2017年9月4日月曜日

あまりに幼稚な左派の「北朝鮮核容認論」これでは日本が滅ぶ―【私の論評】自分の命は自分で守る、北朝鮮の思い通りには絶対にさせないという気概を持て(゚д゚)!

国際社会の常識を何も知らないのか…

弾道ミサイル発射の防災行政無線を受け、身をかがめる保育
園児ら =8月19日午前、鳥取県琴浦町で実施された防空訓練
 次は「軍事オプション」もあり得る

9月3日、北朝鮮は国際社会の意表を突くかのように核実験を行った。北朝鮮は水爆実験が成功したと報じている。これに対して、政府は、北朝鮮に厳重に抗議し、最も強い言葉で断固として非難すると表明した。と同時に、更なる重要な措置をとるべく国連安保理の調整を開始した。

さすがに、中国も「断固たる反対と強烈な非難」を表明。ロシアも、国連安保理の決議や国際法を軽蔑するものであり、最大限の非難に値するとしている。隣国・韓国は、国際社会と共に最大級の反撃措置を取ると表明した。

アメリカは不気味である。トランプ大統領は北朝鮮の核実験後8時間は何も言及しなかった。その直前までは、対話は解決策ではないとつぶやいており、その発言が注目されていた。

ようやくトランプ大統領はツイッターでつぶやきを投稿したが、北朝鮮は引き続きアメリカにとって非常に敵対的で危険であるというものだった(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904305644651634688)。そして、「北朝鮮は、ならず者国家であり、中国にとってもやっかい者である」ともつぶやいた(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904307898213433344)。

また、「韓国は北朝鮮との対話懐柔が機能しなかったことがわかっただろう」と韓国の対応にも言及した(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904309527381716992)。北朝鮮をならず者国家と断定したところに、アメリカが軍事オプションにさらに一歩踏み込んだ、と筆者は感じた。

今回の北朝鮮の核実験については、日米中ロ韓、いずれも最高レベルの言葉で非難したことになる。ここまでくると、残されたものは、国連のさらなる制裁、それに国連軍を含む軍事オプションになった。

当面、石油禁輸が国際社会で検討されるが、軍事オプションも視野に入りつつあることは間違いない。イラクの時にも、類似の国連政策が採られた後、多国籍軍の軍事オプション行使、という事態になった。国際政治のリアリズムからは同じような経緯になっても不思議でない状況であることを指摘しておきたい。

 的外れな批判が目につくが

さて、核実験にさかのぼること5日前の8月29日早朝6時頃、北朝鮮は日本列島の上空を越える弾道ミサイルを発射した。

北朝鮮のミサイルが日本列島の上空を本格的に通過するのは2009年以来で、金正恩体制になってからは初めてだ。2009年の時には人工衛星のためのロケットと称していたが、今回はミサイルといっており、事態は深刻だ。

発射後されたあと、日本の北部地域の住民にミサイル発射を知らせる緊急警報が発せられた。Jアラートも稼働したが、この音で早朝に起こされた人の一部から「対応しようにもどうしようもない」と政府への批判があった。

悪いのは、情報提供した政府ではなく北朝鮮である。しかも、Jアラートは着信の設定を変えれば、設定着信不可にもできる。実際にミサイルが飛んできた場合、初期段階の対応で生死を分けることもあるので、情報提供は重要だ。

それにしても悪質なのは、これに乗じて安倍政権批判をする左巻きの人たちだ。たとえば、金子勝氏は、ツイッターでこのようにつぶやいた(https://twitter.com/masaru_kaneko/status/902288152722792448)。


筆者は2005年から2006年に総務大臣補佐官としてJアラートの実施官庁である総務省に在籍していたので、そのときにJアラートが出来た背景を調べたことがある。

そもそも、Jアラートが導入されたのは、2004年に制定された国民保護法がもとになっている。有事における民間防衛については、ジュネーブ民間防衛条約があり、国民保護法はそれと他国の民間防衛を参考にして制定されたものだ。

同法44条では、「対策本部長(首相)は、武力攻撃から国民の生命、身体又は財産を保護するため緊急の必要があると認めるときは、基本指針及び対処基本方針で定めるところにより、警報を発令しなければならない。」とされている。

今回はミサイル実験であって「武力行使」ではないという意見もあるかも知れないが、北朝鮮は事前に何も知らせていないので、武力行使でないと決めつけることはできない。実験であっても、失敗すれば、我が国領土に落下する可能性があるので、発射段階では武力行使として見ざるを得ない。一刻一秒を争う警報では、事後講釈はできないことを忘れてはいけない(もっとも着弾までの時間は4分あるが、上手く使うかどうかは本人次第だ)。

これで、金子氏の安倍政権批判がいかに的外れであることがわかるだろう。世界における民間防衛や国民保護法をまったくご存じないかのようなつぶやきである。安倍政権だけが警報を出すわけでなく、どんな政権でも警報を発しなければ法律違反になってしまう。金子氏は国民保護ポータルサイト(http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/nkjalert.html)を読んだ方がいい。

筆者が気になるのは、「Jアラートは無意味」という左の方の意見の中に、北朝鮮は挑発するだけで実際には発射しないという思い込みがあることだ。これは根拠なき楽観論である。いくら北朝鮮が交渉材料として核・ミサイル実験を行っているからといって、本気を見せないとブラフ(はったり)にもならない。

    論理がまったく逆

その意味から、今回のミサイル飛行ルートを見ると、南だと韓国の上空を飛び、グアム方面への発射とみなして、米韓は本気で反撃するかもしれない。もっと北寄りだと、ロシアを刺激する。というわけで、米韓ロを避けて、日本に向けたと考えられる。

要するに、日本だけを挑発しても北朝鮮から見れば反撃される可能性はゼロだから、今回のミサイル飛行ルートが選択されたとみるべきだろう。つまり、日本がなめられたのだ。
筆者は、なめられるだけで北朝鮮が人畜無害であればそうでもいいと思うが、北朝鮮が脅威であり、危険な国であることは間違いない。

しかし、左派の中には、米韓合同軍事演習をするから北朝鮮はミサイルを発射するのだと、一方方向のロジックを唱える人がいる。この際、北朝鮮の要求(米韓合同軍事演習を控えるなど)を受け入れるべきという人もいる。8月31日における官房長官の記者会見に出席した、東京新聞の某記者の質問がその典型である(http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201708/31_a.htmlの12分30秒あたり)。

官房長官は「北朝鮮に行って聞いてきたらどうか」といなした。なお、この記者は、最後にもあまりに的外れの質問をしているのでかなり笑える。

有事のリアルなことになると、左派の人は「お花畑論」なので、ちょっと耳を疑う発言ばかりが目立つことになる。北朝鮮は国連決議などを無視して、核・ミサイル開発を続けていることをまったく考慮していない。北朝鮮の国際社会を無視した暴走があるから、米韓合同軍事演習もあるわけで、論理関係がまったく逆転している。

北朝鮮の暴走が国際的にも問題であることは、今回の核実験を受けて、中ロが強く非難したことでもわかるだろう。しかし、安倍政権を批判することのみしか見えない左派には、本末転倒したものでもなんでもいいらしい。

左派の中には、北朝鮮の核を認めよという人もいる。しかし、核保有国とされるためには、核拡散防止条約(NPT)に加盟する(米、ロ、英、仏、中)か、国際機関IAEAの監視下にある(インド、パキスタン、イスラエル)ことが条件となる。北朝鮮はどちらにも該当しないし、受け入れるとも思えないので、認めるなど論外だ。

もし万が一、国際社会が北朝鮮を核保有国として認める動きになったら、日本は「朝鮮半島の非核化ができないと、日本としても非核三原則が堅持できなくなる」と国際社会に叫んでもいい。これは、核の抑止論から見れば当然である。

やられたら倍返しというのが抑止論であるので、日本の核保有は一応理があることになる。しかも、日本は潜在的な技術力があるので、短期間にやろうと思えば実現できる。

    考えればわかること

もっとも、いきなり日本が核保有国になるというと、国際社会の力学のなかで政治的に潰される可能性もあるので、核保有といわずに、「非核三原則の見直し」というのであれば理が通るし、国際社会の批判も受けにくい。実際、「核を持ち込まず」という原則が崩れていることはほぼ明白なので、見直しの好機だと言い出してもいいはずだ。

日本が核保有となれば、韓国でも核保有の議論が始まる。そうなれば中国が黙っていないだろう。アメリカも反対するはずだ。結局、国際社会は、その「核保有論の拡散」を防ぐためにも、北朝鮮を押さえようとするだろう。朝鮮半島の非核化こそが、東アジアの安定になる、ということだ。

こうした話は、実際に行うかどうかというより、国際政治的なメッセージとして、発することが重要だ。国際政治では、手を変え品を変え、言葉の戦いを繰り返している。その意味で、日本としてできるだけのことを、必要に応じて発信しなければいけない。

目先のことを考えると、秋の臨時国会において補正予算で防衛費を大幅増にするというのも、北朝鮮(および国際社会)へのいいメッセージだ。実際にすぐ防衛力が高まるかというより、今の憲法の範囲内で備えをする、ということだ。

いずれにしても、左派の人が「北朝鮮の核保有を認めればいい」というとき、日本の非核継続、防衛予算の現状維持、というのが前提となっているので、国際社会から見れば何の戦略もない「お花畑論」として受け取られる。

何度も述べているが、国家間の軍事力が均衡しないと戦争確率が増すので、核を持った北朝鮮と真の意味で戦争をしないためには核保有や防衛力強化が必要という議論になるのだが、左派の「お花畑論」ではそれが出てこない。だから説得力がないのだ。

このような現実味のない論が蔓延することがないよう、願いたいものだ。

【私の論評】自分の命は自分で守る、北朝鮮の思い通りには絶対にさせないという気概を持て(゚д゚)!

