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2015年5月13日水曜日

若年層の自殺がG7でトップ。日本の若者はなぜ死を選ぶ?―【私の論評】自殺率の高さの原因は、若者の精神的な弱さではない!過去のデフレによる悪影響が未だ残っているせいだ(゚д゚)!


2015.05.12 ニュース

「いのちの電話」など、自殺対策には力を入れている団体も多い
「いのちの電話」など、自殺対策には力を入れている団体も多い 日本の年間自殺者は全体的に減少傾向にある。’98年以降、14年連続で3万人を超えていたその数は、’12年から3年連続で3万人を割り、警察庁によると’14年は2万5218人だ。

しかし、若年層の自殺は深刻な状況にあると言ってよい。15~39歳の死亡原因の第1位は自殺だ(男女別では男性15~44歳、女性15~34歳で1位)。

G7で15~34歳の死因の1位が自殺というのは日本だけ(※グラフ参照)。死亡率はアメリカやフランス、カナダの約2倍、ドイツやイギリスの約3倍、イタリアの約4倍となっている。


この傾向について国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センターの山内貴史研究員(認知行動科学・疫学)はこう語る。

「日本以外の各国では、若年層の死因はがんなどの病気、交通事故などのほうが自殺よりも多くなっています。ところが、日本では中高年の自殺死亡率は下がったものの、若年層の精神的な弱さが目立っています。他国のように、ストレスの対処法を教育で教わっていないからではないでしょうか。中高年の自殺率は今後も下がっていくと思われますが、若年層は増加傾向にあります。また、この数値(自殺率)には自殺未遂者が含まれていません。自損事故として救急搬送されるケースは女性に多いのですが、若年層は未遂も含めると相当の数になると思われます」(山内研究員)

思いつめる前に、自治体、ボランティアなどの相談できる組織のドアを叩いてほしい。 <取材・文/週刊SPA!編集部>

【私の論評】自殺率の高さの原因は、若者の精神的な弱さではない!過去のデフレによる悪影響が未だ残っているせいだ(゚д゚)!

上の記事、どうしようもないです。日本の若者の自殺者数が多いことの理由を「若者層の精神的な弱さが目立っています」として、その真の原因を全く追求していません。山内研究員は、精神的な弱さを示す統計数値も示すことなく、このような結論を出しています。

日本の若者の自殺が多いのは、本当に「精神的な弱さ」だけが原因なのでしょうか。私は、そうは思いません。これについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

若年者死因トップは自殺 先進7か国で日本のみ―【私の論評】若者の死因の第一位が自殺になったのは、デフレ退治をしなかったことによる大きな罪ということを理解しない人が多いためますます、悲劇が続く?

この記事は昨年のも6月5日のものであり、ちょうど今から1年ほど前のものです。

タイトルからわかるように、この記事では若者の死因のトップが自殺というのは、先進7カ国の中では、日本のみというショッキングな内容でした。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分をコピペさせていただきます。
26年版自殺対策白書が3日の閣議で報告された。25年の自殺者は2万7283人。前年の2万6433人より850人増えた。40歳代から60歳代男性が自殺者全体の4割近くを占めたことも家庭の中心的役割を担う年代だけに影響の深刻さがうかがえるものになった。 
また15歳から39歳の各年代の死因のトップをみると、いずれも「自殺」で、白書は「こうした状況は国際的にみても深刻で、15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進7カ国では日本のみ」とした。また日本では15歳から39歳までの死因トップが自殺になっていた。

さて、 上の山内研究員は、統計資料もなしに若者の自殺者が多いのは、精神的な弱さと決めつけているようですので、私はそのようなことをせず統計資料を以下に提供させていただきます。

まずは、自殺者全体について以下に振り返っておきます。

自殺者数と景気は相関が高いことが知られているが、この二年間の経済状況の改善と、さらに自殺対策にここ数年経費を増加させていく方針を採用していることも大きいです。類似の事例はホームレス対策にもいえ、ホームレス数は景気要因に関わらず対策費の増加に合わせて減少しています。

自殺者数の減少については、マクロ(景気)とミクロ(自殺対策関連予算の増加スタンス)の両方が功を奏していると考えられます。

自殺対策関連予算の推移はまとまったデータがないので拾い集めてみると

平成19年 247億円 平成20年 144億円 平成21年 136億 平成22年 140億 平成23年 150億 平成24年 326億 平成25年 340億 平成26年 361億 となってます。


若年層で死因トップが自殺となっているのは先進7カ国で日本のみで、その死亡率も他国に比べて高いものになっています。その自殺死亡率をグラフにしたものが以下です。





上のグラフは若年失業率と20~29歳の自殺死亡率の推移です。
経済状況の相対的な改善とともに、中年男性の自殺死亡率が低下しつつある一方で、近年、20代以下の若年層の自殺死亡率の上昇が見られる点が注目されます。若年層においては中年層に比較して、『勤務問題』の占める割合が高いことが特徴であり、若年層の自殺死亡率が上昇していることと関係している可能性が考えられます。
若年失業率と20~29歳の自殺死亡率の推移を比較すると、両者は近い動きを示すことがわかります。こうしたことから、若年層における自殺死亡率の上昇は、経済状況の相対的な改善にもかかわらず、派遣社員、契約社員、パート、アルバイト等の非正規雇用の割合の増加など、若年層の雇用情勢が悪化していることも影響している可能性があるものと考えられます。なお、特に20歳代以下の若者の『就職失敗』による自殺者数が平成21年を境に急増していることにも注意が必要です。
「勤務問題による自殺」に関するグラフを以下に掲載します。

少し古いデータではありますが、勤務問題で自殺する若者が近年増えていたのは間違いないです。

「就活自殺」に関すグラフを以下に掲載します。


就職活動がうまくいかない大学生が精神的に追い詰められて死を選ぶ「就活自殺」が、平成25年までの7年間で218人に上ることが、警察庁のまとめで分かっています。それを示したグラフが上のものです。各大学は最悪の事態を防ごうと対策に乗り出していますが、自殺者数は、雇用環境と密接に関係するともいわれており、専門家は「解決には、雇用環境を改善することが先決だ」と指摘しています。

警察庁によると、自殺原因の詳細な分析を始めた19年以降、自殺した大学生は3516人。そのうち遺書などの記述から「就活の失敗」が原因とみられるのは218人でした。雇用環境との関連を証明するように、景気が回復したとされる25年は、前年より17人減少しました。

「勤務問題」も、「就活失敗」も特に若者に顕著です。大学を卒業したばかりの、学生など、企業に入って、すぐに即戦力になるスキルなど持っていません。企業としては、大卒の新人などを雇用しても、まずは訓練しなければならず、雇用すれば当初は経費がかさむことになります。

だから、デフレともなれば、採用を控えるのは当然のことです。企業に採用されなかった若者は、パート・アルバイトになるわけですが、デフレ化では、雇用条件も悪く、スキルも身につきません。

こうした若者が、将来に絶望して、自殺を選ぶということなど容易に想像できます。

今の日本は、厳密ではデフレではありません。しかし、過去20年近くにもわたって、継続したデフレによる、悪影響から抜けきっているわけではありません。

最近は、若干景気が良くなっているようではありますが、それにしても、世界的な視野からみれば、日本は若者の自殺が他の先進国に比較して、突出して多いという大問題がまだ解消されていません。

このような状況で、昨年4月に8%増税をしたのは、全くの間違いでした。そうして、もし10%増税が決定され、導入されたとした、若者の自殺はさらに増えたことが予想されます。

とにかく、現状は増税などの緊縮財政などは避け、一日も早くデフレから脱却するだけではなく、デフレによる負の遺産を一掃して、若者の自殺を撲滅すべきです。

「若者の自殺が多い国」という汚名は、一日でもはやく返上して、若者が希望の持てる国になろう!

