2020年5月3日日曜日

においで新型ウイルス感染者を特定? 消防隊が検知犬を訓練―【私の論評】犬の嗅覚に頼らなくても良い日本の底力(゚д゚)!

においで新型ウイルス感染者を特定? 消防隊が検知犬を訓練



新型コロナウイルスのにおいを、犬が嗅ぎ分けられるかもしれない。犬には、乳がんや前立腺がんといった別の病気を嗅ぎ分けられる能力があるからだ。

フランス・コルシカ島では、消防士たちが新型ウイルスの嗅ぎ分け方を犬に教え込もうとしている。

ロックダウンが解除された後に、空港などで新型ウイルス感染者を特定するのに役立つかもしれないと期待されている。

この取り組みは、イギリスやアメリカなど複数の国で行われている大規模実験の一部だ。

提供元:https://www.bbc.com/japanese/video-52518774

【私の論評】犬の嗅覚に頼らなくても良い日本の底力(゚д゚)!

この試み、無謀なものとはいえません。なぜなら、このような事例はもうすでに存在するからです。

英国の研究チームは、2018年10月29日、犬を訓練してマラリアに感染した患者を見つけ出す実験に成功したと発表しました。犬に靴下の臭いをかがせるだけで、その人がマラリアに感染しているかどうかを診断できるといいます。

マラリア探知犬

一部のがんや糖尿病の臭いをかぎ分ける探知犬の訓練は既に行われています。英ダラム大学などの研究チームは、マラリア原虫に感染している患者が特徴的な臭いを発することに着目。医療用探知犬の推進団体と協力して、2頭の犬にマラリアの原虫をかぎ分けさせる訓練を実施しました。

研究チームは、アフリカのガンビアで5~13歳の子ども600人に提供した靴下を回収し、その靴下を使って英国で4カ月かけて犬を訓練しました。使用したのは回収した靴下のうち175足で、30足はマラリアに感染した子どもの靴下、145足は感染していない子どもの靴下でした。

訓練の結果、レトリバー犬の「レクシー」と「サリー」は靴下の臭いを嗅ぐだけで、マラリアに感染した子どもの70%、感染していない子どもの90%を正確に検知できるようになりました。

今回の研究により、犬を使ってマラリアを発見できる可能性があることが分かったと研究チームは解説しました。

ただしこの研究はまだ初期の実験段階にあり、実用化する前にほかの国のサンプルも試す必要があるとしました。

世界保健機関(WHO)によると、2016年のマラリア患者は世界で2億1600万人と推定され、うち44万5000人が死亡している。治療は可能だが、予防のためのワクチンは存在しません。

もしも発症前の患者を発見できれば、特にマラリアを根絶した国では、他国から持ち込まれるマラリア感染の拡大を防止でき、早期の治療を受ける助けにもなると研究チームは説明しました。

ここで、もう一つ心配なのは、犬は中国ウイルスに感染するかどうかという問題です。犬が中国ウイルスに感染し、さら感染した犬から人に感染するというのであれば、これは問題です。

結論からいうと、新型コロナウイルスが人から一部の動物にうつる可能性があることがわかったのですが、現時点では、動物から人間に感染する証拠は見つかっていません。さらなる研究が求められるところです。当面は、ペットについても人間と同様の予防措置を講ずるにこしたことはないです。

メイン州の獣医診断研究所が最近行った研究で、数千匹のイヌとネコから採取した試料を検査した結果、感染は一例も見つかりませんでした。また、中国ウイルスがネコ同士でうつるかを調べた小規模な実験では、実際に感染しうることがわかったと初期のレポートで述べられているものの、ネコがこの病気を人間に広める媒介となることは示されていません。

犬に関しても、犬同士で感染するとか、中国ウイルスを人間に広める媒介となることは示されてないようです。

であれば、犬の嗅覚を中国ウイルス発見に利用できる見込みはあるわけで、実際そうなれば、かなり有用です。

以前にもこのブログに掲載したように、日本ではCTの普及率が世界一であり、これが中国ウイルス感染発見の救世主となっている可能性かあります。他国では、CTといえば、それぞれの地区の拠点病院等にしか設置していないのが普通ですが、日本だと診療所レベルの医療施設にも設置されるのが珍しくありません。


無論、中国ウイルスに感染していることを断定することはできませんが、その可能性を素早く確認できるというのが、素晴らしいです。ご存知のように、これは癌などの病気の早期発見にも相当役立っています。

日本では、PCR検査を万能とみるむきも多いですが、以前このブログにも示したように、誤判断の確率はだいたい3~5割です。簡易検査だとこれをさらに上回ります。であれば、現時点でも、PCR検査は現状のように限定的でも良いのではないかと思います。

日本ではCTが他国に比較してかなり普及している

そのかわり、CT検査等を実施し肺炎などの症状がない場合は、自宅待機やホテル滞在などとして、肺炎が深刻なレベルに達していれば、入院治療とPCR検査を実行するというので良いと思います。実際現場ではそのように対処しているものと思います。

イギリスなどの他国では、CTが普及しておらず、犬の嗅覚にも頼らざるを得ないところがありますが、日本では、CTがかなり普及しているわけですから、この資産を最大限に活用すべきです。

私自身は、犬が大好きで、犬が中国ウイルス感染者の発見に活躍すること自体は、大歓迎なのですが、残念ながら日本では、CTがかなり普及していることから、犬たちの出番はないのでないかと思っています。ただし、空港や港などの水際などでは、CTを使うということはできないので、有効だと思います。

特に他国からの入国制限が、なくなったときに、水際での発見に威力を発揮することが考えられます。その意味では、犬の臭覚利用も、日本でも検討すべきと思います。

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2020年5月2日土曜日

ロシア、政権求心力に懸念 コロナ感染11万人超え 陣頭指揮の首相「陽性」―【私の論評】中国ウイルスで衰退するロシアと、北方領土交渉が今までで最も実施しやすくなる(゚д゚)!

ロシア、政権求心力に懸念 コロナ感染11万人超え 陣頭指揮の首相「陽性」

4月30日、モスクワ郊外の公邸に滞在中のプーチン・ロシア大統領(左)に新型コロナウイルス
感染をオンラインで報告するミシュスチン首相(画面)=ロシア大統領府提供

ロシアの新型コロナウイルス感染者数が急速に拡大している。一日には十一万四千人余に達し、対策で陣頭指揮を執っていたミシュスチン首相(54)の陽性も確認された。早期に中国との国境を封鎖するなど厳しい予防措置にもかかわらず、ここ数日、五千~八千人の感染者が出る日が続き、世界ワースト八位に。地方でもデモが相次ぐなど、市民は不満を募らせている。

ミシュスチン氏から陽性の報告を受けたプーチン大統領は三十日夜、「あなた抜きで重要な政策決定は行われない」と述べ、今後もテレワークで会議に参加するよう指示した。だが一部報道ではミシュスチン氏は医療施設で自主隔離後、高熱に見舞われているという。首相代行にはベロウソフ第一副首相が就いた。

ミシュスチン氏は一月に内閣総辞職したメドベージェフ前首相の後任で、コロナ対策本部を指揮。感染がまん延していた中国からの入国を西欧諸国より早く、二月二十日から禁止し、三月からは外国人の入国を止めた。外出禁止や商店の強制休業などでも徹底した隔離措置を断行してきた。

ロシアは検査を積極的に行い、累計で三百七十万件と米国に次ぐ規模。死者も約1%の千百人超と他国と比べると少ない。感染者の洗い出しと隔離による「封じ込め作戦」が進んでいるとの見方もあるが、拡大に歯止めがかかっていない。プーチン氏も四月二十八日、「ピークはこれからで危険な状態だ」と指摘した。

これに対し、モスクワなど都市部ではネット上で政権批判をしたり、シベリアでは鉱山労働者らによるデモが発生。独立系世論調査機関「レバダ・センター」が三十日に公表した調査では、市民の48%が政権に対してコロナ対策で不満を表明した。

このため、二〇二四年に任期が満了するプーチン氏の続投を可能にする憲法改正の全国投票についても、政権批判票を封じるため、コロナ禍が落ち着くと予想される冬まで先延ばしにするとの報道も出ている。政権は経済活動の維持と感染食い止めを巡り、難しいかじ取りを求められている状態だ。


【私の論評】中国ウイルスで衰退するロシアと、北方領土交渉が今までで最も実施しやすくなる(゚д゚)!

ロシアでは、各地の軍施設や医療機関にも広がっています。1日から連休が始まり、外出の増加が予想されることから、当局は警戒を強めています。

ロシアは、中国ウイルス禍の最中他国に対して、フェイクニュースを流すなどの工作活動を行ってきました。

ガーディアン(3月18日)はEEASが3月に出したレポートをもとに、ロシア政府系メディアが西側諸国の中国ウイルス危機を悪化させる目的でデマを拡散していたと指摘しています。

同紙によると、1月半ばから3月半ばまでの2カ月間に、ロシアが発信源のデマが80件確認されたといいます。内容は「新型ウイルスは中国、アメリカ、イギリスの生物兵器」「感染の発生源は移民」「製薬会社の陰謀」「中国ウイルス自体がデマ」などでした。

ガーディアンが指摘するフェイク情報の拡散は、ロシア政府系メディアのスプートニク、RIA-FAN通信、レン・テレビ(REN TV)などでみられたましたが、その多くは米国の陰謀論サイトや中国、イランのネット上にある陰謀論的書き込みをシェアする形で行われました。

「リトアニアで米軍兵士が感染した」とのデマもSNS経由で拡散されましたが、その引用元として多かったのは、ロシア政府系メディアのRT(ロシア・トゥデイ)スペイン語版でした。

このように政府系メディアとSNSの相互引用で情報発信源を隠しつつ、信ぴょう性を持たせてデマを拡散する手法はロシア情報機関の得意技で「メディア・ミラージュ」と呼ばれます。イランでも同様の手法で「アメリカの生物兵器」「イスラエルの生物兵器」といったデマが拡散されました。

ニューヨーク・タイムズ(3月28日)は、ロシアと中国とイランのデマ拡散工作が互いに連動して、アメリカ社会の分断と弱体化が促されていると指摘しています。

同記事によれば、今回はとりわけ中国が積極的だといいます。これまで中国は、台湾や香港、チベット問題などに関する政治的プロパガンダには積極的に資金を投入してきましたが、陰謀論の拡散にはあまり関与してきませんでした。

にもかかわらず、今回は「ウイルスの発生源は米国」「ウイルス封じ込めに成功した中国共産党のシステムは優れている」といった言説を、発信源を隠して拡散しています。中国ウイルス問題で責任の矢面に立つきわめて不利な立場に追い込まれたことで、ロシアの情報戦略の有効性を認識し、模倣を始めたということでしょう。

そのためか、中国がデマ情報拡散に活用しているサイトは、カナダの親ロシア系陰謀論サイト「グローバル・リサーチ」や、親イラン・ロシア反米系の陰謀論サイト「ベテランズ・トゥデイ」など、もともとロシアが陰謀論を拡散するのに利用してきたところが多いようです。

最後に、ロシアや中国が意図的に拡散したフェイク情報を、EEASレポートから紹介しておきます。

▽「牛乳がCOVID-19に効く」説(presentnews.biz.ua、ウクライナ語)

▽「そもそも中国ウイルス感染は起きていない」説(Der Fehlende Part、ドイツ語、動画)



▽「大手製薬会社の金儲けが目的のアメリカ製人工ウイルス」説(NewsFront、スペイン語)

▽「ビル・ゲイツとロックフェラーによる人口削減の陰謀」説(Journal of New Eastern Outlook、英語)

▽「手洗いは効かない」説(RT、ドイツ語)

