2016年4月10日日曜日

朝鮮大学校、在校生が激減…最盛期の4割に 総連陰り就職厳しく 北の兵器開発は学校ぐるみで支援―【私の論評】北朝鮮への技術情報の駄々漏れや主体思想を併せ持つ日本の公職者の養成許すまじ(゚д゚)!

朝鮮大学校、在校生が激減…最盛期の4割に 総連陰り就職厳しく 北の兵器開発は学校ぐるみで支援

朝鮮人大学校のキャンパス
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の影響下にある朝鮮大学校(東京都小平市)在校生が最盛期の4割にあたる約600人に激減したことが9日、分かった。朝鮮総連関係者が明らかにした。核開発を主導した金正日総書記、金正恩第1書記父子を絶対視した偏向教育への反発が進む一方、卒業生や教授の一部は北朝鮮の兵器開発を後押しする朝鮮総連傘下の在日本朝鮮人科学技術協会(科協)に所属していることも判明。10日に入学式とともに、創立60周年の節目を迎える同大は組織強化を図る構えで、政府が動向監視を強めている。

関係者によると、昭和31年に開校した朝鮮大学校は民族教育の最高学府と位置づけられ、朝鮮総連幹部職員や朝鮮学校教員を養成。当初、60人余りでスタートした在校生は平成に入ると1500人台まで増えた。 

ところが、核・ミサイルによる軍事的挑発を繰り返す北朝鮮への盲従を強いたり、総連の弱体化で傘下組織への就職が困難になったりしたことから受験生が激減。平成27年度の定員は1220人だったが、実際は約600人しか集まらなかった。教職員数も減少の一途をたどり、財政難が影響して平均月給は約10万円にまで減っている。


一方、科協の現・元幹部の多くは同大理工学部出身者で占められ、一部の現職教授も所属するなど大学ぐるみで支援。加えて、同大は在校生に対し、金一族への忠誠を誓う団体「在日本朝鮮青年同盟」への加入を義務づけて思想も厳しくチェックしている。16日に金日成主席の誕生日祝賀行事を行うほか、国際シンポジウムなど60周年記念行事を相次ぎ開催する予定で、思想教育を通じた締め付けを強化している。

これに対し政府は2月、核実験と弾道ミサイル発射を強行した北朝鮮への制裁として、科協に在籍歴のある元同大男性教員の訪朝後の再入国を原則禁止にして警戒を強化している。さらに警視庁公安部は同月、経営学部の元副学部長を詐欺容疑で逮捕。同副学部長は、北朝鮮の指示で韓国での工作を主導した疑いがあり、同大のスパイ活動の拠点化が懸念されている。東京地検は起訴猶予とした。

同大と朝鮮総連は産経新聞の取材に対し「内部事情は話せない」などとしている。



朝鮮大学校 昭和31年に創設され、34年に現在の東京都小平市に移転。政治経済、文学歴史、理工など8学部や研究所を備える。文部科学省所管の大学ではなく東京都が認可する各種学校。張炳泰(チャン・ビョンテ)学長は、北朝鮮の国会議員にあたる最高人民会議代議員も兼ねる。

朝鮮大学校 張炳泰(チャン・ビョンテ)学長

【私の論評】北朝鮮への技術情報の駄々漏れや主体思想を併せ持つ日本の公職者の養成許すまじ(゚д゚)!

在日本朝鮮人総連合会が運営する朝鮮大学校(東京都小平市)が、今年で60周年を迎えるに際して、朝鮮の金正恩第一書記は10日、朝鮮大学校の教職員と学生に祝賀文を送っりました。朝鮮中央通信が同日、報じました。

金正恩氏は、祝賀文で「朝鮮大学校が歩んできた60年の歴史は総聯(朝鮮総聯)の次代教育事業に対する白頭山の不世出の偉人たちの空より高く、太陽より温かい崇高な同胞愛、民族愛の歴史であり、民主主義的民族権利と民族教育事業のための総聯の活動家と在日同胞の愛国献身の歴史である」と述べました。

また「朝鮮大学校の卒業生は愛国・愛族のバトンを継いで在日朝鮮人運動の発展において中核的役割を立派に果たしてきた」としながら、「世界に唯一無二の海外同胞大学である朝鮮大学校はまことに、祖国と民族の大きな誇り、自負であり、総聯と在日同胞の貴重な富である」と強調しました。

朝鮮中央通信の報道全文は次のとおりです。


金正恩元帥が朝鮮大学校の教職員と学生に祝賀文 
【平壌4月10日発朝鮮中央通信】金正恩元帥が、創立60周年を迎える朝鮮大学校の教職員と学生に10日、祝賀文を送った。 
金正恩元帥は祝賀文で、朝鮮大学校が歩んできた60年の歴史は総聯(朝鮮総聯)の次代教育事業に対する白頭山の不世出の偉人たちの空より高く、太陽より温かい崇高な同胞愛、民族愛の歴史であり、民主主義的民族権利と民族教育事業のための総聯の活動家と在日同胞の愛国献身の歴史であると強調した。 
金日成主席は戦後復興建設の困難な時期、日本の中心に朝鮮大学校を建てるようにしたその時から生涯の最後の時期まで、総聯と朝鮮大学校の強化発展のためにあらゆる愛と恩情を惜しみなく施したと明らかにした。 
世界に唯一無二の海外同胞大学である朝鮮大学校はまことに、祖国と民族の大きな誇り、自負であり、総聯と在日同胞の貴重な富であると強調した。 
金正恩元帥は、朝鮮大学校が主席と総書記が意図し、願っていた通り、総聯愛国偉業の未来を担っていく頼もしい継承者を立派に育てることによって、チュチェの在日朝鮮人運動の百年の大計をしっかりと裏付けていくとの信頼を表した。
この報道を読んでいるだけでも、朝鮮大学校が対日工作活動に関わっているか良く理解できます。

サッカー部 関東大学リーグ開幕 今月3日明治学院大VS朝鮮大学校

以下に平成27年版 警察白書より、北朝鮮に関わる部分のみ掲載します。
対北朝鮮措置に関係する違法行為の取締り 
我が国は、北朝鮮によるミサイル発射及び核実験を受けて、国際連合安全保障理事会決議に基づく措置(武器等の輸出入の禁止、人的往来の禁止等)のほか、我が国独自の措置(北朝鮮籍船舶の入港禁止措置(人道目的のものを除く。)、北朝鮮との間の全ての品目の輸出入禁止等)を実施している。警察では、対北朝鮮措置の実効性を確保するため、対北朝鮮措置に関係する違法行為に対し、徹底した取締りを行うこととしており、平成27年4月までに、34件検挙している。

事例
貿易会社役員(47)らは、21年6月18日から北朝鮮を仕向地とした全ての貨物の輸出禁止措置がとられていたにもかかわらず、25年6月、卓球用品等(輸出申告価格約258万円)を、経済産業大臣の承認を受けないで、香港を経由して北朝鮮に輸出した。26年8月、同役員らを外為法違反(無承認輸出)等で逮捕した(大阪)。
平成27年度版の警察白書では、北朝鮮の扱いが小さくなって、以上のことしか掲載されていません。おそらく、対日制裁が効を奏して、大きな事案はなくなったせいだと思います。

