2013年11月23日土曜日

倉山満「朝鮮人を人間扱いしたから大日本帝国は滅びた」―【私の論評】歴史を歪めても劣等感はさらにつのるばかり、今の韓国には正しい歴史観を持ち呪縛から解き放たれ、新たな社会構造を構築するしか道はない!

倉山満「朝鮮人を人間扱いしたから大日本帝国は滅びた」

倉山満氏















前回の記事(http://nikkan-spa.jp/538293)で憲政史研究者の倉山満氏は「日本の植民地支配が『お人よしすぎた』ために大日本帝国を滅ぼした」と示唆しています。その本意はどこにあるのか? 倉山氏に直撃した。

「安重根が伊藤博文を愚かにも暗殺したことが日韓併合の引き金になったのですが、そもそも日本は植民地を持つ資格がなかったのです。なぜか? それは日本人が朝鮮人を人間扱いするほど『甘かった』からです。朝鮮を植民地にしたのなら、人間扱いをしてはならなかった。この言葉をもって、『こんなことを言うヤツは差別主義者だ』『右翼・民族主義の過激派だ』などと思った方は当時の世界の常識を知らないと、自白していることになります。そもそも植民地とは何かというと、搾取する土地です。朝鮮半島に搾り取る資源があったのかというと、何もありませんでした。そんな土地を生真面目な日本人は『貨幣経済を浸透させよう』『文明化しなければならない』『インフラを整えよう』と使命感に燃え、やりとげてしまった」

確かに、当時の価値観からすれば、ヨーロッパ人が行った搾取とは一線を画している。むしろ、大日本帝国憲法を適用し、正確に言えば、植民地ではなく「海外領」として扱ったと言ったほうがいいのかもしれない。

「イギリスでいえば、インドは植民地ですが、カナダは海外領になります。そして日本は朝鮮に急速に文明化をもたらします。当時、満洲では朝鮮人と漢民族の対立が激化し、日本への侮日行為や居住権の侵害が繰り返され、朝鮮人農民が被害を受けます。そこで日本人はハタと『半島と大陸は陸続きだ』と気づくのです。日本人の悪い癖に『問題を解決しなければならない病』があります。日本は帝国臣民である朝鮮人の権利を守るため、中華民国と対峙することになり、満洲事変、支那事変と戦線を拡大し、大陸経営へと深入りして破滅していったのです。日本というのはどこまでお人よしなのでしょうか。どこの国が植民地のために世界中を敵に回すでしょうか? イギリスがアイルランドのために、アメリカがフィリピンのために、いったい何をしたというのでしょうか?」

昭和6年から昭和20年まで、朝鮮人が「反中親日」になった「唯一の時代」だったと倉山氏は指摘する。「宗主国の日本が朝鮮のために世界中を敵に回してまで自分をイジめた中国を叩きのめしてくれたのです。当たり前でしょう」とも。

「今となっては、そんな恩を韓国人はすっかり忘れ去っています。前々回の記事(http://nikkan-spa.jp/534592)でも指摘したとおり、『やってもいない抗日闘争』を建国の理念にしたことによって、歴史が矛盾だらけになり、歴史観がファンタジーだと笑われるのです。もう一度言っておきましょう。韓国はやってもない抗日闘争を建国の理念とすれば、スターリンが指導していた抗日パルチザンである金日成を英雄視するしかありません。テロリズムを賛美し、北朝鮮という敵国の指導者が自分たちを正統に支配する権利を持っていることになる。一方の韓国初代大統領である李承晩はアメリカで独立運動と称してカンパを集めて遊んでいただけです。連合国に参加したわけでも自力で戦ってソウルを解放したわけでない。何ひとつ英雄らしい行動をとっていません。韓国人はいい加減、『反日お国自慢歴史観』を卒業すべきでしょう」

倉山氏は新刊『嘘だらけの日韓近現代史』のなかで、「朝鮮半島の歴史を読み解くうえで重要な三法則ある」とも指摘している。その三法則とは以下のとおりだ。

【韓国の三法則】
一、頭の中身がファンタジー
ニ、軍国主義でないと正気が保てない
三、反日を言ってないと親日になってしまう

詳細はぜひ本書で確かめてほしい。

【私の論評】歴史を歪めても劣等感がつのり国力が衰えるだけ! 今の韓国は正しい歴史観を持ち呪縛から解き放たれ、新たな社会構造を変革するしか残された道はない(゚д゚)!

そもそも、朝鮮にとっては、大東亜戦争は日本とともに欧米列強と朝鮮人日本兵として闘ったのであり、終戦直後には現在の韓国に、米軍がはいってきて、日本の一部として統治され、その後独立したのであり、そもそも、日本に対する抗日戦争などあり得るはずもなく、単なるファンタジーに過ぎないことは、多くの日本人が常識として知っていたことです。

さらに、歴史をひもとくと、上の倉山氏の記事では、「スターリンが指導していた抗日パルチザンである金日成を英雄視するしかありません」となっていますが、これでさえ、たとえ金日成を英雄としたとしても、韓国人は劣等感にさいなまされる以外にありません。

金日成(左)とスターリン(右)

実は、北朝鮮建国当時でも、そもそも金日成がどうして北朝鮮で権力の座を得たのか、当時のソビエト側でもよくわかっていません。今でも歴史の謎です。最近日本では、現在いわれている金日成は、本当の金日成ではなく、全くの別人という説がありますが、この説が正しい正しくないということは全く別の次元で、金日成なる人物のことは良くわかっていません。

そもそも、権力の源が何なのかはっきりしません。無論、血筋でもないし、共産主義に対する多大な貢献でもないし、抗日戦争に対するはっきりとした大きな貢献もありません。金日成が抗日戦争に従軍したとされる期間はほんの少しの間で、戦争中のほとんどの期間は、当時のソ連領にいました。その当のソ連も権力の基盤が何なのかわからないわけですから、本当に歴史の謎です。

北朝鮮の女性兵士による剣の舞

ひよっとすると、金日成も、今の韓国のように歴史ファンタジーの創作名人だったのかもしれません。それにしても、一応は抗日戦線に参加していることは間違いないので、確かに上で倉山氏が述べるているように韓国の歴史ファンタジーよりは、権力基盤としては説得力があります。

もともと、北朝鮮も、韓国も歴史的にみれば脆弱な存立基盤しかありません。であれは、本当は新しく作るしかないわけです。にもかかわらず、韓国は誤った歴史観にとらわれていてばかりいて、妄想の仲から一歩も出ていません。本当は、これを廃して、中途半端で終わっている社会構造を少なくとも、日本や先進国なみにするしか道は残されていないことに気づいていません。そちら側に進むことができなければ、結局北朝鮮に併合されるか、中国に飲み込まれるしか道はありませし、最近の韓国はもうそうなりかけています。

漢江の奇跡は、日本の支援、ベトナム戦争特需など要因が重なった
ものだが、それにしても経済的中間層が増えなければあり得なかった

社会構造の変革としては、これもあまりに当たり前なのですが、まず実施しなければならないのは、経済的中間層を増やすことです。韓国は建国当初は、これを一生懸命にやり経済発展をして、漢江の奇跡と呼ばれたこともあり、ドラッカー氏も賞賛していた時期もありました。その当時は、世界も韓国はもっと成長して、いずれは日本のような国になる可能性もあると考えましたが、そこから先、歴代の韓国政府は中間層を増やすという方式ではなく、輸出産業を育てるとか、ごく最近ではK-POPを後押しするとか、とにかく国家レベルで輸出産業を後押しするという方向に転換しました。

そのため、一時は良いようにみえたのですが、その実経済は伸びるどころか、脆弱になってしまいました。この考え方は、一見良いようにもみえます。実際最近では、サムスンや、K-POPが政府の後押しを受けて成長していて、羨ましいと思う日本人もいたようです。しかし、その政府の後押しもむなしく、最近のサムスンは、業績を落としてますし、K-POPも不調で、日本では、今年も紅白歌合戦にはK-POPのスターは誰一人参加しないそうです。

K-POPスターのグラビア

しかし、考えてみれば、政府の後押しによる事業が成功するというのであれば、共産主義の計画経済も成功したはずであり、うまくいくはずはありません。漢江の奇跡の後は、韓国の経済は伸びず、アジア金融危機には経済が著しく脆弱化して、その後は日本の円高に一次助けられ、サムソンなどの一部の輸出企業の業績は良かったのですが、国としてみた場合には、吹かず飛ばずという状況でした。そうして、今年の4月からは、日本が異次元の包括的金融緩和を本格的に実施し始めたため、日本は円高から円安基調となり、韓国経済は崩壊の危機にたたされています。こんなことは、過去の歴史を正しく省みることができれば、すぐ理解できることなのですが、韓国人の目は、反日で曇りこのようなことが見えなくなっています。

ところで、戦中戦前の朝鮮は、大日本帝国憲法を適用した「海外領」であり、朝鮮にだけ適用された、植民地法などで統治されたわけではありません。だから、朝鮮人は、日本人と同等の扱いでした。実際に、たとえば、戦争中の北海道の道議会議員は、朝鮮人が多かったという事実もあります。法律的には、朝鮮人は日本人だったのです。ここが、倉山満氏のいうところの、お人好し過ぎの「日本人」ということです。

植民地は宗主国にとって、良い存在というのは、宗主国が植民地を搾取できるからです。しかし、植民地が搾取できるほど豊であれば、そのようなことができますが、そうでなければ一応は、自国領の住民ということになりますから、面倒を見なければならないことになります。

1939年3月、チェコスロバキアのドイツ併合後、チェコ製LTVz38はドイツ国防軍によって生産されました。LTVz38はドイツ軍の制式装備に組み込まれ、戦争中を通じて生産、改良、発展が行われていきました。

たとえば、第二次世界大戦中、ドイツはチェコスロバキアを占領しました。チェコスロバキアは、戦前は豊な国で、GDPは現在でいえば、アメリカほどもあった国で特に工業が盛んでした。ここを占領したドイツは、豊なチェコの工業力を手に入れたわけで、これはドイツにとって有利なことでした。国民も豊であったため、そのままチェコの体制を維持すれば、ドイツはチェコの面倒をみることもなく、工業力を手にいれることができました。実際ドイツ軍の装備の中には、チェコ製のものも多かったといわれています。

しかし、戦線が拡大して、多くの国々を併合することになった時には、チェコのような豊な国々ばかりでなく、たとえば、ルーマニアなどのような貧しい国も配下に多数収めることになりました。そんなときは、良いことばかりではなく、一応自国領であることから、場合によっては、貧しい国が食料・エネルギー不足になった場合には、それらをそうした国々にドイツから送らねばならないという事態にも陥りました。だから、植民地が増えるということは、その植民地が豊である場合は、宗主国にとって利益になりますが、豊であれば、今度は軍事力も備わっているということで、植民地経営はどのような場合も濡れ手に粟の儲け話ということにはならないのです。

貧しかった当時の朝鮮は、日本にとっては、良い植民地ではありませんでした。朝鮮は日本にとっては、経済的には利することはなく、その役目は当時極東の脅威であったソ連の防波堤であったにすぎません。しかし、その防波堤を築くために、日本は多くの代償を払ったというわけです。日本にとっては、朝鮮は昔のままにしておき、鉱物資源を獲得したり、金になる農産物を栽培させ、朝鮮人を奴隷にして搾取するなどすれば、欧米型の儲かる植民地経営ができました。しかし、アジアの開放を目指す日本人はそんなことはとうていできず、それどころか、短期間で朝鮮半島の文化水準をあげるという大偉業を成し遂げたのです。朝鮮にまともな学校・病院・役所、水道・ガス・電気などのインフラが整ったのは、日本統治時代からのことです。北朝鮮には、当時は東洋一といわれる、水力発電所を築いたのも日本です。日本は、朝鮮総督府に日本の中でも、最優秀といわれる人を総督府の要員として送りました。

話は変わりますが、アメリカは日本統治のために、GHQにアメリカ本国から人を送りましたが、日本が朝鮮総督府に送ったのは最優秀の人々でしたが、アメリカが日本に送ったのは、馬鹿とコミンテルン(アメリカ人でありながらソ連のスパイであった人々)ばかりの出来の悪い連中ばかりでした。どうして、こんな馬鹿なことをしたのか、今では到底理解できません。