▽「亜鉛が中国ウイルスに効く」説(RT、アラビア語)

▽「大手製薬会社と手を組んだ欧米メディアは、中国でビタミンCによる治療に成功したことを無視している」(South Front、英語)

▽「パンデミックは誇張された陰謀。ファシスト国家を作るのが目的」(スプートニク、ドイツ語版)

また、中国の一連のデマ拡散工作について、各所からの分析報告を紹介しておきます。

▽「中国の国営メディアが新型中国ウイルスのパンデミックに関して、国際的な認識に影響を与えようとしている」(Recorded Future)

▽「中国はどのようにツイッターによるプロパガンダの仕組みを構築し、中国ウイルスを解き放ったか」(プロパブリカ)

▽「中国がトランプ非難のプロパガンダ広告~国営メディアは中国のパンデミックへの対応を称賛し、アメリカの過ちを攻撃する広告を多数購入」(テレグラフ)

中露は、世界の中国ウイルス危機に乗じて、これだけの工作を実施しているのです。日本国内でも当然様々な工作を行っているでしょう。日本のマスコミにもいろいろ、直接的間接的に働きかけているでしょうし、政治家などにも働きかけているでしょう。当然SNSでも工作をしているとみるべきです。

彼らの目的は、日本国内を分断させること、アジア内の分断、日豪分断、日欧分断、日米同盟の分断など様々です。私達は、これらに騙されないように中国ウイルス報道や、SNSなどの内容には十分気をつける必要があります。

日本では、脳内がお花畑的な人が多く、こうした中露の工作があるなどとはつゆほども疑わない人も多いようで、特にマスコミで中露の「メディアミラージュ」を取り上げているところはありません。

ロシアがこのような「メディア・ミラージュ」をチャンス到来として、各国に対して工作しているうちに、ロシア自体の感染者が増え、抜き差しならぬ状態になったのは皮肉です。

感染したとされる、ミシュスチン首相といえば、今年の1月に、就任したばかりです。これについては、このブログでも掲載しています。この記事では、プーチンがミシュスチンを首相に据えたのには、それなりの背景があることを掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
プーチン院政への布石か 経済低迷のロシア、政治経験ゼロのミシュースチンが首相に―【私の論評】プーチン院政は、将来の中国との本格的な対峙に備えるため(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
プーチンはロシアがこのまま中国の属国になってしまうことを、潔しとはしていないはずです。 ただし、中国はつい最近人口が14億人を超えましたが、ロシアの人口は1億4千万人に過ぎません。経済に関しては、現在のロシアは東京都なみのGDPしかありません。 
だからこそ、ロシアは中国に対する不満はあるものの、属国的地位に甘んずるしかないのです。そうして、プーチン自身も自分の目の黒いうちは、この状況は変わらないと考えていたでしょう。 
しかし、昨年あたりからこの状況は大きく変わってきました。そうです。米国による対中国冷戦が過激さを増してきたのです。もはや米国内では、トランプ政権等とは別にして、米国議会が超党派で中国に対峙する体制を固めています。だから、トランプ氏が大統領をいずれ辞任したとしても、米国の中国に対する姿勢は変わりません。
プーチン(左)と習近平(右)
そうして、どうやら米国は中国が現在の中国共産党独裁体制を変えるか、それができなければ他国に影響力を行使できないように、徹底的に中国の経済を破壊しようとしているようです。そうして、これは最早貿易戦争の域を超えて、価値観の対立にまでなっています。 
中国は独裁体制をおそらく変えられないでしょう。なぜなら、それを実行すれば、中共は統治の正当性を失い、崩壊するからです。となると、米国は中共が経済的に衰え他国に影響力が行使できない程に中国の経済を破壊するまで、制裁を続けるでしょう。 
こうした状況をみたプーチン氏は、自分の目が黒いうち(短くてここ数年、長くて10年くらい)に、ロシアが中国の属国的地位から脱する見込みがでてきたと判断したに違いありません。そうして、ロシアがうまく立ち回ることによって、中共の崩壊を加速することも視野に入れているに違いありません。 
だかこそ、自らは中国との対峙に専念し、国内政治は信頼できる人物にまかせ、自らは他国に伍して中国の崩壊に際して、ロシアの権益を最大限に拡張すべきとの結論に至ったのでしょう。 
さて、中国がある程度経済的にも疲弊した頃には、かつての中ソ対立のように、中露の対立が激しくなってくると予想されます。 
その時がまさに、日本にとっては北方領土交渉がやりやすくなるのです。戦後70年以上が過ぎた今、世界でもっとも危険な国は中国です。この唯物論・無神論を国是とした軍事独裁国家を封じ込めるためには、ロシアは日米と平和条約を結び、協力しなければならなくなります。そうでないと、ロシアは中国の属国とみなされ中国の道連れにされるかもしれません。
今回の中国ウイルス禍では、ロシアは中国ウイルス感染そのもので相当疲弊するはずです。特に、ロシアの最大の主要産業は、 鉱業(石油,天然ガス,石炭,金,ダイヤモンド等)であり、これらは、中国ウイルス禍によってかなり価格が下がっています。

中国ウイルス禍で、経済が疲弊するのは確実ですが、それによる失業や生活困窮などに、対処するのは今日のロシアにとっては困難です。

そもそも、ロシアの人口は1億4千万人で、日本より、2千万人多いのですが、GDPは国でいえば、韓国と同等、日本国内の都市でいえば、東京都なみです。ロシアと日本は人口は大差はないですが、中国ウイルス感染者数5月1日現在では、ロシアは12.4万人です。死者は、1,222人です。日本は同時で、感染者数1.4万人、死者数は493人です。ロシアの被害が酷いことがわかります。

日本全体の経済が東京都なみだとしたら、どうなるか想像してみてください。現在政府は、国民一人あたり10万円の給付を決めました、休業補償については財務省が渋ってはいますが、日本の経済力(そもそも財務省の言う、国民一人当たりの借金が1000万円であるとは、財務省の大嘘)であれば、やろうと思えば実行可能です。

しかし、ロシアは違います。日本の東京都と同等の経済のロシアの軍事力は米国に次いで、世界第二位です。宇宙開発も手広く行っています。そうなると、国民の雇用や、困窮者に対する補助するための資金を捻出するのはかなり難しいです。

そうなると、プーチン政権の求心力はかなり落ちることになります。そうなると、プーチンの夢でもある、ロシアが中国の属国的地位から脱するという目論見は水疱に帰し、ロシアはますます中国の属国的な立場から逃れなくなります。

それは、プーチンとしては潔しとしないでしょう。これを解決するには、日本に北方領土を返還し、手厚い経済協力を得るしか方法はないかもしれません。

かつて、丸山穂高衆院議員は、北方領土問題について「戦争をしないとどうしようもなくないか」「(戦争をしないと)取り返せない」などと発言してトラブルになりました。

しかし、戦争で取られたものは、戦争で取り返すしかないというのは、厳然たる事実です。これが、国際社会の現実です。

ところが、現在ロシアで起こっている中国ウイルス禍はまさに、戦争と匹敵するほどの非常事態です。

今のロシアは、どこまでも疲弊し、これも沈みつつある中国の属国的地位から、真の属国に成り下がるか、あるいは、日本の支援を受けてロシアが中国の属国的地位から脱するかのいずれか一つです。

このような大きな取引は、残念なが米国とはできないでしょう。米露には、北方領土のような大きな懸案事項はないからです。日本としては、素早く中国ウイルス禍から脱却して、世界情勢も国内情勢も疎く、省益のためだけに突っ走る財務省の干渉を押さえつけて、経済を急速に回復して、ロシアに見せつけるときです。

その時こそ、北方領土交渉は今まで一番やりやすくなります。このようなことを言うと、嫌がる人もいるかもしれませんが、かつてのソ連は日ソ不可侵条約を一方的に破り、日本領に侵攻して、北方領土を掠め取ったのです。それどころか、何の法的根拠もないのに、シベリアに多数の日本人を抑留し、多数の死亡者がでました。占守島の戦いで、日本軍が奮戦しなければ、北海道もソ連領になっていたかもしれません。

検索結果

ウェブ検索結果占守島の戦い

我々日本人は、それを忘れるべきではありません。日本としては、中国ウイルスが終息すれば、すぐにでも北方領土交渉を再開すべきです。そうして、北方領土を返還させるだけでなく、ロシアを中国に対峙する日米側に取り込むべきです。

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2020年5月1日金曜日

コロナ・ショックは「リーマン級危機」以上では? 消費税減税の大義名分、国民の命と経済を優先すべきだ ―【私の論評】危機の時こそ、人々の本質・地金が出てくる、すでに財務省は中共と同じく表舞台から退場しつつある(゚д゚)!

コロナ・ショックは「リーマン級危機」以上では? 消費税減税の大義名分、国民の命と経済を優先すべきだ 
高橋洋一 日本の解き方

安倍首相

安倍晋三首相はこれまで、消費増税を見送る条件として、「リーマン・ショック級の危機」を挙げてきた。今回のコロナ・ショックは、まさにリーマン級危機ではないのか。

消費税については、長い経緯がある。1989年4月、当時の竹下登内閣が税率3%として初めて導入した。その後、村山富市政権時の94年11月に税制改革法案が成立し、橋本龍太郎政権の97年4月に税率は5%に引き上げられた。

その後、消費税率は5%のままであったが、2012年8月の民主党の野田佳彦政権時、14年4月に8%、15年10月に10%にそれぞれ引き上げる消費増税関連法が成立した。

安倍政権になって14年4月に予定通りに8%に引き上げられた。ただし、その後経済が低迷したために、安倍政権は14年11月、10%への引き上げ開始時期を17年4月まで1年半延長。さらに16年6月には、19年10月まで2年半延長した。1回目の延長の際には、その直後総選挙を行った。2回目の延長は北海道・洞爺湖サミットにおいて表明された。

19年10月の10%への引き上げは実施されたが、その際、安倍首相は「リーマン・ショック級の危機があれば見送るが、そうでなければ予定通り」としてきた。

10%への増税後、19年10~12月期国内総生産(GDP)は年率7・1%減だった。これだけでもかなりの経済ショックであるが、その上、2月下旬からはコロナウイルスによる内外での経済ショックがあり、さらに急速に景気が落ち込んでいる。

政府の景気判断は、月例経済報告を読めばわかる。2月まで「緩やかに回復」としていたが、3月にはさすがに「大幅に下押しされている」に引き下げた。4月は、「急速に悪化しており、極めて厳しい状況」とさらに引き下げた。

リーマン・ショック後の09年2~4月においてすら「急速な悪化が続いており、厳しい状況」という表現であり、今回の景気判断は、その当時よりも厳しい認識となっている。西村康稔経済再生相も「家計や企業の経済活動が急速に縮小する過去に例を見ない、極めて厳しい状況だ」と述べた。

これで、政府としても、今回のコロナ・ショックは、「リーマン・ショック級以上」と言わざるを得ない状況だ。

内需の過半を占める個人消費は、判断を2カ月続けて引き下げ、「急速に減少している」とした。20年1~3月期GDPは年率5%程度減、4~6月期も年率10%程度減となると国内エコノミストは見込んでいる。

世界経済も大変だ。米議会予算局が24日公表した経済見通しでは、1~3月期GDPは年率3・5%減、4~6月期は年率39・6%減だ。

まさに、日本も世界もリーマン・ショック級の事態になっている。この未曾有の危機は、当然、消費税減税を行う立派な大義名分になる。消費税よりも国民の命と経済を優先すべきである。

(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】危機の時こそ、人々の本質・地金が出てくる、すでに財務省は中共と同じく表舞台から退場しつつある(゚д゚)!

