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2017年5月6日土曜日

【メガプレミアム】もはや危険水域か、韓国庶民の「家計」…富める者に向けられる「国民感情」―【私の論評】安全保障の面から日米は韓国に強力に金融緩和を迫るべき(゚д゚)!


グラフ、写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 韓国庶民の家計が“爆発寸前”になっているという。韓国銀行(中央銀行)が発表した昨年末の家計負債が、1344兆3千億ウォン(約133兆円)に上り、前年末比11.7%増と関連統計を取り始めて以来で最大規模となったのだ。さらに、家計の実質所得は7年ぶりに減っており、韓国メディアは「水があごまで上がってきた」と表現している。朴槿恵(パク・クネ)大統領の疑惑では政経癒着がやり玉に挙がっているが、韓国で法律よりも優先されるといわれる国民感情にも影響しているとみられる。

 尋常でない増加速度

 韓国紙・中央日報(日本語電子版)によると、韓国銀行が2月に「2016年第4四半期の家計信用」を発表し、家計の金融機関からの借り入れとクレジットカードの使用残高が昨年12月末で1344兆3千億ウォンで、1人当たりで換算すると約2600万ウォン(約259万円)を超えた。

 これに対し、ハンギョレ新聞(同)は社説で「昨年の家計負債の増加速度からして驚異的」と問題提起した。家計貸付金残高は、過去1年間で11.7%増となり、増加率は経済成長率の3倍近く、統計を取り始めた2002年以来の最高値だった。

 同時にこの社説は「家計の質が悪くなったことが、特に大きな関心事だ」と強調した。昨年の家計向け銀行融資残高が9.5%増加する間に、利率が極めて高い第2金融圏(ノンバンク系)の融資残高が17.1%も増加。政府の家計融資抑制対策が銀行だけに集中したため、ノンバンク系への風船効果になった。

 つまり、銀行からの借金増に歯止めをかけるため、銀行の与信審査を強化した結果、銀行融資の敷居が高くなった人たちが高金利のノンバンク系へと流れたという。

 中央日報(同)によると銀行圏の家計融資は、昨年7~9月期に17兆2千億ウォンから同10~12月に13兆5千億ウォンに失速。一方で、保険会社や相互貯蓄銀行など第2金融圏と貸付業者の家計融資は、同じ期間に19兆8千億ウォンから29兆4千億ウォンへと大幅に増えている。

 同紙は「低所得・脆弱階層が償還延滞に陥るなど困難にぶつかる可能性がある」と警鐘を鳴らす専門家の声を掲載した。

 実質所得は減少

 一方、韓国では昨年、世界的な金融危機の余波が深刻化した2009年以降で7年ぶりに初めて実質所得が減少している。

 ハンギョレ新聞(同)によると、韓国統計庁が2月24日に発表した「2016年第4四半期および年間家計動向」では、昨年の世帯当たり月平均所得が439万9千ウォン(約43万円)と、前年の0.6%増に終わったことが分かった。

 物価上昇分を差し引いた実質所得基準でみれば0.4%減となった。とくに低所得層ほど体感苦痛は大きくなるとみられ、所得下位20%世帯の月平均所得は144万7千ウォン(14万4千円)で前年より5.6%減と史上最大幅の減少を記録している。所得下位20~40%世帯も291万4千ウォン(29万円)で0.8%減だった。

 ところが、所得上位20%世帯の所得は、834万8千ウォン(83万円)で2.1%増となっており、貧富格差が鮮明になっている。

 富める者に厳しくなる世論
 こうした家計の逼迫(ひっぱく)状況が韓国銀行の金融政策の選択肢を限定的にしている。

 聯合ニュース(同)によると、韓国銀行は2月23日に政策金利を年1.25%を据え置くことを決めた。急増し、過去最高水準となっている家計負債が重荷となり、利下げは家計に新たな借金に踏み切らせる要因となる。逆に利上げすれば借金の負担が大きい世帯が破綻しかねないからだ。

 ハンギョレ新聞(同)は社説で「今後金利が上がれば、限界家計の破産が急増せざるを得ない」と指摘する。

 朴氏の友人で女性実業家の崔順実(チェ・スンシル)被告らをめぐる一連の疑惑が国家を揺るがす事態となっている韓国。最大財閥、サムスングループの経営トップである李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の逮捕を認めた地裁の判断も、政経癒着を批判する世論に配慮した側面があるといわれる。

 韓国の国内総生産(GDP)と輸出額のそれぞれ約20%を占めるといわれるサムスングループの総帥の逮捕をも迫る世論は、韓国の庶民が直面する生活苦が影響し、既得権を持つ富める者に厳しくあたるように形成されているのかもしれない。(3月16日掲載)



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【私の論評】安全保障の面から日米は韓国に強力に金融緩和を迫るべき(゚д゚)!

 ブログ冒頭の記事は、3月16日のものです。現状も経済状況はほとんど変わらないでしょう。本日韓国の経済に関するニュースを検索すると、朝鮮日報に以下のような記事が掲載されていました。
たんす預金急増、日本と同じ道歩む韓国
 韓国中部・大田市の有名飲食店の経営者Nさんは先月、現金8億4500万ウォン(約8300万円)を自宅のたんすに保管していて、盗難被害に遭った。全て最高額紙幣の5万ウォン札ばかり1万6900枚だった。Nさんは5万ウォン札を100枚ずつゴムで束ね、10束ずつ新聞紙に包んでいたという。泥棒は米袋2枚に現金を詰めて持ち去った。重さは20キログラムあった。 
 クレジットカードの利用が決済額全体の半分を超え、「キャッシュレス社会」を迎える中、巨額の現金をたんすに積み上げていたのはなぜか。Nさんは「現金を集める楽しみで自宅に保管していた」と警察に説明したが、果たして本当だろうか。 
 韓国よりも先に超低金利時代を迎えた日本では、そうした現金を「たんす預金」と呼ぶ。たんす預金は韓国にどれだけあるのか。また、たんす預金は経済にどんな影響を与えるのか。 
■家計の保有現金6.7兆円 
 韓国銀行(中央銀行)によれば、昨年末現在で韓国の家計が保有する金融資産のうち現金は68兆2610億ウォン(約6兆7000億円)だった。預金、保険、債券、株式、投資信託などに入れた資金を除き、純粋な現金だけを計算した額だ。 
 家計の現金資産は年々増えている。2013年の39兆ウォンから14年には47兆ウォン、15年には58兆ウォン、昨年には68兆ウォン台となり、年間10兆ウォン前後のペースで膨らんでいる。家計の現金資産が金融資産全体に占める割合は同じ期間に1.4%から2%台へと上昇した。 
 保管の便利さを考えると、家計が保有する現金の大半は5万ウォン札だとみられる。現在流通している紙幣で最高額の5万ウォン札は2009年に発行された。昨年末までに韓銀が発行した5万ウォン札は総額135兆ウォンで、発行以来韓銀に戻ってきた5万ウォン札は60兆ウォン足らずだ。つまり、市中に75兆ウォン以上の5万ウォン札が流通していることになる。
■個人用金庫の販売15%増 
 自宅での現金の保管方法はさまざまだ。国政介入事件の中心人物、崔順実(チェ・スンシル)氏はトイレットペーパーの芯に5万ウォン札を300万ウォンずつ挿してあるのを取り出して使っていたという。ただ、個人用金庫に現金を保管するケースが多いはずだ。崔氏も自宅に金庫2個を置いていた。

 韓国の金庫市場で70%以上のシェアを占めるソンイル金庫の今年1-3月の金庫販売は前年同期を15%上回った。昨年の年間伸び率(12%)に比べると、最近金庫の売れ行きが好調なことが分かる。同社関係者は「金庫販売が増えているが、容量が大きい金庫が売れるようになっている」と述べた。金庫の中に何かを詰め込んでいることの証だ。

 ソウル市の江南地区に住む主婦(45)は「金庫に現金、金塊、結婚時の記念品、高級腕時計など高価なものを保管する近所の人が増えている。米トランプ政権発足で北朝鮮リスクが浮上し、不安感が高まり、金融商品よりも現金を保有する傾向が高まったのではないか」と話した。

■日本式のたんす預金 
 日本のたんす預金は銀行など金融機関には預けず、自分で保管する現金という意味だ。日本のたんす預金は昨年末現在で43兆2000億円を超えた。高額紙幣の1万円札の需要も急増した。マイナス金利、徴税強化、資産関連の情報公開拡大、今後の景気に対する不安感が現金人気の主因と言える。

 韓国でも似たような現象が起きている。40代の弁護士Kさんは100万ウォンを超える決済も必ず現金払いにしている。なじみの飲食店では月末に代金を現金で一括払いする。Kさんは「預金金利や投資収益がいくらにもならないのに、あえて課税収入を明らかにする理由はない」と話す。ソウルの有名百貨店の地下にあるスーパーマーケットでは、数十万ウォン相当の買い物をして、現金で支払う人が珍しくない。朴槿恵(パク・クンヘ)政権の発足後、地下経済に対する課税が強化され、5万ウォン紙幣の回収率が60%台から20%台にまで低下した。

 延世大の成太胤(ソン・テユン)教授は「日本では中産階級の消費縮小に伴いたんす預金が増えた。韓国でも家計が現金保管が消費低迷を伴えば、経済全体にマイナスの影響を与えかねない」と懸念した。