Jアラート関係では、他にも気になることがありました。北朝鮮の弾道ミサイルに対して、日本でJアラートが鳴ったことに、「意味がない」ということをコメントする有識者がいました。またJアラートが鳴って驚き、慌てたドライバーが交通事故を起こしたこと引き合いに出し、鳴らしたことを非難する人もいました。

ホリエモンは、ツイッターで、

『マジでこんなんで起こすなクソ。こんなんで一々出すシステムを入れるクソ政府』

と呟きました。

さらに、ミサイルが飛んできて、Jアラートが鳴ってから3分後に着弾する。そんな短い時間では何もできないという人も多かったです。


なにやら、テレビや新聞では、このようにはっきり主張する人はいないようです。しかし、今の状況であれば、マスコミや識者の中にもこのようなことを主張する人がいてしかるべきと思います。

そうして、実際に米国のウォール・ストリート・ジャーナル誌が、以下のような論説を新聞に掲載していました。

 「この中距離ミサイル発射実験は、北東アジアの安全保障をめぐる政治を一段と混乱させるだろう。そして、日本に自前の核抑止力を持つことをあらためて促すものだ」

「東アジアが中東に続いて核拡散の新時代を迎えれば、世界の秩序に深刻なリスクをもたらす。それもあって、核ミサイルを持つ北朝鮮を黙認することはあまりに危険なのだ」
しかし、日本では特に左翼・リベラル系は平和ボケの象徴のような反応しかしませんでした。

左翼リベラル系の識者の、3分では何もできないという意見は、本当に正しいのでしょうか。ミサイルの着弾まで3分もあれば、いろんな回避行動ができます。3分というのは充分に長い時間です。外を歩いていれば頑丈な建物に入る。入れないなら建物の影に入って、姿勢を低くする。車に乗っていれば、止めて、車外に出て伏せる。家の中なら、二階にいれば一階に移る。窓のカーテンを閉める。窓から離れて伏せる。街を歩いていたら地下街や地下鉄があれば、逃げ込む。ビルに入る。

車や事故の知識がないとシートベルトなんて無意味と思ってしまうように、核兵器の知識がないとしゃがんだり伏せたりするのを無意味と感じてしまうようです。しかし、 爆心地に足向けて伏せるのは現代でも通じる対処法の一つです。これを実行するかしないかで、明暗が別れるときもあるのです。

車を停車させ、物陰に伏せてミサイル攻撃に備える市民(イスラエル国防軍公式ブログより)
私は、Jアラートが鳴ったときには、パジャマ姿ですぐに地下室に避難しました。この退避行動は、3分では十分すぎるほどであり、十分余裕がありました。そうして、このように避難しなければならないことに、かなりの憤りを覚えました。しかし、無論憤りの対象は北朝鮮に対してであり、政府に対してではありません。今回のJアラートで政府に憤りを感じた人がいたとしたら、そういう人は自分の考え方が、かなり偏向していると考えるべきです。

ミサイルが近くに落ちた場合、こういう行動を取れば、命が助かる確率はかなり高まります。

原爆の投下の時、爆心地から同距離離れた人間でも建物の影にいたお陰で助かった人と一瞬で焼かれた人がいます。ほんのわずかな差で命拾いするのです。

イスラエル・ユダヤの専門家である児玉直純氏がフェイスブックで、このように述べています。
イスラエルでは警報が鳴ってからミサイルや迫撃砲弾が飛んでくるまでたった数十秒の場合もあります。しかし各地域や建物にはシェルターがあり、国民はどのように行動すればいいか分かっています。 
Jアラートのことを聞いたイスラエル人の反応は「3分もあるの?」です。 
また迎撃ミサイルも備えてあり、イザと言う時の攻撃力もあるわけです。 
日本はまだまだ出来ることが国レベルでも国民レベルでも沢山あると思います。 
https://www.facebook.com/naozumi.kodama/posts/10155428362462626
児玉直純氏
安倍政権を非難したいだけの人たちのデタラメな言葉を真に受けて、Jアラートを無視しない方が良いです。

緊急事態の際の行動について紹介している内閣官房の国民保護ポータルサイトでは、ミサイル落下時の行動について、次のように推奨しています。


今回のJアラートのとき皆さんは、どうしましたか。何か退避行動をとったでしょうか。取らなかった人は、次は必ずできるように、心づもりをしておきましょう。ほんの些細なことで命を失うか、助かる場合があることを忘れるべきではありません。

左派等の人言う「北朝鮮の核保有を認めればいい」とか「Jアラートなど意味がない」などという妄言に惑わされるべきではありません。

自分の命は、まずは自分で守るという気概、北朝鮮の好きなようには絶対にさせないという気概を持つべきです。

国民からこのような気概の失せた国は、他がどんなに優れていたとしても滅びます。国が滅べば、将来の世代への付け回しどころか、将来世代の生活の基盤を失うことになります。そんなことだけは、絶対に避けるべきです


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2017年9月3日日曜日

米国で沸き起こる強硬論「平壌上空にトマホーク」 北の相次ぐミサイル発射に米有力紙「日本の核武装」容認も ―【私の論評】北朝鮮が暴れまくるほど日本核武装論は実現に一歩近づく(゚д゚)!

米国で沸き起こる強硬論「平壌上空にトマホーク」 北の相次ぐミサイル発射に米有力紙「日本の核武装」容認も 

B-1戦略爆撃機「ランサー」 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 「核・ミサイル」で暴走を続ける北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権に対し、米国の一部で強硬論が沸き起こっている。シンクタンクの研究員は、北朝鮮の首都・平壌(ピョンヤン)上空に巡航ミサイルを飛来させるべきだと提案。米有力紙は、北朝鮮の相次ぐミサイル発射が「日本の核武装」を認めることにつながると指摘した。日米韓の軍事的連携が再確認されるなか、米国内で強硬世論が高まれば、ドナルド・トランプ政権が軍事オプションを選択する可能性もありそうだ。 

 「(日米が緊密に連携して)目に見える形で圧力をさらに強める」

 小野寺五典防衛相は8月31日午前、ジェームズ・マティス米国防長官と電話で会談し、北朝鮮が日本列島を越える弾道ミサイルを発射したことを受け、このような方針で一致した。

 同日午後、航空自衛隊のF-15戦闘機2機と、米国領グアムを発進した米空軍のB-1戦略爆撃機「ランサー」2機、米軍岩国基地(山口県岩国市)のF-35最新鋭ステルス戦闘機4機とともに、九州周辺空域で共同訓練を実施した。

F-35最新鋭ステルス戦闘機
 米軍機はその後、朝鮮半島上空に展開。韓国軍のF-15戦闘機4機とともに北東部江原(カンウォン)道の訓練場で、北朝鮮の重要施設の破壊を想定した攻撃訓練を行った。朝鮮半島上空への米軍のB-1、F-35の同時展開は初めて。

 B-1は、敵地に超音速(マッハ1・2)で侵入し、精密誘導爆弾「スマートボム」や、地中貫徹爆弾「バンカーバスター」などで、地上や地下の主要軍事施設をピンポイントで破壊できる。「死の白鳥」とも呼ばれ、「北朝鮮にとって、これ以上ない恐怖」(軍事専門家)といわれる。

 F-35は、高いステルス性と高度なレーダーなどを兼ね備えた第5世代型の戦闘攻撃機。北朝鮮のミグ29戦闘機(第4世代型)を一瞬にして壊滅でき、移動式のミサイル発射車両を一気に攻撃できる実力を持つ。

 米国内では、さらなる強硬論を説く声もある。

 朝鮮日報(日本語版)は30日、《「平壌上空を通るミサイルを放つべき」米の一部に強硬論》というタイトルの衝撃的な記事を掲載した。

 記事によると、米シンクタンクの専門家から「軍事的攻撃ではなく『軍事的行動』が必要。米国には日本海の公海上から巡航ミサイル『トマホーク』を発射し、平壌上空を経て黄海の公海上に落下させるという方法がある」との指摘が出ているというのだ。

 トマホークは、核弾頭が搭載可能で、潜水艦や艦艇から発射できる。命中精度の高さと、射程(約2500キロ)の長さが際立っている。

トマホーク
 トランプ氏は今年4月、中国の習近平国家主席をフロリダ州パームビーチの別荘「マール・ア・ラーゴ」に招いた際、夕食会のデザートを食べながら「たった今、シリアに59発のミサイルを撃ち込んだ」と伝え、習氏を絶句させている。

 トマホークの平壌襲来は、暴挙を繰り返す正恩氏を正気に戻させる一案かもしれない。ただ、日本海から北朝鮮・平壌を通過して黄海にミサイルを落下させれば、その背後にある中国を刺激することは確実である。

 米国では「日本核武装論」も指摘され始めた。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(日本語版)は8月31日、《日本の核武装に道開く北朝鮮の核容認》との社説を掲載した。

 社説は、北朝鮮の弾道ミサイルに触れ、次のように記した。

 「この中距離ミサイル発射実験は、北東アジアの安全保障をめぐる政治を一段と混乱させるだろう。そして、日本に自前の核抑止力を持つことをあらためて促すものだ」

 「東アジアが中東に続いて核拡散の新時代を迎えれば、世界の秩序に深刻なリスクをもたらす。それもあって、核ミサイルを持つ北朝鮮を黙認することはあまりに危険なのだ」

日本のロケットはすぐにでもICBMに転用できる
 確かに、米国の一部には「日本の核武装」を奨励する声もある。トランプ氏自身、昨年3月、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューに、「日本と韓国の核兵器保有容認」を語っていた。

 ただ、日本は唯一の戦争被爆国であり、国民の間には強い核アレルギーが存在している。世界有数の高い原子力・ロケット技術を持っているが、核拡散防止条約(NPT)に加盟しており、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則もある。

 このため、日本は米国の「核の傘」に頼ってきた。

 米国内には当然、「日本の核武装」に猛烈に反対する声も多い。そう簡単に実現するとは思えないが、米国内で容認論が再浮上するほど、正恩氏の暴走は突出しており、北朝鮮情勢は緊迫しているともいえる。

 北朝鮮は核兵器完成間近で、日本のほぼ全土を射程内に入れる弾道ミサイル「ノドン」を数百発も配備している。「東京を火の海にする」などと公言し、日本の了解も得ずにミサイルを5回も上空に飛来させている。日本を取り巻く安全保障環境は激変している。

 米国と北朝鮮は「水面下接触」も指摘されているが、双方とも相手を信用できず、軍事衝突に発展する可能性もある。

 ともかく、左派メディアや左派政党の「平和ボケ」した議論ではなく、国民の生命と財産を守るための現実的な議論が必要だ。

【私の論評】北朝鮮が暴れまくるほど日本核武装論は実現に一歩近づく(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事には、米紙ウォールストリート・ジャーナル(日本語版)は8月31日、《日本の核武装に道開く北朝鮮の核容認》との社説が掲載されていたことを掲載していました。

この内容に近い内容のものをこのブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【北ミサイル発射】日本列島通過 北海道襟裳岬沖の東1200キロに落下 「これまでにない深刻かつ重大な脅威」 安倍晋三首相 日米電話首脳会談開催 国連安保理に緊急会合を要請―【私の論評】北朝鮮を放置すれば中国、ロシアのアジアでの覇権を強めることに(゚д゚)!

