2015年1月8日木曜日

日本経済は再び高成長できる 90年以降の低成長、元凶は金融引き締め―【私の論評】円安は、輸出競争力を増すだけではなく内需も拡大するというあまりにもあたり前のことを忘れていては、現実を見誤ることを肝に命ぜよ(゚д゚)!

日本経済は再び高成長できる 90年以降の低成長、元凶は金融引き締め

2015年は第2次世界大戦後70年にあたる。この間、日本経済はどう成長してきたのだろうか。

まず、データで確認しておく。戦後の混乱期を経て、1960年代から10%の高度成長に入った。70年代と80年代も5%成長を維持してきた。その成長路線に急ブレーキがかかったのが、バブル崩壊以降の90年代からだ。90年代、そして2000年代以降は1%程度の低成長に甘んじている。

高度成長期の日本

1990年を境として、日本経済はまったく異なっている。この成長率の段差をどのように説明できるだろうか。

90年以前の日本の高度成長について、かつては「優秀な官僚が民間を適切に誘導・指導したためだ」という俗説がはびこっていた。しかし、実際には官僚が市場経済を理解していなかったという事実から、こうした俗説は間違いとされている。

「民間の技術力の賜(たまもの)だった」という見方もあるが、90年から急に技術力がなくなったというのも、にわかには信じがたい。

民間の技術力も一つの要因ではあっただろうが、それを生かすような環境があったことが重要だ。筆者の仮説は、為替レートが円安に設定されたことで輸出競争力が高まり、日本の高度成長の原動力になったというものだ。

71年8月、米国が金とドルの交換停止を発表した「ニクソン・ショック」以前は1ドル=360円。それ以降も80年代後半まで、管理された「変動相場制」だった。通貨供給量や金利差を重視するマネタリー・アプローチ理論から計算される理論為替レートより、実際はかなり円安だった。

 海外競争においては価格が重要な要素であるのは否定できず、さらに、技術が90年代以降急速に劣化したというのも考えにくいことから、この仮説は、日本の高度経済成長をうまく説明していると思う。また、その後の経済停滞とも整合的だ。
バブル期のファッション
本コラムで書いてきたが、80年代後半のバブルつぶしに金融引き締めを行ったのが間違いだった。当時、株式と土地の取引規制に抜け穴があり、そこでバブルが発生し、銀行融資がそれを助長したのだ。

いま設定されている「インフレ目標2%」の水準からみても正当化できないにもかかわらず、金融引き締めを行い、バブルをつぶそうとしたのは、日銀の失敗である。それはバブルだけでなく、日本経済全体をつぶしてしまった。そして、90年以降も日銀は間違いを認めず、金融引き締めを続けてしまった。これは、デフレ経済を招くと同時に、過度な円高の原因ともなった。

90年以降、日本だけが過度な金融引き締めを20年以上も続けたのは、世界各国のマネー伸び率などのデータで日本だけが伸び率を激減させていることからも明らかだ。

90年以前は高成長国、90年以降は低成長国。これほど成長率に格差があるのは、日本以外ではみられない珍しい現象だ。円安で高成長、金融引き締めで低成長という筆者の仮説は、これをうまく説明できる。そこから導かれるのは、適切な金融政策で日本は再び成長できるということだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】円安は、輸出競争力を増すだけではなく内需も拡大するというあまりにもあたり前のことを忘れていては、現実を見誤ることを肝に命ぜよ(゚д゚)!

上の記事概ね書かれてある内容について、賛成なのですが、これを読むと誤解する人もいるかもしれないので、少し補っておきたいと思います。

高橋洋一氏が上の記事述べている、仮説「為替レートが円安に設定されたことで輸出競争力が高まり、日本の高度成長の原動力になった」というのは正しいですが、これだけだと誤解を招きそうです。

日本の輸出は約70兆円で、GDPが約500兆円なのでGDPに占める輸出の割合は約14%です。割合から言えば、それほど大きくないかもしれません。しかも、この指標は過去十数年で倍になったもので、十数年前は8%に過ぎませんでした。

高度成長のときも、この水準以下でした。高橋氏は、無論このことは十分理解していて、あまりにあたり前になりすぎているので、特にはこの事実に触れなかったのだと思います。

しかし、この事実を知らずにただ上の記事を読み流すと、高度成長のときに日本は輸出大国であり、GDPの数十パーセンもの部分、50%も輸出が占めていて、それが国の富になって高度経済成長したなどとの誤解してしまう人もでてしまいそうです。

高度成長期の映画のポスター

確かに、そういう部分は否定できませんが、何やらこうした側面ばかりが強調され過ぎているような気がします。

現実には、高度成長期ですら、輸出がGDPに占める割合は、8%以下でした。現状は14%程度ですが、それでもこれは他国に比較すると少ないです。中国やドイツなどこの割合は40%を超えます。アメリカは数%に過ぎません。

円安だと、外国の製品は割高になります。たとえば、車にしても、同じような性能の車であれば、外車より国産車のほうが低価格ということになります。そうして、多くの人々は、日本車を購入するようになります。

それは、車におよばず、すべての製品でそのようなことがいえます。高度成長期には、こうして内需がかなり拡大して、日本経済の成長を牽引したのです。

ゴーゴー 昭和47年、バンド演奏をバックにゴーゴーを踊る水着姿の女子学生

では、輸出は日本経済に貢献しなかったのかといえば、そんなことはありません。実は、内需にも貢献しています。

これも、車を例にとって述べます。車産業のピラミットを想像して下さい。トヨタ、日産、ホンダは輸出企業でピラミットの上層部を占めます。その下には無数の下請け企業が連なっているのです。いわゆる輸出関連企業群がありGDPに寄与しているのです。そして、そこに働く労働者数も相当な数でしょうから所得、消費まで入れると具体的数字はわかりませんが、GDPの3割合以上はあると思います。

円安ということで、そもそも内需が伸び、輸出によって、直接利益を得ている企業は少ないですが、それでも、企業に対して原材料や、部品を提供する会社が多数あり、これも内需を拡大することに寄与したのです。

円安により、日本国内では、外国製品よりも日本製品を購入するということにより、内需拡大がすすみ、輸出によっても、それに対して原材料や部品を供給する会社により、日本国内の内需拡大ということで、好循環をつくりだし、それがあの高度経済成長の原動力となったのです。

しかし、過去20年程度は、円高なので、海外に製品が売れない、売れないから、輸出産業に対して原材料や、部品を提供してきた企業も疲弊したし、国内でもデフレで物が売れないという状況で、さら内需がしぼむということで、これが悪循環をつくりだし、日本はデフレ・スパイラルのどん底に沈んでしまったということです。

円安というと、昔は、外国製品が割高となり、国内製品を売りやすくするためという政策であるというのが、あたり前でしたが、現在ではそうではないようです。

だから、そういう認識のない人にとっては、円安を脅威と受け取ることが多いようです。要するに、海外から原材料を輸入しているから、原材料が高騰して大変だと、円安のデメリットばかりを強調します。

高度成長期のポスター

しかし、円安には国内においては、相対的に国産品を低価格にし、海外製品が高くなり、多くの人は国産品を求めるようになり、国内産業を育成し、内需を拡大するという大きなメリットがあるということがすっかり忘れ去られています。

いずれにしても、極端な円安、極端な円高、あるいは為替相場の急激な変動は、良いことではありません。しかし、過去においては、あまりにも長い間の円高・デフレで疲弊してきたわけですから、かつてのように、円安・インフレ傾向になることは何も悪いことではないどころか、それによって日本経済はまた必ず伸びるということです。

円高・デフレを念頭におき、この状況をスタンダートと考え、日本経済はもう伸びないなどと考えるのは間違いです。円安・インフレ傾向になりきっていない状況で、デフレ・円高スタンダードでものごとを考えていては、これからの変化を見誤ります。

上の記事も、これを前提として読めば、正しく認識できると思いますが、こうした基本的な認識が欠ととんでもない誤解をすることになりかねないと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年1月7日水曜日

【日本の解き方】インフレ目標2%に黄信号 黒田日銀は審議委員人事でピンチも ―【私の論評】日本国がまともな金融政策ができるようにする立場からすると、いつも薄氷を踏むような人事にハラハラするのはおかしい。やはり、政府が人事権を握るのが当然、そのため日銀法改正を実現すべき(゚д゚)!