戦後の日本の日本国憲法は、一時しのぎの植民地法にすぎませんでした。それも、馬鹿とコミンテルンがつくった、出来の悪い当時のソ連の都合の良い内容ばかりでした。当時その作成に関わった馬鹿とコミンテルンですら、日本国憲法は、一時の占領地法であり、まさかこんなに長く適用されることになるとは思っていなかったと言っています。日本は、未だ日本国憲法によって統治される、植民地にすぎないのです。同じ殖民地なら、アメリカ憲法を適用されるなら、まだしも、いまだ出来の悪い植民地法に支配されている日本は最悪です。それでも、国体を維持している日本人は素晴らしいです。

これほどの中途半端な状況は、必ず脱却すべきです。韓国はすべきことは、社会構造の変革です。日本がしなければならないのは、自主憲法の制定です。

民主党政権のような政権ができあがったのは、憲法に定められた日本を弱体化するための、内容により、左翼的な勢力ができあがる土壌があるからです。この憲法の下にあれば、民主党政権が出来上がったのは、必然と言っても良いです。これは、何としても変えなくてはならないです。

話が少しずれてきたので、元に戻します。日本では、日本国憲法なるおかしげな、植民地法の傘下にあるとはいえ、日本人には、歴史を改竄するなどという習慣はありません。過去の歴史をまずは受け止め、そこからものを考えます。しかし、韓国人は違います、過去の歴史とは、まずはそのまま受け止めるというのではなく、気に食わなければ変えてしまうべきもののようです。

韓国の歴史教科書

その点からみると、韓国の歴史教科書問題が実に面白いです。新しい保守派の教科書に対し左派が反発し、さらに教育省が検定済み教科書に修正を指示しているのですが、その内容が興味深いです。「韓国人の歴史観」が如実に表れていてまさしく、倉山氏のいうところの、ファンタジーです。

修正指示は問題になっている保守派の「教学社版」を含め8種類すべてが対象です。たとえば日本の敗戦直後、連合国が作成した地図が英語の原資料としていくつかの教科書に紹介されているのですが、竹島問題がらみのその地図の日本海部分に記された「SEA OF JAPAN」の文字を削除しろと指示されているのです。

原資料から気にくわない部分を無くしてしまえというのです。韓国人の歴史観では「あった歴史(事実)」より「あるべき歴史(願望)」が重要ということのようです。つまり「SEA OF JAPAN」は韓国人にとってはあってはならない表記なので消してしまえ、というわけです。

政府が執筆者や出版社に堂々と資料改竄(かいざん)を命令していることになります。これはとんでもないことです。

こんなことを繰り返していれば、確かに上の倉山氏がいうように、韓国の歴史はファンタジーになってしまいます。こんな馬鹿なことは、どこの国でもあり得ません。たとえば、中国の古文書に日本が中国の属国であったなどの表記があったとして、日本ではそれは間違いだからその歴史書から「日本は中国の属国である」との表記を削除しろということにはなりません。歴史的資料としては、そのままにしておき、どうしてそのような間違いが記載されていたのか、研究の対象となると思います。

しかし、韓国では、それを削除してしまいます。そんなことを繰り返していれば、歴史そのものの認識ができなくなります。実際にそのようなことになっているのが現在の韓国であり、だから、ファンタジーと倉山氏は語っているのだと思います。

1000年のファンタジーでは国はもたない

こんなことでは、いつまでたっても、韓国はまともな歴史観を持つことが出来ず、そのため社会構造の変革の重要性などは埋もれてしまって認識されず、経済も伸びることはなく、閉塞感にさいなまされ、その閉塞感を正しい方向で解決しようともせず、政府は自分たちの無能を反省するでもなく、日本を悪者に仕立てて、反日で国民の不満をそらすということを延々と繰り返すだけになります。

そんなことをしても、何ら根本的解決にもならず、国力はますます衰え、その隙に乗じて北朝鮮に飲み込まれるか、そうはならなくても、北朝鮮ともども中国にいずれ飲み込まれてしまうだけです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年11月22日金曜日

中国、チベット問題に異常な怯え 江沢民氏への逮捕状に過剰反応―【私の論評】中国高官が実際に台湾で逮捕されたこともあるし、中国5人の要人はずっと前から告発されていた!日本でも告訴せよ!これが馬鹿につける最高の良薬かもしれない(゚д゚)!

中国、チベット問題に異常な怯え 江沢民氏への逮捕状に過剰反応

スペインは凄い(゚д゚)!

スペインの裁判所がチベット族の虐殺に関与した疑いで、中国の江沢民元国家主席(87)ら元幹部5人に出した逮捕状が波紋を呼んでいる。中国政府はかつての国家元首に下された異例のジャッジに「強烈な不満と断固たる反対を表明する」と猛反発。ヒステリックな反応をみせる背景には「世界的な支持を得ているチベット独立運動への強い警戒感がある」(専門家)という。今後、世界中で中国共産党の横暴を告発する動きが広がる可能性もあり、不穏な空気が漂っている。

中国の最高権力者が「お尋ね者」になった。

スペインの全国管区裁判所から逮捕状が出されたのは、江氏のほかに胡錦濤前主席(70)や李鵬元首相(85)ら5人。2006年、スペイン国籍を持つ亡命チベット人とともに同国の人権団体が、1980~90年代にチベット族に対して「ジェノサイド(大虐殺)や拷問などが行われた」として、当時の党指導部の責任を追及する訴えを起こしていた。

告発は、なぜ遠く離れた欧州の地で行われたのか。「スペインでは、人道に対する罪に関しては国外の事件であっても同国の裁判所に管轄権がある。98年にはチリで独裁体制を築いたピノチェト元大統領に、今回と同様に逮捕状が出され、スペイン側の要請で英国で身柄が勾留されたこともある」(外交筋)

ただ、法的拘束力は、スペインと犯罪人引き渡し条約を結ぶ国に限定されるため、実際に江氏らが逮捕される事態は考えにくい。

それでも、習近平国家主席体制下の中国はこの決定に敏感に反応し、裁判を起こしたチベット独立勢力を激しく非難。スペイン側の対応を「関係を損ねるようなことをしないよう」と強く牽制した。


中国事情に詳しい作家の宮崎正弘氏は「中国は、スペイン領土内にエネルギー関連の会社を買収するなど、ここ最近経済的な結びつきを急速に強めている」とし、中国共産党からの“牽制メッセージ”をこうひもとく。

「スペインの首都・マドリードやバルセロナにはチャイナタウンもある。スペインが経済面で中国に依存度を強めているのを背景に『内政干渉をやめろ』と脅しを掛けている」(宮崎氏)

恫喝めいたプレッシャーを掛ける中国だが、これほど事態収拾に躍起になる理由はどこにあるのか。

『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)の著書で知られるジャーナリストの富坂聰氏は「国家元首に逮捕状が出るというのは国のメンツに関わる。体裁を保つためにポーズとして強硬姿勢をみせたというのが実情だろう」とした上で、党指導部が抱くある危機感を指摘する。

「政府が最も警戒しているのは国際世論だ。イスラムテロ組織と同一視されがちなウイグルの独立運動とは違って、チベット族の独立運動は欧米を中心に国際的な支持を得ている」(富坂氏)

89年には、チベット亡命政府の国家元首であるダライ・ラマ14世がノーベル平和賞を受賞した。

96年には、米国の人気ラップグループが中心となり、チベット独立運動の支援を目的とした野外コンサートを開催。この催しは2003年までの間に米国、豪州、欧州、日本の各地で行われ、チベット問題への認知度を高めた。世界中で広がる「チベット解放」の声が、中国にとって厄介でしようがないのだ。

しかも、人権意識が低い中国の現実が、国際的な共通認識となり、それがインターネットなどを介して中国国内に一段と広がると、現体制に不満を持つ民衆の蜂起やウイグル独立運動のさらなる活発化への遠因にもなりかねない。

刺激してくれるな-。スペインへの過剰反応は、習氏率いる中国の焦りの表れとも言えそうだ。

【私の論評】中国高官が実際に台湾で逮捕されたこともあるし、中国5人の要人はずっと前から告発されていた!日本でも告訴せよ!これが馬鹿につける最高の良薬かもしれない(゚д゚)!

上のニュース驚くに値するような内容ではありません。中国の高官や、要人はすでに世界中のどこからの国から、告発を受けており、逮捕状がでています。それに現状は逮捕状がでていなくても中国の高官が訪れた国において告発を受けた場合には逮捕されることもあります。最近、中国が、国連人権委員会の理事国になったという話がありますが、こんな話は本当にお笑い種です。

中国高官が、他国で逮捕されたなどという話題は以前のこのブログで紹介したこともありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
【日本で報道されない激レアニュース】台湾訪問中の中共高官2人、相次ぎ刑事告訴される―及び腰日本はなぜこのようなことをしないのか?

中国高官の台湾での逮捕を伝える唐人テレビ

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中国高官が台湾訪問中に刑事告訴され逮捕されたことを掲載しています。その部分のみを以下に掲載します。
中国宗教事務局の王作安・局長は、先週15日に台湾を訪問した際、台湾法輪大法学会に、法輪功への集団弾圧を陣頭指揮した罪で告訴された。前日の14日、台湾を訪問中の陝西省趙正永・代理省長が同団体に刑事告訴されたばかり。
これら高官は、起訴はされましたが、結局は証拠不十分などによって、刑の執行はされなかったとは思いますが、それにしても数ヶ月は拘留されたはずです。ただし、そのこから裁判をするにしても、中国から多数の証言者を呼ばなくてはならず、それは不可能ということで保留になったはずです。しかし、同じ人間が再び台湾を訪れた場合、また拘束されたりすることは十分あり得ます。

このようなことは、高官だけにとどまらず、要人にまで及んでいます。たとえば、習近平自身が米国を訪問する際に最も恐れていたことは、法輪巧に刑事告訴され、逮捕され拘留されることでした。これも以前このブログで紹介したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
<Wikileaks公電流出>習近平次期主席、「訪米で恐れるのは、法輪功に刑事告訴されること」―【私の論評】Wilileaksなどによる暴露などたいしたことではないが、日本でも、中国要人は全員告訴せよ!!
スペインの国家裁判所に、ジェノサイドと拷問の罪で刑事告訴され
た江沢民・元国家主席を含む5人の中共高官(大紀元資料室)

これも詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、ウィキリークスでの中国要人がすでに、この時点でスペインの国家裁判所に、ジェノサイドと拷問の罪で刑事告訴された江沢民・元国家主席を含む5人の中共高官について掲載しています。以下にその関係部分のみコピペさせていただきます。
中国の次期首相の有力候補である李克強副首相の「中国のGDP統計は信頼できない」発言に続き、次期主席とみられる習近平副主席も、ウィキリークスの米公電流出事件による標的にされた。2007年3月、当時浙江省の共産党委員会書記だった習氏は、当時のクラーク・ラント駐中国米大使と交わした会話の中、2006年の米国訪問についての感想を聞かれた際、自分を含めて中国の高官らが訪米で最も恐れているのは、法輪功学習者に刑事告訴されることだと発言した。
この元の記事でも、これ以外のことはあまり詳しく掲載されていませんが、スペインの裁判所では、これらの5人に対して、ずいぶん前から告訴されていました。そうして、このブログの冒頭の記事ては、これら告訴されている中国高官に対してスペインの裁判所から逮捕状が出されたということです。この5人の仲には、現在中国で逮捕され、裁判を受けている薄煕来も含まれてます。

これは、先の記事でも明らかなように、中国の高官が外国滞在中に実際に起訴され、拘留されていたという事実がありますから、習近平がアメリカ訪問中には実際にそのような危機も想定されたことと思います。先日習近平がオバマ大統領を訪問したことがありましたが、そのときもアメリカ在住の法輪巧の信者らなどが、習近平の訪米反対運動などしていましたから、実際のところ習も内心気が気ではなかったかもしれません。