この記事は、先月29日午前、北朝鮮が同日午前5時58分ごろ、北朝鮮西岸から弾道ミサイル1発を北東方向に向けて発射し、北海道・襟裳岬上空を通過した後、6時12分ごろ、襟裳岬東方約1180キロメートルの太平洋上に落下した日に掲載したものです。

この記事では、日本が核武装をする前提条件として、米国が北朝鮮の核ミサイルを放置し、結局北朝鮮を核保有国として認めてしまった場合を想定しました。

もしそうなれば、日本は核武装せざるを得なくなります。その理由に関する部分のみをこの記事から引用します。
もし、このままアメリカが北の核・ミサイル開発を無視し続け、オバマ政権の時のように、威勢よく非難はするものの、その他に何もしないとしたら何が起こるのでしょう。そうして、北朝鮮に対する軍事行動を永遠にためらい続け、ついに北がワシントンに届くICBMを完成させ、実戦配備したらどうなるのでしょうか。 
それは2年以内になるといわれていますが、本当にそうなったときは、完全に手遅れです。北がいくらSLBMと戦略爆撃機を持っていないないとしても、ある程度の「相互確証破壊」は成立してしまうことになります。 
ちなみに「相互確証破壊」とは、核戦略に関する概念・理論・戦略のことです。 核兵器を保有して対立する2か国のどちらか一方が、相手に対し核兵器を使用した場合、もう一方の国が先制核攻撃を受けても核戦力を生残させ核攻撃による報復を行うことです。 
そうなると、その先は、何が起ころうとアメリカは北と戦争がかなりしにくくなります。 
そうなれば、アメリカの権威は完全に失墜します。アメリカの世界覇権に穴が空き、パックスアメリカーナは消滅。世界中の反米国国はもとより普通の国家まで、北朝鮮がやったことを「学習」することになります。 
多くの国が、「この世界は結局力だ。核を持った者が勝つ」と認識することになります。こうして、現在でも有名無実になっているNPT(核兵器の不拡散に関する条約)体制は完全崩壊します。 
そうなってしまえば、世界は、まさに弱肉強食の世界になってしまいます。 核保有国の天下となり、世界から「公正」「正義」「自由」「人権」などという価値観はなくなり、「法と秩序」は消滅します。 
トランプ大統領には、こうしたことに対する自覚や、これを本気で防ごうという責任感は、あるのでしょうか。 
北朝鮮とアメリカに相互確証破壊が成立すると、アメリカは北の核を事実上容認してしまうことになり、日本に対するアメリカの核の傘は自動的に消滅することになります。なにしろ北が核で日本を脅かしても、アメリカはいままで以上に手出しができなくなります。日米同盟は無力化する可能性もあります。 
そうなれば、金正恩のやりたい放題です。日本は北朝鮮に土下座外交をするしかなくなります。経済制裁などとんでもないことになります。脅かされてもバックにアメリカがいないのですから、従うしかなくなります。韓国も同じです。 
そうなると、中国も北朝鮮と同じ態度をとることになります。尖閣など、あっと言う間に中国領になるでしょう。日本は、尖閣どころか、沖縄本島さらには西日本まで、中国の脅威にさらされることになります。 
沖縄本島を中国が手にしてしまえば、さっそく弾圧が始まります。とくに、沖縄基地運動に反対してきた連中は、権力に反逆するものとして、真っ先に弾圧され、拘束されることになります。そうして、沖縄では永遠に反基地運動などやりたくてもできなくなります。沖縄地方二紙もあっという間に廃刊です。 
金正恩と習近平は、韓国からのアメリカ軍の撤退を要求することになるでしょう。韓国は、北の支配下に入ると見て間違いないです。そうして、次の段階では、北と中国が、日本から米軍が撤退することを要求することになります。 
北と中国の覇権がアジアに全域に及ぶ状況が予想されることになれば、ロシアも黙ってはいないでしょう。ロシアも何らかの形で、アジアに進出してくる可能性もあります。朝鮮半島は、中国、ロシア、北朝鮮によって分割統治されることになるでしょう。日本は北方領土どころか、ロシアに道東を実効支配されることになるかもしれません。
このようなシナリオは十分に考えられます。 一度米国が北朝鮮を核保有国として認めてしまえば、様々な紆余曲折があったにしても、最終的にはこのシナリオどおりになることでしょう。

このようになることを防ぐためには、日本は核武装するしかなくなります。日本が核武装したとすると、アジアの安全保障状況は随分と変わります。アジアは日米の軍事力によって、新たな秩序ができあがり、北の核ミサイルは無効化され、中国は今以上に南シナ海や東シナ海に進出することを諦めるでしょう。ロシアも、アジアへの介入などは考えなくなります。新たに北方領土返却の話が進展するかもしれません。

このような筋書きは私のような素人でも考えるし、米国のWSJ紙でもそのような社説を掲載するのは当然のことと思います。本気で日本の安全保障の問題を考えれば、このような考えが出るのは当然のことです。WSJ紙も日本でこのような声が出ることは当然と考えて、今回の社説を出したのだと思います。

本日は、さらに北朝鮮が核実験を行っています。金正恩が「アメリカの行動を見守る」と発言すると、日本のメディアや識者の中には「トランプ大統領が北朝鮮を煽っている」とか「安倍首相は圧力だけでなく対話をするべき」と日米首脳を批判していましたが、今回6回目の核実験を強行した事を見ても、北朝鮮が対話に応じる気がない事は明らかです。

そう考えると今後、選択肢は2つです。米国が何らかの軍事行動を起こすか、さもなくば日本や韓国が核武装するかです。

もし、北朝鮮の核開発を米国がなんとしてでも止めようという行動を起こさない限り、現状ではたとえ不可能と見えても、日本は核武装の道を歩むことになるでしょう。

安倍晋三氏は2002年に早稲田大学で行われた講演会で「戦術核の保有や使用は違憲ではない」とぶち上げ、それを『サンデー毎日』に報じられて批判を浴びたことがあります。


そうして、ノーベル平和賞を受賞した安倍首相の大叔父である佐藤栄作もまた、核武装論者でした。1964年の東京オリンピックのさなかだった10月18日、中国が核実験に成功し、首相就任を翌月に控えていた佐藤は、ますます日本も核武装する必要がある、と強く確信するようになりました。そして、65年1月の首相としての初訪米を前にした64年12月29日のライシャワー駐日大使との下打ち合わせで、核武装論を語ったといわれています。

しかし、広島と長崎に原爆を落とされ、大きな被害を受けた日本国民は、佐藤が首相だった頃から核武装反対の世論が強かったし、米国も日本の核武装を好みませんでした。

しかし、これからは日本は変わって行く可能性が大です。そもそも、米国から日本核武装論が出るようになりました。北朝鮮が暴れまくるほど日本核武装論は現実味を増し、実現に一歩近づくことでしょう。

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2017年9月2日土曜日

【日本の解き方】鳥貴族の値上げやイオン値下げ、個別物価と混同される一般物価 中期的な物価目標と関連は薄い―【私の論評】物価は需給関係だけではなく、日銀の金融政策で決まる(゚д゚)!

【日本の解き方】鳥貴族の値上げやイオン値下げ、個別物価と混同される一般物価 中期的な物価目標と関連は薄い

鳥貴族の看板
全品280円均一の焼き鳥チェーン、鳥貴族が10月から298円に値上げすると発表した。人手不足による人件費増や、材料費などのコスト増が要因とのことだ。こうした動きがある一方で、小売り大手のイオンや西友、家具販売のイケアが値下げを打ち出し、2%の物価目標達成は困難だとの論評もある。

 こうした報道では、「個別価格」と全体の「一般物価」がしばしば混同されている。つまり、雇用改善などを受けた値上げや消費の伸び悩みを受けた戦略としての値下げなど個別企業の動きと、マクロ経済を反映した物価全体の動きについて、区別されていないのである。

<イオンの8月25日からの値下げ商品の一例 >

 個別価格は、それぞれの商品に付けられている価格であり、誰でもイメージできるだろう。

 一般物価については、例えば消費者物価指数が典型例であるが、イメージが難しい。それぞれの個別物価を指数化して、各商品の加重平均ウエートで平均を取るという作り方だ。

 この手法だけを見れば、各商品の積み上げによって一般物価が算出されるので、ある商品の個別価格の上昇がそのまま一般物価に反映されると思ってしまう。しかし、そうならないところが、マクロ経済学のポイントである。

 これは、ノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン氏が指摘した「スイッチ効果」と呼ばれる。ある財の個別価格が上昇すると他の財を節約し、その消費が減少することでその財の個別価格が低下するので、結果として一般物価には変化がないというものだ。

 もっとも、現実にはある個別価格の変化がただちに他の個別価格の変化をもたらすような価格伸縮性があるわけでない。このため、短期的には大きな個別価格の変化があった場合、それは一般物価の変化にも影響するが、数年単位でみれば、価格は伸縮的になるので、スイッチ効果が認められる。

 いずれにしても、こうした事情を踏まえると、長期的な視点を含む政策論で考えるときには、個別価格と一般物価は区別したほうがいい。

 個別価格は各財の競争状態で決まる。つまり、ニーズが高かったり、供給が少ないと個別価格は上昇する。

 一般物価はどうかといえば、スイッチ効果で説明したように、所得が一定であれば、高いものを買うときは他のものを控えるが、所得が大きくなれば、他の財の節約は必要なくなる。ということは、所得に応じて一般物価が決まってくるわけだ。

 これをマクロ経済の言葉で言えば、有効需要によって基本的には一般物価が決まる。このため、本コラムで紹介したように、GDPギャップ(潜在GDPと実際のGDPの差)によって、インフレ率(一般物価の変化率)が決まるのだ。

 その際、以前のコラムで説明したように、インフレ率のみならず失業率も決まる。ここがマクロ経済学のキモである。有効需要をコントロールするために、金融政策と財政政策があるので、それらの即効性や遅効性を考慮しながら、マクロ経済管理をするわけだ。

 こうしてみても、個別物価の動きと中期的なインフレ目標の関連は薄い。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】物価は需給関係だけではなく、日銀の金融政策で決まる(゚д゚)!

