2011年2月28日月曜日

商品価格上昇の原因は実需=OECD―【私の論評】やっぱり、昨日書いたように、サンケイ新聞の記事は、『バカも休み休みいえ!!そんなんで、日本は救われない!!』だった!!

商品価格上昇の原因は実需=OECD


中国は以前からインフレ傾向だが、他の国もこうなるのか?

さて、本日は、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事が、昨日の私のブログで展開した、論を査証するものと判断できたので、その要約を以下に掲載します。(元記事URL:http://goo.gl/8rUnd)
【ワシントン】経済協力開発機構(OECD)は4月の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に提出する報告で、小麦、砂糖、綿花、金属、石油、その他の商品の価格上昇は一部で指摘されているような投機筋によるものではなく、世界の需要が供給を上回るペースで伸びていることが主因だとの見解を示すことが、報告書の草案で明らかになった。 
この報告を受けて世界的に商品生産を増やそうとする動きが強まる可能性がある。また、一部の政治家から世界的なインフレをあおっているとの不満が出ている米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和策への批判が和らぐことも考えられる。 
OECDのピエール・カルロ・パドアン事務次長兼主任エコノミストはウォール・ストリート・ジャーナルとの会見で、「価格上昇の背後にある金融的要因と構造的要因を区別することは非常に難しい」と述べた。 
小麦価格は、昨年夏のロシアでの干ばつと火災、これに伴う輸出禁止によって押し上げられた。その他の農産物も米国や欧州、オーストラリア、アルゼンチンでの生産の落ち込みを背景に値上がりした。 
OECD報告草案は、農業投資は過去数年ほとんど行われておらず、生産性も停滞していると指摘。その一方で、世界で人口の最も多い中国とインドの食料需要が経済の急成長に伴い増大していると分析している。パドアン次長は、石油についても同様のことが言えるとしている。 
石油価格は、北アフリカと中東での反政府運動の高まりで1バレル=100ドル(約8200円)を超える前から、世界経済の強まりを受けてここ数カ月間上昇している。先週末25日の北海ブレント原油先物は1週間前に比べて9.4%高の112.14ドル、米国産標準油種WTI先物は9.1%高の97.88ドルで終わった。 
バーナンキFRB議長も、米国の金融政策が大量の資金を中国などの新興国と商品市場に流入させているとの批判に対してOECDと同様の見解を示しており、原因は新興国の急成長とこれら諸国の不十分な政策対応にあるとし、中国が人民元の切り上げに消極的なことを例に挙げた。 
昨年11月にソウルで開かれたG20サミットでは、ちょうど1週間前にFRBが6000億ドルの国債購入計画を発表したことから、オバマ米大統領がFRBの政策はインフレを助長しているとの批判に直面することとなり、大統領の中国に対する人民元切り上げの一段の要求は影が薄くなってしまった。
【私の論評】やっぱり、昨日書いたように、サンケイ新聞の記事は、『バカも休み休みいえ!!そんなんで、日本は救われない!!』だった!!
さて、昨日は産経新聞の『強欲が「世界」を崩壊 デフレ日本はどうなる 消費税10%以上相当の富を喪失』という記事の内容があまりに酷い内容だったので、そのすべの内容にことごとく反論を掲載しました。

簡単にいうと、現在の商品価格の高騰は、投機筋のよるものであり、その結果、日本国内ではインフレとなり、とんでもないことになる。そうして、これを防ぐためには、輸出価格をあげなければ、消費税10%以上相当の富を喪失するというものでした。

これについては、どう解釈してもあまりに内容がおかしいし、酷いので、どうしょうかと考えましたが、結局私が出来る範囲内で、反証を掲載しました。その反証をご覧になりたい方は、以下のURLをご覧になってください。

http://goo.gl/gcVDp

この記事を書いた、記者は、この記事の冒頭で、「ニューヨークの金融街を舞台にしたオリバー・ストーン監督の映画『ウォール・ストリート~カネは決して眠らない』で主人公、ゴードン・ゲッコーはインサイダー取引罪による服役8年を終え、娑婆(しゃば)に復帰する。市場での金融商品の氾濫(はんらん)ぶりにあきれ、「強欲が合法化されたのだ」と喝破した。が、現実のドラマは次へと進む。金融バブル崩壊から2年余りの今、「強欲」が世界を壊し始めたのだ。デフレ日本はどうなるだろうか」などと書いていました。まさに、現実とフィクションが交錯しているという感じでした。困ったものです。


しかしながら、上記のウォール・ストリートの「商品価格上昇の原因は実需」が、事実であれば、この記事の内容は、前提から完全に崩れるわけです。そうして、おそらく、WSJの記事のほうが正しいと思います。

サンケイの記事は、インフレになることばかりではなく、さらに、輸出価格をひきあいにだし、輸出価格をあげなければ、とんでもないことになるという、理解不能の論まで展開しています。

どうやら、「日曜経済教室」と題するものをサイトに転載したもののようですが、一体どなたが書かれたんでしょうか。まさに、「トンデモ記事」だと思います。

少々、荒っぽいとは思いましたが、昨日すぐに掲載して良かったです。昨日の私のブログの記事にコメントされた方がいましたが、その方のコメントは、以下のようなものです。

「書かれている内容同感です。日本を破壊したい人が多いのか困ったものですね」

本当に、日本ではなぜか、経済記事というと、日本が破滅するとか、破壊されるなどの論調が多すぎます。このブログを読まれている方は、このような記事に惑わされることなく、真実を見つめていただきたいと思います。

最近、会社の後輩に、「日本の新聞を読んでいると、日本の経済がわからなくなる。ウォール・ストリート・ジャーナルを読んだほうがかえって判る」ということを言いました。最近では、まさにそんな感じです。サンケイなどまだ良いほうです。他紙では、もっと酷いものも、散見されます。本当に困ったものです。

さて、それにしても、理由が何であれ、商品価格が高騰することは、悪影響があることは確かです。しかし、上の記事にもあるように、投機筋など、おそらく、関係しておらず、世界の中で、余剰なものを足りないところに回したり、あるいは、農産国であれば、増産すれば、なんとかなります。

長期的にはどうなるかという話もありますが、現在でも、アフリカがアジアなみに農産物を生産できる体制になれば、世界の食料不足はすぐにでも解消すると、ドラッカー氏も著書で述べておられました。やりようは、いくらでもあるわけです。こんな情報も提供しないで、煽るだけでは、無責任ですね。でも、煽り記事を書けば、話題となり、有名になり、それによって人気を博してお金儲けができるということなのでしょうか?困ったものです。

私が、マスコミの嘘に目覚めたのは、大学時代の恩師の言葉によるものです。これに関しては、以下のURLをご覧になってください。

http://goo.gl/oLFN

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強欲が「世界」を崩壊 デフレ日本はどうなる 消費税10%以上相当の富を喪失(サンケイMSニュース)―【私の論評】バカも休み休みいえ!!そんなんで、日本は救われない!!

2011年2月27日日曜日

強欲が「世界」を崩壊 デフレ日本はどうなる 消費税10%以上相当の富を喪失(サンケイMSニュース)―【私の論評】バカも休み休みいえ!!そんなんで、日本は救われない!!

強欲が「世界」を崩壊 デフレ日本はどうなる 消費税10%以上相当の富を喪失(サンケイMSニュース)



ニューヨークの金融街を舞台にしたオリバー・ストーン監督の映画『ウォール・ストリート~カネは決して眠らない』で主人公、ゴードン・ゲッコーはインサイダー取引罪による服役8年を終え、娑婆(しゃば)に復帰する。市場での金融商品の氾濫(はんらん)ぶりにあきれ、「強欲が合法化されたのだ」と喝破した。が、現実のドラマは次へと進む。金融バブル崩壊から2年余りの今、「強欲」が世界を壊し始めたのだ。デフレ日本はどうなるだろうか。

■迫るインフレの津波

昨年から高騰を続けている原油、穀物など国際商品の高騰は実際のモノの需要・供給関係とはほとんど関係がない。カネがなせるわざである。本欄2月13日付で述べたように、金融機関救済のために米連邦準備制度理事会(FRB)が垂れ流すドルは金融機関の投機資金と化して穀物や原油市場になだれ込み、相場をつりあげる。食料高騰の波を世界で真っ先に受けた中東・北アフリカで民衆が蜂起したが、独裁者に封じ込められていたイスラム諸勢力がパンドラの箱から飛び出した。インフレの大津波が押し寄せる共産党独裁の中国も内部で動揺が広がっている。

■攻勢強める投機勢力

商品相場を支配するのはウォール街やロンドン・シティ、スイス・チューリヒなど国際金融センターに巣くう大手金融グループである。英国の金融グループ、バークレイ・キャピタルによれば、これら投資ファンドによる商品投資残高は2009年から急増しており、11年は前年比で900億ドル増え、4200億ドルに達する見通しだ。