「若者の自殺の多い国」という汚名は、一日でもはやく、返上すべきです。いつまでも、若者が、未来に希望が持てなく、自殺してしまうような国であってはならないです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年2月21日土曜日

日本マクドナルド、原田氏が会長退任へ―【私の論評】 マックの業績悪化の大部分は、デフレによるもの、日本の経営者もエリートとしての自覚を持ちアメリカビッグスリーのように、政府・日銀にどんどんイチャモンをつけるようにすべき(゚д゚)!


原田泳幸取締役会長

日本マクドナルドホールディングスは2月20日、原田泳幸取締役会長が3月25日の定時株主総会後に退任する役員人事を発表した。原田氏は日本マクドナルド取締役会長も退任し、同社グループから退く。

原田氏は2004年に米Apple日本法人の社長から日本マクドナルドのCEOに転じた。昨年6月からはベネッセホールディングス会長兼社長を務めている。

原田氏は「私のマクドナルドでの歩みは常に変革・改革の連続でしたが、マクドナルドは“ピープル・ビジネス”、常に人材を礎としビジネス基盤を強固にしてきたことで成長してきたものと確信しております」とするコメントを発表した。

コメント全文は以下の通り。
 退任のご挨拶 
 私、原田泳幸は3月25日(水)をもちまして、任期満了に伴い、日本マクドナルドホールディングス株式会社並びに日本マクドナルド株式会社の取締役を退任する運びとなりました。 
 皆様におかれましては、在任中、格別のご高配を賜りまして、誠に有難く、厚く御礼申し上げます。 
 2004年の2月に就任し、8年間のビジネスの成長の後、新たな成長に向けて、後継者の育成及びサラ・カサノバのサポートを行ってまいりました。11年にわたりお世話になった皆さまへ、心から感謝の思いをお伝えさせていただきます。 
 私のマクドナルドでの歩みは常に変革・改革の連続でしたが、マクドナルドは“ピープル・ビジネス”、常に人材を礎としビジネス基盤を強固にしてきたことで成長してきたものと確信しております。 
 幾度のビジネスの危機も、「お客様第一」であり、目の前のお客様に誠心誠意対応させていただくことを肝に銘じてまいりました。 
 「お客様第一」を徹底して追求していく事こそがお客様への価値向上につながり、企業を成長させる最も重要な事であると考えております。 
 日本マクドナルドは真摯な気持ちでふたたびお客様の店舗体験の価値を高めることと私は確信しております。 
 今後とも日本マクドナルドホールディングス株式会社を何卒よろしくお願い申し上げます。 
日本マクドナルドホールディングス株式会社 取締役会長
日本マクドナルド株式会社 取締役会長
原田 泳幸
【私の論評】 マックの業績悪化の大部分は、デフレによるもの、日本の経営者もエリートとしての自覚を持ちアメリカビッグスリーのように、政府・日銀にどんどんイチャモンをつけるようにすべき(゚д゚)!

原田会長には、長い間本当にご苦労様ですと言いたいです。そうして、今後はベネッセでの活躍を期待させていただきたいところです。

ご存知のように、現在マクドナルドの業績は良くはありません。しかし、私も長い間飲食業界に携わってきたので、良く解りますが、飲食業界ほどデフレの悪影響を受けた業界はないと思います。

以下のグラフをご覧下さい。

     
1975年から1997年までの22年間で、外食産業の市場規模は約3.4倍になりました、同年間の広義の外食産業は3.7倍に拡大しました。しかし、97年をピークとして、98年からは減少に転じました。

1997年といえば、4月1日には、消費税が3%から5%に引き上げられました。また、6月には日銀法が改悪され、同年6月18日に公布、平成10年4月1日から施行されました。

増税と、日銀による金融引締めにより、日本は98年から完璧にデフレに突入しました。この外食産業の市場規模のグラフは、飲食業界がまさにデフレの悪影響をまともに受けたことを示しています。


マックの業績の悪化は、やはりデフレによる影響が大きいでしょう。これを理解しなければ、正しい判断はできません。飲食業界全体が、98年からはデフレの影響で、右肩下がりで下がる状況でした。最近では、景気の回復にともない上昇傾向でしたが、昨年の8%増税の悪影響に直撃されました。

この間、飲食業はどん底で、中小規模の飲食業などかなり多くが廃業に追い込まれました。この間、海外から日本に様々な飲食チェーンが、参入してきました。しかし、多くが敗退しました。その中にあって、マクドナルドは業容を維持してこれたわけですから、良しとしなければならないでしょう。

これから、景気が回復し、緩やかなインフレに向かうにつれて、業績は安定して成長していくことも夢ではないと思います。

長年経営者として、飲食業にかかわってきたものからすれば、そう思います。

今朝は、NewsPicsでこのニュースを見ていたのですが、何やら読者のコメントがマックの業績の悪化は原田会長のせいであるかのようなコメントが多く、これは少し問題があると思い本日はこのことをブログに掲載することにしました。

マックといえば、確かに2012年あたりから業績が悪くなりました。しかし、その前までは、デフレのなかでそれなりにかなり頑張っていたと思います。

飲食業に携わるものからすれば、マックのあの頑張りと奮闘ぶりは希望の星でした。デフレでも頑張れば、マックのように業績を伸ばすことも可能だと思えたからです。

しかし、さすがのマックも2012年あたりからは、業績を落とすようになってしまいしまた。これは、無理からぬところがあると思います。

マックが、デフレに陥ってもしばらくの間は、業績を維持することができたのは、メニューがどうのマーケティングや、販促がどうのということは、無論ないがしろにはできませんが、それらは瑣末なことで、大きな点は以下の二点に絞ることができると思います。

まず第一は、何といってもチェーン店としてすでに、店舗数がかなり多かったことです。現状では、3000を超えていますが、デフレに入る前から、1000店舗を超えていました。