消費増税による景気の落ち込みを予測できなかった黒田東彦日銀総裁

日銀が黒田東彦(はるひこ)総裁体制になって4月で2年となる。

黒田総裁は「2%のインフレ目標」を掲げているが、これは達成できそうにない。その理由は、消費増税による景気の落ち込みを予測できなかったからだ。

消費増税前の2014年3月まで、物価は順調に上がっていた。消費者物価指数(生鮮食品除く総合)の対前年同月比でみると、13年3月は0・5%減、6月が0・4%増、9月が0・7%増、12月が1・3%増、そして14年3月は1・3%増だった。

同年4月に消費増税されて形式的には4月が3・2%増と3%を超え、5月には3・4%増となったが、その後は低下し、11月は2・7%まで下がった。

消費増税による物価の押し上げは2%程度なので、それを差し引くと、ピークだった5月の1・4%増はほぼ2%目標の圏内であり、消費増税がなければ、おそらく今頃、2%程度まで上昇していただろう。しかし、黒田総裁は消費増税の影響を見通せなかった。消費増税の押し上げ分を除くと、11月は0・7%増にとどまっている。

現在の経済状況は、GDPギャップ(需要と供給の差)が15兆円程度と、13年1~3月期の状況と似ている。当時は10兆円規模の補正予算と4月からの金融緩和でGDPギャップを急速に縮小させた結果、1年後にはインフレ目標2%の直前までいった。ところが、今回は、補正予算は3・5兆円しかない。昨年10月末に追加緩和があったものの、短期的にGDPギャップを縮めるほどの力強さはない。原油価格の下落は中期的には日本経済に朗報であるが、短期的には物価を押し下げる。この点も考慮すれば、15年中のインフレ目標達成は黄信号だ。

達成したい場合、15年度予算を大型にしなければいけない。本コラムで再三主張しているように、外為特会の含み益10兆円以上を使って、15年度予算の特別枠を設定するのがいい。そこで地方創生などへの重点支出を行うわけだ。さもなければ、15年前半に追加緩和が必要だ。いずれか、または両方がないと、15年中のインフレ目標2%はかなり危ういだろう。

15年の日銀では、人事が注目される。追加緩和に賛成した宮尾龍蔵審議委員は3月に、反対した森本宜久委員は6月に交代する。先の追加緩和決定の際には賛成5対反対4と薄氷を踏む思いだったが、3月に宮尾委員が交代する場合、黒田緩和に反対する人が次期委員になると、追加緩和の可能性がなくなり、黒田日銀はピンチになる。

今の物価動向からみて、15年度のインフレ率見通し1・7%も4月の展望リポートで下方修正に追い込まれる可能性もある。宮尾委員は再任される可能性もあるが、3月の政策決定会合が一つの山場になるだろう。

いずれにしても、3月、6月の審議委員人事で追加緩和賛成派を増やせるかどうかが日銀運営のカギを握る。審議委員の指名では、衆参両院で与党が多数を握っているので、人選の事務を担う財務省がポイントになってくる。財務省のお眼鏡にかない、追加緩和に賛成の人は誰だろうか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】日本国がまともな金融政策ができるようにする立場からすると、いつも薄氷を踏むような人事にハラハラするのはおかしい。やはり、政府が人事権を握るのが当然、そのため日銀法改正を実現すべき(゚д゚)!

確かに、日銀の黒田東彦総裁は、8%増税しても影響なしという発言をしており、増税の悪影響を予測することはできず、昨年の10月末日、かなり経済が落ち込むことがはっきりした後に、ようやっと追加金融緩和を発表しました。全く遅きに失しました。あれは、大失敗でした。本来は、8%増税の前か、少なとも直後に追加金融感を実施すべきでした。

日銀政策決定委員会会合

それにしても、日本国の金融政策の方針を決めるのが、日銀の政策決定委員会であり、その人事権は、衆参両院ということになっていますが、政治化のほとんどが、金融音痴であり、高橋洋一氏が上の記事の最後のほうに掲載しているように、結局人選の事務を担っている財務省の考えが、かなり大きな影響力を持っているというのが現実です。

このようなシステムはもう破綻したことが、はっきりしています。日銀の政策決定委員会は、結局のところ過去20年間もデフレ政策を実行し、日本はデフレ・スパイラルの底に沈んだからです。

このような間違いや、欠陥をマスコミは糾弾することもなく、政治家も是正することもできず、政策決定委員会のメンバーも誰も責任をとらず、無論、日銀の総裁や幹部も誰も責任をとにらず、結果として、失われた20年です。

もう、このような欠陥システムは、是正されてしかるべきです。日銀などもともと、政府の一下部機関にすぎないのですから、日銀の政策決定委員会のメンバーの人事は政府が行うようにすべきです。また、結果として、金融政策が失敗すれば、政策決定委員会の更迭も政府が実行すべきです。

日本国の金融政策の方針は、人銀行政策委員会が決定している

そもそも、日銀の政策決定委員会が日本国の金融政策の方針を決めるのが問題であって、これは政府が定めるべきです。政府が定める、金融政策の方針に従い、日銀の政策決定委員会が、専門家的立場から、その具体的実施方法を選択するという具合にすべきです。

実際、世界標準の中央銀行の独立性は、政府が国の金融政策の方針を定め、中央銀行はその方針に従い、専門家的な立場から、具体的な金融政策の方法を他から独立して、自由に選択し実行できるし、それに失敗すれば、責任をとるというものです。

特に、中央銀行の「目標の独立性(goal independence)と手段の独立性(instrument independence)の違いを認識すべきです。中央銀行が自由に目標を設定できるという目標の独立性を民主主義社会で正当化することはできません。なぜなら、中央銀行のメンバーは全員が官僚であって、国民から選挙で選ばれるわけではないし、国民から信託を受けた人々ではありません。

しかし、中央銀行が干渉を受けずに適切な金融政策を実施できるような手段の独立性は、経済安定のために極めて重要です。手段の独立性は守られるべぎてす。

しかし、現状の日銀法では、「目標の独立性」が保障されているのです。

日本銀行も、このような世界標準の中央銀行の役割を担うようにすべきであって、そのためには、日銀法の改正が必要です。

もう、まともな金融政策を実行したい人々の立場からすれば、現状のように、日銀の政策決定委員会の人事を巡って薄氷を踏みような思いをしなければならない現状のシステムは、変更するのかだ当然です。

現行の政策決定委員会は、1997年の日銀法改悪によって、現在の方式になったものです。

旧法下
図
新制度
図
新制度になった次の年から日本は、本科的にデフレに突入して、そこからずっとデフレで、昨年あたりからようやっとデフレではなくなったというのが日本の現状です。

これは、どう考えも、現行システムがまともだとは思えません。

それにしても、今のマスコミや、民主党等の野党など、日銀の独立性は神聖不可侵のようなものにとらえて、政治家などが批判することも、それを侵しているかのように、考え、その事自体を糾弾するというようなバカ真似を繰り返すのはもうやめにすべきです。

マスコミなど、総理大臣などしょっちゅう批判するし、そもそもわけのわからない愚鈍的な理由で糾弾するのに、日銀は糾弾しないし、糾弾する事自体が日銀の独立性に違反するかのような報道はやめるべきです。

日本の司法も、国会も、政府のどのような立場の人であれ責任があるのはあたり前であり、バカなことをしたり、失敗すれば、批判されるのは当然のことです。

まして、過去20年間も不適当な金融政策を実施して、日本のデフレスパイラルの泥沼に追い込んだ、日銀総裁をはじめとする幹部や、政策決定委員会のメンバーなど、過去においては、徹底的に糾弾されるべきであったし、今でも過去にさかのぼって、糾弾されるべきです。それをしない、マスコミは単なるバカの集まりであると糾弾されても仕方ない思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年1月6日火曜日

外食、低価格メニュー消滅か…客離れ深刻なマックとワタミ、店員離れ深刻なすき家―【私の論評】飲食業界の最近の変化からも理解できる! デフレ脳を捨ててインフレ脳に切り替えよ! できなければ負けるだけと心得よ(゚д゚)!