実際は逮捕されても、罪を実証するためには、中国から幾人もの証人を呼ぶ必要があり、裁判継続は不可能になりますから、保留になったり、不起訴になったりして、いずれ釈放されることにはなりますが、それにてしても国家元首である主席や、その候補者などが、外国の地で逮捕され拘留ということにでもなれば、当人の威信も、中国の威信も著しく傷つきます。これは、面子を重んじる中国人にとっては耐え難いことになると思います。

スペインはやっぱり凄い?
今回のスペインの措置は、当該国に中国高官や要人が滞在中の起訴ということではなく、過去の犯罪に対して、起訴し逮捕状が出されたということです。これは、今回逮捕状が出た江沢民、胡錦濤、李鵬ら5人は、スペインを訪問した場合確実に逮捕されるということです。

裁判の内容次第では、さすがに中国国内では無理でしょうが、スペイン警察がこれら5人が中国以外の国に滞在していた場合には、逮捕するということもあり得るわけです。

これは、中国にとっては由々しきことです。世界のあちこちでこういう動きがでれば、中国要人や高官は、おちおち外国にでかけられなくなります。中国要人や、高官などは、ほとんど実質的に裸官です。

裸官とは、中国で不正に資産をため込んで、資産と妻子を日本やアメリカなどの先進国に移し、タイミングを見計らって本国から逃げ出そうとする官僚・共産党幹部の蔑称です。

中国では、「清廉潔白な官吏でも三年で家が建つ」や「無官不貪(汚職しない官僚はいない)」といった諧謔があるように、不正や賄賂が蔓延しています。さらに中国共産党幹部クラスになると、ハンコ1つ押すだけで莫大なマージンが得られる社会構造が出来上がっています。

また、中国人は「俺が中心」の民族のため、国のことなどこれっぽっちも思っていません。だから稼げるときに稼いでさっさと隠遁してしまおうという魂胆が見え見えです。ゆえに、このような環境が「裸官」を生み出す温床となっています。

裸官や貪官らによって横領された国家資産は、2000年の時点で約30兆元(日本円で約450兆円)ともいわれていて、現在ではさら増えているといわれています。

この中国要人や高官が裸官的なことをやっていますから、先進国側は、これを逆手にとって、中国要人、高官のすべてを起訴すれば良いと思います。

中国の裸官たちは、中国の将来を信じていないわけです。だから、裸官になっているという面も大いにあります。もし、彼が中国将来を信じているならば、こんな馬鹿まねはしないし、中国要人、高官などもこんな馬鹿真似は絶対にしないでしょう。

いずれ近いうちに、中国は崩壊すると踏んでいるからこそ、中国要人、高官もこのようなことをするわけです。

しかし、これって明らかな不正行為です。日本の官僚が、日本政府から不正に金を搾取し、海外に逃亡したとしたら、とんでもないことです。日本だけでなく、どの国でも、裸官のようなことをしたら犯罪者です。

中国は、いずれ分裂します。分裂したときには、これら現在の中国の要人、高官などすべて裸官や人殺しや人権に対する罪などを犯した連中に対して、スペインの裁判所のように告訴し、逮捕状を出しておき、中国から出たら即逮捕という体制を築いておクべきものと思います。

日本も当然告訴すべきです。ありとあらゆる国々が告訴しておき、中国要人、高官が国外に逃げ出せば、裁判をし、中国内で、不正蓄財したものからは、金をとりあげ、殺人などの場合は、死刑にすべきものと思います。

スペイン出身の女優ペネロペ・クルス


こんなことにもなりかねないので、中国側はスペインの挙動に神経を尖らせているのだと思います。それにしても、中国人特に中国の要人て馬鹿ですね。今の中国が分裂して、新たな中国がいくつかできて、自分たちはそれを見越して国外に逃げたしたとしてしも、不正蓄財や、殺人などの罪は免れることは出来ないと思います。

外国の政府に裁かれるか、新生中国の司法によって裁かれます。きっと、新生中国にどこまでも追いかけられ、その他の世界中の国々からも訴えられ、どこまでも追いかけられることでしょう。中国の要人も、高官が不正蓄財などするのを見逃しているところがあると思います。それは、自分たちもそうしているからです。それにしても、このようなことをするのは馬鹿なことであることを彼らも気づいてないようです。

要するに自分たちが馬鹿であるということがわからなくなって、日々馬鹿の壁をつみあげているのです。それにしても、現代中国には日本の明治の先達のように、国を思う国士はいないのでしょうか?日本なら、今でもそのような人はいくらでもいるというのに、特に現代中国は、自分のことしか考えない利己主義者の集合になってしまいました。日本にも、利己主義者は多いですが、中国のそれはスケールが違います。中国と比較すれば、日本の利己主義者はまるで、清らかな天使のよです。もう、私たちが手本とした、漢文の世界の中国はこの世に存在しなくなりました。本当に、残念なことです。

日本も、スペインや台湾のように、殺人者や、中国人民の金を大量に盗んだ連中を告訴すべきです。いや、世界の国々がそうすべきです。中国が分裂しても、国外に逃げ出せばそれですむと思い込んでいる馬鹿どもには、国外に出れば確実に逮捕されるということになれば、少しは中国をまともな国にしよう考えるかもしれません。考えなければ、逮捕されるだけになります。

これは、馬鹿につける最高の良薬かもしれません。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年11月21日木曜日

【阿比留瑠比の極言御免】主流になってきた「河野談話ノー」 自民から共産支持者まで− 【私の論評】有難う韓国、そうして中国、もっと非常識になって対馬と尖閣に合同で上陸して自滅せよ!そのとき、日本の新たな夜明けが始まる!!

【阿比留瑠比の極言御免】主流になってきた「河野談話ノー」 自民から共産支持者まで 



韓国政府の顔を立てるため慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野洋平官房長官談話」が、これまでよりはるかに厳しい国民の視線にさらされている。

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の直近の合同世論調査では、河野談話を見直すべきかとの設問に「はい」が55%に達した。「いいえ」(27・5%)のちょうどダブルスコアの数字である。

特に興味深いのは、河野談話を見直すべきだとの意見が、「安倍内閣を支持するかしないか」「支持政党はどこか」にかかわらず、有権者全体で主流となっていると読み取れることだ。

安倍晋三首相がもともと河野談話に懐疑的なため、安倍内閣支持層で見直し派が58・9%というのは普通に理解しやすい。ただ、非支持層でも見直し派は49・4%とほぼ半数いる。

支持政党別にみると一層、面白い結果が出た。見直し派が多い順に並べると(1)みんなの党60・0%(2)自民党57・2%(3)公明党と生活の党57・1%(5)日本維新の会56・6%-となる。

・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・

一つには、河野談話が何ら資料的な裏付けも日本側の証言もなく、韓国で駆け足で行った元慰安婦16人の聞き取り調査が主な根拠だったという実態が徐々に分かってきたこと。また、その聞き取り調査自体が極めてずさんだったことが判明したのも理由だろう。

そしてそれ以上に、政策判断としては大間違いとはいえ、日本側が「善意」で出した談話を韓国側が対日非難の道具として利用し、世界で反日狂騒を繰り返していることもあるはずだ。

いわば韓国側の「悪乗り」と「増長」が、国民の歴史認識の正常化に一役買っているわけである。ここは素直に韓国に感謝しようか。(政治部編集委員)

【私の論評】有難う韓国、そうして中国、もっと非常識になって対馬と尖閣に合同で上陸して自滅せよ!そのとき、日本の新たな夜明けが始まる!!

河野談話を発表した当時の河野氏
河野談話はもともと、胡散臭いですし、それに最近でも、その信憑性が疑われる事実か判明しました。それについては、以前のこのブログでも紹介しましたので、その記事のURLを以下に掲載します。
元慰安婦報告書、ずさん調査浮き彫り 慰安所ない場所で「働いた」など証言曖昧 河野談話の根拠崩れる―【私の論評】こんなずさんな調査で、談話を発表されたのではたまったものではない!ずうずうしい韓国の反日は、自ら招いた面も否めない!今こそ、歴史的事実をもとに反論すべきとき!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では河野談話の根拠とされる、元従軍慰安婦だったとする韓国人女性の証言が著しく信憑性に欠けていることが明らかにされています。

この記事では、慰安婦問題の元凶を明らかにしています。

慰安婦問題の「主犯」は福島瑞穂弁護士―【私の論評】まずは、日本の悪人を始末しないことには慰安婦問題は解決しないし、「戦後体制からの脱却」は難しい(゚д゚)!

これも、詳細については、この記事をご覧いただくものとして、それにしても、慰安婦問題の元凶は、当時の福島瑞穂弁護士だということで、唖然とします。河野談話といえば、100年も前のことではなく、 紛れもなく現代史の一コマです。現代史だと、まだまだ生き証人も大勢いることから、調べれば調べるほど、韓国側の言い分は、根拠がないことが明らかになり、日本人側のいうことが正しいことがさらに明らかになるだけです。

以上のようなことが明るみに出た現在、「河野談話ノー」が多数派になるのは当然のことともいえます。しかし、これが10年ほど前くらいであれば、同じようなことがあったにしても、多数派にはなっていなかったかもしれません。

10年ほど前と、今とでは何が決定的に違うかといえば、中国と韓国による徹底した反日運動です。以前から反日はあったのですが、特にこの10年間は、反日が酷くなりました。これは、中韓の経済が実質的にダメになりかけてからです。外見的には、両国とも経済が駄目になったことなどないように取り繕っていましたが内実は火の車でした。

中国は未だ、インフラ整備の最中にあるため、インフラを整備するだけで、GDPを押し上げる効果がありますので、これを割り引いて考えなければなりません。おそらく、中国の場合は、GDPが年率6%を越えなければ経済成長はしていないとみなすべきとされています。

中国の統計などもともと、出鱈目ですから、過去10年間はずっと10%以上を維持してきていますが、これがほとんどあてになりません。おそらく、10年ほど前から、6%を下回っている年もあり、最近ては下がりっぱなしという話もあります。そうでなれば、いくら10年前ほどから大学生の定員をかなり増やしたとはいえ、就職内定率が低すぎです。

中国では、もう数年以上前から、大学生の就職難が続いています。経済成長が発展していれば、こんなことにはならないはずです。

韓国についても同じようなことがいえます。韓国も10年ほど前から経済がおかしいです。とにかく10年ほど前から異常ともいって良い位の超ウォン安でした。

これについては、以前のこのブログにも紹介したことですので、以下にその記事のURLを掲載します。
本当に危ない韓国経済 財閥・中国頼み 成長率15年ぶり日本が再逆転も ―【私の論評】本当は、アジア通貨危機後のアメリカ経済植民地化で終わっていた韓国経済、日銀のデフレ・円高政策によって救われていただけ(゚д゚)!