デフレに対処するには、チェーン化などしても、中途半端であれば、かなり対応が難しいです。やはり、1000店舗は超えていないと困難です。

店数が少なくて、100店舗以内なら、デフレ圧力には耐えられません。100店舗を軽く超えて、デフレの直前までに、数百店舗までいっていれば、デフレに入ってから店数を減らしても何とか持ちこたえることができたでしょう。実際、これ以下の店舗数のかなりのチェーンが、デフレの最中に廃業しました。上場企業などは、廃業すると大きく報道され目立ちますが、100店舗以下のチェーンであれば、ほとんど報道されませんから、目立ちはしませんでしたが、かなりのチェーンがデフレの最中に廃業に追い込まれています。

このように店舗数は、多いほうが良いですが、逆に中途半端な店数ではなく、一店舗とか、他店店舗化しても、数店舗くらなら、これもまたデフレ対応はしやすいです。この程度だと、大きな市場は必要なく、特定の小さな市場向けでも、十分商売が成り立つからです。一番どうしようもないのが、100店舗に満たないチェーンだったと思います。

飲食関係のチェーンで、1000店以上であれば、そのスケールメリットは計り知れないほど大きいです。セブンイレブン、ローソンなど、現状では1万店を超えていますが、デフレの最中でも店舗数を伸ばしていました。飲食チェーンで現状で3000を超えている日本マクドナルトは、基礎体力があります。

まずは、これで最大限のスケールメリットが得られるということです。原材料もかなり低価格で仕入れることができます。その他、チェーンオペレーションの徹底で、人材育成も他の業態から比較するとかなり迅速にできます。

次に、円高メリットというのがあったものと思います。特に、マクドナルドは、世界各地からその時々で、もっとも低価格で、原材料を仕入れる仕組みを構築しており、さらに円高ということで、低価格で原材料を仕入れられるという大きなメリットを享受することができました。

こういう大きな2つの強みがあり、これにプラスして、マーケティングや販促手法の開発ということで、業績を伸ばすことができていました。そうして、見事にデフレ対応できていました。

マクドナルド期間限定の「ル・グラン ソーセージ」
しかし、ご存知のように、13年からは、日銀が金融緩和をしたため、デフレは解消傾向となり、円安傾向になり、円高には終止符が打たれることになりました。デフレが解消気味となりきらず過去のデフレの悪影響が残っているうちに、円高傾向に振れた、これもマックにとって災いしたと思います。

そうして、昨年4月から8%増税がなされ、それがマックを含む飲食業界を直撃しました。このような大きな環境変化には、さしものマックも対応できなかったものと思います。これは、誰が経営していたとしも、ある程度は業績を落とすのが当たり前です。

しかし、これからは、デフレが解消され緩やかなインフレに転ずることになれば、飲食業界もさらにやりやすくなることでしょう。無論、マクドナルドもその例外ではありません。日本の飲食業界のピークは97年でしたが、それは本当のピークではないかもしれません。本当は、もっと拡大するはずたったものが、デフレにより拡大できなかったということかもしれません。

そうだとすれば、97年の市場規模を超えてさらに飲食業界が伸びる可能性があります。もし、そうでなかったとしても、ここ十数年分で落ちた分をとりかえすだけの伸びしろがあることは確実です。

最近ローソンで購入したお弁当 500円以上の価格

それにしても、デフレは飲食業をはじめとする様々な産業に悪影響を与えてきました。

私自身は、飲食業に携わってきたので、これは実感として味わうことができました。200円台のお弁当がスーパーで売られているときに、飲食業それもある程度以上(数百店舗以上)にチェーン化したところは、どこも大変だったと思います。実際、100店舗もなかったような、弱小チェーンは、デフレ期間どんどん消えていきました。

原田会長は最後まで、そのようなことはいいませんでしたが、やはり日本の飲食業界にかぎらず、大きな企業のトップは、デフレを放置する政府や日銀に対して徹底的にイチャモンをつけるべきだったと思います。

そもそも、経済の癌ともいわれる、デフレを放置しておいて、いくら頑張ってみたところで、それは水道管が破裂したときに、一生懸命に水を汲み出しているようなものです。やはり、水道管の破裂箇所を直さなければどうにもなりません。

中小以下の企業のトップなどが、政府にイチャモンをつけても残念ながらあまり大きな話題にはなりませんが、日本で一位、二位を争うような大企業のマックなどの会長あたりが日銀の金融政策、政府の財政政策にイチャモンをつければ、それなりに影響力が大きいです。

それも、一人二人ではなく、各業界の最大手あたりの企業のトップがこぞって、日銀の金融政策や、政府の財政政策にイチャモンをつければ、それなりにかなり影響力があると思います。トヨタ、マック、資生堂などの有名どころのトップが、こぞって日銀の金融政策や、政府の財政政策にイチャモンをつければ、かなりの話題になり世論が盛り上がったはずです。

実際、アメリカあたりでは、ビッグスリー(車の製造業の大手三社のこと、GM,フォード、クライスラー)がことあるごとに政府の財政政策や、FRBの金融政策にかなりイチャモンをつけます。

アメリカ ビッグ・スリー

場合によっては、自分たちの経営責任は棚にあげて、ここまでいうのかという「イチャモン」もありましたが、あれはあれで良かったのかもしれません。

というのも、原田会長をはじめ、日本の経営者は、政府や日銀の政策運営にイチャモンをつける人があまりに少ないからです。たまには、いますが大手企業ではあっても、多くの人にとった知名度の高い企業のトップがそのようなことを言っているのを私は、聴いたことがありません。

それどころか、日本の大企業のトップの中には、デフレの真っ最中に、増税推進を容認するような発言をした者も多くいました。それも、どう考えても、デフレでメリットを享受できるような業種でも、業態でもないような会社のトップがそのような発言をしていました。それに経団連の会長などは、はっきりとデフレの真っ最中にデフレ容認の発言をしていました。このような経営者は、本当の意味での経営者ではなく、典型的なサラリーマン社長なのだと思います。

政府や日銀の政策が極端にまずいときに、苦言を呈するようなことは、日本では恥ずかしいことなのでしょうか。しかし、大企業のトッフであれば、その企業に勤めている従業員の数もかなり多いですし、さらには、お客様や取引先の数やその下請けも膨大なはずであって、政府や日銀がとんでもない経済・金融運営をすれば、企業そのものも大変でしす、従業員や、取引先だってとんでもないことになります。

だから、私は、日銀や政府がとんでもない金融政策や財政政策をやって、デフレを放置し続けるような場合は、まずはお客様に高品質の商品やサービスを提供し続けるために、そうして取引先企業やそのに下請け、自分たちの従業員を守るという意味合いでも、恥も外聞もかなぐり捨ててでも、日銀や政府にとことんイチャモンをつけてほしいと思います。クルーグマンなみの辛辣な批判を展開してほしいです。