外食、低価格メニュー消滅か…客離れ深刻なマックとワタミ、店員離れ深刻なすき家


 昨年の外食業界の大きな特徴は、「デフレの勝ち組」といわれた牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングス(HD)、日本マクドナルドHD、居酒屋チェーン「和民」などを展開するワタミが「負け組」に転落したことだ。3社はデフレの時代に低価格を武器に他社を圧倒した。


「デフレ御三家」は揃って赤字経営に陥った。ゼンショーHDは2015年3月期の連結業績予想を大幅に下方修正した。売上高は157億円減の5092億円、営業損益は98億円減の17億円の赤字に転落。13億円の赤字と見込んでいた最終赤字は6倍近い75億円の赤字に拡大する。すき家は10月からワンオペと呼ばれる深夜の1人勤務をやめ、対応できない店は深夜営業を休止した。一連の対応で売り上げ減と費用増のダブルパンチに見舞われ、赤字に陥った。


 日本マクドナルドHDの14年12月期連結決算予想は、売上高が2210億円で前期比15%減。営業損益は94億円の赤字、最終損益は170億円の赤字に転落する見込みだ。14年7月に発生した食材仕入れ先である中国食品会社の賞味期限切れ鶏肉使用問題でイメージが悪化し、売り上げ金額にして200億円から250億円の影響が出た。

 ワタミの15年3月期連結決算予想は、売上高が前期比5%減の1540億円、営業利益は55%減の13億円と減収減益。最終損益は30億円の赤字に転落する見通しだ。国内店舗の9割を占める居酒屋「和民」「わたみん家」の実質的な単価引き上げが客離れを招いた。

●すき家の既存店売り上げは前年同月比増「デフレ御三家」の失速は一様ではない。消費者の反応は既存店売り上げに映し出されるが、昨年4月の消費増税後の既存店売り上げは、すき家とマクドナルド、和民で明暗を分けた。マクドナルドは前述の期限切れ鶏肉問題によるイメージダウンが大きく、既存店売り上げは7月が17.4%減、8月は25.1%減と急激な落ち込みを記録。その後も2ケタの減少に歯止めがかからない。

 ワタミの外食部門の既存店売り上げは6月と7月は2ケタの落ち込みとなったが、4月以降マイナス成長が続く。

 一方、すき家の既存店売り上げは消費増税直後の4月こそマイナスだったが、その後は前年同月を上回っており、深刻な客離れは起きていないもよう。問題なのはアルバイト店員の店舗離れのほうだ。深夜のワンオペが嫌われてアルバイトを採用できず、閉鎖に追い込まれる店舗が続出した。その結果、全店売り上げはマイナスになった。

【既存店売上高の前年同月比】(単位%、▲はマイナス)

※以下、店名:2014年4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月
すき家:▲1.4、8.1、4.3、7.0、5.8、6.6、3.3、1.4
マクドナルド:▲3.4、▲2.4、▲8.0、▲17.4、▲25.1、▲16.6、▲17.3、▲12.3
和民:▲3.6、▲4.1、▲12.8、▲10.1、▲7.3、▲6.3、▲3.2、▲5.3

●日本マクドナルドHDの株価は堅調
 では、投資家の評価はどうか。過去10年間の株価の高値と14年の安値を比較して下落率を算出してみると、下落率が最も大きかったのはワタミ。高値2575円(08年12月8日)から安値1140円(14年12月9日)へ、下落率は55.7%と半値以下になった。

 ゼンショーHDは高値2005円(05年12月29日) から安値906円(14年8月7日)へ、下落率は54.8%。既存店売り上げは前年を上回っているにもかかわらず、株価は上がらない。創業者の小川賢太郎会長兼社長が究極の効率経営として編み出したワンオペを柱に据えたビジネスモデルが、壁にぶち当たったと判断されたことも要因のひとつである。

 一方、日本マクドナルドHDは高値2965円(14年6月10日)から安値2501円(14年2月6日)へと、下落率は15.6%にとどまった。既存店売り上げの記録的な落ち込みが、株価にはそれほど影響を与えていない。むしろ、原田泳幸会長兼社長時代より株価は上がっている。原田氏が通信教育のベネッセコーポーレーション社長に転身してから、株価は10年来の高値を更新した。

●牛丼の低価格戦争終焉
 デフレの象徴といわれた牛丼業界の低価格競争は、急激な円安で材料費が高騰したことと人件費のアップで終焉を迎えた。

 牛丼業界は、つい最近まで200円台の低価格競争を繰り広げてきたが、急激な円安による食材価格の高騰と人手不足による人件費の上昇で、戦略転換を迫られた。牛丼は低価格の看板を下ろした。そして牛丼のみならず、200円台で食べられる外食メニューはことごとく姿を消すことになる。

この記事は、要約です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】飲食業界の最近の変化からも理解できる! デフレ脳を捨ててインフレ脳に切り替えよ! できなければ負けるだけと心得よ(゚д゚)!

脱デフレは外食から確実に始まっています。デフレの最中は、外食産業がかなり悪影響を受け、過去の最高の売上のときからみると、業界全体の売上がかなり減っていました。

しかし、日本がデフレを脱した途端に、外食産業のデフレ御三家が揃って業績を落としました。上の記事は、経済政策の変更が人々の「気持ち=期待」に与える影響がいかに大きいかということを表す記事だと思います。

そうして、上の記事は、外食産業も過去の20年の延長線上では、これからは業績を落とすことに鳴るとの警鐘でもあると受け止めるべきです。

過去のデフレのときは、デフレ圧力によって、とにかく質を落とさないようにして、いかに価格を下げるかということが、知恵のつかいどころでした。だから、徹底した合理化などが行なわれましたが、それが原因となつて、画一的になったとか、食の本当の楽しみ、喜びはなおざりにされてきました。

しかし、これからは違います。食の本当の楽しみ、喜びを打ち出さなければなりません。無論、牛丼やハンバーガーなどのFFでは、これを強く打ち出すことはできませんが、それでも出来る範囲で少しでも打ち出さないとこれからは勝つことはできません。

現在日本は、すでにデフレ状況から脱却し、近いうちに緩やかなインフレになります。そうなると、今までのデフレ圧力とは異なる、インフレ圧力という経済的圧力がかかかることになります。

これは、飲食でも、毎年わずかでも価格をあげることを前提にものごとを考えていかなければならくなるということです。

飲食業でこういう女性がサービスするのも付加価値をつける一つの方法か

ただし、今までと全く同じで価格だけあげるというのであれば、顧客はなかなか納得しないでしょう。それに、競争相手が、価格をあげるだけではなく、何らかの差別化をはかって、それが顧客に認められた場合、こちら側がただ価格を上げただけでは、競争相手に負けてしまいます。

こちらは、こちらで、なんとか別の付加価値をつけて、勝負しなければなりません。これからは、こういうことを実施しなければ、競争に負けてしまうということです。

これを実施するためには、いわゆる知識労働者の生産性を向上させなければなりません。これができなければ、インフレ圧力に負けてしまいます。このようなことでは、知識労働者の疎外という社会的な病を生み出すことになりす。

私達は今のところ、知識労働者の生産性や自己実現度など、正確に測定することはできません。しかし、どのようにすれば生産性を高め、自己実現させられるかを知り、それを実行できるようになっていなければなりません。そうでなけば、これからの競争に負けます。

