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2009年3月2日月曜日

ミニ・ノートパソコンにも異種が参入!!―昔だったら日本がやっていたかも?

最近、ミニノートあるいはネットブックとも呼ばれるUMPC(ウルトラ・モバイル・パソコン)が、日本国内でもすっかり市民権を得てかなり売れています。私自身は、2台目を買おうかどうか検討中です。そんな中で、またこの世界に新たな動きが見られます。

韓国社製の最軽量パソコン 3月末に日本上陸
(この内容すでにご存知の方はこの項は読み飛ばしてください)
2009.3.1 19:08
李会長と317gパソコン李会長と317gパソコン

 重量317グラムの韓国社製パソコンが3月末にも日本に上陸する。「mBook」と名付けられたその小型パソコンは、韓国UMID社が製造、グループ会社でオンラインゲームのNeoLAB(東京都渋谷区)が日本で販売する。李相●(リ・サンギュー)NeoLAB会長は「小型パソコンと同等の性能を持つ世界最軽量のポケットサイズ。技術力の高い日本で旋風を巻き起こしたい」と意欲を示す。

 mBookは、ノートパソコンの性能と電子辞書サイズの融合を意識して開発された、新しいコンセプトのパソコンだ。サイズは横150ミリメートル×縦94ミリメートル×高さ18・7ミリメートル(バッテリー取り外し時)。「カバンに入れて持ち運ぶというよりも、ポケットに入れても大丈夫なように設計した」という。

 サイズは小さいものの、機能は小型パソコンに近いものを備えている。OS(基本ソフト)はウィンドウズXPを搭載(ビスタやリナックスにも対応)。記憶容量は4ギガバイト、8ギガバイト、16ギガバイト、32ギガバイトのいずれかで、マイクロSDカードも使用できる。液晶画面のサイズは4・8インチで、バッテリーで約7時間使える。無線LANなど多様なインターネット接続の対応も可能だ。

 今年1月末に量産体制に入り、品質テストを経て3月末に発売する予定。李会長は「販売ルートについては、携帯電話などの通信会社経由や、家電量販店、インターネットの通信販売など複数案で検討している」としている。本体価格は約4万8000~7万円程度の見通し。

 UMIDは起業4年目のベンチャー会社。韓国サムスン電子スマートフォン開発チームのメンバーがスピンアウトしてmBookを開発した。「基盤や部品の配置、部品同士の干渉防止など、携帯電話開発のノウハウが十分に生かされ、最軽パソコンが誕生した」

 現在、世界のパソコン開発競争は、高性能ノートパソコンと小型パソコンの2つに集約されているとみられる。超小型のmBookは、携帯電話にパソコンの機能を加えたスマートフォンとも競合する。

 李会長は「日本メーカーは、小型パソコンとスマートフォンの両方で高い技術力を発揮してくるだろう。日本市場でmBookがどれだけ通用するかは、世界戦略を図る意味でも重要だ」とみている。

mBook


さて、この韓国のパソコンくらいだと、何となく想像はつきます。しかし、下のインドのパソコンだと、想像すらつきません。

1800円パソコン開発へ インド、IT教育支援
2009.2.2 12:04
このニュースのトピックスパソコン

 2日付の英紙フィナンシャル・タイムズは、インド政府が学生の情報技術(IT)教育のため、約20ドル(約1800円)のラップトップ型低価格パソコンの開発を進めていると報じた。

 米マサチューセッツ工科大のグループが途上国の子供向けに開発した100ドルパソコンの約5分の1。半年後には市販される見通しという。ただ、一般市場に普及するかどうか疑問を投げ掛けるアナリストもいる。

 インドではタタ自動車が昨年、10万ルピー(約18万円)の超低価格車「ナノ」を初公開。経済成長に伴い、中間層や教育水準の底上げが課題となっている。(共同)

昔だったら日本がやっていた分野?

韓国UMPCの可能性

韓国のこのパソコンの場合、今でも原型に近いものがあります。それは、電子辞書です。電子辞書は立派なパソコンです。ただし、機能を限定して辞書にだけ用いるようにしてあるということです。確かに、電子辞書がパソコンのようにも使えたら便利だと思います。

特に、私が中高生だった頃には今のような電子辞書はありませんでした。シャープの電子手帳の辞書版は、かろうじてあったような気がします。それも、現在のものと比較すれば、低機能で、とても学校などで辞書としてもちいられるようなものではなかったと思います。それと、比較すると今の中高生はうらやましいです。鞄の中に辞書を入れて歩くと、思いし嵩張るし、とても不快だったことを思い出します。何曜日だったか、忘れましたが、英語の授業もあって、教科書が分厚い物理の授業もあった日には鞄が重くていやでした。

こうしたことが、電子辞書で一挙に解決されたのです。素晴らしいことだと思います。今度は、これに加えてインターネットもできるようになれば、インターネットでいくつもの辞書や情報源に、どこからでもアクセスできます。これは便利ですね。インターネットに接続できるなら、辞書のブックマークさえ登録しておけば良いということになります。それで、更新の必要などなく、いつも新しい辞書が見られることになります。どこか、有料の優れた辞書を提供しているところと提携して、このパソコンを買えば有料のものを無料でみられるなどの新たなサービスを提供すると面白いかもしれません。どうせそこまでするなら、このパソコンを使えば、通常の端末でアクセスするよりもはるかにみやすいなどの、付加価値をつけると良いと思います。

誤報だったインドのUMPC

上の記事で、もう一つの方、インドの1800円パソコンその後の続報を探してみました、これは、インドが実施するe-ラーニング計画で配布されることになっている教科書などの素材を受信・保存・出力するための「コンピュータ」デバイスがその正体でした。公開されたプロトタイプは、10 x 5インチ(25 x 12.5cm)程度の箱状の物体。リードアウトは備えている(ように見える)もののいわゆるノートPC的な液晶ディスプレイはなく、もちろんキーボードも備えていません。

チップの電卓的デバイスならともかく、一般的にイメージされるノートPCを10ドルで製造することは現在の技術からしてなんでも無理と分かってはいたものの、それでもインドなら何かやってくれる!との期待が世界的に先走ってしまったようです。

http://japanese.engadget.com/tag/india/

正体を知ってしまうとがっかりですが、何か想像力を掻き立ててくれる出来事だっただけに残念な気がします。

wiMAXの可能性

モーニングスター:「次世代モバイル通信 WiMAX元年!」

wiMAX(高速無線インターネット)がとうとう都内でサービスが開始される運びとなり、こちらのほうもなかなか面白そうです。ただし、最近すっかり影が薄くなっていたPHSのウィルコムも、次世代PHSで巻き返しをはかりそうです。そうなると、eモバイルはどうするのか、なかなか面白い展開になってきました。eモバイルは、いわゆる百円パソコンでの提携で随分シェアを伸ばしましたが、ユーザーの中には「結局通信費が高すぎ、1年持使っていれば、結局元を取られてしまうどころではなく、それ以上」などという声もあがっています。

いずれにせよ、wiMAXが出現したおかげで、無線インターネットの世界もいろいろイノベーションが生まれてくると思います。展開が楽しみです。私自身は、かつて、病院の整形外科に入院したときに、病院でウィルコムを使いはじめて、その後も1~2年程度使っていましたが、料金が高いのと通信速度が遅いのに辟易してやめてしまいました。しかし、料金がある程度下がって、通信速度が上がればまた食指が動くかもしれません。

内需拡大にも大きく寄与する?

さて、ここしばらく、インターネットの世界もあまり大きなイノベーションはありませんでしたが、無線インターットという新たな地平線が見えてきました。さっきの韓国のパソコンの例や、誤報ではありましたが、一時夢を与えてくれた、インドの10ドルパソコンなど、なかなか面白かったと思います。

こうした、今までなかった新たな通信、ハードなどのITの新しい動き、内需拡大にもつながっていく可能性が大だと思います。新たな社会インフラとして、行政、民間問わず新たな、効率的でしかも、実効性のあるサービスが生まれてくると良いと思います。そうして、それが、内需拡大にも大きく寄与すると思います。

ただし、私が思うのは、wiMAXや、さっきの韓国のコンピュータなど、昔なら日本がやっていたような気がします。インドの10$UMPCなど、そこまではいかなくても、日本の技術の粋を集めれば、それに近いことができるかもしれません。身近なものの中に、パソコンを埋め込み無線インターネットで全く新たな展開などが期待できるかもしれません。何か全く新しいアィデアを日本から発信して欲しいものです。

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2011年4月14日木曜日

携帯電話メーカー各社、焦点をアプリからコンテンツに―【私の論評】確かに、アプリでは、差別化はできない、なら画面の差別化はどうだろう?