16人の民間エコノミストの予測平均から、日本の2020年4-6月期における実質国内総生産(GDP)が、年率換算で前期比21.7%減となる見込みであることが分かりました。日経新聞が報じました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出の自粛や店舗の休業が続き、GDPの60%以上を占める個人消費が前期比6.9%減となると予想。戦後最悪のマイナス成長となる見込みです。

内閣府は今月18日に1-3月期のGDPの一次速報を発表する予定。この期間は5.2%減と見込まれており、昨年10月の消費税増税後から3期連続のマイナス成長率となる見通しです。増税後の落ち込みから回復しつつあった流れが、コロナウイルスによって完全に途切れました。

予測通りになれば、4-6月期はリーマンショック後の2009年1-3月期に記録した17.8%の減少を超えることになります。また3期連続のマイナスは、東日本大震災前後の10年10-12月期から11年4-6月期以来となります。

民間の経済予測、7〜9月期はコロナ禍が終息したものとして予想している

米議会予算局は、米国の実質GDPは4-6月期に年率40%のマイナス成長になると予測。日本の4-6月期の輸出は17%減となっており、これはリーマン危機以来の大幅な減少で、内需も外需も厳しさを増している状況です。

12年前のリーマン・ショックの際、国際標準は、積極財政政策と金融緩和政策の同時発動でした。実際にほとんどの先進国で行われたのですが、日本では財政支出の規模が足りず、金融緩和も行われませんでした。

その結果、リーマン・ショックの震源地からほど遠いにもかかわらず、日本経済への打撃が大きく、震源地の米国やその悪影響をモロにかぶった英国が、いちはやく回復したにもかかわらず、世界で日本だけが、回復が遅れ、ひとりまけの状態になりました。

特に白川方明(まさあき)総裁当時の日銀で金融緩和が行われなかったため、円は他通貨に対し希少性が出て猛烈な円高となり、日本経済を痛め付けたことは多くの人の記憶に残ったことでしょう。

日本の貧乏神と揶揄された日銀元支店長白川方明士

東日本大震災の際の処方箋も、同様に財政政策と金融政策の同時発動だった。しかし、これも十分に行われなかったどころか、復興増税という古今東西にない愚策が行われた。

日本政府は全国に発令された緊急事態宣言の延長を表明しています。延長期間などの詳細はこれから発表される予定ですが、今回の予測は延長による下振れは織り込み済みです。

国際通貨基金(IMF)は今年の後半から世界経済が回復に向かうとみており、エコノミストも7-9月期は平均で年率9.9%の成長を見込んでいます。しかし経済活動再開後に第二波が到来することを危惧するなど、今後もコロナウイルスの影響が長引けば、回復にはさらに時間がかかるとみられます。

新型コロナウイルスの感染拡大に対応する、注目の「国民1人当たり一律10万円給付」を盛り込んだ2020年度補正予算が30日、成立しました。「世界恐慌以来の景気悪化」(国際通貨基金)から日本経済を再生させ、国民生活を守るため、今後のさらなる経済対策が期待されます。自民党内から「消費税減税」を求める声が上がってきました。

「一律10万円給付では、政治主導で財務省のくびきを外し、『政治の力』を証明できた。次は消費税減税だ」

自民党若手有志の議員連盟「日本の未来を考える勉強会」を主宰する安藤裕(ひろし)衆院議員=京都6区=は語りました。

「日本の未来を考える勉強会」を主宰する安藤裕(ひろし)衆院議員=京都6区

補正予算(25兆6914億円)の成立を受け、総額117兆円という緊急経済対策が本格的にスタートしました。

未曾有の危機から国民生活を守るため、財務省主導で国民に「不評」だった「減収世帯に30万円給付」に代わり、「国民1人当たり10万円給付」が実現しました。大型連休明けには、全国の自治体で給付も始まります。ほかに、減収となった中小企業に最大で200万円を支給する「持続化給付金」なども盛り込まれました。

ただ、今回の予算措置だけでは、経済再生は困難です。政府が4月23日発表した4月の月例経済報告では、国内景気の判断について「急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」と下方修正した。「悪化」の表現は、リーマン・ショック後の09年5月以来。新型コロナウイルスの影響はあまりに甚大です。

冒頭の議連「日本の未来を考える勉強会」は3月、「景気の致命的下降や恐慌を食い止めるには『消費税の減税』が欠かせない」という緊急声明を出しています。財務省が「一律10万円給付」で折れたことを受け、政府に対して、さらに積極的な財政出動を求めます。

安藤氏は「補正予算は今後、第2次、第3次が必要になるのは間違いない。政府・与党は、国民の生活を守り、企業の倒産を出さない決意を示し続けるべきだ。政治の力で、財務省の厚い壁を打ち破って、国民が熱望する『消費税減税』も実現しなければならない」と語りました。

現在の安倍政権は政権末期によくみられる現象で、官邸内の指揮命令系統がうまく機能していないようです。しかし、コロナ・ショックを受けたマクロ経済政策としては、大規模な財政支出と無制限金融緩和という先進国の定番政策に近いところまできています。細かい点にはまだ不満がありますが、自民党の一部には、上記のように財政問題がほぼないことを正確に理解し、正しい政策を模索する向きもあります。

こうした危機の時こそ、人々の本質・地金が出てくるものです。もう、緊縮大好きで、財務省の省益しか考えない、財務官僚の本質が顕になりつつあります。

コロナ禍はこれからもしばらく続くはずであり、これに対する政府の対応に対して、財務省は結局国民経済や命など無視して、とにかく緊縮財政の立場から反対し続けるでしょう。この財務省の抵抗は、これからも多くの国民に知られるところとなるでしょう。

そうして、多くの国民は、財務省の省益とは一体何なのかと、財務官僚に疑問を抱くようになるでしょう。しかし、その質問に当の財務官僚すら答えられないという事態になると思います。

ましてや、その答えが、単に退官後に天下りして、超リッチなハッピー・ライフを贈りたいからなどと答えれば、単なる馬鹿と多くの国民に認識されるだけです。

漿液優先の財務省などのキャンペーンとは一線を画した多くの政治家によるまともなマクロ経済政策への理解も10年前の民主党政権当時よりはるかに高まっているはずです。それこそが、これまでの10年の成果であり、日本経済復活への一縷の希望でもあります。

私自身としては、もうすでに制度疲労を起こした財務省の絶頂の時代は終わりつつあり、すでに財務省は表舞台から退場しつつあると思っています。

財務省「ピンチはチャンスだ、コロナのあとで増税・緊縮」を画策しているようです。実際、テレビで財務官僚がそのような発言をしています。今回こそは、復興増税の過ちを繰り返してはならないです



今回のコロナ禍で、コロナ復興税などで、復興を賄うなどのことを財務省が画策して動き出せば、さすがに今回ばかりは、政治家も国民も黙ってはいないでしょう。何しろ、今回は東日本大震災のときとは、規模が全く異なります。財務省は、全国民と全政治家を敵に回すことになります。

現在、コロナ禍を自分にとって有利になるように、中国共産党が画策しています。しかし、東アジアは、日本、香港、台湾ともに被害が少なく、被害のひどかったEUの国々に対して、マスク外交をしたり、医療団を送ったりしています。

その他コロナウイルスの発生源を米国だとしてみたり、東シナ海や南シナ海での挑発をゆるめるどころか、強化しています。

しかし、この中国の試みが成功するとはとても思えません。実際、香港経済日報の29日付報道では、現在、米国、英国、イタリア、ドイツ、エジプト、インド、ナイジェリア、オーストラリアの8カ国の政府や民間機関が、新型コロナウイルスの感染拡大を招き、自国に大きな被害をもたらしたとして、中国政府に賠償を求める訴訟を起こしていると紹介しています。

「外国による中国への賠償請求を『100国連合』と形容する人もいるが、あながち言い過ぎではないだろう」と伝えました。

そして、8カ国が中国政府に対して求めている賠償額の合計は約49兆5000億米ドル(約5300兆円)となり、これに米ミズーリ州の推定賠償請求額を加えると100兆ドル(約1京1000兆円)を上回り、中国のGDP(国内総生産)7年分に相当する額に達すると伝えました。

中国ウイルスで酷い目にあった国々は、この恨みを決して忘れることはないでしょう。今後の中国は、米国や多くの国々から体制の転換を求められるでしょう。

中共がそれを拒否すれば、米国などの国々が、中共幹部や家族の個人資産を凍結したり、ドルと人民元の交換を停止したり、中国のドル使用を禁止するなどの措置を課するかもしれません。そうなれば、このブログにも以前掲載したように、中国は石器時代に舞い戻ることになります。

財務省も、今後国民生活や、国の経済を考えず、省益だけを追求すれば、中共と同じような運命をたどることになるでしょう。

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2020年4月30日木曜日

自衛隊中央病院 院内感染対策など公開 東京 新型コロナ―【私の論評】自衛隊は、世界で最も感染に強い組織(゚д゚)!


NHKニュース

動画はこちらより https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200430/k10012412711000.html

200人を超える新型コロナウイルスの患者を受け入れた自衛隊の病院が、院内感染の対策などを報道関係者に公開しました。

公開されたのは、東京 世田谷区にある自衛隊中央病院で、取材は病院の指導のもと、患者が出入りする動線などと重ならないように配慮して行われました。

30日は、院内感染の対策や患者の受け入れ態勢が公開され、病院に来た人はすべて建物の外にあるテントで体温を測っていることや、感染の疑いの強い人が搬送されてきた場合には、出入り口から検査場所まで専用の動線を設けて誘導していることなどが紹介されました。

また、重症の患者を受け入れている病棟では、廊下を二重の扉で仕切ったうえ室内の空気が外に流れ出ないよう陰圧に保つ対策をしているということです。

病院では、新型コロナウイルスの集団感染があったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客など、200人を超える患者の治療に当たっていて、これまでに院内感染は起きていないということです。

また、自衛隊中央病院は先月、クルーズ船の患者について、軽症や無症状の人でも胸部のCT検査を行うとおよそ半数に肺の異常が認められ、このうち3分の1は、その後、症状が悪化したとする分析結果を公開しています。

病院は、この特徴を「サイレント肺炎」と呼び、症状の悪化に気付きにくいおそれがあると指摘しています。

自衛隊中央病院の上部泰秀院長は「いろいろな医療機関と協力して画像所見を共有してソフトを開発したり、共通の基準を見つけたりすることに取り組んでいる」と話し、今後もほかの医療従事者と知見を共有したいとしています。

【私の論評】自衛隊は、世界で最も感染に強い組織(゚д゚)!