商品市場の規模は商品指数先物で2千億ドル程度、原油が千数百億ドル程度で、穀物、金属など商品すべてを合計しても、株式や債券市場規模の1%にも満たないのだから、投資ファンドの手でいとも簡単に相場が跳ね上がり、荒稼ぎできる。
ゴールドマン・サックス、J・P・モルガン・チェース、シティバンク、クレディ・スイスなどは、先物、スワップなど商品相場の変動を一種の保険商品にした金融派生商品(デリバティブ)取引を手がける。米金融監督機関(OCC)の報告では、穀物相場が再び急騰し始めた10年第3四半期の商品関係のデリバティブの収益は連結ベースで13億1200万ドル(約1100億円)と前期の5億2800万ドル(約440億円)の2・5倍に上った。デリバティブの大半は不透明で、金融資本や投資ファンドの仲間同士の相対で取引される。米商品先物取引委員会(CFTC)など各国監視当局は規制強化を試みるが、金融資本の反対を受けて頓挫している。先のパリでの先進国・新興国20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも監視強化の結論は出なかった。投機勢力はますます攻勢を強めるだろう。
日本でもすでにガソリンや小麦などが値上がりし始めている。そこで物価が下がり続けるデフレが一転してインフレになるとの警戒論が政府や日銀内部にあるが、事態はそれほど単純ではない。日本全体が貧しくなり、経済のパイが小さくなるのだ。
グラフは日米独3カ国の輸入と輸出の単価の推移である。08年前半にも余剰マネーが商品価格を高騰させ、どの国も輸入コストが急上昇した。値上がり分の富が輸出国に流出するのだが、ならばコスト上昇分を輸出価格に上乗せすれば取り返せる。ドイツはしっかりと輸出単価を引き上げ、奪われた所得を取り返している。米国も輸入コスト上昇後の1年以内には輸出と輸入の単価変動幅をバランスさせている。
■日本は輸出価格上げよ
 日本はその点、とられっぱなしである。輸入コストが米独よりはるかに大きく増えたにもかかわらず、輸出価格はわずかに引き上がったあと横ばいで、最近の原材料輸入価格上昇に際しても、輸出品値上げに踏み切っていない。輸出、輸入の総額と単価をもとに計算すると、08年、日本は二十数兆円、消費税に換算して約10%相当の富を失ったことになる。今回は、このまま価格高騰が続けば08年をはるかにしのぐ所得が失われよう。
 具体的に言えば、家電や自動車業界などは原材料コストが上がっても製品輸出価格を抑える。コスト上昇分は賃金や雇用のカット、下請けや中小・零細企業への発注単価の切り下げで対応する。この結果、家計の所得はさらに減り、消費が縮む。見かけ上、物価が上がり不況が深刻化する「スタグフレーション」に陥る。新卒者の就職がますます難しくなるだろう。
 経済に疎い菅内閣は家計を追い込む消費税増税で自民党を抱き込むしか頭にない。野党側も景気対策よりも政局優先だ。商品高騰は対岸の火事ではない。国会は緊急事態との危機感に目覚めよ。
【私の論評】バカも休み休みいえ!!そんなんで、日本は救われない!!
この新聞記事の記者、もっともらしいことを書いていますが、ほんとうに勉強不足ですね。この種の出鱈目嘘八百記事、もういい加減にやめてもらいたいです。上の記事の冒頭には、映画の記載もされていますが、この記事を書いた記者は、映画のような仮想現実に浸ってこの記事を書いていることは明らかです。映画は、映画であって現実ではありません。

では、上の記事の内容の間違いや、不勉強をことごとく看破していきましょう。

まず食料品の値上げで、小麦がどうのこうのと語っていますが、小麦、米などの日本国内における価格は世界と比較するとどういう事になっているのかこの記者は理解しているのでしょうか?正確な数字では、覚えていないのは、世界水準から比較すると、馬鹿高いことは皆さんご存じたと思います。

こうした消費者価格によって、日本では、日本の農家を守ってきたといういきさつがあります。これが、日本以外の国が、補助金を使って守ってきたのとは随分違います。日本以外の他の国では、穀物相場があがれば、もろに影響をうけますが、日本はどうでしょうか?穀物相場が変わったとしても、さほど影響を受けないでしょうね。もともと、高いんですから。私自身は、反対ですが、TPPに加入したとしても、たとえ穀物相場がかなりあがったとしたとしても、日本に入ってくる小麦などの従来の水準からすれば、国内価格は随分安いということになります。それに、日本は、いわゆるカロリーベースで考えた自給率(世界でも稀な統計の取り方で、日本以外で採用しているのは韓国くらい)は低いですが、その他の農産物の自給率はかなり高いです。皆さん、日々食べている、人参や、玉葱はどこの産物ですか?ほとんど国内産ですね。

次に、原油はどうでしょうか、確かに投機筋が動けば一時的に、値上がりはするかもしれませんが、それも、一時的なことであり、そんなに長引くということは、考えにくいです。たとえは、2007年当時には、バイオエタノールによって、穀物相場があがるとして、大騒ぎなったことがありますが、あれは、どうなりましたか。私は、あの当時このブログにその話題を掲載して、これもあまり続かないだろうということを掲載しましたが、そのとおりになりました。いまでは、そのことすら忘れている人も多いのではないかと思います。それだけ、投機筋だけが頑張ったとしても、人為的高価格を維持することは難しいということです。

その後も、小麦の価格の上昇や、原油価格の上昇がありましたが、それもすぐに終息しています。大騒ぎするには値いしないと思います。

それにゴールドマン・サックス、J・P・モルガン・チェース、シティバンク、クレディ・スイスなどは、先物、スワップなど商品相場の変動を一種の保険商品にした金融派生商品(デリバティブ)取引を手がけるなどとして脅威をあおっていますが、投資家しかも機関投資家ってそんなにバカなんですかね。つい最近、サブ・プライムローンで、失敗したばかりです。これらの金融バカどもが、いくらあおっても、そんなに簡単にダマされる投資家も、投機家も存在しないのではないかと思います。かれらからすれば、「ああまたかい」くらいのモノだと思います。まあ、少数の愚かな金融バカ、賭博師がひっかかって、若干あがることはあっても、これから恒常的にあがり続けることなどほとんど考えられません。

最近では、あのサブプライム・ローンよりも、もっと低劣なCO2排出権取引も低調で、やはり、まともな投資家、投機家は相手にしていないということがわかります。

それに、国単位でも、あのギリシャの財政問題は、何も金融危機以降に始まったわけではなく、ギリシャ政府は長年にわたって統計をごまかして財政赤字の実際の大きさをEUの本部に隠していました。しかもその隠蔽工作にアメリカの金融機関が加担していました。

たとえば、投資銀行であるゴールドマン・サックスやJPモルガンは、金融デリバティブを使って、ギリシャの国家歳入を一時的に増やすという巧妙な技を提供してきました。これは、ギリシャ政府に対する事実上のローンなのですが、デリバティブの一種である為替スワップや金利スワップを使うと、その取引を「為替上の取引」や「売り上げ」と扱うことができ、財政のバランスシートの「債務面」に記載する必要はなかったのです。そのため、外部の人間にはギリシャ政府の財政赤字の実態が見えにくくなっていました。

しかし、その後、あの愚かなギリシャ政府ですら、アメリカの金融バカの手口にはのらなくなりました。ギリシャの深刻な財政危機が明るみに出る以前の2009年11月に、ゴールドマン・サックスからの一団がギリシャ政府を訪ね、歳出項目のうち医療関連費を将来に先送りするためのデリバティブ商品を販売しようとしました。しかし、この時ばかりはギリシャ政府も「うまい話」に乗りませんでした。この記者は、世界の投資家や、投機家が愚かなギリシャ政府よりもさらに、馬鹿だとでもいうのでしょうか?

このように、まえからそうだったのですが、最近は特に金融バカはあの手この手で、自分が儲けるためだけに画策するということは、周知の事実になりました。そんな、金融バカのいうことに、まともな投資家や、投機家がのるはずがありませんね。

それから、日本でもすでにガソリンや小麦などが値上がりし始めている。そこで物価が下がり続けるデフレが一転してインフレになるとの警戒論が政府や日銀内部にあるが、事態はそれほど単純ではない。日本全体が貧しくなり、経済のパイが小さくなるのだ。なんて書いてますが、これもわかりませんね。

無論、こんなデフレを放置して、インフレになるなどとのたまう、日銀の担当者に対して、ポール・クルーグマン氏のように゛「銃殺刑に処せ」というのなら、わかりますが、その後のくだりは、もう、何を言いたいのかさっぱりわかりません。

食料品や、原油が仮に、値上がりすれば、いろいろ波及して、インフレ傾向になります。いままで、値下げ一方で、我慢してきた業界も、これが続けば、値上げに踏み切りやすくなります。だから、デフレの現在では、問題どころか、転機になるかもしれません。

さらに最後の最後の、日本、アメリカと、ドイツの輸出価格の単純比較です。このブログでは、何回も掲載してきたように、実は、日本では、輸出がGDPに占める割合は、16%程度に過ぎません。アメリカは、もっと低いです。これが、ドイツでは、40%超え、50%近いです。ドイツが輸出価格をあげれば、相当影響があるでしょうが、日本やアメリカはそんなことはありません。

というより、ドイツは、輸出比率があまりにも高いので、やむにやまれず、上げているというのが実体です。そんなことをすれば、国際競争力が落ちることはわかりきっているのですが、それでは、もたないということで上げざるを得ないというのが実体でしょう。

第一、輸出産業のほとんどは、民間企業がになっているわけで、輸出価格をあげたければ、ドイツのように黙っていてもあげるでしょう。余計なお世話です。それに、日本は、円高傾向です。円高だとどうなりますか?海外から輸入する原材料が安くなるということではありませんか?