これも詳細は、この記事をご覧いただくものとして、韓国経済は実は、アジア通貨危機時代で終わっていたのです。このときに、韓国の大銀行のほとんどにアメリカの金融機関の資金が投入されました。そのため、韓国人がせっせと働いて銀行にお金を貯めると、銀行は配当金んとしてアメリカに多額の金を送るというとんでもないスタイルになっています。

いずれにせよ、中韓とも経済的には本来は10年ほどまえから、崩壊していたようなものです。ところが、日本の日銀が、デフレ・円高を無視して、金融引き締め策をとりつづけたため、両国とも意図して意識して、ウオン安、元安傾向としていたため、超円高の日本から部品を購入して中韓両国で、テレビ、スマホ、その他機器を作成して、販売すれば、圧倒的に有利でした。サムスンは、本来は凡庸な企業にすぎないのですが、なぜか日本では礼賛する人も多かったですが、こんなことにふさわしい企業ではありません。

しかし、両国の経済にも危機的状況がやってきました。そうです、今年四月から、日本が異次元の包括的金融緩和をはじめました。もう、上記のような中韓の経済的優位性は継続できなくなりました。

日本と戦えば中韓の艦艇は、あっという間に海の藻屑になる

最近の中韓は、上記のような状況に陥り、これら両国の首脳や幹部は、もう何をどうしたら良いのかわからないようです。本当は、両国とも、日本まではいかなくても、いわゆる日本並の中間層を、日本の中間層でも創設するようにすれば、経済などすぐに立ち直ります。

しかし、これを実現するためには、両国とも、ある程度異常の民主化、政治と経済の分離、法治国家化が必要不可欠。これは、日本が数十年かけて、欧米諸国が数百年かけて実現したことです。これによって、日本や欧米では、経済的中間層を増やし、経済的を発展させ、中韓と比較すれば、はるかに豊でまともな社会を築いてきました。

しかし、中国も韓国もこの道を選ぶつもりはないようです。中国の三中全の結果や、最近のパク・クネ大統領の行動をみていれば、良くわかります。両国とも、そんな気はもうとうありません。

そうなれば、どこまでも、反日を続けて、行き着くところまで行って、崩壊するしかありません。そうなれば、中韓合同による、尖閣諸島上陸作成、対馬上陸作戦などもあり得るかもしれません。

しかし、中韓連合軍といえども、:現状では日本の自衛隊の敵ではありません。そんなことをすれば、両軍ともあっという間に殲滅されます。しかし、そんなことになれば、日本は対外的にアジアの不安定要素である両国を打ち負かした国として,日露戦争と同じように世界中から賞賛される存在となります。

自衛隊が本気を出せば、中韓の揚陸艦は尖閣、対馬に辿り着く前にほとんどが海の藻屑

日本に勝つことのできない両国は、結局崩壊することになると思います。

こんなことになれば、世界は安定、日本は昔はロシアの覇権の南下を防ぎ、現在では中国の覇権の南下を防いだ国として、賞賛を浴びるようにになります。アジアの救世主として讃えられることになります。

中国・韓国なにをグズグズしているのですか?はやく、尖閣諸島と対馬に上陸作戦を敢行しなさい。ただし実際には、一兵たりとも、上陸できないかもしれません。上陸の前に、艦船も航空機もすべて海の藻屑と消えます。とても、中国の人民解放軍兵士や、韓国の軍隊にそこまでの勇気と知恵があるとは思えません。日本が大東亜戦争で、アメリカやイギリスなどと互角に戦ったのとは大違いです。できることといえば、超限戦のみということになりますか?

しかし、中韓は、いまのままだと収拾がつかなくなって、上のようなシナリオを嫌でも実行しなくなるときがきます。そんなことにならないためにも、反日などすぐにやめて、日本とまともな関係を新たに構築すべきものと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年11月19日火曜日

【経済学101】ラルス・クリステンセン 「ヒットラーを権力の座に押し上げたのはハイパーインフレではなくデフレである」―【私の論評】日本も過去の歴史を学んでいない、政治家・官僚・マスゴミ・似非識者が多すぎ!過去を学ばない、ないがしろにする者には創造性は育まれず、馬鹿の壁をさらに高くするだけ!

【経済学101】ラルス・クリステンセン 「ヒットラーを権力の座に押し上げたのはハイパーインフレではなくデフレである」

デフレがヒトラーを生み出した!ファシズムの温床、デフレ!

2か月ほど前のことだが、マシュー・オブライエン(Matthew O’Brien)がアトランティック紙で次のように語っている。

ハイパーインフレーションからヒットラーの台頭に至るまでは一直線を引くことができる ことは誰もが知っていることだろう。しかし、この件に関しては誰もが知っていると思い込んでいることは間違いなのである。ナチスが権力の座に就いたのは物価が4日ごとに倍になったハイパーインフレの時期(1923年)-この時期にもナチスは権力の獲得を目指していたが、その試みはうまくいかなかった-ではなく物価が下落していたデフレの時期(1933年)なのである。

オブライエンの言う通りである。しかしながら不幸なことに、ヨーロッパの政策当局者らの中には過去の(経済や政治に関する)歴史をきちんと学んでいる人物がほとんどいないようである。加えて、自由市場に基づく資本主義体制を擁護する者の中で次のことに気付いている人物もまたほとんどいないようである。すなわち、資本主義体制に対する最大の脅威は過度の金融緩和ではなく過度の金融引き締めなのであり、過度の金融引き締めこそが反動的なポピュリスト―右か左かを問わず―が権力の座に就く土壌を形成することになるのだ。

(追記) ドイツのシュピーゲル紙が次のように語っている。

1922年から1923年にかけてドイツ全土を襲ったハイパーインフレはついにはアドルフ・ヒットラーの台頭を促したのであった。

・・・ドイツのメディアの中にも自国(ドイツ)の歴史からきちんと教訓を学ぶ必要のある人物がいるようである。

オブライエンの記事の存在を教えてくれたことを含めPetar Siskoに感謝。

P.S. スコット・サムナー(Scott Sumner)が直近のブログエントリーの中で自由市場の擁護者の多くが金融政策に関わる問題を巡っていかに間違った考えを抱いているかを話題にしている。

もう一つP.S. デフレ圧力に晒されているユーロ圏で進行しているこの新しいニュースにも要注目である。

【私の論評】日本には過去の歴史を学んでいない、政治家・官僚・マスゴミ・似非識者が多すぎ!過去を学ばない、ないがしろにする者には創造性は育まれず、馬鹿の壁をさらに高くするだけ(゚д゚)!

1938年9月1日、ベルリンの「アドルフ・ヒトラー
広場」で行進中の兵士たちに敬礼するヒトラー。

おそらく、ドイツの歴史について忘れ去られていることで、重要なことがもう一つあります。それは、ドイツの当時の空前のハイパーインフレの原因は何であったかというものです。これも日本はもとより、ほとんどの国の政策担当者や、マスコミに忘れ去られています。特に、日本は酷いです。

第一次世界大戦後のドイツがハイパーインフレになった原因としてはいくつもありますが、その大きな直接的な原因の一つは当時のドイツ連邦銀行の独立性によるものです。

この当時のドイツにおける中央銀行(ドイツ連邦銀行)の独立性とは、現在世界各国で標準となっている独立性とは異なります。

現在の世界標準の中央銀行の独立性とは、国の金融政策はその方針を政府が定め、中央銀行はその方針に従い、専門家的な立場から、その方針を実現するための手段を自由に選択できるというものです。国の金融政策の方針はあくまで、政府が定めるということです。

ドイツ連邦銀行

当時のドイツ連邦銀行は独立性を有していましたが、その独立性の中身は、現在の世界標準の独立性とは異なるものでした。どのようなものであったかといえば、国の金融政策は、方針まで含めて中央銀行であるドイツ連邦銀行が定めるというものでした。

政府は、選挙で選ばれた議員などもその構成員の中に含まれ、民意も直接的に反映されるものですが、中央銀行は政府の一下部機関に過ぎず、そんなところが、国の金融政策を独自で決定するのは本来あってはならないことです。しかし、その当時のドイツはそうではなく、結果としてドイツ連銀が、政府の意向とは関係なく、貨幣を大量に刷り増すことになり、ハイパーインフレになってしまいました。

こうしたことの反省もあり、現在の世界の中央銀行の独立性とは、先ほども述べたように、政府の決めた金融政策の方向性に従い、専門的な立場からその方法を自由に選ぶことができるというように制限されたのです。

日本銀行

このことも、忘れ去られています。特に、現在の日本では忘れ去られています。日本でも、従来は日本銀行の独立性はごくまともなものでしたが、平成9年(1997年)6月18日の日銀法改正により、日銀の独立性は拡大され、日銀が国の金融政策の方針を定めることができるようになりました。

この次の年、1998年より日本は完璧にデフレに突入し、それから15年以上もの年月がたっています。その間、ほんのいっとき金融緩和をした例外の期間をのぞき、日銀はデフレであるにも関わらず、ずっと金融引き締め政策を継続し、日本はデフレスパイラルの泥沼に落ち込むこととなりました。安倍政権が誕生することになり、安倍総理が金融緩和をすると約束し、実際に4月から異次元の包括的金融緩和を実行したところ、未だデフレから脱却はできないものの、景気は確実に良くなりました。

過去の日銀の金融政策は全くの間違いであることが、実証されました。15年もの長きにわたって、日銀は誤謬を繰り返していたことが白日の元に晒されることになりました。

以上に述べたことからも、現在の日銀法による、日銀の独立性はあまりに強大すぎます。日銀は、政府の一下部組織に過ぎません。そんな下部組織の、金融政策会議により、日本国の金融政策が定められるという今日の方式は明らかに間違っています。

しかし、特に日銀黒田体制ができあがるまでは、国会議員などが日銀を批判すると、馬鹿なマスコミ、似非識者などは、日銀の独立性を楯にとって「批判するのはおかしい、日銀の独立性に反する」などとはやしたてました。これは、全くおかしなことです。たとえ、現行の日銀法の範囲内で考えたとしても、政府の一下部機関に過ぎない日銀が失敗すれば、批判されるのは当然のことであり、独立性があるからといって、全く批判してはならないなどということにはなりません。

過去の歴史を学ばないのは、何もドイツの政策担当者やマスコミだけではありません。多くの国の政策担当者、マスコミにみられる現象です。しかし、日本では過去の栄光ともいうべき自国の歴史がすっかり忘れ去られ、デフレを長期間にわたって放置するということが平然として行われてきました。

高橋是清

日本の過去の栄光とは、世界恐慌(日本では昭和恐慌)を世界で一番早く脱却したという世界に誇る日本の英知を示す輝かしい歴史です。これは、高橋是清による金融緩和、積極財政政策によるものです。これに関しては、以前のこのブログにも掲載したことがありますので、以下のその記事のURLを掲載します。
ポール・クルーグマンの新著『さっさと不況を終わらせろ』−【私の論評】まったくその通り!!
ポール・クルーグマン博士

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事の【私の論評】においては、高橋是清の金融・財政政策についてその概要を解説させていただきました。是非ご覧になってください。

世界恐慌の原因は、深刻なデフレでした。デフレのときには、金融緩和、積極財政を実施し、早期に経済を立て直すという現在のマクロ経済学上では、当たり前のど真ん中を、日本では昭和恐慌からの早期脱出という形で理論だけではなく、実際に実行してみせたわけです。

この事実は、あまり語られることはありませんでした。それは、様々な原因があるものの、やはり第二次世界大戦に日本が負けたということが大きく影響していると思います。

アメリカは、日本のような政策をとらなかったため、戦前にデフレから脱却することはできませんでした。アメリカがデフレから脱却できたのは、戦争を遂行するための金融緩和政策と、積極財政が効いてきた大戦の最中のことです。もし、戦争がなかったら、回復は相当遅れたことと重います。20~30年か、もっと長く続いたかもしれません。なぜなら、アメリカは、デフレであっても、リフレ政策をするという考えは全くなかったからです。戦争により、戦時国債を乱発することによる結果としての金融緩和、戦争を遂行するため、大量の兵士に給料を支払い訓練して、兵器・要員を大量に生産、戦地まで運ぶという事業による結果としての積極財政がリフレ政策と同じような効果をだしたため、ようやくデフレから脱却できたのです。

そもそも、深刻な世界恐慌から敗戦国の日本が世界で一番先に脱却していたという事実は、アメリカなどの戦勝国からすれば、とても容認できないことだったと思います。実は、戦勝国よりも敗戦国である日本のほうが、知恵があり、経済的には優れていたなどという事実はあまり公にしたくない事実だったと思います。

そのためか、戦後の教育の基本は、ソ連のコミンテルンが大勢を占めた、アメリカGHG(事実です、GHQの構成員のほとんどはソ連のスパイか、馬鹿のいずれかでした)によって創られたこともあり、この事実は日本では学校でもあまり教えられることもありませんでした。しかし、私たち日本人は、この事実を日本の英知を示す素晴らしい一つの事例であることをしっかりと記憶にとどめるべぎです。特に政治家・官僚、政策担当者、マスコミの特に経済記者の方々はその詳細まで含めて、学ぶべぎてす。

日本でも、政治家、官僚、政策担当者が、しっかり学んでいれば、15年間もデフレを放置するなどということにはならなかったはです。過去を学ばない、ないがしろにする者には創造性は育まれせん。