自衛隊というと、「何であの人たちは感染しないの?」と、現在ネット上などで話題になっています。新型コロナ感染拡大を受けて、数々の現場に赴く彼らは、濃厚接触と戦い続けながらいずれの任務でも感染者を出していません。彼らには独自の「予防マニュアル」があるのだといいます。

この「予防マニュアル」は自衛隊独自もので一般公開はされていませんが、一般家庭向けに『新型コロナウイルスから皆さんを守るために』というマニュアがあります。これは、各自衛隊員の家庭にも配布され、その内容が励行されているのでないかと思います。そうでないと、自衛隊員の感染が海外で感染して帰国した一人の例外を除いて、皆無ということはあり得ないと思います。

3つの密を避けることと、このマニュアルを励行すれば、一版家庭でもかなり感染を防ぐことができるのではないかと思います。

さて、以下に自衛隊員のコロナの防御の内容を記します。

◆脱ぐ時は2人一組

全国の駐屯地から医療・介護施設へのマスク配布作業を始め、集団感染が発生したクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』の船内対応、チャーター便帰国者の一時宿泊施設への物資搬送など、新型コロナの感染拡大を受けて様々な任務に従事する自衛隊。

ときには保菌者との濃厚接触が避けられない現場もありますが、隊員の感染事例は海外からの帰国者1人のみです。いまだ任務中の接触を原因とする感染者は出ていないのです。

とりわけ医師や政府職員、検疫官の感染が相次いだクルーズ船の任務では、2700人の隊員が対応にあたったにもかかわらず、感染者ゼロで任務を完了したことは特筆すべきです。

制服組トップの山崎幸二・統合幕僚長は、後日の会見で「しっかりした防護基準を定め、現場で指揮官が徹底し、隊員が実行した。訓練の成果だと思う」と振りかえっています。

例えば、クルーズ船では、厚生労働省が設けた基準とは別に自衛隊独自の防護策を講じていたといます。

「船内の消毒業務などは防護服を着たうえで手袋を二重にし、防護服との隙間が生じないようにつなぎ目を粘着テープでふさぎました。さらに靴カバー、目にはゴーグルを着用しました」(防衛省・統合幕僚監部報道官室)

元陸自一佐で、イラク先遣隊長、福知山駐屯地司令などを歴任した佐藤正久・自民党参院議員が解説しています。

「今回の新型コロナのようにヒトに感染するウイルスに対応する場合、自衛隊は必ず防護服を着用します。手袋をして顔も覆い、靴カバーを付けるフル装備です。任務が長時間にわたる場合は、さらにオムツを着用することもある。

防護服を脱ぐときは“外側”に触れないよう、2人一組で行ないます。一般的には、頭の部分から順番にお互いの防護服を外していき、最後にお互いの手袋を取るといった手順です。そこまで徹底しないと、感染を防ぐことはできません」

◆爪の根元を洗う

自衛隊の新型コロナ対応は防護服のような特殊な対策がメインではありません。むしろ多くの場面で、一般の人もやっている基本対策の徹底を心がけているそうです。ただし、その「やり方」が違うのだといいます。

「船内でのウイルス感染を避けるため、『手指で何かに触れたらすぐに消毒する』、飛沫によるウイルスの侵入を防ぐため『マスク着用時は鼻にあたる部分を押さえて隙間をなくす』などを徹底しました」(統合幕僚監部報道官室)

マスクは鼻まで付ける、ここまではいまや常識だが、そこで鼻回りの隙間をなくす一手間が「自衛隊式」です。そうした配慮は洗濯にも見られます。

「洗濯は各自が行ないましたが、感染リスクが高い医官・看護官らは個室の風呂場や部屋に持ち込んだバケツ型の洗濯機を利用し、それ以外の隊員はフェリー内の洗濯機を共有して使いました」(同前)

その他の対策としては、「食事の際は対面を避ける」「対面の時は2メートル以上空ける」などがあるといいます。

新型コロナに限らず、自衛隊の感染症対策は基本を突き詰めることを重視しています。その代表が「手洗い・うがいの励行」です。自衛隊OBが語ります。

「集団行動が基本の自衛隊では1人が感染症に罹患すれば、部隊の任務自体が行なえなくなってしまう。そのため、入隊後に教育隊から教えられる基本動作の中に手洗い・うがいの励行があります。その結果、手洗い・うがいをきっちりやる習慣が身につくのです」

手洗いの励行は、部隊生活の日常にも及びます。

「トイレや洗面所に『手洗いの仕方』を解説する貼り紙を出しているところもあります。それも、小便器の前だけでなく、個室に座ったときの正面にも張られていたりする。用を足すときに必ず目に入るよう指示の徹底化を図ります」(前出・自衛隊OB)

手洗いにも自衛隊ならではのポイントがあります。

「石鹸をつけ両手の平をゴシゴシ前後にこする人が多いですが、そうすると親指と爪の洗浄が疎かになりがちです。そのため、『親指だけを洗う』『爪の先は別に洗う』『その後、爪の根元を洗う』など、手順を具体的に指示しています」(佐藤氏)

そうした指示は足元にも及びます。感染症対応の現場で、隊員自身がウイルスを運ぶような事態を避けるため、例えば、鳥インフルエンザや豚コレラなど家畜に感染症が発生した場合は、現地での活動後、ブーツに付いた土を必ず現場で落とし、靴底の消毒を徹底しています。

佐藤氏が続けます。

「海外任務では事前に予防注射を何本も打ちますが、それでも感染症の恐れは消えない。そのことを隊員にきっちり伝え、手洗いの励行を指示しました。イラクでは駐屯地の食堂入り口に手洗い場を設け、食事前に手洗いをする動線を作りました」

手洗いに水が使えない屋外での食事の場合は「ウェットティッシュを用いて手指の消毒を行なう」といいます。

◆『衛生ニュース』の発行

これらの「自衛隊式」予防法は誰もが日常生活で実践できる対策ばかりですが、それを集団単位で確実に実施できることが自衛隊の強みです。佐藤氏はこう言います。

「自衛隊は以前から感染症に緊張感を持って対処しています。『自衛隊における感染症対策に関する訓令』や『感染症対策に関する達』により、自衛隊内の各組織での対応や感染症の種類ごとに発生時の報告を義務付けています。隊員には部隊ごとに発行する『衛生ニュース』で、流行中の感染症とその予防法を伝えています」

そうした取り組みが効果を発揮できるのは、自衛隊という組織ならではの特性によります。

「『上意下達』が徹底しているため、組織全体に情報が浸透しやすい。他の役所や民間と大きく違うところです」(同前)

具体的には、部隊での朝礼・終礼での予防励行の伝達、営舎での10人弱の班単位での指示など、多くの段階で感染症予防の徹底が伝えられます。

近年、自衛隊ならではの危機管理テクニックを取り上げた『自衛隊防災BOOK』がヒットしました。そこでは日頃の防災や減災に役立つ知識や技術が数多く披露されています。ある現役隊員が語ります。

「我々の強みは『健康管理も仕事の一部』と全員が認識していることです」

意識の徹底こそがコロナ予防につながっているのです。これは、当然のことながら、自衛隊中央病院でも実践されているはずです。

このような自衛隊の実践的なノウハウは、他の組織にも役に立つはずです。だからこそ自衛隊中央病院は、院内感染対策など公開したのでしょう。これに関しては、設備上参考にしたくてもできない場合もあるでしょうが、他の組織も学ぶべきところは学ぶべきです。

私達自身も学ぶべきです。その意味で以下に自衛隊関連のいくつかの動画を掲載します。

まずは、自衛隊員の感染者がゼロである理由を明快に説明した、「チャンネルくらら」の動画です。


この内容、細かなところでは、多少の間違いもあるのですが、自衛隊員の感染がなぜ"ゼロ"なのか、明快に説明しています。かなり参考になるし、実務的です。間違いについて、気になる方は、この動画の配信先のYouTubeのサイトをご覧になって下さい。コメント欄に、その内容がコメントされています。ご覧になれば、おわかりになると思いますが、これらの間違いはごく些細なものであり、動画の内容や伝えたい内容を毀損するものではありません。

以下は、自衛隊式の手洗いの仕方です。



次は、自衛隊式のマスクの着脱方式です。


以上の2点だけでも、家庭などでは実行すれば、かなり役に立つと思います。

以下は、感染防止の車両の養生法です。


これも大いに参考になりそうです。

以下は、ガウンの自衛隊式のガウン着脱方式です。


これは、病院などの最前線で、コロナウイルス患者の治療に携わっている人々に役立ちそうです。

さて、台湾はコロナウイルス感染の防止で、最も成功した国ですが、その台湾ですら、軍隊で感染クラスターが発生しています。

中央感染症指揮センターは19日、新たに22人の感染が確認されたことを明らかにしました。そのうち21人は軍艦「磐石」の乗組員で、内訳は20代から40代までの男性19人、女性2人。いずれも4月14日から18日にかけて発症した。残る1人は20代男性。昨年4月21日に留学のため渡米し、今年4月10日に米国で発症。17日の帰国時、空港で検体を採取し、感染が確認されました。

なお、軍艦「磐石」で発生したクラスター(集団感染)による感染者は、これで累計24人となりました。中央感染症指揮センターはすでに、「敦睦遠航訓練」に参加していた軍艦「磐石」を含む、合計3つの軍艦の乗組員744人全員の検体検査を行っています。現在、感染が確認された24人はすべて「磐石」の乗組員で、ほか2つの軍艦の乗組員から陽性反応が出ていません。

軍隊における感染の発生は、米国にもみられ、空母が戦列から離れているくらいです。中露の軍隊にも感染者がいるようですが、隠蔽されているものとみられます。その中にあって、感染の最前線に赴いた自衛隊員が多数いる中、一人の例外を除いて感染者がゼロというのはすごいことです。

中露のような独裁国家にとって、コロナウイルスの大流行は寧ろチャンスです。中露では一般人はいくら死んでも、独裁者本人と指導部さえ無事なら、問題ありません。軍隊に感染者がでても、動けるうちは動かし、使い物にならなくなれば、捨てて、交代要員をあてれば、それで良いのです。

ところが、他の国では疫病の為、大混乱が起きています。その混乱に乗じて、中露は覇権拡大を狙うので、常に備えが必要です。このようなときに、自衛隊の感染がゼロというのは本当に心強いです。

自衛隊感染者ゼロという事実は、彼らも知っているでしょう。だから、尖閣などに来る中国の艦艇の乗組員も戦々恐々としているでしょう。なぜなら、彼らには発見することができない日本の潜水艦に、いつ撃沈されるても不思議はないからです。

しかも、今世界はコロナウイルス禍にあり、いわば世界中が緊急事態の最中にあるわけです。このような緊急事態下には、平時にはあり得なかったようなことが起こることがしばしばあるからです。コロナ禍に乗じて何か、有利に立ち回ろうとする彼らからすれば、なおさら敏感になっているはずです。

コロナ感染の影響を受けていない海自の潜水艦は、今でも中国艦艇を沈める模擬訓練を東シナ海や南シナ海行っていることでしょう。

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2020年4月29日水曜日

【真・人民日報】世界で沸騰する新型コロナ「中国責任論」 日本の報道からは見えづらい欧米各国の“思惑”―【私の論評】米中「中国ウイルス」情報戦は米国の圧勝、中国はチェルノブイリの二の舞を舞うことになる(゚д゚)!