同じく、警察庁が出した公文書『先端科学技術等をねらった対日有害活動2006年(18年)10月18日現在には、北朝鮮に関する事例を以下のように掲載しています。
1 大量破壊兵器関連物資等の不正輸出事件 
 警察は、これまでに北朝鮮関係の大量破壊兵器関連物資等の不正輸出事件を七件検挙しており、これらの事件を通じて、濃縮ウランの製造に転用可能な直流安定化電源及び周波数変換器(インバーター)、生物兵器の製造に転用可能な凍結乾燥機等の大量破壊兵器関連物資を始め、潜水具、化学物質、コンピュータ関連部品等が北朝鮮に不正に輸出され、又は輸出が企てられていたことが明らかになっています。 
具体的な検挙事例は、次のとおりです(キャッチオール規制に係る事件については5頁の「大量破壊兵器関連物資等の不正輸出対策」の項目参照)。
①シンクロ・スコープ等不正輸出事件(1987年(昭和62年)静岡) 
  対北朝鮮貿易商社の幹部らが、北朝鮮軍の資機材調達機関等から工作を受け、ココム(注3)の規制対象品で、外国為替及び外国貿易管理法(現「外国為替及び外国貿易法」、以下「外為法」という。)等により輸出が規制されているシンクロ・スコープ等の輸出契約を北朝鮮内の貿易会社と締結し、1985年(昭和60年)10月から1986年(61年)8月にかけて数回にわたって、通商産業大臣(当時)の承認を受けることなく、かつ、税関長に虚偽Tの輸出申告をし、又は税関長の許可を受けないで、北朝鮮に不正に輸出した事件です。 
②集積回路等不正輸出事件(1989年(平成元年)新潟  
 在日朝鮮人の商工連幹部が、1988年(63年)9月、北朝鮮を訪れる際、ココムの規制対象品で、外為法等により輸出が規制されているパーソナルコンピュータ、IC(集積回路)等を日用品と偽って輸出申告し、通商産業大臣(当時)及び税関長の輸出許可を受けないで、北朝鮮の貨客船で不正に輸出しようとした事件です。
③フッ化ナトリウム等不正輸出事件1996年(平成8年)兵庫) 
 対北朝鮮貿易商社の社員が、化学兵器であるサリンの原料としても使用可能で、外為法により輸出が規制されているフッ化ナトリウム及びフッ化水素酸を、通商産業大臣(当時)の許可を受けないで、1996年(平成8年)1月及び同年2月に、大阪港及び神戸港に入港中の北朝鮮船籍の船舶にそれぞれ託送品として積み込み、北朝鮮に不正に輸出した事件です。 
④スクーバ用ダブルバルブ不正輸出事件(1998年(平成10年)警視庁)
   対北朝鮮貿易商社の役員らが、1996年(8年)3月から同年10月にかけて数回にわたって、軍事転用が可能で、外為法により輸出が規制されている非磁性のスクーバ用高圧空気容器用ダブルバルブ(潜水用具の部分品)を、通商産業大臣(当時)の許可を受けないで、万景峰92号で北朝鮮に不正に輸出した事件です。 
2 北朝鮮に関連するその他の事件 
①ジェット・ミル調達動向の判明 
 警視庁が2003年(15年)6月に検挙した機械メーカーによるイラン向けミサイル関連貨物不正輸出事件では、押収資料から、同メーカーが数回にわたって、北朝鮮にジェット・ミル及び周辺機器の輸出を行っており、このうち1994年(6年)3月には、科協を仲介させ、北朝鮮内の塗料会社あてに新潟港から万景峰92号で輸出したことが明らかとなっています。 
 なお、この事案については、判明時に公訴の時効が完成していました。
②科協幹部による薬事法違反事件 
 警視庁は、2005年(17年)10月、薬事法違反の容疑で、科協の幹部2人を逮捕するとともに、関係箇所を捜索しました。その際、当該幹部の経営するソフトウェア会社の事務所から、防衛庁に関する資料が発見され、その一部に防衛上の秘密に当たる可能性のある記載が認められました。 
注3:対共産圏輸出統制委員会。東西冷戦を背景に、1949年(昭和24年)、共産圏への戦略物資・技術の移転を防止することを目的に設立。1994年(平成6年)に廃止。
朝鮮大学校法律学科を卒業2014年に弁護士資格を取得した金銘愛弁護士(法律学科8期生・28)
 警察庁の資料では、平成27年4月までに、34件の検挙の実績があるとのことですが、これは氷山の一角に過ぎないと思います。

朝鮮大学校の脅威は、科学技術の剽窃だけではありません。その他の分野での脅威もあります。たとえば、同校からの日本の法曹界などへの進出があげられます。

1999年、朝鮮大学校政治経済学部に法律学科が創設されてから17年。昨年も6年連続となる弁護士(1人)と司法書士(3人)の合格者が出るなど、朝鮮のチュチェ思想を併せ持つ、法律専門家たちが同学部から数多く輩出されてきました。現在、法律学科の司法試験合格者は15人(男子8人、女子7人)、司法書士試験合格者は8人(男子6人、女子2人)に及んでいます。

本来、朝鮮大学校など正規の大学でもないのですから、ここの卒業者が司法試験受験資格を持つこと事態が奇異です。日本の法曹界に入るなら、本来なら、日本の大学・大学院で日本の教育を受けた人に対してのみ、受験資格を与えるべきものと思います。そもそも、朝鮮大学校は、文部科学省から大学としての認可を受けていないため、法律上は各種学校です。

朝鮮大学校創立60周年記念 大祝祭のポスター

本来ならば、日本の大学の法科大学院を含めて、すべての大学院などに進学できること事態が異常です。

各種学校とは、学校教育法昭和22年法律第26号)の第134条に基づいて、「学校教育法の第1条に規定される学校」(一条校)以外で、学校教育に類する教育を行うもので、所定の要件を満たす教育施設のことである。各種学校は、公立のものは都道府県の教育委員会が認可し、私立のものは都道府県知事が認可する。

では、実際に各種学校はどうのようなものかといえば、具体的には、予備校等、服飾・料理関係の学校、看護系の学校、事務関係の学校、語学関係の学校、自動車教習所、宗教関係の学校などです。

このような学校では、ほとんどが日本の法科大学院を含めた、大学院の受験資格など有していません。にもかかわらず、朝鮮大学校に認めるのは、非常に奇異なことです。

以下に朝鮮大学校の校歌の動画とその歌詞を掲載します。


錦繍江山、我が国に社会主義の花が咲き、海越えこの地の上に我が大学は高く聳え立てり。白頭霊峰の変わらぬ気性は武蔵野見下ろし、祖国の栄光誇るが如き、その名も朝鮮大学。 
若き胸に希望を抱き学び舎に入らば、祖国愛に満ち溢れ暖かく抱いてくれる。鋼鉄の手足に、火を吹くが如く勇気湧き、我らが心臓、紅き心臓は炎高く燃ゆるなり。 
社会主義たる我が国の誇り高き民族文化を、学びゆく我等には革命伝統は灯台なり。怨讐米帝討ち払い、祖国統一成し遂げ、地上の楽園を築きゆく、その任務は大きく重し。 
若き胸に希望を抱き学び舎に入らば、祖国愛に満ち溢れ暖かく抱いてくれる。鋼鉄の手足に、火を吹くが如く勇気湧き、我らが心臓、紅き心臓は炎高く燃ゆるなり。 
億千万年の長き日々、空高くに浮かび続け、遍く天下を見渡す日よ、月よ、問おう。 
広く広き大地の上に優雅に館を建て、海外の子女に教養与える、このような国がまたとあるだろうか。若き胸に希望を抱き学び舎に入らば、祖国愛に満ち溢れ暖かく抱いてくれる。鋼鉄の手足に、火を吹くが如く勇気湧き、我らが心臓、紅き心臓は炎高く燃ゆるなり
 この歌詞の内容を見ている限り、まるで朝鮮にある学校の歌詞のようです。日本や日本の社会を意識した内容には全く欠けています。

それは、それで良いと思います。ただし、朝鮮学校の教育方針がそういうことであれば、日本社会とは関係なくそうして欲しいです。日本の大学のように弁護士受験資格が得られるとか、日本の技術を吸収するなどはすべきではありません。

朝鮮大学校ので就学して、得られる資格は、すべて北朝鮮での得られる資格のみとすべきです。また、日本の先端技術など吸収せず、北朝鮮独自の技術のみで、朝鮮大学校の教育をすべきです。


民主党政権においては、人権擁護法案の制定が画策されていましたが、これは人権侵害救済法案・人権救済機関設置法案であり、それに続く人権委員会設置法案でもありました。これは、成立せずに事無きを得ましたが、この法案が出来上がると、現在存在する法システムなど度外視した、とんでもない事態がおきることが想定されます。これにも、朝鮮の工作が絡んでいるとみるべきです。これには、当然のことながら、朝鮮大学校も絡んでいるとみなすべきです。

日本側も、そのようにみなしして、朝鮮大学校にまるで日本の大学であるかのような特例はすべて剥奪すべきです。

そうして、一日もはやくスパイ防止法を成立させて、朝鮮大学校や、その関係者たちを厳しく査察すべきです。

日本の技術によってつくられる、北朝鮮のミサイルや核兵器で日本が脅かされたり、などという本末転倒な馬鹿げた事態は早急になくすべきです。また、チュチェ思想あわせもつ、弁護士や公認会計士などの日本の公的資格を持つ人間が育成される機会なども絶つべきです。

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2016年4月9日土曜日

毛沢東時代の大飢饉暴いた中国人記者が出国禁止に―【私の論評】権力闘争真っ最中の中国では、共産党統治の正当性が揺らいでいる(゚д゚)!