それは、アインシュタインの言葉でも理解できることです。これについては、以前のこのブログても掲載したことなので、以下にそのURLを掲載します。
BOOK REVIEW 『これからの思考の教科書』- ビジネススキルとしての思考法を順を追って学べる良書―【私の論評】常に革新的であるために、一つの思考方法に凝り固まるな!!アインシュタインと菅総理大臣から真摯に学ぼう!!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にアインシュタインの発言などを抜粋して掲載します。
このことを端的に示しているのが、アインシュタインです。アインシュタインといえば、あの相対性理論で有名です。特にその中でも、「E=MC2」という式は、統合的思考の産物です。わずか、この一行の式の持つ意味はまるで、広大な宇宙のようです。 
こうした、アインシュタイン自身が自分の業績について語った言葉が印象的です。「私の理論は、すでに先人がそのほとんどすべてを開拓したものです。私が付け加えたのは最後のほんの!%程度くらいにすぎません」。これは、かなり、謙遜した言葉と受け取られるかもしれません。しかし、真実です。 
アインシュタインは、先人が開拓した物理の理論を情報として、徹底的に、頭の中にインプットしたのだと思います。そうして、そこから、様々な知識を生み出し、その過程で、無論、論理的思考と、水平的思考を駆使し、最後の最後で、統合的思考方法を適用して、壮大な理論を「E=MC2」という、単純な公式としてまとめあげたのです。わずか、!%といいながら、その1%は、偉大であり、人類の金字塔となったのです。
アインシュタインは、科学の分野の人であり、先人が開拓した物理の理論を情報として、徹底的頭の中にインプットしました。金融、経済でも同じことです、高橋是清の実施した事柄や、ケインズなどの理論については、政治家や政策担当者は真摯に勉強すべきです。

アインシュタイン

また、私たち一般人も、詳細までは知らなくても、歴史的事実として概要は知っておくべきものと思います。そのようなことが実際に実行されていれば、デフレが15年も続くだとか、来年の4月に増税するなどのことはなかったものと思います。

一人のリーダーだけがそのような姿勢であっても、世の中は変えられません。大勢の人がそのようにしなければ、馬鹿なことはこれからも何度となく繰り返されると思います。私は、安倍総理は過去を真摯に学んでおり、本当は増税などしたくなかったのでしょうが、自民党の中でも、過去の歴史を学んでいる人はほんの一握りであり、それに抗って増税を見送った場合には、安倍長期政権は実現することはかなわず、結局は大事を成すチャンスすらなくなってしまうので、妥協せざるを得なかったのだと思います。残念なことです。平成15年の総裁選には是非勝利をおさめて、これから馬鹿なことが繰り返されないよう頑張っていただきたいものです。

アインシュタインのいうように、日本の過去の政策担当者らが、高橋是清などの先人の研究を徹底的に調べ、それに何らかの新しい1%の新しいことを付け加えるようなことができていたら、デフレになるどころか、今頃日本は大躍進していたかもしれません。

結局、過去を学ばず、ないがしろにする者には創造性は育まれず、馬鹿の壁をさらに高くするだけなのだと思います。何事においても、過去の歴史を真摯に学び、それに新たな1%を付け加えることができたら、天才になれるということかもしれません。ただし、その1%が難しいということだと思います。しかし、その前にまずは、過去の歴史を真摯に学ばない者には、何も新しいことはできないということです。

過去を学ぶ手段としては、何も社会科学、自然科学を学ぶだけではなく、歴史や文学などもあります。この分野もある程度は齧らないと、馬鹿の壁がさらに積みあがるだけになります。読書にはこうした役割もあるということです。どんなに科学が発展したといっても、人間の生きている時間など限られており、生きているうちに自ら直接体験できることなどたかが知れています。古今東西の先達の考えたこと、感じたことなど学べば、自ら直接体験できないことにまで視野は広がります。視野の広がりが、馬鹿の壁を崩してくれます。しかし、そのようなことをしない人は、馬鹿の壁をうず高く、積み上げて馬鹿な人生を送り、一生を終えることになります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年11月18日月曜日

スティグリッツ:「貧富の格差に対処する国と対処しない国に世界は分裂しはじめた」―【私の論評】中間層を育成することが、過去の経済成長の基本中の基本であったことが忘れ去られている!これは、単なる平等主義とは違う!!

ジョセフ・スティグリッツ「貧富の格差に対処する国と対処しない国に世界は分裂しはじめた」

ジョセフ・スティグリッツ

われわれは不公平な世界に向かっているのか?

もっとも富裕な国、とりわけアメリカの所得と富の格差はこの数十年で急拡大し、そして悲劇的なことに、この大不況以来さらに悪化したことが広く知られている。

しかしほかの国はどうだろうか。国家間の格差は、中国やインドのような新興国の経済力が、何億もの貧困者を引き上げたことで縮小しているのだろうか。貧しい国や中所得国では、格差は悪化しているのだろうか、それとも改善しているのだろうか。われわれは公平な世界へと向かっているのだろうか、それとも不公平な世界へと向かっているだろうか。

これらは入り組んだ問題だ。世界銀行のエコノミストであるブランコ・ミラノビッチらによる最近の研究はその答えをいくつか示している。

・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・

「格差は技術変化を受け入れた副産物」というウソ

ミラノビッチ氏によれば、1988年から2008年にかけて、世界人口の上位1%の所得が60%も増加する一方で、最下層5%の所得にはまったく変化がない。ここ数十年で、中位所得は著しく上がったが、いまだに法外な不均衡がある。

8%の人間が世界中の所得の50%を懐に入れ、同様に最上層の1%だけが15%をわが物にしている。利子配当収入は、富裕国の金融・産業界のエグゼクティブのようなグローバルエリートや、中国、インド、インドネシア、ブラジル諸国の「新興中産階級」にもっとも厚い。では、取り損なったのは誰か。それは、アフリカ、ラテンアメリカの一部、共産主義崩壊後の東欧および旧ソビエトの人びとだ、とミラノビッチ氏は指摘する。

アメリカは世界に恐ろしい具体例を示している。非常に多くの点で「世界に先駆ける」国だけに、他国がそれに続けば、将来いいことは起こり得ない。

一方、アメリカで広がる所得と富の格差は、西側世界で広範に見られる傾向である。OECDの2011年度の研究によれば、所得格差は、1970年代後半から1980年代前半にかけてアメリカとイギリス(さらにイスラエル)で最初に広がりはじめた。この傾向は、1980年代後半にさらに拡大した。所得格差はこの10年で、平等主義的な国であったドイツ、スエーデン、デンマークでさえ拡大した。フランス、日本、スペインという少数の例外を除き、多くの先進国で、最上層10%の稼ぎ手が急浮上したが、最下層の10%ははるかに遅れてしまった。

しかしこの傾向は、普遍的でも回避できないものでもない。同じころ、チリ、メキシコ、ギリシャ、トルコ、ハンガリーは、国によるがきわめて甚だしい所得格差を首尾良く減らし、格差とは政治的産物で、単なるマクロ経済動向によるものではないことを示した。

格差はグローバリゼーション、労働、資本、モノ、サービスの移動、スキルや高学歴の従業員を優遇する、回避できない技術変化の副産物だ、というのは真実ではない。

先進経済諸国の中で、アメリカは壊滅的なマクロ経済の結果、所得と機会における格差が最悪だ。アメリカの国内総生産はこの40年間で4倍以上となり、この25年間ではほとんど倍増したが、ご存じのとおり利益はトップに集中し、そしてますますトップ中のトップへ集中している。

昨年、最上層1%のアメリカ人は、全国民の所得のうち22%を、同じく0.1%は11%を懐に入れた。2009年以来の利子配当収入総額の95%は最上層1%の手に渡ったことになる。

最近発表された国勢調査によれば、アメリカの中位所得者は、ほぼ4半世紀のあいだ動くことがなかった。典型的なアメリカ人の所得は、(インフレ補正後で)45年前より低く、4年制大学の卒業資格を持たない高卒者は40年前よりも約40%所得が低い。

「誰のための繁栄なのか」

アメリカ人の間での格差は、富裕層への減税と金融機関への規制緩和に伴い、30年前から拡大しはじめた。これは偶然の一致ではない。われわれがインフラや教育、健康保険制度、さらに社会的セーフティーネットへの投資を減らすにつれ格差は著しくなった。拡大する格差は、アメリカの政治制度と民主的な国家統治が蝕まれることで、ますます強化されている。

そしてヨーロッパ諸国は、この悪しき先例をかなり熱心に追いかけているようだ。イギリスからドイツにいたる緊縮財政の信奉が、結果として高い失業率、賃金下落、増大する格差を招いた。今回、再選したドイツ首相のアンゲラ・メルケルや、欧州中央銀行総裁マリオ・ドラギは、ヨーロッパの問題は、福祉への膨張した支出の結果だと論じている。しかしその考え方は、単にヨーロッパに不景気(とさらには大不況)をもたらしただけだった。

底は脱した、つまり「公式には」不況は終わったと言っても、EUの2700万人の失業者にとってそれは慰めにもならない。大西洋の両岸で緊縮財政強硬派が、「断固進め!」と言う。繁栄に必要な苦い薬だというわけだ。しかしそれは一体、誰のための繁栄なのか。

度を超えた金融化という事実は、アメリカに次いで不平等が甚だしいイギリスの危うい現状や、増大する格差の説明に役立つ。多くの国で、弱体な企業統治と衰退する社会的つながりが、CEOと労働者間の報酬の格差をますます拡大させてきた(ILOの推計による)。

アメリカ大企業の500対1のレベルにはまだ達していないにしろ、いまでも、大不況以前よりも格差は大きい(役員への報酬を制限してきた日本は注目すべき例外だ)。経済的なパイを拡大することなく、システム操作で、パイの大きい部分を獲得するレントシーキングというアメリカ生まれのイノベーションが、グローバル化してしまったのだ。

「富の分配か分裂か」という時代へ突入

グローバル化による不均衡は、世界中に被害をもたらした。国境を越え移動する資本は、労働者には賃金の譲歩を、政府には法人税減税を要求した。その結果、どん底への競争、賃金と労働条件が脅かされるようになった。政府から資金援助された、科学技術の巨大な進歩にたよる、アップルのような先端企業もまた、税金逃れに手際の良さを発揮してきた。取ることには熱心だが、お返しはない。

子どもの間での格差と貧困は、あまりにもひどい道徳上の恥だ。貧困が怠惰とお粗末な選択の結果だとする右派の考えを、この事実はあざ笑う。

子どもは親を選べない。アメリカでは4人に1人、スペインやギリシャでは6人に1人、オーストラリア、イギリス、カナダでは10人に1人強の子どもが貧困生活をおくっている。公平な経済の創造をしている国もあるのだから、これは回避できないことではない。たとえば半世紀前の韓国では、10人中1人しか学士になれなかった。しかし現在では世界でもっとも高い学卒率の国の1つである。

以上の理由で、単に持つ者と持たざる者に分裂した世界というだけでなく、それに対処しない国と対処する国に分裂した世界にわれわれは足を踏み入れた、と私は見ている。

いくつかの国は、繁栄を分かち合う社会を創り上げることに成功するだろう。また私は、こういう成功こそが本当に持続可能だと信じている。しかし、一方では格差を荒れ狂うままにする国もあるだろう。こういう分裂した国の富裕層は、ゲーテッド・コミュニティー(※2)に引きこもり、貧困者からは完全に隔離され、その生活はほとんど理解の外だろう。そしてその逆もまた然りだ。

私はこういう方向を選択したように見える地域社会をいくつか訪れてみた。そこは世間から隔離された富裕層の特区であれ、絶望的な貧民地区であれ、われわれが住みたいと思うような場所ではない。

【私の論評】中間層を育成することが、過去の経済成長の基本であったことが忘れ去られている!中間層が育てば、富裕層も貧困層もともに利益をこうむることになる。これは、単なる平等主義とは違う!!