【真・人民日報】世界で沸騰する新型コロナ「中国責任論」 日本の報道からは見えづらい欧米各国の“思惑”

米国に続き、メルケル氏ら欧州首脳からも対中不信の声が上がる

今週は新型コロナ問題で中国「責任論」が世界で沸騰している問題を取り上げたい。

中国の初期対応に過失はあったのか。感染源は武漢のウイルス研究所なのか。謎の解明は科学のアプローチに委ね、本稿では国際的な批判の高まりの裏側に目を向けて行きたい。

3月末まで、習近平のコロナ対策を評価していたドナルド・トランプ大統領が、にわかに攻撃に転じたのは4月上旬のことである。

動機は自国の感染対策で出遅れ、大統領選挙にも不利になったからだ。

中国の隠蔽(いんぺい)体質で米国に必要な情報が得られなかったと怒りを爆発させ、中国に忖度(そんたく)して国際機関の役割を果たせなかったと世界保健機関(WHO)も批判した。新型コロナが武漢の研究所から流出したのでは、との疑惑にも言及した。

地元メディアには「米情報機関」のリークがあふれ、米中間にはきな臭い空気も流れた。本来、疑うに足る情報ならばさっさと公開すべきだが、それもせず、ただ「情報機関」という響きに真実性が与えられて独り歩きする流れは、イラク戦争へと向かっていった過去を彷彿とさせる。

ただ、もちろん中国が被害者であるはずはない。国際的にも中国に厳しい風が吹き始めている。

エマニュエル・マクロン仏大統領は「中国が新型コロナの流行にうまく対処していると『ばか正直』に信じてはいけない」と警告し、ドミニク・ラーブ英外相(首相代講)は、新型コロナがどう発生し、なぜ早期封じ込めに失敗したのか、中国に「厳しい質問をせざるを得ない」と語っている。

アンゲラ・メルケル独首相も中国が「発生源に関する情報をもっと開示していたなら、(中略)より良い結果になったと思う」と隠蔽を疑う発言をし、マリス・ペイン豪外相も、独立調査の必要性を求め、米国に歩調を合わせた。

まさに中国包囲網が形成されているようだ。だが、これには2つの流れがあり、1つは国民感情としての「嫌中」、もう1つが国として中国に厳しい顔を見せる対応だ。

前者は一時的な「中国製」嫌悪を招き中国経済に打撃となるが、前例から見て長続きはしない。

後者も、トランプ氏の中国攻撃でにわかに活気づいた日本人が期待するような話ではない。

第一、日本の報道からは各国の思惑が少しも見えていない。不思議だ。

国のトップが発信する以上、何かを獲得するか、何かを防衛する意図がないはずはない。だが日本人は「やっと世界が中国の問題に気が付いた」という好き嫌い-実は官僚もこのレベル-に落着させて納得するため、各国がどんなカードを手に列に加わったのかを見逃すのだ。まるでパーティーの招待状に「軽装」とあるのを真に受けて出かけるような軽率さだ。この国の人々は、願望をむき出しに国際情勢を分析する恐ろしさを、いつになったら学ぶのだろう。

■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

【私の論評】米中「ウイルス情報戦」は米国圧勝、中国はチェルノブイリの二の舞を舞うことになる(゚д゚)!

今年に入って、人類史に必ず残るだろう災厄が出現しました。新型コロナウイルスです。一方、2018年からは米中覇権戦争が勃発しました。中国ウイルス(コロナウイルスのこと)は、この米中戦争の情報戦に使える「最高のネタ」になっています。

かつて、チェルノブイリ事故を隠蔽して国際的に非難されたソ連は、5年後に崩壊しました。コロナは中国共産党にとっての「チェルノブイリ」になる可能性が濃厚です。

チェルノブイリの作業員達


2018年、米中覇権戦争が始まりました。米国と中国は、相手国を破壊し尽くせるだけの核兵器を持つため、両国の「戦闘」は起こりにくく、戦争は「別の形態」を取るようになっています。情報戦、外交戦、経済戦、代理戦争などです。

情報戦の目的は、「敵国を悪魔化する」ことです。中国発で、世界を恐怖に陥れ、たくさんの感染者と死者を出している「新型中国ウイルス」は、米国にとって、情報戦に使える最高の材料です。
4月3日時点で、全世界の感染者数は100万人を超えました。死者数は5万3000人。感染者数も死者数も、どこまで増え続けるのか、誰にも予測できません。

ポンペオ国務長官は、新型中国ウイルスを、世界保健機関(WHO)が定めた「COVID-19」とは言わず、「武漢ウイルス」と呼んでいます。初期の段階で、彼が「武漢ウイルスと呼ぶことで、中国を悪魔化しよう」と考えていたかは不明です。しかし、ポンペオ長官を本気にさせる事件が起こりました。

このブログでも以前掲載させていただたように、中国政府が、「新型コロナウイルスを武漢に持ち込んだのは米軍だ」と主張し始めたのです。

これは市井のトンデモ陰謀論者の発言ではありません。中国外務省の趙立堅報道官の言葉であることが重要です。日本人でこのツイートを重要視する人は少ないとでしょう。「また中国政府が、トンデモ主張し始めた」とあきれ、苦笑するぐらいかもしれません。

しかし、事はそう単純ではありません。確かに、日本が属する「米英情報ピラミッド」や「欧州情報ピラミッド」で「米軍起源説」が力を持つことはないです。ところが、世界には「中共情報ピラミッド」や「クレムリン情報ピラミッド」もあります。特に「中共情報ピラミッド」では、「米軍起源説」が「定説」になる可能性すらあります。

なぜでしょうか?中国やロシアなどの独裁国家です、国民を好きに洗脳できるからです。たとえば、ロシアの情報空間内では、2014年3月のクリミア併合が「絶対善」となっています。

2014年7月に起きた「マレーシア機撃墜事件」についても同様です。全世界では、「ウクライナ東部の親ロシア派による誤爆」が定説になっています。しかし、クレムリン情報ピラミッド内では、「ロシアを孤立させたいウクライナ軍が意図的に撃墜した」が「定説」になっています。

つまり、政府がメディアを支配している国では、政府の意図通りの情報を国民に信じさせることができるのです。中国では、ロシア以上に、政府がメディアを完全支配しています。だから、中国政府が国民に「新型コロナウイルスを持ち込んだのは米軍だ」と信じさせることは、十分可能だろう。

これは、すでに南京虐殺でも実証されているところです。20万人、30万人の市民を殺害するということは、想像を絶するほどの労力を必要とします。2千人とか、3千人などであれば、あり得ると思いますが、しかし、中国政府は30万に登る虐殺があったことを国民に信じさせることに見事に成功しています。

中国の南京市にある南京大虐殺記念館の展示を見る訪問者(2015年10月10日)

そして「米軍起源説」は、習近平政権を守る役割も果たします。「習近平政権が隠蔽(いんぺい)したから、新型コロナウイルスが、全中国、全世界に広がった」というネガティブ情報を、中国国民にわざわざ伝える必要はないです。そうではなく、「悪の米軍が中国にウイルスを持ち込んだが、習主席は、この攻撃を食い止めた英雄なのだ」と信じさせれば良いのです。

こういう「中共情報ピラミッド」の事情を知っていれば、米国政府も本気にならざるを得ないです。まず、トランプ大統領自身が、「参戦」してきました。

トランプ米大統領は3月17日、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼んだことに中国が反発しているのに対し「ウイルスは中国から来たのだから全く正しい呼称だと思う」と正当化しました。ホワイトハウスでの記者会見で語りました。

「中国が『ウイルスは米軍が持ち込んだ』と偽情報を流すから来た場所の名前で呼ぶべきだと言った」と反論しました。

中国にレッテルを貼ることにならないかと問われると「そうは思わない。『ウイルスを米軍が持ち込んだ』という方が問題だ」と述べました。

トランプのこの発言、日本人の大部分は、「大人げない」と思ったかもしれません?しかし、情報戦の観点からすると、トランプは正しく行動しているのです。このまま中国の「米軍起源説」を見過ごせば、「気づいたら、米軍起源説が世界の定説になっていた」となりかねないのです(南京30万人大虐殺説や、韓国人慰安婦20万人強制連行説が世界で定説になったように)。

ついで、ポンペオ長官は、「情報戦の味方を増やそう」と画策しました。つまり、「武漢ウイルス」と呼ぶ国を増やすのです。

米紙ワシントン・ポストは25日、主要7カ国(G7)外相がテレビ会議方式で開いた会合で、ポンペオ米国務長官が新型コロナウイルスを「武漢ウイルス」と呼ぶよう訴えたと報じました。

その理由についてポンペオ長官は、以下のように述べている。議長を務めたポンペオ氏は記者会見で中国が偽の情報を流布していると指摘し「G7各国はそれを把握している」と表明しました。

やはり、米国政府は、中国の「トンデモ米軍起源説」を「深刻な脅威」と認識しているのです。

しかし、米国以外の国は、この恐怖を共有していません。それに、中国差別を助長しかねない「武漢ウイルス」という用語は、「ポリティカルコレクトネス」違反と受け取られたようです。結果、他の国々は、ポンペオ提案に同意しませんでした。

現状、世界中の国々が、自国の「コロナ対策」で忙しいです。それで、米中が繰り広げる情報戦に、あまり興味はないでしょう。

しかし、米国と「特別な関係にある」英国は、味方になりそうです。この国では、チャールズ皇太子も、ボリス・ジョンソン首相も、新型コロナウイルスに感染しています。全く「他人事」ではないのです。ジョンソン首相は、中国に激怒しているとい。

イギリスのジョンソン政権は、中国の新型コロナウイルスへの対応に激怒しているようです。3月29日(現地時間)の報道によると、政府関係者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機が落ち着いたら、中国は「報い」を受けるだろうと警告しています。

イギリスの政府関係者は、中国が新型コロナウイルスの感染拡大の深刻度について誤った情報を拡散したと考えています。(BUSINESS INSIDER JAPAN 3/31)

「中国ウイルス」「武漢ウイルス」vs「米軍ウイルス」の情報戦は、どうなるのだろうか?
「中国は、米軍起源説を、自国民に信じさせることができる」ということを踏まえても、米国の勝ちでしょう。なんといっても、「新型コロナウイルスは、中国武漢で発生した」のですから。

米国は、いつの間にか、感染者数世界一になってしまいました。4月3日時点で、感染者数は24万人、死者は5000人を超えています。恐ろしいことに、感染者も死者も、どこまで増えていくかわからないです。経済的打撃も、リーマンショック後の08~09年を上回ることは確実です。破産、倒産が日常化し、町は失業者であふれることになります。

米国民の怒りは普通なら、為政者であるトランプに向かうでしょう。しかし、トランプはこう言っています「これは、私の責任ではない。中国政府が、初期の段階で情報を隠蔽したことが今の惨状の原因だ。我々は、中国政府の責任を厳しく追及していく」と。

こうして彼は、見事に責任を中国に転嫁することに成功する(「転嫁する」というか、事実であるが)。ポリティカルコレクトネスが浸透している日本や欧州は、おそらくトランプに追随しないでしょう。しかし、「自分の責任にされたくない」多くの国の指導者たちは、トランプに続くのではないでしょうか。

米中両国はこれまでも、覇権をかけて、さまざまな形の戦いを繰り広げてきました。

<経済戦>

わかりやすいのは、2018年7月からの「関税引き上げ合戦」です。また、米国が、世界中の国々に「中国のファーウェイを5Gから追い出せ」と圧力をかけているのも、「経済戦争」に分類できるでしょう。

<代理戦争>

米国は、中国と対峙する台湾への武器売却を大幅に増やしています。あるいは、香港の民主化勢力を支持しています。昨年世界を揺るがした「香港デモ」は「米国の作品」というのが、中国政府の見解です。

情報戦は、どうだろうか?昨年まで、米国は「ウイグル問題」を情報戦に使っていました。

中国政府が新疆ウイグル自治区でウイグル人を約100万人、テロ取り締まりを「口実」に拘束していると、国連は懸念を強めています。

中国はウイグル人100万人を強制収容しています。この衝撃的な事実は、「敵国悪魔化」という目的にピッタリのテーマです。ペンス副大統領やポンペオ国務長官は、この問題をしばしば取り上げ、中国を厳しく非難してきました。

たとえば、ポンペオ長官は2019年7月18日、「信教の自由に関する閣僚級会合」で演説し、「中国では、現代における最悪の人権危機の1つが起きている。これはまさしく今世紀の汚点である」と述べています。これは、事実であるが故に、強力です。

最近では、「中国共産党は現代のナチス」「習近平は現代のヒトラー」という言葉をしばしばネットで見かけるようになりましたが、その最大の理由は、中国政府がウイグル人100万人を強制収容していることです。

かつて、ソ連という独裁国家が存在しました。この国で1986年4月、「チェルノブイリ原発事故」が起こりました。ソ連は当初、この事実を隠蔽したのですが、スウェーデンが「放射能レベルが上がっている」ことに気づき、ソ連政府に「原発事故があったのではないか?」と問い合わせました。

ソ連は「事故は起こっていない」とシラを切ったのですが、スウェーデン政府が「では、国際原子力機関に報告させてもらう」と脅したところ、一転して事故の事実を認めたのです。


       チェルノブイリ事故を当初隠蔽当時のソ連は、武漢ウイルスの発生を隠蔽した
                 今日の中国にかぶる。ドラマ「チェルノブイリ」の予告編。

中国の武漢で新型コロナウイルスが発生したこと自体は、仕方のないことです。同じようなウイルスが、日本、米国、欧州で発生することも、あり得るかもしれないです。しかし、世界が問題にしているのは、「発生した事実」ではありません。

中国政府が「隠蔽」したことで、全世界にウイルスが拡散されてしまったことです。しかも中国は、反省するどころか「武漢にウイルスを持ち込んだのは米軍だ」と、トンデモ主張をすることで、責任を米国に転嫁しようとしています。

1986年に原発事故を起こしたソ連は、わずか5年後の1991年に崩壊しました。新型コロナウイルス問題は、チェルノブイリ問題をはるかに凌駕する大問題です。この問題が、中国共産党政権にとっての「チェルノブイリ」になる可能性は、かなり高いとみるべきです。

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2020年4月28日火曜日

金正恩氏、新型コロナ感染!? 中国医療団が北朝鮮へ「ECMO」「アビガン」持ち込み情報 感染者は「国内にいない」としているが―【私の論評】米空軍と空自の日本海や沖縄周辺空域で共同訓練は、北朝鮮より中国と韓国を牽制するものと見るべき(゚д゚)!