琴元燮(クム・ウォンソプ)記者
この記事によれば、韓国銀行(韓国の中央銀行、日本の日本銀行にあたる)政策金利を年1.25%に据え置くということで、これは確かに低金利ですが、未だ日本の水準には及んでいません。日本の政策金利は、0.1です。

日本の場合、あまりにも長い間経済が低迷したため、このような結果を招いてしまいました。

韓国も日本ほどではありませんが、日本と似たようなところがあります。ブログ冒頭の記事のように、これだけ景気が悪いのですから、これは常識的に考えればすぐにでも大規模な金融緩和をすべきなのでしょうが、なぜか金融緩和をせよという声は起こらず、なぜか構造改革論ばかりが叫ばれています。

これは、日本で失われた20年の直前から日本でも構造改革が叫ばれていたのと似たような状況です。日本では、ご存知のように構造改革ばかりが叫ばれ、景気循環的対策である金融緩和が実行されなかったため、強烈なデフレを招いてしまいました。

韓国も似たような状況にあります。ただし、韓国ではデフレ状況ではないですが、それにしても、もう数年前から雇用環境は最悪で、特に若者の雇用がとんでもない状況になっていました、このような状況になれば、まずは大規模な金融緩和をすべきです。

しかし、このブログでも一昨年あたりから、韓国は大規模な金融緩和に踏み切るべきという内容の記事を掲載したのですが、これには以下のような反論を述べる人がいました。

まずは、韓国の経済は腐敗がまかり通っていて、金融緩和しても経済は良くならない。そうして、金融緩和するとキャピタルフライトが発生するというものです。

ちなみに、キャピタルフライトとは国内から海外へ資本が一斉に流出する資本逃避のことです。

私は、いくら韓国の経済活動には不合理なことがまかりとおっていたにしても、構造改革をしてそれが効果をあらわすまでには、最低でも5年、長ければ10から20年もかかる場合もあります。しかし、現状の経済がブログ冒頭の記事にもあるようにとんでもない状況にあるわけですから、構造改革はするなとはいいませんが、その前にまずは金融緩和をすべきです。

それに、金融緩和をして、ある程度経済が上向けば、構造改革も実行しやすいはずです。日本でも、かつて、構造改革至上主義のようなものがあり、遅れた経済構造のまま、金融緩和をしても効果がないとか、もっと極端な例では金融緩和をすれば構造改革を妨げるから、すべきではないという主張もありました。

民主党から自民党への政権交代の直前に当時の安倍晋三氏が政権交代後に金融緩和政策を実行する旨を公表したときに同じようなことが言われていました。

しかし、現実には、目立った構造改革の成果もないまま、2013年から金融緩和に踏み切り、その結果は間違いなく成功し、そのような主張はことごとく外れています。その成功については、このブログでもつい先日掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
アベノミクス、完全に成功…戦後3番目の長期好景気突入、「失われた20年」を脱出―【私の論評】経済認識に関しては、国民に負けた民進党(゚д゚)!

アベノミクスは、特に雇用において、完璧に成功しています。個人消費もこれから伸びていくことが予想されます。詳細は、この記事をご覧になって下さい。

さらに、現在の韓国経済は確かに遅れた面がありますが、それにしても韓国ではキャピタルフライトは起こりにくいはずなので、やはり大規模な金融緩和をなるべく早く実行すべきです。

なぜ韓国において、キャピタルフライトがおきにくいかといえば、それは我が国と同じく、韓国は変動相場制の国であるからです。

通常変動相場制の国であれば、 金融緩和をすれば自国通貨安になり、外貨流出を抑えることになります。さらには、高金利政策をとりキャピタルフライトをおきにくい状況にすることもできます。変動相場制の国であれば、政府の外貨準備は通常市場とは直接関係しません。したがってキャピタルフライトは固定相場制の国とは違って発生しません。なぜなら極端な通貨安に振れる理由がないからです。

現に1997年のアジア通貨危機では被害国は固定相場でした。韓国は、80年から変動相場制への移行をはじめ、97年アジア通貨危機後に完全変動相場制になりました。現在では完全変動相場制です。

無論、変動相場制の国の場合でも、キャピタルフライトは起こり得る場合もあります。それは、まずユーロなどの共通貨幣を用いている国ではあり得ることです。しかし、韓国は共通通貨を用いている国ではありません。

さらに、変動相場制の国でもキャピタルフライトがおこる可能性もあります。それは、対外債務が極端に多い場合です。

「キャピタルフライト(capital flight)」の代表例は、2008年の世界金融危機前後のアイスランドが挙げられます。

人口約32万人にすぎないアイスランドは外国資本に大きく依存し、銀行を中心とした金融業を中心に発展してきました。しかし2008年にサブプライムローン問題に端を発する世界金融危機と前後して外国資本が"資本逃避"を開始しました。

通貨クローナの価値は急落し、銀行もGDP(国内総生産)の10倍にも膨らんだ対外債務の返済に窮すなど、アイスランドは国家破綻の危機に見舞われました。

当時のアイスランドの財政状況は、政府の財政だけをみていると日本財政破綻論者が夢に見るような理想的な状況にあったのにもかかわらず、アイスランドは破綻しました。

その秘密はアイスランドの経常収支赤字にあります。


このグラフはアイスランドの経常収支対GDP比の推移ですが、破綻した2008年までにアイスランドは実にGDP比で15%以上の赤字を計上していました。

ただし、勘違いしないで下さい。経常収支の赤字がすべて悪いというわけではありません。ただし、アイスランドの場合は経常収支のマイナスのほとんどが対外債務だったのです。以前から、このブログでは経常収支が赤だからといって、必ずしも悪いというわけではないということを主張してきました。

経常収支の赤字は分析してみないと、それが当該国にとって良いことなのか、悪いことなのか、ただ赤字だから、黒字だからといって良い悪いということはいえません。ただし、アイスランドの場合は、赤字のほとんどが対外債務だったので、これは典型的な悪い例です。

これを日本に当てはめてみますと、GDPが500兆円としてその15%はなんと75兆円です。つまりアイスランドは日本に換算すると、毎年75兆円もの対外債務を積み上げていたことになります。

以下に当時の新聞から引用します。
アイスランド:外貨建て債務再編交渉、数週間以内の開始準備-WSJhttp://www.bloomberg.co.jp/news/123-K9YHPR0UQVIT01.html 
11月7日(ブルームバーグ):米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、オンライン版)は7日、アイスランド政府当局者が、総額750億ドル(約7兆3000億円)近くに上る同国金融機関の外貨建て債務の再編を目指し、債権者との交渉を今後数週間以内に開始する準備を進めていると報じた。関係者の話を引用して伝えた。 
RBCドミニオン・セキュリティーズのリサーチノートによれば、アイスランドの金融サービス機構(FSA)が設立した委員会のアドバイザーとして、大手会計事務所デロイト・アンド・トウシュが採用されたという。750億ドルの外貨建て債務は、アイスランドの国内総生産(GDP)の700%を上回る規模であり、永久に完済されない可能性があると同紙は指摘している。
なんと、アイスランドは実にGDP比で700%もの外貨建ての借金をしておりました。しかし、当時のアイスランドの政府債務対GDP比は29%しかありません。この700%もの債務は一体誰が負っていたのでしょうか。

アイスランド政府の借金でないのであれば、あとは民間しかありません。この膨大な対外の外貨建て債務は国内の金融機関が負っていた負債です。

このような国であれば、当然のことながらキャピタルフライとは起こりえます。そうして、実際アイスランドではそれが起こったのです。

では、韓国の対外債務はどうなっているのでしょうか。韓国銀行は2月22日、韓国の対外債権が前年比638億ドル増の7843億ドルとなったのに対し、対外債務は151億ドル減の3809億ドルだったと発表しました。

対外債務では長期対外債務が160億ドル減少し、短期対外債務は8億ドル増えました。外貨準備高(3711億ドル)に占める短期対外債務(1052億ドル)の割合は28.3%で前年と同じでした。同割合は2013年の32.3%、14年の32.0%、15年の28.3%と年々低下してきました。1997年の通貨危機当時(283.1%)、2008年の金融危機当時(79.3%)に比べるとはるかに低い水準です。

この程度の対外債務であれば、どう考えても金融緩和したからといって、キャピタルフライトが起こるということは考えられません。

以上のことから、韓国はすみやかに大規模な金融緩和をすべきです。

もう、数年前から行うべきでした。もし数年前から大規模な金融緩和を行っていれば、今頃韓国はまずは、現在の日本と同じように、雇用それも若者雇用がかなり良くなっていたことでしょう。

そうして、もし韓国が日本のように金融緩和実行後、まだその影響があまり出ていないうちに増税するなどという、マクロ経済的に見て悪手中悪手を行なわなければ、家計債務も減っていた可能性が十分にあります。減らなくて、少なくと増加はしなかったと考えられます。