上の記事を徹底的に要約し要点中の要点だけをまとめると、以下のようになります。
1.チリ、メキシコ、ギリシャ、トルコ、ハンガリーは、国によるがきわめて甚だしい所得格差を首尾良く減らし、格差とは政治的産物で、単なるマクロ経済動向によるものではないことを示した。 
2.格差はグローバリゼーション、労働、資本、モノ、サービスの移動、スキルや高学歴の従業員を優遇する、回避できない技術変化の副産物だ、というのは真実ではない。 
3.いくつかの国は、繁栄を分かち合う社会を創り上げることに成功するだろう。また私は、こういう成功こそが本当に持続可能だと信じている。しかし、一方では格差を荒れ狂うままにする国もあるだろう。
まずは、上記の要約1.について解説します。格差とは、マクロ経済動向によるものではなく、政治的産物であることがいくつかの国の事例で明らかになっているということです。多くの識者が、格差とはグローバル経済を含めたマクロ経済動向によるものとしています。要するに、安い賃金の国で生産された物品・サービスが高い国の賃金の国々に流れ込み、いずれ世界は標準化されるのですが、その過渡期では偏りが出ることになり、それが、格差が発生する原因だというのです。そんなのは、嘘っぱちだということは、よく考えれば素人でもわかります。

貧困の原因は、膜経済ではく政治氏テムの不備にある

要約2については、日本ではデフレが続き、国内である程度の価格平準化などが進んでいる面もありますが、それにしても、東京の地価は地方に比較すればまだまだ高いですし、賃金も東京都内は高く、地方では低いです。同じスキルを持つ、同じ事業の労働者であれば、あきらかに東京の方が賃金が高く、地方では低いです。

これは、おそらく統計資料を整えるようになってから同様の変らぬ傾向だと思います。同じ国の中ですら、完璧に平準化はされていません。それは当たり前のことです。需要の供給のバランスからそうなっています。地方で東京と同じ賃金で、労働者を雇うことはありません。東京で、最初は安い賃金で地方の労働力を雇いいれたとして、時間がたつうちに、労働者は賃金の低い職場から賃金の高い職場に移ることになります。そうなれば、地方なみの低賃金で人を雇うことは困難になり賃金をあげざるを得なくなります。

日本という人口は1億2千万という人口の多い(中国、インド、アメリカなどは例外中の例外、これらをのぞけば日本の人口はかなり多いほう。ちなみに、ニュージーランド、などは数百万に過ぎない。イギリス、フランス、ドイツなども数千万にすぎない、ロシアは、1億4千万と、日本より若干多いだけです)ものの、国土面積が狭い国ですら建国から2000年以上たっても、結局完全に平準化されていません。このような事実からみても、いくら対象がグローバルに広がっても、完全に平準化される時代が来るはずがありません。というより、グローバル化したから突然賃金や、物価など完璧に平準化されるなどという考えは、まともな経済学の考え方いえば、異端といっても良い考え方です。でも、その異端の考えが、政治家などの中で、理解されていないところに問題があります。

格差は政治システムの不備により助長されている
要約3.は、全くその通りです。アメリカ、中国、EUの中でも先進国は、格差を荒れ狂うままにする国になる可能性が大きいです、そうして、日本はデフレのため現在格差が目だつようにはなりましたか、それでも日本以外の国よりは格差は少なく、デフレを解消した場合、ふただひ中間層が増えるとともに、中間層により経済活動が増え、繁栄を分かち合う社会を創り上げることに大成功することでしょう。またステグリッツ氏が語るように、日本の大成功こそが本当に持続可能だと考えます。

現在世界は、日本が数十年でなしとげ、欧米が数百年かけてなしとげた、中間層の拡大による経済の拡大を忘れています。過去の先進国のすべてが、この道をたどり、高い経済成長を実現したことを忘れています。さらにその豊かさを維持したことにより、より良い社会を構築できたことをすっかり忘れています。中間層による経済活動による経済成長という事実は、今でも新興国などで繰り返されていることです。例外はありません。

いくら、国が豊かになっても、格差は残ります、一握りの富裕層、一握りの貧困層は残ります。しかし、中間層が多ければ、貧富の差はより縮まります。ステグリッツのいう、格差のない社会を実現するのは、多数の中間層です。私たちが、すでに経験済みのこの原則を理解しないで、

そうして、これに近いことをすでに日本は、実現してきました。そうです、高度成長時代の日本がそうです。奇跡の経済成長率といわれた10%台の成長を毎年実現していました。


当時の日本は、まだまだインフラが整備されていなかったため、この整備をするということでも、随分GDPを引きあげていましたが、今の日本ではかなりインフラが整備されてしまっているので、この時代の成長率のように大きな伸びはないでしょうが、それでも、かなりの経済成長率が期待できます。

そうして、すでに豊になった日本でも、高度成長時代の熱狂が再現されると思います。そうして、日本が、単に経済的に豊になることだけを追求することなく、社会を充実させることに向かえば、日本は、それこそ黄金の国ジパングと昔のヨーロッパ人があこがれたような国を本当に実現することが可能です。そうして、日本は世界のトップランナーになることができます。

そうなればそうなったで、社会問題はいろいろ発生しますが、その社会問題とは、従来のものではなく、次世代の社会問題になり、それを解決するノウハウを日本が身につけたならば、次世代社会のモデルを創設することになり、世界に範を示す存在となることでしょう。

一方で格差を荒れ狂うままにする国には、将来はありません。アメリカも今のまま、中間層を減らすような、政治を続けていれば、いずれ没落します。格差を放置する中国は、今後5年以内に国力がかなり衰え、崩壊の危機にさらされ、今のままであれば、10年以内に必ず分裂します。もう、先がありません。

中国富裕層


だからこそ、私たちは、上記のステグリッツの警告を真摯に受け止める必要があります。そうして、現在残念ながら、来年の4月からの増税を決めてしまった日本は、デフレ解消まで遠回りをすることになりますが、それでも、世界の中をみわたせば、これから先一番見込みがあるのは日本です。なぜなら、景気が悪いといいながら、深刻なデフレに見舞われている国はないからです。そうして、デフレは純然たる貨幣現象であり、必ず克服できます。

しかも、日本とは異なり、ほとんどの国は借金をかかえています。そうして、経済は不況という範囲内を納まっており、デフレという特殊な状況にはないからです。日本の場合は、好景気、不況という景気の循環から逸脱したデフレという状況にあるとはいいながら、政府の借金はあるものの、国は借金どころか、海外に貸し付けてる金の金額が過去20年間1位という事実があるからです。このデフレから脱出できれば、人々が消費を増やすのみにあらず、今まで海外に貸し付けていたお金が、日本に大量に投資されることになり、かなり経済成長が期待できるからです。日本の中間層を活気づけるのは、デフレ解消と、中間層を多数輩出させる、政治システムです。そうして、それは、可能です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年11月17日日曜日

海洋秩序でASEANと連携=安倍首相、中国をけん制―【私の論評】妄想中国に覚醒のためのショックを与え続ける安倍総理大臣、顔をあわせない効果的なコミュニケーションもある!馬鹿共につける薬はこれしかない(゚д゚)!

海洋秩序でASEANと連携=安倍首相、中国をけん制

安倍総理でビエンチャンでの演説

【ビエンチャン時事】安倍晋三首相は17日、訪問先のビエンチャンで内外記者会見に臨んだ。東南アジア諸国連合(ASEAN)について「日本の経済再生に欠かせない友人だ」と表明。同時に「アジアの海を、自由で開かれた安定的なものにするための重要なパートナーだ」と述べ、「法の支配」に基づく海洋秩序の構築に向けて連携を強めていく考えを示した。

首相の発言は、沖縄県・尖閣諸島の領有をめぐって対立する中国が念頭にある。フィリピンなどASEAN加盟国の一部と中国の間には、南シナ海の領有権問題があり、「行動規範」の策定を協議中。首相としては、ASEANと経済、安保など幅広い分野で結び付きを強め、中国をけん制したい考えだ。 


【私の論評】妄想中国に覚醒のためのショックを与え続ける安倍総理大臣、顔をあわせない効果的なコミュニケーションもある!馬鹿共につける薬はこれしかない(゚д゚)!

今回のアセアン諸国外遊により、安倍総理は前ASEAN諸国を歴訪したことになりました。素晴らしい成果です。こ以前のASEAN諸国外遊のときに発言した安倍総理に対して、中国馬鹿共は不快感を示し、安倍総理の言質をとろうとしました。その内容を以下に掲載します。
安倍首相発言に不満=中国 
 【北京時事】中国外務省の秦剛報道局長は11日の記者会見で、安倍晋三首相が8日に中国を名指しし「(日本の)安全保障環境が厳しさを増している」と発言したことに対し、「公然と中国脅威論に言及した」と批判、不満を表明した。 
 秦局長は「日本は再三中国を挑発して一体何がしたいのか。もし中国をライバルにしたいなら、それは相手を間違っており、計算違いだ」と非難。一方で「中国は防御的な国防政策を堅持しており、適当な防衛力を保持するのは国家主権を維持するためだ」と訴えた。 
このくらいの不快感を示すと、民主党政権も、その前の自民党政権も結構オタオタしていたのですが、安倍総理は全くそんなことは意に介せず、今回も冒頭の記事にも記載されているような、発言をして、中国を牽制しました。

一方的に自己主張する人とのコミュニケーションは難しい
これは実は、立派なコミュニケーションです。コミュニケーションというと、そもそも、安倍総理と中国の首脳会談は実現しておらず、だから、全くコミニケーションが成り立っていないと考える方もいるかもしれません。しかし、それは違います。そもそも、コミュニケーションとは直接会って言葉をかわさなくても、とれるものです。コミュニケーションの原理原則をドラッカー氏は、4つにまとめています。以下に、本当に簡単に概要だけ掲載します。
■コミュニケーションの4つの原則 
1.コミュニケーションは知覚である
受け手の分かる言葉で話す。立場を考える。例えば日本語が苦手な外人に話す時を考えましょう。その相手の立場に立ったスタンスが重要です。 
2.コミュニケーションは期待である
人間は自分が知覚しようと期待するものだけを知覚できます。例えば街で薬屋を探しているとき、八百屋の存在は目に入らないものです。 
3.コミュニケーションは要求である
伝える方には要求があります。伝えられる方も要求が強ければ深く伝わるでしょうし、弱ければ(もしくは聞く気がなければ)伝わりません。 
それには、その人の人生観、倫理観、包容力、愛情、使命感など、多くの精神の力を借りて、相手と会話していくことが必要になるのです。 
4.コミュニケーションは情報とは違う
前述のとおりです。コミュニケーションは人間的です。情報と大きく違うことを理解してください。
ドラッカー氏の若い頃の写真、いつも晩年の写真なので本日はこれを掲載

ドラッカーの、この原則の中には、報告・連絡・相談はもとより、直接顔をあわせるとか、そのようなことは一切書かれていません。これらは、コミュニケーションの本質ではありません。あくまで、上の4つが、コミュニケーションの本質であり、原則です。

安倍総理以外の歴代の総理大臣は、直接会うことによって、中国とコミュニケーションを深めようとしました。しかし、過去の結果をみると、このコミュニケーションはうまくいきませんでした。いくら会って何回も話をしたところで、こちら側の意図は、全くつたわりませんでした。これは、上の原則1.コミュニケーションとは知覚であるという原則からみれば、完璧な失敗です。

結局中国は、自分の立場を一方的に押し付けるだけであって、日本側の真意を知覚しませんでした。

いくら、対話をしても、相手がどうしても知覚しないというのであれば、やり方を変える必要があります。そうして、安倍総理が用いた、手は、2.の原則、コミュニケーションは期待であるという原則と、3.原則、コミュニケーションとは要求であるという原則です。

特に2.原則を行使しています。

コミュニケーションが期待であるということは、コミュケーションをしようとする相手の期待を知ることによって、その期待を利用することがはじめて可能になります。相手の期待を知って、さらに、相手がそれをどのような手段を用いても知覚できないということなれば、どういうことになるでしょうか?

