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2016年4月7日木曜日

日米比越4カ国で中国を威嚇 海自護衛艦の“歴史的”寄港で南シナ海「対中包囲網」―【私の論評】マスコミが絶対に国民に知られたくない安全保障のダイヤモンドの完成(゚д゚)!


海上自衛官「いせ」 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 日米両国が、フィリピンやベトナムとともに、南シナ海で軍事的覇権を強める中国を封じ込める動きを見せている。米原子力空母「ジョン・C・ステニス」が同海に展開するなか、海上自衛隊の護衛艦や潜水艦がフィリピンに寄港したのだ。護衛艦はベトナムにも向かう。海自最大級のヘリコプター搭載型護衛艦「いせ」も近く、フィリピンに寄港予定で、南シナ海の「航海の自由」を断固守る覚悟といえそうだ。

 海自の護衛艦「ありあけ」「せとぎり」と、練習用潜水艦「おやしお」は3日、南シナ海に面したフィリピン・ルソン島のスービック港に入港した。日本の潜水艦のフィリピン寄港は15年ぶりという。

フィリピンのスービック港に寄港した海上自衛隊の潜水艦「おやしお」(左)、護衛艦「ありあけ」と「せとぎり」

 スービックは、アジア最大の米海軍基地が1991年まで存在した良港であり、中国は米軍撤退後、フィリピンも領有を主張していたミスチーフ(中国名・美済)礁に勝手に軍事施設を建設した。

 中国による「南シナ海」支配の野望を実感させる港に、海自艦船が寄港したことは、各国メディアも注視している。

 ロイター通信は先月、「艦艇の寄港は受け入れ国と親密な関係にあることを示すことになり、南シナ海でフィリピンと領有権を争う中国への牽制(けんせい)につながる」と事前に報じた。

 AFP通信は3日、「この港は中国とフィリピンが領有権を争うスカボロー(同・黄岩島)礁から200キロの位置にある」としたうえで、フィリピン海軍の報道官の「今回の寄港は、地域の平和や安定の持続的促進および近隣諸国の海軍との協力強化が目的」との発言を伝えた。

 これだけではない、海自が誇るヘリ搭載型護衛艦「いせ」が今月中にも、スービック港に寄港する。同艦は、全長197メートル、全幅33メートル、基準排水量1万3950トン。乗員350人。200メートル近い全通甲板を備え、最大11機のヘリコプターが搭載可能だ。海自護衛艦の中でも屈指の哨戒ヘリ運用能力を持ち、潜水艦への警戒・監視活動に威力を発揮する。

 「いせ」は、今月12~16日の日程でインドネシアのパダンで開かれる多国間共同訓練「コモド」や国際観艦式に参加し、捜索・救難訓練や指揮所訓練などを行う。その後、南シナ海に入り、米海軍とフィリピン海軍との共同訓練を行う方向だ。

 さらに注目すべきは、「ありあけ」と「せとぎり」がフィリピン寄港後、日本の護衛艦として初めてベトナム・カムラン湾に寄港することだ。

 カムラン湾は、中国が覇権を強める南シナ海・パラセル(同・西沙)諸島や、同・スプラトリー(同・南沙)に近い軍事的要衝である。

 海自幹部は「特定の目的で(寄港地を)選んだわけではない」というが、西アジアの安全保障のために、日本と米国が、フィリピンやベトナムと連携して、中国を牽制・包囲する狙いが伝わる。

 世界の最重要シーレーンである南シナ海について、中国の習近平国家主席は昨年9月、オバマ米大統領との米中首脳会談で「南シナ海を軍事拠点化する意図はない」と語っていた。ところが、地対空ミサイルや対艦巡航ミサイルを配備した後に行われた先月31日の同会談では、習氏は「中国の主権を侵害する行為は許さない」と開き直った。

 中国の暴走を止められないのか。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「南シナ海の『航行の自由』が保障されなければ、世界経済の深刻なダメージとなる」といい、続けた。

ジョン・C・ステニス
 「米中首脳会談に合わせて、米国は空母『ジョン・C・ステニス』を派遣して中国に圧力をかけたが、首脳会談は平行線に終わった。海自護衛艦のベトナム寄港は歴史的な出来事だ。日本の安全保障政策は新たなステージ入った。日米とフィリピン、ベトナムの4カ国による『対中包囲網』が形成されるとみていい。これにインドネシアも加わる可能性がある」

【私の論評】マスコミが国民絶対に知られたくない、安全保障のダイヤモンドの完成(゚д゚)!

このような報道、やはり日本のテレビや、新聞でもほとんど報道しません。これは、何を意味するのか、日本のメディア自身も把握していないのでしょう。情けないことです。

今回の目玉はやはり「いせ」の南シナ海への寄港でしょう。「いせ」は厳密には、空母ではないものの、少し改装でもすれば、すぐにでも空母にもなるような艦艇です。これは、おそらく、戦後初めての南シナ海への空母の派遣ということになります。

米国は日本に対し、南シナ海で、無人有人の偵察機や、探知用のレーダーつきの軍艦、潜水艦などを出して、中国軍の動向について情報する「情報・監視・偵察(ISR)」をやってほしいと要望し続けています。しかし、日本は、まだ日本の領海である南西諸島など東シナ海でのISRを拡大している最中で、まったくの外国である南シナ海でISRを始める余力がない、と米国に返答しててました。

日本は自国周辺のISRについて、長らく米軍に全面依存し、独自の情報収集機能をほとんど持たなかったのですが、冷戦中からソ連に対する対潜哨戒活動を強化し、現状ではその能力は世界のトップクラスになっています。無論中国のそれと比較すると、数段上のレベルにあり、当面中国が追いつけるようなレベルではありません。

しかし、一時的な航行でなく、日本が南シナ海で恒常的に中国軍の動向を把握するISR(軍事諜報活動)を行うとなると、話は全く違ってきます。東シナ海は日本の領土領海なので、そこでのISRは正当な防衛ですが、日本と直接には関係もない南シナ海で日本が恒常的なISR活動を行うことは、南シナ海を中国の領海や経済水域でなく全くの「公海」とみなしたとしても「外国への軍事的影響力の行使」「覇権行為」とみなされることになります。特に、日本国内ではそうです。

ただし、ISRについては、日本はすでに海外の実績があるのも事実です。それは、ソマリア沖の海賊対策として、日本の海上自衛隊はすでに対潜哨戒機を派遣して、海賊の監視活動にあたっており、かなりの成果を収めています。

ソマリア沖の海賊の監視には自衛隊が活躍している
この方面で、自衛隊は、水上部隊は護衛艦(対潜ヘリ搭載ミサイル駆逐艦)2隻、対潜ヘリ4機からなり海保から8名が同乗し海上警察活動をしています。

航空部隊は2機の対潜哨戒機と水上部隊所属機のヘリの整備も行う整備隊など約150名、基地の運営と警備を行う陸自部隊約50名、日本とジブチ間の補給物資の輸送を行う空自の輸送機部隊からなります。

この海賊対策は、多国籍軍によって行われていますが、昨年は海上自衛隊の伊藤弘海将補が昨年の5月末から7月末まで多国籍軍の司令官を勤めました、自衛隊としては初めて多国籍部隊のトップということになりました。

伊藤弘海将補
このような実績もあることから、米国が、台湾、フィリピン、南シナ海という一体の地域・海域を日本の自衛隊の活動地域として指定し、台湾とフィリピン、中国、東南アジアがそれを了承したとしたとすれば、日本がソマリア沖のように南シナ海でISRにあたるということは十分にあり得ます。



米軍と自衛隊の艦隊は、昨年10月19日までインドとの3カ国の合同軍事演習(Malabar 2015)に参加したかえり、日米軍が一緒に南シナ海を通った時に、10月28日から2週間ほどの期間で、初めての南シナ海での日米合同軍事演習を行いました。中国を敵に見立て、航行の自由を確保する軍事演習などが行われました。こうした流れから考えると、日本が南シナ海で中国を牽制するようになる日は、意外と近いかもしれません。

