日本の解き方
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聖火の点火者を務めたウイグル族のジニゲル・イラムジャン選手(左)と漢族の趙嘉文選手 |
4日に北京冬季五輪の開会式が行われる。人権問題や経済、安全保障など習近平政権の国内外の現状と、五輪後の課題はどのようなものがあるのか。
1日の衆院本会議で「新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議」が採択された。筆者は関係議員からこの問題について聞く機会がしばしばあり、この決議文にいたる経緯を知っていた。結論からいえば、遅きに失して、しかも決議文に「中国」が一度も登場せず、「非難」「人権侵害」といった重要な表現も削除された骨抜きの内容だ。
当初決議案が、自民、公明の与党内調整でどのように修正されていったのかは、関係者のネットをみれば簡単に分かる。
「名指しはなくても中国の人権侵害を非難していることは分かる」という人もいるが、この決議案を英訳すると、誰も非難していないことになる。
次期夏季五輪開催国であるフランスでも、議会では中国によるウイグル族への人権侵害を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定し、非難する決議が出たのと好対照だ。先進国ではよくあることだが、フランス政府は次期五輪を控えて慎重だが、議会はその政府に圧力を加えるものとなった。
それにしても、中国への過度な配慮は公然と行われている。1月31日には、旧暦の大みそかに合わせて東京タワーが赤くライトアップされた。新型コロナウイルスの緊急事態宣言かと勘違いしそうだが、実は中国紅(チャイナレッド)で、中国の春節(旧正月)の祝いだそうだ。岸田文雄首相や小池百合子東京都知事が祝辞を送り、中国でも生放送された。その一方、相変わらず尖閣諸島周辺では中国公船が領海侵入を繰り返している。
中国は隣国なので、その動向を注視しなければいけないのは不幸ともいえるが、隣国に最大限注意するのは国際政治ではやむを得ないことだ。
中国は北京五輪後、習体制の総仕上げに向かおうとするだろう。それは、本コラムで再三指摘してきた中国の「核心利益」の最後のパーツである「台湾・尖閣」を手中に収めることだ。それを諦めることはあり得ず、これまでも着々と準備している。尖閣への領海侵入も日常茶飯事だ。
普通の国なら、尖閣に防衛拠点を設けるだろう。それは軍事的に抑止力になるが、国際政治では実効支配の証だ。
作家で元東京都知事の石原慎太郎氏が1日に逝去された。石原氏は2012年4月、「日本人が日本の国土を守ることに何か文句がありますか」と都が尖閣諸島を購入すると表明した。
その後、民主党政権下で国有化されたが、石原氏は船だまり施設の構築などを主張していたから、都が所有していれば、今より実効支配は明確になっていただろう。人権問題で言うべきことは言いつつ、一方で実効支配を確立していかなければいけない。
石原氏は現状をかなり憂えていたはずだ。ご冥福を祈りつつ、恥ずかしくない行動をすることが、日本の五輪後の課題だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
【私の論評】石原氏も言及しなかった、尖閣を守り抜く日本の潜水艦隊の実力(゚д゚)!
尖閣防衛については、実は自衛隊は随分前から、準備していて軍備的には十分な防備ができる体制になっています。人によっては、日本は中国と戦争などすれば、すぐに負けて尖閣は人民解放軍に占領されてしまうと思い込む人もいますが、そんなことはありません。
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尖閣諸島 |
日本の軍備の特徴は何かといえば、それは
ASW(対潜水艦戦闘力)が強いということにつきます。これには、中国は今でも全く及びません。それはこのブログでも何度も掲載してきました。
日本の潜水艦は、「
非大気依存推進機関(AIP)」の搭載により作戦時にはエンジン駆動で蓄えた電気で航行できるため、ほとんど音を発しません。リチウム蓄電池の性能向上で静粛航行時間も大幅に伸びています。航行可能深度は500メートルとされます。最近では、リチウム電池だけで動く、潜水艦が開発され、それはさらに航行時間を伸ばしています。
米原潜を除けば世界のほとんどの潜水艦が400メートル以下を限界とするので、これらの真下を航行することが可能です。また、海上自衛隊の潜水艦救難艦は深度1000メートルでの救助活動が可能な深海救難艇を搭載しているほか、乗組員(水中作業員)は450メートルの深さで潜水作業した記録を持ちます。
米英の原潜は艦内で酸素を生成でき航続距離は非常に長い一方、構造上蒸気でタービンを回し続ける(原子炉を止めたり動かしたりはできない)ため静粛性では日本製に劣ります。もちろん中国の潜水艦もそうです。