外食といえば、最近私はあるトンカツチェーンに行きました。これは、特に行きたいから行ったのではなく、本当はある「ステーキ・ハンバーグ・チェーン」に行こうとしたのですが、オープンしたてで、あまりにも混んでいたので、そちらに行ったものです。


そこで、メニューをみると、「熟成肉」のトンカツがあったので、それを注文してみました。価格的にはあまり他の商品と変わりありませんでしたが、食べてみてもどこが熟成肉なのかさっぱりわかりませんでした。これなら、他のメニューでも食べたほうが、良かったという印象でした。

ところで、この「ステーキ・ハンバーグ・チェーン」と「トンカツ・チェーン」の価格帯は大体同じくらいでした。

一月ほどたって、「ステーキ・ハンバーグ・チェーン」も以前よりはあまり混まなくなりましたので、平日に二度ほど行ってみました。すると、ここでは、「熟成肉」とうたっているメニューはありませんでしたが、一回目は、サーロイン・ステーキ、ニ回目はハンバーグを注文しました。



これらのどれも、ものすごく美味しいとは思いませんでしたが、それでも不味くはなく、ある程度美味しいといった印象でした。

しかし、先のトンカツ・チェーンと比較すると、こちらの「ステーキ・ハンバーガー・チェーン」はまた利用してみたいという印象でした。「熟成肉」などとうたっていても、全く変わりがない商品を出すよりは、最初からある程度美味しいものを販売したほうが顧客にとっては良いのだと思います。

おそらく、ここにも外食のヒントがあると思います。「熟成肉」とうたうなら、多少価格を高めに設定しても、顧客に「熟成肉」の旨味がはっきとわかる商品を提供しなければ、かえって逆効果になるということです。

「熟成肉」を販売しなくても、ある程度美味しくすれば、顧客はそちらに惹かれるということです。

最近は、熟成肉ブームのようですが、熟成肉とうたうのであれば、顧客にはっきりとそれがわかる程度のものを提供するべきです。それを実行するために、コストがかかるといのなら、それは価格に転化すれば良いのです。一番悪いのは「熟成肉」といいながら、違いがわからないような商品を他の商品と同じ程度の価格で販売することです。

フーターズ渋谷店 ここの不付加価値はウェイートレス?

これは、「熟成肉」の旨味という付加価値についてですが、これからは、インフレ圧力にさらされて、毎年か、数年ごとに必ず値上げしていかないと商売は、苦しくなります。そんなときに、「成熟肉」の付加価値を提供するというのも、一つのやりかたです。

いずれにせよ、飲食業もこれから、こうしたインフレ圧力に耐えていかなければ、うまくはいきません。これは、何も飲食業界に限ったことではありません。外食産業が一番先に影響を受け、顕著になったというだけです。

昨年末から、今年の念頭でも、このブログに掲載しましたが、結局これからは、デフレ脳では失敗し、インフレ脳でなけば、成功できないということです。環境変化があれば、それに対応しなけば、いけないということです。

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2015年1月5日月曜日

今年も経済最優先、通常国会は「改革断行国会」=安倍首相―【私の論評】一昨年は、はじめから大失敗することがわかっている8%増税導入の決断がなされた年であり、昨年は増税が実施された年。過去二年間は決して経済最優先ではなかった、今年こそ、何が何でも経済最優先の年にすべきであると心得よ(゚д゚)!

今年も経済最優先、通常国会は「改革断行国会」=安倍首相

伊勢神宮で年頭の記者会見をする安倍総理

安倍晋三首相は5日午後、三重県伊勢市の伊勢神宮で年頭の記者会見を行い、今年も経済最優先で取り組むとし、今月末に召集する通常国会を「改革断行国会」と位置づけて改革を進めていく考えを示した。

安倍首相は「日本経済を必ず再生する。そのためにはこれまでにない大胆な改革を進めていかなければならない。東日本大震災からの復興、教育再生、社会保障改革、外交安全保障の建て直し、地方創生、女性の輝く社会実現など、いずれも戦後以来の大改革だ。今年はあらゆる改革を大きく前進させる1年にしたい」と語った。

さらに「私たちがまいたアベノミクスという種はこの2年で大きな木へと成長し、実りの季節を迎えようとしているが、まだ成長途上だ」と指摘。「昨年末に取りまとめた経済対策を早期に実行に移し、(国民の)多様な声にきめ細かく対応することで、アベノミクスをさらに実りあふれる大木へと成長させていかなければならない」と述べた。特に、地方創生に関しては「国家戦略特区に地方創生特区を指定する。今春にも数カ所指定していきたい」と語った。

一方、「国民の命と幸せな暮らしは断固として守り抜いていく。そのための新たな安全保障法制を整備していく」と述べ、通常国会で安保法制の整備を進めていく考えも示した。

内閣の歴史認識については「安倍内閣として村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」としたうえで、戦後70年の首相談話について「次の80年、90年、100年に向け、積極的平和主義の旗の下で世界の平和と安定に一層貢献する明確な意思を世界に発信したい」と強調。「安倍政権として先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、アジア太平洋地域や世界にどのような貢献を果たすか、世界に発信できるものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく」と語った。

安倍総理の年頭記者会見の発言のすべてと記者団の質問内容とそれに対する安倍総理の返答はこちらからご覧いただけます。

【私の論評】一昨年は、はじめから大失敗することがわかっている8%増税導入の決断がなされた年であり、昨年は増税が実施された年。過去二年間は決して経済最優先ではなかった、今年こそ、何が何でも経済最優先の年にすべきであると心得よ(゚д゚)!

アベノミクス(安倍総理の経済対策)の是非を問うために、解散総選挙に踏み切ったわけですから、経済最優先というのはあたり前のど真ん中です。もし、そうしなかったら、有権者を裏切ったことになると思います。

ただし、財政政策として、3.5兆円だけというのなら、道は険しいといわざるをえません。その根拠は、需要ギャップが十数兆あるということです。少なくとも、10兆円以上の対策を実施しなければ、かなり厳しいです。

追加金融緩和は、昨年の10月末に発表したので、遅きに失しています。これは、できればもっと早く8%増税の前か、直後に実施すべきでした。なぜなら、金融政策が実体経済に本格的に効いてくるのは、少なくとも1年以上はかかるからです。

そうなると、今年は効き目のある経済対策は、財政政策だけです。となると、3.5兆円だけでは、焼け石に水です。

これについては、昨年の暮れにこのブログに掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
第3次安倍内閣は経済再生優先、アベノミクス進化―【私の論評】今年は金融緩和が効き目はまだない、財政政策がものを言う! 安倍総理は、積極財政に踏み切らざるをえない(゚д゚)!
現在日本はデフレではないが、過去のデフレの悪影響としてデフレギャップが存在している
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、経済対策としてめぼしいもので、昨年時点で決定されていたのは、地方支援のに規模拡大のための経済対策3.5兆円のみであることを掲載し、これでは全く焼け石に水であることの理由など掲載しました。

このままだと、来年は株価などは別として、8%増税の甚大な悪影響もあることから、なかなか実体経済が良くならないことが予想できます。

しかし今年、財政政策が不十分で、景気が良くならなかったにしても、金融緩和は、引き続き続けるべきです。途中でやめてしまったら、元の木阿弥です。

効き目が出るまで、2%の物価上昇を成就するまで、必ずやり遂げるべきです。これが、達成できいというのなら、再度追加金融緩和をして、確実にやり遂げるべきです。

これをやめて、金融政策も、財政政策も不十分というのでは、過去の失われた20年を繰り返すだけです。

それにしても、安倍総理は、こうしたことも十分ご存知のことと思います。今回は、昨年末には、選挙で勝利した安倍総理です、この事実があるからには、安倍総理は党内の雑音や、財務省の干渉なしにフリーハンドで財政政策を実行できます。


2013年、街かど景気☆Japanというユニットがデビュー
したが昨年、一昨年は決結局経済は最優先されなかった


私は、財政政策についても、安倍総理は、いずれ昨年暮れの解散・総選挙のときのように、私や多くのまともな識者らにとっては、全く予定の範囲であったにもかかわらず、マスコミや識者にとって青天の霹靂であったサプライズをともなった、新施策を打ち出すものと期待しています。

