まとめ
- 国会は会期末6月22日に向けて与野党が不信任決議案で対立し、11日の党首討論で石破首相と野田代表が激突するが、野田は慎重で、枝野元代表は不信任を「危険」と批判。
- 石破首相はコメ対策で支持率を回復し、G7サミットでの関税交渉成功で衆参同日選勝利を狙うが、失敗すれば退陣危機、自民は落選者再起用で優位に立つ。
- 衆参同日選での自民勝利で党は勢いを取り戻すが、石破政権は保守冷遇やリベラル左翼的政策で批判を浴び、高市早苗や清和会の台頭が予想される。
- 衆参同時選挙の勝利と清和会の支援、石破政権支持率低下が揃えば石破退陣と総裁選が動き、旧清和会の復活で保守再編が進むが、野党の勝機は極めて低い。
- 現状では未だ遠く見えるものの、歴史の転換点が目前に迫り、石破時代は終わるが、高市や清和会の影響力が強まり、野党は新戦略を迫られる。
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国会は会期末6月22日に追い詰められ、与野党が内閣不信任決議案を巡り激しい火花を散らす。野党が一歩踏み出せば、石破茂首相は即座に衆院を解散し、正々堂々と立ち向かう構えだ。夏の参院選(7月20日投開票予定)と衆参同日選を見据えた戦いが始まり、11日の党首討論で石破と立憲民主党の野田佳彦代表が激突する。この一戦が運命を分ける!不信任案提出には51人の賛同が必要で、立民がその力を持つ。例えば、昨年10月の衆院選では立民が110議席から96議席に減らしたものの、野党連携で勢いを保ち、与党の過半数喪失を誘った。与党は過半数を失い、野党が団結すれば勝機が生まれる。
高市早苗氏主導の「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」が2025年3月に再始動。麻生太郎氏や旧安倍派の西村康稔氏、萩生田光一氏ら「非石破」「非岸田」の保守派が集結し、党内権力争いと安倍元首相のビジョン継承を目指す現在、石破には、元清和会議員の復活を拒む余力はない。保守派を足蹴にしたツケが回ってきた格好だ。この『千載一遇の大チャンス』が来れば、保守派が団結し、自民党内で清和会(安倍)の魂が甦る可能性は高い。選択的夫婦別姓や企業献金の審議は10日に控えるが、与野党の妥協は見えず、結論は遠い。参院では13日に年金改革法案が通る見込みだが、合意は依然として難航中だ。昨年末の年金改革議論で自民が野党と衝突した経緯も、今回の膠着を物語る。
未来の展望と結末
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自民党は衆参同日選で勝利を目前にしつつも、石破政権の時代は終焉を迎える。たとえ、衆参同時選挙をしなかった場合でも、石破政権が長えられる道はない。保守冷遇とリベラル左翼的政策で党内圧力と世論の反発が渦巻き、高市早苗や清和会の台頭が加速する。野党は新戦略を迫られ、いずれにせよ歴史的転換点が目前に迫っている。
国会は会期末6月22日に追い詰められ、与野党が内閣不信任決議案を巡り激しい火花を散らす。野党が一歩踏み出せば、石破茂首相は即座に衆院を解散し、正々堂々と立ち向かう構えだ。夏の参院選(7月20日投開票予定)と衆参同日選を見据えた戦いが始まり、11日の党首討論で石破と立憲民主党の野田佳彦代表が激突する。この一戦が運命を分ける!不信任案提出には51人の賛同が必要で、立民がその力を持つ。例えば、昨年10月の衆院選では立民が110議席から96議席に減らしたものの、野党連携で勢いを保ち、与党の過半数喪失を誘った。与党は過半数を失い、野党が団結すれば勝機が生まれる。
しかし、野田は維新や国民民主党の共同提案を求める声に対し、「適時適切に判断」と曖昧に逃げる。玉木国民民主党代表も立民と相談し、タイミングを計る。立民内では解散を恐れる声が渦巻くが、不信任を避ければ「弱腰」と嘲笑われる。野田は世論を注視し、次の手を模索する。7日、宮崎市で枝野幸男元代表が「不信任案は危険」と警告を発した。石破の解散で日米関税交渉が止まり、「国益に打撃を与える」と断言したのは、昨年末の関税交渉が経済界から注目された経緯を踏まえてだ。衆参同日選になれば「国会も内閣も機能しなくなる」と喝破し、野田が国益を選ぶと信じる。他党の圧力に「野田を首相に?」と皮肉り、「不信任を迫るのは無責任」と一蹴した。
石破首相の戦略と自民の優位性