個別物価と一般物価のこの違いの理解は非常に重要です。巷では、デフレとかインフレ等と言われていますが、これは何をもって判断すべきかといえば、一般物価によって判断すべきです。個別物価では全く判断できません。

ざっくりわかりやすく言うと、世の中にある様々な財やサービスをバスケットの中に入れてぐちゃぐちゃにして、加重平均したものが一般物価であり。この代表的な指数がブログ冒頭の記事で高橋洋一氏も指摘する消費者物価指数などです。

日本では、一般に以下の3つの指標をもとに景気を判断しています。
  • CPI(Consumer Price Index:消費者物価指数):製品やサービスなど、家計支出割合の大きいものを600品目ほど選び、それぞれの価格をそれぞれの支出割合に掛けて足したもの。価格は毎月の小売物価統計をもとにした平均価格で、支出割合は基準年(5年ごとに改定)のものを使う。総務省が毎月作成・発表している
  • ユニット・レイバー・コスト(単位労働コスト):いわゆる賃金
  • GDPデフレーター:名目GDPを実質GDPで割ることで求める物価指数
特にCPIは重要です。CPIにはコアCPIとコアコアCPIがある。コアCPIは、CPIから生鮮食品を除いたもので、コアコアCPIは、CPIから食品(酒類を除く)とエネルギー価格を除いたものです。これらの指標の意義は、天候に左右されやすい生鮮食品や原油価格の影響を受けるガソリンなどの影響などを取り除き、核となる物価を把握しやすくするためです。

つまり、CPIではなく、コアコアを見ないと物価の状況はよくわからないのです。コアコアCPIは毎月公表され、GDPデフレーターと似た動きをするため、非常に役立つ指標です。ちなみに、海外のコアCPIは日本のコアコアCPIと同じです。

総務省が発表している消費者物価指数
一方、個別価格は読んで字のごとく、車とか住宅とかエネルギーなどの個別の価格のことです。これは、当たり前といえば当たり前なのですが、勘違いする人も多いです。

では、一般物価は何によって決まるかといえば、金融政策によって決まります。つまり、世の中に出回っている全体のおカネの量が一般物価を決めます。

一般物価は人口も個別の需要や供給も、何にも関係ありません。日本国の発行するお金が全てが入る財布があるとします。

この大き財布に入っているおカネの量が一般物価を決めるのです。それとは対照的に、個別価格は、個別の需要と供給で決まるのです。

言い換えると、一般物価は金融政策による全体のおカネの量で決まり、個別価格は需給で決まるのです。

次はすごく大事な論点です。今、ある財の供給が過多になり、個別価格が下がったとします。例えば、自動車の価格やコンビニやスーパーの弁当の価格が需要減で下がりました。

そうなると、マスコミではデフレが深刻化する大変だーと、騒ぐかもしれません。

しかし、待って下さい。一般物価は何で決まるのでしょうか。そうです、金融政策です。金融政策が一定なら一般物価は変わらないはずです。そうです、実際変わらないのです。

ということは、パソコンや自動車以外の価格が上がっているということです。この議論の間違いが非常に多いです。個別価格の低下は、デフレを招く原因になると騒ぎたてる人が多いです。それも識者の中にもそういう人がいるので驚いてしまうことが、しばしばありました。

これは明らかな間違いです。金融政策が一定で消費性向が変化していなければ、ブログ冒頭の記事で高橋洋一氏が、「スイッチ効果」と指摘しているように、ある個別価格の低下は他の製品の需要を押し上げるはずなのです。

例えば給与が30万円で貯蓄が10万円なら消費に回せるおカネは20万円です。金融政策が同じなら、個別の価格が下がろうが上がろうが、使うお金は20万円であり大きく変わることはないと考えるのです。

これは現実世界でもよく当てはまります。一時良く言われたのが「中国から安い製品が流入するから」という中国デフレ論がありました。これに対する反論は、アメリカをはじめとする先進国なや北朝鮮やミャンマーなどの発展途上国も、も同じように中国製品が流入していますが、全くデフレにはなっていません。

その他、中国だけではなく、他の発展途上国や新興国などから低価格の物品が入ってくることをもって、グローバル化デフレ原因説などもいわれていたことがありましたが、これもあてはまらないのははっきりしています。

確かに、個別物価は安くなっているかもしれないですが、一般物価には関係ありません。一般物価はあくまで、世の中に出回っている全体のおカネの量できまるものです。

これは、消費者は安い商品が海外から入ったにしても、所得が一定であれば、他の財の購入を控えなくなるということです。所得に応じて一般物価が決まってくるということです。

経済のグローバル化がデフレの原因ではない
デフレは個別価格の低下によって引き起こされるものではなく、あくまで金融政策によって決定される消費に回せるおカネの量で決まるのです。そこが非常に大事な論点です。

イオンのように商品の価格を下げたとしても、それ自体が即デフレにつながるというものではありません。あくまでも、デフレは日銀の通貨供給量によってきまるものであり、通貨供給量が低くて、所得が下がれば一般価格も下がるということです。

個別物価の動きと中期的なインフレ目標の関連は薄いのです。イオンが商品価格を下げたことにより、インフレ目標を達成しにくくなるとか、鳥貴族が商品価格を上げたから、インフレ目標を達成しやすくなるというものではないのです。

これを理解すれば、スーパーや、コンビニなどで、お弁当の価格などが急激に下がったとして、それがデフレの原因になるわけでなく、デフレ(日銀の通貨の供給量が本来の市場に見合った量より少ない)が、お弁当などの個別価格の低下をもたす場合もある(いつもそうであるとは限らない)ということが理解できるはずです。

物価の根底には、需給関係だけではなく、日銀の金融政策による通貨供給量があるということです。

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2017年9月1日金曜日

東京新聞記者、北ミサイルでまた質問連発 菅義偉官房長官「北朝鮮性善説のような質問ですけど…」―【私の論評】望月衣塑子記者は北朝鮮スパイとそしられてもいたしかたない(゚д゚)!

東京新聞記者、北ミサイルでまた質問連発 菅義偉官房長官「北朝鮮性善説のような質問ですけど…」

本日記者会見で質問に答える菅官房長官
菅義偉官房長官の1日の記者会見で、東京新聞の記者が前日に続いて北朝鮮の弾道ミサイル発射をめぐる政府対応について質問を連発した。

東京の記者は、北朝鮮による8月29日の弾道ミサイル発射の前夜に安倍晋三首相が首相公邸に宿泊したのは、政府が発射の兆候をつかんでいたとの前提に立って質問を連発。「ミサイル発射の情報がありながら、国民に早い時点で通知しなかった理由は、安全だ、問題ないということか」「前夜になぜ、私たちが知らされなかったのか」などと問い詰めた。

ミサイル発射の兆候を、政府がどの時点でどの程度把握していたかを公表することは、日本の情報収集能力を明らかにすることを意味する。菅氏は「事柄の性質上、答えることは控えたい」「この場で発言するのを控えるのは当然のことじゃないでしょうか」などの回答に徹した。

ただ、それでも東京の記者が質問を止めないため、菅氏は「(北朝鮮が)性善説のような質問ですけども」とチクリ。その上で「国連決議を何回となく破る無法な国家だ。そうした国に対して、ありとあらゆる対応を取って、国民の安心、安全を守る。これは政府の責務で、それに基づいてしっかりと対応している」と語気を強めて回答した。

【私の論評】望月衣塑子記者は北スパイだとそしられてもいたしかたない(゚д゚)!

まずは、本日9月1日の菅官房長官の記者会見の動画を以下に掲載します。
https://youtu.be/eN33Cuxgym8
さて、ブログ冒頭の記事にある東京新聞の記者とは、一体何者なのか以下に示しておきます。名前は、望月衣塑子(もちづきいそこ)といいます。今現在の年齡は41歳(1975年生まれ)。出身地は東京。既婚者です。夫については年齡や職業などは不明です。子供さんは2人いるようです。


現職は、東京新聞社会部の女性記者です。出身大学は慶應大学です。学部は法学部。

望月衣塑子
慶応大学法学部を卒業後に東京新聞に入社し、社会部記者として活動。担当は、千葉、埼玉などの各県警、東京地検特捜部、東京地方裁判所、東京高等裁判所などです。

父親も新聞記者で母親は演劇関係者。大学卒業後、中日新聞東京本社を経て東京新聞に移籍しました。

当初は武器輸出に関した取材をしていたのですが、2014年に「武器輸出三原則」が撤廃され、そのかわりに「防衛装備移転三原則」が決まった事を受け、以後日本は国際的な武器輸出入が可能となり、それに危機感をつのらせたのか、以後戦争へ突き進む(と彼女が考えている)安倍政権への批判を強めていく事となります。

実は彼女は今回の騒動以前にも、菅官房長官へ対し執拗に同じ質問を繰り返したり、質問時間の大部分を独り占めしたり、大声で質問をしたり等としていました。

著書もあります。その著書の写真を以下に掲載します。


内容としては、簡単にまとめてしまうと「武器輸出三原則が事実上の撤廃となったことを受け、防衛省は防衛装備庁を発足させ、資金援助や法改正の検討など、前のめりに突き進む。一方で、防衛企業の足並みはそろわない。なぜか?三菱重工や川崎重工など大手に加え、傘下の企業、研究者などに徹底取材。解禁後の混乱が明かされる」というものです。