最後に書いてある「経済に疎い菅内閣は家計を追い込む消費税増税で自民党を抱き込むしか頭にない。野党側も景気対策よりも政局優先だ」は、正しいです。「商品高騰は対岸の火事ではない。国会は緊急事態との危機感に目覚めよ」は正しくはありません。私は、以前ギリシャのデフォルトは、日本にとって対岸の火事だとこのブログに掲載しました。それと同じような意味において、商品高騰は、日本にとって対岸の火事というより、直近では、多少影響があるものの、多少の範囲であり、全く本質的な問題ではありません。

今、日本が駄目なのははっきりしています。輸出価格がどうのこうのなどは、副次的な問題でしかありません。経済の癌ともいわれるデフレを克服することが最優先です。内需拡大、消費拡大です!!

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2011年2月26日土曜日

高速バス横転 逮捕の大学生は就職活動の帰りか―【私の論評】もう雇用環境は本格的に変わってしまったのかも?

高速バス横転 逮捕の大学生は就職活動の帰りか



広島県の山陽自動車道で、大阪発鹿児島行きの高速バスが横転し、12人がけがをしました。26日午前0時前、乗客の大学生が運転席に来て「降りたい」と言い出し、運転手が「降ろせない」と説明するとドアを蹴り出しました。その後、大学生が突然、ハンドルをつかんで左に切ったため、バスは路肩に乗り上げて横転しました。大学生は殺人未遂の疑いで逮捕されました。

逮捕された鹿児島大学3年の楫田優希容疑者(22)は25日午後11時55分ごろ、東広島市の山陽自動車道を走る高速バスの車内で、運転手からハンドルを奪って左に切り、バスを横転させた疑いです。警察などによると、楫田容疑者は後ろから2番目の席に座っていて、走行中、たびたび運転手の席に来て「降りたい」と要求していましたが、運転手が「降ろせない」と説明すると入り口のドアを蹴るなどしたということです。楫田容疑者は、警察の調べに対して「バスを横転させて自殺したかった」などと話しています。楫田容疑者はスーツ姿で会社の説明資料を持っていたことなどから、就職活動の帰りだった可能性があります。警察では、引き続き詳しい動機を調べています。

【私の論評】もう雇用環境は本格的に変わってしまったのかも?
この学生、鹿児島大学の学生だということで、調べてみましたが、この大学は、国立大学法人でした。偏差値なども調べてみましたが、一応国立大学ということで、地方大学の中では決して低いほうというわけではないようです。

このレベルの大学であれば、従来なら、本人が犯罪を犯したとか、よほど神経的におかしいとかがなければ、超一流とはいわないまでも、中堅どころには問題なく就職できた思います。

あらためて、最近の就職戦線の困難さについて、思い知らされたような気がします。しかし、それは、それとして、この学生いくら、就職活動がうまくいかないからといって、自殺しようとするだとか、それだけでなく、その目的を達成するために、周りの人を平気で犠牲にしようとする態度は、とてもいただけませんね。とばっちりを受けた他のバスに乗っていたお客さん、本当に運が悪くてお気の毒です。

はっきり言わせていただければ、この学生を採用しなかった企業の判断が正しかったことを改めて、証明したようなものです。おそらく、かなり、利己的な性格の持ち主なのだと思います。それに、困難な状況に耐えられないで精神的に弱いことをさらけ出したと思います。

このような人は、学力とかそう言う前に、まずは、まともな社会人になることに努めるべきだったと思います。現在企業に入れば、どこでも、戦場のようなものです。どの企業でも、先行き不安の状況で一生懸命にがんばっている最中です。会社の事業も、前例のない時代に突入し、昔のことをただ継続しているような企業はつぶれてしまいます。会社に入れば、こうした常時不安定なことの連続です。いつも、新たなことに挑戦しなければならなくなります。そんな中に、こんな人が放りこまれたら、とんでもないことになっていたと思います。

このブロクでは、現在は、デフレの最中で、デフレを克服しなければ、何をやっても雇用は回復しないということを再三のべてきました。これは、マクロ経済的にみれば当たり前の事と思います。しかし、これはこれとして、一歩ひいて、ミクロ的な見方をしてみると、企業側としても、最近では、何の仕事もできないし、コミュニケーションもうまくとれない、社会性のない新入社員を定期的に採用する事自体に嫌気がさしているという部分もあるのではないかと思います。

春は進入学や入社シーズンであり、萌え出づる春にふさわしい新鮮なイメージを持つ日本の風物詩です。これにあわせて学校を卒業して新社会人となる就職者が会社での第一歩を入社式で迎えられます。ことしも、まもなくそのシーズンがはじまります。

このことを誰もが当たり前のことと信じて疑わないようですが、実はグローバルな視点からみれば、大変不思議ことなのです。なぜなら入社式というのは日本以外にはない風習であり、習慣だからです。日本の企業で、普通に挙行される入社式では社長の訓示やら辞令を受け、代表者が企業への貢献を誓いの言葉として唱和するなどして社歌斉唱し、社是の唱和などで晴れの儀式として演出されます。これは、日本の社会では、重要な通過儀礼をなしています。

しかし、これをもう少し客観的に見つめてみると、企業の採用が一斉に新卒者に対して行われ、一斉入社となることから始めて意味を持つことです。最近では通年採用が増えてきているようですが、必要なときに人材を採用し、そうでないときは採用を控えるという企業活動の経済合理性に忠実に行動するならばそうならざるを得ないのである。この通年採用では入社式という儀式を構成することは不可能になることは明らかです。実は、日本以外の諸外国では、このような儀式はありません。

すでに、多くの企業が、、早期退職優遇制度、管理職年俸制度、管理職定年制度を導入してから久しいです。いずれ、一般社員も年俸制度になり、そして最終的には通年採用方式が導入されるようになるでしょう。

実は、近年の新卒の就職難に関しては、背後にこのような変化があるのだと思います。現在デフレが克服されず、放置され、そのため新規雇用がなかなか生まれない状況にあります。しかし、実はこうしたことが、先の変化を加速させているのだと思います。

こうした変化の行き着く先は、日本的雇用慣行の終焉です。とどのつまり、今でいうところの、正社員は絶滅することになるでしょう。最終的には、企業にはプロしか残らないことになります。そのなかでも、いわゆるドラッカーがいうところの、知識労働者が主流を占めることになるでしょう。しかし、こうしたプロフエッショナルの知識労働者を相手とする経営の難しさは、未だ多くの経営者が認識していないことでしょう。現状では、せいぜい中高年の労務費を圧縮する手段ぐらいに考えているから、その報いを正確に予測しているものは少ないと思われます。こうした経営のいきつく先は、当然、労働市場の流動化ということになります。

特に、ブロの知識労働者に関しては、もともと会社にロイヤリティーをもつものではありません。実は、彼らは、自らの仕事の専門分野にロイャリティーを持つのです。それは、医師が病院に務めているというのではなく、医師という仕事そのものに誇りと信念を持っているのと同じことです。

労働市場が流動化するということは、実は経営者にとって、特に大企業経営者にとってかなりデメリットが大きいということがいえます。社会が受ける傷も深い、競争が激しくなり、優勝劣敗が明らかになるし、失業率が増え、外国人労働者も増え、犯罪が増え、ぎすぎすした面といかがわしい面が多くなるかもしれません。しかし、社会はもっと開放的になるでしょう。実際、1980年代にアメリカで深刻な不況とレイオフの嵐が吹き荒れたときに、多くの人が失業して自信を失っていたときに、景気が回復し、多くのレイオフされた人たちのうちとくにプロの知識労働者の能力が認められ、多くの人がまた、就職することができました。そのときに、彼らは「自分はできるんだ」と逆に大きな自信をつけたといわれます。このころから、アメリカでも、はじめて、知識労働者の雇用の本格的流動化がはじまったものと思われます。

実は、最近の就職難の背後には、こうした動きがあるのだと思います。しかし、日本には、日本の雇用慣行が根づいています。人々の意識もそれを美徳としているようなところがあります。だから、日本の場合は、ストレートに上記のような筋書き通りには進まないかもしれません。

私は、おそらく、新卒の二本立てのような人事政策が増えてくるのではないかと思います。

以前、このブロクでは野村ホールディングスのG型社員というのを掲載したことがあります。これは、今年から入社する新たなタイプの社員です。この社員の初任給は54.2万円です。