そのような状況であれば、赤化勢力もあまり台頭することもなく、国民の不満もあまりなく、朴槿恵政権も続いていたかもしれません。

文在寅氏が大統領なら「赤化統一」
しかし、今後も金融緩和をすることなく、構造改革一辺倒で、経済の悪化を放置しておけば、韓国の赤化に拍車がかかることになります。

現在の北朝鮮の脅威が迫っている中での韓国の有様を見て、正気の沙汰ではないと批判する人々も大勢います。私も、到底納得できないこともあります。

しかし、考えてみて下さい。日本が現在の韓国のような状況であれば、どのようなことになるでしょうか。現在の韓国の状況は、日本がデフレ・スパイラルの底に沈んでいたことろよりももっと酷い状況にあります。そんな状況に追い込まれたら、いかなる国の国民も、何をするにも八方塞がりで、正気の沙汰とはいえない行動に出るかもしれません。

ちなみに、日本がデフレスパイラルのどん底に沈んでいた頃ですら、家計負債が極端に増えるということはありませんでした。

2012年6月時点では、地方を含む一般政府の金融負債は4.2%増の1123兆9187億円と過去最高となったにもかかわらず、家計金融資産は、現・預金が当時過去最高の844兆円となっていました。やはり、日本は韓国と違ってかなり経済的にはかなり底力があるのです。

韓国の場合は、本格的なデフレに至っていなくても、元々の経済の脆弱性から、ブログ冒頭のような様相を呈しています。

日本では、池田内閣の所得倍増計画が成功して、本当に所得が倍増した頃から、日本国内におけるソ連の影響がほとんどなくなりました。経済が良くなったので、わざわざソ連のプロパガンダにのる必要性がなくなったからです。やはり、経済が良くなければ、どの国の国民だって、容易に扇動されやすくなるのです。

今後、韓国経済がデフレになり、デフレが進化していけばとんでもないことになります。それこそ、赤化どころか、北に統一すべきという過激な意見も出てくる可能性も高いです。

そのようなことを防ぐためにも、韓国は速やかに金融緩和に踏み切るべきです。これは、安全保障の観点からも、日米は韓国に強力に迫るべきです。そうして、金融緩和が功を奏するまでには、タイムラグがあります。だから、日米はしばらく、韓国に緩和を迫り続けるべきです。安全保障は武力だけで成就できるわけではありません。今の韓国では、強力な金融緩和を実行することが、安全保障につながることになるのは確かです。

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2017年1月10日火曜日

人手不足は金融緩和による雇用改善効果 さらに財政政策と一体発動を―【私の論評】年頭の小さな変化に気づけない大手新聞社は衰退するだけ(゚д゚)!

人手不足は金融緩和による雇用改善効果 さらに財政政策と一体発動を

このような表示をする小売業もちらほら出てきている

 年末年始は人手不足などの事情で宅配便の遅配が生じたという。また、ファミリーレストランでは24時間営業をやめるところも出てきている。

 筆者は日用品でも宅配便を利用しているが、たしかに筆者のところへの宅配便も遅れた。それほど緊急性のないものだったので別に気にしなかったが、到着予定日より2日ほど遅れたものもあった。

 百貨店も昔は元日営業が当然だったが、元日は休みで2日から初売りも多くなり、一部では3日から初売りというところも出てきている。さらに三が日は休業し4日からの初売りを検討するところもある。これらの正月休業の動きは従業員に配慮する観点からとされている。

 いずれも人手不足感が出てきた証拠であり、これまでアベノミクスで金融緩和を続けたことの成果だといえる。

 こうした状況は筆者が勤める大学の周りでも確認できる。

 大学の新卒者は既得権を持っていないため、そのときの雇用環境によって大きく就職率は左右される。

 振り返ってみると、民主党政権時代の就職率はひどかった。筆者の所属している大学では、第3次産業への就職が多いが、就職できれば御の字であり、賃金等の労働条件は二の次だった。その当時、雇用市場では買い手の企業が有利であり、ブラック的な企業でも採用が可能だった。

 ところが、安倍政権になってから雇用環境が劇的に改善した。今では雇用市場は売り手の大学側の方が有利になっている。このため、学生たちの間で「あの企業はブラックだからやめよう」という会話が普通に出てくるようになった。民主党政権時代にはありえなかった話だ。

 実際、労働条件の厳しすぎる企業は敬遠される傾向になっている。これは望ましいことだ。多くの左派識者が声を大きくして、労働条件の改善を叫ぶより、金融緩和を行って雇用環境を良くすることの方が、はるかに労働条件を改善できるのだ。左派識者は相も変わらずアベノミクスの金融緩和を否定しようとするが、その知識の軽薄さに笑ってしまうほどだ。

 もっとも、筆者はこれまでの金融緩和を評価するが、さらに一段の金融緩和をしなければいけないと考えている。たしかに、一部業種では人手不足が生じ、労働条件の改善という動きになってきた。ところが、経済全体ではまだ失業率を下げられる。

 具体的には直近の3・1%から2・7%まで下がるはずだ。そうなれば、経済全体で人手不足感が出て、賃金も上昇し始めるだろう。雇用者の可処分所得を高めて消費を刺激することが、景気回復にも必要である。

 ところが、現在の日銀は金利の目標を管理するが、積極的な追加緩和に対しては消極的だ。

 そこで、財政政策(国債発行)の出番だ。財政政策と金融政策が一体的に発動されれば、日本経済にとっても好都合となる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】年頭の小さな変化に気づけない大手新聞社は衰退するだけ(゚д゚)!

上記の記事をみていて国債発行は、借金をさらに増やすだけなどとする方もいらっしゃると思いますが、その認識は間違いです。もうすでに日本政府の借金はありません。それについては、昨年のこのブログでも掲載しています。その記事のリンクを掲載します。
蓮舫氏が語る経済政策 実行されたなら景気低迷で雇用改善はブチ壊し―【私の論評】財政再建はすでに終わっていることを知らない民進党に先はない(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では財政再建はもう終了しかけていることを掲載しました。以下に一部引用します。
まずは、以下は統合政府純債務残高の推移を示したものです。統合政府とは、日銀と政府をあわせたもので、これを企業で言えば、連結決算をするように、統合して決算したものから、統合政府純債務高の推移をグラフ化したものです。
このグラフから日銀の金融緩和政策の国債の買い入れによって、純債務残高が、2014年度でも政府純債務GDP比は35%まで減少していたことがわかります。 
さらに、下のグラフは、統合政府の債務残高の予測まで含めた推移を示したものです。
日銀が国債を買えば買うほど統合政府の政府純債務は減ります。 
日銀の年80兆円の国債買い入れペースだと、2017年度には純債務から、純資産になるため、財政再建は完璧に終了することになります。実質的には、2016年度中に終了するか、2016年半ばを過ぎている現在もうすでに終了したと言っても良いくらいです。
このような状況ですから、現在財政政策として国債発行をしたからといって、さらに借金が増えるなどと心配する必要は全くないわけです。

これに関しては、高橋洋一氏を含めたまともなエコノミストは皆同じようなことを言っています。私自身もこれについては、実際に自分で計算して確かめたことがあります。その計算過程を掲載し記事のリンクを以下に掲載します。
「国の借金」巡るホラー話 財務分析すれば怖くない―【私の論評】鳥越より悪質な都市伝説が現実になる新手の辛坊らの発言には気をつけろ(゚д゚)!
国の借金1000兆円などとは、全く都市伝説のようなものであり、真夏のホラー話と同じようなもの

詳細は、この記事を読んでいただくものとして、この記事では、2014年の政府債務を日銀も加えた連結のBSで計算しました。その結果は、政府純債務GDP比は35%まで減少していたことが示されました。実数としては、160兆円程度です。

国の借金1000兆円などというのは、全くのまやかしであるに過ぎないことがわかります。財政再建が、完璧に終了して、いるであろう2017年の4月には、どうみても消費税増税などする必要性などないわけです。

国借金1000兆円を真に受けて、10%増税など実行してしまえば、日本のGDPの60%を占める個人消費が低迷しせっかくの金融緩和による雇用状況の改善も帳消しにされてしまうだけです。

今年年明けの新聞をみていると、このような見解はもちろん掲載されていませんし、とんでも経済記事が散見されました。

まずは、日経新聞に関しては、正月そうそうから、構造改革を最優先すべき記事が掲載されていたので、正月の初笑ができました。そもそも、構造改革をするななどとはいいませんが、現状のまま、構造改革をしたとしても、金融政策と財政政策の景気循環的対策が十分でないうちに改革したとしても、それで経済が良くなるとはとても思えません。

順番が逆です。景気循環的対策が終わって十分経済が上向いたときに、構造改革を実行すれば良いのです。景気循環的対策なしに、構造改革を断行すれば、とんでもないことになります。

それと、朝日新聞もとんでもない記事を掲載していました。これについては、経済学者の田中秀臣氏が、その内容とそれに対する反論を掲載した記事のリンクを以下に掲載します。
朝日編集委員の「経済成長が例外」という主張こそ、むしろ例外
田中秀臣氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から結論部分のみを以下に掲載します。
 経済危機からの完全雇用の達成には、経済の拡大が必要である。経済が拡大する中で、財政が改善し、それによって社会保障の基盤も充実していく。そればベヴァリッジの基本構想だった。つまり福祉社会は完全雇用をもたらす経済成長とは矛盾しないのである。矛盾しないどころか、完全雇用は福祉社会の重要な核である。