“暴走”北朝鮮

金正恩氏

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の、健康不安情報が飛び交っている。「心臓手術説」や「重篤・脳死説」「療養説」などがあり、北朝鮮メディアは「根拠のないデマだ」と否定しているが、何らかの異変があった可能性は高い。中国の医療チームが、新型コロナウイルス対応の医療機器や薬を北朝鮮に持ち込んだとの情報もある。こうしたなか、米空軍と航行自衛隊が、朝鮮半島周辺で共同訓練を行ったことが注目されている。北朝鮮が国内の動揺を抑え、他国を牽制(けんせい)するために、弾道ミサイル発射を強行することなどを警戒しているようだ。


 「大体分かっている」「遠くない将来に、あなたたちも知ることになるだろう」

 ドナルド・トランプ米大統領は27日の記者会見で、健康不安説が浮上している正恩氏の状態について、こう語った。

 菅義偉官房長官も同日の記者会見で、「(正恩氏の動向と、北朝鮮によるミサイル発射の兆候などについては)重大な関心を持って常日ごろから情報収集、分析に努めており、米国を含む関係国とさまざまなやりとりを行っている」と語った。

 正恩氏については、米CNNが20日、正恩氏が手術を受けた後、重体に陥ったとの情報を報道。韓国の北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNK」も同日、正恩氏が心血管系の手術を受けたと報じ、ロイター通信は25日、「中国、北朝鮮に医療専門家などのチームを派遣」と伝えた。

 確かに、正恩氏は11日の党政治局会議に出席したと国営メディアが翌12日、写真とともに報じたのを最後に、視察活動などは明らかになっていない。北朝鮮最大の祝日であり、毎年必ず出席していた15日の「金日成(キム・イルソン)主席生誕記念日」にも姿を見せなかった。

 一連の健康不安報道に対し、北朝鮮の対外宣伝雑誌「今日の朝鮮」は28日までに、中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」の公式アカウントで、「全く根拠のないデマだ」と非難した。北朝鮮の公的メディアが正恩氏の重体説を否定したのは初めてとみられる。

 北朝鮮の朝鮮中央通信も27日、正恩氏が同日、南アフリカの祝日である「自由の日」に際してシリル・ラマポーザ大統領に祝電を送ったと伝えた。ただ、正恩氏が健在ぶりを示さない限り、動揺は続きそうだ。

 CNNが衝撃報道をした直後、日米同盟が存在感を見せた。

 米空軍と空自は22日、日本海や沖縄周辺空域で共同訓練を実施し、米軍のB1戦略爆撃機1機とF16戦闘機4機、空自のF15戦闘機8機とF2戦闘機7機が参加したのだ。

 B1爆撃機は、全長約44メートル、全幅約41メートル。航続距離1万2000キロ。「死の白鳥」の異名を持ち、超音速で敵地に侵入し、精密誘導兵器で重要拠点を攻撃できる。

日本海や沖縄周辺空域で行われた日米共同訓練(航空自衛隊HPから)

 正恩氏は現在、東部元山(ウォンサン)に滞在しているとみられる。最新の衛星写真によると、21日以降、特別列車とみられる列車が金一族の専用駅に停車しているという。B1爆撃機は元山から約900キロ離れた上空を通過したとされる。

 米空軍は共同訓練の意義について、「われわれはこの地域の平和と安定への関与を続け、新型コロナが世界的に猛威を振るう状況下でも、世界のどの地域にでも同盟国と即応できる能力があると示した」と説明した。

 北朝鮮が今後、中・長距離弾道ミサイルを発射する可能性があり、米空軍と空自は警戒監視を続けている。

 中国の医療チームについても、興味深い情報が飛び込んできた。

 日米情報当局関係者は「中国の医療団が、新型コロナウイルスの重症患者に使用する人工心肺装置『ECMO』(エクモ)や、新型コロナウイルスへの効果が期待されるインフルエンザ治療薬『アビガン』を、北朝鮮に持ち込んだという情報がある」と明かす。

 北朝鮮は、世界保健機関(WHO)に対し、新型コロナウイルスの感染者が「国内にいない」と報告しているが、実は感染が広がっているとの見方は強い。

 エクモやアビガンが北朝鮮に持ち込まれたのが事実なら、正恩氏や党指導部の要人が罹患(りかん)したか、罹患した場合に備えたものと考えられそうだ。

 日米共同訓練を、識者はどう分析するのか。

 軍事ジャーナリストで評論家の潮匡人氏は「米空軍のB1爆撃機は、北朝鮮がこれまでミサイルを発射した場所や、元山も射程に入れて飛行したとの情報がある。これに対し、北朝鮮も戦闘機を飛ばして、つばぜり合いを演じたようだ。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、米軍は、戦略爆撃機の配備をグアムから米本土に移した。抑止力低下が懸念されるが、米軍としては、不穏な動きをみせる北朝鮮と、東・南シナ海から西太平洋に進出しようとする中国に対して、『いつでも来るぞ』と強い意志を示したといえる」と語っている。

【私の論評】米空軍と空自の日本海や沖縄周辺空域で共同訓練は、北朝鮮より中国と韓国を牽制するものと見るべき(゚д゚)!

このブログでは、以前北朝鮮と北朝鮮の核が、結果として中国の朝鮮半島への浸透を防いでいるということを何度か掲載したことがあります。北朝鮮のミサイルは、北京や上海なども目標にしうるので、これは当然といえば当然です。

それに、金正恩もその父親の金正日も、中国の干渉を極度に嫌うという点は一致していたようです。祖父の金日成のときは、ソ連の力が圧倒的に中国よりも強く、そのような心配はありませんでした。

金日成の時代には、ソ連の力が圧倒的に強く、朝鮮戦争が休戦になり、米中ソは、韓国などの意向とは全く関係なく、38度線を動かしたり、越境したりすることはせずに、現状維持をするということで、米・ソ・中・朝で休戦協定(韓国は関係なし)を結んでいます。

さらに、金日成、金正日、金正恩の三代の金一族の根底に流れているのは、金王朝の未来永劫の存続です。これだけは、現体制の北朝鮮は譲りたくないところです。

金日成時代の中国は経済的にはとるに足りない国であって、当時のソ連は世界第2の経済大国でした。そのソ連は経済で日本に追い越され、その後は、その日本を中国が国全体の経済では追い越しました。現在のロシアの経済は日本でいえば、東京都、国でいえば韓国と同程度の経済規模にまで落ちました。インドにも追い越されて、10位以下です。

ただし、経済の専門家は、中国の経済統計は全くの出鱈目で現実には、中国のGDPは未だに、ドイツ以下とするものもいます。それが事実だとしても、少なくとも国全体のGDPでは、ロシアや韓国よりははるかに大きいことは事実でしょう。


中国の経済が相対的に大きくなったこともあり、これに備えるためにも、金正日のときから核とミサイルを開発し始め、金正恩にもそれが引き継がれて、今日に至っています。

そうして、米国のトランプ大統領もそのような見方を最初はしていなかったのでしょうが、ここ数年は、そのような見方をしているようです。そのせいか、最近は北朝鮮が米国本土に到達することのない、中短距離ミサイルなどを発射しても強く非難することはなくなりました。

その背景には、韓国の反日、反米、従北、親中の姿勢もあったからでしょう。もし北に核がなかった場合には、もう相当前に朝鮮半島は、中国の覇権の及ぶ範囲になっていたかもしれません。

その傾向は近年ますます強まっています、韓国の4月15日の韓国総選挙(定数300)で、文在寅大統領率いる与党「共に民主党」が、系列の比例代表政党「共に市民党」と合わせて改選前の128議席から50議席以上伸ばし、180議席を獲得して圧勝しました。

与党が国会で法案処理が極めて有利になる5分の3の議席を占めるのは、1987年の大統領直接選挙導入以降初めてで、革新系政党が単独で過半数を得たのも2004年以来です。

言うまでもなく、文在寅大統領および与党「共に民主党」は、反日、反米、従北、親中を鮮明にする左翼革新政権です。

今般の選挙結果を受けて、さらにその路線への傾斜を強めるのではないかと懸念され、日韓関係の改善は期待できないばかりか、「米韓相互防衛条約」を締結している同盟国・米国との関係にも亀裂拡大の恐れが指摘されています。

韓国総選挙で当選した与党「共に民主党」の李洛淵前首相(左)=ソウルで15日

このようなことを前提に考えると、米空軍と空自が22日、日本海や沖縄周辺空域で共同訓練を実施したことの意味がまた別の方向からみえてきます。

まずは、この種の訓練には、従来なら韓国空軍も参加していましたが、今回は参加していません。これは、最早米国は、韓国を信用しておらず、朝鮮半島に危機があった場合は、日米が共同で事に臨むことはあっても、親中・従北の韓国は外すという明確な意思表示であることがうかがえます。

そうして、この演習は、北朝鮮に向けての演習でもあるのでしょうが、それはサブの扱いくらいにすぎず、どこに向けての演習かといえば、それは中国でしょう。

もし、中国が軍事的な意図を持って、北を脅かそうとした場合、米国としては何らかの軍事行動をし、中国の意図を挫く意思があることをみせつけ、牽制したとみるのが妥当です。それも、韓国抜きでそれを実行するという意思をみせつけたのでしょう。

さらに、この演習では、日本の最新鋭の戦闘機F35が参加していないのは、日本ではまだ導入したばかりなので、使いこなしがまた時を要するということで理解できるのですが、米国のB35も参加していません。

これは、韓国や中国に対して、手の内を見せないという意味があるものと考えられます。そのため、これは単なる意思表示という側面があるのかもしれません。

金正恩に何があったのかは、未だわかりませんが、今月の11日から消息が不明ということです。習近平も一時的に消息が不明になったことがありますが、1週間から、長くても10日でした。金正恩は、2週間以上も不明であり、何か金正恩の身にあったかもしれないということは、十分に想定されることです。

そのため、これは金正恩に何かあった場合に、中国がなんらかの動きを示した場合、それに対して米国側も動く可能性があることを、中国に対して示して、牽制したものと考えられます。

それにしても、日本人の中には、北朝鮮は中国の傀儡政権のような考えている人もいるようですが、それは完全な間違いです。金正恩は実の兄金正男を暗殺したとされていますが、金正男は中国に近いとされていました。処刑された、実の叔父である張成沢氏も、中国に近いとされていました。

もし、金正恩が死亡して、何らかの構造変化があり、北と中国の関係が強化されることでもあれば、半島の軍事バランスは一気に崩れる可能性もあります。そのことだけは、多くの人が記憶にとどめておくべきものと思います。

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2020年4月27日月曜日

独裁国家・中国が常任理事国にいる異常… 日本を「敵国」として扱う国連を“再編”せよ! G7参加国ベースに民主主義国主導で「新国連」を―【私の論評】中国ウイルス蔓延が暴いた、新国連の必要性(゚д゚)!