携帯電話メーカー各社、焦点をアプリからコンテンツに

「HTCセンセーション4G」について説明するHTCのセイシュ氏(11日、ロンドン)
スマートフォン(高機能携帯電話)メーカー各社は長年、どれだけ多くのアプリケーションを利用できるかを主なセールスポイントとして売り込んできた。しかしその戦略を変え、コンテンツやサービスの統合に焦点を置くメーカーが出てきた。これは携帯端末戦争の次の戦場になるとみられている。

台湾の携帯電話機メーカー、宏達國際電子(HTC)は12日、独自の動画配信サービスが使える同社初のスマートフォン(高機能携帯電話)「HTCセンセーション4G」を発表した。この動画配信サービスは最近のコンテンツ配信企業買収の結果、提供が可能になった。このサービスを使うと、携帯電話を通じて600本以上の映画やテレビ番組のレンタルや購入が可能になる。


米グーグルやアップルは多数のアプリが使えることを誇りにしているが、HTCなどは、スマートフォンにたくさんのアイテムを詰め込みすぎると消費者を混乱させると主張している。 

また、アナリストらは、大部分の消費者が同じアプリを求めていると指摘する。調査会社ニールセンが10年6月に行った調査によると、アップル製、グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイド搭載端末など、すべてのスマートフォンにおいて人気のアプリ上位5つのうち4つは同じものだった。 

アンドロイドの独占により、HTC、モトローラ・モビリティ・ホールデングス、それにソニー・エリクソンといった携帯電話機メーカーは製品を差別化する方法を探らざるを得ない状況になっている。 

マイクロソフトのモバイルコミュニケーション事業の責任者、アーロン・ウッドマン氏は、メーカー各社はアプリだけでは製品を差別化できなくなるだろうと述べている。

同氏は、「アプリは端末を差別化する競争における一つの波だったが、サービスは次世代の波の一つだと思う」と語った。同社はXbox Liveや無料のインターネット上のストレージサービスのスカイドライブといったゲームやパソコン分野のサービスを強化し、スマートフォン分野の競争で立場を好転させようとしている。 

他のメーカーも端末の差別化のためにコンテンツやサービスの充実に努めている。HTCの動画配信サービスは、今年2月にコンテンツ配信を手掛ける英サフロン・デジタルを4860万ドル(約41億円)で買収したことで実現した。ソニー・エリクソンは今月、初のプレイステーション携帯となる「エクスペリア・プレイ」を発売した。

またグーグルはアップルの音楽配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」のライブラリーをアップル以外の携帯に移行するサービスを提供するカナダのプッシュライフを買収した。

(WSJ要約)

【私の論評】確かに、アプリでは、差別化はできない、なら画面の差別化はどうだろう?
確かに、iPhoneや、iPadなどのアプリは本当に、コモデティー化してしまいました。無料のものでも、量的にも質的にもかなりのものがありますし、2000円などのものは、かなり価格が高いというイメージがあります。私が、最近購入したものは、すべて、数百円台だったと思います。

コモディティー化してしまったせいでしょうか、アプリを作成しても、ほとんど儲けにならないようです。これに関しては、過去のブログにも掲載したことがあります。

もうはや、アプリは当たり前ということになったと思います。所詮、iPhoneや、iPadなら、iOS4、アンドロイド端末なら、Android3.0などのOSで動くものであり、しかも、デバイスも似たり寄ったりという、制約の中で作成するわけですから、結局はアプリも似たり寄ったりのものになってしまうという事だと思います。iPhoneを買ったばかりのときは、どんなアプリがあるのかとか、新しいアプリなどかなり興味を持ちましたが、最近は、そうでもありません。

やはり、スマートフォンの世界も、コンテンツが勝負ということですね。まずは、新聞や、雑誌などで、独自のもので、役立つものをつくって頂きたいものだと思います。

それから、スマートフォンなどのデバイスは、音などは、最近のヘッドフォンなどかなり音が良くなっているので、不満はないのですが、ただし、画面に関しては、小さくて不満です。この小ささでは、テレビなどには太刀打ち出来ないと思います。いくら、美しい画面を提供しようにも難しいとい思います。しかし、だからといって、デバイスを大きくして、20インチや、30インチの画面を接続してしまえば、モバイルデバイスではなくなってしまいます。

そこで、提案なのですが、スマートフォン用の、ヘッド・ビジョンというか、正式名称を知らないのですが、ゴーグルのようなものではなく、軽量のサングラスのようなもので、それを身につけると、大きな画面で見られるようなものを開発してはいかがでしょうか?こういう、機器があれば、スマートフォンや、タブレットPCのようなデバイスでも、十分大きな画面で見られて、かなり良質なコンテンツを提供できると思うのですが。皆さんは、どう思われますか?


上記は、数年前に、オリンパスから発売された、Mobile Eye Treck というものですが、なんでも、数メートル先に50インチの画面が見えるようになっているそうです。ただし、これだと、完璧に視界が塞がれてしまうので、サングラスのような形にして、背景も見えるようにするとか、あるいは、調整できるようにして、背景もみえるし画像もみえるとか、背景のみみえるとか、画像だけ見えるようにするなど工夫すると良いと思います。

しかし、これって、なかなか普及しませんね。やはり、価格がまだ高めということもありますし、目が疲れやすいという欠点があるのだと思います。ヘッドフォンも昔は高価でしたが、今では、かなり安くても音質の良いものがでてくるようになりました。やはり、量産効果だと思います。

このようなデバイスが、スマートフォンに接続できるようにして、低価格で販売することができれば、かなり普及するのではないかと思います。それに、最近の新技術の3Dも加えればベストだと思います。それこそ、アップルなどに先鞭をつけてもらいたいです。

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2011年10月28日金曜日

元いいとも青年隊・岸田健作、ホームレスになっていた―【私の論評】すべての組織には、コミュニケーションの原則がある!!

元いいとも青年隊・岸田健作、ホームレスになっていた

フジテレビの番組「笑っていいとも!」に「いいとも青年隊」として出演し、その後も「おバカキャラ」として活躍したタレントの岸田健作さんがホームレスになっていたと、2011年10月28日発売の芸能スクープ誌「フライデー」が報じている。

「元『いいとも』青年隊が再起をかけて、衝撃の過去を告白!」と題して本件を報じた「フライデー」によると、岸田さんは「芸能界で働くのが突然怖くなった」ことを理由に「自分から芸能界を去りました」といい、家賃の支払いができなくなったことからホームレスになったとしている。

「財布を無くしたと言って通行人に小銭をもらい、体は公園内のトイレで洗った。コンビニの外に捨てられた弁当を漁り、口に入れることもあった」

そのような生活を代々木公園で2ヶ月ほど続けていたとき、公園内で練習するダンサーたちに出会ったという。彼らに刺激を受け、再び「表現をしたい」いう気持ちが芽生えたことで、派遣会社に登録して公園と仕事現場を往復しながら働き、「再起」を目指したとされる。現在はロックバンド「Kensaku Kishida en V」のボーカルやスプレーアート・アパレルブランド「B★ROP」のデザイナー、11月12日公開の映画「COOL BLUE」での主演を務めるなどしている。

岸田さんは、同じく芸能界を引退して「ハイパーメディア”フリーター”」となった元俳優・黒田勇樹さんのインターネット番組に出演した翌日のブログ(2011年6月24日)で、ホームレス生活から脱したことを以下のように振り返っている。

「(ホームレスの)経験があったから今があるし、今スゲー充実してるし。(中略)多分自分の人生の中で一番貴重な時間だったと思う。だって、100円おにぎりの美味しさがわかって、自分にやりたい事がある事を知れて、本当に大切な人達がわかって、、、もーこんな贅沢な経験出来たんだよ?(中略)今は毎日大切な仲間や大切な人達に囲まれて1日1日大事に生きれるようになった」

【私の論評】すべての組織には、コミュニケーションの原則がある!!



