疑問の声を上げている。ポータルサイト「網易」では同情報を報道した当日、掲示板には1600あまりの書き込みが寄せられ、批判の声が集中した。

「西南部大干ばつの最中、GDPの大幅の増加なんてありえるのか」

「十数年前からGDPは2桁の成長を遂げているが、GDPが高くなるほどで、私たちの生活が苦しくなる」

「数学は苦手。28の省の成長率が全国の成長率を超えているなら、11・9%と言う数字はどうやって計算されたのか、教えて欲しい」

「GDPの成長はまったく感じない。しかし、不動産の高騰はよく分かった」

「不動産がここまで高騰したのだから、GDPが増加するのも当然だ。不動産バブル化で中国を繁栄させよう!」

また、GDPそのものの意義について疑問視する声も寄せられている。「GDPは既に嘘の代名詞になり、全国から批判の声が上がっている。なぜ政府は目覚めないのか」とあるネットユーザーは不満をぶつける。「会社経営をしているが、金融不況のあとは経済成長など全く感じられない」とコメントした。

さらに、「青海大地震でGDPが成長する。倒壊した建物処理で掛った費用はGDPの成長として一度数え、それを再建する際またGDPの成長となる」と風刺する発言も多くみられた。

ほかにも、「『水増し』上手な統計局はぜひ、西南地区の干ばつを助けるべきだ」、「このまま行くと、第2四半期にすべての省のGDP成長率が全国平均を上回る」など皮肉まじりのコメントや、「中国人はいつも自らを欺き、他人を欺いている」と嘆く声もあった。

もうすでに中国ではバブル崩壊が始まった?



28の一級行政区(省・自治区・直轄市)はいずれも、全国GDP成長率の11・9%を上回り、その中でも18の省、自治区、市の成長率は15%を超えたなんて、数学というより、算数を知っている人なら誰でも嘘だと言うことがはっきりわかりますね。

でも、この嘘中国報道を眺めているだけでもわかりますね。それは、ここ2年くらい続いている、大卒の就職難をみてもわかります。中国は、確かに一時大卒の数を相当増やしていますが、その増えた大学生が就職するようになっても、数年は就職難の話はなかったと思います。それが、ここ2年程度就職口が全くない学生が大幅に増えています。彼らの多くは、専門領域にこだわるということでなく、単にどこも就職口がないようです。GDPが順調に伸びているというなら、人手不足になるのが普通です。

もうこの時点で中国のGDPの発表がおかしいということがわかりますね。中国では、毎年GDPが6%伸びなければ、十分に雇用が吸収できないそうです。これ自体にはついては、中国の高級官僚も認めていました。そうなると、ここしばらく毎年10%以上という統計は全く信用できないことになります。少なくとも、6%以下でなければ、つじつまがあいません。

昨年は、鉱工業生産が著しく伸びているという統計を発表しながら、片一方では電力消費量が大幅に減っているという統計を発表しています。元々中国の統計は、かなり疑問であるといわれきました。昔は、ほとんど細かい情報など発表しなかったので、それを鵜呑みにするしかありませんでしたが、最近では中途半端ではありますが、各種情報をだすようになってきたので、こうした矛盾が目立ようになってきました。その後、電力消費量の統計をださなくなりました。どうしてなんでしょうか?

中国中央政府はどうして、こんな初歩的なヘマばかりするんでしょう。おそらく、元々出鱈目なのだと思います。特に、地方政府から中央政府に統計を出すときに、かなり粉飾されているのでしょうが、それを中央政府がチエックする術もないのだと思います。さらには、統計を出すときにも、矛盾すらチェックもできないのだと思います。

こうした背景から、私は、もう中国ではバブル崩壊が始まったのではないかと思います。ただ、それをひた隠しにして、上海万博などでごまかしているだけだと思います。いずれ、隠しおおせいないときがきて、はじめてその時にバブルが崩壊したことを発表擦るのだと思います。

もう、フランスではバブル崩壊の報道がなされています。先日のG20でも、中国に対する強い期待など表明されませんでした。もう、多くの国が中国には先がないと思っているのだと思います。日本では、あまりこの事実が流布されていませんせん。特に、テレビなどの報道を見ていると、現在でも、中国をかなり重視していて、アメリカなど日本よりも、中国との関係を重視しているというような報道をしていますが、そんなことはもうないです。これから、しばらくはあてにできない、日本に対する期待が高まっています。上のビデオでは、最近のG20で日本の存在感が薄まったようなことを言っていますが、これも、マスコミの取り上げ方(カメラの動きなど)や、鳩山さんに問題があるのであって、現実はそうではありません。上のビデオで語っているような内容は、すでにアメリカはすべてつかんでいます。アメリカの情報筋では、ソビエトのポンジ(偽の)経済に関してすでに、1950年代に察知していて、すでにソビエト崩壊を予測していたことはこのブログにも以前に掲載したことがあります。

さらに、対中直接投資に関しては、すでに昨年より減少しており、対印直接投資のほうが上回っています。昨年の7月の時点で、前年度ひ35.7%減です。これも、おかしな話で、経済が伸びていれば、こんなに減るはずはありません。いわゆる土地・株式などに対する投機マネーは増えて、直接投資は減っているというのが実態です。最近では、幼児に対する、殺傷事件が頻発したり、蛍光塗料で光る肉や、地溝油などが平気で売られたりしています。日本が万博のときは、さすがにここまで酷いことはなかった思います。

しかし、こんな国を良い国だと思い込み、朝貢外交をしようとしている小沢さんは、全く外交のセンスがないといっても過言ではありませんね。新左翼の鳩山さんも、何を考えているのかほとんど理解できません。中国は、大昔から、集合と離散の歴史を繰り返してきました。現代中国は、大きな中国に統合されています。歴史は繰り返すとすれば、次は離散していくつもの国に分散するはずです。それが、今か、来年か、はたまた10年後になるか、もっと先なのかは別にして、今の体制は、歴史からみても、どの側面からみても、様々な事象が中国分裂の将来を描いているとしか思えません。

民主党、経済音痴であることは、このブログでさんざん述べてきましたが、外交に関しても音痴どこか、時代遅れですね。このお二人、そんなに中国が良いというのなら、中国にでも行かれてお住まいになられてはいかがでしょうか?でも、そうなれば、個人としては粗末に迎えられるだけで、国賓などの扱いはないでしょうね。なぜなら、二人とも、日本国という後ろ盾があるから、中国も興味を持っているのであって、それがなくなれば、ただの人ですから。それは、自民党の中にいるチャイナスクールも同じことです。まともな、情報収拾能力もないのでしょうか?確か、外国の賓客は快くもてなせという諺が中国にありましたね。要するに相手を取り込み自国に有利にするという意味です。そんな手にやすやすとのる、新左翼やチャイナスクールは、早く政治の表舞台から消えていただきたいものです。

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