楊継縄氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
中国の国営新華社通信のエース記者として活躍し、毛沢東の失政によって1959年から1961年までの3年の間に発生した大飢饉の実態をまとめた書を発表した楊継縄氏が自宅軟禁状態になっていることが分かった。

ハーバード大学が楊氏の著書を高く評価し、同書を年間でもっと優れたジャーナリストの作品として選出。楊氏を授賞式に招待したところ、中国当局は同書を発行禁止処分にするとともに、楊氏の出国を禁止した。米ニューヨーク・タイムズが報じた。

楊氏は1940年11月、湖北省の生まれで、現在75歳。名門の清華大学を卒業後、1968年に新華社に入社、記者として活動し、1992年には中国でもっとも傑出したジャーナリストに選ばれている。

同書は『墓碑-中国六十年代大飢荒紀実』(上・下、香港・天地図書)だが、邦訳として「毛沢東 大躍進秘録」(文芸春秋)がある。

楊氏が大飢饉の実態を調べようとしたきっかけは、養父をこの飢饉で失ったためで、1990年代から精力的に調査を開始。

同書によると、この大飢饉における死者数は国家統計局データを基にすると4770万人で、地方志や地方の統計を集計すると5318万人。しかし、楊氏の現地調査などでは不正常な死に方は3600万人、出生減4000万人で、結局人口損失は7600万人にのぼるという。

楊氏は大飢饉がこのような大きな被害を出したことについて、毛沢東や劉少奇ら当時の最高指導部の責任感の欠如を挙げており、中国内で度重なる妨害を受けながらも、執念で同書をまとめたという。

このため、同書は中国内ではなく香港で出版されており、しかも大陸内では発行禁止処分を受けている。

しかし、ハーバード大学のジャーナリズム研究の高等教育機関、ニーマン協会は昨年末、同書に対して、「ルイス・M・リオンズ良心と正義賞」の授賞を決定し、今年3月に同大で行われる授賞式に楊氏を招待。しかし、中国当局は楊氏に対して出国禁止措置をとったことから、楊氏は式典には出席できなかった。

中国では2012年秋の習近平指導部が発足して以来、言論弾圧の動きが強まっており、多くの言論人や人権活動家らも逮捕投獄されており、楊氏の出国禁止措置も習近平指導部の意向が強く反映されているのは間違いない。

【私の論評】権力闘争真っ最中の中国では、共産党統治の正当性が揺らいでいる(゚д゚)!

楊継縄氏による『墓碑-中国六十年代大飢荒紀実』に関して、以下に若干説明します。

毛沢東大躍進秘録
『墓碑-中国六十年代大飢荒紀実』の日本語版表紙

当時若い学徒として、養父が餓死したにもかかわらず、「大躍進」の理想を信じた著者。89年の天安門事件を契機に、新華社記者の特権をいかし、中国17省の公文書館の内部文書や当時の幹部らへの取材を重ねて、浮かび上がってきたものは、毛沢東の独裁とそれに追随する官僚機構の、悲惨なる失敗でした。

各省ごとの被害の差はどこから生じたのか。失政に抵抗する勢力はなぜ、潰されたのか。飢餓の最中にも、海外への食糧輸出が続いていたのはなぜか。

毛沢東は悲劇をいつ知ったのか。周恩来、鄧小平、劉少奇、彭徳懐、林彪ら建国以来の幹部たちは、どう動き、何を発言したのか。

同書は、無謀な生産計画と偽りの報告によって未曽有の人的被害を生んだ大躍進(1958~60年)の惨状を克明に描きました。彼は各地の資料を調べ、大躍進による餓死者を3600万人と推定しました。

書名は、その犠牲者たちへの追悼を著したものです。中国共産党は大躍進を左傾路線によって「国家と国民に重大な損失を与えた」と誤りを認めてはいますが、詳細な実態への言及はタブー視されています。同書も中国国内では発禁で、香港で出版された後、各国語に翻訳されました。これまでに米国やスウェーデン、香港で受賞歴があります。

現実を重視する「実務派」と左派政策をテコに独裁体制を築こうとする毛沢東との間で振り子のようにゆれた共産中国の現代史。その「権力闘争」のなかで今日まで続く中国の国の形が形成されていったことを鮮やかに描き出す第一級の歴史書です。

自宅での楊継縄氏 
中国の元新華社記者、楊継縄氏が著した『墓碑』(邦訳名『毛沢東 大躍進秘録』) が米国ハーバード大学ニーマン財団のルイスライアンズ賞(Louis Lyons Award)を受け、先月10日、授賞式が行われました。本人は出国を禁じられ、式典に参加できなかったのですが、英訳されたメッセージが読み上げられました。

ルイスライアンズ賞の受賞理由は「壮大なビジョンと、困難を恐れないリポート」であるというものです。同財団は「楊継縄の仕事は、事実を伝えるため多くの障害に直面している世界のすべてのジャーナリストの努力に訴えるものであり、今日において、彼のような勇気ある、熱情あるジャーナリストがかつてないほど求められている」と称賛しました。

彼が用意した受賞スピーチは独自の記者論でした。

記者は、事実を捻じ曲げ、多くの人間をだます下劣な職業にもなるし、真実を明らかにし、社会の良心を担う高尚な職業にもなります。自己保身に走り、真相を見て見ぬふりする凡庸な職業にもなるし、将来を見据えて権力を批判し、社会と対話をする神聖な職業にもなります。権力に取り入り、要人と宴会を重ねる安全な職業にもなるし、権勢集団の利益と衝突する危険な職業にもなります。

下劣と高尚、凡庸と神聖の間を分けるものは、記者本人の良知と人格、価値観である、と彼は言います。彼は、メディアを学ぶ学生たちには次のように教えるそうです。

「一つ、何も求めない。二つ、何も恐れない。三つ、天地の間に自立する。何も求めないとは、地位や金儲けを求めないということ。何も恐れないとは、自分の行動を正し、外部の付け入るスキを与えないこと。自立するとは、権勢に頼らず、自分の人格と専門性によって社会で独立すること」

彼のスピーチは、「真相は真理を検証する試金石であり、真相がなければ真理も理もない。記者はすなわち、真相を記録し、発掘し、それを守る者である」と結ばれています。

楊継縄氏は昨年6月、12年間、編集に関わっていた歴史月刊誌『炎黄春秋』からの退陣を迫られました。宣伝当局が彼の福利厚生を主管する新華社通信に圧力をかけ、「年金をストップさせる」と脅す悪辣な手口を用いたそうです。

彼は退任に際し、メディア監督官庁の国家新聞出版ラジオテレビ総局向けの「最終陳述」を発表し、「以前に比べ世論への締め付けは厳しくなっている。あなた方は事前の届け出を審査に置き換えており、言論の自由を認めた憲法に違反しているばかりでなく、『中国に事前検閲制度はない』としている対外公約にももとるものだ」と抗議しました。

歴史月刊誌『炎黄春秋』の表紙
全国人民代表大会が開かれていた北京では、現職の新華社記者が自身のブログに、ネットでの恣意的な言論統制に対し「言論の自由を侵害するものだ」と抗議する意見を公表し、話題になっていました。中国だけの問題ではないことを、楊継縄氏の受賞は訴えかけています。彼は「事実を伝えるため多くの障害に直面している世界のすべてのジャーナリストの努力に訴える」と評価されたのです。

最近の楊継縄氏
さて、この「大躍進」による死亡者について、楊継縄氏の調査以前にも調査がありました。それは、『共産主義黒書』という書籍の中に掲載されています。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
陳腐すぎるアカ攻撃 菅や仙谷などタダの政権亡者―共産主義は良い思想ですか?