なぜかといえば、元々安倍総理は、総理大臣になる直前に、外国のサイトに安全保障のダイヤモンドに関して寄稿しているからです。

これについても、日本のマスコミはほとんど報道しなかったので、日本人でもこの重要な構想については知らない人が多いようです。

これについては、このブロクにも過去に掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…―【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!!
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、力による現状変更を目論む中国に対して、周辺諸国が協力して、以下のような安全保障のダイヤモンドを構築して、中国の囲い込みを行うという構想です。
この構想が公表されたのは、安倍総理が総理になる直前の、2012年12月27日のことです。安倍総理は、この頃から今日の南シナ海の状況を予見したともいえます。

安倍総理が総理になってから、全方位外国であらゆる国を訪問し、特に上記のダイヤモンドを形成することになる国々にも訪問して、その都度安全保障のダイヤモンドの実現のため鋭意努力されました。そうして、各国の首脳にこの構想に対して、賛意を評していただいたため、構想事態は間近と見て良いくらいです。

後は、実際に軍事的にも中国を封じ込める体制を整えることになりますが、それに対してもブログ上記の記事にあるように、安倍政権は着々と歩を進めているようです。

南シナ海での海上自衛隊の監視活動、いずれそう遠くない将来に始まると思います。そうして、東シナ海でも鉄壁の防備をすることが、このセキュリティーダイヤモンド構想の完璧な完成ということになります。

オーストラリアは、「そうりゅう型」潜水艦を日本から導入することを検討しているようで、もし「そうりゅう型」を導入しなかったとすれば、中国の影響から抜け切れていないと見るべきとする向きもありますが、いずれの潜水艦に決まったにしても、強固な日米比越の対中国包囲網が出来上がった後では、これに追随せざるを得ないでしょう。

米軍としては、及び腰オバマ大統領の後の大統領になったとき、中国が南シナ海での軍事行動をやめなければ、早期に決着をつけるべきでしょう。無論、爆撃するか、埋め立てられた環礁を包囲して、中国側の補給路を絶つなどして、それで中国の出方をみて、それでも中国が反撃をするなら、攻撃して粉砕するのです。

それで、本格的な戦争になったとしても、中国に米国や、安全保障のダイヤモンドに対抗したとしても勝てる見込みは全くありません。

もし、中国の南シナ海での暴挙をそのまま許しておけば、いずれとんでもないことになります。それこそ、中国は沖縄奪取、日本奪取、フイリピン、インドネシア、ベトナム奪取へと突き進むでしょう。

それは、中国が建国されてからまもなく、チベット、ウィグル、内蒙古に侵略したことからも明らかです。

まずは、手近ですぐにできる、陸続きの軍事的に弱い国々から侵略を開始しましたが、中国の欲望はとどまるところを知らず、今度は海洋においてそれを実践しようとしているのです。

そのようなことだけは、断固として避けなければなりません。その防波堤の役割を果たすのが安全保障のダイヤモンドです。そんなことは、当たり前のことなのに、日本のマスコミは中国の息がかかっているのでしょうか、安全保障のダイヤモンドの存在を絶対に日本国民に知られたくないようです。

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2013年3月17日日曜日

安倍首相のFacebookに韓国人・中国人が反日コメント するも、 何故かフランス人が論破した件―【私の論評】この件は安倍総裁の安全保障のダイヤモンドが関係しているかもしれない。もっと、俺達も海外にアピールしようぜエ~~!!

安倍首相のFacebookに韓国人・中国人が反日コメント するも、 何故かフランス人が論破した件



 ●戦場は安倍首相のフェイスブック
先日、安倍晋三首相がFacebookで中国を批判しました。

    3月11日の東日本大震災慰霊式典に「台湾の代表の取り扱い」を理由に中国が欠席いしました。

    昨年行われた慰霊式典では、台湾の代表は招待され出席していたにも関わらず名前すら読み上げられませんでした。
    震災発生時、台湾は世界のどの国よりも多額の200億円を超える義援金を贈ってくれた大切な日本の友人です。台湾の人々の気持ちを傷つける非礼な対応でした。
    今年はこの対応を改め、台湾に対し感謝の意を込めて「指名献花」をしていただくことにいたしました。

    このことに対して中国が代表を送らなかったことは大変残念なことであります。
    しかし私達はこれからも礼儀正しくありたいと思います。
    そして多くの支援をいただいた台湾をはじめ全ての国に対して、感謝の思いでいっぱいであります。



原文写真ともにそのまま引用。

この記事の続きはこちらから!!
■著者データ
ガジェ通ウェブライター
ウェブサイト: http://anews.jp/
TwitterID: anewsjp
 【私の論評】この件は安倍総裁の安全保障のダイヤモンドが関係しているかもしれない。もっと、俺達も海外にアピールしようぜエ~~!!


上の安倍総理のコメントに、最初は韓国人が身勝手なコメントをいれ、フランス人にたしなめられたわけです。そうして、次の段階では、今度が中国人が、身勝手なコメントを入れ、再度フランス人にたしなめられたということです。

このフランス人の日本語は確かに素晴らしいもので、私は最初ひよっとして日本人がフランス人を装って書いているのかと思ったほとです。しかし、この人のプロフィールをみてみると、やはりフランス人のようですし、それに、facebookは、他の匿名のサイトとは違い、実名を旨としているSNSなのでやはり知日家フランス人なのだと思います。

それにしても、フランス人が掲載しているということで、この記事は信ぴょう性が高まるものと思います。直接関与する国の人間である日本人や、中国人などよりも、第三者的な立場のフランス人が書いたほうが、説得力があります。おそらく、日本人が反論を書いても、他の国の人がみれば、フランス人のかいたもののほうが説得力があると思います。

そうして、思ったのは、この安倍総理の記事や、それに対する韓国人や、中国人のコメントにたまたまこのフランス人の方の目にとまったため、今回はこのような結果になったと思います。しかし、このようなことはいくらでもあります。

特に、昨日もこのブログに掲載した中山成彬議員による、従軍慰安婦問題の虚偽に関するものなど、私たち日本人としても、ことかあるごとに世界に訴えていくのは無論のことですが、やはり、フラン人をはじめとして日本以外の外国の人達に知ってもらい、それを拡散してもらうようにすれば、かなり効果的と思います。

そうして今回のこの件も、安倍総裁が外国の人達に対して行ったアピールの結果のせいでもあるのだと思いいたりました。そうです。あの、安倍総理による安全保障のダイヤモンドにも関連しているのではないかと思い足りました。このブログには、このダイヤモンド構想についても掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。

尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…―【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!!

詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、安全保障のダイヤモンドについてのみ以下にコピペさせていただきます。

 
(安倍首相は)「南シナ海には核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原子力潜水艦の基地とするのに十分な深さがある」「間もなく中国海軍の新型空母が頻繁に見かけられるようになる」「中国の周辺諸国を恐れさせる事態」などと記したうえで、中国の海洋覇権を防ぐために、日本とオーストラリア、インド、米国ハワイが、インド洋から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイヤモンドを形成すべきだ、と主張しています。

この構想を進めるためか、岸田文雄外相は13日にオーストラリアに飛び、同国のカー外相と会談。米国を含めた安全保障分野の協力を加速させる方針で合意しました。

さらに、安倍首相は東南アジア歴訪の最後に訪れたインドネシアで18日、法の支配と自由で開かれた海洋の重視などを掲げた「日本外交の新たな5原則」を発表し、中国を強く牽制しました。

注目の論文では、セキュリティー・ダイヤモンドを強化するため、英国やマレーシア、シンガポール、ニュージーランド、タヒチのフランス太平洋海軍との連携についても触れています。英国は、もともと、マレーシア、シンガポール、ニュージランドのなどの宗主国でした。フランスも、この地域にかつて、植民地があり、タヒチの宗主国でもありました。

この構想には、周辺諸国は諸手をあげて賛成しています。もう時代は変わりました。このような構想を発表しても、周辺諸国は、日本の軍事力に脅威をいだくどころか、中国の脅威をかわす、希望の星です。
上の文書で注目していただきたいのは、太字で示した「タヒチのフランス太平洋海軍との連携についても触れています」というくだりです。安倍総理は、フランスにもこのダイヤモンドに加盟していただきたい旨をアピールしていたわけです。

この安倍総裁のアピールが、このフランス人の頭の中にあったのだと思います。中国が、この海域を我が物顔で動きまわるようになれば、フランスのタヒチにおける権益も脅かされるわけです。そうです。フランスの国益にも影響がでるわけです。そうして、韓国人や、中国人の反日コメントをみつけて、論破する気持ちになったのだと思います。

それにしても、この類推は多いにありうることだと思います。この件につき、いずれ、このフランス人に質問をしてみようと思います。

安倍総理のように海外の人々に日本をアピールしよう!!