 また原氏は論説でGDP懐疑論や低成長「正常」論を唱えているが、日本ではこの種の議論のときにしばしば援用される、『スモール・イズ・ビューティフル』という本がある。著者はエルンスト・フリードリッヒ・シューマッハー。本の題名からもわかるように、彼は富の追求自体に重きを置く経済成長論に否定的だった。

 だが、ここでもシスモンディやベヴァリッジ同様に忘れてはならないことがある。シューマッハーは、ケインズの経済学に多大な影響をうけた「雇用重視の成長」論者であるのだ。シューマッハーとケインズ、ベヴァリッジはそれぞれ生前に面識があり、社会保障の拡充と完全雇用の達成という現代の福祉社会論の構築に大きく貢献した。ベヴァリッジに雇用の重要性を教えたのは、ケインズの影響をうけたシューマッハーであった。

 ここまでお読みいただくと、原真人氏に代表されるような低成長「正常」化=GDP懐疑論者が、いかに一面的なものかがおわかりいただけるだろう。それに対して、富の追求ではない、人間の価値を追求してきた経済学者たちの多面的で、豊かな経済認識の格闘があったことも。

 アベノミクスを建設的に批判するなら結構である。それはそれで得るものがあるだろう。だが、残念ながら原氏の論説からは、単なるトンデモ経済論の音しか聞こえない。
この朝日新聞の論評に関しては、ジャーナリストの菅野完氏はツイッターで「『経済成長は、弱者救済の最低条件』と言い切れない連中は、目を噛んで死ねばいいと思う」と原氏を痛烈に批判しました。

「朝日の使命というか、社会的に求められる期待というか、役割は、『低成長をみんなで受け入れよう』と呼びかけることではなく、『賃金上げろ!労働環境改善しろ!』と訴えることだろう。そして、賃上げ、労働環境改善、財政出動こそが、成長に繋がるんだ。他の国にできて、日本にできんことないだろう」

そして、朝日新聞の社会的役割を踏まえ、「『朝日が経済成長に懐疑的になる』ことは、社会的な害悪なのよ」と訴えた。また、労働法政策に詳しい濱口桂一郎氏も、原氏の論説を「腹ふくれ満ち足りたブルジョワの息子の手すさびみたいな議論」だと酷評しています。

ちなみに、高橋洋一氏もこの朝日新聞の論評について厳しく批判しています。その記事のリンクを以下に掲載します。

高橋洋一氏 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から結論部分のみを以下に掲載します。
昨年に日銀は金利管理に移行した。これは、金融緩和に対し積極的ではなく受け身になったことを意味する。この方式では金融政策が財政依存になる。政府が国債を発行しないと金利が下がる。それを日銀が引き上げると金融引き締めになりかねないが、政府が国債を発行すれば逆に金融緩和になるという具合だ。 
そうした状況では、財政政策の出番(国債発行)であり、そうなれば、財政・金融一体発動になって、日本経済に好都合となる。 
幸いなことに、日本の財政問題も、現時点で考慮しなくてもいいくらいだ。この点は、本コラムで再三指摘してきている。 
さらに、国債を発行して財源調達すべき分野も、法律改正が必要だが、教育など未来への投資と言われる分野で多い。金利環境がいい現在は、未来への投資に事欠かない状況である。 
というわけで、未来への投資として、国債発行による財政出動(自動的にこれは金融緩和にもなる)をすべきというのが、失業を増やさないための筆者の解である。 
朝日新聞の論評が文中で言及しているシェアリングエコノミーは経済成長を促進するものであるため、朝日新聞の主張は支離滅裂になっている。いっそのこと、そういた新しい動きを利用するとともに、政府に国債発行による教育支出増などを提言し、さらに経済成長して、貧困をさらになくせという言うべきなのだ。
朝日新聞の記事は、読みたい方はよまれても良いとは思いますが、これを読むのは時間の無駄です。このようなものを読むくらいなら、田中秀臣氏の記事や高橋氏の記事を読まれたほうが余程有意義だと思います。

朝日新聞などの日本の大手紙がどのようなトンデモ経済論を掲載しようとも、現在の日本雇用は間違いなく改善されて良くなっています。それが、最近の高校や大学新卒の就職率の良さで実証されています。そうして、今年の年始の様々な業界で人手不足によっても実証されています。

今年の年頭の人手不足という一見小さくみえる現象は、将来の大きな変化の前触れだと思います。この変化に気づきそれを利用できる人と、利用できない人との間にはこれから、大きな差異が生まれていくものと思います。

そうして、日経新聞や朝日新聞などは、当然のことながらこのような小さな変化に気づかないことでしょし、それを利用することもできないでしょう。このようなことに気づかない人は、この小さな変化が大きな変化になってはじめて気づきます。しかし、その時は手遅れです。

日本の大手小売業の失敗は、POSなどを導入して顕在顧客のことを熟知したものの、潜在顧客を知ることを疎かにしたことです。

日経新聞や朝日新聞も、購読層が減少し続けています。おそらく、潜在顧客のことなど何も考えていないのでしょう。潜在顧客の情報も集め良く考えれば、おのずと小さな変化にも気づくはずです。しかし、あいかわらず、気づいていないようです。

私たちは、そうはなりたくないものです。

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2016年10月4日火曜日

【「慰安婦」日韓合意】「外交的欠礼だ」 謝罪の手紙拒否、韓国に当惑と反発広がる―【私の論評】韓国が金融緩和をするしないかにより、日韓関係は大きく変わる(゚д゚)!


衆院予算委員会で答弁する安倍晋三首相=3日午前、国会・衆院第1委員室

 安倍晋三首相が3日の衆院予算委員会で、慰安婦問題での日韓合意に関し、韓国の元慰安婦支援財団が求める首相による謝罪の手紙を出すことを「毛頭考えていない」と表明したことに対し、韓国で当惑と反発がくすぶっている。

 韓国外務省報道官は4日の定例記者会見で、安倍首相の発言に関する報道陣の質問に、「言及は自制する」と答えた。報道官は先月29日の会見で、「韓国政府としても、日本側が慰安婦被害者の方々の心の傷を癒す、感性に訴える追加的な措置をとるよう期待している」と述べ、謝罪の手紙を事実上求めていた。

 このため、4日の会見では、安倍首相の発言を「外交的欠礼だとの評価も(韓国では)ある」と韓国メディアの記者が指摘し、韓国政府の立場を何度もただした。報道官は、「(日韓の)合意の精神と趣旨を尊重し、被害者(である元慰安婦の女性)らの名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しが速やかになされるよう、日本側と協力していく」と繰り返し答えるにとどめた。

 韓国政府としては、国内で高まる反発に日本政府が理解を示すよう期待しているとみられる。韓国メディアからは、安倍首相の発言に「合意に基づく謝罪の真意を疑わざるを得ない」などと反発も出ている。

 日韓合意では、安倍首相の「心からのおわびと反省の気持ち」が表明されたが、謝罪の手紙を出すことは盛り込まれていない。韓国政府も「合意文にあるそれ以上、以下でもない」(韓国外務省報道官)との立場だ。

 日韓は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認済みだ。問題が蒸し返されるのを日本が懸念していることは韓国政府も分かっており、国内世論との板挟みとなっている。

【私の論評】韓国が金融緩和するしないかにより、日韓関係は大きく変わる(゚д゚)!


日韓合意をしたということで、ごういした直後から安倍総理は安倍首相は昨年12月29日、「今後、この問題について一切言わない。次の日韓首脳会談でももう触れない。そのことは電話会談でも言っておいた。昨日(28日の日韓合意)をもってすべて終わりだ。もう謝罪もしない」「ここまでやった上で約束を破ったら、韓国は国際社会の一員として終わる」と述べています。

日韓合意をするにおいては、日本側も韓国側にある程度譲歩したので、日本側でも日韓合意に反対する人々も結構いました。私自身も、当初は反対ではあったのですが、考えてみると、一度合意をしたという実績を作ったのですから、確かに韓国側が何をいってきたにしても、今後をそれにまともに対応する必要などありません。

ましてや、政府ではない組織が何かを言ってきたにしても、全く無視で良いです。これに対して、少しでも応えるようなことをすれば、またこの問題の蒸し返しになるだけです。

これは、国を個人にたとえて言うなら、日本が韓国に対して慰安婦問題に関して、言質をとったようなものです。今後、韓国の政府以外の組織が慰安婦問題に関して、何かを言ってくれば、すべからく無視で良いでしょう。まかり間違って韓国政府が何か言ってくるようなことがあれば、「その問題については日韓合意で片がついています」ということで良いです。


これは、政府から民間からあらゆる層でそのような対応で良いです。まともに取り合う必要など全くないです。韓国政府から言質をとったということで、これは最上の外交カードになります。

政府以外の団体が、「慰安婦問題」を蒸し返したり、慰安婦像をどこかに建てるということにでもなれば、すべて「日韓合意」で片付けることができます。それを無視して、韓国側が何かをすれば、韓国は国際社会の一員としては認められなくなります。

そうして、日本では他方では、通貨スワップという韓国に対するこれまた、強力な外交カードを得ました。日本政府は、韓国政府に対して通貨スワップをちらつかせながら、要求をつきつけることもできます。これを利用しない手はありません。