読むと時間が無駄になるので、全く読む価値がない本です。その理由としては、この本の著者は、兵器産業や兵器貿易に関する基礎的な知識が全く欠けており、何も知らないまま、「武器輸出はよくない」という思い込みだけでこの書籍を書いているからです。

著者が本書の中で、「至るところで取材を拒否された」ことを何度も書いていますが、その理由は著者が東京新聞記者だから(武器輸出に反対の立場からの取材だと最初からわかっていたから)というだけではないでしょう。本書を読めば、著者が事前に知識の蓄積を何も持っておらず、兵器産業の基本的なことを知らないこと、そんな取材者が取材先からまともに扱われることはないということはすぐにわかります。

もちろん、この分野の重要な知識は、英語文献による必要があります。しかし、主要な防衛企業の報告書、防衛省の文書、戦後の防衛産業発展についての論文や書物はあるのですから、それを読んでから本を書くのが当然です。ところが著者は取材の基礎となるそのような勉強を何もしていないようです。この書籍には、参考文献について、まったく記述がありません。この書籍は、参考文献にあたらずに、直接取材で書いたもののようです。

多くの論拠が一次資料などの事実ではなく、妄想で固められています。ただただ軍事が憎くてたまらないという姿勢が多く見受けられます。

巷では、著者は北朝鮮のスパイの疑いが強い人物として有名ですが、この本を読めばその意見にも賛同できるところもあります。

この書籍は、いわゆる「フェイクニュース」と同レベルの信用性しかありません。内容を真に受ければ、とんでもないことになりかねません。

この記者は、学校法人「加計学園」獣医学部新設計画をめぐって菅氏を質問攻めにしたこともあります。

この記者は、菅義偉官房長官の31日の記者会見でも、米韓合同演習を批判し、弾道ミサイルを相次いで発射する北朝鮮を擁護する質問をしていました。

その内容は次のようなものです。「米韓合同演習が金正恩朝鮮労働党委員長の弾道ミサイル発射を促しているともいえる。米韓との対話の中で、金委員長側の要求に応えるよう冷静に対応するように働きかけることをやっているか」

菅氏は「北朝鮮の委員長に聞かれたらどうか」と返答。望月記者は「北朝鮮側の要望に応えて、冷静かつ慎重な対応をするよう米韓に求めていく理解でいいか」と改めて迫りました。

望月記者はまた、北朝鮮が過去2回ミサイルを発射した前日にいずれも安倍晋三首相が公邸に宿泊したことを取り上げ、「前夜にある程度の状況を把握していたのなら、なぜ事前に国民に知らせないか」「Jアラートの発信から逃げる時間に余裕がない。首相動静を見て、(首相が)公邸に泊まると思ったら、次の日はミサイルが飛ぶのか」とも追及しました。

以下に、31日の望月衣塑子の菅官房長官への質問の動画のリンクを掲載します。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=631&v=ihgMzmA3qeg

望月記者の言うことは、ヤクザが民家の上に向け銃の一発を撃った後、別の人がやってきて「親分の話を聞いた方が良いよ」と言うなら、それは「恫喝の連携プレー」に違いないが、北朝鮮は日本の上空にミサイルを撃った直後、東京新聞の望月記者が「金正恩委員長の要求に応じろ」と政府に迫ったのは、それと同じ構図です。

そうして、本日はヤクザが銃の一発を撃ったことに対して、民家の人がすぐに対応できた理由を教えろと迫るのは、ヤクザの親分を利することになります。

これでは、望月記者が北朝鮮スパイとそしられてもいたしかたないです。公安警察は望月記者をマークして、化けの皮を剥ぐべきです。そうして、公然と外国スパイのような行動が許される日本は異常です。

北朝鮮情勢に詳しい専門家は「日本にも北朝鮮工作員や協力者が複数存在している」と指摘しています。この協力者といった場合、弱みを握られて、いやいやながら協力をさせられることもあれば、自分では全く意識していなくても、知らず知らずのうちに北朝鮮の工作員に協力させられているということもあります。

それにしても、スパイや売国奴はこの世の中に多数存在しますが、公衆の面前で脅しとかがない状況で潜在敵国の要求をのめと政府首脳に迫った例は、世界で類例がありません。東京新聞と望月記者は世界史的にみても稀有な存在だと思います。

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2017年8月31日木曜日

日本政府が元慰安婦からの訴状を拒否「日本の主権を侵害」=韓国ネット「へ理屈としか言いようがない」「もう解決した問題なのに…」―【私の論評】日韓には最早慰安婦問題は、政府・民間・個人すべてのレベルで存在しない(゚д゚)!

日本政府が元慰安婦からの訴状を拒否「日本の主権を侵害」=韓国ネット「へ理屈としか言いようがない」「もう解決した問題なのに…」

慰安婦とされる女性と少女像
2017年8月28日、韓国・聯合ニュースによると、日本政府が、韓国の元慰安婦らが韓国の裁判所に起こした損害賠償訴訟の訴状を受領せずに送り返していたことが分かった。

韓国の元慰安婦クァク・イェナムさんらが昨年12月、日本政府を相手取り、韓国の裁判所に起こした損害賠償訴訟を担当するイ・サンヒ弁護士は28日、「裁判所が被請求人の日本政府に訴状を発送したが、今月16日付で返送された」と明らかにした。

イ弁護士が公開した裁判所の公文書によると、日本政府は返送した理由について「この要請(訴状の受領)に従うことは、ハーグ送達条約の第13条により日本の主権を侵害するものと見なされる」と明らかにした。

ハーグ送達条約(民事または商事に関する裁判上および裁判外の文書の外国における送達および告知に関する条約)の第13条は「送達の要請者がこの条約の規定と一致する場合、被嘱託国はこれを履行することが自国の主権または安保を侵害すると判断した場合に限り、これを拒否することができる」と定めている。

イ弁護士は「人倫に反する犯罪に対しての責任を問うことがなぜ主権の侵害に当たるのか全く理解できない」とし、「外交チャンネルを通じて日本に訴状を送達できる方法がないか、外交部に問い合わせる」と明らかにした。

これについて、韓国のネットユーザーからは「『主権の侵害』はこういう時に使う言葉だったっけ?盗っ人たけだけしいとはまさにこのことだ」「韓国の主権を侵害し、韓国国民を相手に犯した罪について明らかにすることが主権の侵害?へ理屈としか言いようがない」など日本の対応に不満の声が寄せられている。

そのほか「韓国政府も過去の被害者らに謝罪と賠償をしてほしい」「韓国政府が『主権の侵害に当たる理由を説明せよ』と日本に要請するべき」などと主張する声も。

一方で「韓国政府がお金で解決させたのだから、韓国国民が何を訴えても無駄。日本は何も悪くない」「慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決した。いまさら騒ぎ立てるのはみっともないよ」など慰安婦問題は2015年末の日韓合意で解決したと主張する声もみられた。


【私の論評】最早日韓には慰安婦問題は、政府・民間・個人すべてのレベルで存在しない(゚д゚)!

ドイツ・ハンブルクでのG20にて、安倍首相(左)と文在寅大統領(右)
ドイツ・ハンブルグでの20カ国・地域(G20)首脳会議に出席した安倍首相は、7月7日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談しましたが、あらためて慰安婦問題に関する日韓合意がくすぶり続けている様が見てとれました。

文氏は大統領選前は、日韓合意の無効や再協議を主張してきましたが、就任後は「再協議」は公言せず、「前政権での日本との慰安婦合意は韓国人、特に被害者(元慰安婦の女性)に受け入れられていない。彼女たちは合意に反対している」などと語ったと報じられています。

このときには「慰安婦問題が関係発展の障害となってはいけない」とだけ語ったようで、日本政府が一貫して政府合意を守れ、と主張しているのに対し、じりじりと後退を続けています。支持者の手前、強い態度を見せたい一方で、経済・防衛問題でこれ以上、日本政府との関係をこじらせたくない、というジレンマに陥っているようです。

文氏の発言で引っかかるのは「前政権での日本との慰安婦合意」という言い方です。

近代的な契約社会では、たとえば会社同士の契約であっても、会社を仮想的な「法人」と捉え、会社間の契約は「法人」間の契約であって、社長が替わっても、すべての権利や義務は引き継がれる、という事になっています。

国家も同様であって、政権が替わっても、国家間の条約は変更できない、というのが国際社会の原則です。文在寅大統領が「前政権での合意は受け入れられない」などと言うなら、日本も戦前の大日本帝国の行為に現在の日本国の責任はない、と言えることになります。

国際法には、国内法と同じような強制力はありません。文在寅氏が語るように国家間の約束を反故にするには、韓国が日本と戦争をして勝った場合のみです。しかし互いに戦争でもしていない国同士では、一度締結した契約などは履行されなければ国際法違反です。文在寅大統領は日本に戦争を挑むつもりなのでしょうか。

いくら一般の韓国人の多くが「日韓合意」に反対であったとしても、国家間の条約を簡単に破ったり、反故にしたりすることはできません。たとえば、60年の日米安保条約改訂の際には、どんなに過激派が大暴れしようと、日本国の首相が合意をしたら、それは日米間の正式な条約として成立しているので、反故にはできません。反故にするとすれば、米国と戦って勝たねばなりません。

学生30人、大使館入居ビルで騒ぎ=日韓合意反対叫び連行―ソウル 2015年12月30日
安倍政権は国内の一部の反対を押し切って、韓国との合意を結びましたが、それは国際法を有効に使って、韓国のプロパガンダを押さえ込む妙手でもありました。

たとえば、今回の合意で「最終的かつ不可逆的な解決」という文言が使われており、しかも、それが韓国側外交部長官の発表でも使われている点です。これは「二度とこの問題を蒸し返さない」という意味であり、こう言った政府がまたこの問題を蒸し返せば、国際社会では二枚舌と受けとられてしまいます。

さらに、この合意には、アメリカを仲介人として巻き込んでいるということもあります。この1月、釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置されると、安倍首相はバイデン米副大統領と電話で会談し、「米政府として慰安婦問題に関する日韓合意を支持しており、着実に履行されることを強く期待する」という発言を引き出しました。