潜水艦探知能力については、潜水艦配備の装備と艦外の味方からの情報を高性能コンピューターで迅速に統合管理しています。ソナーは潜水者の酸素ボンベを使った呼吸音のレベルまで見分ける能力を持ち、レーダーは潜水艦配備と衛星・対潜哨戒機の双方の監視をコンピューターで統合運用を実施しています。
しかも、これに日米合同演習で培ってきた米国側のレーダー網からの情報が加わり、日本海側全般のほか、太平洋側では中国が第2列島線とする範囲(大日本帝国が絶対防衛権とした線とほぼ同じでサイパンやパラオ、グアムまでを含む)を探ることも可能といわれています。
攻撃能力については、日本は魚雷の推進速度と距離では、終戦直後の一時期を除けば、第2次世界大戦時から現在まで、世界最高クラスを維持し続けています。また、最新鋭艦の「たいげい」型は、潜水艦上部から海上に向けて打ち上げるミサイルも搭載可能で、魚雷と併せれば水中と空中の双方からの攻撃が可能です。
日本が、太平洋インド地域全域を防備するとか、場合によっては地球の裏側まで行くという戦略的な軍事目的を遂行するのであれば、原潜も必要になりますが、日本周辺や台湾・尖閣などを防備するというのなら、現在の日本の潜水艦隊で十分に中国海軍に対応できます。
私が日本の潜水艦の能力を世界一だとするのは、他国の潜水艦は兵器ショー(兵器製造国が他国に売る武器を展示する展覧会)でパンフレットに能力を掲載しているので、それらを比較対照すれば、ほぼ間違いなく日本製より劣ると分かるからです。
無論最新型はパンフレットなどには、掲載されていない場合もありますが、既存のものを検討すれば、最新型もある程度はその性能を計り知ることができます。
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そうりゅう型潜水艦 |
中国の潜水艦は明らかに日本の潜水艦に劣り、潜水艦探知能力も劣っています。その結果中国海軍は、日本の潜水艦を探知することも攻撃することもできません。そうなると、いざ海戦になれば、中国の潜水艦は日本の潜水艦に撃沈され、空母、その他の艦艇も撃沈されることになります。
尖閣防衛には、この日本の性能が優れた潜水艦を2隻から3隻常時尖閣付近を航行させ、中国が尖閣侵攻の動きをみせれば、尖閣諸島を包囲すれば良いです。そうして、近づく艦艇を撃沈し、近づく航空機も撃墜すれば良いです。
さらに、尖閣付近に機雷などを敷設すれば、中国海軍は尖閣に近づくこともできなくなるでしょう。それでも、無理やり上陸させたとしても、日本の潜水艦に包囲されれば、水・食糧、弾薬などが補給できなくなり、尖閣に上陸した人民解放軍はお手上げになります。
日本の潜水艦の実力は、米軍などとの合同訓練で「訓練では世界一強い日本の潜水艦隊」であることが証明されています。たとば、旧型の潜水艦が米国と合同演習をしていたときに、米軍の空母打撃群の司令官が「一体日本の潜水艦はどこに行っているのだ」と苦情をいうと、何と潜水艦が空母のすぐ横に浮上したというのです。
対潜哨戒能力に優れた米国海軍にも日本の潜水艦は発見するのが難しいです。その他も、日本のはASA(対潜戦闘能力)世界トップレベルであることが、様々な訓練などで実証されています。
それと、昨年10月12日にも、防衛省は中国海軍所属とみられる潜水艦1隻が鹿児島県・奄美大島周辺の接続水域内を潜水したまま、航行したと発表しました。領海への侵入はなかったとしています。これは、防衛省が発表し、それが様々なメディアによって日本国内や海外に伝えられました。
これに対して、同じように日米の潜水艦が、中国海軍によって台湾海峡や黄海、南シナ海で発見されたというニュースは未だにありません。これは、中国海軍の潜水艦探知能力が未だに低いことを如実に示しています。
このことから日本の海自の潜水艦は、訓練はではでき、その訓練では驚異的な成果をあげているのですが、有事においては、自衛隊は法律や社会的制約にがんじがらめにされ、その実力を本番では発揮できないのです。
例えば「国際法の順守」。これは事実上の〝攻撃禁止令〟となっており、極端なことをいうと現場の自衛隊はやられるのを待つしかないといえます。
また、訓練も時間や予算の制約でご都合主義に陥り、対潜訓練でも「最強の軍艦」であるはずの潜水艦が簡単に水上艦に探知されるなど、「八百長」がまかり通っているともいわれています。
こうした問題を解決するために、私は、自衛隊を普通の軍隊に変えたり、「軍政と軍令」の整理や「軍司法」の整備を早期に実施し、「敵前逃亡が盗撮の罪よりも軽い」といったおかしな現状を正すことが急務だと思います。そうして自衛官の地位と権威を高めることが自衛隊を強くする要でもあるといえると思います。
そうして、私自身は、日本が強力な、ASW(対潜水艦戦闘能力)を有しているからこそ、中国は尖閣付近で様々な虚仮威(こけおどし)をするのですが、結局尖閣を奪取しないのだと思います。日本が明らかに海戦能力においては中国を凌駕しているので、中国海軍が尖閣を奪取しないのでしょう。