いずれにせよ、この類推があたっていようとあたっていまいと、安倍総理のように機会があれば、海外にもアピールしておくことにより、中国などの国が日本に対して理不尽な要求をつきつけたり、韓国のように歴史を歪曲したにしても、外国の人にから反論していただければ、他の国久の人びとへの影響力が大きくなります。

このようなことを私たちも心がけるべきと思います。私自身もSNSやビデオチャットで、海外の人々とコミュニケーションをはかるときに、このようなことをするように心がけています。みなさんも、そのような機会があれば、是非心がけていただければ、日本が理不尽な扱いを受けても、海外の人々に擁護していただける確率が高まると思いますので、そうしていただれたら幸いです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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2013年3月24日日曜日

海自飛行艇 印へ輸出 中国牽制、政府手続き着手―【私の論評】安全保障のダイヤモンドへの地固めは着実に進んでいる!!

海自飛行艇 印へ輸出 中国牽制、政府手続き着手:

US-2
政府が、海上自衛隊に配備している水陸両用の救難飛行艇「US-2」をインドに輸出するための手続きに着手したことが23日、分かった。インドは日本側に救難活動や海賊対策でUS-2を導入する方針を伝えてきており、製造元は現地事務所を設け、インド政府との交渉に入った。日本にとり輸出による生産増で1機当たりの製造コストを下げ、自衛隊の調達費を低減させるメリットがある。

この記事の続きはこちらから!!



【私の論評】安全保障のダイヤモンドへの地固めは着実に進んでいる!!



US-2は、海上自衛隊が運用する救難飛行艇。製作は新明和工業。US-1Aの後継機体です。US-1Aは優れた飛行艇であったが、いくつかの問題も抱えていました。特に海上自衛隊からは、離着水時の操縦性の改善・患者輸送環境の改善・洋上救難能力の維持向上などが要求されていました。これらの課題に対して、US-1Aの近代化に向けた研究は新明和工業社内で1991年(平成3年)から行われており、防衛庁(現 防衛省)の指名によるUS-1A改開発は1996年(平成8年)10月から新明和を主契約会社、川崎重工業、富士重工業及び日本飛行機(日飛)を協力会社として開始されました。

当時世界最大の飛空艇二式大艇

この飛行艇は世界で最も優れている点があります。それは何かといえば、嵐で波が高くても、離着陸がしやすいというものです。この性能にかけては、世界一です。さすが日本の飛行艇です。新明和ほどこの性能に優れた飛行艇をつくることは、他の国ではできないことです。

新明和工業株式会社(しんめいわこうぎょう、英: ShinMaywa Industries, Ltd.)は、兵庫県宝塚市に本社を置く日本の機械メーカーでした。戦前は川西財閥傘下の航空機製造会社でした。

紫電


戦時中に、世界最大の飛空艇二式大艇や局地戦闘機紫電、紫電改を開発製造したメーカーとして知られています。前身の川西航空機時代から優れた航空機のメーカーとして知られていましたが、戦後は民需転換に成功し、天突きダンプ、じん芥車、水中ポンプ、機械式駐車場、理美容機器と、航空機以外にもユニーク且つ多彩な製品を持つメーカーとして評価されています。ただし、自衛隊にUS-1飛行艇を納品しているので戦争当時のノウハウが生かされているといえます。

紫電改

さて、この新明和私は、高校生くらいの頃から知っていました。なぜ知っていたかといえば、私が通っていた床屋さんの椅子が新明和製だったからです。椅子だったから、鏡のほうだったか忘れましたが、確か「新明和」とはっきりメーカー名が記されていました。そこで、いつも髪を刈ってもらっていたので、「新明和」といえば、床屋の椅子というようなイメージを持っていました。

サイトでみつけた、新明和の床屋の椅子。私がお世話になったのはこれに近いものでした。


ところが、あるときに本屋さんに行くと、 US-1の開発物語が掲載された文庫本が売られており、立ち読みしたら、何とあの床屋さんの椅子のメーカーである「新明和」が開発したこと、それどころか、このメーカーがあの二式大艇や、紫電、紫電改を作ったメーカーであることを知り、びっくり仰天してその書籍を買い求めて、家で一気に読んでしまったことを覚えています。その書籍の内容は忘れてしまいましたが、とにかく開発者らの感動的な物語であったことは、はっきり覚えています。

ポーランドのセクシーなお姉さんが髪をカットする床屋さん。お客さんも満足げ?

その後、床屋に行ったときは、床屋のお姉さん(注:私の行っていたのは上の写真のような床屋ではなく、普通の床屋(笑!!))に、その話をしたことを覚えています。このお姉さんも、新明和が二式大艇や紫電改のメーカーであったことなど知らなかったようで驚いていたことを覚えています。ちなみに、この床屋さんにはこの美人お姉さんがいたのて、それ目当てに行っていたというのは事実です。なにやら、髭をそってもらったりいろいろしていると、お姉さんの胸などが体にあたったり、いろいろ作業をしていると、作業衣の隙間から下着などが見えたりして、頭の中は、上の写真のような妄想状態でした(笑)!!今では良い思いでです。今回の話題で久しぶりにこのことを思い出しました。

この新明和現在では、理容室の椅子は製造していません。椅子の分野からは、2008年に撤退しています。理容室の椅子のシェアとしては当時は以下のようなものだったと思います。
タカラベルモント…70%
新明和…20%
その他…10%
撤退の理由は結局高齢化でこれから伸びることはない事業であること、それに、2008年といえば、デフレ真っ最中であり、しかも、リーマンショックがあったということもあり、断念したのだと思います。それに、椅子を作っていたのは、新明和本体ではなく、新明和リビテック株式会社という子会社だったということです。

これも、ポーランドの床屋。いかがわしいサービスはしません。本当に床屋だけのサービスです。

それにしても、今では床屋の椅子は作っていないものの、今の新明和でも手がける製品は本当に幅が広いのでびっくりしてしまいます。 軍事産業からの転身がうまくいった格好の事例だと思います。

そうして、この事実は今の日本の軍事産業を象徴しているように思えます。 とにかく武器輸出三原則なるものがあります。

武器輸出三原則とは、共産圏と国連決議による武器禁輸措置をとられた国、及び紛争地域への武器輸出を禁止したものであり、他の地域への武器輸出は「慎む」とされているため、武器輸出そのものを禁止しているわけではありません。しかし、日本は原則として武器および武器製造技術、武器への転用可能な物品の輸出をしていません。

武器輸出三原則によって原則に当てはまる武器輸出が事実上禁止されているますが、このことを直接規定した日本の法律は存在しません。

この武器輸出三原則により、政府が武器もしくは、武器に転用可能なものは輸出できにくい状況にありましたが、野田政権のときに武器の輸出を原則として禁じる「武器輸出三原則」の緩和を正式に決め、官房長官談話として発表しました。それまでは、例外として輸出を認めるかどうか個別に判断していました。これを抜本的に見直し、新たに設ける基準に従い、平和・人道目的や、国際共同開発・生産への参加であれば輸出を容認することとしたのです。



この「US-2」の輸出もこうした輸出緩和の流れの中でのものだと思います。特に、US-2の場合は、海難救助用ですから、インドに販売するのは、何も問題がないのだと思います。でも、インドがどのように使うかはまた、別問題です。嵐であっても、このUS-2なら、武装集団を派遣する事が可能です。そうして、こうしたことを続けているうちに、いずれは、 US-2にミサイルや機関砲を装備したものも売れるようにすれば良いと思います。二式大艇の場合は、武装もしていました。飛行場がないところでも、飛ばして長距離爆撃機にできます。

そうして、インドに売るということには意味があると思います。それは、このブログの過去の記事にも、掲載したように、安倍総裁が提唱する安全保障のダイヤモンドの一角にはインドが含まれているからです。

安全保障のダイヤモンドに関するこのブログの過去の記事を以下に掲載します。

尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…―【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!! 