この記事は、民主党政権時代の菅総理のときに掲載したものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、『共産主義黒書』という書籍について掲載しました。この書籍には、共産主義によって亡くなった人々の数をあげており、その合計人数は一億人としています。

以下に中国の部分のみコピペします。
◆中国の場合
  毛沢東は、昭和32年(1957)2月27日、「49年から54年までの間に80万人を処刑した」と自ら述べています。(ザ・ワールド・アルマナック1975年版)。周恩来は、同年6月、全国人民代表大会報告で、1949年以来「反革命」の罪で逮捕された者のうち、16%にあたる83万人を処刑したと報告しています。また、42%が労働改造所(労改、強制収容所)に送られ、32%が監視下に置かれたと述べています。
毛沢東は、その後もさまざまな権力闘争や失政を続けましたが、丁抒らの研究によると、大躍進運動と文化大革命によって、2,000万人が死に追いやられたとされています。 
『共産主義黒書』では、ジャン・ルイ・マルゴランが、ほぼ信頼できる数値として、内戦期を除いた犠牲者の数を、次のように総括的に提示しています。 
・体制によって暴力的に死に至らしめられた人
    700万~1,000万人(うち数十万人はチベット人)
・「反革命派」としてラーゲリに収容され、そこで死亡した人
   約2,000万人
・昭和34~36年(1959~61)の「大躍進期」に餓死した人
   2,000ないし4,300万人
中国共産党は、これだけ人を殺しているのです。その中でも、毛沢東はかなり殺しています。そのため、現在の中国でも毛沢東を建国の父として大々的に国家の英雄として祀りあげられないのです。なぜなら、中国人なら誰でも、自分の親戚か、自分の家族の親しい人の誰かが毛沢東によって、死に追いやられているという事実があるからです。

そのためでしょうか、中国にはいわゆる国家の英雄がいません。無論、三国志などに出てくる英雄はいますが、いわゆる中国(現在の中国から自治区を除いた部分の本来の中国)の英雄は存在しません。

日本のように歴史の古い国で、天皇が存在する国では、天皇が日本統合の象徴となっています。日本より歴史の短い他の国々でも、現在存在する国に直接つながる、建国の父とか、建国の英雄などが必ず存在します。

たとえば、インドであれば、ガンジー、ネール、チャンドラ・ボースという三人の建国の父が存在します。

しかし、中国には中国人民の統合の象徴となる、英雄が存在しません。そのため、鄧小平は鄭和(ていわ)を英雄に仕立てようとしたこともあったのですが、鄭和は少数民族出身者ということもあり結局は英雄にすることはできませんでした。


このような中国人民統合の象徴である英雄も存在しない中国です。本来ならば、毛沢東を建国の父として祀りあげたいところですが、あまりに多くの人民を犠牲にしたということで、それもできません。

中国人民統合の象徴である英雄が存在しなければ、どういうことになるかといえば、無論のこと、中国人民に対して、現在の中国共産党の統治の正当性を強調できないということです。

中国には、常時このような脆弱性がついてまわります。この脆弱性を補うため、まともに一度も戦争をしたことのない日本と、戦争をしたという妄想をつくりあげ、そうして日本が一方的に中国を侵略したことにして、反日教育などで、日本をできるだけ悪者にしたたてて、それを打ち破ったのが中国共産党であるとの虚妄をつくりだし、人民に刷り込み、自分たちの統治の正当性を強調するのです。

こういうことをしなければ、中国は求心力が失われ、いつ崩壊するかわからないので、何が何でも歴史を修正して、悪者日本を懲らしめた中国共産党という虚妄で、何とか、統治の正当性を強調し、人民を納得させて、からくも統治をしているというのが実体なのです。

最近では、習近平の腐敗撲滅運動に名を借りてはいるものの、その実は権力闘争に過ぎない、取り締まりが行われ、習近平が優勢にみえましたが、それもつかの間、以前このブログでも示したように、全国政治協商会議での王岐山氏の習近平に対する慣れ慣れしいたいどから、現在の習近平は、真の実力者にはなれておらず、それどころか一歩後退して、王岐山氏もしくは、王岐山氏を操るものが真の実力者になったようです。

全国政治協商会議で習近平国家主席を後ろから手をかけて呼び止め、話しかけた王岐山氏
しかし、この状況もいつまで続くかわかりません。このような権力闘争のまっただ中で、派閥が統治の正当性を競っているときに、楊継縄氏が「ルイス・M・リオンズ良心と正義賞」の授賞するということが中国国内で広まれば、いずれの派閥が優勢であったにしろ、そもそも中国共産党の統治の正当性が人民に疑われることになるのを恐れたので、当局は楊継縄氏出国禁止処分どころか軟禁状態にしたのだと思います。

習近平でも、反習近平派のいずれであっても、強力に統治の正当性を人民に強調することができれば、楊継縄氏を軟禁状態にする必要性など全くないはずです。

楊継縄氏は、この著書で、現実を重視する「実務派」と左派政策をテコに独裁体制を築こうとする毛沢東との間で振り子のようにゆれた共産中国の現代史。その「権力闘争」のなかで今日まで続く中国の国の形が形成されていったことを鮮やかに描き出しました。そうして、この権力闘争は今も続いているということです。結局、大躍進の時代から中国は根本的に変わっていないということです。

いずれにせよ、現状のままでは、どう考えてみも中国共産党の統治の正当性は、弱まることはあれ、強まることはありません。どんどん、弱くなれば、いずれ現在の共産党の指導体制は崩れるでしょう。崩れた結果どうなるかわかりませんが、中国の過去の歴史をみれば、またいくつかの国に分裂するとみるのが順当です。

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2016年4月8日金曜日

「民進党はあほ」発言のおおさか維新の足立氏 陳謝するも「事実誤認は見当たらない」―【私の論評】「アホ、馬鹿」とメディアがぶつ切り報道をした足立康史衆院議員の発言はこれだ(゚д゚)!

「民進党はあほ」発言のおおさか維新の足立氏 陳謝するも「事実誤認は見当たらない」



衆院総務委員会は8日の理事懇談会で、委員会で民進党を「あほ」などと評したおおさか維新の会の足立康史衆院議員の発言について協議したが、足立氏は「事実誤認はない」と断言した。

足立氏は7日の総務委員会で、民進党の安全保障関連法の対応をめぐり「安保法廃止法案が対案だと胸を張っているのは、あほじゃないか」「こんな政党は国会の恥だ。あほ、ばか、どうしようもない」などと発言し、民進党が反発していた。

足立氏によると、民進党の委員が理事懇の冒頭、足立氏の懲罰動議を衆院事務局に提出したことを明らかにした上で、「事実誤認がある」「品位を欠いた」などと足立氏の発言を批判した。これに対し、足立氏は「不愉快な思いをさせたとすれば陳謝する」と述べる一方、「(議事録を読み返しても)事実誤認は見当たらない」と強調した。

過去に自民党や民進党の国会議員が同様の発言をした前例があったとも指摘し、「私のケースだけ取り上げて懲罰動議提出に及ぶのは単なる政争だ。懲罰動議という仕組みを政治闘争に使うこと自体があるまじき行為であり、懲罰動議に値する」と述べたという。

【私の論評】「アホ、馬鹿」とメディアがぶつ切り報道をした足立康史衆院議員の発言はこれだ(゚д゚)!