それ以外のことでも、どう考えても政府・日銀のやり方がまずくて、顧客や従業員や自分たちにとって悪いことがあれば、どんどん批判すべきです。ただし、大手新聞社のように自分たちだけ、軽減税率を適用してもらいたいがために、増税は容認するし、増税推進キャンペーンを恥ずかしげもなく実行するというような、公序良俗に反するとんでもない行為は謹んでいただきたいものです。

大企業の経営者は、自らの企業のことだけではなく、それをはるかに超えた重い責任があります。日本では、偏差値の高い大学を出た人やその中でも、偏差値がより高い人をエリートと認識する人も多いようですが、これは全く間違いです。本当のエリートは、自分の命よりも責任が重い人のことをエリートといいます。無論、そもそも、偏差値が低すぎる人は責任を負うことができず、そもそもエリートにはなれませんが、それだけではエリートになれるわけではありません。一流大企業のトップは、エリートです。エリートには、エリートとしての自覚を持っていただきたいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年2月15日日曜日

世界各国も金融緩和へ 「通貨戦争」ではなく「デフレ戦争」―【私の論評】とんでも経済論は、日本だけではないが、過去の日本はデフレが20年も続いたという現実があることを肝に銘じよ(゚д゚)!


写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 米連邦準備制度理事会(FRB)や日銀の後を追う形で、欧州中央銀行(ECB)が1月に量的緩和導入を決めたが、カナダやインドなど世界の国々も金融緩和へ向かっている。メディアでは「通貨戦争」という言葉が見られるようになったが、本当に「戦争」といえるようなことなのだろうか。

「通貨戦争」という言葉を使う人は、1930年代の大恐慌は各国の通貨切り下げ競争によって激化したという神話を信じていることが多い。

しかし、この神話は、経済理論的に間違っていたことが最近の研究で明らかになっている。戦間期の為替切り下げ競争が生み出したものは壊滅的な結果ではなく、各国とも好ましい結果になった。

為替レートは原則としてそれぞれの通貨の相対的な存在量で決まる。相対的に希少な通貨ほどレートが上昇するので、金融緩和すれば確かに通貨安になる。

しかし、世界の先進国ではほとんど2%前後のインフレ目標を設定している。そのため、各国は、インフレ目標を超えて金融緩和することはない。つまり、各国のインフレ目標の上限までしか金融緩和しないという限界があるわけだ。

ドルをデザインしたビキニ

インフレ目標が各国に浸透した現代では、各国ともに、自国経済を一定のインフレ率と失業率に抑えようと経済運営すれば、おのずと為替切り下げ競争にはならないのだ。

通貨切り下げによる「近隣窮乏化」は一時的なもので、実際には各国経済が良くなることで、逆に「近隣富裕化」となり、世界経済全体のためにもなる。こうしてみると、自国経済を無視した「通貨戦争」はありえないということになる。

では、なぜ、各国ともに金融緩和なのだろうか。今の時代、モノの生産技術が大幅に進歩して、モノが安価に大量生産されるようになった。しかし、金融政策は旧時代のままで、相変わらず過度なインフレ恐怖症である。このため、カネがモノに対して相対的に過小になって、逆にモノはカネに対して相対的に過大となっている。モノの価値が安くなるため、世界的にデフレ傾向にある。

多くなりすぎたモノと少なすぎたカネのバランスを保つために、カネを増やす金融緩和が必要となって、各国ともにデフレにならないようにしているのだ。このため、「通貨戦争」ではなく、「デフレ戦争」というのが正しい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

上の記事は要約です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】とんでも経済論は、日本だけではないが、過去の日本はデフレが20年も続いたという現実があることを肝に銘じよ(゚д゚)!

各国の通貨をデザインした水着

通貨戦争なる幻想は、最近でも広く流布されています。その典型的なものをあげてみます。以下は、「通貨戦争」というキーワードで、過去一ヶ月間のものをグーグルで検索したものです。ごく一部を掲載したものですが、とにかく「通貨戦争」を前提として言説が多いのには正直いって驚かされました。

米ゴールドマン社長、世界は「通貨戦争のさなか」 

「通貨戦争」の先の副作用を警戒(加藤出)東短リサーチ社長チーフエコノミスト

円安阻む「第2次通貨戦争」の壁 編集委員 小栗太 

宣戦布告ない「ステルス」通貨戦争、ボラティリティ急騰がとどめ

「スイスフラン上限廃止で通貨戦争の新たな局面…韓国製造業に危機も」

日本もいわゆる「とんでも経済論」が流布されていて、これでもかこれでもかと、似非識者や新聞などが、新たな「とんでも経済理論」で、日本の国民さんざん引っ掻き回してくれているのですが、こうやってみると他国も似たようなものと思えてしまいます。

通貨戦争については、このブログでも掲載したことがあります。
「円安で近隣窮乏化」という誤解 デフレ対策の緩和、堂々主張を―【私の論評】まともな国にとっては、まずは国民経済をきちんと運営することが、世界経済もうまく運営していく前提となる!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、ある国が本気で、「通貨戦争」と称して徹底的にどこまでも金融緩和を継続したらどうなると思いますか? 行き着く先はあまりにもはっきりしすぎています。ほとんど頭をつかわないでも、答えはすぐにでます。そうです。お金が増えすぎるわけですから、確かに通貨安にはなるものの、ハイパーインフレになってしまいます。

ハイパーインフレになりかけか、最悪ハイパーインフレになってしまえば、どの国でも、必ずこれを収拾しようとするはずです。これを収拾するには、金融引締を行うことになります。

だから、「通貨戦争」なるものは、単なる幻想にすぎないのです。

ECは、デフレ傾向が続いていて、金融緩和をすべきなのに、ECBが、なかなか金融緩和政策をしなかったので、あの経済学者クルーグマン氏は、日本への謝罪を表明したことがあります。それについては、このブログでも取り上げたことがあります。

その記事のURLを以下に掲載します。

クルーグマン教授“日本に謝りたい…” 教訓生かせぬEUのデフレ危機を嘆く―【私の論評】同じ内容の記事を読んでも、受け取る人によって様々、EUも日本の既存マスコミも黄昏時をむかえたか?
クルーグマン博士
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は昨年11月のものであり、ポール・クルーグマン氏の主張を掲載しました。その部分のみ以下に掲載します。
世界経済の低迷が続く中、海外メディアでは特にユーロ圏の経済危機に警鐘鳴らす記事が目立ちはじめている。多くは、1990年代後半以降の日本を例に挙げ、デフレスパイラルに陥る危険性を論じている。中でもノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン教授は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙上で「欧米は日本以上に深刻なスランプに陥った」と悲観的だ。
クルーグマン教授は、日本の「失われた20年」は、「反面教師として、先進国経済が進むべきではない道を示してきた」とNYTに寄せたコラムで述べている。そして、自身も日本が取った政策を批判してきた一人だと記している。しかし、「我々は今、日本に謝らなければならない」と心情を告白。批判そのものは間違ってはいなかったが、認識が甘かったとしている。
それは、欧米が日本の教訓を全く生かすことなく、「起きるはずではなかった」数々の失敗を積み重ね、日本よりもさらに深刻な状態に陥ったからだという。
 しかし、これだけ辛辣にクルーグマン氏に批判されていたEUも結局は、金融緩和に踏み切ったわけです。