日本との「通貨交換(スワップ)協定」再開を狙う韓国で、締結額が500億ドル(約5兆円)規模の巨額になるとの観測が浮上している。経済指標が、国際通貨基金(IMF)の管理下に入った1990年代の危機当時の水準まで悪化しており、日本のマネーをあてにするしかない韓国当局の願望も透けてみえます。 

通貨スワップは、外貨不足に陥った際に、ドルなどを融通し合う仕組み。日韓の協定は2001年に締結されたのですが、昨年2月に反日姿勢を強めた韓国側が一方的に打ち切りました。

ところが韓国経済が失速すると韓国側からスワップ必要論が浮上、今年8月末の日韓財務対話で、韓国側が呼びかけて再開に向けて議論することで合意しました。

そんななか、韓国の経済メディア、ソウル経済は、韓国の企画財政部(財務省に相当)の関係者の話として、新たな日韓スワップが「500億ドル以上の大規模になる可能性が高い」と明らかにしたと報じました。

これが実現すれば、欧州の財政危機を背景に700億ドル(約7兆円)まで拡大した11年当時に匹敵する規模になります。

韓国が現在結んでいる最大の通貨スワップ協定は中国との540億ドル(約5兆4000億円)規模です。日本は中国を牽制(けんせい)するためには、同規模のスワップ協定を結ぶことになるというのです。

韓国は米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備を決めたため中国と関係が非常に悪化しており、中国が韓流スターを排除する「禁韓令」など、韓国に対する制裁の姿勢を強めました。韓国のスワップ協定の約半分を中国の人民元が占めるという危うい状況も続いています。

巨額のスワップ締結論が先走って報じられる背景には、韓国経済の窮状があります。8月の青年失業率は9・3%と、IMF危機時の1999年以来の高水準です。長期失業者の割合や、格付けを引き下げられた企業の数や製造業の稼働率も90年代後半の水準に接近しています。

米国の年内追加利上げがあれば、韓国からの資金流出が現実味を帯びることになります。恥も外聞も捨てて日本に泣きつくしかないのが実情です。

民主党政権のとき日本は通貨スワップの枠組みを拡大したことがあるが、
当時も今も事実上日本から韓国への支援であることには変わりない。
それにしても、その後日韓通貨スワップが正式に再開したというニュースは未だ流れていません。現在折衝中なのでしょう。いずれ、発表されるとは思います。

しかし、このブログでも以前掲載したように、通貨スワップを再開したとしても、今のままの韓国であれば、韓国経済にとって一時しのぎに過ぎません。せっかく、通貨スワップをしても韓国は通貨危機に陥ることになります。

それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
韓国で日本との通貨スワップ再開論 協定終了のいきさつを棚上げ?―【私の論評】リフレ派皆無の韓国を通貨スワップで助けても全く無意味(゚д゚)!
日本はなぜ、20年近くにも及ぶほど正しい経済政策を取れなかったのでしょうか。簡単にいうと、それは財務省は積極財政をすべきときに緊縮財政を行い続け、日本銀行は、金融緩和をすべきときに、金融引き締めを行いつづけたからです。

日銀は、金融政策の間違いを、財務省は財政政策の間違いを頑として認めず、あろうことか、それを政治家やマスコミ、多くの経済学者までもがそれを許容してきたからです。
すでに2014年あたりから、韓国の経済指標は日本の失われた20年の時代と同じような兆候
同じようなことが今の韓国経済にもあてはまります。問題の本質は、総需要不足であり、構造改革は問題解決になり得ないどころか、解決を遅らせるだけで、「害」をもたらす政策以外の何ものでもありません。 
韓国銀行(日本の日銀にあたる韓国の中央銀行)は度重なる金利低下を実施しています。しかし、韓国銀行は金融緩和をせずにこれを実施しているので、為替レート市場では一貫してウォン高が進行しています。これが韓国の代表的な企業の国際競争力を著しく低下させていることには疑いの余地はありません。 
では、なぜ韓国は大胆な金融緩和政策を採用できないのでしょうか。田中秀臣氏などのリフレ派からみると、韓国政府や韓国銀行は、大胆な金融緩和を行えば、一挙にウォン安が加速し、ウォン建て資産の魅力は急減することを恐れているとみなしているようです。

そうなると、海外の投資家たちは韓国市場から投資を引き揚げ、株価なども大幅に下落してしまうことを恐れているというのです。しかし、私はそれだけが原因では無いと思います。

元々、韓国の個人消費は、GDPの50%程度しかなく、これはかなり低い水準です。日本などの先進国では、これが60%台であるのが普通です。米国では、これが70%にも及びます。日本は失われた20年でデフレ・スパイラルどん底に沈んでいるときですら、60%近くを維持していました。 
極端なグローバル化で歪な韓国経


どうしてそのような構造になったのかといえば、極端なグローバル化を進めた結果です。しかし、韓国政府は低い個人消費を伸ばそうという意識はないようです。だからこそ、金融緩和などには、無関心なのでしょう。 
しかし、現状をそのまま放置しておけば、過去の日本の失われた20年のように、韓国経済は長期停滞に埋没していくのは必定です。これを打開するためには、個人消費を伸ばす政策を採用すべきです。それを実行するには、金融緩和は不可欠です。

そうして、構造改革をするというのなら、何をさておいても、内需を拡大することを優先すべきです。そのためには、金融緩和、積極財政は欠かせません。
日本には、韓国が大胆な金融緩和を行えないのは、日韓スワップ協定などで潤沢なドル資金を韓国に融通する枠組みに欠けているからだ、と指摘する人もいます。確かに、その側面はあるかもしれません。しかし、これよりよりもはるかに深刻なのは、朴政権と韓国銀行に蔓延している間違った構造改革政策です。
さてこの記事では、通貨スワップなどしなくても、韓国が金融緩和をすれば、経済が良くなるはずと主張しました。

しかし、日韓通貨スワップなしに、韓国が異次元の包括的金融緩和を行えば、急激なウォン安に見舞われることになり、日本のように金融的にはるかに韓国よりも恵まれ、さらに内需が元々大きい日本では円安程度ですんだものが、韓国の場合は、ウォンの大暴落ということになり、海外から食料や原材料を輸入することができず、韓国経済が大打撃を被るということが考えられます。

そうなるとやはり通貨スワップを再開して、日本側が韓国に対して大量に円を融通すれば、韓国は海外から食料や原材料を融通することができ、韓国経済はソフトランディングができます。

しかし、もし韓国がかつての日本のようにデフレに見舞われても金融緩和をせず、積極財政をしないということにでもなれば、日本が大量の円を融通したにしても、一時しのぎにすぎず、結局韓国経済は崩壊して、第二の通貨危機を招くことになります。

その場合、韓国は先の通貨危機においてもそうであったように、また自国の通貨危機を日本のせいにすることになります。

これでは、日本としては、全く無意味というかかえってマイナスです。

そんなことを防ぐためにこそ、日本は韓国に対して金融緩和ならびに積極財政を迫るべきです。無論、このようなことは、内政干渉になるので、韓国側は受け入れないかもしれません。

しかし、そうなれば、日本としては日韓通貨スワップを再開せずに、韓国に自滅してもらえば良いのです。

なぜ、私がこのようなことを言うかといえば、せっかく通貨スワップで助けるというのなら、一時しのぎに終わらせず、韓国経済が金融緩和と積極財政で、韓国経済を立ち直らせるべきであると考えるからです。

慰安婦問題が複雑化した理由の一つは、過去の日本政府の不味さがあったのは確かです。しかし、より根本的な問題は、韓国の経済の低迷です。韓国では、経済が比較的良かった時代でも経済がいびつで、日本よりかなり格差がありましたが、韓国政府は過去においてもまともな経済対策をすることなく、国民の不満をそらすために、慰安婦問題で日本を悪者にしたててきたという点は否めません。

過去の韓国政府は、まともな経済対策もせず内需を蔑ろにし、グローバル化を強力に進め、慰安婦問題で日本を糾弾するということを繰り返してきました。その結果が、今日の韓国の窮状を招いてしまいました。

ヘル朝鮮を報道するテレビ番組の画像 ハングル:헬조선、漢字:헬朝鮮、発音:ヘルチョソン
最近は、さらなる韓国経済の低迷により、韓国の格差問題は日本などとは比較の対象にもならない程深刻です。若者の間では、このあまりの酷さに「ヘル(地獄)朝鮮」という言葉が流行っているくらいです。このような状況では、韓国内でも不満を持つ人達がさらに増え、左翼が暗躍しさらにその不満を煽り、とんでもない状況になりかねません。

しかし、経済がかなり良くなれば、あるいはその見込みがたてば戦後に池田内閣が所得倍増計画を実行した後には、日本から当時のソ連の影響が消え去ったという実例があるように、韓国内でも、左翼の暗躍は影を潜め、慰安婦問題も沈静化することでしょう。

もし、韓国がそもそも金融緩和を一切しないというのなら、日韓通貨スワップをもってしても、韓国経済は立ち直ることはできません。そうなると、第二の通貨危機を招き、日本は、通貨スワップで韓国を助けるにもかかわらず、韓国から恨まれることになります。

日本は、中途半端をすべきではありません。最初から通貨スワップ再開をしないか、再開をするなら、韓国政府に金融緩和と積極財政を実施することを確約してから再開するかのいずれかです。他の選択肢はありません。

01年10月12日の日銀の政策決定会合で、速水優日銀総裁は「皆が価格が下がるのはデフレで大変だと大騒ぎされるのはどうかと思う」と、いわゆる「よいデフレ論」を展開し、山口泰副総裁や三木利夫審議委員は同調していました。その後、日本人は「よいデフレ」などというものはあり得ないということを塗炭の苦しみを経て、嫌というほど思い知らされました。

韓国内では、過去の日本のように、現在「よいデフレ論」が大手新聞などで論じられています。いずれにせよ、韓国が金融緩和に踏み切るか切らないかにより、日韓関係は大きく変わるのは間違いありません。

日本では、単純に日韓通貨スワップ反対とする人も多いようですが、このような側面を見逃すべきではありません。

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2016年8月30日火曜日

【「帝国の慰安婦」裁判】「誤った認識で若者が日本に敵意」 被告の韓国教授―【私の論評】慰安婦問題等捨て置き、まずは金融緩和をしない限りデフレ韓国に明日はない(゚д゚)!