岸田健作さんといえば、あの「笑っていいとも」が印象に残っています。いいとも青年隊で活躍していたのはまだ記憶に新しいところです。以下に岸田さんの来歴など書いておきます。
岸田 健作(きしだ けんさく、1978年11月8日 - )(行現在で32歳)は、東京都足立区出身のタレント。東京都立江北高等学校卒業。現在の所属事務所は株式会社GFエンタープライズ(専属契約)。 
1997年3月にオーディションに合格し、『笑っていいとも!』の10代目いいとも青年隊として、小笠原秀春と共にWith Tとして、2000年3月まで活動。その後も『笑っていいとも!』の月曜レギュラーの他、数々のテレビドラマ、バラエティ番組にも出演していた。2009年12月からミクスチャーロックバンド「Atomic Seven」のヴォーカルとして、自ら作詞作曲を手掛け音楽活動をしていたが、2010年5月に活動休止。現在はヴィジュアル系ロックバンド「Kensaku Kishida en V」を新たに発足し、ヴォーカルとして2011年1月から活動中である。実家はケーキ屋であり、得意料理はショートケーキ。なお、オープニングを歌って踊る青年隊は彼と小笠原が現在最後の代となっている。 一時期、芸能界の怖さを感じて身を引き、2か月ほどホームレス生活を送ったこともある。
 ブレイクダンス
2002年、ガレッジセールのゴリがブレイクダンスで世界一とされる全韓国大会に出場するため、体操オリンピック選手の池谷幸雄、Panicrewの植木豪、HIPHOPダンサーの岸田健作、新体操インターハイ選手の山田千鶴率いるダンスクルー、「ユンソナ」を結成しブレイクダンス大会決勝進出を果たしている。この時の監督は日本人で初めてブレイクダンス世界大会優勝を果たしたTHE SPARTANIC ROCKERSの宮田健男であった。
http://ameblo.jp/kishida-kensaku/(岸田さんのブログ) 

公園内で練習するダンサーたちに出会ったということが、再起のきっかけになったようですが、そのようなことがなけば、どのようになっていたか、分かりません。詳しい前後関係は、わかりませんが、やはり、岸田さんにもいわゆるコミュニケーション能力、それも、特に、組織におけるコミュニケーション能力が低かったのではないかと思います。


やはり、組織におけるコミュニケーション能力がなければ、岸田さんのようにドロップアウトまでしなくても、しなくても良い苦労をしなくてはならないこともあるものと思います。だから、以下に、ドラッカー氏が提唱している組織におけるコミュニケーションの定義や原則など掲載しておきます。これは、学校などでは、なぜか教えませんが、本当に大切なことです。

■コミュニケーションの定義
ドラッカーによれば、コミュニケーションとは「思想、意見、情報を伝達しあい、心を通じ合わせるプロセス」のことを指すそうです。 
情報とコミュニケーションは違うもので、「情報は感情、価値、期待などの人間的属性を除去すればするほど、有効となり、信頼性が高くなる」と述べています。 
コミュニケーションは情報伝達と混同せず、共通認識ができるまでやっていくという姿勢が必要なのです。 
ではどうすれば共通認識ができるのでしょうか?それには、まず以下ドラッカーの4つの原則を知る必要があります。
■コミュニケーションの原則

1.コミュニケーションは知覚である
受け手の分かる言葉で話す。立場を考える。例えば日本語が苦手な外人に話す時を考えましょう。その相手の立場に立ったスタンスが重要です。ソクラテスは、「大工には、大工の言葉で話せ」と言っています。
2.コミュニケーションは期待である
人間は自分が知覚しようと期待するものだけを知覚できます。例えば街で薬屋を探しているとき、八百屋の存在は目に入らないものです。ラーメン屋を探しているときは、蕎麦屋は目にはいりません。相手の期待を知ってはじめて、コミュニケーションができます。

3.コミュニケーションは要求である
伝える方には要求があります。伝えられる方も要求が強ければ深く伝わるでしょうし、弱ければ(もしくは聞く気がなければ)伝わりません。 
それには、その人の人生観、倫理観、包容力、愛情、使命感など、多くの精神の力を借りて、相手と会話していくことが必要になるのです。
4.コミュニケーションは情報とは違う

前述のとおりです。コミュニケーションは人間的です。情報と大きく違うことを理解してください。

さて、上の原則を知っておくだけでも、組織でのコミュニケーションは格段に違ってくると思いますが、上の原則をふまえつつ、現在の企業などの、組織のコミュニケーションのとりかたを以下にまとめておきます。コミュニケーションにもいろいろあります。たとえば、家族や友人同士のコミュニケーションにも上記の原則は、あてはまります。無論、企業などの組織にも当てはまりますが、特に、企業の場合は、仕事をしたり、仕事を円滑にすすめるために、仕事としてのコミュニケーションも求められます。これに関しては、最近の人は、若者に限らす、上司といわれる人々もかなり弱くなっています。以下に、その要因も復命、組織内コミュニケーションについてまとめておきます。

■組織内コミュニケーションの取り方

1.「集団」の力から「個人」のレベルアップ
成果主義人事制度の浸透、ITの発展により、より個人的な成果を重視する傾向が90年代の後半から続き、終身雇用、年功序列が批判にさらされるようになってきました。もともと、日本企業の特徴は、(1)終身雇用、(2)年功序列、(3)企業別労働組合であったと言われています。しかし、集団の中に安住してはいけない、「強い個人」が必要である、などとされ、そのため給与制度では年齢給の世界から一足飛びに年俸制が議論されるようになってきました。「寄らば大樹」といった働き方が認められなくなってきたのです。3つの特徴に代表される日本企業の強みのひとつは、社員が安定した組織に長くいることで、様々なノウハウが蓄積され、それを長い年月をかけて伝承していくことにありました。 
また、一つの組織に比較的長くいることで、コミュニケーションにかかるコストが少なく済んでいました。つまり、共通の文化を背景に持つことで言葉の一つひとつ?をとっても、よくわかりあえる部分が多く存在しました。そのことが、また社員の満足感(そこまでいかなくとも安定感)を生んでいたと考えられます。ところが、日本企業に改革・革新の必要性が生じてくると、集団に適合する人材から「強い個人」が求められるようになったのです。「強い個人」を期待人材像におくことで日本企業は新たな境地を切り開いていったのですが、最近では同じ組織に属しながら、わかりあえない関係というものが目立つようになりまし。

2.組織の問題とは、すなわちコミュニケーション不全である
「強い個人」が求められた結果として組織内のコミュニケーションが寸断され、組織力・総合力の弱体化が顕著になってきました。一方、「強い個人」は、わがままだ、勝手だ、、教育がなっていない、などいろいろな批判にさらされました。そこで最近改めて行われていることが、「報連相」を強化しようという動きす。もともとコミュニケーション不全の問題とは、組織内の意思疎通をうまくしなければならない、との極めて日本的な企業組織の事情から発生してきたと考えられます。 
組織内コミュニケーションを円滑にするとは、タテ(報告)・ヨコ(連絡)・まわりへの伝達(相談)をうまくすることと理解されてきました。確かにベースとして「報連相」を徹底することは大事なことでありますが、問題はうまく解決できていません。考えてみれば、「報連相」とは情報の出し手の問題であって受け手は問題にされていません。そこで最近では、情報の受け手である管理者側にも問題があるのではないかと、コーチングをはじめとする傾聴のテクニックが重視されるようになりました。コーチングとは、個人の持つ力を引き出す手法で、支援・質問をベースにしたコミュニケーションスキルです。その中でも傾聴(相手の話を感情の部分まで理解する)はコミュニケーションのために必要とされています。
3.人と人とのつながり(ネットワーク)が組織を保つ
このところ、復古主義的といわれながらも運動会や社歌の唱和、社内SNSなどを行う会社が増えてきています。会社組織が昔ながらのタテ(上司-部下)とヨコ(同僚)だけで形成されているわけではなくなっている状況が背景にあると考えられます。世代、性別、役職を超えた、ランダムなつながり、まさしくネットワークの形成こそが、現在の組織における最重要課題となっているものと思われます。 
このようにして見てくると組織におけるコミュニケーション問題は、タテ(上司-部下)的な発想によるアプローチだけでは足りないようでです。組織内メンバーが確かに組織に属していて、他の人と繋がっているという感覚を持つことによってコミュニケーションギャップを減らし、組織をうまく保つことができる。コミュニケーションの欠如は、人と人とのつながりが希薄になったことが大きな原因です。つながり合っているということこそが人を支え合うのです。そのためには、自己開示と相互の価値観の交流を通じた打ち解けた関係作りが必要となるのでしょう。
ドラッカー氏は、コミュニケーションとは、彼からの私へ、私から彼に一方的につたわるのではないとしています。コミュニケーションとは、「私たちの中の一人から、他の私たちの一人」に伝わるものとしています。だから、普段から、「私たち」という関係を築いておかなけば、ならないということです。ミーティングや、会合を頻繁に開催して、その中て、情報をいっぱいだせば、それで済むものではないのです。

また、ドラッカー氏は、目標管理を導入せずして組織の円滑なコミュニケーションはない 「耳を傾けることはコミュニケーションの前提である。だが、耳を傾けるだけでは、効果的なコミュニケーションは実現しない」(『マネジメント[エッセンシャル版]』) と語っています。

耳を傾けることは、上の者が下の者の言うことを理解できて初めて有効となります。ところがドラッカーは、下の者は当然のことながら、上の者であってもコミュニケーション能力を持ち合わせているとは限らないといいます。

そこでドラッカーは、組織におけるコミュニケーションの近道を教えています。しかも、近道であって王道です。それはドラッカーが開発した目標管理(MBO)です。 

ドラッカーは目標管理を導入して初めて組織の円滑なコミュニケーションが成り立つといいます。なぜなら部下は、会社もしくは自らの部門において、いかなる貢献ができるのかを明らかにすることが求められるからです。