この高額給与にありつけるのは「グローバル型社員(通称、G型社員)」と呼ばれる約40人に限られています。G型社員はインベストバンク、グローバルマーケット、ITオペレーションなど6コースのいずれかに配属されて、世界を相手にビジネスを行います。

G型社員には、配属された部門で必要とされる専門性と海外とのやりとりを過不足なくできる語学力が求められていて、TOEICで800点以上を期待されています。

つまり、入社=即戦力じゃないとダメ。高い給与をもらう以上、当然ですが、彼らには最初から厳しいハードルが課せられているのです。仕事ができなければ、もちろん給与はダウンします。残業手当や家賃補助などはなく、勤務地は異動が発令されれば国内外どこでも行かなければなりません。犠牲にするものも少なくないのです。

おそらく、野村では、このような社員がいなければ、これからの激しいグローバル競争に勝利することはできないと踏んでいるのだと思います。なにせ、野村も日本では最大の証券会社ですが、世界の中の投資銀行という業種の中では、最低レベルですから・・・・・。

しかし、一方では、通常の新入社員も入れています。これらの社員が今後どのように育っていくか、最初から給料の高い社員がやはり、能力を発揮するのか、それとも、今まで通りの新卒が育っていくのか。興味のつきないところです。通常の考えでは、給料の高い、能力の高い社員が、勝利をおさめるように思われるでしょうが、そうとも限りません。能力の高い社員は、独立心も旺盛です。一方の普通の新入社員は、組織によって育てられ、個人的な能力は最初は圧倒的に劣っていますが、、組織運用能力を伸ばしていくかもしれません。

おそらく、いましばらくは、多くの企業で、このような中途入社の社員も含めた、二本立てとか、三盆立ての人事制度にするのではないかと思います。その果てに日本流のプロの知識労働者を満足させる企業ができあがり、そういう企業が発展していくのではないかと思います。おそらく、外見は今まで通り、新卒を大量に雇用しているようにみえる企業でも中身は相当かわってくると思います。今後、従来の日本独自の雇用慣行に後戻りすることはないと思います。

それにしても、この記事の発端となった、学生、このようなことがおこりつつあることなど全くわからないのでしょう。大学側でも、何かの機会にこうしたことを教え込む必要があると思います。いまだと、語学が本当にできる学生なら就職には困らないと思います。それに、語学に限らず、何かに秀でている人は、困らないと思います。

それに、いずれは、雇用の流動化も日本でも本格的に始まるでしょうから、今は中小企業にはいって、そこの会社を大きくするくらいの気持ちで頑張って、本当に自分の能力を伸ばしていれば、いずれどこかの会社など認められる時期もやってくると思います。それに、就職した会社が本当に大きくなれば、何もそこから動く必要もありません。そうすれば、大きな会社の社長への最短コースになるかもしれません。就活で頑張っている学生の皆様、このようなことを考えて、もっと気を楽にして、頑張ってください。これから、努力した人には必ず報われる日がやって来ると思います。だから、間違っても上の記事の学生のようなことをしてはいけません。そんなことをすれば、本格的に将来が閉ざされることになってしまいます。

【関連技師】
P.F.ドラッカーの『ネクスト・ソサエティー』―ポスト金融危機を生き抜く知恵

2011年2月25日金曜日

<中国人が見た日本>日本のドラマが教える「大国の国民」の精神(レコード・チャイナ)―【私の論評】中国人は、本当の意味で「坂の上の雲」を理解することはできない。できるとすれば、中国が分裂したときだ!

<中国人が見た日本>日本のドラマが教える「大国の国民」の精神


2011年2月23日、中国誌「週末画報」の編集者、孫驍驥(スン・シャオジー)氏が「日本民族の個性とメロドラマ」と題した記事を中国のブログサイト・鳳凰博報に掲載した。以下はその内容。

その民族の個性を知るためにはどこを見れば良いか?それは、庶民が1 日の仕事を終えて帰宅した後に見る、いわゆるゴールデンタイムのメロドラマだ。例えば、筆者も疲れた身体をドカッとソファに投げ出し、気分転換しようとテレビをつけることがある。だが、ここで疲れは一気に倍増だ。画面に映し出されるのは「三国志」や「西遊記」といった類の人形劇か、主婦が好きそうな「惚れたはれた」系の恋愛ドラマばかりだからである。

さらに、インターネットでは官製メディアが「2010年の国産テレビの総まとめ:民族精神と想像力の相乗効果」を特集していた。そこにはこう書かれている。「2010年は影響力のある『紅色経典』(共産主義の模範的な)のドラマが数多く放送された。それは時を超え、革命のためなら命をも投げ出す覚悟を持つ当時の共産党員たちを現代の若者たちの目の前に蘇らせた―」。筆者は一瞬、わが中国外交部の馬朝旭(マー・チャオシュー)報道官の発言かと目を疑った。

ところが、驚いたことに対岸の隣人―1日中「馬鹿野郎」と叫ぶ野郎の方々も集団で自分たちの国の「革命テレビドラマ」を観ていることが分かった。ドラマの題名は「坂の上の雲」。近代国家へと歩み始めた明治時代を舞台にした話で、NHK「スペシャルドラマ」として2009年から断続的に放送されている。最初は軟弱な主人公が切磋琢磨して力をつけ頭角を表し、やがてかなわないと思っていた強敵を倒す。いかにも日本人が好きそうなドラマだ。

要するに日露戦争の話なのだが、興味深いのはこのドラマが「その国が近代国家の仲間入りを果たしたかどうか、最も重要な基準になるのは人々が『国民』意識を持っているかどうかだ」と訴えている点だ。では、「国民」とはなにか?このドラマの解釈によると、「国のために命を投げ捨てる覚悟がある人」を指す。

中国人が火鍋を食べながら連続ドラマ「毛岸英」(毛沢東の長男、朝鮮戦争で戦死)を観ている時、対岸の日本人は笑っている。何がそんなに可笑しいのか?100年前は「外国の技術を学び、外国を制する」と崇高な理念を掲げていた民族が、100年後には「父親が権力者でないこと」を嘆くようになっていることだ。これは人類の文明史上、最大の冗談としか言いようがない。父親に権力がないことを嘆くような国に「国民」意識は育たないだろう。

「前をのみ見つめながら歩く。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見つめて坂をのぼってゆくであろう」―。これは「坂の上の雲」の冒頭文だ。これは明治時代の日本人の精神を表わしているだけでなく、大国の国民はどんな精神を持つべきかを我々に教えている。

たとえ小さな島国でも国民全体が強い向上心を持っていれば、どんなに苦しい山道でも一歩一歩、登り続けていける。だが、反対に国土が大きいことにあぐらをかき、少しも向上しようと思わない民族はいつまでも谷底に沈んだままだということだ。(レコード・チャイナ)

【私の論評】中国人は、本当の意味で「坂の上の雲」を理解することはできない。できるとすれば、中国が分裂したときだ!


上の動画は、日本海海戦の勝利を高らかに歌った『日本海海戦』という軍歌です。海戦の模様を詳しく描写した内容です。『坂の上の雲』は、もう皆さんご存じですね。特に、1部、2部に関しては、もう説明するまでもないですが、今年の11月放映予定の第三部では、いよいよこのドラマのクライマックスともいえるロシア海軍と、日本海軍による日本海海戦が放映されます。

この戦争は、大日本帝国とロシア帝国との間で朝鮮半島と満洲南部を主戦場として発生した戦争です。結局日本が一方的ともいわれる大勝利を収め、両国はアメリカ合衆国の仲介の下で終戦交渉に臨み、1905年9月5日に締結されたポーツマス条約により講和しました。

これによって、日本は、当時懸念された、ロシアのアジアへの南下を完璧に封鎖してしまいました。そして、ご存じのその後のロシアの革命にも大きな影響を与えたといえます。日露戦争がなければ、帝政ロシアはもう少し長く続いたかもしれません。

この戦いは、大きな歴史の流れの文脈からは、ウエストファリア条約締結以来、複数の大国の力の均衡(パワー・オブ・バランス)で平和が成り立ってきたものが、その均衡が崩れて、新たな秩序をつくりだすまでの間の戦争の初戦の一部という位置づけということができると思います。

ただし、それまでの力の均衡は、ヨーロッパ列強によるもののみを意味したのですが、新たな、アメリカや、日本が加わったということです。

この戦いは、アジアへの列強の進出を踏みとどまらせ、遅らせるという役割もしました。その後、世界は、第一次世界大戦、第二次世界大戦と進みその後の冷戦構造ができあがり、ここにアメリカとソビエトという二国間による力の均衡が成立しました。

しかし、これも、ソビエト崩壊により崩れ、世界は今に至っています。アメリカは、ソビエト崩壊後においては、本来は、いくつかの国による力の均衡を模索すべきだったのですが、どうやら、一極支配を目論んだようで、現在世界の警察官を自認したようですが、その試みは失敗しつつあります。