アメリカとしては、自らの仲介で日韓合意を成立させたにもかかわらず、わずか1年のうちに韓国がそれを無視した、という事で、面子をつぶされています。そしてそれが国際社会の面前で行われたことにより、韓国の国際常識のなさが世界の国々にも明らかになってしまいました。

国際的に、中でも米国が公式にその共同宣言を担保した形で合意に至った日韓合意
慰安婦問題は、過去においては「日本がどのように反省し、謝罪するか」という「日本側の誠意」の問題にされていたのですが、日韓合意後は「アメリカも巻き込んで合意した最終的かつ不可逆的な解決を韓国はなぜ守らないのか」という国際法上の問題に置き換えられたのです。

そのため文大統領が「前政権での日本との慰安婦合意は韓国人、特に被害者(元慰安婦の女性)に受け入れられていない」と発言したとしても、日本政府としてはこの問題に全く関与する必要はないのです。

それは、もはや日本が対処すべき問題ではなく、韓国政府が対処すべき問題なのです。

我が国はそもそも、「日韓合意」より前から韓国とはすでに「日韓請求権協定」を結び、相互の請求権はすべて消滅しています。そういう国際法上の原則をしっかり主張しなかったため、ここまで慰安婦問題がこじれてしまったのです。今回の「日韓合意」も、国際法上は屋上屋を重ねたものではありますが、国際法の次元でこの問題に終止符を打とうとするものです。

この考え方に立脚すれば、今回の日本政府の、韓国の元慰安婦らが韓国の裁判所に起こした損害賠償訴訟の訴状を受領せずに送り返した行為は全く妥当なやり方で、非の打ち所がないものです。

今後政府の慰安婦問題への対処の仕方は、これに右ならえということになるでしょう。民間レベルでもそれで良いです。そうして、特に民間レベルは韓国と縁のある民間企業などは致し方ないかもしれませんが、国際法すら無視するような信頼できない国は、カントリーリスクがあまりも高すぎるので、韓国との付き合いはやめるか、最小限にとどめるべきです。

日韓には最早慰安婦問題は、政府・民間・個人すべてのレベルで存在しないものとみなして行動すべきです。

韓国政府や韓国の民間・個人が慰安婦問題に関して抗議をしても「日韓合意」で解消ずみとして、一切対応すべきではありません。ただし、抗議に対しては抗議をし、韓国以外の国が批判をすれば「内政干渉である」として突っぱねれば良いです。

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2017年8月30日水曜日

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【歴史捏造への反撃】首相答弁で「慰安婦3点セット」を否定 3週間で世界中の誤解を払拭した日韓合意

『日韓合意』を報道するテレビのキャプチャー画像 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
2015年の暮れも押し迫った12月28日、日韓合意のニュースが配信された。慰安婦問題の帰趨(きすう)を、固唾をのんで注視していた世界のメディアは、日本政府が屈服したものととらえ、荒唐無稽な尾ひれをつけて次のようなコメントを流した。

 「ついに日本がおぞましい慰安婦制度について謝罪した」(英紙ザ・サン)

 「日本政府は、女性の性奴隷化に軍が関与していたことを認めた」(英紙ザ・ガーディアン)

 「この残酷なシステムの標的は生理もまだ始まっていない13-14歳の少女だった。彼女たちは積み荷としてアジア各地の戦地へ送られ、日常的に強姦された。これは戦争犯罪のみならず、幼女誘拐の犯罪でもある」(米紙ニューヨーク・タイムズ)

 日韓合意によって、慰安婦についての世界中の誤解は決定的なものになりかかった。これに反撃し、局面を変えたのは、民間の活動とそれを資料とした野党議員の行動だった。

 すでにオーストラリアで慰安婦像設置を阻止する成果をあげていた、民間団体「AJCN」(代表=山岡鉄秀氏)は手分けして世界の主要なメディアの論評を集め、年明け早々に官邸や政党に送信した。

AJCN代表=山岡鉄秀氏   写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 日本のこころを大切にする党(当時、現・日本のこころ)の中山恭子代表はAJCNのリポートを読んで衝撃を受けた。

 中山氏は16年1月18日の参院予算委員会で、安倍晋三首相に対する質問に立った。中山氏は「日本のために戦った日本の軍人たちの名誉と尊厳が救いようのないほど傷つけられている」「日本人はニコニコしているが、その本性は、獣のように残虐であるとの曲解された日本人観が定着しつつある」「この流れを払拭するにはどうしたらよいとお考えか」と問いかけた。

『日本のこころ』の中山恭子代表
 北朝鮮による拉致問題にともに取り組んだ中山氏から、このように質問されれば、逃げるわけにはいかなかったのだろう。安倍首相の答弁は以下のように明解だった。

 「性奴隷あるいは20万人といった事実はない」「政府としては、それは事実ではないということはしっかりと示していきたい」「政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」

 これによって日本政府は、慰安婦に関する歴史捏造(ねつぞう)の3点セット、「強制連行」「性奴隷」「20万人」をすべて否定したことになる。この意義は大きかった。日韓合意は3週間で誤解を払拭したからである。

 ■藤岡信勝(ふじおか・のぶかつ) 1943年北海道生まれ。北海道大学大学院博士課程単位取得。北海道教育大学助教授、東京大学教授、拓殖大学教授を歴任。現在、拓殖大学客員教授。95年、教室からの歴史教育の改革を目指す自由主義史観研究会を組織。97年、「新しい歴史教科書をつくる会」の創立に参加し、現在同会副会長。著書・共著は『国難の日本史』(ビジネス社)、『通州事件 日本人はなぜ虐殺されたのか』(勉誠出版)など多数。

藤岡信勝氏

【私の論評】北の脅威が一段落つけば一刻もはやく韓国と断交すべき(゚д゚)!

上の記事にあるように、日本政府は、慰安婦に関する歴史捏造(ねつぞう)の3点セット、「強制連行」「性奴隷」「20万人」をすべて否定しているわけですから、今後この問題に関してはこの方針を貫き通すべきです。

韓国政府が何を言おうが、どのような行動をとろうが、この日韓合意に反することであれば、日本政府としては、『日韓合意』によって、現在の日韓間にはいわゆる「慰安婦問題」は存在しないと言う立場を堅持するのです。

これは、政府だけではなく、民間もその立場を貫くのです。特に、民間企業においてはたえ韓国の政府であろうが、企業レベルであろうが、個人のレベルであろうが、いずれのレベルであろうと、韓国側がいわゆる「慰安婦問題」を蒸し返してきたとしたら、それに対しては「『日韓合意』によって、現在の日韓間にはいわゆる「慰安婦問題」は存在しないと」返答して、後は余計なかかわりを持たないようにすべきです。

慰安婦や徴用工をめぐり妄言を繰り返す文在寅
また、政府も民間企業も、過度に韓国に依存するようなことは、「危機管理」の観点からなるべく避け、何かあれば、すぐに韓国との関わりを断てるようにしておくべきです。

在韓邦人も、必要最小限にとどめて、それらも何かがあれば、すぐに引き上げるようにしておくべきです。

現状は、韓国には在留邦人がまだ存在しており、北朝鮮の問題がありますが、軍事的な意味合いで、韓国とのつき合いは維持しておきながらも、慰安婦問題については一切取り合わないという姿勢を貫くべきです。

そうして、いずれ北朝鮮問題の片がつきそうなときには、韓国とは国交断絶するつもりで、様々な準備をしておくべきです。

北朝鮮問題の片がつくとして、韓国の現状の国体が維持できず、共産化するなどのことがあれば、なるべく早く国交を断絶すべきです。現状の国体が維持できるにしても、いずれは頃合いを見計らい国交を断絶すべきです。

毎度、国家間の約束事を反故にしようとする韓国は、いまでは慰安婦に関する日韓合意すらもなかったことにしようとしています。現状は、韓国大使の一時帰国(4月上旬、韓国に戻った)は外交上の措置として、戦争一歩手前、相手との国交断絶も辞さない強い怒りの表明に他なりません。それでは韓国と日本が「国交を断絶」した場合の影響はどうなるのか。以下に掲載します。
文在寅大統領は、日韓合意の破棄や見直しを掲げています。元来、政権が変わったら前政権が行った政策は覆しても構わない、という発想が韓国政治の特徴です。しかし、国際社会では、前政権の外交上の約束事は次の政権も引き継がなくてはいけないのが鉄則です。

日本も民主党政権時の政策の尻拭いを現政権がしています。それが国際社会における当然の姿勢です。つまり日韓合意の破棄は外交的にはありえない、恥ずべき行為の極みです。しかし、韓国はこのことを理解できません。

韓国が日韓合意すら守れないのであれば、米韓におけるTHAAD(高高度防衛ミサイル)の韓国国内配備決定を覆すことも現実味を帯びてきます。THAADが覆れば、韓国はアメリカにも見捨てられ、より世界で孤立するのは間違いないです。

もし韓国が、日韓合意が破棄するなどと宣言でもした場合は、国交断絶も辞さずという怒りを込めて、日本は2018年平昌オリンピックのボイコットを突きつけるべきです。

日韓の国交が断絶しても困るのは韓国であって、日本はほとんど国益を損なうことはありません。そもそも駐韓大使が日本に帰国していたときも、政治的に何の支障も生じていないのが現実でした。

そもそも、韓国のGDPは東京都と同程度であり、日本の対韓国輸出も、輸入も微々たるものです。韓国から日本へ、日本から韓国への投資もほんとうに微々たるものです。これが消えたとしても、日本経済への影響はかなり限定的なものであり、日本にとっては支障はまったくありません。そもそも、日本は輸出がGDPに占める割合は11%程度にすぎません。

さらに、日本では報道されませんが、実は韓国の文在寅大統領は、日本に簡単に入国できません。文在寅は、過去に竹島に上陸しており、我が国に簡単には入国できません。

新大統領は、「必要ならワシントン、北京、東京、平壌にも行く」としていますが、これは拒否するべきでしょう。

すでに日韓関係は破綻状況にあり、さらに中国・北朝鮮寄りの政権です。「会う」ことは、容認のメッセージともなります。

かつて竹島に上陸した文在寅
経済的には、韓国と国交を断絶すると、支障どころか日本には大きな利益になります。例えば、日本が資本財の輸出を制限するだけで、韓国経済は壊滅的な打撃を受けます。