【「帝国の慰安婦」裁判】「誤った認識で若者が日本に敵意」 被告の韓国教授

ソウルの日本大使館前の慰安婦像。足元に追悼プレートが新たに設置された







 慰安婦問題に関する著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦らの名誉を傷つけたとして名誉毀損罪で在宅起訴された朴裕河・世宗大教授の公判が30日、ソウル東部地裁で行われた。朴氏は出版の目的は「日本擁護ではない」とした上で「誤った認識で若者が(日本に)敵意を抱き、韓日関係が悪化するのを座視できなかった」と述べた。

 1月から続いた公判準備手続きを終え、30日から本格審理が開始。検察は冒頭陳述で、朴氏が慰安婦と日本軍の関係を「同志的」などと表現した一部記述について「虚偽事実で名誉を傷つけた」と改めて指摘した。

 弁護側は「帝国主義とは何かを考察した書す籍。資料に基づいており、名誉毀損は全くない」と主張した。

 裁判長は、問題とされた記述が実際に名誉毀損や虚偽に当たるかどうか、虚偽の場合は朴氏が虚偽と認識していたかどうかなどを争点として整理した。検察側は、存命中の元慰安婦の証人申請を検討しているとも説明した。

【私の論評】慰安婦問題等捨て置き、まずは金融緩和をしない限りデフレ韓国に明日はない(゚д゚)!

いわゆる、学術書『帝国の慰安婦』裁判に関しては、以前もこのブログでとりあげたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「帝国の慰安婦」裁判 問われる韓国司法 弁護側は“メディア経由”の曲解報道を問題視 ―【私の論評】韓国で慰安婦ファンタジーが発祥する前の1990年代前に時計の針を戻せ(゚д゚)!
学術書『帝国の慰安婦』の著者朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授
この記事は、今年の1月のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では裁判の内容や、学術書『帝国の慰安婦』の著者自身の要約を掲載しました。以下に一部引用します。
ブログ冒頭の記事の内容をはじめて読んだ方は、何が問題なのか、その背景がわからないと、何のことかわからないと思います。本日は、そのあたりを明らかにしようと思います

まずは、この著者は、慶応義塾大学を卒業後、早稲田大学院で博士課程を修了していることを掲載しておきます。そうして、この『帝国の慰安婦』は、日本で早稲田次ジャーナリズム大賞を受賞したことを掲載しておきます。

「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」の授賞式が昨年、昨年12月10日10日、東京都内で行われました。その授与式では、元慰安婦の名誉を毀損(きそん)したとして韓国で在宅起訴された韓国世宗(セ・ジョン)大の朴裕河(パク・ユハ)教授の著書「帝国の慰安婦」(朝日新聞出版)が文化貢献部門で受賞していました。 
受賞のしたときに、朴氏は「多くの人に問題を知ってもらいたいと考えた。(慰安婦の)支援者とこの問題を否定する人たち(の両方)に向けて書いたものだ」と話しています。 
朴氏は、アジア太平洋地域に関する優れた出版物の著者に贈られる昨年の「アジア・太平洋賞」特別賞(主催・毎日新聞社、アジア調査会)にも選ばれています。朴氏はこの日、毎日新聞東京本社を訪れ、北村正任アジア調査会長から記念の盾を受け取りまし。同賞の授賞式は昨年11月に行われましたが、朴氏は体調不良で欠席していました。 
この『帝国の慰安婦』ですが、読まれたことのある人はあまりいないと思いますので、以下に朴裕河氏ご自身のフェイスブックに掲載されていた、要約を掲載します。非常に長い引用ですし、以下の内容がすべて正しいとも思えませんが、資料としては、一次資料ということになりますので、そのまま掲載させていただきます。この資料の後には、私の論評を付加してあります。
要約自体は、ここでは掲載しません。 この記事に掲載してある要約もしくは、著者自身のフエイスブックの要約をご覧になって下さい。以下に『帝国の慰安婦』の表紙の写真を掲載します。


この書籍、私は要約は無論のこと、書籍も実際に手にとって読んでみました。その限りでは、この書籍は内容も体裁も学術書であり、引用文献などの出展も明らかにしており、この書籍がなぜそれほどまで問題になり、裁判にまでなったのか全く理解できません。

この訴訟で韓国当局がやり玉に挙げているのは、『帝国の慰安婦』の中で朴裕河教授が「自発的な売春婦」「日本軍と同志的関係にあった」などと記述し、「日本軍が組織として強制動員したとみるのは間違いと考える」と分析した部分です。

元慰安婦らは、この内容に納得しなかったようで、一昨年6月、「慰安婦を侮辱している」などと刑事告訴していました。

検察は在宅起訴の理由について、「慰安婦制度は強制的な売春」とした米下院決議などを例示し、「元慰安婦は性奴隷同様の被害者で、日本軍に自主的に協力したわけではない」「虚偽の内容で被害者の名誉を毀損した」としています。

しかし、朴教授の著書は非常に実証的で、日韓双方から高い評価を受けている優れた学術書であり、名誉毀損とはとんでもないことです。

韓国の言論弾圧については、国連も強い警告を発しました。国連の自由権規約委員会は昨年11月5日、韓国検察当局が政府を批判する者に対し、重い懲役刑を科す名誉毀損罪を適用する例が増えているとして「懸念」を表明し、名誉毀損への懲役刑の適用廃止を勧告しました。

同委は「いかに重大な名誉毀損であろうとも、懲役刑を適用してはいけない」と断じましたた。朴大統領の耳に届くことを祈るばかりだ。

この書籍はあくまで韓国人の視点によって書かれたものであり、レトリックによって、ファンタジーとはらないギリギリのところまで日本側に慰安婦問題での譲歩を求める方向で書かれていること、当時日本が植民地支配していたのだから、日本に責任があるという方向で貫かれています。この本を書いたこと自体がなぜ、裁判にまでなるのか、私の理解の上限を超えています。

しかし、それは私自身が日本と韓国とを同列にみているから他ならないからだと思います。韓国と日本を比較すれば、日本のほうがはるかに言論の自由や学問の自由があります。

韓国は、北朝鮮や中国などから比較すれば、言論の自由や学問の自由はありますが、まだまだ日本や他の先進国レベルまでには及んでいません。それは、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が、韓国内のマスコミを引用した形で、日本国内で朴槿恵大統領の疑惑を掲載したことが、裁判になったことでもわかります。

この裁判で結局加藤達也前ソウル支局長は、無罪とはなりましたが、そもそも裁判になる事自体が異常でした。

2015年12月17日、ソウル中央地裁に
入る産経新聞の加藤達也前ソウル支局長
日本でこのような書籍を出版したとしても、様々な文献を参照した上で、あくまで学術書の体裁をとった上で著者自身の考えを表明したものであり、このような体裁ならば、日本ならばどのような内容であれ、批判されることはあるかもしれませんが、裁判になるなどということはあり得ません。

これでは、韓国ではとても、言論の自由と、学問の自由を保証しているとはいえない状況です。

言論の自由も、学問の自由も制限され、経済も低迷ということでは、若者等が将来に絶望して、韓国をぬけ出すのも無理はありません。韓国ではもう随分前から脱北者 (北朝鮮を脱出して韓国に亡命する人)よりも脱南者(韓国を脱出して、欧米などの国籍を取得して移住する人)のほうが多い状況が続いています。

最近では、脱北者が韓国に嫌気をさして、北朝鮮に戻ったり、他国に出国する人も多くでる始末です。

このような状況を打破するには、なんといっても経済の立て直しを最優先すべきです。しかし、朴槿恵にはそのやり方がわからないようです。それについては、先日も述べたばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
【日韓財務対話】通貨交換協定再開へ議論開始で合意 韓国側が提案 「日韓の経済協力は有益」と麻生氏―【私の論評】誰か朴槿恵にマクロ経済政策を教えてやれ、そうでないと援助が無駄になるぞ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、韓国がキャピタル・フライトを恐れて金融緩和をせずに、構造改革ばかりしようとする姿勢のまずさについて掲載しました。