足立康史衆院議員の発言は、テレビなどではぶつ切りにされて、「こんな政党は国会の恥だ。あほ、ばか、どうしようもない」と発言している部分のみが取り上げられ、なぜ足立議員がこのような発言をしたのか、その背景に関しては全く報道しませんでした。新聞報道も似たようなものでした。

上の動画の全部を報道するということになれば、短い放送時間の枠では無理なことはわかります。しかし、「こんな政党は国会の恥だ。あほ、ばか、どうしようもない」の部分だけ切り取るのではなく、なぜこのような発言に至ったのかも報道すべきでした。

上の動画をご覧いただければ、発言の概要はおわかりになると思います。

2016年4月7日足立康史(おおさか維新の会)の上記の発言のあった【衆議院 国会中継 総務委員会】の内容を以下に掲載します。
案件: 
国立研究開発法人情報通信研究機構法及び特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を­改正する等の法律案(190国会閣38) 
発言者一覧 
説明・質疑者等(発言順): 開始時刻 所要時間
遠山清彦(総務委員長)  9時 06分  01分
橘慶一郎(自由民主党)  9時 07分  30分
小川淳也(民進党・無所属クラブ)  9時 37分  35分
高井崇志(民進党・無所属クラブ)  10時 12分  35分
田村貴昭(日本共産党)  10時 47分  40分
足立康史(おおさか維新の会)  11時 27分  20分
吉川元(社会民主党・市民連合)  11時 47分  22分
梅村さえこ(日本共産党)  12時 09分  04分 
答弁者等
大臣等(建制順):
高市早苗(総務大臣)
高鳥修一(内閣府副大臣)
牧島かれん(内閣府大臣政務官)
藤丸敏(防衛大臣政務官兼内閣府大臣政務官)
民進党は、本当に何のために存在する党なのでしょうか。国民が馬鹿だと思ってマスコミ対策すれば、自分たちに有利になると考えているようですが、残念ながら左巻きの一部の国民を除ききほとんどの国民が、もうその本質を見ぬいてます。民進党は、統治能力なし、統治の正当性もなしです。

足立議員は、国民の多くのが腹の中で思っていることを国会で代弁したという感じです。民進党は、本当に、安保も駄目のアンポンタン、財政も駄目、金融・雇用も駄目、社会保障も駄目、何もまともに論じられず、日々奇妙奇天烈、摩訶不思議な論理で、全く無意味な議論を繰り返しているだけです。

以下に思いつくだけ、民進党(民主党)の奇妙奇天烈、摩訶不思議ぶりのいくつかをあげておきます。

【雇用】

民主党時代は雇用が30万人減り、安倍政権では100万人増えた。という事実を民進党の人たちは認めたがりません。金子洋一参議院議員などごく一部の議員を除いて、民主党の議員のほとんどは、雇用と金融政策が密接な関係にあることを理解していないし、理解しようともしていません。


【デフレの原因】

民進党には、デフレは人口減少のためだと本気で信じ込んでいる人が大勢います。しかし、そうではないことは、常識的に考えればすぐにわかることです。現在日本で、大規模な自然災害や、核兵器などでも何でも良いですが、いきなり人口が半分にになり、貨幣はそのまま残ったとします。そうなる、どうなりますか。

貨幣はそのままで、人口が半分ということは、これはもう、ものすごいインフレですね。デフレではありませんよ。よって、人口減の原因は人口減少でないことは、小学生にだって理解できます。そもそも、デフレは純然たる貨幣現象であり、人口とは全く関係ありません。民主党の議員の多くは、このようなことが理解できていないようです。

【増税】

そもそも今回の消費増税法は政権交代のときの、民主党の公約になかったのに、財務省が政権運営に不慣れな民主党幹部を籠絡し、野党自民党も抱き込み国会で成立させました。財務省は国民に選ばれた議員による間接民主主義の弱点を知っています。国民すべてを騙すのは難しいのですが、少数の国会議員それも、民主党なら騙しやすかったのです。

【マイナス金利】

民主党政権下で 白川日銀総裁が作り上げた日銀当座預金への0.1%金利は 実質 金融機関への補助金(約2200億)でした。 黒田日銀総裁が決めたゼロ金利政策は その白川による金融機関への利益供与の排除であるにもかかわらず、民主党議員はマイナス金利に関して摩訶不思議な理由でその危険性を強調するばかりでした。

【ブラック企業と既得権益者を利する経済政策】

民主党が主張する経済政策はブラック企業と既得権益者を利するだけだ 安倍政権の方が優れています。 就 民主党は非正規雇用者、新卒者、失業者という「非既得権雇用者」の利益は考えていません。

【安保に無頓着】

「米軍撤退」「核保有容認」トランプ発言によって、安保反対論者である民主党は追い詰められているはずなのに、なぜかそのことについて無頓着な民進党。日本近辺の安保情勢が厳しくなる中、まさか非武装中立などということはできないでしょう。ちなみに自主防衛コストは24~25.5兆円の試算があります。

以上あげると、きりがないのでこの辺りでやめておきます。それにしても、民進党の大部分の幹部や議員は、上記のようなことをほとんど理解していません。このようなことを発信する人も金子洋一参議院議員のように、民進党の中に存在するのですが、ほとんどの人が耳をかそうともせず、日々奇妙奇天烈、摩訶不思議な議論をしています。

民進党の議員らは人とまともなコミュニケーションができないようです。

コミュニケーションというと、経営学の大家ドラッカー氏は以下のように語っています。
 人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗する。 
「受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。期待を知って初めてその期待を利用できる。あるいはまた、受け手の期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるためのショックの必要を知る」(『エッセンシャル・マネジメント』)
経営学の大家ドラッカー氏
足立議員は、摩訶不思議、奇妙奇天烈な民進党議員などの発言に関して、お前たちはおかしな話をしていると伝えたかったのでしょうが、まともな話し方では通じないと考え、民主党の議員らに対して覚醒のためのショックを与えて、受け手である民主党議員らの期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるためわざわざ、あのような発言のような仕方をしたのだと思います。

考え方によっては、足立議員の発言は、民主党の議員らとコミュニケーションをとるための手段であったとも考えられます。

しかし、残念ながら、この発言は無駄に終わることでしょう。民進党議員の大部分は、与党議員とも、国民ともまともなコミュニケーションができずに、日々自分たちの中でだけ通用する摩訶不思議、奇妙奇天烈な論議を繰り返し、破滅への道をたどることでしょう。

かつて日本に存在した社会党という政党 民主党もかつての視野回答のようになる
すでに、民主党の名称は消えた。次は、選挙で大敗して、有名無実になる道が待っている
このブログでも従来から予測している通り、いずれ社会党のように姿を消すことでしょう。もうすでに、民主党の名前は消えました。その次は、次の選挙が衆参同時選挙になろうが、なるまいが、確実に次の選挙では、衆議院も参議院も大敗して、有名無実になることでしょう。

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2016年4月7日木曜日

日米比越4カ国で中国を威嚇 海自護衛艦の“歴史的”寄港で南シナ海「対中包囲網」―【私の論評】マスコミが絶対に国民に知られたくない安全保障のダイヤモンドの完成(゚д゚)!


海上自衛官「いせ」 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 日米両国が、フィリピンやベトナムとともに、南シナ海で軍事的覇権を強める中国を封じ込める動きを見せている。米原子力空母「ジョン・C・ステニス」が同海に展開するなか、海上自衛隊の護衛艦や潜水艦がフィリピンに寄港したのだ。護衛艦はベトナムにも向かう。海自最大級のヘリコプター搭載型護衛艦「いせ」も近く、フィリピンに寄港予定で、南シナ海の「航海の自由」を断固守る覚悟といえそうだ。

 海自の護衛艦「ありあけ」「せとぎり」と、練習用潜水艦「おやしお」は3日、南シナ海に面したフィリピン・ルソン島のスービック港に入港した。日本の潜水艦のフィリピン寄港は15年ぶりという。

フィリピンのスービック港に寄港した海上自衛隊の潜水艦「おやしお」(左)、護衛艦「ありあけ」と「せとぎり」

 スービックは、アジア最大の米海軍基地が1991年まで存在した良港であり、中国は米軍撤退後、フィリピンも領有を主張していたミスチーフ(中国名・美済)礁に勝手に軍事施設を建設した。

 中国による「南シナ海」支配の野望を実感させる港に、海自艦船が寄港したことは、各国メディアも注視している。

 ロイター通信は先月、「艦艇の寄港は受け入れ国と親密な関係にあることを示すことになり、南シナ海でフィリピンと領有権を争う中国への牽制(けんせい)につながる」と事前に報じた。

 AFP通信は3日、「この港は中国とフィリピンが領有権を争うスカボロー(同・黄岩島)礁から200キロの位置にある」としたうえで、フィリピン海軍の報道官の「今回の寄港は、地域の平和や安定の持続的促進および近隣諸国の海軍との協力強化が目的」との発言を伝えた。