そうして、ロシアと東欧は少なくとも、ソビエト崩壊前からは、随分変化しました。少なくとも、東欧諸国は、随分変わり、民主的な政権ができあがりました。しかし、アジアは、何の変化もなく、北朝鮮、中国は、そのまま継続し、冷戦構造のときのままの体制が残っています。

さらに、この流れのなかで、ヨーロッパ列強の力の均衡が最初に崩れたあたりから、多くの知識人が、国民国家の終焉を予言しました。最初に言い出したのは、カントです。その後、アメリカの知識人もそのようなことを言い出しました。本当に一部、そのような国もでてきました。それが、ソビエトであり、中華人民共和国であり、いまはなきユーゴスラビアです。これらの国、多くの民族からなる多民族国家であり、実際に、ソビエトは、多くの国々が集まるソビエト連邦であったことは、多くの人が覚えておられるでしょう。

ソビエトが存在したときには、国連には、ソビエトの代表とともに、ソビエト内のロシア共和国など国々の代表も参加していたことは多くの人が覚えていらっしゃることでしょう。

しかし、国民国家がなくなるという知識層の予想は、ことごとく外れてしまったというのが、今日の世界です。そうです。冷戦崩壊後、ソビエトも、ユーゴスラビアも、なくなり民族国家あるいは、比較的少数の民族からなる国民国家が成立しました。今でも、この流れは変わっていません。最近、中東の騒ぎの中にも、いわゆる国民国家への流れというものが感じられると思います。

こうした歴史の流れからみてみると、今の大陸中国に関しては、実は、こうした本来の国民国家設立に自ら尽力して、海外と勢力と戦争をしたということは一度もありません。そんなばかな、という方もいらっしゃるかもしれません。実際に日中戦争があったではないかという方もいらっしゃると思います。

しかし、現在の共産主義中国である、中華人民共和国と、日本国とは一度も正式に戦争をしたことはありません。無論散発的に小競り合い程度のことはあったとは思います。そもそも、中国での争いは、中華民国と、大日本帝国との争いでした。しかし、これとても、本来の戦争の定義からすれば、戦争ではなく、事変というほうが正しいです。そうして、現在の中華人民共和国は、中華民国との戦争というより、内乱により、中華民国を台湾に追いだして建国しました。

以下に、この話を分かりやすくするために、以下に戦争の定義を掲載しておきます。
(1)主権国家
(2)軍事力
(3)規模
戦争の定義では、上記の3点がポイントとなるという。

(1)に関しては、戦争は主として、主権国家の行為であるということです。
(2)に関しては、
軍事的対立といっても、それは、攻撃・防御・砲撃・爆撃というような、流血を伴う軍事力による直接的戦闘行為だけにはかぎりません。軍事力による封鎖、示威、脅威、護衛などという間接的な軍事行動も含まれます。
(3)に関しては、
a.参加兵力、b.継続期間、c.戦闘行為による損害
からなる諸要素の規模であることが条件です。

これを簡単にまとめると、軍事力による軍事行為を伴う、主として主権国家間の相互作用であって、ある程度の規模を有するものということになります。
さて、上の中国人の「坂の上の雲」に関する憧憬ともみられる、記述ですが、彼らが、国民国家として、一度も海外の敵と戦ったことがなく、本当に、国民国家の独立を本来の意味で勝ち取ったり守ったりしたことがないということとも関係していると思います。

それに、大局的な見地からすれば、日本がロシアと戦争をしたとか、大東亜戦争でイギリス、オランダ、アメリカなど戦争したということは、時代背景を考えれば、日本がアジアの自主独立をその当時のやり方で行ない、アジアの国々を守ったということになります。もし、日本があの当時戦争をしなければ、アジアは、アフリカのように列強の植民地となったままで、独立も随分遅れたに違いありません。

無論私は、単純な戦争肯定論者ではありません。しかし、あの当時日本が戦争をしなかったとしても、中国や韓国など、結局はソビエトを含むヨーロッパの列強や、アメリカなどにより統治されていたことでしょう。いずれ独立はしたものの、今日の中華人民共和国とは随分異なったものとなっていたことでしょう。そういう意味では、日本は現在の中華人民共和国成立の立役者であった側面は否めません。

現在の中華人民共和国も、国民国家とはいえる状況ではないと思います。民族も言葉も全く異なる人々が人為的に、それも、軍事力を背景にまとまったというだけで、一つにすること自体にかなり無理があります。だからこそ、中国では、建国以来毎年平均、2万件に及ぶ暴動が繰り返し起こっています。いずれ、中国も現在中東でおこっているような、騒乱に巻き込まれるときがくるでしょう。そうして、いずれ、いくつかに分裂して、国民国家ができあがるに違いありません。その時になって、はじめて、中国人(このようなものは存在していないだろうが)は、国民国家の意味を理解し、日本の「坂の上の雲」を真に理解することでしょう。

そうして、日本国の国民は、上記のような正しい歴史観(少なくとも、日本や中国、韓国以外の海外で認められるまともな歴史観)ではなく、誤った自虐的史観にとらわれていますが、さすがに、国民国家の象徴的な、日露戦争に関しては、それを客観的に理解出来るのだと思います。だからこそ、このドラマも人気が高いのだと思います。

今の世界は、大きな流れとして新秩序を求めて、まだ胎動中であるとみるべきです。尖閣の問題も、現在の中東の騒乱もそうした文脈から理解すべきことと思います。そういう意味では、「坂の上の雲」は本当は終わっておらず、まだ続いているし、これかもしばらく続くことと思います。

しかし、いずれ、誤った自虐史観など捨て去らなければ、日本の国民国家自体も危うくなります。早く、多くの人々が誤った歴史観の呪縛から解かれる日がくることを願ってやみません。

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共同体形成のための事例-映画『硫黄島からの手紙』

2011年2月24日木曜日

ヒット商品のキーワードは「シンプル&多機能」 単純かつ多機能なアイテムが続々ヒット中!―【私の論評】今のヒット商品は、シンブル高機能だが、従来の多機能とは一線を画している?!

ヒット商品のキーワードは「シンプル&多機能」 単純かつ多機能なアイテムが続々ヒット中!

最近のヒット商品は、シンプルかつ多機能な物ばかりだという。とくに家具・家電、調理器具などは、多機能ながらも単純に扱える、誰でも使いこなせるものが好まれるようだ。新生活を迎えるに当たって、これらを新たに購入するという人も多いのではないだろうか。そこで、現在ブレイク中の人気商品は必ず「このような傾向がある」という事例についてお伝えしたい。

例えばスイスに拠点を置く「USM」という家具メーカーをご存知だろうか。このメーカーは、1960年にスイスの建築家フリッツ・ハラー教授が提唱した「ビルディング・システム」という概念を基礎にして、「USM Haller(ユー・エス・エム・ハラー)」を開発した。これは、限られたスペースを最大限に活用するために、部材を組み替えて自由自在に室内をレイアウトすることができる。シンプルかつ多機能な収納システムだ。2009年に日本に初上陸して以来、じわじわとその支持層を拡大しているという。



そして調理器具でも、食材を入れて電子レンジでチンするだけで調理可能な「ルクエ スチームケース」が人気を博している。発売以来、100万個の大ヒット商品になっているのだ。ケースは調理できるだけでなく、そのままお皿としても使え、盛り付けの手間が省けて重宝されている。



更にシンプル多機能を代表する調理家電と言えば、三洋電機が2010年11月に発売しいまだに品薄状態が続いている「GOPAN」。家庭にある米を入れてスイッチを押すだけで、今流行りの米粉パンが作れる画期的な逸品だ。

GOPAN

パソコンでは、エプソンダイレクトが他のPCと一線を画す製品を昨年11月に発表している。この「Endeavor NY2000」は余計な機能を排除し、必要なものだけを搭載しており、55230円という低価格ながら、14型ワイド液晶を搭載するなどのハイパフォーマンスで注目されている。


そしてITの分野で、にわかに注目されているのが、「世界をもっと、シンプルに。Smart for Simpleキャンペーン」を開催しているメーカー、ファーウェイから販売されているイー・モバイルの「Pocket WiFi S(S31HW)」だ。これはWi-Fiルータとしてだけではなく、Android2.2を搭載したスマートフォンとしても利用が可能。もちろん音声通話もでき、さらにデジカメとして持ち歩けるのである。

poket wifi2

これらすべての商品に共通しているのが、シンプル&多機能だ。購入しやすい価格帯で、操作は単純明快。更に多機能を実現しているのである。シンプルであるからこそ、老若男女を問わずあらゆる年代に受け入れているのではないだろうか。

現代でヒットする商品はどれも「シンプル&多機能」。今後も各社の商品開発レースにより誰も想像出来なかった、素晴らしいアイテムたちが生まれていく事だろう。

【私の論評】今のヒット商品は、シンブル高機能だが、従来の多機能とは一線を画している?!
上記の記事では、今のヒット商品は、シンプル多機能としていますが、私はそうとは思いません。シンプルという点では、同意しますが、多機能というのはいかがなものかと思います。