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は「多くなりすぎたモノと少なすぎたカネのバランスを保つために、カネを増やす金融緩和が必要となって、各国ともにデフレにならないようにしているのだ」と述べています。

これは、実は昔から「ワルラスの法則」として知られています。これについても、このブログで掲載したことがあります。その記事の中で、これに関する上念司氏の動画を紹介しました。これは、非常に理解しやすいので、以下にその動画を再掲させていただきます。


この動画をご覧いただければ、おわかりになるように、「ワルラスの法則」は本当に簡単で、誰にでも理解できるものです。多くなりすぎたモノと少なすぎたカネのバランスを保つために、カネを増やす金融緩和が必要ということです。

EUもこのことに気づいて、ようやっと金融緩和に動き出したということです。

しかし、過去の日本においては、このことが理解されず、デフレ気味になっても金融緩和がなされず、結局デフレを阻止できず、15年以上も完璧にデフレ状況に陥ったという現実があります。

そうして、日銀は、こんな簡単なことも理解できずに、デフレ・円高政策を性懲りもなく長期間にわたって継続させてしまったのです。

ドルをデサインしたビキニ
それだけではなく、マスコミも似非識者もそうして多くの政治家もこぞって、とんでも経済理論で、結果としてし日本のデフレを長期化させてしまいました。

私達は、「通貨戦争」なる幻想にとりつかれることなく、ましてやデフレ・円高政策を正当化するような「とんでも経済理論」にとりつかれることなく、正しい認識をすべきです。

そうでないと、また「とんでも経済理論」が幅を効かせ、実体経済とは関係なしに、増税や金融引き締めが行われて、「失われた20年」が、「失われた40年」になりかねません。

マスコミや、似非識者、マクロ経済音痴の政治家などの言説にだまされないようにしましょう。このことは、このブログでも過去何回も主張してきましたが、何回主張しても良いことだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年1月5日月曜日

今年も経済最優先、通常国会は「改革断行国会」=安倍首相―【私の論評】一昨年は、はじめから大失敗することがわかっている8%増税導入の決断がなされた年であり、昨年は増税が実施された年。過去二年間は決して経済最優先ではなかった、今年こそ、何が何でも経済最優先の年にすべきであると心得よ(゚д゚)!

今年も経済最優先、通常国会は「改革断行国会」=安倍首相

伊勢神宮で年頭の記者会見をする安倍総理

安倍晋三首相は5日午後、三重県伊勢市の伊勢神宮で年頭の記者会見を行い、今年も経済最優先で取り組むとし、今月末に召集する通常国会を「改革断行国会」と位置づけて改革を進めていく考えを示した。

安倍首相は「日本経済を必ず再生する。そのためにはこれまでにない大胆な改革を進めていかなければならない。東日本大震災からの復興、教育再生、社会保障改革、外交安全保障の建て直し、地方創生、女性の輝く社会実現など、いずれも戦後以来の大改革だ。今年はあらゆる改革を大きく前進させる1年にしたい」と語った。

さらに「私たちがまいたアベノミクスという種はこの2年で大きな木へと成長し、実りの季節を迎えようとしているが、まだ成長途上だ」と指摘。「昨年末に取りまとめた経済対策を早期に実行に移し、(国民の)多様な声にきめ細かく対応することで、アベノミクスをさらに実りあふれる大木へと成長させていかなければならない」と述べた。特に、地方創生に関しては「国家戦略特区に地方創生特区を指定する。今春にも数カ所指定していきたい」と語った。

一方、「国民の命と幸せな暮らしは断固として守り抜いていく。そのための新たな安全保障法制を整備していく」と述べ、通常国会で安保法制の整備を進めていく考えも示した。

内閣の歴史認識については「安倍内閣として村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」としたうえで、戦後70年の首相談話について「次の80年、90年、100年に向け、積極的平和主義の旗の下で世界の平和と安定に一層貢献する明確な意思を世界に発信したい」と強調。「安倍政権として先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、アジア太平洋地域や世界にどのような貢献を果たすか、世界に発信できるものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく」と語った。

安倍総理の年頭記者会見の発言のすべてと記者団の質問内容とそれに対する安倍総理の返答はこちらからご覧いただけます。

【私の論評】一昨年は、はじめから大失敗することがわかっている8%増税導入の決断がなされた年であり、昨年は増税が実施された年。過去二年間は決して経済最優先ではなかった、今年こそ、何が何でも経済最優先の年にすべきであると心得よ(゚д゚)!

アベノミクス(安倍総理の経済対策)の是非を問うために、解散総選挙に踏み切ったわけですから、経済最優先というのはあたり前のど真ん中です。もし、そうしなかったら、有権者を裏切ったことになると思います。

ただし、財政政策として、3.5兆円だけというのなら、道は険しいといわざるをえません。その根拠は、需要ギャップが十数兆あるということです。少なくとも、10兆円以上の対策を実施しなければ、かなり厳しいです。

追加金融緩和は、昨年の10月末に発表したので、遅きに失しています。これは、できればもっと早く8%増税の前か、直後に実施すべきでした。なぜなら、金融政策が実体経済に本格的に効いてくるのは、少なくとも1年以上はかかるからです。

そうなると、今年は効き目のある経済対策は、財政政策だけです。となると、3.5兆円だけでは、焼け石に水です。

これについては、昨年の暮れにこのブログに掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
第3次安倍内閣は経済再生優先、アベノミクス進化―【私の論評】今年は金融緩和が効き目はまだない、財政政策がものを言う! 安倍総理は、積極財政に踏み切らざるをえない(゚д゚)!
現在日本はデフレではないが、過去のデフレの悪影響としてデフレギャップが存在している
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、経済対策としてめぼしいもので、昨年時点で決定されていたのは、地方支援のに規模拡大のための経済対策3.5兆円のみであることを掲載し、これでは全く焼け石に水であることの理由など掲載しました。

このままだと、来年は株価などは別として、8%増税の甚大な悪影響もあることから、なかなか実体経済が良くならないことが予想できます。

しかし今年、財政政策が不十分で、景気が良くならなかったにしても、金融緩和は、引き続き続けるべきです。途中でやめてしまったら、元の木阿弥です。

効き目が出るまで、2%の物価上昇を成就するまで、必ずやり遂げるべきです。これが、達成できいというのなら、再度追加金融緩和をして、確実にやり遂げるべきです。

これをやめて、金融政策も、財政政策も不十分というのでは、過去の失われた20年を繰り返すだけです。

それにしても、安倍総理は、こうしたことも十分ご存知のことと思います。今回は、昨年末には、選挙で勝利した安倍総理です、この事実があるからには、安倍総理は党内の雑音や、財務省の干渉なしにフリーハンドで財政政策を実行できます。