 これだけではない、海自が誇るヘリ搭載型護衛艦「いせ」が今月中にも、スービック港に寄港する。同艦は、全長197メートル、全幅33メートル、基準排水量1万3950トン。乗員350人。200メートル近い全通甲板を備え、最大11機のヘリコプターが搭載可能だ。海自護衛艦の中でも屈指の哨戒ヘリ運用能力を持ち、潜水艦への警戒・監視活動に威力を発揮する。

 「いせ」は、今月12~16日の日程でインドネシアのパダンで開かれる多国間共同訓練「コモド」や国際観艦式に参加し、捜索・救難訓練や指揮所訓練などを行う。その後、南シナ海に入り、米海軍とフィリピン海軍との共同訓練を行う方向だ。

 さらに注目すべきは、「ありあけ」と「せとぎり」がフィリピン寄港後、日本の護衛艦として初めてベトナム・カムラン湾に寄港することだ。

 カムラン湾は、中国が覇権を強める南シナ海・パラセル(同・西沙)諸島や、同・スプラトリー(同・南沙)に近い軍事的要衝である。

 海自幹部は「特定の目的で(寄港地を)選んだわけではない」というが、西アジアの安全保障のために、日本と米国が、フィリピンやベトナムと連携して、中国を牽制・包囲する狙いが伝わる。

 世界の最重要シーレーンである南シナ海について、中国の習近平国家主席は昨年9月、オバマ米大統領との米中首脳会談で「南シナ海を軍事拠点化する意図はない」と語っていた。ところが、地対空ミサイルや対艦巡航ミサイルを配備した後に行われた先月31日の同会談では、習氏は「中国の主権を侵害する行為は許さない」と開き直った。

 中国の暴走を止められないのか。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「南シナ海の『航行の自由』が保障されなければ、世界経済の深刻なダメージとなる」といい、続けた。

ジョン・C・ステニス
 「米中首脳会談に合わせて、米国は空母『ジョン・C・ステニス』を派遣して中国に圧力をかけたが、首脳会談は平行線に終わった。海自護衛艦のベトナム寄港は歴史的な出来事だ。日本の安全保障政策は新たなステージ入った。日米とフィリピン、ベトナムの4カ国による『対中包囲網』が形成されるとみていい。これにインドネシアも加わる可能性がある」

【私の論評】マスコミが国民絶対に知られたくない、安全保障のダイヤモンドの完成(゚д゚)!

このような報道、やはり日本のテレビや、新聞でもほとんど報道しません。これは、何を意味するのか、日本のメディア自身も把握していないのでしょう。情けないことです。

今回の目玉はやはり「いせ」の南シナ海への寄港でしょう。「いせ」は厳密には、空母ではないものの、少し改装でもすれば、すぐにでも空母にもなるような艦艇です。これは、おそらく、戦後初めての南シナ海への空母の派遣ということになります。

米国は日本に対し、南シナ海で、無人有人の偵察機や、探知用のレーダーつきの軍艦、潜水艦などを出して、中国軍の動向について情報する「情報・監視・偵察(ISR)」をやってほしいと要望し続けています。しかし、日本は、まだ日本の領海である南西諸島など東シナ海でのISRを拡大している最中で、まったくの外国である南シナ海でISRを始める余力がない、と米国に返答しててました。

日本は自国周辺のISRについて、長らく米軍に全面依存し、独自の情報収集機能をほとんど持たなかったのですが、冷戦中からソ連に対する対潜哨戒活動を強化し、現状ではその能力は世界のトップクラスになっています。無論中国のそれと比較すると、数段上のレベルにあり、当面中国が追いつけるようなレベルではありません。

しかし、一時的な航行でなく、日本が南シナ海で恒常的に中国軍の動向を把握するISR(軍事諜報活動)を行うとなると、話は全く違ってきます。東シナ海は日本の領土領海なので、そこでのISRは正当な防衛ですが、日本と直接には関係もない南シナ海で日本が恒常的なISR活動を行うことは、南シナ海を中国の領海や経済水域でなく全くの「公海」とみなしたとしても「外国への軍事的影響力の行使」「覇権行為」とみなされることになります。特に、日本国内ではそうです。

ただし、ISRについては、日本はすでに海外の実績があるのも事実です。それは、ソマリア沖の海賊対策として、日本の海上自衛隊はすでに対潜哨戒機を派遣して、海賊の監視活動にあたっており、かなりの成果を収めています。

ソマリア沖の海賊の監視には自衛隊が活躍している
この方面で、自衛隊は、水上部隊は護衛艦(対潜ヘリ搭載ミサイル駆逐艦)2隻、対潜ヘリ4機からなり海保から8名が同乗し海上警察活動をしています。

航空部隊は2機の対潜哨戒機と水上部隊所属機のヘリの整備も行う整備隊など約150名、基地の運営と警備を行う陸自部隊約50名、日本とジブチ間の補給物資の輸送を行う空自の輸送機部隊からなります。

この海賊対策は、多国籍軍によって行われていますが、昨年は海上自衛隊の伊藤弘海将補が昨年の5月末から7月末まで多国籍軍の司令官を勤めました、自衛隊としては初めて多国籍部隊のトップということになりました。

伊藤弘海将補
このような実績もあることから、米国が、台湾、フィリピン、南シナ海という一体の地域・海域を日本の自衛隊の活動地域として指定し、台湾とフィリピン、中国、東南アジアがそれを了承したとしたとすれば、日本がソマリア沖のように南シナ海でISRにあたるということは十分にあり得ます。



米軍と自衛隊の艦隊は、昨年10月19日までインドとの3カ国の合同軍事演習(Malabar 2015)に参加したかえり、日米軍が一緒に南シナ海を通った時に、10月28日から2週間ほどの期間で、初めての南シナ海での日米合同軍事演習を行いました。中国を敵に見立て、航行の自由を確保する軍事演習などが行われました。こうした流れから考えると、日本が南シナ海で中国を牽制するようになる日は、意外と近いかもしれません。

なぜかといえば、元々安倍総理は、総理大臣になる直前に、外国のサイトに安全保障のダイヤモンドに関して寄稿しているからです。

これについても、日本のマスコミはほとんど報道しなかったので、日本人でもこの重要な構想については知らない人が多いようです。

これについては、このブロクにも過去に掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…―【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!!
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、力による現状変更を目論む中国に対して、周辺諸国が協力して、以下のような安全保障のダイヤモンドを構築して、中国の囲い込みを行うという構想です。
この構想が公表されたのは、安倍総理が総理になる直前の、2012年12月27日のことです。安倍総理は、この頃から今日の南シナ海の状況を予見したともいえます。

安倍総理が総理になってから、全方位外国であらゆる国を訪問し、特に上記のダイヤモンドを形成することになる国々にも訪問して、その都度安全保障のダイヤモンドの実現のため鋭意努力されました。そうして、各国の首脳にこの構想に対して、賛意を評していただいたため、構想事態は間近と見て良いくらいです。

後は、実際に軍事的にも中国を封じ込める体制を整えることになりますが、それに対してもブログ上記の記事にあるように、安倍政権は着々と歩を進めているようです。

南シナ海での海上自衛隊の監視活動、いずれそう遠くない将来に始まると思います。そうして、東シナ海でも鉄壁の防備をすることが、このセキュリティーダイヤモンド構想の完璧な完成ということになります。

オーストラリアは、「そうりゅう型」潜水艦を日本から導入することを検討しているようで、もし「そうりゅう型」を導入しなかったとすれば、中国の影響から抜け切れていないと見るべきとする向きもありますが、いずれの潜水艦に決まったにしても、強固な日米比越の対中国包囲網が出来上がった後では、これに追随せざるを得ないでしょう。

米軍としては、及び腰オバマ大統領の後の大統領になったとき、中国が南シナ海での軍事行動をやめなければ、早期に決着をつけるべきでしょう。無論、爆撃するか、埋め立てられた環礁を包囲して、中国側の補給路を絶つなどして、それで中国の出方をみて、それでも中国が反撃をするなら、攻撃して粉砕するのです。

それで、本格的な戦争になったとしても、中国に米国や、安全保障のダイヤモンドに対抗したとしても勝てる見込みは全くありません。

もし、中国の南シナ海での暴挙をそのまま許しておけば、いずれとんでもないことになります。それこそ、中国は沖縄奪取、日本奪取、フイリピン、インドネシア、ベトナム奪取へと突き進むでしょう。

それは、中国が建国されてからまもなく、チベット、ウィグル、内蒙古に侵略したことからも明らかです。

まずは、手近ですぐにできる、陸続きの軍事的に弱い国々から侵略を開始しましたが、中国の欲望はとどまるところを知らず、今度は海洋においてそれを実践しようとしているのです。

そのようなことだけは、断固として避けなければなりません。その防波堤の役割を果たすのが安全保障のダイヤモンドです。そんなことは、当たり前のことなのに、日本のマスコミは中国の息がかかっているのでしょうか、安全保障のダイヤモンドの存在を絶対に日本国民に知られたくないようです。

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2016年4月6日水曜日

【突破する日本】「偏った」放送を繰り返すテレビ局に電波を独占させる必要はない―【私の論評】遅れた電波行政を正し、無線事業者の競争を促し新産業を興せ(゚д゚)!