日本が通貨交換で韓国を援助したにしても、これによって韓国政府が外貨をある程度確保した上で、大規模な金融緩和と積極財政を実行して内需を拡大する道を選ばないかぎり、韓国に明日はありません。そうして、日本の援助は水泡に帰します。

これから、ますます経済が低迷し、国民の不満が高まるばかりです。これでは、ますます、政府が言論の自由や学問の自由を制限せざるを得ない状況に追い込まれるだけになると思います。

一般に、慰安婦問題と経済とは全く関係ないかのように思われているふしがありますが、私は大いに関係があると思っています。

政府の経済対策が全く的を射たものではないので、格差は日本等と比較するととんでもない水準にまで高まり、最近では若者は、ヘル朝鮮と形容するほどにまでなっています。

ヘル朝鮮とは、韓国の主に20-30歳代の若者たちが韓国社会の生きづらさを「地獄 (Hell) のような朝鮮」と自嘲するために使うスラングのことです。2015年にSNSから広がり、その後メディアや文化人も頻繁に言及する流行語となりました。

流行の背景には、韓国の超競争社会による雇用不安と、縁故採用がはびこる不公正な就職状況があります。韓国では過酷な受験競争を経て大学を出てもすぐ就職できないことは珍しくなく、2014年時点で20代の就業率は57.4%でした。

高学歴層の就職競争は特に熾烈です。反面、富裕層やエリート官僚による縁故採用がなくならず、政治的なスキャンダルにもなっています。結局、カネもコネも無い「第三身分」は勤勉に努力したところで安定したキャリアデザインを描けないという不条理な現実に対する憤りが、自国を否定する「ヘル朝鮮」という言葉への若者たちの共感を生んだのです。

 ヘル朝鮮を報道するテレビ番組の画像 ハングル:헬조선、漢字:헬朝鮮、発音:ヘルチョソン
このような、状況の背景にはデフレがあります。このデフレを解消しないかぎり、若者を中心とした、不満は高まるばかりです。雇用と、金融政策は密接にからみあっているということを理解すべきです。金融緩和をして、数%インフレ率を高めれば、即座に数百万人の雇用が生まれるという経験則を学ぶべきです。

雇用の確保は、韓国銀行(韓国中央銀行)の役割であることをしっかり認識すべきです。これは、世界の常識です。なぜ、グローバル経済を自認する韓国が、こと自国内の経済というと、構造改革一辺倒で、世界で普通に行われている金融緩和政策をしないのか理解に苦しみます。

しかし、政府は経済がこのような状態になる前も、なった後でもまともな経済対策を実施することなく、ことさら慰安婦問題を煽り、日本を悪者に仕立て、国内の求心力を保ってきました。

韓国の中央銀行韓国銀行 韓国の唯一の希望は韓国銀行が金融緩和に踏み切ること。
しかし、このようなことをいつまで続けても、韓国社会に救いはありません。慰安婦問題をいくらつついてみても現在の韓国のデフレは解消しません。ますます苦しくなるばかりです。デフレと、慰安婦問題、竹島問題は全く別次元の問題です。

重ねていいます。この状況を改善するには、まずは金融緩和をしてデフレから脱却する以外に方法はありません。その後に、ミクロ的な問題を解消することにより、やっとまともな経済状態となり、まともな社会になります。金融緩和をすれば、確かにキャピタル・フライトの恐れがありますが、日韓通貨スワップがあれば、外貨をある程度確保して、キャピタル・フライトを防ぎ、金融緩和をソフトランディングさせることも可能です。

しかし、デフレを放置していては、何も進みません。これは、まるで、2013年より以前の日本の姿のようです。ただし、日本経済はデフレであったにしても、もともと韓国経済よりは基盤がしっかりしていたので、朝鮮ヘルのような状況までにはいたりませんでしたが、それでも、就職率はかなり低下しました。それは、誰よりも日本の若者が実体験で知っていることです。

韓国は、日本の過去の姿を見て、参考にすべきです。まずは、慰安婦問題などは、捨て置き果敢に金融緩和に取り組むべきなのです。恨の文化など捨て置き、まずは金融緩和を実行して、真っ先に若者の雇用を安定させることこそ、韓国が喫緊で進むべき道です。

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2016年6月16日木曜日

日銀 大規模な金融緩和策 維持を決定―【私の論評】日銀は批判を恐れずなるべくはやく追加金融緩和を実行せよ(゚д゚)!

日銀 大規模な金融緩和策 維持を決定



日銀は、16日まで開いた金融政策決定会合で、国内の景気は基調としては緩やかな回復を続けているとしてマイナス金利政策を含めた今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。

日銀は16日までの2日間、金融政策決定会合を開き、国内外の景気や物価の現状と先行きについて議論しました。

その結果、消費は「一部に弱めの動きもみられるが、雇用・所得環境の着実な改善を背景に底堅く推移している」としました。

企業の生産は「地震による影響もあって横ばい圏内の動きを続けている」とし、住宅投資は「再び持ち直している」としました。

これらを踏まえて日銀は、国内の景気について「新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている」という判断を示しました。

そのうえで、目標とする2%の物価上昇率の達成に向け、マイナス金利政策を含めた今の大規模な金融緩和策を維持することを賛成多数で決めました。

金融市場では、今月23日にイギリスで行われる国民投票に向けて、EU=ヨーロッパ連合からの離脱派が勢いを増しているとの見方から円高や株安が進むなど不安定な値動きが続いています。

しかし、今回の決定で日銀としては、マイナス金利政策が経済に及ぼす効果や、イギリスの国民投票の結果を見極めたいと判断したものとみられます。

【私の論評】日銀は批判を恐れずなるべくはやく追加金融緩和を実行せよ(゚д゚)!

結論からいうと、日銀は追加金融緩和を行うべきでした。以前このブログにも掲載したように、いくら金融緩和しても下げられない失業率を「構造的失業率」といい、実際の失業率が構造的失業率まで下がらないと、物価や実質賃金は本格的に上昇せず、インフレ目標の達成もおぼつかないことになります。

構造的失業率などについて以下に簡単に解説しておきます。

総務省では、失業を発生原因によって、「需要不足失業」、「構造的失業」、「摩擦的失業」の3つに分類しています。 
  • 需要不足失業―景気後退期に労働需要(雇用の受け皿)が減少することにより生じる失業 
  • 構造的失業―企業が求める人材と求職者の持っている特性(職業能力や年齢)などが異なることにより生じる失業 
  • 摩擦的失業―企業と求職者の互いの情報が不完全であるため、両者が相手を探すのに時間がかかることによる失業(一時的に発生する失業)
日銀は、構造失業率が3%台前半で、直近の完全失業率(4月時点で3・2%)から下がらないので、これ以上金融緩和の必要がないという考えが主流のようです。

過去の失業率をみてみると、以下のような状況です。

過去20年近くは、デフレなどの影響があったので、あまり参考にならないと思ういます。それより前の過去の失業率をみると、最低では2%程度のときもありました。過去の日本では、3%を超えると失業率が高くなったとみられていました。

このことを考えると、日本の構造失業率は3%を切る2.7%程度ではないかと考えられます。

であるとすれば、現在の完全失業率3.2%ですから、まだ失業率は下げられると考えます。だとすれば、さらに金融緩和をすべきでした。

しかし、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は、すでに実際の失業率が構造失業率に近い水準まで下がっているのに、なぜ賃金が上昇しないのか、疑問を持っていたようです。にもかかわらず、今回は追加金融緩和を見送ってしまいました。

日銀黒田総裁
2014年10月の日銀の追加緩和は、安倍晋三政権による消費税率10%への再増税を後押しするためだったといわれており、このときの黒田相殺は、中央銀行総裁というよりは、元財務省出身者の立場が良く現れていたと思います。

しかしながら、マイナス金利の導入は、中央銀行総裁としての面目躍如というところで、見事に中央銀行総裁の立場を示したものといえました。

しかし、安倍政権は再び再増税を延期し、今回もまた増税を見送ったというか、以前のこのブロクにも述べたように、これはほんど凍結に近いものです。財務省の落胆はかなり、大きかったでしょう。この心情を理解した黒田総裁は、今回も金融緩和する気になれなかったのでしょう。まさに、今回は、中銀行総裁というよりは、旧財務省出身者の立場が貫かれているようです。

しかし、本来は金融緩和を行うべきでした。そうして今回行うべきは、「マイナス金利」の拡大ではなく、量的緩和による国債買い入れ額の拡大とすべきでした。

現在政府の景気対策として、財投債(国債の一種)発行によるインフラ整備が20兆円規模で検討されており、補正予算が秋の臨時国会で決定される予定です。その後で、量的緩和の拡大を日銀が行うと、「ヘリコプターマネー」との批判を受けたかもしれません。


しかし、インフレ率が低い現状では、全く取るに足らない批判ですが、日銀としては無駄な説明をしたくないという認識あったのかもしれません。であれば、政府が国債を発行する前に量的緩和しておけば、日銀にとっては良い選択だったと思います。

しかし、今回も量的緩和をしなかったということで、補正予算が決まった後で、量的緩和ということになると、「ヘリコプターマネー」との批判をかなり受けやすくなるといことで、緩和をしにくい状況になると思います。

それにしても、このままでは、いずれ金融緩和の効果も薄れてくるのは必定です。結局、消費税にこだわる財務省とその片棒をかづく政治家やマスコミによって日本はせっかくのデフレ脱却のチャンスを逃すことにもなりかねません。