部下の考えが上司の期待どおりであることは稀です。事実、目標管理の最大の副産物は、上司と部下のものの見方の違いを明らかにすることにあります。

同じ事実を違ったように見ていることを互いに知ることこそが、コミュニケーションの第一歩なのです。 

なかなか、小難しいことを書いてしまいましたが、組織のコミュニケーションは、たとえば、世間で思われているように、しょっちゅう語り合ったり、顔をあわせばそれですむとか、話しているから良いとか、そういう次元の簡単な問題ではないということです。そう思っているだけでも、全く考えないよりも数段良いことと思いす。とにかく、こうした原則を知らなければ、岸田さんのつらい体験も、他人ごとではなくなってしまいます。

上記では、企業の例などを主にだしましたが、これは、芸能界でも、どこでも、組織といわれるものには、あてはまる原則です。これをないがしろにすれば、仕事ができなくなるばかりか、組織の中で完璧に浮いてしまい、それでも、この原則を振り返ることなしに、やりすごせば、やがで、組織そのものから、ドロップアウトせざるをえなくなります。だから、本当は、重要だし、知らないことは本当にこわいことです。

今後、上記のような原則を学んで、多くの人々に岸田さんのような不幸な経験をしなてもすむようにしていただきたいですしそれに岸田さんも、もうこれで失敗しないようになっていただければと思います、会社で上のほうの地位にある人も、部下が岸田さんのような若者を辛い目にあわせることがないよう、部下と真の意味でコミュニケーションを深めていただきたいと思います。

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次世代IT(3)

2020年11月13日金曜日

中国「軍民融合」で新領域の軍事力強化か 防衛省分析―【私の論評】中露は中進国の罠からは抜け出せないが、機微な技術の剽窃は遮断すべき(゚д゚)!

 中国「軍民融合」で新領域の軍事力強化か 防衛省分析

防衛省の防衛研究所は中国の軍事動向に関することしの報告書をまとめ、軍と民間企業の協力を促進する「軍民融合」を通じて重要な技術の国産化を急速に進め、サイバーや宇宙など新たな領域での軍事力の強化を図っていると分析しています。


ことしの報告書では、アメリカ軍に対する軍事的な劣勢を覆す鍵は科学技術を核心とする軍事力の強化だと中国が認識していると分析したうえで、先端技術を利用した中国の軍事動向に焦点を当てています。

この中で、中国は軍と民間企業の協力を促進する「軍民融合」を国家戦略に掲げ、民間の技術力を軍事力に反映させるため、軍需産業に参入しやすくなるよう規制を簡略化したり、中国共産党が統一的に指導する専門の組織を設置したりしていると指摘しています。

そのうえで、次世代情報技術やロボットなど、戦略的に重要と位置づける分野の技術について国産化を急速に進め、サイバーや宇宙といった新たな領域での軍事力の強化を図っていると分析しています。

その一方で欧米では、さまざまな手段を用いて国外から技術や人材を獲得しようとする中国の動きに懸念が広がっているとしています。

また、日本の周辺では小型の無人機を飛行させるなどして、安全保障環境に新たな事態を生じさせていると指摘しています。

【私の論評】中露は中進国の罠からは抜け出せないが、機微な技術の剽窃は遮断すべき(゚д゚)!

何年も前から、中国の軍民融合の脅威が確実に押し寄せていました。「軍民融合」により、中国が先進国の科学技術を剽窃していることは、私自身はすでに誰もが知っている普遍的な事実であると思っていたので、最初目にしたときこのニュースは私には衝撃でした。

中国が技術を日本から剽窃しているということを今更ながら、リポートされるという事実に驚いたのです。ただ実際にこのレポートを実際に読んでみると「軍民融合」の最近の状況をレポートしています。このレポートは以下から入手できます。

http://www.nids.mod.go.jp/publication/chinareport/index.html

中国は「製造強国」を目指して、2015年5月に「中国製造2025」計画を発表しました。そこに明記されているいくつかの戦略の中で、最も警戒すべきは「軍民融合戦略」でした。中国はそれ以前からも技術を剽窃していたのはわかったのですが、この時に中国は自らそうしていることをはっきり認めたのです。すなわち、軍事・民間の融合を促進して、製造業の水準を引き上げる戦略です。そして、そのターゲットとして次世代IT、ロボット、新材料、バイオ医薬など、10の重点分野を掲げています。

露骨に、軍事力強化のために、海外の先端技術を導入した民生技術を活用することをうたっていたのです。

当時から炭素繊維や工作機械、パワー半導体など、民生技術でも機微な技術は広範に軍事分野に活用されており、「軍民両用(デュアル・ユース)」の重要性が世界的に高まっていました。例えば、炭素繊維は、ウラン濃縮用の高性能遠心分離機やミサイルの構造材料に不可欠です。そういう中で、中国の場合、海外の先端技術に狙いを定めていたのですから特に警戒すべきだったのです。

海外の先端技術を狙った中国の手段が、対外投資と貿易でした。ターゲットとなる日本や欧米先進国は、まさに守りを固めるのに躍起になっていました。

当時から、資金力に任せた中国企業による外国企業の買収が急増していました。世界のM&A(合併・買収)における中国の存在感は年々大きくなってきていました。その結果、日本や欧米各国は軍事上の観点で、機微な技術が中国に流出することを懸念しなければいけない事態になっていたのです。

そこで、このような事態を安全保障上の脅威と捉えて、各国は相次いで投資規制を強化する動きになっていました。地理的に離れていることから、これまで中国に対する安全保障上の懸念には無頓着だったドイツなど欧州各国でさえそうでした。英国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)では早々に中国に接近したものの、原発へ中国資本が投資したこともあって、懸念が高まり規制強化に動きました。

2016年5月に中国の美的集団がドイツの産業用ロボット・メーカーであるKUKAを買収して実質子会社化するとの発表は、世界に衝撃を与えました。KUKAは世界4大産業用ロボットメーカーの1社でした。

当然、KUKAは欧米各国で軍需向けにもロボットを提供していました。美的集団の傘下に入ってからは、中国での生産能力を4倍に拡大する計画で、中国は一挙にロボット大国になることを目指していました。

そのほかにも、米国の半導体メーカーの買収やドイツの半導体製造装置メーカーの買収など、何とか阻止できた案件もいくつかあったのですが、KUKAのケースで各国の警戒度は一気に高まったのです。その後も、中国による海外企業の買いあさりはとどまることはありませんでした。欧米の工作機械の多数のブランドが中国資本の傘下に次々入ったのです。

日本も機微な技術の流出を阻止しようと、当時、改正外為法が施行されました。それまで無防備だった日本も安全保障上の危機感から、国の安全を損なう恐れが大きい技術分野を規制対象になるように拡大したのです

今後も、中国の攻勢はますます増大すると予想され、先進各国における先端技術を巡るせめぎ合いは一層激しくなるでしょう。

もっと厄介なのは貿易です。先日もこのブログでも掲載したように、中国は輸出管理法を制定したため、先進各国は危機感を抱いています。この法律は12月から施行されます。

輸出管理の歴史を振り返ると、かつての冷戦期に共産圏への技術流出を規制する対共産圏輸出統制委員会(COCOM=ココム)から始まっています。その後、通常兵器関連だけでなく、核、ミサイルなど大量破壊兵器関連の国際的な枠組み(国際輸出管理レジーム)も整備されました。

これらの国際的レジームは、先進国が保有する高度な製品、技術が北朝鮮、イランなどの懸念国に渡ると、国際的な脅威になることから、これを未然に防止しようするものです。当然、メンバーは先進国を中心とした有志連合で、各国で輸出管理を実施してきました。

しかしメンバー国以外であっても、経済発展著しいアジアの国々でも技術進歩の結果、高度な製品を生産できるようになってきました。そうすると、これらの国々も規制に協力しなければ規制の実効性が確保できないことになりました。中国はまさにその代表格です。

中国が世界の安全保障に協力すること自体は歓迎されるべきことかもしれません。輸出管理法という法制度を整備することは大国としての責任とも言えます。

問題はその法制度がどう運用されるかです。運用次第で軍民融合戦略の手段にもなり得るのです。

現に、法案の目的には、「平和と安全」という安全保障の輸出管理本来の目的以外に、「産業の競争力」「技術の発展」といった産業政策的な要素も規定されています。

最も懸念されるのは、中国から輸出しようとすると、中国当局から輸出審査において企業秘密にあたる技術情報の提出を要求されることです。

例えば、日本からキーコンポーネントを中国に輸出して、これを中国で組み込んだ製品を第三国に輸出するケースを考えてみます。

中国での輸出審査の際に製品が機微かどうか判定するのに必要だとして、組み込んだ日本製キーコンポーネントの技術情報を要求されます。その結果、関連する中国企業にその技術情報が流出します。