 



詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、安全保障のダイヤモンドについてのみ以下にコピペさせていただきます。

  (安倍首相は)「南シナ海には核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原子力潜水艦の基地とするのに十分な深さがある」「間もなく中国海軍の新型空母が頻繁に見かけられるようになる」「中国の周辺諸国を恐れさせる事態」などと記したうえで、中国の海洋覇権を防ぐために、日本とオーストラリア、インド、米国ハワイが、インド洋から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイヤモンドを形成すべきだ、と主張しています。 
    この構想を進めるためか、岸田文雄外相は13日にオーストラリアに飛び、同国のカー外相と会談。米国を含めた安全保障分野の協力を加速させる方針で合意しました。 
    さらに、安倍首相は東南アジア歴訪の最後に訪れたインドネシアで18日、法の支配と自由で開かれた海洋の重視などを掲げた「日本外交の新たな5原則」を発表し、中国を強く牽制しました。 
    注目の論文では、セキュリティー・ダイヤモンドを強化するため、英国やマレーシア、シンガポール、ニュージーランド、タヒチのフランス太平洋海軍との連携についても触れています。英国は、もともと、マレーシア、シンガポール、ニュージランドのなどの宗主国でした。フランスも、この地域にかつて、植民地があり、タヒチの宗主国でもありました。 
    この構想には、周辺諸国は諸手をあげて賛成しています。もう時代は変わりました。このような構想を発表しても、周辺諸国は、日本の軍事力に脅威をいだくどころか、中国の脅威をかわす、希望の星です。
この安全保障のダイヤモンド一朝一夕 にしてできるものではありませんが、今回のインドへのUS-2の輸出はこのための良い下準備となるものと思います。

どんどんこの路線を進めて、中国の海洋進出の野望を挫くことは、周辺諸国の切なる要望だと思います。私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2024年6月22日土曜日

南鳥島沖レアメタル鉱物密集―【私の論評】日本の海洋資源戦略:マンガンノジュールからインド太平洋戦略まで

南鳥島沖レアメタル鉱物密集


まとめ
  • 東京大学と日本財団の調査で、南鳥島沖の海底にレアメタルを豊富に含むマンガンノジュールが約2億3000万トン確認され、日本が資源大国になる可能性が示唆された。
  • 確認された鉱物には、国内消費分の約75年分のコバルトと約11年分のニッケルが含まれていると推計されている。
  • 来年から実証試験を開始し、2026年以降の商用化を検討している。


日本の鉱物資源の活用が前進する可能性があります。電気自動車の電池などに使われるレアメタルを豊富に含む鉱物が小笠原諸島の南鳥島沖に密集していることが東京大学などの調査でわかりました。

日本財団 笹川陽平 会長
「資源大国になれる可能性がある」

東京大学と日本財団によりますと、日本の排他的経済水域内にある南鳥島沖の海底を調査したところ、レアメタルを豊富に含むマンガンノジュールと呼ばれる鉱物がおよそ2億3000万トン確認されたということです。

鉱物には、▼コバルトが国内消費分のおよそ75年分、▼ニッケルがおよそ11年分、含まれていると推計されています。

来年から実証試験を始め、2026年以降、商用化を検討するとしています。

レアメタルはEV=電気自動車の電池に使われるなど世界的に需要が高まっていて、“資源小国”の日本が今後、海底資源を活用できるかが焦点となります。

【私の論評】日本の海洋資源戦略:マンガンノジュールからインド太平洋戦略まで

まとめ
  • マンガンノジュールには、マンガン、コバルト、ニッケル、銅などの重要金属が含まれており、これらは電池、鉄鋼製造、ハイテク機器など現代技術に不可欠です。
  • 日本は広大な排他的経済水域(EEZ)を有し、海底熱水鉱床、レアアース泥などの資源開発を進めることで、資源自給率向上と将来的な輸出国化の可能性があります。
  • 南鳥島沖でのレアアース試掘計画やマンガンノジュールの発見は、日本の海底資源開発における重要な取り組みであり、資源安全保障強化に貢献します。
  • 安倍首相の「自由で開かれたインド太平洋」戦略は、資源安全保障を含む包括的なアプローチで、シーレーンの安全確保、資源供給源の多様化、国際協力の促進を目指しています。
  • 日本の海洋資源開発は、単なる経済的利益追求ではなく、国際協調と平和構築のビジョンを示し、新たな国際秩序の構築を目指すものです。

マンガンノジュールには以下の金属が含まれています。
  • マンガン:鉄鋼の製造において、酸素と硫黄を還元する試薬として使用され、特殊鋼やアルミニウム、銅の合金化剤としても利用されます。また、乾電池の電極や化学工業の酸化剤としても重要です
  • コバルト:電気自動車(EV)の電池やハイテク機器に使用されます。
  • ニッケル:ステンレス鋼や電池の製造に使用されます。
  • :電気配線や電子機器に使用されます。
これらの金属の用途は以下です。
  • スマホ、電気自動車等の電池:コバルトとニッケルはリチウムイオン電池の主要な成分であり、電気自動車の性能と寿命を向上させるために不可欠です。
  • 鉄鋼の製造:マンガンは鉄鋼の強度、硬度、耐食性を向上させるために使用され、特にステンレス鋼や特殊鋼の製造において重要です。
  • ハイテク機器:コバルトはスマートフォンやノートパソコンなどの電子機器の製造にも使用されます。
  • ステンレス鋼:ニッケルはステンレス鋼の製造に不可欠であり、耐食性や強度を高めます。
  • 電気配線:銅は優れた導電性を持ち、電気配線や電子機器の主要な材料として使用されます。
これらの金属資源は、現代のテクノロジーやグリーンテクノロジーにおいて欠かせないものす。

日本が資源自給率を高めるだけでなく、輸出国になる可能性もあります。日本は既にメタンハイドレートやシェールガスの試掘に成功しており、これらの資源の商業化が進めば、エネルギー自給率の向上が期待されます。

また、世界的に資源ナショナリズムが進行している中で、日本が自国の資源開発を進めることで、国内での資源供給が安定し、余剰分を輸出することが可能になるかもしれません。これらの要素を考慮すると、日本が資源自給率を高めるだけでなく、将来的には資源輸出国になる可能性も十分に考えられます。

南鳥島近辺はこれ以外にも、レアアース試掘計画がすすめられています。

政府が進める日本最東端の南鳥島沖でのレアアース試掘計画が、当初の予定から約1年遅れ、令和7年度以降に開始されることが昨年明らかになりました。遅延の主な原因は、海底から泥を吸い上げるための「揚泥管」の調達の遅れです。ウクライナ戦争の影響で、英国の製造企業が軍事部門に注力したため、揚泥管の製造に遅れが生じています。

南鳥島沖の水深約6千メートルの海底には、世界需要の数百年分相当のレアアースを含む泥が確認されています。政府の計画では、地球深部探査船「ちきゅう」から揚泥管を伸ばし、1日当たり約70トンの泥を吸い上げる予定です。

地球深部探査船「ちきゅう」

南鳥島沖のレアアース試掘計画とマンガンノジュールの発見は、直接的な関係はありませんが、どちらも日本の海底資源開発における重要な取り組みです。

レアアース試掘計画は政府が進める海底泥からのレアアース採掘を目指すもので、一方のマンガンノジュールの発見は東京大学と日本財団による調査結果です。両者は同じ南鳥島沖の海域で行われていますが、対象資源が異なります。