中国の習近平国家主席=6日、北京

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)をめぐり、中国と世界保健機関(WHO)に対する国際社会の怒りは強まるばかりだ。国際投資アナリストの大原浩氏は緊急寄稿で、根本的な問題として、共産党独裁の中国が大きな権限を持ち、日本を敵国とみなす国際連合の機能不全があると指摘。中国を「追放」して民主主義国家による「新国連」の再編を提言する。


 トランプ米大統領は4月14日、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応を誤ったとしてWHOへの資金拠出を少なくとも一時的に停止すべきだと述べた。

 WHOとその背後にいる中国共産党の「火元隠蔽(いんぺい)」のための情報工作に振り回されていた日本国民だけではなく、世界中の多くの人々が喝采を送った。もっとも、WHOや中国と同じように左翼偏向したメディアはお気に召さないようだが…。

 日本も米国に続いて拠出金の停止を行うべきだ。今は「有事」だからという声もあるが、有事だからこそ、信頼のおけない情報をバラまく組織をサポートすべきではないし、WHOに拠出する資金があるのなら、新型コロナウイルスで多大な被害を受けた日本国民に還元すべきである。

 自虐歴史観で洗脳されてきた日本人は、「世界の人々は立派で“お花畑”に住んでいる」と思い込まされているが、実際に「お花畑」といえる世界に住んでいるのは、戦後75年間も平和で豊かな社会を維持してきた日本人である。その周りを邪悪なオオカミがうろついているのが現実なのだ。

 国連はもともと第二次世界大戦の戦勝国が「戦勝利権」を確定するために創設した組織である。母体は戦争に勝った「連合国」であり、連合国に歯向かった日本などは、今でも国連憲章の中の「敵国条項」で差別的扱いを受けている。

 中韓との歴史戦争で日本が不利な立場に立たされているのは、歴代日本政府の弱腰のせいだけではない。日本を「敵国」として扱う国連も「日本たたき」を事実上サポートしているからなのだ。

 端的な例が、2015年に中国申請の「南京大虐殺文書」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産に登録されたことである。「資料としての信憑(しんぴょう)性が低い」「登録を決める審議の場に、文書の原資料もそのコピーもなかった」などずさんな申請内容にも関わらずごり押しで登録されてしまった。日本人は世界遺産をありがたがっているが、その程度の組織に過ぎない。

 実際米国は、15年にユネスコが「聖地エルサレム」の管理をめぐってイスラエルを非難する決議を採択したり、17年に一部をイスラエルが管理している「ヘブロン旧市街」を、「パレスチナの世界遺産」として登録したことに激怒し、ユネスコを脱退している。

 その背後には、戦勝国である本当の中国(中華民国、台湾)に背乗りして、常任理事国になってしまった共産主義中国がいる。国連は、常任理事国以外はどのような小さな国でも1票の対等な権利を持つから、WHO事務局長のテドロス氏の出身国エチオピアだけではなく、数の上で優勢なアフリカ諸国などを牛耳って支配することなど簡単なのだ。

 さらなる災難は、07年から16年の間、韓国出身の潘基文(パン・ギムン)氏が国連事務総長を務めたことである。 その間に、中国の国連支配は完了したのだ。

 4月15日の韓国総選挙では、従北、媚中である文在寅(ムン・ジェイン)大統領の与党「共に民主党」が圧勝した。これは韓国の「反民主主義・独裁志向」を示しているようだ。

 われわれはこの現状に対処しなければならない。国連を解体した後には、「自由主義」「民主主義」を堅持する国々がリーダーシップをとる組織の構築が必要だ。現状の国連では、中国とロシアという「世界二大独裁国家」が常任理事国の地位にあるという異常な状態が続いている。

 「新国連」のベースはG7参加国であるべきだ。フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7つの先進国がリードすれば、世界はもっと良くなる。この中に「反民主主義国家」は存在しない。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。


【私の論評】中国ウイルス蔓延が暴いた、新国連の必要性(゚д゚)!

上で大原氏によって指摘していることは、以前から問題になっていました。最近では、中国ウイルスにより、中国の手先のようなWHOの問題が噴出し、かなり目立つようになっただけです。実際国際連合(以下、国連)そのものが昨年から悲鳴を上げていました。


「2019年の通常予算に基づく活動に必要となる総額のうち、加盟諸国は70%しか納付していない。これにより、国連は9月末に2億3000万ドル(約250億円)の現金不足に陥り、このままでは流動性準備金も今月末までに使い果たす恐れがある」

アントニオ・グテレス事務総長

これは、10月7日にアントニオ・グテレス事務総長が国連事務局の職員3万7000人に送った書簡の内容の一部です。10月末にも職員の給与や各手当の支払が滞る可能性があるため、コスト削減のために会合や会議を延期し、サービスを縮小する、としています。企業で言えば、事実上、倒産寸前です。

国連の予算は、国連憲章第 17条の規定により、全世界の国民総生産に占める加盟国の割合を出し、国民1人あたりの所得など多くの要因を考慮に入れて調整、総会の割り当てに従って加盟国が負担します。

2019年の国連加盟国各国の分担金は、以下のようになっています。これによると、2019年の予算総額は28億4900万ドル(約3100億円)。


分担率上限の22%の6億7420万ドル(約730億円)を米国が負担し、第2位は中国の3億3470万ドル(約360億円)、日本はそれに次ぐ第3位の2億3880万ドル(約260億円)の負担となっています。

問題となっている加盟金未納国は、アフリカ諸国や中東諸国が多いのですが、実は、分担率筆頭の米国も含まれているのです。

国連活動を阻害しかねない加盟国の負担金未納という事態だが、これは何も2019年に限ったことではありません。2018年7月25日にも、グテレス事務総長は、

「加盟国が分担金の支払いを遅らせているため、現金がすぐに底をつきそうだ」

と、今年と同様の書簡を職員に送っていました。

2019年の未納国の詳細は明らかにされていませんが、2018年の時には、米国を含む81カ国が未納だったことが明らかになっています。つまり、負担金の未納は“毎年恒例化”されており、非常に憂慮される事態になっているのです。

特に、国連本部をお膝元のニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタンに抱え、分担率筆頭で安全保障理事会(以下、安保理)常任理事国でもある米国が毎年のように負担金の未納という事態を引き起こしていることの問題は深刻です。

国連憲章第19条によれば、分担金の支払い延滞金額が、加盟国が支払うべきであった分担金の2年分になった時は、その加盟国は国連総会における投票権を失う。ただし、総会が延滞はやむを得ない事情によるものと認めた場合は、投票が許されることになっています。

米国では、議会が国連分担金の支出を承認するにあたり、国連の会計監査や組織運営に対して、さまざまな要求を行っています。米国民の納める税金を使うのですから、国連の運営に対して改善や是正を求める米国の考え方については頷けます。

加えて、どうやらドナルド・トランプ大統領は、よく指摘されるとおり“国連がお好きではない”ようです。

実際、2016年12月19日、第45代アメリカ合衆国大統領に決定した直後の12月26日、トランプ氏は得意のツイッターで、

「The United Nations has such great potential but right now it is just a club for people to get together,talk and have a good time.So sad!」(国連は素晴らしいポテンシャルを持っているのに、現状はただの仲良しサークルだ。ああ、残念!)

と呟いています。

そして、2017年1月20日に大統領に就任した直後の1月25日には、『ニューヨーク・タイムズ』が、

〈トランプ大統領が大統領令を通じて、国際機関への拠出金の抜本的な削減や米国の離脱につながる可能性もある条約の見直しを検討している〉

と報じました。

さらにその後、「中国、ロシア、インドは何も貢献しないのに米国は何十億ドルも払う不公平な協定だ」として、同年6月1日にトランプ大統領は、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議が、2020年以降の地球温暖化対策の枠組みを取り決めた協定(いわゆる「パリ協定」)からの離脱を発表しました。

確かに、前述したように自国民の税金を使うにあたり国連の改善や是正を求める米国の姿勢は頷ける面もあるのだが、トランプ大統領のように国連を批判し、“分担金を人質”にして自らの要求を通そうとするのは当然といえば当然です。

国連憲章では、安保理常任理事国は分担金を滞納しても、総会の投票権はもとより、安保理への参加、投票、拒否権についての制裁的措置が定められていません。つまり、米国はいくら分担金を滞納しても、国連のもっとも重要な機能である安全保障について、常任理事国としての権限を失うことはないのです。

それは、別の角度からみれば、ロシアも中国も、そうなのです。

周知のとおり、安保理は15カ国で構成されています。このうち、米国、英国、フランス、中国、ロシアの5カ国は常任理事国であり、国連憲章が改正されない限り恒久的にその地位が約束されている。常任理事国には、拒否権も与えられるという特権を持っています。

翻って日本はどうなのでしょうか。

中国に抜かれるまで、日本は第2位の分担金負担国でした。それは、安保理常任理事国の英国、フランス、ロシアよりも大きな負担額です。

日本は長年、安保理常任理事国を目指していますが、そのためには国連憲章の改正が必要で、しかも常任理事国5カ国すべてが賛成しなければならないのです。このため、日本の常任理事国入りは“不可能”と見られています

また、国連活動のうち、国際刑事裁判所と平和維持活動(PKO)の経費は、通常予算とは別に加盟各国に割り当てが行われます。以下が2019年のPKOに対する分担率です。



常任理事国は、国際の平和と安全に特別の責任を有する国として、通常予算分担率から割り増しされ、逆に途上国はその所得水準に応じて割り引かれています。

それでも、日本の予算分担率は、常任理事国の英国、フランス、ロシアよりも大きいです。

常任理事国以上の分担を通常予算でもPKOでも担いながら、常任理事国になれない日本。憲法上“軍事力”を持っていないことになっている日本が軍事力の行使を前提とした海外派兵に応じられない状況と合わせ、常に国際的に“金だけを出す国”と言われ続ける所以でもあります。

なお、2011年から各国の分担金額は非公表となっており、分担率だけが公表されているのですが、2018年の分担金総額は約66億8900万ドル(約7200億円)で、ここから逆算すると日本の分担金は約5億7600万ドル(約620億円)となっています(2018年の分担率は9.680%)。日本は通常予算とPKOで合わせて850億円超の分担をしていることになります。

分担金を人質に自らの主張を通そうとする米国。分担金が未納でも安保理常任理事国から外れることのない仕組み、国連に対する大きな分担を担っていても決して常任理事国になれない仕組み―。安保理が現実を反映していないと言われる理由です。

国連憲章は前文において「大小各国の同権」を謳い、国連はすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおく、としています。

長年言われ続けてきている議論ですが、何度でも、そしていまこそ、言わねばならないです。国連はいま、中国とロシアという非民主国家が常任理事国なっていることと、世界に多大な貢献をしている日本とドイツが常任理事国になれないというこの不条理を解消すべきなのです。

そうでないと、WHOと中国のような組み合わせにより、世界は危機に晒され続けることになります。

中国ウイルス以前から、世界は問題だらけでした。ロシアとウクライナの紛争、イスラエル・パレスチナ問題、シリア問題、中国と周辺諸国の問題、アフリカの内戦、貧困、エイズやエボラの問題、加速する地球温暖化問題等々・・・・・。
世界中に緊急に解決しなければならない大問題が山積しているのに、こういう問題は国連が関わることではないようです。この組織は、いったい何なのでしょうか。

このようなことを言っても、従来は単なる理想論とみられたかもしれません。しかし、中国ウイルスは世界秩序の変更の必要性を否が応でも高めます。G7諸国は、従来の国際連合(=United Nations 連合国)の枠組を捨て去り、新たな秩序に対応する新らたな組織を模索し、実現すべきです。

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2020年4月26日日曜日

このままでは二の舞に…⁉コロナ禍で日銀を立て直すことは出来るのか―【私の論評】財務省に対する積極財政への圧力は高まるばかりであり、日銀の金融政策は量的緩和の一方向しかない(゚д゚)!