日本等の先進国は11月中に、中国で開発している技術と技術者を日本に戻す必要があります。 12月1日の輸出管理法の施行により、技術者が日本に帰ってこられなくなる可能性が高いです。 もう、日本をはじめとする先進国の企業は、中国では研究開発はできません。それに、中国で研究開発を実行しても無意味になるかもしれません。

なぜなら、このブログでも最近述べたように、中国はすでに中進国の罠にはまりつつあるからです。中進国の罠とは、開発経済学における考え方です。定義に揺らぎはあるものの、新興国(途上国)の経済成長が進み、1人当たり所得が1万ドル(年収100万円程度)に達したあたりから、成長が鈍化・低迷することをいいます。それが、中国との今後の付き合い方に参考になると思います。当該記事のリンクを以下に掲載します。
中国・習政権が直面する課題 香港とコロナで「戦略ミス」、経済目標も達成困難な状況 ―【私の論評】中国は今のままだと「中進国の罠」から逃れられず停滞し続ける(゚д゚)!
習近平
経済的な自由を確保するためには、「民主化」、「経済と政治の分離」、「法治国家化」が不可欠です。これがなければ、経済的な自由は確保できません。

逆にこれが保証されれば、何が起こるかといえば、経済的な中間層が多数輩出することになります。この中間層が、自由に社会・経済的活動を行い、社会に様々なイノベーションが起こることになります。

イノベーションというと、民間企業が新製品やサービスを生み出すことのみを考えがちですが、無論それだけではありません。様々な分野にイノベーションがあり、技術的イノベーションも含めてすべては社会を変革するものです。社会に変革をもたらさないイノベーションは失敗であり、イノベーションとは呼べません。改良・改善、もしくは単なる発明品や、珍奇な思考の集まりにすぎません。

             イノベーションの主体は企業だけではなく、社会のあらゆる組織によるもの
   ドラッカー氏は企業を例にとっただけのこと

そうしてこの真の意味でのイノベーションが富を生み出し、さらに多数の中間層を輩出し、これらがまた自由に社会経済活動をすることにより、イノベーションを起こすという好循環ができることになります。

この好循環を最初に獲得したのが、西欧であり、その後日本などの国々も獲得し、「中進国の罠」から抜け出たのです。そうしなければ、経済力をつけることとができず、それは国力や軍事力が他国、特に最初にそれを成し遂げた英国に比較して弱くなることを意味しました。

中国は 「民主化」、「経済と政治の分離」、「法治国家化」をすることはないでしょう。なぜなら、それを実施してしまえば、中国共産党が統治の正当性を失い、少なくと共産党の一党独裁はできなくなるからです。

その中国が、社会を変革しようとしなければ、どうなるのかはもうすでに目に見えています。それは、ロシアのようになるということです。

このロシア、第二次世界大戦中直後の東ドイツから大量の技術者などを連れてきて様々な研究開発を行わせ、その後は現在の中国のように世界中から科学技術を剽窃して、一時はGDPは世界第二位になり、軍事技術も、軍事力、宇宙開発でも米国に並んでトップクラスになりました。

ところが、現在の中国のように一握りのノーメンクラトゥーラと呼ばれる富裕層は生まれたものの、多数の中間層が形成されることはなく、したがって社会のあらゆるところでイノベーションが起こるということはなく、やがて経済が停滞し結局ソ連は崩壊しました。

その後のロシアは、GDPは日本国内でいえば、東京都、国でいえば韓国なみです。ただし、現在のロシアは旧ソ連の核兵器の大部分と、軍事技術を継承しているので、侮ることはできませんが、それにしても、現在のロシアのできることは、経済的にも軍事的にも限定さたものになりました。

中国もいずれロシアのようになるでしょう。無論、中国とロシアは様々な点で異なっているので、すべてロシアのようになるとはいえないかもしれませんが、しかしGDPはロシアのように1万ドルを若干超えたくらいで、停滞することになるでしょう。

そうなると、現在のロシアのように軍事的にも経済的にもあまり大きな影響力を行使できなくなるでしょう。できたとしても、周辺の軍事的にも経済的にも弱い国々の一部を併合するくらいでしょう。

中国も現在のロシアのような存在になるでしょう、ただし個人あたりのGDPが1万ドル(年間100万円)といっても、14億人もの人口がいますから、現在のロシアよりは、存在感を示すことができるかもしれません。

  ただし、10年から遅くても20年後には、中国も現在のロシアのように「魅力的市場ではない」と誰の目にも映るようになるでしょう。一帯一路もかつて帝国主義的だった、西欧が似たようなことを実施して、結局失敗しています。多数の植民地を得れば、儲けられると思い込むのは幻想だったことははっきりしました。

中国が一帯一路で貧乏国の港を接収したとしても、その港で儲かることなど考えられません。なぜなら、元々儲からない国の港を接収しても、メンテナンスの費用がかかるだけであり、ほとんど収益などないからです。

もっといえば、中国が南シナ海の環礁をうめたてて軍事基地をつくっても、何の益にもなりません。それを維持するための補給や、海水に侵食され続ける陸地をメンテナンスするのに膨大な費用がかかるだけです。中国にとっては象徴的な意味しかありません。

中国はこのような壮大な無駄を繰り返しつつ、徐々に経済的に衰えていくことになるでしょう。米国による制裁はそれを若干速めるだけです。

ただ、そうはいっても中露はこれからも危険な存在であることには変わりありません。やはり、機微な技術が剽窃されることは遮断すべきです。

ただし、中露が「民主化」、「政治と経済の分離」、「法治国家化」をすれば、「中進国の罠」から這い出て、急速に経済発展することになります。先進国は、過去にはそれを期待したのでしょうが、見事に裏切られ続けました。

習近平やプーチンがリーダーでいる限りでは、そのようなことにはなりそうもありません。見極めはそんなに難しいことではないです。まだまだ中露で本格的にビジネスをしたり、中露向けに技術開発等をするような時期ではありません。

結論を言うと、中国がこれからも経済発展を続け、米国等の先進国を脅かし続けるということはないということです。ただ、それにしても危険なことには変わりなく、機微な技術が剽窃されることは遮断すべきということです。

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2009年5月3日日曜日

署名TV-これも、クラウド・コンピュータ的利用法か?

署名TV(この内容すでにご存知の方はこの項は読み飛ばしてください)

署名TV(しょめいティービー)は、ユナイテッドピープル株式会社が運営している、署名運動を支援するためのウェブサイトです。昨年の3月より運用されています。

署名プロジェクトを立ち上げたり、署名運動への署名を行うには、署名TVでの無料ユーザー登録が必要である。また、署名プロジェクト終了後の活動を支援するための機能もあります。

署名TV(ティービー)は、どなたでも無料で署名活動を開始、または署名参加ができるサイトです。 インターネット上で参加できますので、インターネットにつながれば場所に関係なく賛同者を募ることが可能です。署名TVには、集めた署名をダウンロードする機能、取得項目を自由に設定できる機能、お友達紹介機能など、署名活動のための便利な機能が盛りだくさんです。

現在、署名TVのすべての機能を無料でご利用頂けます。署名活動を始めたい方、気になる署名活動に参加されたい方、ぜひお気軽にご利用ください。署名活動に参加するだけなら、会員登録は不要です。お名前を匿名表示にしたり、ニックネームで署名できる署名プロジェクトもあります。

署名活動を始めたい方は、会員登録(無料)すれば、署名プロジェクトを開始できます。

携帯電話から署名できる携帯サイトもあります。http://www.shomei.tv/m/
※端末によってはご利用いただけない場合があります。



これもクラウド・コンピューター的利用法か?
これは、運営会社にサーバーが設置してあるのかもしれませんが、そうであったとしても、そうでないとしてもクラウド・コンピュータ的利用法の1つだと思います。

誰かが多くの人に呼びかけて署名運動をしようとして、自分でサイトをつくって実施しようとしてもなかなかうまくはいかないと思います。メールなどで呼びかけたとしても、かなり限界があったと思います。また、サイトでなくて、物理的に署名活動を起こしたとしても、よほどの著名人でない限り、かなりの年月と努力が必要になると思います。だから、署名活動を起こしたとしても、すぐにはなかなか結果がでないし、手間のかかる息の長い活動にならざるを得ませんでした。

しかし、このような「署名TV」のようなサイトであれば、ブロクジェクトを起こすことは比較的簡単ですし、共感する人が多ければ、かなり有効な手段になりえると思います。訴え方などの問題もあるかもしませんが、反対に多くの人の共感が得られないような署名活動は見向きもされないということになると思います。そうなると、このような署名TVの活動は、ある意味では民意を反映することになるかもしれません。

アメリカでは、オバマ大統領のサイトがあって、そこでは、メールで国民のアンケートをとるというだけではなく、様々な意見を述べる場が用意されており、アンケートや、その他スレッドへの反応なども自動的に分析するようになっていて、民意を読み取ることなどもかなり進んでいるようです。

日本の場合は、まだまだ中途半端で麻生総理大臣サイトであっても、オバマ大統領のサイトなどと比較すれば、機能的にかなり劣っている状態です。

しかし、日本でもこのようなサイトこれからたくさんできていき、きっとアメリカにも追いつき、それどころか、追い越すということにもなると思います。だからこそ、このサイト日本では注目すべきサイトだと思います。皆さん、是非一度のぞいてみてください。

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次世代IT(2)


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ピザテンフォー昨年の10月4日に生誕20年!!