テレビ朝日本社
 テレビ朝日「報道ステーション」のキャスターだった古舘伊知郎氏は3月31日の出演最終日、「人間は少なからず偏っている。情熱を持って番組を作れば偏るんです」と語った。放送法第4条の「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に反する放送をしてきたことを、白状したに等しいのではないか。

3月18日には、古舘氏自らドイツで取材したワイマール憲法からナチスの全権委任法へ至った経緯を紹介し、緊急事態条項を盛り込んだ自民党改憲草案を批判した。コメンテーターの早稲田大学の長谷部恭男教授にも自民草案を一方的に批判させた。自民党とナチスを重ね合わせ、「安倍晋三=ヒトラー」の印象操作をしたいらしい。

しかし、ナチスの負の歴史を克服した現在のドイツ憲法(基本法)にも「防衛上の緊急事態」条項(115a~l条)は存在する。緊急時における国家機関の機能を憲法に規定することは立憲主義の要請であり、ドイツ憲法も当初は規定がなく、1968年の改正で追加された。

憲法学者の長谷部氏も知らないはずがなく、あえて伝えないのは「少なからず」ではなく「大いに」偏っていると思う。

テレビなどの放送は、新聞などのプリント・メディアとは根本的に性質が異なる。国民の共有財産である有限の電波の使用免許を得ておこなっている事業だ。電波はテレビ局やキャスターの私物ではない。公共財としての意識を持たなければならない。

今、テレビ各社の上層部が恐れているのは、政府が「電波オークション」や「多チャンネル化」などの規制緩和を打ち出すことだ。

現在、電波、例えば東京周辺のテレビの地上波はNHKと民放キー局が独占している。いずれも昭和20年代から30年代にかけて放送免許を得て今日に至っている。その後の新規参入はない。これを公開入札によって電波の使用領域を決めようというのが「電波オークション」だ。新規参入が可能になる。

民主党政権時にも導入が検討され、格安の電波使用料が問題にされた。放送法制をあからさまに無視する「偏った」放送を繰り返す放送局に、未来永劫(えいごう)電波を独占させる必要はない。

「多チャンネル化」も同様で、デジタル化した今日ではテレビ地上波も技術的には100チャンネルが可能とされる。テレビ局が増えれば、既存のテレビ局はその中の1つでしかなくなる。CMも減る。民放は死活問題だ。

放送の「規制緩和」はテレビ局を震撼(しんかん)させるが、偏向放送を正す起爆剤になるのではないか。

 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 

【私の論評】遅れた電波行政を正し、無線事業者の競争を促し新産業を興せ(゚д゚)!

テレビやラジオなどの放送局が、国から周波数を割り当てられて行っている許認可事業であることは知られています。しかし、放送局が国に対して「電波利用料」を支払っているということを知っている人は、意外に少ないかもしれないです。また、電波利用料の存在を知っていても、それがどのくらいの額なのか知っている人はもっと少ないでしょう。

総務省は2013年2月末、この電波利用料の詳細を発表していました。その前に公開したのは2008年というのですから、ほとんどの人が知らないのも無理はありません。自民党の河野太郎衆議院議員は総務省に「テレビ局ごとの電波利用料の負担金額を出してほしい」と要求したところ、総務省の担当課長は「個別の負担金額は開示しておりません」と答えていしまた。

さらに河野氏が「どうして出さないのか」と尋ねると、その課長は「テレビ局のプライバシー」だと答えました。その後、自民党が総務省に強く要請し公開が決まったのですが、当時のの発表でわかったこては、テレビ局がボロ儲けしている実態でした。

2013年に発表さた、電波使用料の詳細を以下に掲載します。



テレビ局全体の電波利用料負担は、総計で34億4700万円にしかならないのに対し、営業収益は3兆1150億8200万円もありました。電波の“仕入れコスト”は、営業収益のわずか0.1%に過ぎないということが暴露されてしまいました。

河野太郎氏

これは、とてつもなく低いです。民間企業において、小売業で仕入原価が0.1%とか製造業で原材料費が0.1%などということにでもなれば、それこそ、タダ同然です。これでは、放送局など、よほどバカな真似をしないかぎり、安泰で、潰れようもないです。これでは、競争の原理など働きようもないですし、テレビ局等がなぜ、旧態依然としてしまうのか、納得できます。

電波法や総務省の資料によると、「電波利用共益費用」、つまり「電波の適正な利用の確保に関し無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用」の財源に充てるため、テレビ局やラジオ局、携帯電話会社など無線を利用する者が支払うものとなっています。

要するに、違法電波による混信障害などから電波環境を守るための経費を徴収するという名目でつくられた制度でする。

しかし、電波利用料を支払っているのはテレビ局などの放送局だけではありません。電波を使っている携帯電話会社も支払っていて、全額通話料として携帯電話ユーザーに転嫁されています。具体的には、携帯電話1台につき年200円ですが、携帯の支払い明細書に「電波利用料」という記載がないので、利用者が知らないのも無理はありません。

12年度の電波利用料収入は約715億円でしたが、内訳は携帯電話事業者が72.3%なのに対し、放送事業者はたったの7.2%に過ぎませんでした。NHKは電波利用料を受信料に転嫁していますし、民放は企業が支払うCM料に転嫁しています。つまり、電波利用料のほとんどは、携帯電話を使っている消費者が負担しているといってよいのです。

2011年の地上アナログテレビジョン放送の放送終了
テレビのデジタル化の財源はなんだったのか?

では、その電波利用料を、国は具体的に何に使っていたのでしょうか。

主な内訳は、次のようになっていました。

・地上デジタル放送総合対策:45.0%
・研究開発:18.0%
・総合無線局管理システム:9.8%
・電波監視:8.3%

支出の半分近くを占める地デジ対策費は、実質的には放送局などへの補助金であり、とくに地デジ化の資金繰りに苦しむ地方テレビ局を救済するかたちになっていました。

つまり、携帯電話利用者が支払っている電波利用料で、テレビ局を支えている構図になります。そのテレビ局はといえば、社員の給料が高いのは誰でも知っており、民法キー局の平均年収は軒並み1200万円以上です。公共放送たるNHKの平均年収も1185万円であることが 2013年2月に発表されていました。許認可事業のため事実上新規参入のないテレビ業界が濡れ手で粟というのには、かなりの違和感を感じざるを得ません。
電波オークションについて報じた当時の週刊誌
過去においては、自民党時代から、国民の公共財産ともいうべき電波の周波数を競争入札にかける「電波オークション」を導入しようという話が進んでいました。民主党政権では次回の電波割り当てから入札を実施することを閣議決定し、2012年の国会に電波法改正案を提出していました。

しかし、安倍政権に交代するや、当時の新藤義孝総務相は「今国会に(オークション導入の)法案を提出することはない」と言明し、電波オークションを葬り去ってしまいました。
当時も総務省が裁量で放送局や通信事業者に電波を割り当てて電波利用料を取っているのですが、その当時から利用が進む第4世代携帯電話向け電波などを入札にかければ、数千億円の収入になるとみられていました。

また、民主党政権下で電波オークション導入を提言した大阪大学の鬼木甫名誉教授によれば、当時テレビが占拠していた帯域も含めてすべてをオークションにかけたとすれば、30兆円近くの価値があるとのことでした。