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石破首相は小泉進次郎農相のコメ対策で支持率を立て直し、解散へ突き進む。6月15~17日のG7サミットでトランプ米大統領との関税交渉が成功すれば、衆参同日選での勝利が確信に変わる。だが、世論が冷たければ退陣の嵐が吹き荒れる。だがこの衆参同時選挙で自民が勝利する可能性は高い。野党は候補者不足に喘ぎ、立憲民主党は調整に失敗。自民は前回衆院選落選者や不出馬者を擁立し、比例枠や地域枠で戦線を固める。旧清和会はスキャンダルで2024年初頭に解散し、メンバーの多くが無所属で出馬したが、7人が落選した(例: 元文部科学相の下村博文氏)。全体の旧清和会メンバー(59人)のうち、選挙後に残ったのは20人(自民公認を含む)で、残りの39人は落選または不出馬と推定される。落選、不出馬した元政治家の再起用は新人にはるかに勝り、例えば2021年の衆院選で復活したベテラン議員が地元で圧勝した例がある。
石破首相は小泉進次郎農相のコメ対策で支持率を立て直し、解散へ突き進む。6月15~17日のG7サミットでトランプ米大統領との関税交渉が成功すれば、衆参同日選での勝利が確信に変わる。だが、世論が冷たければ退陣の嵐が吹き荒れる。だがこの衆参同時選挙で自民が勝利する可能性は高い。野党は候補者不足に喘ぎ、立憲民主党は調整に失敗。自民は前回衆院選落選者や不出馬者を擁立し、比例枠や地域枠で戦線を固める。旧清和会はスキャンダルで2024年初頭に解散し、メンバーの多くが無所属で出馬したが、7人が落選した(例: 元文部科学相の下村博文氏)。全体の旧清和会メンバー(59人)のうち、選挙後に残ったのは20人(自民公認を含む)で、残りの39人は落選または不出馬と推定される。落選、不出馬した元政治家の再起用は新人にはるかに勝り、例えば2021年の衆院選で復活したベテラン議員が地元で圧勝した例がある。
未来の展望と結末
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自民が衆参同日選で勝利すれば、党は勢いを盛り返す。だが、石破政権は逆風に立ち向かう。議席が増えても、保守派の冷遇や保守政策の無視、リベラル左翼的政策のゴリ押しで批判が噴出し、「国を誤る」との声が響く。例えば、最近の選択的夫婦別姓推進が保守層の反発を招いた事例が、支持率低下の背景だ。高市早苗への期待が膨らみ、彼女の総理就任の道が開ける。清和会の再結集が進み、勝利で石破退陣と総裁選が動き出す。現状では、その道は遠く見えるが、衆参同時選挙勝利や清和会支援、石破政権支持率低下が揃えば大チャンスが到来する。
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自民党の「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」の初会合であいさつする麻生最高顧問(5月14日、党本部) |
勝利の栄光は次世代リーダーが掴み、石破は退陣を余儀なくされる。石破に対して怨み骨髄の旧清和会の落選者、不出馬者が復活しその後「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」に入ればこれは、自民党内の最大勢力となる可能性が高く、党内は大混乱。例えば、2017年の衆院選で落選した清和会メンバーが比例復活で返り咲いたケースが、今回の再編のヒントとなる。2024年衆院選データが示す通り、清和系の復活は保守再編の鍵だ。いわゆる裏金問題は起訴されず、国民の関心が薄れ、野党も勢いを失う。2025年夏の衆参同日選では経済や外交が焦点となり、野党の勝機は新スキャンダルや自民失策に依存するが、可能性は極めて低い。政策で勝負するしかない中、落選した元政治家の再起用が有利で、自民は大幅に勝率が上がると見込まれる。
自民党は衆参同日選で勝利を目前にしつつも、石破政権の時代は終焉を迎える。たとえ、衆参同時選挙をしなかった場合でも、石破政権が長えられる道はない。保守冷遇とリベラル左翼的政策で党内圧力と世論の反発が渦巻き、高市早苗や清和会の台頭が加速する。野党は新戦略を迫られ、いずれにせよ歴史的転換点が目前に迫っている。
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