最初の家具についいては、収納システム以外の用途はないですが、そのかわり、変幻自在に自由に組み立てられるという意味で高機能です。

ルクエスチームケースに関しても、調理器具で、出来ることといえば、蒸すことだけです。ただし、今までと違うのは、ポリマーでできいて陶器のように割れることはないし、電子レンジで調理できるという点です。これに関しては、電子レンジの所有率が90%以上ですから、かなり重宝だと思います。特に、独身の男性など電子レンジで手軽に温野菜などできて、手軽で便利だと思います。

これも、たとえば、他調理器具などと比較すれば、できるのは、電子レンジやオーブンで蒸し料理が手軽にできるという機能だけです。ただし、この蒸すということでは、かなりのことができます。ご飯や温野菜やいままであまり蒸し料理をしたことのない人にとっては驚くほどの料理のレパートリーがあります。それが、一人分から手軽にできるというのが、なんといってもこの製品の魅力です。

Gopanに関しては、本当にパンをつくるだけの単機能です。ただし、米を入れるだけで、米粉パンができるという代物で、高機能ですが、多機能とはいえないです。この位の高機能なものなら、多の機能もいろいろつけられるでしょうが、ついてはいません。

「Endeavor NY2000」に関しては、シンプルですが、価格に比較して、高機能のという事だと思います。これに、関して、実際に触ってみたこともないので、それ以上は良くわかりません。

「Pocket WiFi S(S31HW)」に関しては、一見多機能ともみえますが、実はそうではありません。wifiルーターができるアンドロイド携帯ということで、従来の携帯電話のような多機能というわけではありません。

これに関しては、いろいろと考えさせられるところがあります。私は、iPhoneを持っていますが、これをテザリングするということが非公式に行われています。テザリングとは、iPhone では通常できないようになっているのですが、それを無理やりiPhoneの通信機能をパソコンなど多のデバイスからもできるようにすることです。

これができたら、本当に便利です。実は、従来の携帯電話だと、パソコンと携帯電話をUSBでつないで、通信機能を使えるのが普通でした。私も、以前、病院に入院したとき、この方式でパソコンでインターネットを使っていました。

しかし、最近の携帯電ではできません。iPhoneでも通常できないようになってますが、アップルが認めていない方法で、非公式にできるようにしててしまうということです。これは、面倒ですし、それに、ソフトバンクが認めていないことなので、実際に実行すれば、通信料などどうなるのかわからないので、私自身はやったことはないですが、これを実施している人の話をよく聞きます。しかも、使用するときは、iPhoneとパソコンをUSBで接続するのが普通のようです。

多くの人が、無理やりそのようなことをするのですから、そういう需要は多いのだと思います。私自身は、実は、iPhoneの他に、いわゆる電話機能のついていないPoketwifiのようなもの(他社製なので、speedwifiという名称です)を持っています。そうして、iPhoneやパソコンや、その他のデバイスでデーター通信のときは、wifiルーターを用い、電話として用いる場合は、iPhoneの3G回線を用いています。

このように使っていると、両方を持って携帯して歩く必要があり、iPhoneとルーターとは、結局通信機能として同じようなものだし、iPhoneにも、ルーターにも、両方とも通信料金を支払っているいるのは非常に勿体無いような気がして、これが一体化すれば良いと思いました。一体化すれば、携帯電話としても使えるし、他のパソコンやゲーム機とも接続できて良いし、通信料金も安くなるなと思い、そんな製品が出てこないかと漠然として思ってましたが、そう思って間もなくこの製品が発表されました。

この電話というか、これからも、この種の電話がでてくると思いますが、それも含めてかなり売れると思います。なにせ、引越しなどして、インターネットをするということになると、新たなにプロバイダー契約などする必要があります。これは、結構面倒です。社会人ならともかく、学生などは固定電話回線は持っていない人がほとんどですから、そういう人、最初からこのような電話を持つようになると思います。いや、それどころか、一人暮らしの人は最初からこのような電話を持ち、引越しがあろうが、転勤があろうが、何があろうが、この電話があれば、電話は無論のこと、どこでも、バソコンでもゲーム機でも、使えるわけです。

上記でこの新型wifi機能つき電話は、決して従来の携帯電話のような多機能とは全く意味が異なります。やはり、高機能と言ったほうが良いと思います。

それから、最近の、iPhone、iPad、アンドロイド・フォン、アンドロイド・タブレットPCも、かなりのヒット商品ですが、これらの製品も、少し前の携帯電話や、パソコンのような多機能とは異なり高機能ということができると思います。

これらの製品について、共通にいえることは、最初購入したときには、平均的な機能がついており、決して多機能とはいえないと思います。従来の携帯電話など、あまりにも多機能で、多くの人がほとんど使いもしない機能が盛りだくさんということを言っていました。

しかし、iPhoneなどは、最初購入したときに入っているアプリなどは、本当に基本的なものしか入っていません。だから、最初使うときも、直感的にシンプルに使うことができます。従来の携帯電話などだと、最初から多機能でいろいろな機能がついてはいるのですが、確かに、多くの人向けて作っているので、使わない機能も盛りだくさんです。しかし、iPhoneなどでは、後から、自分の気に入ったアプリを入れて、機能を付加することができます。そのようにして、アプリを追加してけば、自分にとって必要なアプリだけをいれる事により、高機能にすることができます。だから、従来の携帯電話に見られる、多機能とは根本的に異なると思います。

iPhoneなどに限らず、上記の記事で紹介されている製品は、すべて、高機能であり、従来の日本ノ製品に良くみられた、高機能とは全く異なると思います。

だから、上記の記事のように、多機能と捉えると、このトレンドを見誤ると思います。

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ヒット商品番付に見る消費者の変化-ユーザーや消費者は物語を求めている(1)?!

2011年2月23日水曜日

冬の半袖・ノースリーブは絶滅したのか―【私の論評】冬には、冬のフアッション、北国には北国のフアッションがあるはずだ!!函館にカツ!!

冬の半袖・ノースリーブは絶滅したのか

少し前までは、このような風景も珍しくはなかった

今年の冬、半袖やノースリーブのニットを着ましたか。

思えば数年前は、冬にノースリーブや半袖のワンピース・ニットの上に、直接コートを羽織るような女性がけっこういた。

「会社の中やお店の中、電車の中などは暑いから、コートが温かければ薄着で平気」なんて言い分が当たり前に聞かれたものだった。

しかし、最近は、テレビの中のタレントさんなどを除いて、冬の半袖・ノースリーブの人をほとんど見かけなくなったように思う。

自分自身、当時は冬でも半袖ニットなどを平気で着ていたけれど、いま思えば「なぜあんなに寒いカッコで平気だったんだろう」と想像するだけで鳥肌が立ってしまうほど。

実際、1月〜2月初旬に、百貨店やファッションビルなど何軒かをチェックしてみたが、半袖やノースリーブのニットはほとんど見つからなかった。

某ファッション通販サイトで調べてみたら、ノースリーブニットはゼロ件! 半袖ニットも、コットン素材の夏物ばかり。

もちろん今でもアンサンブルの半袖ニットや、下にタートルなどをあわせて着る半袖ワンピ・キャミソールワンピなどはたくさんあるけれど……。なぜなのか。

身のまわりの女性たちに聞くと、「寒いから!」という答えがほとんどである。

また、ショップの店員さんたちに聞いてみると、口々に以下のような答えがあった。

「やっぱり寒いですから、メーカーでも半袖やノースリーブはほとんど作ってないです」

「いまはエコなどの観点から、暖房設定が以前ほど高くないので、半袖やノースリーブでは寒いですよね」

「以前は冬でも女性は頑張って露出してましたが、今はそういうのがあまり流行らないですよね。かつて『ババシャツ』なんて言われた下着も、ヒートテックのような高機能下着が次々に出たことで変わってますし、レギンスなども主流となって、レイヤード(重ね着)を楽しむスタイルが人気になっていることはありますよね」

さらに、百貨店関係者はこんなコメントをくれた。

「ファッション的な流行じゃないかと。昔は タートルニットの半袖にミニスカート、ナチュラルストッキングか生足にロングブーツみたいなスタイルが流行ったから、見た目的に寒そうだったかも?」

そういえば、最近は「森ガール」などという流行りもあって、足元ももこもこのムートンブーツとか、あったかもこもこテイストのものがたくさんある。薄着はもう流行らない? と聞くと、こんな答えが。

「でも、今でも薄着は健在ですよ。ツルンとした薄手のミニのワンピースに革ジャン、ニーハイブーツとか。ギャルも半ケツ短パンにフリンジブーツ、もこもこコートとか。確かにレギンスの流行によって、足の肌見せ面積は減ったけど、女子の肌見せ願望はあんまり変わらない気がします。あとはエコにともなって、体を大切にする女子力、女子磨きとかいう流行りのおかげで、腹巻きやあったか〇〇商品が売れてることもあるかと思います」