これらの取り組みは、日本が海底資源開発を通じて資源自給率を高め、中国などへの依存度を下げることを目指す国家戦略の一環として位置づけられています。両プロジェクトは日本の海洋資源開発の可能性を示す重要な成果であり、将来的な資源安全保障に貢献する可能性があります。

日本の領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた面積は約447万km²に及び、これは世界第6位の広さです。この面積は日本の陸地面積(約37.8万km²)の約12倍に相当し、多くの離島を含むため広大です。

日本の海域には、海底熱水鉱床、コバルト・リッチ・クラスト、マンガン団塊、メタンハイドレート、海底石油・天然ガス、レアアース泥などの資源が存在する可能性が指摘されています。これらの資源は、日本の資源自給率を高めるだけでなく、将来的には輸出国になる可能性も秘めており、政府は資源安全保障の強化を目指しています。

将来的には、日本が豊富な海洋資源を背景に、国際的な平和と繁栄に貢献すべきです。世界的に需要が高まるレアメタルやエネルギー資源を安定的に供給し、国際市場の安定化に寄与し、これを通じた外交関係の強化や、資源開発技術の共有を通じて、他国との協力関係を深めることによって世界に平和と安定をもたらすべきです。



安倍総理の「自由で開かれたインド太平洋」戦略は、世界に新たな秩序をもたらし、現在でも日本の国家安全保障の中核を成すものであり、資源安全保障と密接に関連しています。この戦略は、重要なシーレーンの安全確保を通じて日本のエネルギー資源の安定供給を保証し、同時に資源供給源の多様化を推進しています。また、国際法に基づく秩序維持により、南シナ海や東シナ海における日本の海洋資源権益も守ろうとしています。

さらに、この戦略は地域諸国とのエネルギー協力促進や、インフラ投資を通じた新たな資源開発機会の創出も目指しています。技術協力による資源利用効率化や循環型経済の推進、経済連携協定の締結による安定的な資源取引環境の整備も、戦略の重要な側面です。加えて、新エネルギー技術の開発・普及を通じて、長期的な資源安全保障の強化も図っています。

このように、安倍首相のインド太平洋戦略は、地政学的な構想を超えて、日本の経済安全保障、特に資源安全保障を多面的に強化する包括的なアプローチとなっており、変化する国際環境の中で日本のエネルギーと資源の安定確保を目指す長期的なビジョンを示しているのです。

日本の海洋資源を活用した国際貢献は、安倍首相のインド太平洋戦略の重要な一面を形成しています。それは単なる経済的利益の追求ではなく、資源を通じた国際協調と平和構築の ビション を示すものです。この アプローチは、資源をめぐる紛争を防ぎ、共存共栄の理念に基づいた新たな国際秩序の構築を目指すものであり、安倍首相の外交ビジョン の本質的な部分を体現しするものでもあるのです。

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2024年7月9日火曜日

<主張>日比2プラス2 新協定で対中抑止強化を―【私の論評】日比円滑化協定(RAA)の画期的意義:安倍外交の遺産と日本の新たな安全保障戦略

<主張>日比2プラス2 新協定で対中抑止強化を

まとめ
  • 日本とフィリピンが外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を開催し、「円滑化協定(RAA)」を締結。これにより両国の防衛協力が強化され、自衛隊とフィリピン軍の相互運用性が向上。
  • 両国は中国の南シナ海での行動に懸念を表明し、力による現状変更に反対。台湾海峡の平和と安定の重要性も確認され、地理的に重要な位置にある両国の安全保障協力の意義を強調。
  • この協力強化は、中国に対する抑止力を高め、自由で開かれたインド太平洋の実現を目指すもの。日本にとってはフィリピンとの準同盟関係構築や重要な海上交通路の確保という国益にも合致。
(左から)木原稔防衛相、上川陽子外相、フィリピンのエンリケ・マナロ外相、ジルベルト・テオドロ・ジュニア国防長官

 上川陽子外相と木原稔防衛相がマニラを訪問し、2プラス2を開催しました[。この会議で、両国は自衛隊とフィリピン軍の相互運用性促進など、防衛・安全保障協力の強化で合意しました。

 重要な成果として、自衛隊とフィリピン軍の相互往来を容易にする「円滑化協定(RAA)」が署名されました。これにより、両国軍の共同演習や災害救助活動がスムーズに実施できるようになります。

 会議では、中国を念頭に置いた議論も行われ、南シナ海のアユンギン礁周辺での中国の行動に深刻な懸念が表明されました。両国は力による一方的な現状変更の試みに強く反対する立場を示しました。

 さらに、台湾海峡の平和と安定の重要性が確認され、日本とフィリピンの地理的重要性が強調されました。両国は第一列島線を構成し、台湾を挟む位置にあることから、安全保障上の協力が重要視されています。

 この協力強化は、中国に対する抑止力を高め、自由で開かれたインド太平洋の実現を目指すものとされています[4]。日本にとっては、フィリピンとの準同盟関係の構築や、重要な海上交通路の確保という国益にもつながります。

 この文章は、元記事の要約です。詳細は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】日比円滑化協定(RAA)の画期的意義:安倍外交の遺産と日本の新たな安全保障戦略

まとめ
  • 円滑化協定(RAA)は日本とフィリピンの戦略的パートナーシップを強化し、両国軍の相互訪問手続きを簡略化する画期的な協定である。
  • RAAは日本にとって3カ国目の締結国となり、フィリピンとの関係を「準同盟」級へ格上げする重要なステップである。
  • この協定は中国の海洋進出に対抗し、日米比の安全保障面での連携強化を可能にする。
  • 安倍元首相の「地球儀を俯瞰する外交」や「インド太平洋戦略」の継続性を示し、彼の外交ビジョンが日本の外交政策に深く根付いていることを表している。
  • RAAは安倍外交の遺産を体現し、日本の国益を守りつつ地域の平和と安定に貢献する理念を実践するものである。
木原防衛大臣

木原防衛大臣が円滑化協定(RAA)を「画期的」と評価していました。その理由は、この協定が日本とフィリピンの戦略的パートナーシップを大幅に強化するからです。

RAAにより、自衛隊とフィリピン軍が共同訓練などで相互に訪問する際の手続きが簡略化され、入国のためのビザ取得や武器弾薬の持ち込み手続きが容易になります。さらに、この協定は日本がフィリピンとの関係を「準同盟」級へと格上げする重要なステップとなり、日本にとってオーストラリア、イギリスに続く3カ国目のRAA締結国となります。

また、東シナ海や南シナ海で海洋進出を強める中国に対抗するため、日本は米国とともにフィリピンとの安全保障面での連携を強化できます。

加えて、RAAを基盤として、日本とフィリピンの二国間だけでなく、米国や豪州を交えた重層的な協力関係の構築が可能になります。これらの要因により、木原防衛大臣はRAAを日比関係の新たな段階を象徴する重要な協定として位置づけ、「画期的」と評価したのです。

故安倍晋三元首相の三回忌に日本とフィリピンの間で円滑化協定(RAA)が締結されたことは、安倍氏の先見性と外交政策の継続性を示す極めて意義深い出来事です。


安倍元首相は「地球儀を俯瞰する外交」「自由で開かれたインド太平洋」構想、そして「安全保障のダイヤモンド」構想を通じて、日本の国際的地位向上と地域の安定に大きく貢献しました。これらの戦略は、世界秩序と日本国内の政治的風景を根本的に変革しました。

特筆すべきは、安倍元首相の外交ビジョンが、自民党内の親中派やリベラル派の存在にもかかわらず、中国共産党に対峙する姿勢を日本の外交政策の主流に据えたことです。この転換は、もはや後戻りが困難なほど日本の外交・安全保障政策に深く根付いています。