とは、いっても、公共工事の供給制約のある現場では、国土強靭化などはある程度は実施するかもしれませんが、経済対策としては限りがあるので、減税・給付金政策を実施することになるのではないかと思います。そうして、できうれば、再販分的な要素も含んだものを実施すれば、かなり効き目があるものと思います。

そうして、安倍総理が記者会見で語ったように、今年こそ本当の意味で、経済最優先にしていただきたいと思います。昨年は、8%増税が実施されてしまいましたし、一昨年は、失敗することが最初からわかっている8%増税が決断された年でもあります。これらを考えると、過去の2年間は、決して経済最優先ではなかったといえます。

これか、今年もできないとすると8%増税の決断のときと同じように、その原因としては、党内政治や財務省の横槍であるものと思います。

そのようなことが、あれば、今年も、財政政策に横槍を入れるような勢力があれば、晒し者にして、徹底的に粉砕です。このことにより、経済最優先の追加政策をすべきという大きな世論を盛り上げれば、安倍自民党が選挙で大勝したという事実もあいまって、より強固なものとなると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

第3次安倍内閣は経済再生優先、アベノミクス進化―【私の論評】今年は金融緩和が効き目はまだない、財政政策がものを言う! 安倍総理は、積極財政に踏み切らざるをえない(゚д゚)!




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2015年1月4日日曜日

山本太郎「僕が総理大臣になったら」―【私の論評】マクロ的政策・天下国家論が欠如している山本氏。しかし、多くの政治家が、左右上下の立ち位置の違いこそあれ、山本氏と変わらず、ミクロ的な見方しかできない(゚д゚)!


山本太郎氏
ざっくりと内容は以下の通り。
  • 山本太郎氏が総理大臣になったら実行したいマニフェストをつづっている
  • 永田町にある施設を週末クラブ化させ、総理官邸ではイベントをするという
  • 全国の城を宿泊施設にし、消費税を廃止すると宣言している

<本文>

2014年12月末に、「生活の党と山本太郎となかまたち」の一員になりました、山本太郎です。今回の寄稿に際し、新党までの経緯などを克明に記す、かと思えば、大間違い。その件は、国会開会前の記者会見まで、引っ張ります。

そうなれば、書く事もないので、

「さようなら、私にも新年を祝う権利がありますので」

と逃げたいところですが、「2000文字で書け」と言うシバリをDMMの担当者から指示されましたので、山本太郎の新春妄想原稿といたします。すべり気味の記事を生暖かく見守って

最初にお詫び申し上げます。

パンチの効いていない原稿です。

今回、自分で思いついたテーマは、ふざければフザける程、面白い記事になる事は間違いないのですが、よく考えてみれば、新しい立場での責任も生まれましたし、時期を考えれば、フザケたい気持ちをグッと抑えて、控えめに書かねばなりません。

だったら、テーマを変えろ! と言う皆様からのツッコミが聞こえてきそうですが、締め切り数時間前の状態で、この僕に何ができると言うのでしょうか。

ですから、今回だけは、

「この道しかない」

という事で、すべり気味の記事を生暖かく見守って戴ければ幸いです。

但し、僕が総理大臣になったら、これらのマニュフェストは実行したいと、本気で考えています。

「今を知りたい!」と期待されてこの記事を読もうとされている方は、DMM内の他の記事でお楽しみ下さい。

なお、妄想マニフェストでは出てこない、原発・被曝、その他の政策や活動などをお知りになりたい方は、参議院議員 山本太郎のHPをご覧下さい。委員会での動画などもご覧戴けます。

僕は、総理大臣になってこの国を変えたい

今回の記事は新党の中で話合われた事ではない事を、重ねてお知らせいたします。

2014年最後の国会で、総理大臣を誰にするか、衆参両議員が記名投票をする首班指名が行われた。

参議院の、投票総数234票の内訳は、安倍晋三さん135票。岡田克也さん61票。江田憲司さん11票。志位和夫さん11票。平沼赳夫さん6票。吉田忠智さん4票。荒井広幸さん2票。松田公太さん2票。山田太郎さん1票。山本太郎、1票。

え、山本太郎、自分で自分に投票したの!? もちろんです。僕は、総理大臣になって、この国を変えたいのです。

それを上回る思いと行動力をお持ちの方がいらっしゃれば、全力で応援します。

総理大臣、という最高権力者にならなければ出来ない事が山ほどあります。

じゃ、山本太郎が総理になったら何する訳? 小学校6年生の時、校長先生との面談で、

「将来、総理大臣になる」

と言って鼻で嗤われた記憶を遡りながら、前半は小6テイストで、マニュフェストをざっーくり書いてみます。

僕が総理大臣になったら 「総理官邸でほぼ毎週末、クラブイベントをやります」

官邸だけでなく、永田町にある施設も週末クラブ化させ、パスを発行し、ハシゴできる様にします。営業は、深夜12時まで。そのあとは、他へ流れて、朝まで遊んで戴ける様にします。

風営法によって、深夜に踊る事も許されない国を、官邸主導で変えて行きます。イベントをオーガナイズする人を毎週公募、週末の永田町があなたのアイデアで彩られます。収益は財政が厳しい自治体、または生活困窮者支援に分配します。

僕が総理大臣になったら 「全国の城を宿泊施設にします」

イメージは、ポルトガルのポサーダ。

現在、博物館的な役割をしているお城の天守閣をスイートルームにして、世界の富裕層、超富裕層に、1日城主を味わって戴き、お金を落として戴きます。

例えば、姫路城天守閣一泊、200万円でも泊まるお金持ちはいます。

収益は、それぞれの施設の維持費、余れば、その自治体の財源とします。

僕が総理大臣になったら「海外視察に学生を連れていきます」

海外視察に行く度に、全国の中学校から抽選で一校選び、同行して戴きます。

安倍総理の様に50カ国を訪問するなら、50校の生徒を連れて行く。

相手国の学生も交えた首脳会談や、ホームステイ、などなど体験できる修学旅行をして戴きます。

僕が総理大臣になったら「教育を変える」

18歳になれば、自分がどんな仕事をして生きていくのか、が大体決まるというドイツのマイスター制度を手本に、音楽・演劇・映像・漫画・美術などアート方面にも選択の幅を拡げ、望む人全てが手に職をつけられる様な、ひとりひとりが持つ才能を発見し、誰もが必要とされる教育環境を築きます。

僕が総理大臣になったら「消費税を廃止します」

25年続いた欠陥税制でこの国に生きる人々は疲弊し、経済は後退しました。

じゃあ、財源は?