そうでなければ、とっくに尖閣や沖縄は中国に奪取されていた可能性もあります。確かに、有事においては、自衛隊は法律や社会的制約にがんじがらめで、動けないとされていますが、本当に中国が台湾に侵攻したり、尖閣に侵攻したりすれば、日本の世論も随分変わるのではないかと思います。
政府はなかなか対応をきめられず、得意の「遺憾砲」を発射するだけで何もできないかもしれません。しかし、世論が動いて、国会で審議が行われることになり、自衛隊を普通の軍隊に変えたり、「軍政と軍令」の整理や「軍司法」の整備を早期に実施して、尖閣に上陸をした中国軍の排除に向かうことになると思います。
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林芳正外相は国会で「遺憾砲」を炸裂させたが・・・・・・
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これについては、既成事実を作られたら手遅れなどという人もいますが、たとえ1年〜2年かかったにしても、自衛隊が普通の軍隊になり、日本の潜水艦が尖閣を包囲し、補給をたてば中国軍はお手上げになるだけです。
中国が超音速ミサイルを発射したらどうするとか、核兵器を用いたらどうするなどの意見もありますが、そうなると確かに日本の領土は攻撃されて破壊される可能性はありますが、日本の潜水艦隊は深く潜航して、反撃の機会を待つことになるでしょう。
そうして、中国海軍を崩壊させることになると思います。何しろ、日本の潜水艦が中国の港に入ったとしても中国側はこれを発見するのは難しいです。一昔前の古い戦術かもしれませんが、たとえばかなり大きな中国の艦艇を港の入り口付近で撃沈すれば、その港を長期にわたって封鎖することができます。さらに、機雷を敷設した場合はどうなるでしょう。
そうなると、中国海軍は港を一歩も出られなくなりますし、出たとしても撃沈されます。
こんなことを言うと、中国が超高速ミサイルを発射したり、核兵器を発射したらどうなるとか、ドローンで飽和攻撃をしてきたらどうなるという意見もあると思いますが、そうなれば、日本の世論は激高し、憎き中国をやっつけるために、核兵器などを開発することになるでしょう。
それに核兵器など、どこに潜んでいるかもわからない潜水艦攻撃に使うとすれば、ありとあらゆる海域に打ち込まなくてはならなくなります。たとえ、打ち込んだとしても、深海に潜む潜水艦を破壊てきるかどうかはわかりません。超高速ミサイルも、ドローンも発見できない敵に対しては無効です。
水中に潜む日本の潜水艦隊を中国側は、発見できません。潜水艦隊がすぐに反撃に出るのは間違いないでしょう。それに当然のことながら、米軍なども加勢することになるでしょう。
日本では、なぜか尖閣防衛というと、潜水艦やASWに言及する人は少ないです。しかし、日本の潜水艦隊は、尖閣を防衛するだけでなく、他の作戦も同時にいくつも実行できるだけの能力があります。潜水艦22隻体制(一隻事故で、就航できなくなったが、新たなの潜水艦の就航でまもなく22隻体制が整う)を早々と構築した日本は、強力な海戦能力を得たといえます。
島国である日本は、強い海戦能力によって、他国の軍事的侵入を防ぐことができます。
ミサイルなどで他国を破壊することと、軍事力による侵攻とは別問題です。ただ、破壊するだけではほとんど意味がありません。
軍事力によって他国に侵攻することの意味は、侵攻して他国や他国の一定の地域を占拠して、占拠した地域を自国の思い通りにさせることです。ただ、破壊するだけではこれは成就しません。
中国による台湾侵攻も、ロシアによるウクライナ侵攻も、中露が破壊力があるから簡単に侵攻できると思い込むのは間違いです。台湾やウクライナを占拠するためには、破壊力だけではなく、軍隊を常駐させて、統治する必要があります。
これには、相当の人員と物資が必要となり、中国は海上輸送力が劣っているため、台湾侵攻はできないでしょう。ロシアも、今やGDPでは韓国とほぼ同等かそれを若干下回るくらいしかありません。一人あたりのGDPでは、韓国を大幅に下回ります。米国を抜いたNATOともまともに対峙する力はありません。ロシアが、ウクライナ全土を占拠して、従わせることは至難の業です。
このあたりが、多くの人に混同されているように思います。破壊と、軍事侵攻は別物です。確かに日本の潜水艦隊は、我が国国土の破壊を完璧に防ぐことはできないでしょうが、他国の軍事侵攻は十分に防ぐことができます。
しかし、このブログにも度々述べてきたように、潜水艦の行動は昔からいずれの国でも秘匿されてきましたし、日本もその例外ではないため、日本の潜水艦隊の実力が過小評価されるのだと思いますし、石原氏もそれに言及することはなかったのだと思います。
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