ピザテンフォー昨年の10月4日をもちまして、創業20周年を迎えることができました。これも皆様のおかげです。

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2009年10月19日月曜日

Chrome OSは年内にβ:「Googleはさまざまな企業の買収を検討中」――シュミットCEOが異例の表明=巨大IT企業の買収の本質とは?

Chrome OSは年内にβ:「Googleはさまざまな企業の買収を検討中」――シュミットCEOが異例の表明(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

Googleはいままで、GoogleMapなどの革新的なサービスを提供し続けてきた

GoogleのシュミットCEOは好調な四半期決算発表後の電話会見で、検索、ディスプレイ広告、Google Apps関連の企業をターゲットとする買収を検討していることを明らかにした。

 「Googleでは、検索、広告、エンタープライズ、Webブラウジング、OSなどの分野の大小さまざまな企業の買収を検討中だ」――検索大手のGoogleが10月15日に行った第3四半期決算報告の電話会見で、同社のエリック・シュミットCEOはこう語った。シュミット氏が企業買収の意欲を表明するのは異例のことであり、今後、同氏とGoogleの開発チームがどんなタイプの企業を狙っているのかをめぐり、さまざまな憶測が飛び交いそうだ。

 具体的には、「Googleは特定分野にフォーカスした検索企業や、検索効果の分析を専門とする企業に注目している」と同氏は語った。既に Googleは、Webサイトの所有企業が自社サイトのトラフィックやマーケティング効果を把握するためのWeb分析機能を提供している。

 特定分野向けの検索エンジンとしては、個別テーマについて掘り下げたWeb検索が行える「Kosmix」や、Twitterのつぶやきなどのソーシャル指向の情報をインデックス化する各種のリアルタイム型検索エンジンがある。これらの技術を提供しているベンダーは、OneRiot、CrowdEye、Collectaなどだ。

 シュミット氏によると、ディスプレイ(グラフィック)広告の分類や処理で優れた手法を開発した企業の買収も検討しているという。Googleはこの分野ではYahoo!やAOLに大きく後れを取っている。とはいえ、同社はグラフィック広告によるYouTubeの収益化で大幅に前進した。Googleによると、米AdAgeのランキングで上位50社の広告主の90%は、YouTubeを利用した広告キャンペーンで成果を上げた企業であり、その中にはHewlett-Packard(HP)、Palm、McDonaldsなども含まれるという。

 「当社は以前より、1カ月に1件くらいのペースで買収を行ってきた。これらは主として、完成された製品を提供している技術指向の小規模企業だ」とシュミット氏は電話会見で語った。「これらの企業は相対的に買収金額が低く、しかも実際的な技術をもたらしてくれる」

 Googleが買収のターゲットとするのは、同社が求めるプログラミング能力に秀でた人材をもたらす企業であるケースも多い。例えば、Googleが2005年に買収したAndroidの創業者、アンディ・ルービン氏は、GoogleのモバイルOS「Android」の開発担当ディレクターになった。

 シュミット氏はさらに、「Googleがより規模の大きい企業の買収も検討していることは確かだ」と述べた。ただしそれは、収益拡大に貢献するか、Googleにはこれまで手が届かなかった巨大なユーザーベースをもたらす場合に限られるという。

 「この種の買収はめったにないだろう」とシュミット氏は語り、Googleにとっての最大規模の買収(YouTubeとDoubleClick)では、買収と統合に巨額の経費が掛かったと指摘した。

 またGoogleでは、Google Apps(ソフトウェアスイート)やGoogle Search Applianceなどのエンタープライズ事業を強化するために、ベンチャー企業の買収も狙っている。Google Appsには、Gmail、Wikiアプリケーション、ワープロ、表計算、プレゼンテーションプログラムが含まれる。MindJetなどのベンチャー企業が開発している可視化技術を利用すれば、Google Appsがさらに魅力的な製品になるかもしれない。

 さらにGoogleは、自社のWebブラウザであるChromeおよび開発中のChrome OSの機能の改善に貢献するベンチャー企業も物色している。Chromeの市場シェアは約3.2%。2010年にNetbookでデビューする予定のChrome OSは、ChromeおよびGoogleのWebサービスの利用に特化したOSになるとみられている。

 シュミット氏によると、Chrome OSは社内でのテストを経て、年内にβリリースされる見込みだとしている。社内テストでは、同OSがMicrosoft Windowsや各種Linuxディストリビューションなどの現行OSよりも「速度と効率」の面で優れていることを確認するという。

 なお、Googleの第3四半期の業績は好調で、16億4000万ドルの利益(1株当たり5.13ドル)を確保した。これは、昨年同期の12億9000万ドルの利益(1株当たり4.06ドル)から27%の増加となる。

巨大IT企業の買収の本質とは?
IT関連企業と、大方の人が見ている「Google」は、実は買収が得意な企業です。特にYouTubeの買収など、まだ、記憶に新しいところです。Googleは、最初は検索エンジンの一企業に過ぎなかったものが、そこから現在のネットセントリック(ネットを前提とした)なサービスを大々的にユーザーに提供し、広告収入を得るという現在のビジネスモデルを作り出し、ネットセントリックの業界の先駆者となりました。Googleは、今でもこの路線をさらに発展させるために、多くの買収を繰り返しているのです。この世界では、Googleに限らず、多くの企業が買収を行っています。

最近では、結局成就しなかったものの、microsoftによるYahooの買収劇が有名です。これによって、MicrosoftはYahoo!を経由してネットセントリック(ネット前提とした)サービスを展開しようという意図があったことが、明らかになったといえます。実際その後、MicroSoftOfficeのネット上での利用できる、サービスを提供しはじめています。これを大々的に進めたいという意図があったのだと思います。

今後ますます、クラウド・コンピューティングなどをはじめとして、ネットセントリック・サービスが充実・拡充されていくと思います。Googleは、非ネットセントリックサービスが全盛だった時代に次世代のネットセントリック企業として出現しました。ネットセントリックでありながら、もともとは、ネットのために作られたものではない、OSや、ソフトウェアなどの技術体系の中から生まれてきたものです。

そのため、所有する技術や人材に偏りがありました。これをすばやく是正するために、買収を続けてきたのです。MicroSoftも結局は同じことです。しかし、Googleの買収も方向性はMicroSoftのそれとは、随分変わってきたと思います。そうです、最早、Googleにとっては、ネットセントリックが前提となっています。これを前提として、これをさらに発展させるための買収を行っているのです。

私は、いままでのIT業界の推移などからみて、いずれ、IT業界は、パソコン単体で動かすことを前提として、一昔前のパターンから完全に抜けだし、最初からネットセントリックを前提とした、何らかの新たな革命がもたらされるのではないかと思います。それが、Googleによるのか、あるいは、どこか新しい会社を買収したMicroSoftによるのか、あるいは、全く聴いた事もないような新しい会社になるのかは、まだ見えてきません。

さて、それは、さておき、さらにこれらの買収の本質について、ここに述べておきます。IT業界は随分前から完全に知識社会に移行しています。知識社会とは、富の源泉が、知識に移行した社会です。知社会においては、知識は容易に移転できます。どんな知識でも、技術でもあっという間に陳腐化してしまいます。だから、買収を行うことにより、この移転をさらに加速するのです。ただし、それだけではありません。実は、皮肉なことに知識社会においては、知識は容易に移転できるため、知識そのもの、上の例でいえば、技術そのものは競争要因や、差別化の要因にはならないのです。

では、何が競争要因、差別化要因になるかといえば、それは、「知識労働者」そのものの生産性です。この生産性が競合他社よりも高ければ、より強い企業になりえるのです。だから、買収の本質は、自分にない技術や新たな技術を得るためではないのです。あくまで、生産性の高い知識労働者あるいは知識労働者のチームを得ることが本質なのです。

さて、上記の話、話が大きすぎるため、多くの人はピンとこないかもしれません。しかし、これは、Googleや、MicroSoftなどの先端的な大企業にだけあてはまる話ではありません。むろん、買収劇など頻繁に繰り返すことができないような、もっと小さな企業でも十分あてはまります。