「体温を1度上げると健康になる」的な本が大ヒットし、ショウガなどの冷え解消商品も多数作られ、「カラダをあたためる」ことを真剣に考え始めた人が多いのは事実。

半袖やノースリーブニット需要は確かに減っているけれど、ファッションの流行の移ろいとともに、再びノースリーブや半袖ニットが復活する日もいつかまたくるのかも。

(田幸和歌子)【ネタりかより


【私の論評】冬には、冬のフアッション、北国には北国のフアッションがあるはずだ!!
私は、函館に来たばかりの頃、特に冬には度肝を抜かれた光景をみたことがあります。それは、マイナス10度のときに、女子高生が市内を歩いている光景をみたときです。何と、その女子高生、超低温なのに、着ているものといえば、普通のセーラー服で、マフラーくらいはしていたかもしれませが、靴も普通の靴で、しかも、脚は生足で、寒さのために脚全体が真っ赤になっていました。

最初みたとき「この娘は少し頭がおかしいのか?」と思い、1~2分くらいその場に立ちすくんでしまいました。ところが、それからもっと驚いたのは、その後、5人~6人くらいの女子高生が、これも最初の娘と変わらず、本当に薄着状態で通り過ぎて行き、さらに驚愕しました。その後、10人くらいの、男子高校生の集団も通りかかりましたが、それも、学生服のみで、びっくりしました。

マイナス9度の朝。まだ、ムートン?ブーツはいてるだけまし?
何と、マイナス10度近くてても、函館では、こうした薄着で登下校するのが、当たり前のようです。2~3年前から、時々フィットネス・クラブに行くこともあるのですが、この風潮は、60歳台の男性にまで普及しているようで、零下9度くらいの本当に寒い日でも、老年男性でも、半袖、ももひきも、タイツもはかないというのが、函館の通常の感覚のようです。全く、非常識だと思います。

これには、本当に驚いてしまいます。いくら、函館が北海道では、温暖な気候の部類にはいる気候だったとしても、北海道には変わりありません。真冬はどんなに天気が良くても、かなり寒いことにはかわりありません。この寒さは、とてもじゃないですが、いくら東京のように湿度が低くないとはいっても、かなりの寒さです。骨身にこたえると思います。

北海道の場合、確かに、家の構造が二重窓になっていたり、断熱材がしっかりしたものを入れているとか、暖房設備が整っといるということはあります。さらに、函館あたりだと、公共の交通機関があまり発達していないので、車で通勤する人が多いというのも事実です。それにしても、高校生は車で通勤することはないので、これは、本当に一体どうしたことかと思わざるをえません。

学校では、おそらく、先生も、そんなスタイルで登校してくるのかもしれません。先生がそうであれば、生徒に注意を促さないとか、親もそうなのかもしれません。

それに、ここ数年では、最新フアッションでも、冬にこんな薄着はしないし、最近はひところのように、エコ・エコなどとは言わないですが、省エネという考え方は今でも、普及しています。それなのに、未だに昔のフアッションが良いと思い込んでいる函館市民の感性は少し理解できないところがあります。

函館市民には、そんな考えなどないのだと思います。学校でも、職場でも、家庭でも、温度を25度くらいにして、薄着で過ごし、外に出るときでも、それを押し通し、我慢し通しているのだと思います。そうして、それを異常とも思わないのだと思います。まあ、皆が皆そうだということはないでしょうが、とにかく、今でさえ薄着が格好が良いという観念は、老若男女に関わらずあるようです。困ったものです。

函館などの気温が下がるところで、寒い時期にこのような薄着は本来禁忌であるものと思います。それに、体にも良くないし、いくら室内や、屋内を暖かくしたところで、気温差が激しく人体に悪影響を及ぼします。

こんな環境では、真冬には、まともにモノも考えることができなくなるのではないかと思います。函館の小中学生、高校生などの学力など、全国的にもかなり低いレベルにあります。また、函館はお世辞にも景気が良いとはいえません。どちらかといえば、衰退し、斜陽した地方都市です。意外と、このようなズボラともいえる習慣を変えることから、学力の向上や地域の活性化が始まるのかもしれません。

それに、フアッション業界の方にも、もう、冬には、薄着のフアッションを強調することはやめて頂きたいと思います。冬の寒い時期には、冬のフアッションがあり、北国には、北国のフアッションがあってしかるべきです。普段着る、ファションに関しては、フアッション性も大切ではありますが、まずは、機能性が重視されるべきと思います。冬や北国の衣料ということで、まずは、機能性を十分満たしてから、フアッション性を強調すべきと思います。人の健康を損なうようなフアッションはいずれ淘汰されると思います。だからこそ、最近のフアッションでは、冬、半袖やノースリーブのニットが姿を消したのだと思います。

それに、良く考えてみてください。アパレル産業側としても、明確に寒い日用のフアッションと、そうでない日用にフアッションを提供するようにしたほうが、より商品を売ることができるのではありませんか。こうしたことに成功している企業もあります。それは、前に、このブログにも掲載したことがありますが、最近のフアスト・フアッションでは欠くことができないアイテムである、あの暖かくて、軽くて、低価格な人工皮革のムートンブーツです。

これは、旭川の中小企業が最初に開発したものですが、その社長さん曰く「女子高生が真冬に寒そうで、特に、足元がとんでもなく寒そうなので、それを何とかしてあげたいと思い、比較的低価格でフアッショナブルなものをということで開発した」ということです。今は全国から注文が入って、地元への供給が滞るような状況だそうです。

考えてみれば、いわゆる薄着フアッションが徐々に影をひそめた時期と、このムートン・ブーツの開発の時期とは重なるような気がします。

寒いから厚着はしたい、暖かくしたいけれど、格好良くも着こなしたいというニーズは、まさに、函館にも転がっていたわけです。いわゆる、現在の冬のフアッションなど、函館から生まれてきてしかるべきだったと思います。しかし、函館市民は、そんなことにも目を向けず、今でも、薄着をしています。こんなことでは、地域が良くなるはずはないですね。考え方一つで、良くも悪くもなるという格好の事例だと思います。

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2011年2月22日火曜日

日本でも茶会党運動が台頭?―【私の論評】今はデフレ退治が最優先課題!!それから、離れたことを言う政治家は、資格を剥奪すべきだ!!!

日本でも茶会党運動が台頭?(ウォールストリート・ジャーナル・サイト Japan Real Time より要約)

名古屋市長選で再選を果たした河村たかし氏
 本日は、WSJに日本での、減税の動きに関して、興味深い記事が掲載されていたので、それを話題にしようと思います。原文は、サイトでみていただくこととして、下には、その要約を掲載させていただきます。
日本全国各地で見られる政治的騒乱は、あるうねりが徐々に勢いをつけていることを示唆するものだ。米国での茶会党ブームを思い起こさせる、静かな、既存の政治体制への軽蔑を込めた政治的うねりだ。 
鹿児島県阿久根市は依然、竹原信一前市長の解任劇に揺れている。竹原氏は昨年12月、解散請求(リコール)による住民投票で市長の座を追われた。そして今度は議会の解散の是非を問う住民投票が20日に行われ、解散請求が成立した。2008年に竹原氏が市長に当選して以来、迷走を続けていた阿久根市議会にとって大きな転機となる出来事だ。 
一カ月後に行われた出直し市長選で、竹原氏はわずか800票ほどの僅差で、対立候補の西原良将氏に敗れる。西原氏は、竹原氏のリコール活動を指揮した市民団体の元監事で、養鶏業を営む新人候補。だが、20日の投票結果は、竹原氏にとって多少救いとなるものかもしれない。有権者が(僅差ではあるが)竹原氏を失職に追いやったことは、同氏のやり方自体に不満を持っていたことを示すものかもしれない。しかし、官民セクターの賃金格差の縮小をはじめ、竹原氏が推進していた政策自体には必ずしも反対していたわけではないようだ。 
こうした動きは阿久根市に限ったことではない。もう一つの顕著な例が名古屋市だ。名古屋市でもリコール、住民投票、再選という同様のサイクルが繰り返された。ただし、こちらの場合、河村たかし市長は、議論を呼んでいる自らの政策について住民の意思を問うため辞任し、今月初めに70%という圧倒的得票率で再選を果たした。また、同日行われた市議会解散の是非を問う住民投票では、賛成が過半数に達し、解散が決定した。出直し選は3月13日に行われる。河村市長が議会と対立する原因となった主な政策は、市民税の10%削減と市議報酬の800万円への半減案だった。 
河村氏と共に勝利を祝ったのが、同日行われた任期満了に伴う愛知県知事選で、やはり住民税減税を公約に掲げて当選を果たした大村秀章氏だ。両氏の勝利は、米国の茶会党に似た、既存体制を敬遠する新たな地域政党の台頭を示すものだ。元民主党議員の河村氏は、昨年4月、太平洋の向こう側で興隆していた茶会党の動きに呼応するかのように、自ら地域政党「減税日本」を立ち上げ、選挙に臨んだ。元自民党議員の大村氏も、選挙にあたって自らの政党「日本一愛知の会」を結成した。 
河村氏は、自身の主要政策の議会通過に向け、出直し市議選(定数75)では、減税日本から40名の候補者を擁立する意向だ。河村氏は、減税運動の全国規模への拡大を目指すとし、次の衆議院選挙では、減税日本から少なくとも5名の候補者を立てる予定だとした。次期衆院選は早ければ4月に実施される可能性がある。 
河村氏は17日、共同通信のインタビューに応じ、「市や愛知県の減税を成就するため、国政で勢力を拡大する」と述べた。 
最近のこうした選挙結果は、4月の統一地方選挙を前に、民主党にとって決して明るい予兆とはいえない。
【私の論評】今はデフレ退治が最優先課題!!それから、離れたことを言う政治家は、資格を剥奪すべきだ!!!
減税に関しては、最近ようやっとその正当性を多くの人に認められつつあるようですが、少なくとも、昨年の参院選の前までは、自民党も、そうして民主党も増税が当たり前であるような論調で、世論も、「増税いたしかたなし」という論調が高まりつつあったように思います。

