コロナ対策難しい「民主主義国」 ユルい規制でも優等生の日本、トップレベルの財政支出が奏功
高橋洋一 日本の解き方 昨年5月、緊急事態宣言発令中の東京・新宿の繁華街
新型コロナウイルスの感染拡大について、「民主主義国」と「非民主主義国」のどちらが封じ込めやすいのか。
答えを先に言えば非民主主義国だ。感染拡大の防止のためには、人々の行動を制限するのが手っ取り早いが、非民主主義国では国家による強制的な措置が迅速に行えるからだ。
もちろん、民主主義国の中でも、適切な手続きにより非常事態宣言をあらかじめ規定し、それを適切に行使して対応することもできる。となると、新型コロナ拡大の防止について、非民主主義国ではほとんどの国で容易だが、民主主義国では、防止できる国とそうでない国が出てくると予想される。
英誌『エコノミスト』は毎年「民主主義指数」を公表している。最新の2020年版の指数に基づく各国の民主主義の度合いと、世界163カ国の新型コロナによる100万人当たりの死者数を数値化してみる。
すると、民主主義指数と100万人当たり死者数の相関係数(1が最大)は「0・46」だ。
これは、民主主義国にとっては辛い数字だ。見方を変えれば、新型コロナ対策は民主主義国にとって試練とも言える。
といっても、民主主義国の中にも、新型コロナ対策で結果を出せる国もなくはない。要するにやり方次第とも言える。
民主主義指数(10が最大)で8より高く、人口100万人当たりのコロナ死者が200人より低い国は、世界の中でも優等生といえるが、163カ国中10カ国しかない。それらの国は、オーストラリア、フィンランド、アイスランド、日本、モーリシャス、ニュージーランド、ノルウェー、韓国、台湾、ウルグアイだ。日本はこうした意味で世界の優等生でもある。
今回の日本の新型コロナ特措法改正をみても、民主主義国で私権制限を伴う法改正は難しい。特に日本の場合、平時に憲法を改正して緊急事態条項を盛り込むことすら議論できなかったので、有事の対応が全くできていない。
新型コロナ特措法の強制措置は一般人が対象ではなく、特定者に対するものだ。にも関わらず、一部野党やマスコミは反対した。通常の民主主義国でも、憲法で非常事態条項があり、一般人の行動も強制的に規制でき、その担保として一般人に対する罰則もある。
それにしても、一部マスコミが新型コロナ特措法で罰則を批判していたのに、その批判を受け法改正が行われると、今度は一転して規制強化を言い出したので、節操のないマスコミ体質を露呈させてしまった。
日本の新型コロナ対策は、一般人に対する行動規制が不十分にもかかわらず、良い結果を出している。それは、財政支出の大きさであると筆者はみている。
新型コロナ対策について、日本の財政支出は世界トップレベルだ。日本で法によるムチはないが、カネによる十分なインセンティブ(札束のムチ)を与えたことが奏功しているのだろう。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)
【私の論評】マスコミの 最終目標は、森叩きの ホップ 、ワクチン叩きの ステップ 、オリンピック叩きの ジャン プ で、菅政権を退陣に追い込むこと(゚д゚)! 日本のコロナ対策財政支出は滑り出しからかなり良好でした。各国のコロナ対策各国主要経済対策は以下のようものです。昨年5月の数値に基づいたグラフです。
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日本は、財政支出が米国について世界第三位です。日本は中国よりも支出しているのです。
上のグラフは、実額ですが、コロナ対策費のGDPに占める割合については下のグラフを御覧ください。
新型コロナウイルスをめぐる経済政策パッケージの規模をGDPにおける割合でみた場合の上位20カ国
なんと、日本は世界第二位です。これも昨年5月に作成されたグラフです。米コロンビア大学経済学部のセイハン・エルジン教授は、世界中の同僚と連携し、166カ国の対応を追跡しました。
エルジン教授の試算によると、最も積極的な対応のひとつが日本政府が打ち出した、同国の国内総生産(GDP)の約2割にあたる108兆円規模の政策パッケージだとしています(日本を上回っているのは、欧州連合の基金からの利益を受けるマルタのみ)。
他国と比べると、米国はGDPの約14%、オーストラリアは同11%、カナダは同8.4%、イギリスは同5%、コロンビアは同1.5%、ガンビアは同0.6%にあたる救済支出を打ち出していました。