安倍政権は国庫に入るはずだった数千億円に上るオークション収入をフイにしてまで、テレビ局などによるタダ同然の電波使用という利権を維持させることにしたのです。安倍政権がオークションを取りやめた理由として、「大メディアに恩を売りたかった」との見方もありましたが、真相はわかりません。

放送局と通信事業者にすれば、オークションが導入されれば外資など新規業者がライバルとして参入し、新たな脅威になっていたでしょう。それに対抗するには、現在支払っている電波料に加えて、オークションで競り勝つ高額な費用が必要になったはずです。特にテレビ局は、なんとしてもオークションを阻止したかったはずです。

総務省も実は、本音ではオークションをやりたくなかったと言われています。電波利用料は税金ではないため、財務省による再分配の対象とはならず、形の上では一般会計の総務省予算になっています。



ただ、電波法によって使い道が決められている特定財源であり、全額が総務省によって使われることになります。総務省の「隠れ特別会計」との指摘もあり、総務省が自分たちの裁量で使える予算でもあります。もし、オークションが導入されていたら、総務省はこの貯金箱を失い、財源を財務省に取られていたとの声もあります。

先ほど、電波利用料の使途内訳で「研究開発:18%」と掲載しましたが、これなどは天下り先である特殊法人へのばらまきとの指摘もあります。これまでのように電波利用料を握っておくことが、総務省にとってもおいしい話なのです。

電波オークションは世界の常識になりつつあります。OECD加盟国の約3分の2はすでに電波オークションを導入していて、欧米諸国はほぼすべての国で導入しています。アジアでも一般化しつつあり、導入していないのは、モンゴル、北朝鮮、そして日本などだけです。

安倍政権は首相就任後の「ハネムーン期間」と呼ばれる、まだ支持率が高いうちに、電波オークション廃止を打ち出すことで大メディアに大きな恩を売ったのかもしれないのですが、テレビ局側は、その音を仇で返したわけです。

テレビ局などのメディアが偏向しすぎているというのは、前々から指摘されていました。だから、安倍総理としては、テレビ局に対しては、偏向報道がなくならないまでも、各報道局が少なくとも、新聞や雑誌などか用いる姑息な手段でもある、両論併記のような形ぐらいにはするであろうと、期待していたに違いありません。

TBSの典型的な偏向報道

しかし、昨年安保法案審議の過程での、各テレビ局の報道ぶりは、非常に偏っていました。テレビ報道を検証している任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」は今月1日の記者会見で、安保法制を扱ったTBSの昨年9月13~20日の全番組が、法制への「反対」意見の報道に大半の時間を費やしていることを問題視しました。

番組編集に当たっての政治的公平や多角的な論点の提示を義務付けた「放送法4条違反」を指摘し、TBSの見解を求めました。同時に、TBSから「誠意ある」回答を得られなかった場合、スポンサーに調査報告書や提言書を送るなどの注意喚起運動を検討する考えも示しました。

放送法遵守を求める視聴者の会

これに対して、TBSは「自律的に公平・公正な番組作りを行っている」とした上で、スポンサーへの呼びかけを示唆した同会の声明を問題視。同会は8日までの回答を求めていますが、TBS広報部は「回答する考えはない」としています。

TBSが発表したコメント全文は以下の通り。

 「弊社スポンサーへの圧力を公言した団体の声明について」
2016年4月6日 株式会社TBSテレビ 
 弊社は、少数派を含めた多様な意見を紹介し、権力に行き過ぎがないかをチェックするという報道機関の使命を認識し、自律的に公平・公正な番組作りを行っております。放送法に違反しているとはまったく考えておりません。 
 今般、「放送法遵守を求める視聴者の会」が見解の相違を理由に弊社番組のスポンサーに圧力をかけるなどと公言していることは、表現の自由、ひいては民主主義に対する重大な挑戦であり、看過できない行為であると言わざるを得ません。 
 弊社は、今後も放送法を遵守し、国民の知る権利に応えるとともに、愛される番組作りに、一層努力を傾けて参ります。以上
さて、この「放送法遵守を求める視聴者の会」の方々は、この記事で上で述べた電波オークションの日本での状況について無論熟知しているのだと思います。

そうして、今がこのような行動をする最適な時期であると考えておられるのだと思います。安倍自民党政権が電波オークション導入を見送ったにもかかわらず、安保法制のときの報道ぶりは、著しく偏向しており、問題外の報道ぶりでした。偏向どころから、完璧に左巻きでネジが曲がりすぎて、壊れたような報道ぶりでした。これについては、先日もこのブログで指摘したばかりです。

これでは、安倍政権だけではなく、上記で示したように結局高い電波料を負担している国民も、高い料金で偏向番組をみせられるという不利益を被るわけです。

安倍自民党としては、本当に忸怩たる思いをしているに違いありません。この時を逃さずすかさず、行動をおこせば、安倍政権は「電波オークション」導入へと大きく舵を切り替える可能性が大です。

「電波オークション」を導入して、既存のテレビ局には、それ相当の負担をしてもらい、その上で自分たちの思う通りの放送ができるようにすれば良いと思います。実際アメリカなどでは、「電波オークション性を導入しつつ、テレビ局に対して放送内容には一切制限をつけていません。

しかし、テレビの放送局は日本よりはるかに多いですし、ケーブルテレビも加えるとかなりのチャンネル数になります。そうなると、視聴者は自分の見たいチャンネルだけを見て、偏向したチャンネルなど一生見なくても用が足ります。それに、競争の原理が働き、面白くないとか、役に立たないような報道ばかりする放送局は淘汰されることになります。

そのような形が望ましいです。

電波は国民の財産であるはずです。政府が、巨額のオークション収入を得た上で、多くの電波事業者が新規参入し、テレビ局も携帯電話会社も競争状況に入り、国民には新たなサービスや事業者の選択肢が増えるメリットがあります。

携帯電話での通信制限もなくなるかもしれません。最近、" いまどきの女子中学生の音楽を聴く手段はスマホのストリーミングだけ――こんな主旨の投稿がTwitterで話題になりました。あるユーザーがツイートした内容によると、いまどきの中学生は、「月々のデータ通信量に制限があるから自分の好きな音楽を能動的に聴くことはない」そうです。これに対して、従来の音楽プレーヤーに馴染んできた世代は衝撃を受けているそうです。

今時の女子中学生が音楽を聴く手段はストリーミングだけ?

結局、「電波オークション」などが導入されないことにより、まわりわまって、一般ユーザーにつけが回ってきているという構図なのだと思います。

私自身も、自宅ではインターネット回線を導入して、ルーターを設置してWIFIを利用できる環境にしているので、スマホやタブレットはそれを使うので、自宅にては無制限に使えるのでよいのですが、外出時にはwimaxを使用していました。

外出時には、スマホもタブレットも、ノートパソコンもwimax経由でインターネットにつないでいました。このwimaxもwimax2になってから、速度制限がつけられるようになりました。それに伴いwimaxは速度制限はないものの、速度が以前よりも遅くなりました。

ただし、外出時のwimaxは、SNSの閲覧や、ブログの作成、音楽を聴くなどに限られていますので、多少遅くても事が足りますので、wimax2に乗り換えすることなく、そのままwimaxを使用しています。ただし、最近やはり、速度の遅さに不満を感じるので、Yahooモバイルは速度制限がないようなので、これに乗り換えようとも思っています。

結局このような手間や不便を感じるのも、「電波オークション」が導入さていないことにも原因がありそうです。自由競争を原則として、様々な新サービスや新方式の開発を促進させ、それを用いるメデイアには、放送内容は原則として自由にするという方向性が最も良いと思います。

そうでないと、またまた日本は、せっかく良い技術があって、素晴らしい携帯電話を開発にしたにもかかわらず、現在のスマホでは後塵を拝することになってしまいました。

現状のままの電波行政では、政権与党にとっても、国民とって一つも良いことはありません。日本でも、一日はやく「電波オークション」を導入すべきです。

そうして、せっかく導入するのでしたから、国民にとって良いサービスがどんどん生まれるような形で導入すべきと思います。これによって、今までには考えられなかったような、新産業の興隆を促すことも可能だと思います。

そうすれば、旧態依然として、偏向報道を繰り返すような、面白みも何もないようなテレビ曲など競争に負けて自然と淘汰されていくと思います。

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