どこかで、日銀黒田総裁は、初心を思いおこし、中央銀行総裁としての矜持を貫いていただきたいものです。

街頭演説をする安倍総理
それにしても、今回の参議院選挙は追加金融緩和の見送りでかなり厳しくなりました。今回は、ある程度国民からお灸を据えられそうな雲行きです。野党も株安や円高を責めてくることになるでしょう。野党は、「アベノミクス失敗」の連呼でずいぶんと戦いやすくなったかもしれません。

とはいっても、現在金融緩和をするしないで、すぐに7月の参院選の頃にその影響が現れるということではありません。株価や、為替は別にして、実体経済に対する金融緩和の効き目にはタイムラグがあります。1〜2年程度を経てからはじめてその効果がでてきます。

それに野党は、金融政策と雇用や経済が密接に結びついていることなど全く理解していません。だから、彼らの主張する「アベノミクス失敗」は全く頓珍漢で単なる個人攻撃に過ぎないものです。彼らの批判は一部の人にしか受け入れられません。そもそも、現状の雇用状況のかなりの改善があるのですから、「アベノミクス失敗」と連呼してもそれは一部の人にしか影響を与えません。

だからすぐにどうこうのということはないです。しかし、長期的にみれば必ずその影響は現れてきます。近いうちに追加金融緩和をしないと、あいかわらず実質賃金が上昇しないという事態に見舞われることになります。それに、せっかくかなり改善した雇用環境が悪化するかもしれません。

これまで、安倍総理を一番支えてきたのが、他ならぬ金融緩和であることを理解しないと安倍総理は退陣せざをえなくなるかもしれません。そうなれば、一番財務省が喜ぶことになります。

そうして、日本経済はまたデフレスパイラルのどん底に沈み込むことになります。

そんなことは、断じて避けなければなりません。日銀は、「ヘリコプターマネー」と批判されたとしても、近いうちに必ず追加金融緩和を行うべきです。

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2015年3月3日火曜日

ディズニーの「肉」が3月からサラリと値上げしたのは本当か?調べてきた!―【私の論評】金融緩和しても何も変わらないと言っていた輩は、ディズニーランドの肉でもたらふく食って、脳みそをインフレ脳に転換してはいかが?

ディズニーの「肉」が3月からサラリと値上げしたのは本当か?調べてきた!



ディズニーパーク内の一部フードが値上げされたと話題となっておりますが、本当だろうか。そもそもディズニーの入場料が4月から値上げという報道があっただけに、さらに料理などのメニューが値上げされればパーク内を楽しむにはかなり資金が必要となり、入場料とあわせ1日遊べば1人おおよそ一万円はいってしまう。ということで調べてみました。


ネットで噂となっているものはあの肉「スモークターキーレッグ」などの値上げだ。もともと520円から700円と180円という大幅な値上げ。もしこれが事実であれば非常に景気の良い話でアベノミクス万歳といったところだ。

ということで調べてみた。

―スモークターキーレッグが520円→700円は本当。

スモークターキーレッグを販売しているディズニーのチャックワゴン
値上げは本当でした。確かに700円となっておりました。また元の値段ですが過去のサイトを確認すると確かに520円との記載があり、明らかな値上げが見受けられました。

その他、ポップコーンは据え置き、餃子ドッグやミッキーマウスまんやミニーマウスまんなどが値上がりしている模様だ。推測するに単純に製造コストや円安などの影響により輸入費が高まっているだけの可能性も。であるとすればいずれかは値上げは解消されるはずであるが、パーク内のメニューが値下げという朗報はあまり聞いたことがない。

このまま入場料、フードなど次々と値上げし「夢の国」はある意味本当に「夢の国」となって高嶺の花になってしまうのであろうか。

【私の論評】金融緩和しても何も変わらないと言っていた輩は、ディズニーランドの肉でもたらふく食って、インフレ脳に転換してはいかが?

ディズニーパーク内の一部フードが値上げされたと話題となっておりますが、それは上の記事やツイートなどを見てもあきらかなように、本当です。これらが、値上がりするのは、本当に久しぶりのことではないかと思います。これは、何かが変化していることは間違いないです。

何の変化もなしに、ディズニーランドのフードが値上げされるなどということはあり得ません。値上げすれば、客足が鈍るおそれがあるにもかかわらず、値上げをするということは、それなりの背景があるということです。

わずか1年~2年前までは、金融緩和しても効果がない、物価は上がらない、何も変わらないなどというのたまう人々が大勢いらっしゃいました。でも、現実にはこのように値上されています。

あの方たち、今頃どうなさっていらしゃるのでしょうか。この現象何も、ディズニーランドのフードのみのことではありません。

財務省が2日発表した2014年10~12月期の法人企業統計によると、全産業(資本金1千万円以上、金融機関を除く)の経常利益は前年同期比11.6%増の18兆651億円でしたた。統計を比較できる1954年以降で最高です。自動車や電子部品の販売が好調で製造業も過去最高でした。設備投資は2.8%増えました。


日銀が市場に供給しているお金の量を示す「マネタリーベース」は、2月末の時点で278兆円余りで、大規模な金融緩和を背景に7か月連続で過去最高を更新しました。


円安になっても、輸出が伸びず、貿易赤字が続くとのたまう人々も大勢いました。

円安により、日本製品への需要増え、輸出増というのは想定されるところで、実際そうなっていますが、マッカラムが指摘してたように貿易黒字になるとは限りません。これは、長期的に貿易黒字の継続・対外債権の累積を目指す重商主義とは全く異なる話です。

金融緩和によって仮に大幅な円安が生じたとしても金融緩和の効果は内需の増加というかたちをとって主に表れます。そして金融緩和ショックが生じてから数四半期程度は内需の増加によって輸入の伸びが輸出の伸びを上回り、その結果純輸出はマイナスを記録したのです。それだけの話しです。ここで、貿易赤字になったり、国際収支が赤になったからといって、日本経済が状況が悪いなどというわけではありません。回復の一過程にすぎなかったのです。

金融緩和しても、すぐに賃金があがらないとかのたまう人々もいました。しかし、先日もこのブログに掲載したように、雇用情勢も確実に良くなっています。それに関しても、先日このブログに掲載したばかりです。その記事のURLを以下に掲載します。
高卒就職内定率88.8%=バブル崩壊前水準まで回復―文科省―【私の論評】私達は反リフレ派や自称市場関係者らの狼藉者共に翻弄され続けた結果、とんでもないデフレ・円高、それに伴う雇用状況の酷い悪化に20年も翻弄され続けたことを忘れるべきではない(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に雇用の改善を明らかに物語るグラフを掲載ます。



金融緩和して、すぐに実質賃金が上がらないのは当たり前のど真ん中です。まずは、労働条件が緩和されれば、最初にパード・アルバイトの人たちの雇用が増えます。この人たちの賃金は、比較的低いですから、実質賃金は一時下がります。さらに、増税したことによって実質賃金は下がります。

しばらく、実質賃金の低下が見られたのは、これで十分説明がつきます。金融緩和したから、すぐに賃金が上がらないと考える人は、頭を使わずに、脊髄反射でものを考えているだけです。

それから、極めつけは、金融緩和をしても、地方は駄目という論です。そうではなくなりつつあることがはっきりしてきました。

昨日は、日経新聞に以下のような記事が掲載されています。
緩和マネー 地方波及 地銀融資、6年ぶり高い伸び 1月 輸出企業に需要 金利下げ、採算は悪化
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部のみ掲載させててだたきます。



 地方経済に日銀の緩和マネーが少しずつしみ出してきた。地方銀行の融資の伸び率は前年比4%弱に高まり、約6年ぶりの水準だ。地方の資金需要は長く低迷してきたが、インフラ関連企業や造船などの輸出企業が借り入れを増やしている。ただ地銀が貸出金利を大幅に下げて各地で融資競争している面も否めない。地方経済の再生には、消費や生産のもう一段の回復が欠かせない。 
 日銀によると地銀(第二地銀を含む)の1月の融資残高は218兆円と前年同月比3.8%伸びた。伸び率はリーマン・ショック後に政府が企業の資金繰りを支援した2009年5月以来の高水準で、この時期を除けば1992年以来となる。
金融緩和によるインフレ政策と、財政再建のためのデフレ政策とどっちが今の日本人救ってるかというと明らかにインフレ政策でしょう。 企業の倒産、解散件数減少、失業率改善、株高で年金運用改善、企業業績回復、税収増、あらゆる数字で改善しています。無論、8%増税で後退はしましたが、それでも、上記のような結果となっているではありませんか。

金融緩和をしても、何も変わらないと主張してきた方々、もうそろそろ自説を素直に引っ込めたほうが良いと思います。

ディズニーランドのフードで肉でもたらふく食べて、デフレ脳をインフレ脳に転換してはいかがで消か?

ディズニーランドで人気の、スモークターキーレッグ/チャックワゴン

それが、素直にできない方には、田中秀臣氏のツイートを送らせていただきます。
反リフレ派は、まさしクソ虫以下です。反省して、奇妙奇天烈摩訶不思議な、自説を取り下げ、まともな考えを流布するようにすべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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