しかし、中央銀行の対応など支出以外の手段を考慮すると、この順位は変わるそうです。
例えば、欧州の主要国では、ロックダウンによる打撃を受けた事業者に対し、新たな融資を保証すると政府は約束しています。これには、銀行の融資を維持し、破綻を回避する意味合いがあります。
そうして、これは2つのグラフのうちの、上の右側のオレンジ色のグラフに相当します。ただし、ここでも日本は実額では、世界第五位です。 米中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)も同様の目的で融資計画に踏み込んでいます。 こういった対応を考慮すると、フランスが最上位となり、イギリスは47位から5位に浮上する。 エルジン教授によると、最大規模の支出がなされたのは、より裕福で歴史が長く、病床がより少ない国だったといいます。投資家が債権購入に意欲的で、低い借入コストの恩恵を受ける米国や日本などの国もまた、新たな財政支出を調達する上で有利な立場にあるといいます。
その後の新たな統計は、ネット上では発見できなかったので、昨年5月のグラフのみを掲載しましたが、いずれにしても、日本は安倍政権による世界でもトップクラスの経済対策を行っており、その後も菅政権による第三次補正予算も成立していますし、現状でも世界屈指の対策を行っているのは間違いありません。
コロナウイルス対策のような、感染症対策は、きめ細かな対応をしなければならないこともあって、政府のできることは元々限られています。実際に実施するのは、都道府県や市町村です。政府が直接実行するのは、財政支出をすることくらいです。そうして、これは十分に行っています。
ただし、コロナが収束した後に、財務省は古今東西どこの国にも存在していない、自然災害の復興を税金で賄うための復興税制のような最低最悪のコロナ増税を考えているようですが、それはまた別の話として、現状においては政府は十分にコロナ対策を実施しています。
緊縮で終始した、平成年間を考えると、考えられないことです。さすがの財務省も目の前のコロナ禍に対してまで、緊縮をつらぬくことはできなかったようです。おかげて株価も3万円台を回復しました。
そのためでしょうか、最近ではいわゆるイタリアでは、韓国では、ドイツではどうのこうのという
出羽守 的な報道はできなくなったようです。何しろ、日本よりも財政支出をしている国はほとんどないからです。
そのためでしょうか、マスコミは政府批判のための幼稚な報道を繰り返しています。
昨年「GoToトラベル」について、マスコミは止めろとの大合唱でした。GoToトラベルによる人の移動は全体の1%程度しかなく、コロナ感染拡大の「元凶」になっているとは言いがたいです。 それに、これによる経済効果はかなりありました。コロナ対策としては、かなり筋の良いものでした。
にもかかわらず、非合理にもマスコミは止めろと主張しました。政府は、それを受けて「とりあえず」止めました。感染が止まればそれでよし、止まらなければGO TOは無関係とわかるのでよし、だったのでしょう。
一方でマスコミは政府が「GoToトラベル」を中止すると、「観光が大変だ」と、まるで
マッチポンプ のような報道を続けました。GoToを止めても感染者増加したため、マスコミの主張はデタラメだったことが露呈しましたが、反省はありません。
昨年12月はじめの新型コロナ対策についても、マスコミは「大きすぎる」と批判しました。その後の新型コロナ対策を見据えたものだったが、マスコミはほんの少し先も見えないようです。
そうして、今年1月に政府が出した緊急事態宣言について、マスコミは「遅すぎるし、支援が少ない」と批判しました。流石に道理が通らなすぎです。
ほんの2ヶ月前の12月初めに、緊急事態宣言が再発令に備えた予算額を用意したのに、「遅すぎるし、支援が少ない」とはあきれかえるしかありません。しかも、2ヶ月前には「大きすぎる」と批判したことをすっかり忘れています。 日本はすでに世界最高レベルの対策予算を用意しているので、各種の施策が徐々に動き出しています。
日本医師会 から「医療崩壊」の危険性が叫ばれていますが、昨年5月の2次補正予備費10兆円に対して、大きすぎると批判したのはマスコミと一部野党です。それで都道府県の関係者が萎縮してしまったのです。
昨年夏頃に新型コロナがひと段落したと判断されたため、現場の医師会、知事からの具体的な要請もなく、積極的な予算消化もないまま、無為な時間を過ごしてしまったのです。先に述べたように、政府がコロナ対策でできるのは、財政支出することであり、具体的に動くのは都道府県や、市町村です。これらが、マスコミの批判などで動きにくかった面は否めないです。