このままでは二の舞に…⁉コロナ禍で日銀を立て直すことは出来るのか

新・日銀審議委員の実力はいかに


新・日銀審議委員、安達誠司氏に期待すること

3月26日、日銀の審議委員に民間エコノミスト出身の安達誠司氏が就任した。

日銀

新型コロナウイルスによる経済悪化が危惧される真っ只中での就任となり、同日の記者会見では「いつ底打ちするのか全く見えない状況だ」と語った。また、金融政策運営については「企業を中心に資金面で持ちこたえるような政策が必要だ」と指摘した。

一橋大学大学院を修了後、大和総研やドイツ証券などを渡り歩いた安達氏は、エコノミストきってのリフレ派とされる。

先の会見でも、「経済が危機的状況にあっては、金利を動かすよりも流動性の供給が重要だ」と述べている。コロナ禍にあって今ひとつ目立った金融政策を打ち出せていない日銀を立ち直らせることはできるのか。

安達氏の就任が決まったのは、国会同意人事があった1月28日のこと。氏のコラムなどを読むと、その直前に「消費税10%の導入によりどんなことが起きたか」といった趣旨の記事がある。定量的な観点や歴史的な視点も併せ持っていると筆者は感じた。

ひとくちにエコノミストと言っても、タイプは千差万別だ。独自の分析というよりも、多くの意見を聞いて主張を決める、マスコミチックな人も多い。一方で、しっかりとした理論をもとに自分で定量計算できる学究タイプもいる。

現在のような非常事態における政策実践の現場では、前者のいろいろな意見を総合するマスコミタイプより、後者の自分で計算のできる学究タイプのほうが重宝される。

というのは、この学究タイプの定量的な分析や意見は政策決定に直結するもので、しかも事後的に検証可能だからだ。もし成果が出なくても、その後の政策運営の資料になる。

しかも、実際の政策決定では、関係各所の調整・説得が欠かせないが、定量的な議論は非常に説得力がある。

黒田総裁の今の体たらくを正してほしい

いわゆるリフレ派の中で、典型的な学究タイプは、今回の安達氏と現日銀審議委員の片岡剛士氏だ。日本経済を研究するリフレ派の人間は、片岡氏と安達氏の経済分析結果の知見を積極的に取り入れている。

ところがどうやら、日銀組織全体には彼らの影響力の大きさが伝わっていないようだ。
コロナ・ショックに対して、米FRB(連邦準備理事会)は、3月15日にゼロ金利政策と量的緩和に踏み切った。23日には社債購入も検討と再び追加の金融緩和を行うことを決めた。これで、FRBは80兆円程度の追加金融緩和になる。

一方、日銀の黒田東彦総裁は、3月16日に上場投資信託(ETF)の購入を6兆円積み増ししたに過ぎない。日米でカネの刷り方を比較すると、日銀のほうが刷り負けている。
リーマン・ショックの際、日銀は欧米の中央銀行に比べてカネを刷り控えたせいで、日本経済に大打撃を与えたとされる。このままではその二の舞になってしまう。

安達氏は原田泰氏の後任で、リフレ派は多数決で決まる審議委員会の少数派である。したがって、政策決定そのものへの影響は限定的だろう。冒頭に引いた会見でも、発言は控えめだった。

安達氏ひとりで日銀が劇的に変わるとは言い切れないが、審議委員会で大暴れし、黒田総裁の今の体たらくを正していただくことに期待したい。

週刊現代2020年4月11・18日号より

【私の論評】財務省に対する積極財政への圧力は高まるばかりであり、日銀の金融政策は量的緩和の一方向しかない(゚д゚)!

新型コロナウイルス感染拡大で市場が動揺する中、27日の金融政策決定会合で、「年間80兆円増をめど」とする国債の購入枠撤廃を柱とする追加金融緩和策が盛り込まれる見通しです。社債やコマーシャルペーパー(CP)の買い入れ額拡大や企業の資金繰り支援も検討します。

追加緩和が実施されれば、上場投資信託(ETF)の購入額倍増などを決めた3月に続いて2会合連続となります。

米連邦準備制度理事会(FRB)はすでに、無制限で国債を買い入れる方針を打ち出しました。日銀も買い入れ枠にとらわれず国債を購入し市場に資金を供給する姿勢を示すことで各国の中央銀行や政府と歩調を合わせ、金融市場の安定も目指します。

日銀は黒田東彦(はるひこ)総裁就任直後の2013年4月、長期国債の保有残高が年間約50兆円増えるよう購入することを決定。14年10月に約80兆円に引き上げました。ただ、市場に出回る国債が少なくなっていることなどを理由に、最近は80兆円を大幅に下回る水準で推移していました。

日銀は、□□を検討するとか、〇〇を目指すとか等と悠長なことを言っているのではなく、すぐに2013年当時の異次元の量的緩和の姿勢に戻るべきです。

安達氏や、片岡氏が存分に暴れまわって、他の審議員らを突き動かしてほしいものです。

現在の日銀審議委員

現在、財務省の緊縮財政により、あまり積極的な財政が実施されていませんが、それでも先日は個々人に給付金10万円が、給付されることが決まりました。

現状では、東京都や大阪府では、パチンコ店の営業自粛を要請していますが、それでも営業を続ける店舗あり、大阪府では営業を続ける店舗の名称を公開しましたが、結局さらに名指しされた店舗を訪れる客を増やすという結果になりました。

東京都も営業を続ける店舗の名称を28日に、公開すると小池知事は語っていましたが、これを実行すれば、営業しているパチンコ店を都内はもとより、隣接の県などの、パチンコ愛好者ら、特にパチンコ依存症の愛好者らに、営業している店舗の宣伝をするようなもので、かえって来店者を増やす結果になるでしょう。

吉村知事も、小池知事も、店舗名公表は、特措法45条第2項に基づく要請をし、そうして店舗名の公表を始めていきたいとしていますが、特措法を根拠とする措置でも、パチンコ店では依存症者が存在するのは最初からわかっていることであり、店名公表では逆効果です。特措法に基づくなら、本来は店舗名を公表するのではなく、管理者や経営者の氏名公表が筋です。



それに、強制的に休業を求めるというのなら、休業補償を求める声が大きくなっていくことでしょう。パチンコ店に対して休業補償をするというのなら、他業種の店舗もそれを求めるようになるでしょう。さらに時がたてば、多くの国民から減税を求める声も大きくなっていくことでしょう。

このように、現場では、大きな混乱がありながらも、つまるところ積極財政を求める声は、各方面でかなり大きくなっていくことが予想されます。

さしもの、財務省もいずれこれらの声を無視するわけにはいかなくなるでしょう。いままでのようなわけにはいかないのです。たとえば、台風などの自然災害や、東日本大震災のときには、地域が限定されましたが、現在は東京都を含めて全国が中国ウイルス感染のために、大変なことになっているのです。規模が全く異なるのです。

コロナ対策における自治体の動きも、政府の動きも、なぜ鈍いのかといえば、財務省が積極財政を貫き通すために、抵抗しているからです。この財務省の抵抗は、いずれ多くの国民の知るところとなるでしょう。

政治家の多くが、財務省の国税庁の動きに牽制されて、財務省にはまともには逆らえないなどの事情もありますが、それにしても、個々の政治家の支持母体の有権者らの、さらなる積極財政を求める声は大きくなってくるのは、目に見えています。

無論、有権者の多くは、財務省など意識してないかもしれません。ただ、休業補償や、さらなる給付金、減税などを求める声は、より切実になっていくことでしょう。この有権者の声は、ここしばらくは、日増しに大きくなることはあっても、衰えることはありません。この声を政府に届けない財務省のポチのような政治家は、与野党に限らず木偶の坊と見なされ、次の選挙では支持を得られなくなる可能性もあります。

とにかく緊縮さえすれば、良いという財務省のスタンスは、元々何の正当性もなく、平成年間のほとんどがデフレという有様であり、早晩続けられなくなることが、十分予想されます。財政赤字などの嘘や、財政均衡のための増税の必要性の嘘も、最近ではかなり多くの人が知るようになっています。今後そのような人はますます増えるでしょう。

とにかく日銀は、財務省が緊縮路線を崩さないというのなら、量的緩和を拡大して景気を下支えするしかありません。さらに、財務省が嫌々ながも、積極財政に転じた場合でも、なおさら金融緩和をしなければなりません。

日銀は、いずれに転んでも、大規模な金融緩和に踏み切らなければならないのです。なぜ、政府が積極財政をはじめた場合、金融緩和をしなければならないのか、ということはこのブログでも、掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【日本の解き方】米と「ケタ違い」だった日銀緩和 80兆円の量的緩和復帰すれば、財政出動の効果も発揮される―【私の論評】簡単なことがわからない日銀総裁と、日本の政治家(゚д゚)!
日銀黒田総裁

結局のところ、日本のような変動相場制の国では、財政政策だけでは限界があるということです。それは、マンデル・フレミングの法則により、確かめられています。マンデル・フレミングの法則に関する部分をこの記事より引用します。
   その(マンデル・フレミングの法則)原理をかいつまんでいえば、国債発行をすると、国内金利が海外と比べて高くなりがちなので自国通貨が高くなるというものだ。国債発行による財政出動で内需を拡大しても、為替高で外需が減少し、財政出動の効果が減殺されるというわけだ。 
 提唱者のロバート・マンデル氏のノーベル経済学賞受賞業績にもなっているくらいなので、古今東西で事例が見られる。例えば2011年3月の東日本大震災後、大規模な財政出動をした際、円高に見舞われたのはその好例だ。 
 こうしたメカニズムが分かっているので、財政出動と同時に金融緩和すれば、国内金利は落ち着き、自国通貨高にならずに、財政出動の効果がそのまま発揮される。
日本のような、変動為替相場制の国では、財政政策だけでは効果が減衰されることは、日本でも、変動相場制の他国でも実際にみられていました。

米国は、すでに米連邦準備制度理事会(FRB)が3月15日、ゼロ金利復帰と7000億ドル(約75兆円)規模の量的緩和を決めました。そうなると、日本が緩和しないと円高に傾くわけです。

さらに、財務省が多くの国民による積極財政圧力に屈して、財務省の基本原則である緊縮財政をとりやめ、積極財政に傾けば、なおさら、緩和をしなければならないということです。

日銀は、現状マイナス金利状態にあるわけですから、緩和するにしても量的緩和しかないわけであり、しかも物価目標2%も達成できていないわけですが、なおさら、量的緩和をしなければならないのです。

日銀の金融政策は、現在は量的緩和拡大への一方向しかないわけであり、安達氏、片岡氏が審議委員会で大暴れし、緩和を主張しなければならない現状はどこか狂っているとか言いようがないです。

本来ならば、日銀は一丸となって、金融緩和に取り組んでいなければ異常なのです。

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