それは、相手の期待を木っ端微塵に打ち砕くしかありません。それもゆっくりとではなく、迅速にしなければなりません。ゆっくりと、やれば、相手はこちら側が言っていることが、自分の期待の枠組みに沿ったものであると誤解し、自らの期待をさら強化して、さらにコミュニケーションを交わすことができなくなるだけです。期待を打ち砕く、覚醒のための大ショックが必要です。

これでは、何のことかわからないでしょから、もっと解りやすくいえば、たとえば、新入社員の仕事似対する考え方の間違いに気づかず、不祥事を頻繁に引き起こしていたとします。このようなときに、ゆったりと話あいをしたり、相手の言い分を聞いて話し合いをしているだけではこれは永遠に解決しません。新入社員は、此方側の言い分を受け取ることができず、自分の期待の枠組みをさらに強化するだけです。そんなときには、新入社員の期待の枠組みを木っ端微塵に打ち砕く、激しい叱責が必要だということです。

中国側は、自分の考えを日本に対して伝えるためのコミュニケーションにおいて、いつも、この叱るという行為に近い、罵詈雑言をならべたてるという方式で対処して、過去においては成功してきました。

これに対して、安倍総理は、こち側も罵詈雑言を並べ立てるということではなく、同じコミュニケーションで覚醒のための大ショックを与えるにしても、より効果的に、安全保障のダイヤモンドを提唱し、それに沿って着々と外遊をして、ASEAN諸国を見方につけ、さらにそこで、上記のような発言をして、中国側に意図を伝えるという戦術をとりました。

そうして、今のところ、中国側に対して十分すぎるほどの覚醒のためのショックを与え続けてきました。今回の発言も、十分中国に対しては、中国に対する覚醒のための大ショックになったものと推察します。

そのため、安倍総理式コミュニケーションはかなり効果をあげつつあります。少なくとも、中国側には、安倍総理は今までの総理とは異なり、一筋縄ではいかないという認識を持たせることには大成功しています。それに、最近中国の態度が明らかに変わってきています。その証として、以下のような、報道がなされています。
人民日報コラム、日中関係改善呼びかけ 
 中国共産党機関紙、人民日報(海外版)の電子版は20日までに、民間交流をベースに日中関係の改善を呼びかける署名コラムを掲載した。 
 「中日の国民感情を袋小路に追い込むな」と題する高望氏のコラムは、日本の対中円借款や天安門事件後の制裁解除などを評価した上で、日中の国民感情が急速に悪化した現状を反省すべきだと指摘。両国のマスコミ報道が互いにナショナリズムを刺激してきたとして、関係改善に向けた政策の選択肢を確保するため、過剰な報道の抑制を訴えた。(中国総局)
実は、安倍総理は第一次安倍内閣のときから、中国に対するコミュニケーション方式を従来の路線から変更しています。それは、中国との間で取り交わした、戦略的互恵関係というものです。

戦略的互恵関係とは、安倍首相が2006年10月に初外遊先として訪中し、胡錦濤国家主席らとの間で合意した。政治体制が異なる日中の関係を初めて「戦略的」と表現。政治・経済の「二つの車輪」を動かし、両国関係を「さらに高度な次元に高めていく」としたものです。

ただし、この関係の本当の意味するところは、戦略的互恵関係という言葉で、これからの中国との関係は、日本側にとっても利益なることでは、長期的にでもお付き合いしますが、そうでなければ、いっさい関わりをもちませんといういうことです。その意図の表明です。

しかし、馬鹿な日本の左翼などは、先の言葉を額面通りに受け取っています。それは、馬鹿でコミュニケーション能力の低い中国の共産党幹部にも理解できませんでした。

安倍総理としては、第一次安倍内閣時のこの発言は、中国側に知覚されていないことを悟り、第二次安倍内閣ではやり方を変えたのです。それが、安全保障のダイヤモンドであり、ASEAN諸国歴訪の旅であり、旅先での発言です。

着々と、推し進める安倍首相の「安全保障のダイヤモンド」構築と、その過程での中国を意図した、発言の連続により、中国はキリキリ舞されられています。素晴らしい、安倍コミュニケーションの成果です。

しかし、安倍総理は、それなりに下調べをしてこのような行動をしています。日本では、コミンテルンの刷り込みにより中国に対する間違った認識を持っている人が大勢います。

中国は実は日本にとって付き合っても意義ある国ではありません。そもそも中国から輸出も、輸入も、日本のGDPのほんの2%くらいしか占めていません。しかも、これらのほとんどは中国でなくても、十分に代替のきくものばかりです。いままでの日中関係は、全く一方的に中国に利益があっただけです。実は、日本が中国と全く縁を切ってもその影響は日本にとって、軽微、中国にとっては甚大な影響を受けるということなのです。

それからら、反日は、中国共産党に対する非難を日本にかわすためのものであり、全く人為的なもの過ぎません。それに世界の常識では、隣国同士はどの国でも仲が悪いのが普通です。国境を接しながら、仲が悪く無い関係といえば、世界でアメリカとカナダくらいなものです。それ以外、多かれ少なかれ、対立しているのが普通です。

こんなことを総合的に勘案すれば、安倍式コミュニケーションを実施したとして、最悪中国と国交を断絶したとしても、日本はほとんど影響を受けず、中国だけが甚大な被害を被るだけであり、それは、いくら中国共産党幹部が、世界常識を知らない私腹を肥やすことにだけ頭がまわる、愚鈍な馬鹿揃いといっても、実際ある程度の窮地においこまれれば、そのことをはっきり認識するに違いありません。

安倍総理はこのことをしっかり認識して、計算づくで、安倍式コミュニケーションを発動して着々と成果をあげつつあるのです。したたかです。従来の総理大臣や政権幹部にはみられないことです。

安倍総理の判断は全くただしいです。以下に、このブログに以前掲載した、中国共産党幹部どものキリキリ舞いぶりを掲載します。
安倍首相を東南アジアの各メディアが“援護”、「太陽が再び日本から昇る」「中国の挑発を受けて立とうとしている」―中国紙―【私の論評】中国の共産党機関紙ですら伝える安倍首相の快挙を伝えないどころか、麻生発言偽装までするニッポンマスコミの反日ぶり!ただ大醜態を国民に見破られただけか(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、安倍総理にキリキリ舞させられている中国の実体を示す、内容を以下にコピペさせていただきます。
安倍政権は東中国海の向こうでステップを踏み、中国をそのステップに合わせて踊らせようとしている。そうなれば中国は疲労困憊し、馬鹿げて見えることだろう。中国の正確な手法は「傍観者」になることだ。せいぜい安倍政権には踊らせておこうじゃないか。我々はひまわりの種をつまみながらお茶を飲み、彼らが踊りに疲れて全身汗だらけになる様子を楽しめば良いのだ。
汗だくは、日本ではなく中国だ(゚д゚)!
これは、「環球時報」7月に掲載された内容です。環球時報といえば、中国共産党機関紙です。これが、このような内容をわざわざ掲載したということは、中国共産党幹部どもは、安倍総理の行動にキリキリ舞させられていることを示しています。そうでなければ、わざわざこのような記事を掲載する必要性は全くありません。

もうこの時点で中国側は、苛つきを隠せないレベルにまで達していたということです。現実には、安倍政権は、ステップを踏み、中国をそのステップに合わせて踊らせていたということです。そうして、中国は疲労困憊して、馬鹿げて見られていたということです。安倍政権は、敢えて首脳会談もすることなく、「傍観者」を決めこみ、ひまわりの種ではなく、ピーナツを食べながら、お茶を飲み中国が踊りに疲れて全身汗だらけになる様子を楽しんでいたということです。そうして、現在はさらに中国の疲労困憊はさらに進んでいるということです。

ちなみに、ひまわりの種は、日本では食べ物という意識ありませんが、実際食べてみると、美味しいです。中国では広くスナック菓子などとして利用されています。日本でいえば、ピーナツという感じです。

外国では普通に売られている食用のひまわりの種

人と人との間でも、国と国との間でも、いくら頻繁に会ったとしても、肝心要の本当の意味でのコミュニケーションは成り立っていない場合があります。コミュニケーションの究極の目的は、ただ単に情報を伝え合うということではありません。それは、最終的には片方もしくは、両方の心を変えるということです。

だから、安倍総理流対中国コミュニケーションが他のどの手法よりも、効く場合もあり得るのです。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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中国経済、大混乱! 飛び交う“銀行デフォルト連鎖”の噂―【私の論評】日本銀行が中国麻薬漬け金融政策をやめた途端この有様、日本人や中国社会のためにも、安全保障の観点からもアベノミクスの頓挫は許されないぞ(゚д゚)!



【関連図書】



2013年11月16日土曜日

重要なのはアベノミクスの第1の矢だ:JBpress (日本ビジネスプレス)―【私の論評】第三の矢などずっと後回しで良い!そんなことよりも、デフレ脱却が最優先課題であり、そのために一番重要なのは金融緩和である!似非ケインジアンにだまされるな(゚д゚)!

(2013年11月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

安倍晋三首相が日本の経済的活力を取り戻す計画を公表してから1年経った今、大規模な金融拡張という首相の第1の矢は、誰も想像できなかったような早さで飛んでいる。急激に円安が進み、株価は上昇した。インフレの炎がどれだけ続くかについて疑問はあるものの、消費者物価上昇率は1%に向かってじわじわ上昇している。

今年上半期には、日本経済は年率4%という見事なペースで成長した。誰も、何年もこんなことは見たことがない。

アベノミクスの推進者安倍首相

第3の矢は別問題だ(「機動的」な財政政策という第2の矢は、支出を拡大した後、縮小することになるため、ここでは除外する)。第3の矢である構造改革は、仮に放たれたとしても、身が入らない状態で放たれた。そして、本当に重要なのは第3の矢だ、というのが大方の意見だ。潜在成長力を高めるための改革や規制緩和がなければ、アベノミクスは次第に弱まり、経済は振り出しに戻ってしまう、というわけだ。

だが、大方の意見に反して、安倍首相の第3の矢は矢筒の中にある最も重要な武器ではない。その栄誉は第1の矢のものだ。誤解のないように言えば、日本が構造改革を通じて生産性を向上させる必要があることを疑う人は誰もいない。それが必要のない国などない。

15 年のデフレから脱却することこそがアベノミクスの神髄

しかし、アベノミクスについて本当に急進的なのは、日本を15年に及ぶデフレから解放するための大胆――無謀と言う人もいる――な賭けだ。

日本は初めて、中央銀行は特定のインフレ目標を達成できる――そして達成する――と話す総裁をいただいている。日銀は長年、中央銀行にはそうするだけの力がないと強く示唆し、日本の救いは構造改革にあると言ってきた。

言い換えれば、アベノミクスの斬新さは、金融政策を取り戻すところにあるのだ。

2%のインフレを達成することは万能薬ではない。債券利回りが制御不能なほど上昇し、債務の返済を難しくするようであれば、この目標達成は危険を伴う可能性もある。インフレがそれだけで、いかにして労働参加率を押し上げ、コーポレートガバナンス(企業統治)を改善し、女性を自由にし、日本をもっとオープンにするのかという、根本的な問題を解決するわけではない。

だが、デフレ退治は最低必要条件だ。デフレは20年近くにわたり、有害な影響を及ぼしてきた。過去の債務、特に公的債務は、債務を軽減する物価上昇という魔法がなかったために、ずっとシステムにまとわりついていた。

デフレは、アニマルスピリッツを籠に閉じ込め、銀行に融資を思いとどまらせる一方、企業と個人に借り入れや投資を思いとどまらせてきた。デフレ退治よりも構造改革を優先することは、たった今心臓発作で倒れた人に向かって、低脂肪の食事療法にすることが先決だと言うようなものだ。

重要だが、時間がかかる構造改革

この見方には反論がある。1つは、これが二者択一の問題ではないというものだ。第1の矢と第3の矢は、同時に配備できる。安倍首相は、政治的資本を持っている今のうちに、矢を放つべきだという。

外国人は、安倍首相が真剣であることを示す証拠として構造改革の兆候を見たがっている。これが、大衆薬をインターネット上で販売する計画が骨抜きにされたことに非常に大きな失望が広がった理由だ。

マウスをクリックして風邪薬を注文できることが経済を回復させることになると真面目に考える人は誰もいない。だが、投資家は象徴的なものを重視する。安倍首相が、リスクを嫌う医師や従来型の薬局と戦うことができなければ、もっと幅広い改革について、どんな望みが持てるだろうか?