マスコミ今度は、際限のない森氏叩きをはじめ、これをもって、政府をさらに追求しようとしているようです。そうして、「もり・かけ・桜」では安倍氏を退陣に追い込むことができないばかりか、安倍氏が辞任してしまったため、ここしばらく、政府批判が滞っていたところに、降って湧いたかような森氏問題で、森氏を辞任に追い込むという成果を上げ、久々の成功体験を得ることができました。
そうして、これだけでは弱すぎるので、次のワクチンで政府を追求しようと虎視眈々と機会を狙っていることでしょう。その後は、オリンピックを開催しても、開催しなくても政府批判を繰り返すことでしょう。
ワクチン接種は2月17日医療関係者からと予定されていますが、その予算手当は、昨年5月の2次補正で1300億円計上されています。このワクチン接種は、
予防接種 法に基づくものなので、実務についてこれまで厚労省中心で都道府県、市町村で検討されてきました。昨年12月には実務マニュアルも作られ、自治体向けに説明会も行われています。
ワクチン接種に伴う冷凍施設や配給体制も整備されつつあります。もちろん、全てが予定通りに行かないかも知れないですが、万全の準備を国民すべてで行わなければいけないです。
実務マニュアルなどによれば、接種券(下記)が届いた人は、厚労相が開発したシステム(V-SYS)において市町村で用意された接種施設の予約空き状況を確認し、予約を入れ、接種するという流れです。
接種した人には、「接種済証」が渡されます。 もっとも、この種のシステムではいつもあることだが、予定通りにいかないことも珍しくないです。その場合、マスコミは猛烈に批判するでしょう。
なぜマスコミはワクチン接種を狙うかというと、こうした初めての事態に対してミスは起こりがちで、それを批判しやすいからです。そして、これまでにマスコミはワクチン接種批判で「成功体験」があるからです。
それは、予防接種法の改正を見るとわかります。 1948年制定当初は義務接種であり、違反した場合の罰則まで規程されていました。しかし、1960年代あたりから集団接種などで、複数の人に対して注射針を変えずに接種するなどの不適切事例があり、1976年改正で、罰則なし義務接種となりました。
1980年代から、予防接種の副作用に関するマスコミ報道が多くなり、そうした世論に押され、予防接種法改正で定期接種は努力義務とされるようになりました。その結果、各種接種率は低下し、感染症流行の一因ともされています。
数十年前は、日本でも集団接種が当たり前だったのですが、今ではそうではありません。欧米では、子どもに対する 予防接種 は、日本より多く行われています。
日本のワクチン新規導入は、欧米先進国よりも明確に遅れており、これは「ワクチン・ギャップ」として知られています。
その一因となっているのが、一部のマスコミによる過剰な副作用報道です。
最近の例では、 子宮頸がんワクチン の事例があります。一部の大手新聞が、ワクチンの副作用を強調する報道を行ったことをきっかけに、ワクチンが危険という風潮が広がり、結果として、厚労省はワクチン接種の方針転換を余儀なくされました。こうした方針転換の理由は他国では見られないことから、ただちに世界保健機関(WHO)からも非難されました。
こうした一部マスコミの煽り記事により、ワクチンを打っておけば助かったであろう人が結果として大勢亡くなっています。
ワクチン接種は、新型コロナ対策の要です。政府とマスコミの情報戦になりうる可能性もあるため、政府にはバランスのとれた情報発信をしたいところです。 河野太郎
氏がワクチン大臣に任命されたのは、マスコミの報道にうんざりした政府が情報戦を制するための人事と認識すべきです。
いずれにせよ、マスコミは、今後コロナワクチン接種で、失敗しようが成功しようが、政府を批判します。そうして、オリンピックを開催しようがしまいが、批判します。
最終目標は、森氏叩きのホップ、ワクチン批判のステップ、オリンピック開催・未開催批判でのジャンプで、菅政権を退陣に追い込むことです。
彼らにとって、正しい、間違いなどどうでも良いのです。国民のことも二の次です。とにかく、倒閣することだけが、彼らの最終目標なのです。
このブログにも掲載したように、マスコミの寿命はあと10年です、彼らとしては、生き残りよりも最後の徒花を咲かせることに血道を上げているようにしか見えません。
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