2013年、街かど景気☆Japanというユニットがデビュー
したが昨年、一昨年は決結局経済は最優先されなかった


私は、財政政策についても、安倍総理は、いずれ昨年暮れの解散・総選挙のときのように、私や多くのまともな識者らにとっては、全く予定の範囲であったにもかかわらず、マスコミや識者にとって青天の霹靂であったサプライズをともなった、新施策を打ち出すものと期待しています。

とは、いっても、公共工事の供給制約のある現場では、国土強靭化などはある程度は実施するかもしれませんが、経済対策としては限りがあるので、減税・給付金政策を実施することになるのではないかと思います。そうして、できうれば、再販分的な要素も含んだものを実施すれば、かなり効き目があるものと思います。

そうして、安倍総理が記者会見で語ったように、今年こそ本当の意味で、経済最優先にしていただきたいと思います。昨年は、8%増税が実施されてしまいましたし、一昨年は、失敗することが最初からわかっている8%増税が決断された年でもあります。これらを考えると、過去の2年間は、決して経済最優先ではなかったといえます。

これか、今年もできないとすると8%増税の決断のときと同じように、その原因としては、党内政治や財務省の横槍であるものと思います。

そのようなことが、あれば、今年も、財政政策に横槍を入れるような勢力があれば、晒し者にして、徹底的に粉砕です。このことにより、経済最優先の追加政策をすべきという大きな世論を盛り上げれば、安倍自民党が選挙で大勝したという事実もあいまって、より強固なものとなると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年12月31日水曜日

【超辛口】上念司が2015年の日本の景気と世界経済を大胆予想!愚政の裏で糸を引いてるバカ役人どもを一刀両断!<おはよう寺ちゃん 活動中(2014.12.8)>―【私の論評】今や日本はデフレではない! 来年は、インフレ脳の人かこれに転換できる人にとって勝負時になる! その他大勢にならないように、努力すべき年になる(゚д゚)!

【超辛口】上念司が2015年の日本の景気と世界経済を大胆予想!愚政の裏で糸を引いてるバカ役人どもを一刀両断!<おはよう寺ちゃん 活動中(2014.12.8)>


超辛口】上念司が2015年の日本の景気と世界経済を大胆予想!愚政の裏で糸を引い­てるバカ役人どもを一刀両断!<おはよう寺ちゃん 活動中(2014.12.8)>

<引用元>
文化放送「おはよう寺ちゃん 活動中」(2014.12.8)

<出演者>
寺島尚正(文化放送アナウンサー)
上念司(経済評論家、コメンテーター)

<関連動画>
上念司、中国経済崩壊の最新ニュース!2014年10月は法律無視の反日、日本企業叩­きで外資が逃げ出す現状!
https://www.youtube.com/watch?v=vK-FR...

【倉山満・上念司】 中国崩壊は時間が経てば経つほど近づくか?(日本文化チャンネル桜より)
https://www.youtube.com/watch?v=dF01C...

【上念司】中国経済崩壊で韓国も共倒れ
https://www.youtube.com/watch?v=Q157y...

上念司が暴露する中国の実態と幼稚すぎる主張!アメリカの専門家に名指しで「アホ」と­評される!
https://www.youtube.com/watch?v=hn_qn...

【上念司】中国経済の減速で中国人が暴徒化
https://www.youtube.com/watch?v=jwiT0...

上念司、中国経済崩壊の異変!最新ニュース2014年10月、破綻寸前のデフォルトの­原因とは?
https://www.youtube.com/watch?v=Wf8aR...

【上念司】中国経済の崩壊とはどの状態を言うのか!(CGS上念司特別編)
https://www.youtube.com/watch?v=ideoH...

【私の論評】今や日本はデフレではない! 来年は、インフレ脳の人かこれに転換できる人にとって勝負時になる! その他大勢にならないように、努力すべき年になる(゚д゚)!

本年の締めくくりは、上念氏の来年の経済予測を掲載することにしました。上の動画は、選挙前のものですが、来年の日本経済の大胆予想の内容は、選挙後もあてはまっていると思います。

さて、以下にもう一つ、上念氏の動画を掲載します。


この動画で、上念氏は日本は最早デフレではないことを主張しています。確かに、多くの人々が、資産物価、一般物価、個別物価の区別をつけないで語る事が多いです。

ここで、これらの物価について、いちいち講釈するつもりはありません。しかし、これが理解できない人は、経済も理解できないですから、わからない人や、あやふやな人はサイトなどで確認しておいていただきたいと思います。

これについて、経済の初歩中の初歩なのですが、いわゆる識者といわれる人までが、誤解して語っているということがよく見られます。しかし、これらの区別がつかないということでは、本当の意味での識者ではないとみなすべきです。

一般物価が1%程度あがっている現状は確かに、上念氏の言うとおり、最早デフレはありません。デフレは、貨幣減少です。デフレ、インフレとは純然たる貨幣現象です。人口の増減など全く関係ありません。これも良く、理解しないと経済は理解できません。これも、いわゆる似非識者が、理解しないで語っていることがありますので、気をつけましょう。

現状は、統計で見てもわかるように、一般物価が下がっているとか、維持しているわけではありませんが、わずかでも上昇しているので、これは確かにデフレといえません。

それと、上の動画で少しいらいらしたことがあるのですが、円安についてです。円安だと、外国から原材料を輸入する中小企業は大変だという論調が多いですが、これ以外にかなり大きなメリットがあります。

円安だと、当然のことながら、輸入品は高くなります。そうして、国内製品は安くなります。そうなると、それまでは外国製品を購入していた人が、国内製品を購入するようになります。要するに、外需から内需への転換がおこるわけです。

これによって、国内産業が潤うことになります。このメリットは、もっと強調されて良いと思います。円安危機を連呼するような連中がいれば、この事実をつきつけるべきと思います。