今回の円滑化協定は、このような安倍外交の遺産が現在も生き続けていることを如実に示しています。協定は、インド太平洋地域の安定と平和への貢献、中国の海洋進出に対する抑止力の強化、同盟国・友好国とのネットワーク拡大という安倍外交の核心的要素を全て包含しています。

自衛隊とフィリピン軍の相互運用性の向上や共同訓練の拡充は、安倍元首相が推進してきた積極的平和主義の実践そのものであり、「インド太平洋戦略」の具現化と言えます。

安倍元首相の三回忌にこの協定が締結されたことは、彼の外交ビジョンの先見性と重要性を改めて世界に示す機会となりました。安倍氏が築いた外交の基盤が、彼の退任後も、さらには彼の死後も日本の外交政策の指針として機能し続けていることは、極めて称賛に値します。

長門市油谷新別名の安倍家菩提(ぼだい)寺の長安寺で行われた安倍晋三元首相三回忌の法要

この協定は、安倍元首相の遺志を継ぎ、日本の国益を守りつつ地域の平和と安定に貢献するという彼の理念を体現するものです。安倍氏の先見性と努力なくしては、今日の日本の外交的地位と影響力、そして中国に対する明確な対峙姿勢は存在し得なかったでしょう。

故安倍元首相の俯瞰外交の理念と方針は、この円滑化協定を通じて今なお実現され続けており、彼の政治的遺産は日本の外交政策に深く根付いていると評価できます。安倍外交が築いた新たな日本の立ち位置は、今や日本の外交・安全保障政策の不可逆的な基盤となっているのです。

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2018年1月5日金曜日

【アジアを先導する日本】中国の領土侵略の脅威説き世界の主役に躍り出た安倍政権 自国の外交論文を取り上げないメディアの異常―【私の論評】安全保障論議から自ら退場した日本のマスコミ(゚д゚)!


安全保障でも連携を強める(左から)安倍首相とトランプ米大統領、ターブル豪首相
新幹線車両「E5系」の前で握手する安倍晋三首相とインドのモディ首相
 第二次安倍政権が発足して、昨年12月26日で丸5年になった。一部メディアは、アベノミクスについて「実感がない」などと批判的に伝えるが、客観的データは以下の通りだ。

 日経平均株価は、2012年12月の政権発足時1万230円36銭だったが、5年後の同日は2万2892円69銭と、2倍以上も上昇した。

 名目GDP(国内総生産)も、12年10~12月期の493兆円から、17年7~9月期の549兆円に増加。有効求人倍率は0・83倍(12年12月)から、1・55倍(17年10月)に。消費者物価指数も、マイナス0・2%(12年12月)から、0・8%(17年10月)に増えた。

 景気回復に成功したのは間違いない。

 さらに私は、安倍政権の外交戦略にも注目していた。

 安倍晋三首相が政権発足翌日、チェコにある言論プラットホーム「プロジェクト・シンジケート」に、英語で「アジアの民主的安全保障ダイヤモンド(セキュリティーダイヤモンド)構想」という論文を発表したからだ。

 不思議なことに、この論文は発表直後、産経新聞と東京新聞が取り上げたぐらいだった。自国の外交安保方針に関わる首相の論文を、メディアが取り上げないのは異常だ。政権発足直後から、安倍首相は偏向報道とフェイク・ニュースに攻撃されていたのではないか。

注目の論文は、冷戦時代、オホーツク海が「ソ連の内海」と言われたのに対比させて、《南シナ海がいま「北京の湖」になっているかのように見える》と、中国による領土侵略の脅威を説いている。

 そのうえで、《日本と米国ハワイ、オーストラリア、インドによって、インド地域から南太平洋に広がる海洋権益を保護するダイヤモンドを形成する国々》は、成熟した海洋民主国家として、法によって支配される平和的エリアを形成すべきだ-と、世界に訴えているのだ。

 この5年間、安倍首相はこの通りの外交を着々と進めてきた。わが国の歴史上、こんな宰相が存在しただろうか?

 在米台湾人の若き女性研究者、エミリー・チェン氏(米フーバー研究所フェロー)が16年2月、米外交専門誌『ナショナル・インタレスト』に「台湾海峡の次の主役は日本か?」という論文を発表したとき、私が少しも驚くことはなかった理由がそこにある。

 ■西村幸祐(にしむら・こうゆう) ジャーナリスト。1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部中退。在学中、「三田文学」の編集を担当し、80年代後半から、作家、ジャーナリストとして活動。2002年日韓サッカーW杯取材後、拉致問題や歴史問題などにも、取材・執筆分野を広げる。アジア自由民主連帯協議会副会長。著書に『21世紀の「脱亜論」 中国・韓国との訣別』(祥伝社新書)、『報道しない自由』(イースト・プレス)など。

【私の論評】安全保障論議から自ら退場した日本のマスコミ(゚д゚)!

冒頭の記事に掲載されている「アジアの民主的安全保障ダイヤモンド(セキュリティーダイヤモンド)構想」については、このブログでもことあるごとに掲載してきました。そうして確かに、安倍総理は過去5年間この構想に基づき行動してきしまた。

しかし、上の記事にもあるように、この構想を報道したのは、産経新聞と東京新聞くらいで、他の新聞はもとより、テレビ局なども全く報道していません。

このような重要な構想を報道しない報道機関は全く異常です。そのことに関して掲載したこのブログの記事のリンク以下に掲載します。
安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」、対中抑止へ完成間近-【私の論評】鳩山の構想は報道しても、安部総理の構想は一切報道しない日本のマスコミの存在意義を問う(゚д゚)!
安倍晋三首相とインドのモディ首相
この記事は、2014年5月2日のものです。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この時もマスコミは安倍総理のこの構想を完璧に無視していました。この記事には、この構想の日本語訳も掲載しました。まだ読まれていない方は是非ご覧になって下さい。

安倍総理はこの構想通りに動き、今日に至っています。その結果上の記事にも掲載されていように米国、オーストラリア、インドにおよばずASEAN諸国とも良い関係を構築しています。

そうして、米国のトランプ大統領は外交経験も乏しいことから、外交面で安倍首相に頼るところが多くなってきています。

トランプ大統領は、大統領選挙選の頃から中国に対峙すると語っていましたが、中国は、米国が主導する国際秩序への最大の挑戦者であるという内容で、昨年12月18日「国家安全保障戦略」を発表しました。これによって、トランプ大統領は長期的には中国の膨張を抑える対決の道を選ぶという姿勢を明確にしました。

これには、当然のことながら安倍首相の構想が大きな影響を与えているものと考えられます。

さて、これで日米両首脳により、両国は中国の膨張を抑える対決の道を選ぶという姿勢を明確にしたことになります。

2016年国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は、中国が南シナ海に設定した独自の境界線「九段線」には国際法上の法的根拠がないと認定しました。同裁判所はこのほか、「南沙諸島には排他的経済水域(EEZ)を設けられる国連海洋法条約上の『島』はなく、中国はEEZを主張できない」「中国がスカボロー礁でフィリピン漁民を締め出したのは国際法違反」「ミスチーフ礁とセカンドトーマス礁はフィリピンのEEZ内にある」などと認定。中国の主張をほとんど退け、中国の国際的孤立を浮き彫りにしましました。

案の定、中国は逆上し(たふりをし)、「違法茶番劇」(中国メディア)、「紙くず(注――裁判所の判決)に外交努力が邪魔されるべきではない」(駐米大使)と批判して、領有権問題は当事者間の対話で解決されるべきだと、中国政府の従来の主張を繰り返しました。
中国は二国間対話を進めれば、孤立しないと思い込んでいるようです。

しかし、「これは中国の錯誤である」――。米国の世界的な戦略家であるエドワード・ルトワック氏は「中国4.0――暴発する中華帝国」(文春新書)の中で、中国の動きを予測するかのように書いています。