僕が総理大臣になったら、税の累進制を強めます。

お金持ちになればなるほど税金が安くなる、日本の所得税。

多く払える人が多く払う、と言う、税の概念・大前提に反する現状は、ただの金持ち優遇、お仲間たちへの最大の配慮、既得権益の強化です。

山本太郎政権の税金の集め方は至ってシンプル。持ってる人から多く取る。

それだけでなく、大企業とネンゴロである政治家や官僚が作り上げた、大企業が税逃れを出来る為に用意された80ものシステムも見直し、相応の法人税を支払って戴きます。

これができれば、消費税など不公平な税金は必要ありません。

この国に生きる人々を犠牲にし、財務省と大企業に気遣いをするのは終わりです。

僕が総理大臣になったら「議員定数は削減しません」

既存の政党が念仏の様に唱える、議員定数の削減。

「議員を減らし、議員に掛かるコストも削ります」

「身を切る改革を!」

など勇ましい響きですが、根本的な解決にはなっておらず、話を誤魔化しているだけです。

定数削減されて得をするのは、大政党のみ。

新規参入がただでさえ難しい今の政治が、定数削減でより狭き門となり、既得権が一層強化されるだけ。

多様な意見を交わす為には多様な立場の代理人が議会に送り込まれなければならないのに、定数削減で、入る余地がなくなります。

今よりも偏った、企業側の代理人ばかりが送り込まれる事になってしまいます。

僕が総理大臣になったら「お金が掛からない政治をつくります」

選挙にエントリーするだけで数百万円。選挙運動費用も含めて数千万。

それを全国の全てに候補者を立てれば選挙にひとり5千万円かかるとして、300小選挙区で150億円。こんなふざけた話はありません。

ずる賢い大人たちは、選挙や日頃の政治活動にお金が掛かる様にして、新規参入が難しいシステムを考えた訳です。

そこに、

「もっと議員減らそうぜ、金掛かるだけだよ」

って話にすり替えてるのが、議員定数削減を主張する人たちの本音。

議員は減らしちゃ駄目。

政治にお金が掛からなくすればいいだけ。

数万円で選挙にエントリーできて、巨大政党の候補者も「泡沫」と失礼な言い方で表現される候補者も、同等の条件で選挙ができる、当たり前のルールが必要です。

平等な露出が全てのメデイアで担保され、お金が掛からない選挙戦が出来る様にすれば、平等に政治に参加出来る権利が保証されれば、お金を引っ張る為に、大企業にゴマを擦る必要もなく大企業からの献金も、それに対するご恩返しも必要なくなります。

政治にお金が掛からなくなれば、議員の給料や諸経費(文書通信交通滞在費・立法事務費)もなくせます。

議員の給料が下がれば、国会法35条にある通り、高級官僚の給料もさがるのです。

一般の公務員の給料が高い、と批判されますが、高いのは、幹部クラスの公務員だけで、他は決して高いとは言えません。労働者の多くの給料が、不当に安いだけの話。

公務員バッシングに話をすり替えて、本質をボカし、労働者に長時間労働・低賃金で大企業を肥やし、結果、自分たちにも利益を還流させているだけの事。

僕が総理大臣になったら「正当な労働の対価を手に入れることができる、当たり前の社会を作ります」僕が総理大臣になったら「全ての労働者が1ヶ月連続のバケーションを取れるような労働環境を作ります」

僕が総理大臣になったら……。

僕が総理大臣になったら……。(了)

【私の論評】どんな人からでも学ぶことができる! マクロ的政策・天下国家論が欠如している山本氏。しかし、多くの政治家が、左右上下の立ち位置の違いこそあれ、山本氏と変わらず、ミクロ的な見方しかできない(゚д゚)!

小沢氏と、山本氏の結びつきは今後どうなっていくのか・・・・・

上の記事、とても勉強になるので、全文掲載させていただきました(笑)。

でも、これは私の本当の気持ちです。私は、昔ある人から、「学ぼうという姿勢があれば、どんな人からも学ぶことができる」ということを言われたことがあります。これは、本当です。確かに、学ぼうとう姿勢があれば、小さな子どもからもいろいろなことが学べます。

こういう姿勢が全く亡くなったとき、人は年老いたという事になるのだと思います。

さて、上の山本氏のマニフェストを読んでいて、気づくことがあります。

山本氏の言っていることは、ほとんどがミクロ的な施策ばかりであるということです。マクロ的なものは、消費税の廃止くらいです。それも、具体的ではありません。

しかし、ここで考えてみると、山本氏に限らず、日本のほとんどの政治家が、ミクロ的なことばかり語っています。山本氏と立ち位置が異なっていても、発言内容が一見まともに見えたにしても、ほんどがミクロ的なことばかりです。本当は、こんなことで良いはずはありません。

無論ミクロ的な見方も重要なこともありますが、国政レベルになれば、本来はマクロ的な見方、マクロ的な政策が重要なはずです。

しかし、そうは言っても、「マクロ的」な見方というと、平たくいえば、「天下・国家」を論じるということですから、多くの人にとっては興味の対象外です。

年末の選挙で勝利をおさめた安倍総理

だから、今回の選挙でも、安倍総理は「天下・国家論」よりも、よりミクロ的な側面も大きい「経済」に争点として、勝ち抜きました。これと対照的だったのは、次世代の党です。彼らは、文字通り「天下・国家論」を争点として、「マクロ的」な事柄を争点として、結果として惨敗してしまいました。私は、このことが、彼らが敗北したことの大きな原因の一つだと思います。

しかし、先ほども掲載したように、本来であれば、国政レベルでは、経済であれば、国の金融政策をどうするか、財政政策をどうするのかその大きな方向性が重要なはずです。

次世代の党は、選挙で大敗したが・・・
それに、国政であれば、経済だけではなく、安全保障をどうするのかという問題もあります。さらに、日本国自体の統治「ガバナンス)をどうするのか、もっと根本的ことをいえば、私達の国の「国柄」がどういものであり、これからはどうしていくかという大きな問題もあります。

本来は、これが国政レベルの話です。それ以外は、もっと小さなレベル、都道府県、市町村、コミュニティーの問題です。しかし、この国政レベルの「マクロ的」なことがしっかりしていなければ、「ミクロ的」な考えや、対策でいくら頑張ってみても何も変えることはできません。

だから、「マクロ的」なことはおざなりにはできないのです。しかし現在においては、多くの政治家がこれをおざなりにしてきました。だからこそ、経済も、まともな金融・財政政策ができず、とんでもない長期にわたるデフレを放置することになってしまいました。

経済が、デフレスパイラルの底に沈んでいるとき、いくら国民生活を良くするとか、雇用を改善すると叫んでみて、実際に雇用のミスマッチなどの改善などの、ミクロ政策を熱心に実施してみても、デフレを放置しておいては、何の解決にもなりません。

デフレでも頑張っていますなどと、虚勢をはってみても、何かミクロ的な手を打ってみても根本は解決しません。水道管が破裂したときに、水を必至で汲み出しているようなものです。水道管の破裂を修理しなければ、これは解決しません。デフレも同じことで、まずは金融緩和政策、積極財政で、デフレを脱却しなければ、様々な問題に個別で対応しても、全く解決できません。

しかし、ながら多くの政治家がマクロ的なことは何もせず、個別のミクロ的なことばかりに注力して、結果として、古今東西に例を見ない、長期間のデフレを放置してきました。

しかも、昨年は8%増税などという馬鹿げたことをしてしまい、せっかくアベノミクスの効果が、目に見えて顕著になってきたにもかかわらず、最近では、その効果は帳消しになり、元の状態に近くなってしまいました。

このような愚かなことばかりして、「マクロ的」なことに鈍感で、「ミクロ的」なことばかりに血道をあげ、失敗し続ける馬鹿な多くの政治家どもは、結局のところ、上下左右の立場が異なるだけで、山本太郎氏と大差がありません。

多くの国民は、過去のデフレで塗炭の苦しみを味わいましたし、その後金融緩和で、良くなりつつあったものが、8%増税でまたまた、経済が落ちこんでしまっている最中に、「マクロ的」な「天下・国家論」を語っても、これに耳を貸すほどの余裕がないというのが実体です。

「衣食足りて礼節を知る」という言葉の通り、まずは、デフレを解消して、生活不安をなくしてから、「天下・国家」の話をすべきです。だからこそ、安倍総理は、今回の選挙の争点を「経済」に絞ったのです。

衣食足りて礼節を知る? この彼女、手を前に組んで
いますが、肘を張っていません。正しい挨拶です。

今回の安倍総理のやり方は正しい方のです。とにかく、「経済」直近のを良くして、天下・国家はその後にというのが、安倍総理の方針です。

今年は、とにかく経済がよくなり、国民にも余裕ができ、「ミクロ的」なことばかりではなく、「マクロ的」なこと、「天下・国家」にも関心が持てるようになると良いと心の底から思います。

そのようなことになれば、国民は「ミクロ的」なことばかり語る政治家や、官僚や、マスコミ、似非識者に胡散臭さを感じることになると思います。いや、賢い日本の国民は、昨年の時点で、そういう方向に転換しつつありました。

朝日新聞が、「慰安婦問題」に関する捏造記事を公に認めざるをえなくなったことが、それを見事に査証しています。

それにしても、山本氏の語ることを良く吟味してみれば、結局多くの政治家が、左右上下の立ち位置の違いこそあれ、山本氏と変わらず、ミクロ的な見方しかできないことが良く理解できます。本当に勉強になります。どんな人からも学ぶ事ができるというのは本当だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年1月3日土曜日

【北サイバー攻撃】北朝鮮に責任取らせる オバマ氏、経済制裁の大統領令に署名―【私の論評】マスコミが報道しない世界の動きの背景を知り、戦後体制からの脱却は、決して非現実的でもないし、夢物語ではないことを認識せよ(゚д゚)!