それは、それとして、日本経済はデフレからすでに脱却して、来年以降は緩やかなインフレに向かう可能性が高いです。そうして、黄金期を迎える可能性もあります。

これを見越して、以下のような報道をする外国人もいます。
「日本の23歳に生まれ変わりたい」 海外エコノミストが語る、日本がこれから黄金時代を迎える3つの根拠
日本は3.4%の国内総生産(GDP)を研究開発(R&D)に投資している
この記事の真偽などの詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事はNewsPicsに掲載されていたもので、この記事に対して私は以下のようなコメントをしました。
日本は、包括的金融緩和を実施したため、現状ではデフレという状況ではなくなりました。無論、過去のデフレの悪影響さらに、8%増税の悪影響は色濃く残っていますが、それと現状のデフレではない状況とはきちんと分けて考えるべきです。 
いつまでも、デフレ脳でものごとを考えている人には、進歩はないでしょう。今こそ、デフレ脳からインフレ脳に転換するときです。いままでは、デフレ圧力に耐えなければならなかったのに、これからはインフレ圧力に備えなければならないということです。 
これからは、私達の知識労働の生産性を上げられなければ、インフレ圧力という経済的なストレスと、疎外という社会的な病いが生まれることになります。私達は知識労働者の生産性も自己実現度も測定できません。しかし、どのようにすれば生産性を高め、自己実現できるかは知っています。 
デフレ圧力の対処としては、現在あるものをいかにその品質を落とさず、価格を低減できるかが、勝負でした。インフレ圧力への対応では、現在あるものの品質を維持するだけではなくその他に何らかの付加価値をつけつつ、他社と差別化をして、顧客に値上げしても、納得して購入していただけるようにしなければなりません。 
今までと、考え方を180度転換しなければならないのです。デフレ脳から転換できない人にとっては、これからとんでもない時代がやってきますが、インフレ脳に転換できる人にとっては、またとないチャレンジングな時代がやってきます。
このコメントに述べたように、来年日本は、緩やかなインフレに転じる可能性が高いです。そうなると、デフレの時とは考え方を根本的に変えなければなりません。

この記事に書かれているいるように確かに23歳などの若い世代であれば、デフレ脳からインフレ脳に変えることはかなりやさしいことだと思います。そうなると、デフレ脳に浸っている古い経営者など尻目に多くの若い起業家や経営者が増えて、様々な事業を展開するようになり、このことが、日本が黄金期を迎えるきっかけになるかもしれません。

私は、アベノミクスのうち、第一の矢の金融緩和と、第二の矢の積極財政は非常に良いことだと思います。しかし、第三の矢の成長戦略は、意味がないと思っています。

成長戦略、それも政府主導による成長戦略など、失敗します。かつて、ハイエクも語っていたように、これが成功するというのなら、共産主義も大成功したはずです。しかし、現実には、大失敗して共産主義は滅びました。

そんなことから、政府が成長戦略など、主導するのは全くの間違いです。政府が財政出動につづいて実現すべき、民間出動です。

富の源泉は、民間企業の積極的な活動によって、もたらされます。いくら、政府が頑張っても限界があります。そのためには、上のコメントにも書いてように、私達民間の知識労働の生産性を上げなければなりません。それができなければ、インフレ圧力という経済的なストレスと、疎外という社会的な病いが生まれることになります。

これを実現するために、政府がとるべき道は、政府主導で成長戦略を実行することではなくて、それは民間にまかせて、自分たちは、民間出動がしやすいような環境を整える、そのためのインフラを整備することです。

政府は、こうして民間企業ではできないインフラを整備して、そのインフラの上で活動するのは、政府ではなく、民間企業であるべきということです。

来年、日本が緩やかなインフレに転じて、民間出動もうまくいけば、それこそ、近い将来に日本は黄金期を迎えることになるでしょう。

なぜ、そのようなことを確信を持っていえるかといえば、あのイギリスが問題はまだ山積しているもの、2010年に、財政再建を目指して、付加価値税(日本の消費税にあたる)の大幅増税したところ、経済がかなり落ち込み、税収も減り、若者雇用が激減したため、2011年からイングランド銀行が大幅な金融緩和を実施しましたが、それでもなかなか経済は、良くならず財政再建のめどもたちませんでした。

しかし、今年2014年には、問題は山積しているとはいえ、イギリスの経済は回復しています。増税で失敗しても、金融緩和を実施して、所定の成果をあげるまで、継続し、積極財政などをすれば、経済は必ず回復します。それは、日本も同じことです。

あなたの脳はデフレ脳かインフレ脳か?


来年から、日本もインフレ脳の人、あるいはデフレ脳からインフレ脳に転換できる人にとっては、勝負の時となります。インフレ傾向が誰の目にも明らかになってからでは、準備が遅すぎます。

自分は、そんなことはないなどと思っている人は、もうすでに油断してまいます。これは、過去の事例からみて明らかです。バブルが弾けても、多くの人々は、それを認識できませんでした。すぐに認識したのは、株や土地で大損をした人たちでした。それ以外の人は、なかなか気付きませんでした。

その査証として、あのバブルの象徴と受け取られている、ジュリアナ東京は、バブル崩壊後に設立されています。これは、事実です。疑問に思うなら、サイトで調べて見て下さい。

多くの人々は、バブル崩壊などの大きな経済変動があっても、すぐには気がつかないのです。多くの人々が、「これは一時のことだ」とか、「すぐに戻るさ」などと考え、なかなか受け入れないものなのです。多くの人々がこれに気づいたのは、バブルが崩壊して、日本が完璧にデフレに突入してからです。

ジュリアナ東京は、バブル崩壊後に開業している。あの喧騒は一体何だったのか?その他大勢の喧騒か?

今までのデフレ傾向から、インフレ傾向になるときにも、同じことが繰り返されます。多くの人がデフレ脳を捨てきれずに数年間は、デフレ脳のままで過ごします。数年たって、はじめて、インフレ脳に順応していくようになります。

これから、黄金期を創っていく人は、そうであってはならないです。その他大勢のデフレ脳の仲間に入るべきではありません。商売、事業は、将来の大きな変化を人よりも先にとらえて、それに備える人が勝ちます。これからの、勝ち組になるのか、負け組になるのかは、周りの環境ではなく、あなた自身の脳が決定します。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

今年も、最後となりました。本年中は、このブログをご覧意いただきまことにありがとうございます。来年も、よろしくお願いします。

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2014年12月19日金曜日

経済対策3.5兆円に 27日にも決定 地方支援で規模拡大―【私の論評】8%増税悪影響は甚大、対策を怠れば、デフレからの脱却は遠のく!しかし、最も警戒しなければならないのは昼行灯の似非識者と財務省か(゚д゚)!

経済対策3.5兆円に 27日にも決定 地方支援で規模拡大


 政府は足踏みが続く景気の底上げに向けた緊急経済対策を、3.5兆円規模で編成する方針を固めた。27日にも閣議決定して2014年度補正予算に盛り込む。地方自治体が実施する商品券や旅行券などの発行を補助するほか、自然災害の復旧事業などにも充てる。当初は2兆~3兆円程度を想定していたが、地方の消費喚起や中小企業対策などを上積みする。

財源は今年度税収の上ぶれ分などをあて、新規国債は発行しない。予算案は来年1月下旬に召集予定の通常国会に提出し、2月中旬ごろの成立をめざす。

この記事は要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】8%増税悪影響は甚大、対策を怠れば、デフレからの脱却は遠のく!しかし、最も警戒しなければならないのは昼行灯の似非識者と財務省か(゚д゚)!