電機業界をはじめ、日本メーカーと韓国メーカーは熾烈な競合関係にあり、韓国は日本から半導体の原材料や生産設備などの資本財を大量に輸入して製品(消費財)を生産し、世界のマーケットシェアを日本メーカーから奪ってきました。

そこで日本が韓国への資本財の輸出を制限すれば、サムスンやLGをはじめとする韓国メーカーは生産が滞り、窮地に立たされるのは火を見るより明らかです。その反面、日本メーカーが世界市場を奪回することが可能になります。

資本財の輸出制限は本来、世界貿易機関(WTO)協定違反です。だが、断交という安全保障上の理由であれば可能です。韓国の貿易依存度は40%超(日本の約3倍)です。牽引するサムスンやLGが国際競争力を失えば、韓国全体が大打撃を受けるのは当然です。

また、日韓通貨スワップ協定など再交渉もすべきではありません。これは、通貨危機(為替レートの暴落)に陥った緊急時に通貨を融通し合う協定とされますが、韓国経済の破綻より先に日本が韓国ウォンとの両替をするようなことは絶対にあり得ません。国交断絶により、韓国側に一方的に利がある協定に日本は付き合わなくて済むことになります。

韓国国内では若年層(15~24歳)の失業率が2ケタを超えるまでに悪化するなど、若者の就職難が続いています。最近日本では雇用状況がかなり改善していて、留学生と称した韓国からの労働者の流入が増加し、日本人の雇用を脅かしかねません。断交となれば、韓国からのそれら移民まがいの労働者の流入もカットできます。日本にとってはまさにいいことずくめです。

日本としては、北の脅威が一段落ついた場合には、一刻もはやく韓国と断交すべきです。

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2017年8月29日火曜日

【北ミサイル発射】日本列島通過 北海道襟裳岬沖の東1200キロに落下 「これまでにない深刻かつ重大な脅威」 安倍晋三首相 日米電話首脳会談開催 国連安保理に緊急会合を要請―【私の論評】北朝鮮を放置すれば中国、ロシアのアジアでの覇権を強めることに(゚д゚)!



 菅義偉官房長官は29日午前、緊急記者会見し、北朝鮮が同日午前5時58分ごろ、北朝鮮西岸から弾道ミサイル1発を北東方向に向けて発射し、北海道・襟裳岬上空を通過した後、6時12分ごろ、襟裳岬東方約1180キロメートルの太平洋上に落下したと推定されると発表した。落下地点は日本の排他的経済水域(EEZ)の外側で、日本の領域内での落下物や付近を航行する航空機や船舶などへの被害は確認されていない。政府はミサイルの破壊措置は実施しなかった。

 飛行距離は2700キロ、最高高度は約550キロと推定され、日本海上空で3つに分離した可能性があるという。

 小野寺五典防衛相は防衛省で記者団に対し、今回のミサイルの飛行時間が約14分間だったと明らかにした上で、5月14日に発射された中距離弾道ミサイル「火星12」の可能性があるとの見方を示した。

 菅氏は緊急記者会見で「繰り返される北朝鮮の度を超した挑発行動を断じて容認できない」と北朝鮮を強く批判。外交ルートを通じて厳重に抗議し、もっとも強い表現で非難したことを明らかにした。

 政府は午前7時過ぎから、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)の関係閣僚会合を開き、対応を協議した。

 会合後、安倍晋三首相は記者団に対し「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威であり、地域の平和と安全を著しく損なうものだ」と述べ、国連安全保障理事会に対し緊急会合の開催を要請する考えを示した。

 首相は「政府としてはミサイル発射直後から、ミサイルの動きを完全に把握しており、国民の生命を守るために万全の態勢をとってきた」とも語った。

 さらに安倍首相は午前9時20分過ぎから米国のトランプ大統領と会談し、北朝鮮への対応をめぐって協議した。

 日米韓の3カ国はミサイル発射を受け、国連安全保障理事会の議長国エジプトに、緊急会合の開催を要請した。安保理は米ニューヨークの国連本部で29日午後(現地時間)に開催する方向で調整している。 

 北朝鮮による弾道ミサイルの発射は今年13回目。北朝鮮が発射したミサイルが日本の上空を通過したのは、昨年2月の沖縄県上空通過を含め5回目となる。

【私の論評】北朝鮮を放置すれば中国、ロシアのアジアでの覇権を強めることに(゚д゚)!

今朝は皆さん、結構早起きしたのではないかと思います。私も、携帯電話でJアラートの警告音が聴こえたので、こちらは札幌ということもあるので、もしもに備えてすぐに起き地下に非難しました。本当に腹立たしいことです。

北朝鮮にこれだけ挑発されたのだから、米国はもう実力行使すべきでしょう。なぜ、先制攻撃しないのか不思議です。

トランプ大統領は、「もしグアムになにかあったら、北朝鮮に大変な惨事が起きる」「北朝鮮がグアムやアメリカの領土、同盟国に対して事を起こせば、真に後悔することになる。ただちに後悔するだろう」などと語っていますが、はたしてこれは本気なのでしょうか。

今回のミサイル発射も、もし本当に北がグアム周辺にミサイルを撃ったとしたら、トランプ氏は、北に本気で軍事行動を起こす気があったのでしょうか。

安倍総理はアメリカのトランプ大統領とおよそ40分間電話で
会談し、北朝鮮にさらなる圧力をかけていく方針で一致した 
もし、このままアメリカが北の核・ミサイル開発を無視し続け、オバマ政権の時のように、威勢よく非難はするものの、その他に何もしないとしたら何が起こるのでしょう。そうして、北朝鮮に対する軍事行動を永遠にためらい続け、ついに北がワシントンに届くICBMを完成させ、実戦配備したらどうなるのでしょうか。

それは2年以内になるといわれていますが、本当にそうなったときは、完全に手遅れです。北がいくらSLBMと戦略爆撃機を持っていないないとしても、ある程度の「相互確証破壊」は成立してしまうことになります。

ちなみに「相互確証破壊」とは、核戦略に関する概念・理論・戦略のことです。 核兵器を保有して対立する2か国のどちらか一方が、相手に対し核兵器を使用した場合、もう一方の国が先制核攻撃を受けても核戦力を生残させ核攻撃による報復を行うことです。

そうなると、その先は、何が起ころうとアメリカは北と戦争がかなりしにくくなります。

そうなれば、アメリカの権威は完全に失墜します。アメリカの世界覇権に穴が空き、パックスアメリカーナは消滅。世界中の反米国国はもとより普通の国家まで、北朝鮮がやったことを「学習」することになります。

多くの国が、「この世界は結局力だ。核を持った者が勝つ」と認識することになります。こうして、現在でも有名無実になっているNPT(核兵器の不拡散に関する条約)体制は完全崩壊します。

そうなってしまえば、世界は、まさに弱肉強食の世界になってしまいます。 核保有国の天下となり、世界から「公正」「正義」「自由」「人権」などという価値観はなくなり、「法と秩序」は消滅します。

トランプ大統領には、こうしたことに対する自覚や、これを本気で防ごうという責任感は、あるのでしょうか。

北朝鮮とアメリカに相互確証破壊が成立すると、アメリカは北の核を事実上容認してしまうことになり、日本に対するアメリカの核の傘は自動的に消滅することになります。なにしろ北が核で日本を脅かしても、アメリカはいままで以上に手出しができなくなります。日米同盟は無力化する可能性もあります。

そうなれば、金正恩のやりたい放題です。日本は北朝鮮に土下座外交をするしかなくなります。経済制裁などとんでもないことになります。脅かされてもバックにアメリカがいないのですから、従うしかなくなります。韓国も同じです。

そうなると、中国も北朝鮮と同じ態度をとることになります。尖閣など、あっと言う間に中国領になるでしょう。日本は、尖閣どころか、沖縄本島さらには西日本まで、中国の脅威にさらされることになります。

沖縄本島を中国が手にしてしまえば、さっそく弾圧が始まります。とくに、沖縄基地運動に反対してきた連中は、権力に反逆するものとして、真っ先に弾圧され、拘束されることになります。そうして、沖縄では永遠に反基地運動などやりたくてもできなくなります。沖縄地方二紙もあっという間に廃刊です。

金正恩と習近平は、韓国からのアメリカ軍の撤退を要求することになるでしょう。韓国は、北の支配下に入ると見て間違いないです。そうして、次の段階では、北と中国が、日本から米軍が撤退することを要求することになります。

北と中国の覇権がアジアに全域に及ぶ状況が予想されることになれば、ロシアも黙ってはいないでしょう。ロシアも何らかの形で、アジアに進出してくる可能性もあります。朝鮮半島は、中国、ロシア、北朝鮮によって分割統治されることになるでしょう。日本は北方領土どころか、ロシアに道東を実行支配されることになるかもしれません。

満州国の版図
まさに、大東亜戦争においては、日本は満州国を設立して、当時のソ連と対峙していたのですが、なぜか米国と戦争をすることになってしまい、戦争に負け、日本はソ連との対峙の拠点である満州を手放す以外に選択肢はありませんでした。

マッカーサーは、朝鮮戦争のときに、自ら現地を調査し、日本がなぜあのようなことをしていたのかを理解し、後に米国の公聴会で「彼らの戦争は防衛戦争だった」と証言しています。第二次世界大戦後当時のソ連はさらに覇権を強めようとして、米国と対立して世界は冷戦に突入しました。

アメリカ上院軍事外交合同委員会の公聴会にて~1951年5月3日 ダグラス・マッカーサー~
その冷戦に勝利して、ソ連は崩壊しました。そうして、ソ連は現在のロシアにとってかわりました。しかし、このロシアも未だにソ連的な力の均衡理論によりプーチンに統治されています。ただし、現在のロシアは経済的にはかなり小さくなり、軍事的にもソ連時代には全く及びません。だからこそ、圧倒的に強い米国が存在しているうちは、さほど問題にはなりませんでした。