現在は、知識社会に突入して、知識労働者が台頭しています。そうしてどんな会社でも、知識労働者の生産性が競争・差別化要因となっています。そうして、従来にもまして少子高齢化の影響が強くなってきています。このような、現代では、昔ではありえなかったようなことが起こります。

日本では、知識社会に入るのが、アメリカなどと比較して多少遅れています。それに、アメリカと比較すると、昔は大学院などに行く人は、ほんのわずかでした。少し前まで、大学院までいって、その後も、仕事で知識労働に携わった経験のある人など、医師、教師、研究職などごくわすかなものでした。しかし、知識社会に突入したこれからは、高齢者でも、高度の教育を受け、さらに、長年知識労働に携わった人が大勢出てくるようになります。

肉体労働者の場合、55歳を超えてまで、労働をすることは、苦痛以外のなにものでもなく、そのくらいの年齢になれば、引退して隠居することや年金生活を望みました。しかし、知識労働者は違います。個人差はありますが、70歳くらいまでは、知識や知恵、気力の衰えない人がたくさん存在します。IT産業などでも、プログラミングの作業などは、若者の方が適しているでしょうが、真の意味でのSEの仕事や、マーケティング、戦略、戦術の立案など高齢者ならではの仕事も多く存在しています。

少子化の現在、しかも、知識社会に突入した現在、新卒の若者を雇用して、長年にわたって教育・訓練をして、知識を実践的に運用できるようにして一人前にするには、随分時間と手間がかかります。しかし、実務経験の豊富な高齢の知識労働者は違います。長い経験を持った彼ら、そうして、体力的にも気力にも恵まれた、高等教育(大学院修士卒以上)を受け、その後も長年知識労働に携わった高齢者は、その専門領域の仕事ならすぐに戦力になります。これらの、人々はまだ数が少ないですが、これから徐々に増えていきます。

ただし、若者は、Fullの勤務を要望するでしょうが、高齢者の場合はそうはいきません。休養と仕事のバランスが必要になります。このような就労環境を選べるようにすれば、かなり強力な知識路労働力になるでしょう。

これは、経営学の大家てある、ドラッカー氏が10年以上も提唱していたことでもあります。ドラッカー氏は、いずれ、先進国や新興国では、こうした高学歴の高齢者の奪あいになるだろうと予想していました。初めて、これを知ったとき、何を意味しているのか、わかりませんでしたが、最近の企業の変貌ぶりなど見ていて、わかるようになりました。おそらく、これは、近いうちに実現されるようになると思います。中小企業では、大規模な企業買収などなかなかできませんから、大企業ではいわゆる団塊の世代の大量定年にさしかかっていますから、意外とこうした、高学歴の高齢者の活用が活性化につながっていくかもしれません。

いずれにせよ、知識社会に突入した日本のこれからの企業の課題は、知識労働者の生産性そのものを高める、二つの課題、すなわち、生産性の高い知識労働者を雇用すること、生産性の高い知識労働者の生産性をさらに高めること、この二つです。

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2011年3月4日金曜日

動画:人型ケータイアンドロイド「エルフォイドP1」―【私の論評】iPad、iPhoneはこれからでてくるデバイスのほんの一形式でしかない!!

動画:人型ケータイアンドロイド「エルフォイドP1」



さて、本日は、昨日iPad2の発表があったので、それを掲載しようとも思ったのですが、昨日早速発表会の動画をみたのですが、結局、速いとか、軽いとか、カメラがついたこと、そうしてカバーがついたことなどをやっていて、結局は新味はありませんでした。

そうして、動画は、これらの説明が終わったあとでも、ビデオ編集アプリとか、楽器アプリのことを長々とやっていて、私は、そこでビデオを見るのはやめました。ただし、スティーブ・ジョブズCEOの元気な姿を見れたのは良かったです。

同じ日に、この「エルフォイド」の発表がありましたので、本日はこれについて掲載します。


ATR(国際電気通信基礎技術研究所)と大阪大学が開発した「エルフォイドP1」は携帯型の遠隔操作アンドロイド。独特なフォルムが記憶から拭えない「テレノイドR1」を小型化したような雰囲気で、もちろんATR客員室長 / 大阪大学教授の石黒 "不気味の谷を越える者" 浩氏の研究プロジェクトとして生まれたものです。テレノイドR1はミニマム化された人体をモチーフとすることで人の存在感を遠隔に伝えるものでしたが、エルフォイドP1も目指すところは同じ。「遠隔地の人が互いの存在を感じながら対話できる革新的な通信メディア」と表現されています。文学的なプレスリリースからさらに引用すれば、

携帯電話の機能は日進月歩で、特に最近では優れたインタフェースデザインを持つスマートフォンが注目を集め、豊かな付加機能と共に利用が広がっています。しかし、通話そのものの機能は携帯電話普及当初と同じで、通話相手の存在を確認するのは声に頼るのみです。従来の携帯電話を変革し、新たな通信メディアを創出するには、より大胆な発想が必要となります。

とのこと。大胆な発想を自称するだけのことはあります。

見た目ばかりが目を惹くエルフォイドP1ですが、これまでのアンドロイドとは異なるのは、クアルコムの3Gユニットを内蔵しているため、FOMA端末と利用できるという点。まさにアンドロイドケータイです。ボタンなどが見当たらないのは、画像・音声認識で操作できるから。開発にはドコモも協力しており、まさに「ひとりと、ひとつ」状態です。プレスリリースからもうひとつ引用すれば「エルフォイドという存在感を伝達するメディアから生まれる新しいコミュニケーションの形態は、我々の生活にさらなる変革をもたらすものと考えています」。たしかにこの端末が普及すれば、生活のさらなる変換は避けられなさそう。続きにはサイエンスライター森山和道氏による動画を掲載しています。


news.com.euの記事

【私の論評】iPad、iPhoneはこれからでてくるデバイスのほんの一形式でしかない!!
さて、上の記事でははっきりかかれていませんが、「エルフォイドP1」は、人間のように体が動き、頭のスピーカーから通話相手の声が聞こえてくるとのことです。しかも、口がしゃべっているように動くらしいです。通話相手が身近に感じられるように工夫されているようです。

開発は、ロボット研究で知られる大阪大学の石黒浩教授が関わっているうえ、通信機能の確認にはNTTドコモが協力し、FOMA回線が使われています。

無論これは、まだ研究段階のため、このまま登場することはないとは思いますが、まったく新しい端末の可能性を見せてくれたということです。

この端末、実際に操作したことはないので、何ともいえませんが、おそらく、体が動くということで、それで、いろいろな表現も出来るのだと思います。たとえば、体を激しく蠕動させることによって、駄々を捏ねている感じをだすとかも出来るのだと思います。

まずは、こうした実験的な試みで、何人かの人に持ってもらい、これからいろいろと研究して行くことになるのだと思います。将来どのように発展していくのか楽しみです。

私は、以前このブログに、iPadやiPhoneは、これから出てくる、クラウドデバイスののほんのいち形式に過ぎないということを述べたことがあります。

無論、その時は、「エルフィドP1」のようなものを想定していたわけではありません。どちらかというと、たとえば、冷蔵庫とか、オーブン、湯沸かし器など、すでにあるものがクラウドデバイス化することを掲載しました。その部分を以下にコピペしておきます。
これから、テレビは無論のこと、車、時計、電気・水道・ガス、炊飯器、オーブン、体重計、医療機器、ゲーム機器、インターフォン、メガネ、湯沸かし器、冷蔵庫などありとあらゆるもの、がスマート化され、クラウド・デバイス化されるのです。もう、パソコンや、iPhone、iPadの世界だけのことではなくなるのです!!
この「エルフィドP!」もちろん、クラウドにつなぐことも出来るのだ思います。そうなると、クラウドの大量の記憶容量を使用しつつ、これによって、いろいろな動きができ、それを記録にとって、さらには、受け取った人の感じも、記録などにとり、様々な研究ができるに違いありません。

このエルフィドに限らず、たとえば、もうすでに、香りを出す機械も研究されているそうですから、こうしたものとも組み合わせると様々な試みが可能ですね。私は、最近あまりホノグラムの新たなものをみていないので、こうしたものの組み合わせで、すごいことができるかもしれないと期待しています。

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2009年7月18日土曜日

セブン弁当値引き“解禁”…仕入れ値下回らない範囲で―役所は、流通業に関しては結局何もやってこなかった?

Adds by Yutakarlson

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セブン弁当値引き“解禁”…仕入れ値下回らない範囲で (この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

セブンイレブンで値引きをしたとしても、いつも値引き品を買えるということにはならない?