この緊急経済対策、無論実施すること自体には賛成なのですが、それにしても金額があまりにも少なすぎます。これについては、経済評論家の上念司氏も私と同じような考えのようで、以下のようなツイートをしています。
今年4月からの消費増税によって、それまで2%以上だった実質経済成長がマイナスにまで低下してしまいました。このため、年率換算で国内総生産(GDP)は15兆円ほど失われました。これによる税収減は国と地方合わせて3兆円にものぼります。

20年度の均衡化達成を目指すという、財政再建のために、8%増税したにもかかわらず、プライマリーバランスは、前年度の経済成長率でほとんど決まりますから、巷で良く言われているように、10%の消費増税先送りをしたから財政再建計画の達成が難しくなったのではなく、8%の消費増税をしたので難しくなったというのが真実です。

これが、予定どおりに10%増税などしていたら、財政再建はさらに道が険しくなったことでしょう。このことは、このブログでも、増税するずっと前から主張してきたことですが、それが現実のものになったということです。

そうして、消費増税によってGDPギャップ(需要と供給の差)も15兆円ほど生じてしまいました。景気を再度成長軌道に乗せるために景気対策が必要になりましたから、この意味でも財政再建計画を遅らせる要因になっています。

これらのことから、最早増税は、財政再建のために行うものという認識は、全くの間違いであったことが白日のもとに晒されました。

現状では、増税は景気にも悪影響を及ぼすし、財政再建にもマイナスということで、百害あって一利なしということが、もともとはっきりしていたのですが、数字上でもはっきり裏付けられた形となりました。

それにしても、まともなエコノミストの間では、このような議論が行なわれているというのに、とんでもないことを言う大学教授がいます。これも、上念氏がツイートしていました。
この土居教授、慶応大学の経済学部の教授だそうです。経済学とはいっても、様々な分野があり、それこそ、ミクロ経済学もあり、様々な分野があることは知っています。だから、マクロ経済学以外の研究をしている学者も大勢いることは知っています。

しかし、それにしても、一応教授という肩書がついているのであれば、専門馬鹿であってはいけないと思います。少なくとも、そなに詳しくはないまでも、マクロ経済の基本はおさえていて欲しいものです。こういう教授が大学教授、それも一流大学の教授であるということは本当に問題だと思います。

それにしても、この土井教授の発言、選挙後のものだったと思います。まあ、選挙前であれば、財務省への応援のつもりと解釈もできますが、総選挙後で、しかも与党が圧勝した後での発言だとすれば、本当に理解に苦しみます。

この教授野菜の値段を知らないのではとさえ思ってしまいます。キュウリ一本、千円などとか、そのようなことであれば、この教授のいうこともわからないではありませんが、常識で考えれば、どう考えても野菜不足でGDPがあれほど落ちるとは考えられません。

この手の流言は、以前にもありました。それは、GDPの低迷は、天候不順によるものとするものでした。これについいては、このブログにも、高橋洋一氏の反論記事を掲載して、論評を加えました。

無論、今年程度の天候不順はほとんどGDPに影響を与えません。だから、天候不順による野菜不足も無論、GDPには、ほとんど影響がありません。

少し、横道にずれてしまいましたが、なぜこのようなことを書いたかといえば、せっかくまともなエコノミストなどがまともに論議をしようとしても、なぜか、たいそうな肩書のついた識者といわれる人々が、全く事実にもとづかないトンチンカンな論議をし、それをメディアが吟味もしないで、報道するので、今の日本では、多くの人々がこれに、幻惑されて正しい判断ができなくなっているということです。

今回の選挙の直前にも、マスコミや識者が盛んに、「予定通り増税すべき」と言い立てていました。はっきり、言いますが、こういう主張をしていた、マスコミや識者は、全く信用できません。これから、彼らの主張はことごとく退けるべきです。

さて、少し脱線しました。話を元に戻します。

現在8%増税の悪影響が続いており、10%増税を見送ったからといって、これが是正されるわけではありません。だから、これに対する経済対策を実行する必要があります。

しかし、ブログ冒頭の記事の3.5兆円だけではどうにもなりません。今の日本は、一刻もはやくデフレからの脱却を成し遂げなければなりません。そのためには、積極的な財政出動をしなければなりません。

そのためには、私は国債を刷っても良いと思います。現在国債を刷ってでも、お金をつくって、経済対策をして、デフレから脱却して、さらに加熱気味になったとき、増税をすれば、今度は税収がかなり増えます。デフレでさえなければ、デフレの現状よりは、はるかに税収が増えて、それで、財政再建は必ずできます。

ちなみに、高橋洋一氏は、国債に頼らなくても、十分財政再建目標は達成できるとしています。それに関する記事のURLを以下に掲載します。
円安による含み益は10兆円以上ではないか 外為特会活用で国民に還元を
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、高橋氏は、経済対策の財源として以下のような提言をしています。
 景気対策などで財政支出を惜しんではいけない。別に国債発行に頼ることもない。いわゆる「埋蔵金」を活用すればいいのだ。今の段階なら、円安で含み益が10兆円以上あると思われる外国為替資金特別会計(外為特会)の活用がいい。もちろん、外為資金百数十兆円すべてが埋蔵金ではなく、あくまで含み益の部分である。
頭を使えば、このようなこともできるわけです。私としては、国債を発行して、さらに、税収上振れ分や、円安含み益や、その他の埋蔵金、たとえば政府資産の売却なども含む、ありとあらゆる手を使って、30兆円規模の経済対策を行うべきと思います。

本来、こういうことを考えるのが、財務省や識者の役割だと思います。そんなこともしないで、ただただ、増税を推進しようとしてみたり、上の土居教授のような馬鹿げた発言ばかりするというのなら、彼らは単なる昼行灯(ひるあんどん 役立たずという意味)とみなすべきです。しかし、この昼行灯にもいろいろいて、土井教授のようにすぐわかる嘘をつくならまだしも、もっともらしいことを様々なことを根拠に述べ立てるので、多くの人は幻惑されやすいです。

現在の日本では、まともな経済対策をするには、こうした昼行灯どもを無力にするしか方法がありません。今回の選挙で、まずは安倍総理がこれらをかなり無力化しました。しかし、これからもこうした無力化をどんどん継続していく必要があります。そうでないと、また奴らが息を吹き返し、とんでもないことをしだすかもしれません。まるでゾンビのような奴らです。

とにかく、桁は一桁ではなく、二桁の経済対策を行なわなければ、焼け石に水で、デフレからの脱却もしていない状況での8%増税というとんでないことをしてしまったことの挽回は不可能だと思います。

そうして、経済対策としては、公共工事の供給制約のある現在では、所得税減税と、給付金が最も良い方法であることは、いうまでもありません。

安倍総理は、総選挙で大勝を収めたのですから、安倍総理はこれらの昼行灯に全く影響を受けることなく、フリーハンドでどんどん新たな経済対策を打っていただきたいと思います。

私は、そう思いますます。皆さんは、どう思われますか?

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第2章の最後の方で、相関関係に留まらず因果関係「失業が自殺を生みだした」の分析がなされています。


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