このブロクでは、参院選の直前に、

【参院選序盤情勢】民主失速 民主目標「54」下回る可能性―スウェーデンよりも国民負担の重い日本でもボストン・ティー・パーティーを開こう!!


という、タイトルで増税には、何が何でも反対であること。さらには、実は、税金の還付まで含めれば、国民負担という面では、日本は、スウェーデンよりもはるかに重いことを徹底的に強調し、増税を安易に主張した民主党を指弾しました。このブログでは、昨年の2月には、当時の菅財務大臣が増税論議をしたときにも、大反対しました。このときは、菅さんがそのわずか2年前の野党時代に増税に大反対している動画も掲載しました。結局は、菅さんは、何も経済についてわかっていないということです。

このブログでは、特に、増税の根拠になっている財政に関しても、再三にわたって掲載してきました。日本は、財政危機にあるというのは、一面的見方にすぎず、経済の癌である、デフレの解消のほうが先であることも強調してきました。

そうして、現在の日本は、本来マクロ経済学でいうところの、デフレ克服ためにすべきことを過去20年にわたって実施してこなかったことを強調してきました。そのなかに、デフレの時期においては、増税するか、減税するかいえば、減税すべきであって、増税など、とんでもないということも強調してきました。そうして、私だけの意見では、信ぴょう性が低いと思ったので、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏の日本の政策に関する意見も掲載するなどして、私の論点を強化することにも努めて来ました。

特に、マスコミや、中途半端な経済学者たちがいうことなどは、あてにはならず、日本でも、マクロ経済で教えるところの、対処法の王道を実施していくべきことを掲載してきました。特に、日本では、これをやってもみないうちから、駄目だとか、増税などの反対などのことをいう、マスコミや、政治家や、政党など厳しく糾弾してきました。

お陰さまで、様々の方々から、賛同意見の多くコメントをいただくことがきました。そうして、今日私がそのことを強調するまでもなく、減税が当たり前であることを一流紙のウォールストリートジャーナルがはっきりと新聞記事に掲載するようになってきたことは誠に喜ばしいことです。

私の主張してきたことは、理屈としては難しい物でも何でもなく、誰もが理解できることだと思います。しかし、まだまだ油断はならないと思います。日本でも、これから、アメリカのような、茶会運動が根付き、実際に政治を動かす原動力になり、当たり前のことが、当たり前に行われるようになることを希望してやみません。私は、アメリカよりも、日本のほうが、はるかに茶会運動が重要であり、また、実際にこの運動が高まれば、はるかに効果があると思います。

とにかく20年以上も継続するデフレに対処するどころか、財政再建を優先させるとか、そのために、増税をするなどという愚かな既存政治勢力には、さっさと表舞台から姿を消してもらい、さっさとまともな勢力に肩代わりしてもらいたいものです。有権者は、すべからく、デフレを退治する気が全くない、政治家の資格を剥奪する方向で投票すべきです。上の記事の動きが、全く普通のことであり、今までが異常であったことを、さらに多くの人々に認識していただきたいものです。

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2011年2月21日月曜日

マクドナルドが絶対に発売しないハンバーガー―【私の論評】観察力の鋭い人ならすぐにわかるはず!!日本マクドナルドが絶対に販売しないのは、中華バーガーと韓流バーガー!!

マクドナルドが絶対に発売しないハンバーガー


マクドナルドの目玉商品といえば、ビッグアメリカシリーズだ。テキサスバーガー、ニューヨークバーガー、ハワイアンバーガー、カリフォルニアバーガー、アイダホバーガー、マイアミバーガーなど、アメリカの州をモチーフとしたハンバーガーである(マイアミだけ都市の名前)。

しかし! マクドナルドが絶対に出さない州がある。きっと、この州のハンバーガーは絶対に出さないはずだ。それはどこの州のハンバーガーか? 

ケンタッキー州のケンタッキーバーガーである。

とにかく名称がヤバイ。このケンタッキー州をモチーフとしたハンバーガーは、決してマクドナルドから発売されないだろう。ケンタッキー州は馬、牛、乳製品、豚、大豆、トウモロコシが特産品となっているが、やはりケンタッキー・フライドチキンのイメージが強いうえ、ケンタッキー・フライドチキンの本社もケンタッキー州にある。

そもそも、他社を宣伝するかのようなハンバーガーは出せない。

しかしだ! もしマクドナルドがケンタッキーバーガーを作ったならば、企業の考えとは逆に「マクドナルドすげえなあ!」という声があがるのは間違いなく、そのマクドナルドの勇気に敬意を表する人が多くなるだろう。……まあ、出ないと思うけど。


【私の論評】観察力の鋭い人ならすぐにわかるはず!!日本マクドナルドが絶対に販売しないのは、中華バーガーと韓流バーガー!!
さて、上の記事、がっかりですね。ケンタッキーバーガーは、確かに出さないでしょうが、これは、競争相手を想起させるので、あまりにも当たり前といえば、当たり前と思います。というよりも、何よりも、マクドナルドが出さないハンバーガーという言い方もおかしいと思います。もともと、ビッグアメリカシリーズは、日本でしか販売されていないものです。それに、このキャンペーン、日本人向けのものであり、日本人の特性を知り抜いて実施したキャンペーンであることは、このブログにも以前掲載しました。だから、本来は日本マクドナルドが絶対に販売しないバーガーなどと銘打つべきだったでしょう。しかし、これくらいのことしかいえないのであれば、ギャグとしても、あまり意味がないですし、芸人だったら、これでは笑いは取れないでしょう。

それよりも、何よりも、上の文章を書いた人、観察力がなさすぎると思います。今まで、絶対に出さなかったメニュー、これからも出しそうもないメニューがあります。

それは、他のハンバーガー屋であれば、少なくとも、それを想起させるような商品を販売しているところもありますが、日本マクドナルドでは出していなメニューです。それは、日本、アメリカ以外の国を素材としたものです。たとえば、中華バーガー、韓国風バーガーあるいは、タイ風バーガーなどのエスニック系バーガーなど、あっても良さそうなのに、一切ないですね。

和風と、アメリカンは出しても、その他の国のものや、それを想起させるものは一切だしていません。

これは、何でなんでしょう。考え方としては、理解しやすいです。やはり商品が消費者の意識から、外れるというか、訴求力が弱まるということを懸念としての事だと思います。

もともと、ハンバーガーは、アメリカのものです。しかも、日本に上陸したのは、他の食品などから比較すれば、本当にごく最近のことです。ちなみに、日本マクドナルドの一号店は、1971年(昭和46年)7月20日、銀座三越内にオープンされました。

ハンバーガーなど、日本人はほとんど馴染みがなかったものです。だからこそ、アメリカというイメージを大切にし、定着させていったのだと思います。しかし、そけだけだと、商品に幅もでないし、顧客にも飽きられてしまうので、後から、和風もだしてみたところ、あたったので、定番メニュー化したというのが真相だと思います。

しかし、ただでさえ、外国起源の食べ物で、馴染みが少なく、そこで、さらに、カレー味とか、キムチ味とかのものを出してしまえば、顧客の意識の中で、ハンバーガーそのものが希薄化するのは必定だと思います。だからこそ、過去にもだしていなかったし、これからも出さないことでしょう。日本人には、日本人特有の食生活があります。もともとのハンバーガーという食習慣ですら、根付けるのに長時間かかりました。それを、さらにに変えるということは、多くの人が思っている以上に難しいことなのだと思います。食習慣の殻を破るということは、それほど難しいことなのだと思います。

カレーライスなどは、日本では、海軍に取り入れられ、毎週土曜日がカレーの日とされ、すべての将兵が食べていた時期があります。この規模で、取り入れられれば、外国起源のものでも、急速に普及するでしょうが、一民間企業では、なかなか難しいことなのだと思います。

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