実際には、安倍首相の構造改革はこれまでの政権の改革案を焼き直したものだ。首相自身は改革の重要性を強調しているが、これは部分的には、アベノミクスが本当は何なのかということから注意をそらせる狙いがある。つまり、紙幣を増刷し、円を切り下げることだ。

小泉純一郎元首相は10年前、経済活性化の名の下に「聖なる牛を虐殺した(聖域にメスを入れた)」が、今でも多くの牛がまだ楽しく反芻している。

48ページに及ぶロードマップと37項目にわたる産業再生などでいっぱいの全94ページの安倍首相の計画は、あらゆる政策手段を網羅している。ただ、悲しいかな、これは壮大なビジョンを示すものでもない。

・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・

アベノミクスにできる最善の貢献

日本社会を変えるための強力な後押しが出てくる可能性は小さい。社会的保守派の安倍首相は19世紀への郷愁の念が強すぎて、日本を猛然と21世紀へと推し進めることはないだろう。それを除くと、目の前にある根本的な課題は、デフレを退治し、日本をより持続可能な財政の軌道に乗せることだ。

それが日本の問題をすべて解決するわけではない。だが、絶対不可欠な第一歩になる。恐らくそれがアベノミクスにできる最善の貢献だろう。

【私の論評】第三の矢などずっと後回しで良い!そんなことよりも、デフレ脱却が最優先課題であり、そのために一番重要なのは金融緩和である!似非ケインジアンにだまされるな(゚д゚)!

上の記事、ほぼ正解なのですが、なにやらヌタヌタした書き方で、あまりはっきりしません。要するに、まともなマクロ経済学的な立場からいえば、デフレなどの不況のときは、まずは何といっても金融緩和政策が最重要だということです。煎じ詰めれは、上の記事はこれだけの内容です。

当たり前のど真ん中です。何も新しいことはありません。現状の日本は、デフレなのですから、成長戦略、構造改革などよりも、まずは大々的金融緩和を行わなければならないです。その次に財政政策を実施すれば、成長戦略や構造改革などすぐにしなくても、デフレは回復します。というより、政府主導、すなわち官僚主導でへんてこりんな、構造改革など大々的に実施しても、何も良いことはなく、かえってデフレ脱却の足をひっぱるだけです。まずは、金融緩和をしてデフレから脱却すべきです。

上の記事、日本の来年の4月からの増税についての内容が全くないのが、バランスを欠いていると思います。イギリスは、2011年に財政赤字を縮小することを目的として付加価値税の大々的な増税を行いました。その結果、景気がさらに落ち込み、若者の雇用が極端に悪化して、暴動などが発生しました。この若者雇用を改善すべく、イングランド銀行(イギリスの中央銀行)は、大々的な金融緩和を行いましたが、それでも景気は回復せず、結局現状では税収が減り、財政赤字の縮小も目処がたたない状態です。

結局、イギリスの付加価値税増税は、大失敗でした。日本でも来年の4月からの増税が決まりました。イギリスは、増税の後金融緩和をしました。日本は、金融緩和の後デフレから脱却していないうちの増税ということになり順番は違いますが、いずれも、増税しながらの金融緩和ということでは共通点があります。であれば、上のフィナンシャル・タイムズでは日本の、増税+金融緩和というやり方は、全くの間違いであることを掲載すべきでした。実際、増税は、金融緩和の効果を削ぎ、デフレ脱却の時期を遅らせるだけのことになります。無論、税収も減ることになり、デフレを長引かせ、その結果として雇用状況も悪化、ブラック企業が増え、良いことは一つもありません。

それにしても、日本ではまだ十分にやりもしないうちから、金融政策や財政政策だけでは今の日本は、経済成長できず同時もしくは、早期に構造改革や成長戦略を実施しなければならないと信じ込んでいる超ド馬鹿な識者といわれる人々、政治家や官僚が大勢いるといことが驚きです。デフレの現在、成長戦略をやったり、構造改革をやっても、砂上の楼閣です。まずやるべきは、確実に一刻も早くデフレからの脱却です。成長戦略や、構造改革などその後じっくりやっても良いものです。あるいは、やらなくても済んでしまうことも十分考えられます。

これは、手術がすぐに必要な慢性病患者に対して、塩分の低い食事、栄養失調にならないように、肉をある程度以上食べるようすすめているようなものです。ちなみに、従来はコレステロール過多などの弊害のため、肉の食べすぎは、控えるようにいわれていましたが、最近は、特に高齢者でさっぱりした野菜中心で肉をほとんど食べない食事が健康に良いとの錯誤から、栄養失調になり病気や老化を促していることから、肉を食べるようにさせるキャンペーンが行われています。確かにこのような配慮は重要なのですが、手術が必要なまでに悪化した患者に、もっと肉を食べろといっても全く意味はなく、まずは、手術をすべきでしょう。その後に、健康維持のための方法を生活指導して、病気の再発を防いだり、予防行為をすべきです。

は? 超ド馬鹿の政治家代表?そもそも、似非ケインジアンでもない?

このにような愚かな主張をする人々は、日本があまりにも長い間デフレスパイラルの泥沼に落ち込んでいるため、デフレが通常の状態だと思い込み、特に金融政策などまだ十分に効果をあげないうちから、あるいは金融緩和だけでは不十分として、成長戦略や構造改革が必須であると信じ込んでしまうのだと思います。この考えは全くの間違いです。デフレは経済の癌です。しかもインフレよりも始末が悪いです。インフレの場合は、とんでもないインフレで年率100%とか、とんでもないハイパーインフレになり、すぐに生活に大きな支障がでるため、誰もが度を超したインフレは大問題だといことがわかります。

しかし、デフレは最大でも年率2%くらいのものにしかならず、ハイパー・デフレなどありません。2%くらいだと、1年くらいでは誰もその弊害に気づきませんが、3年、5年、10年となるとじわじわと雇用や消費に悪影響を及ぼします。そもそも、デフレは異常な経済であり、通常の経済循環の景気が良い、悪いという状況を逸脱したものです。これは、何をさておいても、デフレから脱却して、すくなくとも景気が悪いという状況にもどするのが王道中の王道です。特に変動相場制の国では、金融緩和が効き目が強いということもすでに、わかっていることです。

しかも、その悪くなり方が少しずつのためであるため、まるで多くの人々が茹で蛙のようになり、悪化していること気づきません。現在の日本はまさに、その状況にあります。GDPデフレーターはここ20年右肩下がりに下がりっぱなしです。そうして、この状況を脱却するには、一番重要なのは、金融緩和です。アベノミクスの、三つの矢のうち、もっとも効果があるのは、金融緩和であり、その次は、財政政策であり、一番効果が薄いのは、成長戦略です。

デフレはゆでガエルを醸成する?

現在の日本では、デフレを脱却するだけで、かなりの経済成長が期待できます。

上の記事では、この当たり前の事実をもってわわって、グタグタと書いていますが、これは、マクロ経済学上の常識であり、当たり前のど真ん中です。

これに関して、経済評論家の上念司氏司会による、経済史家の田中秀臣氏と、塚本ひかりさんの対談があります。以下に掲載しますので、是非ごらんになってください。



この動画の補足が、上念氏のFBに掲載されていましたので、下に引用しました。これもあわせて、是非ご覧になってください。
似非ケインジアンに告ぐ(補足説明) 
「似非ケインジアン」の定義は「ケインズは金融政策を否定し、財政政策の効果しか認めていない」と思い込んでいる人です。これは検定教科書の記述を丸暗記する事の弊害でもあり、次元を越えた日教組との闘いでもあります。財政派の一部(バカな人)も該当しますがもっと広い概念です。 
「似非ケインジアン」には①意識的なものと②無意識的なものがあります。
①はケインズの権威を利用して自説を強化するための意図的な剽窃、プロパガンダ。
②は単なる無学、無知が原因です。 
ケインズの著作やイギリス政府への提言を読めば、彼がどれほど金融政策に関心があったかはわかるでしょう。金本位制復帰に関する議論などは、まさに「デフレは貨幣現象である」という認識に立っています。これは「似非ケインジアン」には不都合な真実でしょうが、事実なんで受け入れなきゃだめ。 
変動相場制においては、「金融緩和>>>>>>>財政政策」であるという事実を認めるかどうかです。敢えて言わせてもらえば、財政政策だけ、というのは完全に間違いですが、金融政策だけなら半分ぐらい正解になっちゃいます。 
金融緩和+財政政策+その他の政策で、デフレ脱却に向けて百点満点だと仮定すると、その内訳は金融緩和で80点、財政政策で10点、その他で10点ぐらいのイメージです。(あくまでイメージです) 
財政政策の効果は否定しませんが、限定的であると言うだけの話です。
似非ケインジアンには、いろいろなタイプがいますが、私が思うに一番悪質なのは、金融緩和政策を全く否定し、財政政策しか効果がなく、しかもその財政政策を成長戦略および構造改革を結びつけ、成長戦略、構造改革を大々的に行うことが最も効果があるとする人たちだと思います。 全く見当違い、方向違いです。

不景気には、何をさておき、金融緩和です。これに関しては、イギリスを含むEUについてクルーグマン博士は、以下のような記事を書いています。
クルーグマン「欧州に必要なのは穏やかなインフレだ」


詳細はこの記事をご覧いただくものとして、金融緩和に関わる部分を掲載します。
欧州のインフレ問題:それは,低すぎるってこと 
実のところ,穏やかなインフレは現代経済にとっていいことだ.理由は2つある――1つは需要にかかわり,もう1つは供給にかかわる. 
需要の方について言うと,インフレは金利のゼロ下限問題を弱めてくれる:名目金利はマイナスになりようがないけれど,穏やかなインフレが予想に定着しているかぎり,実質金利の方はマイナスまで下がりうる. 
供給の方について言うと,インフレは名目賃金の下方硬直性の問題を軽減してくれる:人々は賃金切り下げを要求したり受け入れたりするのにすごく抵抗する.これは,大勢の労働者の相対的な賃金が下がる「必要がある」ときに深刻な制約になる. 
どちらの問題も,アメリカで大いに生じている.でも,欧州ではいっそう事態はひどい.あちらでは,財政政策がきわめて縮小的になっっている――ユーロ圏周辺地域の国々でえげつない緊縮策が,そして中核的な国々で予防的な緊縮策がとられたおかげだ.これにより,頼りになるのが金融政策しかなくなってしまった――それに,周辺国は大幅な内的な通貨切り下げも必要となっている. 
このことを踏まえると,欧州のインフレに関する最新の数字 は,とにかく悲惨だ:昨年のコアインフレ率はたった 0.8 パーセントでしかない. 
ところが,欧州の当局では,欧州中央銀行が金融市場をなだめて一部の国ではわずかな経済成長が見られるので,危機は終わったと考えている始末だ.
インフレ率を高める政策といえば、無論金融緩和策です。このような記事を読むと、いわゆる茹で蛙状況は、日本だけではなく、欧米にもみられる現象であることが良くりかいできます。

とにかく、デフレからの脱却ということになれば、日本はもとよりいずれの国でも、まずは何をさておいても、金融緩和ということです。無論、積極財政政策もやるべきです。両方とも実行することが、最も効果があるってことです。そうして、増税は積極財政ではなく、緊縮財政であり、本来はやってはいけないということです。これに反することを言う人は、間違いってことです。本当の経済の原則というのは、それを実施対策レベルに移すということは難しいとは思いますが、その原則は単純です。

様々な、小さな現象にわずらわされることなく、現実を直視すれば誰にでも理解できるシンプルなものです。こういうシンプルな原則を、上のフィナンシャル・タイムズの記事のような語り口調でヌタヌタと説明するのは、幸いなことに上の記事自体はおおむね正しいのですが、たいていは間違いと捉えて良いです。当該国の、インフレ率など問題にせず、当該国の景気の悪さは、もっぱら海外の影響によるものと主張するのは典型的な間違いです。今の日本、いくら海外の経済がどんなに好転したとてしも、日本国内のデフレの基となっている事柄が、解消されない限り、永遠に解消されません。この当たり前のど真ん中を理解しなければ、似非ケインジアンにも簡単にだまされることになってしまいます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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