記者会見で北朝鮮のサイバー攻撃について語るオバマ米大統領=2014年12月19日、ホワイトハウス














オバマ米大統領は2日、ソニーの米映画子会社に対するサイバー攻撃への対応として、北朝鮮政府と朝鮮労働党に経済制裁を科す大統領令に署名した。米財務省が発表した。

サイバー攻撃を理由とする米国の対北朝鮮制裁は初めてとみられる。北朝鮮の情報・工作機関である偵察総局など3組織と10個人を制裁対象に追加指定した。米金融市場へのアクセスや米国民との商取引が禁じられる。

金正恩第1書記暗殺を描いたパロディー映画公開に動いた同社に対するサイバー攻撃をめぐっては、米連邦捜査局(FBI)が北朝鮮による犯行と断定したが北朝鮮側は否定。今回の米側措置は、攻撃が北朝鮮によるものであるとの強い確証を反映するとともに、厳しい態度で臨む米国の立場を強調したといえそうだ。

ルー財務長官は「北朝鮮に破壊的な行為の責任を取らせるというわれわれの決意を示すものだ」と説明した。

【私の論評】マスコミが報道しない世界の動きの背景を知り、戦後体制からの脱却は、決して非現実的でもないし、夢物語ではないことを認識せよ(゚д゚)!

オバマ大統領どうしたのでしょうか、この素早い対応。少し前のオバマからは考えられないような変貌ぶりです。

そういわれてみれば、オバマ大統領が、キューバとの国交正常化の交渉に入るという声明を発表したときから風向きが変わってきたように思います。これについては、このブログでも掲載したことがありますので、その記事を以下に掲載します。
「断固たる反対」中国外務省、米の台湾へのフリゲート艦売却に猛反発 報復措置も示唆―【私の論評】まともにニュースの背景を説明できない、メディアは、もうすでにその社会的使命を終えたか(゚д゚)!
訪問先のキューバ・ハバナでフィデル・カストロ前国家
評議会議長と会談した中国の習近平国家主席(左)
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から、オバマ大統領がキューバとの国交正常化の交渉に入ることになった背景などを解説した部分のみ以下に掲載します。
ソ連崩壊以来、キューバにはロシアの支援はほとんどなかったため、キューバは何というか、宙に浮いた形でした。このままでは、衰退し続けてとんでもないことになるのは必定でした。 
これに乗じて、習近平は、キューバを訪問して、崩壊したソ連、そうして今やGDPが日本の1/5の小国に成り果て、支援などおぼつかないロシアに肩代わりして中国が経済・軍事支援をし、米国の喉もとのキューバを親中国家に仕立てようとの目論見を企てたのです。 
習近平のキューバ訪問では、習は、キューバの経済発展を「断固として支える」と表明しました。キューバを取り入れて米国の「内庭」を荒らす戦略的意図が見え見えです。米国・キューバの関係正常化交渉開始は明らかに、中国の影響力をこの地域から排除する米国の決意に基づくものです。

このような中国の行動を放置しておけば、またキューバ危機の二の舞いになりかねません。オバマ大統領は、外交に消極的で、そのためシリアや、イラク、ウクラナイなどでも、失敗を重ねてきました。これらの地域では、はやめに対処していれば、あまり問題にならなくてすむようなことでも、オバマの優柔不断により、問題をより複雑化させてしまいました。

しかし、これらは、アメリカの権益にかかわることではありますが、それにしても、アメリカ本土から相当離れているため、アメリカの安全保障にはあまり影響はありませんでしたが、キューバと中国が結びつきを強め、中国がここに兵器や、軍隊を送り込んだ場合かなりの脅威となります。

米中関係が、悪くなった場合、米国本土が直接中国の脅威にさらされることになりかねません。これを放置しておけば、場合によっては、第二のキューバ危機に発展するということも考えられます。このような脅威は、アメリカ国民も許容できないと思います。

そんなことは、さすがに及び腰のオバマも許容できなかったのでしょう。それに、オバマが及び腰でも、アメリカ議会もこれを許すことはないでしょう。これを許せば、せっかくソ連が崩壊して、冷戦構造が消え去ったにもかかわらず、今度は中国による新たな冷戦構造が生まれてしまいます。
この記事では、こうした背景を説明せず、オバマ大統領が突如として、キューバと国交回復の交渉に入ったかのような日本のマスコミの報道ぶりについて、糾弾しました。

このキューバとの国交回復については、その後あまり報道されていませんが、この交渉はアメリカ議会の反対派もいて、一筋縄ではいかないかもしれません。 議員の中には、キューバとの国交回復は、キューバの人権保護と民主化の発展に何ら役立たないと考える人も多いです。彼らは、米・キューバの国交回復は、カストロ体制が何世代にもわたり、政権の座に居座りつづけるために必要不可欠な経済制裁の解除を実現するためには、多いに役立つかもしれないと考えています。

金正恩第1書記暗殺を描いたパロディー映画のポスター

しかし、今回の北朝鮮への制裁に関しては、議会も賛成のようであり、このような素早い対応ができたと考えれます。そもそも、2014 年 7 月 28 日に、連邦議会下院は、北朝鮮に対する初の包括的な制裁法である「北朝鮮制裁強化法案」(H.R.1771)を可決しました。

これは、北朝鮮の核弾道ミサイル等の大量破壊兵器の脅威、通貨偽造やマネーロンダリングを通じた金融システムの悪用、重大な人権侵害等に対処し、金融制裁の強化により、同国の資金調達を阻止し、核兵器等開発計画の中止及び最終的な廃絶に追い込むことを目的とする。

具体的には、制裁対象となる北朝鮮高官やその協力者の入国を禁止し、米国内における全資産を凍結するのみならず、北朝鮮による核拡散、密輸や人権侵害に加担する第三国の個人や金融機関に対しても、米国政府に制裁を認めるものです。

また、北朝鮮の貨物に対する検査義務の履行が十分でない港や空港から到着する船舶や航空機に対する検査の強化等も規定しています。ただし、同法案は、来年 1 月 3 日の現議会期の終了までに上院で可決されない場合、自動的に廃案となります。

米上院のメネンデス外交委員長(民主党)は昨年12月19日、ソニーの米映画子会社を狙った北朝鮮のサイバー攻撃は「テロ行為の定義に該当するとみられる」として、北朝鮮をテロ支援国家に再指定するよう促す書簡をケリー国務長官に送りました。

メネンデス氏は北朝鮮のサイバー攻撃が「芸術の自由を圧迫する容認できない検閲」であり「危険な前例となる」と非難しました。

ロイス下院外交委員長(共和党)は声明で、オバマ政権が北朝鮮への金融制裁に及び腰になっていると批判。年明けに開会する新議会で、北朝鮮への制裁強化法案を成立させる必要性を訴えました。



さて、今回は、「北朝鮮制裁強化法案」の成立を待たずして、大統領令により、制裁措置をとることにしたものです。米財務省はこれを受け、北朝鮮の情報・工作機関の偵察総局など3団体10個人を制裁対象に指定しました。