 売れ残った弁当などを値引きする「見切り販売」を制限、公正取引委員会がセブン-イレブン・ジャパンに排除措置命令を出した問題で、セブン側が見 切り販売を“解禁”する方針を決めたことが18日分かった。同日付の読売新聞が報じた。極端な値下げによって本部と加盟店、双方の経営を圧迫しないよう、 仕入れ値を下回らない範囲で実施するという。

 セブン-イレブンは6月22日、独占禁止法違反として公取委から排除措置命令を受けた後、消費期限が迫った弁当を廃棄する際に損失となる仕入れ価 格を加盟店の全額負担から、本部側の15%負担へと変更した。だが、一部の加盟店オーナーが「場当たり的で何の問題解決にもなっていない」と強く反発。結 局、値引き販売が認められる見通しとなった。これまで、弁当や総菜の廃棄は加盟店が全額負担し、本部はいくら廃棄物が増えても利益が減らないシステムだっ た。以前から加盟店は不満を抱えていたものの、営業契約の打ち切りを恐れるあまり問題が表面化しなかったという。

役所は、流通業に関しては何もやってこなかった?

まだ詳細は、発表されていませんが、おそらく値引きするにしても、ただオーナーなどの感覚で値引きするのではなく、キチンとした基準にもとづいて値引きするようになるのだと思います。コンビニと、スーパーとでは、業態が違うので、セブンイレブン本部もなかなか値引きをそうすんなりと認めるわけには行かなかったのだと思います。

ただし、現在は、資源を大事にする時代ですから、いくらコンビニ業態とはいっても、資源を無駄にすることには、いつまでも抵抗はしずらかったに違いありません。

ただし、私自身は、以前にもこの前のブログで書いたように、オーナーが勝手に自分の判断で値引きをするなどのことはありえないだろうし。値下げは、今まで、長い間培って育ててきた、業態の一部を変更することになるため、今回は、セブンイレブンの廃棄ロスの15%負担くらいで終わるだろうということを書きました。ある意味では、予測は外れたわけです。しかし、この値下げに関しては、流通業に従事している人、あるは従事した経験がないとわからないような問題が背後にあります。

しかし、とうとう、値下げに踏み切ったわけです。私自身は、これは、結局役所の命令に従ったというより、従来と比較すると随分回りの環境が変ってきたためだと思います。ただし、多くのブログにも書いてあったように、ある時間帯になると安売り時間が始まって、多くの顧客が値引きした商品を購入できるというわけには行かないと思います。おそらく、滅多になくて、たまたま運がよければ、そういうこともある程度になると思います。これが、恒常的に当てにできるようになったとしたら、おそらく、惣菜部門は、セブンイレブンの利益に貢献しなくなると思います。

値引きにこだわった、FCのオーナーにとっても、現実はあまり変わらないと思います。これは、商いの原点として、仕入れたものを売り切るというのが原則だからです。ただし、品揃えの観点から、多少の廃棄ロスは最初から出るのを予期して販売している(させている)のも事実です。しかし、私は、あまりに廃棄ロスを出すのには、仕入れに問題があるのではないかと思っています。廃棄ロスが予想通りの店であれば、廃棄ロスとして処分する予定だったものが、賞味期限が切れる直前に運良く売れるかも知れないという程度のことになると思います。仮に売れたとしても、ほとんど利益に貢献しないと思います。ましてや、予定の廃棄ロスより過大なロスがでる店は、仕入れが間違っているし、利益はますます出にくくなるといわざるをえません。

値引きに相当こだわっていた、FCオーナーは、廃棄ロスが通常より随分多いのではないかと思っています。こういうオーナーの場合は、結局値引き販売することが可能になったとしても、多くの商品を値引きして恒常的に販売することになり、結局損をします。

最近、廃棄ロスが資源の無駄遣いとして、何かとマスコミの間でも話題になっていました。しかし、現実に現在まで売れていたということは、消費者は結局そのことは、あまり気にしていなかったのだと思います。お客様が気にして購入を控えるようになれば、店に変化が起こります。たぶん、役所が介入しなくても、これらの変化が大きくなれば、セブンイレブン本部でもそれに対処するため、条件づきで値引きに踏み切ったと思います。役所が黙っていても、しばらくしたら値引き解禁に踏み切ったかもしれません。

商売とはそんなに甘いものではありません。店頭にならんでいるものを、すぐに安売りするということは、商人としては、最低で最初から負けの商売をしているといっても過言ではありません。特に、コンビニはそうです。以前のブログにも書きましたが、もともとの、アメリカのセブンイレブンは、安易に値下げをしたため、値下げ競争に巻き込まれたことが、破綻の一因ともなっています。最近スーパーのお弁当でも、最初から300円を切るようなものも、販売しているところもありますが、きちんとシステム的に、儲けがでるようにしているならいいですが、そうでないとすれば、商売ではありません。値引き競争というのは、商売としては、下等な部類のやり方です。企業というものは、長い間存続し続けて、お客さまに一定のサービスを提供し続ける義務があります。安易な安売りは、こうした義務を履行できなくすることにもつながりかねません。

もともと、粗利益の少ない商売ですが、お役人感覚でやれば、すぐに失敗してしまいます。工夫と努力の連続です。こんな厳しい商売は、やはり、お客様の喜ぶ笑顔を見て喜べるという、根っからの商人でないと勤まりません。お役人などには、およびもつかない世界です。

多くの人たちは、今回の役所のやり方を良いことだと思っているかもしれません。しかし、そんなことは、ありません、結局、オーナーの段階では、ほとんど何も変わらないと思います。廃棄ロスの多かった、オーナーの店も、これで救われることはなく、結局安売りで長続きしないことになると思います。役所が、甘えの構造をつくってしまったと言っても過言ではありません。これらの、オーナー仮に安売りで利益でずに店を閉めることになったとしても、お役所は何もしないと思います。

お役所は、何も消費者の味方ではありません。イトーヨーカドーの平均的な店を出すにしても、700以上もの書類が必要になります。現在、セブンイレブンなどができて、日本の流通業は、世界でも屈指の効率の良いシステムになりました。しかし、こうしたことに対して、役所がやってきたことといえば、益になることは何もやってこなかったといっても過言でありません。

ドラッカーも「ネクスト・ソサエティー」の中で述べています。日本の役所は、結局何もしないという選択肢である「引き伸ばし戦略」を実施することにより、成功してきたというものです。戦後で大きなものは、二つほどあります。一つは、農村人口の都市への移動でした。これに関して、役所は全く何もしませんでしたが、結局は都市部に多くの就職口ができて、成功しました。

もう一つは、暗黒大陸(仲介がいくつあって、複雑に入りくんでいて、中身がどうなっているかわからない業界)ともいわれた、流通業界の近代化です。これに関しては、政府は全く何もしませんでした。そのことにより、イトーヨーカドーやダイエー、西友、イオンなどの民間企業が努力して、今日の流通業界をつくりあげてきました。

私の勤務する会社、オーディンフーズは、いまでこそ、ピザの宅配を中心とした事業を展開していますが、もともとは、流通近代化センターという、流通コンサルタントを事業としてきました。その意味では、今日の流通業のありように、お手伝いをしてきたということになります。このコンサルタント事業では、誰でも知っているところとしては、北海道のローカルチェーンから脱皮しようとしてたニトリ家具もありました。札幌東急ストア(定鉄商事)なども指導していました。というより、北海道のありとあらゆる、流通業をクライアントとしていた時期もあります。

私の知る限りでは、いわゆるお役所が主導で何かをやった場合、成功したものは一つもなかった思います。流通業でも、製造業、第三次産業でもなんでも、役所主導では何も成功しいません。ITでも、トロン(日本産のパソコンOS)では大失敗です。ネクスト・ソサエティでも述べたいたように、役所はもともと、インフラを整備することはできても、そのインフラの上で何かをやったら必ず失敗します。インフラ(基盤:法律、条令、ライフ・ラインなど)の上で活動するのは、民間であるべきです。現在テレビで「官僚達の夏」という番組が報道されていて、さも、旧通産省のお役人が頑張って、日本の産業を振興してきたようなことを放映していますが、あれは、幻想に過ぎません。役所が日本の産業の振興に役所主導で本気で入れ込んでいたとしたら、ことごとく失敗し、今日の日本の姿はなかったでしょう。

今回も、役所の方は、様子見をして、勧告する程度にして、余計なことはすべきでなかった思います。今回、値引きを問題にしていたオーナーの多くは、値引きが解禁になっても救われることはありません。元々、駄目なものは駄目なのです。お役所のやったことはといえば、駄目なオーナーを少しの間生きながらえさせるだけで、結局は、何にもならないことに地道をあげたということです。

それどころか、駄目なオーナに対して、怠ける口実を与えて、かえって、駄目にしてしまったかもしれません。それよりも、何よりも、今セブンイレブンなどのコンビニ求められているのは、値引きがどうのなどという安直なものではなく、次世代コンビニとしての、イノベーションだと思います。いつも日本の流通業の先端を走ってきたセブンイレブンです。私は、近いうちにまた、何かをやってくれるではないかと期待しています。

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