(ベトナムのような)小国は圧倒的なパワーを持つ中国と二国間交渉をするはずはなく、他国の支援、同盟によって対抗しようとします。ベトナムより大きい日本でも同様です。
中国が大きくなればなるほど、それに対抗しようとする同盟も大きくなるのだ。……中国が日本に対して圧力をかけようとすると、アメリカが助けに来るし、べトナム、フィリピン、それにインドネシアなども次々と日本の支持にまわり、この流れの帰結として、中国は最初の時点よりも弱い立場追い込まれる。これが(中国の錯誤の)核心である
安倍首相の活発な海外歴訪が示すように、昨今の動きはそうなってきています。その分、国際法を無視する中国の孤立化が進んでいます。オランダの仲裁裁判所の判決はその決定打というべきものなのですが、中国はそれに気付いていないのです。あるいは気付いていても対応を変えられないのです。

ルトワック氏の「チャイナ4.0」とは、かつて国民党軍の高官が酔っ払って書いた「九段戦」という馬鹿げた地図を放棄し、アメリカの警戒感を解消するために空母の建設を放棄することにあります。
(このチャイナ4.0は)今の中国にとって究極の最適な戦略だが、現在の中国にはおそらく実行不可能(だ)
1つは今の中国は内向きで海外の正確な情報が習近平にまで届かず、極めて不安定だからです。また、外国を理解できず、「自分たちこそ世界一、後の国は我々の家来だ」という昔ながら「冊封体制」のメンタリティが外国への理解を阻んでしまいます。2000年代半ば以降の経済大国化(の幻想、過信)が「冊封」メンタリティをいやまし高め、それが大きな弊害となっているのです。
今1つは習近平がチャイナ4.0を思いついたとしても、彼は人民解放軍に殺されるかもしれないし、人員解放軍がわざと対外危機を起こすかも知れない
世界の大国にのし上がりながら、北朝鮮とそれほど変わらない独裁国家の不安定性が増長されています。「今そこにある危機」です。

国内政治の間で苦悩する習近平
では、日本はどうすればいいのでしょうか。日本人は今、昨今の尖閣領域への中国軍の侵入の増加などから「中国政府が軍をコントロールできていないために、現場が暴走するのではないか」という懸念を持っています。ルトワック氏は「この懸念は実に真っ当なもの」として対中「封じ込め政策」を提案しています。

その提案は結論から言えば「尖閣領域のような小さな島の問題はアメリカに頼らず、自分でやれ」ということです。

米国は核抑止や大規模な本土侵略に対する抑止は日米条約によって提供します。しかし、島嶼奪還のような小規模なことにまで責任は持てないです。「日本が自分で担うべき責任の範囲なのです」。

ルトワック氏は戦略家として米国の軍事戦略にも深くかかわっています。だから、この姿勢は米政府もほぼ同様だ、と言って良いです。

島嶼防衛は日本独自の責務--。そのためには多元的な対中封じ込め戦略が不可欠である、とルトワック氏は提案します。
(海上保安庁、海上自衛隊、陸上自衛隊、航空自衛隊、外務省などが)独自の対応策を考えておくべきなのである。「多元的能力」を予め備えておくことによって、尖閣に関する「封じ込め政策」は、初めて実行可能なものとなる
その際、「慎重で忍耐強い対応」という日本の役所の大好きな「先延ばし戦略」は逆効果だ、とルトワック氏は警告します。
そもそも中国は、(過去)15年のうちに三度も政策を変更している。さらに作戦レベルや現場レベルで、ソ連でさえ決して許さなかったような軍事冒険主義が実質的に容認されている
昨今の東シナ海、南シナ海での中国海軍の危なっかしい行動にそれが現れています。
これに対抗するには、有事に自動的に発動される迅速な対応策が予め用意されていなければならない。中国が突然、尖閣に上陸したとき、それに素早く対応できず、そこから対応策を検討したり、アメリカに相談をもちかけたりするようでは、大きな失敗につながるだろう
自分でやらずに、すぐにアメリカに頼る日本の外務省の体質を熟知したような指摘です。そして外務省も尖閣侵入のような有事に備えて海外諸国と連携した対応策を容易しておかねばならない、と説いています。

例えば、中国との貿易が多いEU(欧州連合)に依頼して、中国からの貨物処理のスピードを遅らせるよう手配するのです。
こうすれば中国はグローバルな規模で実質的に「貿易取引禁止状態」に直面することになり……かなり深刻な状況に追い込まれるはずだ
大事なのは、こうした具体的な行動が自力で実現できるように、平時から準備しておくことです。

対米依存度の高い外務省や防衛省は「今そこにある危機」に対応し、それをやっているのでしょうか。そこが問題です。

そうして、先日もこのブログに掲載したように、米国はいざとなれば、中国に対して大規模な金融制裁ができます。大規模な金融制裁を実施された場合、中国は身動きがとれなくなります。だから、米国や日本に対して、どこまでも自分の要求をつきつけるということはできません。どこかで、折れるしかありません。

しかし、上のルトワック氏の主張にもあるように今の中国は内向きで海外の正確な情報が習近平にまで届かず、極めて不安定です。また、外国を理解できず、「自分たちこそ世界一、後の国は我々の家来だ」という昔ながら「冊封体制」のメンタリティが外国への理解を阻んでしまいます。2000年代半ば以降の経済大国化(の幻想、過信)が「冊封」メンタリティをいやまし高め、それが大きな弊害となっているのです。

結局、軍事力でも金融力でも米国にかなり劣っている中国は、米国に直接挑むことはできません。

昨日もこのブログで述べたように、習近平にとっては反日を叫んでいなければ、「毛沢東が建国前の日中戦争において、日本軍と共謀していた事実」が明るみに出ることになります。これだけは絶対に避けたいために言論弾圧をヒステリックなほど強化しているのです。グローバル化が進めば進むほど、「嘘をつき続けることが困難になる」からです。

このブログにも過去に何度か掲載してきたように、現在の中国で「反日」の姿勢が崩れれば、中共政府は人民に「統治の正当性」を疑われることになり、それこそ体制が崩壊してしまいかねないのです。

中国にとっては、米国との大国二国間による対等な関係を模索し、いずれ太平洋を米中で二分して、支配しようという目論見は、米国の「国家安全保障戦略」によりすでに完璧に外れてしまいました。

そうなると、国内で「統治の正当性」を維持しつつ、反日を標榜し、国内の政治力学が何よりも重要な中国では、習近平は米国との対峙が無理というのであれば、まずはその矛先を本格的日本に向けることになる可能性は高いです。それ以前にまずは台湾を奪取するという冒険に出るかもしれません。

ここまで、述べるといかに安倍首相の「安全保障のダイヤモンド」構想が重要なものであるか、おわかりいただけるものと思います。

本来日本のマスコミは、安倍総理の構想など、立場や、良い・悪い、賛成・反対などは別にして、日本の総理大臣の構想として、報道し論評すべきです。それをしないで報道しない自由を行使するということは、日本マスコミのほとんどは、安全保障論議からすでに表舞台から退場したものとみなされても仕方ないです。

日本のマスコミの安全保障論議など、見聞きしても、何の益もないどころか、かえって混乱するだけです。最近も、村本大輔のように大混乱している人がいるようです。まったく、日本の安全保障論議からすでに退場したマスコミに情報に頼っているようでは、混乱するのはも無理はないと思います。

それよりも、現代中国の真の歴史を学ぶ、安倍首相の構想を読み解く、米国の戦略を読み解くことなどによって、まともな安全保障の論議が醸成されていくことになると思います。日本の安全保証論議をするなら、マスコミなど頼るべきではないです。

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2013年2月4日月曜日

尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…―【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!!

尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…:

曳光弾について伝える中国レコード・チャイナの画像

 沖縄県・尖閣諸島周辺での中国機による領空侵犯を受けた航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)時の手続きに関する議論で、野田内閣が、当時副総理の岡田克也氏の主導により曳(えい)光(こう)弾による警告を意図的に封印していたことが3日、明らかになった。日本側の慎重姿勢を見透かした中国側はその後、海洋監視船搭載のヘリコプターを飛び立たせる動きを見せるなど、挑発のエスカレートを招いた。


 政府関係者によると、問題の発端となったのは昨年12月13日に発生した中国国家海洋局所属の多用途小型プロペラ機Y12による領空侵犯。空自はF15戦闘機などをスクランブルさせたが、空自機が現場に到着した時点で中国機は領空外に去っていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・

 第2次安倍内閣発足後は安倍晋三首相が今年1月5日、領域警備に関する対抗措置の強化を指示。領空侵犯機が無線警告に従わない場合、曳光弾を使った警告射撃を行うことなどが承認された。その後、10日に中国軍機が防空識別圏に進入したが、領空侵犯は行われていない。

この記事の詳細はこちらから!!
 
【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!!

曳光弾

曳光弾というと、何やら花火のようなものを連想する人もいるようですが、銃弾であることに変わりはないです。発射すると、光を発する普通の銃弾です。日本の自衛隊の戦闘機にも、何発に一発というような具合に装着されています。曳光弾も、被弾すれば、通常の銃弾と同じように打撃を与えることができます。普通の弾だと、弾道が見づらいですが、曳光弾だと光を発しながら飛ぶので見やすいです。これだと、銃撃されたほうも、はっきり視認することができます。

私自身、このブログでも掲載したように、中国軍機であろうが、他の国籍の戦闘機であろうが、領空侵犯した戦闘機などに対しては、国際的に定められた手続きに従い、 最終的には撃墜すべきと思います。その記事のURLを以下に掲載します。

危険度高い中国の領空侵犯 空自の対応が中国空軍出動の口実に―【私の論評】自衛隊機への命令はネガティブ・リストとして、明らかな領空侵犯については粛々と手続きに従い撃墜するのか世界の常識!!

 詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、この記事には、領空侵犯の国際ルールを掲載しました。その部分だけ、以下に掲載します。
中国の領空侵に対する我が方の対応は、自衛隊法84条に基づく空自の任務となっており、これは国際的な通例でもある。一般的な手順は、不明な接近機に対し ては無線で警告が出され、無視される場合は、航空機を発進させて侵入機に接近して羽を振るなどの警告を出し、退避させるか、誘導着陸を迫る。それでも領侵 事態になれば信号弾(曳光(えいこう)弾射撃)で警告し、最後の手段は撃墜という段取りとなる。
これは、日本の自衛隊のものですが、ごく一般的な手続きです。この手続きを踏んでいれば、たとえ撃墜されたとしても、どこの国でもそれに対して意義を唱えることはできないし、ましてやこれで、戦争行為などしたとすれば、非難されるのは、当然領空侵犯したほうの国です。このことを理由にしては、戦争などできません。したとすれば、ただの常識なしです。

それに、別の記事にも書きましたか、中国の軍事力からすれば、とても、とても、今の段階で、日本と航空戦などできない理由があります。その理由とは、中国の軍事力が劣っているため、まだまだ、日本の自衛隊と真正面から事を構えることなどできないということです。これに関しては、本日は、本題ではないので、詳細は、以下のURLをご覧になって下さい。

中国戦闘機、尖閣に異常接近 自衛隊はF15でスクランブル対応―【私の論評】きちんと手順と段階を踏んで最終的には撃墜せよ!!それでも、中国は日本と戦争できないわけがある!!

上の記事では、安倍総裁の安全保障策に関して「第2次安倍内閣発足後は安倍晋三首相が今年1月5日、領域警備に関する対抗措置の強化を指示。領空侵犯機が無線警告に従わない場合、曳光弾を使った警告射撃を行うことなどが承認された」程度のことしか書かれていません。

これなど、全く当たり前です。当たり前すぎです。こんな程度のこともできなかった民主党が、あまりにも情けありません。こんな連中が、安全保障とか軍事のことを考えていたかと思うと、本当に末恐ろしいことです。まさに、売国政党と言っても過言ではありません。

これと対比すると、安倍総理は、安全保証についても、民主党などとは雲泥の差です。それは、日本では、なぜかほとんど報道されない「安全保障のダイヤモンド」という安倍総裁の構想をみても明らかです。

以下にこの構想がどのようなものであるかを以下に簡単に掲載します。

この構想のもとは、昨年12月27日付で、プラハに本拠を置く国際NPO団体「プロジェクトシンジケート」に英語で安倍総理が寄せた、「Asia’s Democratic Security Diamond(=アジアの民主主義 セキュリティー・ダイヤモンド)」という論文です。ちなみに、この構想については、安倍総理は、先日のインドネシア訪問の際に、演説する予定でしたが、ご存知の通りアルジェリアでの人質事件が発生したため、日本に戻ったため、演説はできませんでしたが、その内容は、インドネシアに文書で伝えています。


これによりますと、安倍首相は、中国が尖閣周辺の日本領海に公船を進入させて、東シナ海の領有権を既成事実化しようとしていると指摘し、自由航行が保障されるべき海上交通路(シーレーン)の一部である南シナ海についても、「北京の湖」とするために要塞化を進めていると警告。


領土的野心が明白な中国では、このような絵画まで作成されている

「南シナ海には核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原子力潜水艦の基地とするのに十分な深さがある」「間もなく中国海軍の新型空母が頻繁に見かけられるようになる」「中国の周辺諸国を恐れさせる事態」などと記したうえで、中国の海洋覇権を防ぐために、日本とオーストラリア、インド、米国ハワイが、インド洋から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイヤモンドを形成すべきだ、と主張しています。

この構想を進めるためか、岸田文雄外相は13日にオーストラリアに飛び、同国のカー外相と会談。米国を含めた安全保障分野の協力を加速させる方針で合意しました。

さらに、安倍首相は東南アジア歴訪の最後に訪れたインドネシアで18日、法の支配と自由で開かれた海洋の重視などを掲げた「日本外交の新たな5原則」を発表し、中国を強く牽制しました。




南太平洋タヒチに配備されているフランス海軍フロレアル級フリゲート「プレリアル」

注目の論文では、セキュリティー・ダイヤモンドを強化するため、英国やマレーシア、シンガポール、ニュージーランド、タヒチのフランス太平洋海軍との連携についても触れています。英国は、もともと、マレーシア、シンガポール、ニュージランドのなどの宗主国でした。フランスも、この地域にかつて、植民地があり、タヒチの宗主国でもありました。

この構想には、周辺諸国は諸手をあげて賛成しています。もう時代は変わりました。このような構想を発表しても、周辺諸国は、日本の軍事力に脅威をいだくどころか、中国の脅威をかわす、希望の星です。

それから、中国との関係において民主党なども、「前略的互恵関係」という言葉を使っていましたが、この意味するところは、「日中両国がアジア及び世界に対して厳粛な責任を負うとの認識の下、アジア及び世界に共に貢献する中で、お互い利益を得て共通利益を拡大し、日中関係を発展させること」というものです。これは、平たくいえば、中国とは、日本が利益になることがあれば、付き合いますよ。そうでなければ、付き合いませんという意図の表明です。

そうして、この言葉は、2006年10月の安倍晋三首相・胡錦濤主席の首脳会談で打ち出された概念です。

鳩山民主党が理想とする「東アジア共同体」=「大中華帝国」の悪夢

着々と、中国包囲網ができあがっています。これはあの鳩山氏の「東アジア共同体」などとは随分違います。 やはり、民主党は、中国様に日本を売るつもりであったということです。だからこそ、その後の民主党政権も、フランケン岡田克也主導による曳光弾発射を取りやめるなど、通常ではあり得ないようなバカ真似をしたということです。もう当時から、中国の傍若無人な態度に国民意識も相当変わっていたはずです。時流の変化、世相の変化、潮目の変化を読み取れない馬鹿者どもです。

これから、こうしたチンピラどもが、捻れ参議院で、ごねたり、悪態をついて、まともな論議もできないことも予想されます。こうした馬鹿者、売国者どもを国政に参加させるべきでありません。参議院議員選挙でも、屑民主党を徹底的に叩きなきものして安倍総裁の、「ダイヤモンド構想」をより確かなものにしましょう!!

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