このオバマの対応に関しては「北朝鮮制裁強化法案」が上院を今の時点では、通ってはいないものの、やはり議会の主な派閥の後押しもあったものと思います。

今回、またもやオバマが及び腰で対応していれば、北朝鮮が何かしても、アメリカは素早く対応できないということを印象づけ、北朝鮮をつけあがらせることにもなりかねないため、議会の承認がなくても、大統令で素早く動けることを印象づけたかったのだと思います。

そもそも、今回のサイバー攻撃そのものが、「北朝鮮制裁強化法案」の審議に対する牽制だったということも十分考えられます。この映画はそのための、後からの理由付けであって、もしこの映画が作成されることなく、公開発表がなかったにしても、サイバー攻撃が実施された可能性が高いです。

さすがのオバマ大統領も、今度ばかりは、及び腰で何もしなければ、北朝鮮をつけあがらせることになることを懸念して、素早い行動をとったのだと思います。

そうでなければ、またまた、オバマ大統領は、国内で外交ベタとか、外交オンチ、レームダックなどと揶揄され、本当に何もできなかった大統領としいて、歴史に汚点を残したかもしれません。

日本では、オバマ大統領の及び腰が日本にも大きな影響を与えていることがほとんど報道されませんが、尖閣問題が長期化・複雑化する真の原因はオバマにあります。

そもそも、日本もそうして、中国も戦後体制の枠組みに組み入れられているはずです。そうして、アメリは戦後体制の守護者であったはずです。そもそも、現在の中国である中華人民共和国は、日本と戦争をしたこともなく、戦後に建国された国です。日本と、戦ったのは、中華民国(現台湾)の国民党政府軍です。

この体制からすれば、尖閣は日本の固有の領土であり、日中間には領土問題は存在しません。戦後体制を守るのであれば、中国が尖閣でデモンストレーションなど行えば、すぐさま厳しい対応をすべきでした。

たとえば尖閣近くで、日米韓による、大規模な演習を行うだけではなく、その後も尖閣付近に空母や艦船を配置し、中国が領海や領空を侵犯するようなことがあれば、威嚇したり、威嚇しても収まらなければ、艦船や潜水艦など撃沈するなどのことを実施すべきでした。実際には、ここまでしなくても、その気構えさえみせれば、中国があのような挙動をすることはなかったでしょう。

にもかかわらず、オバマはこれを放置し、尖閣問題に関する声明も随分後になって、問題が複雑化した後に行っています。これでは、時期を逸していて全く意味もなく、かえって逆効果です。

このようにアメリカが、優柔不断であり、戦後体制を守る気がないということを中国側に示しているようなものです。中国としては、尖閣で日本だけではなく、アメリカの出方も試しているという面もあるということは、認識しておくべきです。

それにしても、アメリカの立場にたって、戦後体制を守りぬくという立場を貫くというのなら、尖閣では中国に対して厳しい態度をとるというのがあたり前です。

日本としても、いつまでもアメリカが優柔不断でありつづけるというのなら、戦後体制からぬけるしか道はなくなります。しかし、これはある意味日本にとっては、大きなチャンスかもしれません。

自前で自国を守るというあたり前の主張をして、実際そのようにするということも考えられます。ただし、いますぐというのは、無理があるので、現状ではアメリカとの同盟関係を保ちつつ、徐々に抜けていくというのが、最も良い選択肢だと思います。

これについては、日本にとっては、かなり良い環境が整いつつあります。それに関しては、このブログにも掲載した事がありますので、その記事を以下に掲載します。
「日本は憲法改正せよ」が米国議会で多数派に―【私の論評】憲法を改正するか、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になるか、あなたはどの道を選択しますか?
GHQによる日本国憲法草案

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、数年前から、アメリカ議会では、日本の改憲を良しとするほうが、多数派となっています。これは、日本の戦後体制から脱却を後押しするものです。

その他にも、日本の戦後体制からの脱却を促す、アメリカの国内事情があります。
「米国の抑止力、とりわけ日本に対するそれを低下させる」中国軍の戦力増強に危機感-米委員会が年次報告書―【私の論評】国内の増税見送り、解散総選挙で見逃され勝ちな世界の動き、アメリカ議会の動きを見逃すな!アメリカは、日本の改憲を望んでいることを忘れるな(゚д゚)!
海岸防衛から太陽海軍を目指す中国海軍
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、アメリカの軍事費がこれからしばらくは、削減されることはあっても増えることはないことを掲載しました。以下に、グラフとそれに関わる部分のみを掲載させていただきます。



この、グラフを見てもわかるように、アメリカの国防予算は、減少傾向です。
米国防総省(ペンタゴン)のヘーゲル国防長官は本年2月24日、陸軍の兵力を現在の約52万人から44万─45万人規模に削減、実現すれば、米陸軍の規模は第2次世界大戦に参戦する前の規模に縮小すると発表しました。今後10年間で約1兆ドル(約102兆円)の歳出を削減する案を模索中で、2015年度の国防予算は約4960億ドル(約51兆円)といいます。 
今年(注:現時点では昨年)の3月1日、オバマ大統領は予算管理法(Budget Control Act)によって規定されていた「sequestration」条項の発動に追い込まれました。 
この「sequestration」という用語は、多くのアメリカ国民にとってもなじみの薄い言葉であり、もちろん日本ではさらに聞きなれない言葉です。英和辞典にはこの単語の訳語として「隔離、流罪、隠遁、(法)係争物第三者保管、財産仮差し押さえ、接収、(医)腐骨化、(化)金属イオン封鎖」といった訳語が列挙されていますが、今回発動された「sequestration」には、「強制歳出削減」あるいは「自動歳出削減」といった訳語が与えられています(本稿では「強制削減」と呼称します)。 
強制削減は、アメリカにおいて史上初めて実施されることになりました。そのため、その本当の影響はなかなか理解しにくいと言われています。 
アメリカでは、今回の強制削減の発動は金融・経済界ではすでに織り込み済みであり、アメリカや世界の株式市場や経済動向に対する影響はそれほど深刻なものではないといった見方がなされています。しかし、最大の削減対象となる国防関係は極めて甚大な影響を受けることになり、アメリカ軍事戦略そのものの修正を余儀なくされかねない状況に直面しています。
今後アメリカの軍事予算はしばらく、削減されることはあっても増えることはありません。これは、当然のことながら、アメリカ軍の活動に大きく影響を及ぼします。アメリカ側としては、経済大国でも日本に対して、日本の防衛は、その大部分を日本に任せることで、かなり軍備を節約することができます。

これによって、他の重要な部分の軍備を減らさないですんだり、さらには、強化することも可能になります。

議会が日本の改憲を良しとする派が、多数派であり、軍事費が削減されるということから、これは日本の、戦後体制からの脱却への追い風となるのは間違いないです。

しかし、現状では、アメリカは世界唯一の超大国であるという事実には変わりありません。また、すぐにそうでなくなるということもありません。こうした、超大国を味方につけつつ、同盟関係は崩さず、賢く実質的に戦後体制から脱却することが、日本の進むべき道だと思います。

それにしても、戦後体制が崩れてはいない、現状においては、世界で唯一の超大国の大統領であるオバマは、中国や韓国にももっと厳しい態度をとるべきです。そうすることによって、中国や韓国は吠えまくるかもしれませんが、吠えたからといって、超大国アメリカになすすべなどありません。

日本が協力して、アメリカが本気をだせば、今でも中韓など全く敵ではありません。それは、中韓自身が良く知っていることです。だから、日本に対して反日活動をしたにしても、デモンストレーションどまりであり、戦後体制に組み込まれた日本に対しては、最後の一線を踏み外すことはできないのです。

もし、踏み外せば、超大国アメリカを敵にまわさなければならなくなります。それは、あまりにリスキーなことです。

戦後体制からの脱却など、非現実的だとか、夢物語のように考える人もいますが、このようなことを知ると、そうではないことが良く理解できます

安倍総理は、このようなことを理解し、少なくとも戦後体制から脱却を近い将来に確かなものにするため、様々な手をうちつつあるし、長期政権が確実なものになれば、これからもさらに積極的に打っていくことでしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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