しかし、米国がアジアから撤退すれば、状況は違ってきます。ロシアは、アジアで中国が思うかがままに、覇権を追求することを黙って見過ごすことはありません。ソ連最盛期と比較すれば、小さくはなりましたが、軍事力ではまだまだ、中国にはひけを取りません。

朝鮮半島おいても、日本に対しても覇権を強め、なるべく実行支配できる地域を広げることになるでしょう。そうして、中国・ロシアが日本を実行支配下におき日本の進んだ、技術力を手にいれれば、それこそ、アメリカを追い越すような経済力や、軍事力を手に入れることになるかもしれません。そうして、日本人は彼らに高度な技術を駆使して働かされる一方富を簒奪されて、とてつもなく貧乏になります。

そうして、いずれ米国はアジアから確実に、全面撤退を余儀なくされることでしょう。そうして、アジアは日本も含めて、中国・ロシアが支配することになります。北朝鮮はその先兵になることでしょう。南シナ海、東シナ海は当然のことながら、中国の内海になります。オホーツク海、北極は完全にロシアの支配下となります。

そんな状況を、私たちは断じて容認できません。

北や中国、ロシアの要求がいくら理不尽であろうと、従う以外の選択肢はなくなるのです。それが嫌なら、私たちも核武装して、北・中国・ソ連との間で相互確証破壊を独自で成立させるほかなくなります。これをアメリカが止めることなどできなくなります。なにしろ、アメリカは、時間切れで、北の核を事実上容認してしまったのですから。

というわけで、このようなことを防ぐためにも、一刻も早く、アメリカに北朝鮮攻撃に踏み切ってほしいです。これが、日本の国益にもっともかなうことです。現状を見る限り、もう対話は意味がないです。たとえ、日本が北の攻撃を受けたとしても、それで将来中国・ロシア・北朝鮮のいいなりになることを防ぐことができれば、それで良しとしなければならないでしょう。いまの状況であれば、主戦論こそが正しいです。

サウスカロライナ選出のリンゼー・グラム共和党上院議員は言っています。

「北朝鮮の核ミサイル開発を阻止するために戦争が起きるとすれば、現地で起きる。何千人死んだとしても向こうで死ぬわけで、こちらで死者は出ない」

リンゼー・グラム共和党上院議員
また、

「北朝鮮の核計画と北朝鮮そのものを崩壊させる軍事的選択肢は存在する」と主張。その上で、「北朝鮮が(行動を)変更しなければ(軍事的選択肢は)避けられない。北朝鮮は、大統領に地域の安定と米本土の安定のどちらを選ぶのか選択を迫っている」と強調していました。

彼が言う「向こう」には、日本も含まれるかもしれないのですが、その犠牲を覚悟しなければ、私たちの未来は悪夢意外の何者でもなくなってしまうのは必定です。

米国が、結局北朝鮮を攻撃しないというのなら、日本がそれをできる体制を整えるべきです。核兵器が無理というのなら、先日もこのブログに掲載したように、強力なレーザー兵器を開発し、デス・スターのような人工衛星に積んで、打ち上げるべきです。

東京にある世界最強のレーザー施設
それも、一つではなく、最低2つを打ち上げ地球を完全カパーして、何か日本やアジアにとって危機が迫った場合、外科手術のようにその脅威をすぐに取り除ける体制をとるべきです。

座したまま、北朝鮮、中国、ロシアの軍門に下るよりは、このようなことを実行に移すべく今から計画を立案し、実行すべきです。これが実現する前は、核武装も視野にいれるべきです。

北朝鮮を今のまま放置しておくということは、これほど危険なことであるということだけは、日本人たるものは自覚すべきです。

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2017年8月28日月曜日

習政権、朝日新聞見捨てたか 「新チャイナセブン」読売スクープ報道の深層 河添恵子氏が緊急リポート―【私の論評】日本には中国と本気で対峙しなければならない時が間近に迫っている(゚д゚)!

習政権、朝日新聞見捨てたか 「新チャイナセブン」読売スクープ報道の深層 河添恵子氏が緊急リポート

胡錦濤(左)と習近平(右)
 中国共産党最高指導部「チャイナセブン」(中央政治局常務委員7人)が大幅に入れ替わる、5年に一度の党大会が今年秋、開催される。習近平国家主席への権力掌握が注目されるが、読売新聞は24日朝刊で「中国次期指導部リスト判明」と、驚くべきスクープを放った。この顔ぶれが事実なら、習一派と胡錦濤前国家主席派が、江沢民元国家主席率いる「上海閥」を葬り、今後、北朝鮮とつながる党幹部を粛清しそうだという。東アジア情勢に精通するノンフィクション作家、河添恵子氏が緊急リポートする。

 中国の次期最高指導部リストが、8月下旬に報道されるのは異例中の異例だ。河北省の避暑地で例年行う「北戴河会議」が終わったとはいえ、この時期に報じられた理由を推測すると、いくつかの背景が浮かび上がる。

 まず、このリストは、筆者(河添)含む、世界のチャイナウォッチャーにとって、おそらく意外な人物はいない。


 北朝鮮の「核・ミサイル開発」をめぐり、ドナルド・トランプ米大統領と、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が一触即発で対峙(たいじ)するなか、金王朝と近い“江沢民派の一掃”を誇示したかったのだろう。

 習氏は、金王朝に何ら影響力を持っていない。

 このため、習氏らが4月に米国を訪問(命乞い?)すると、北朝鮮は翌月、中国を「敵」と吠えた。トランプ氏が出した「宿題」通りに、習一派が北朝鮮と密接な北部戦区(旧瀋陽軍区)の江一派を一網打尽にすれば、北朝鮮のミサイルで北京・中南海(中国共産党中枢)が火の海になる可能性も捨てきれなかった。

 習氏はこれを防ぐため、7月に北朝鮮に隠然たる力を持つロシアを訪問し、プーチン大統領と数回会談した。多額の経済援助も用意した。必死だった。

 読売新聞のリストの6番目に入っている栗戦書・党中央弁公庁主任は、習氏とプーチン氏との特別な関係を、ここ数年、下支えしてきた。第2期習政権にとっても、プーチン氏との関係をより深めることが、政権の“命綱”になるためだ。

 3番目に入っている汪洋副首相は、栗氏と同様、習氏の4月訪米に同行した“渡航組”の1人だ。彼の対面はレックス・ティラーソン国務長官だった。汪氏は「米国対応の要」になるのだろう。

 習氏が提唱する「一帯一路」構想の起点は重慶市である。7番目に入った陳敏爾・重慶市党委書記は習一派で、孫政才・前重慶市党委書記が今年夏に失脚した後に後任となった。「一帯一路」構想を維持発展させるためのロケット出世といえそうだ。

 習体制発足から5年、習氏が「一強」の体制固めに邁進(まいしん)してきたことは、多くの識者が指摘している。そのうえで、結論から言うと、この新リストが暗示するのは2期目指導部は「習近平-胡錦濤体制」になるということだ。

 胡前主席は、総書記と、中央軍事委員会主席、国家主席でありながら、江沢民元主席によるかいらい政権のまま2期10年間、悶々(もんもん)としてきた。

 中国の一部メディアにも「習-胡連盟の流れが加速している」との記述が散見していた。胡氏が、息子の胡海峰(浙江省嘉興市市長)のロケット出世を願って、習氏と手を組んだと考えてもおかしくはない。

 香港の雑誌『争鳴』6月号にも、興味深い内容が記されていた。

 「5月10日から11日、中国共産党中央政治局常務委員拡大生活大会が中南海で行われた。胡錦濤、朱鎔基、宋平、李瑞環、呉邦国、温家宝、賈慶林、李嵐清ら退職した中央政治局常務委員が参加し、江沢民、李鵬、曽慶紅、賀国強は欠席した」

 「胡錦濤は、腐敗キャンペーンを進める習近平を高く評価」「胡錦濤は、自身の“科学的発展観”を代価とし、江沢民の“三つの代表”を削除するよう提出。犠牲的に江沢民を攻撃する習近平を助けると発言した」

 この報道が事実なら、胡氏は「共産主義青年団派」(共青団派=団派)のドンとして、習一派らが果敢に繰り広げる江一派の粛清を「大歓迎」していることが分かる。

 最近、重要な会合や葬儀にも江氏の姿はない。「入院中で心臓が動いているだけの状態」という噂も流れている。胡氏にとっても「本格的リベンジ」の時なのではないか。

 ほかにも、リスト公表を早めた理由が考えられる。

 依然として影響力を持つ曽慶紅元国家副主席(別名『江派2号』)や、北朝鮮と直結する江一派の大物を一刻も早く粛清したいためではないか。

 もう1つ、読売新聞が、このリストを「世界初」で入手したとすれば、そのことにも意味がありそうだ。実は、中国は日本メディアの影響力をよく理解している。朝日新聞が慰安婦問題の大誤報などで、読者の信頼を失い、不買運動も広がっている。

 習政権が、朝日新聞を見捨てて、「読売新聞に乗り換える」というサインなのかもしれない。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)、『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)など。

【私の論評】日本には中国と本気で対峙しなければならない時が間近に迫っている(゚д゚)!

以下に、まずは現在のチャイナセブンを示す表と、その下に新チャイナセブンのリストをならべて掲載します。



この表を比較すると、新チャイナセブンからは、江沢民派は完璧に姿を消しています。大子党は習派であり、共青団派は、胡錦濤派であることから、現状のチャナセブンの習派3人、胡錦濤派1人、江沢民は3人から、新チャイナセブンでは、習派4人、胡錦濤派3人、江沢民派0人であり、これは習・胡錦濤派の大勝利です。

今月15日付の産経新聞が報じたように、今秋開かれる中国共産党大会で、習近平総書記の思想・理念が「習近平思想」として党規約に明記される可能性が高まっていました。そうして、この新チャイナセブンのリストをみると、その可能性はほぼ100%と見て間違いないです。

中国共産党史上、指導者個人の思想が党の指導思想として認定された前例には「毛沢東思想」があります。1936年に党の主導権を握った毛沢東は、それから9年間をかけて権力基盤を固めたのち、45年開催の共産党第7回党大会で「毛沢東思想」を党規約に盛り込むことに成功しました。

「毛沢東思想」をコンパクトにまとめた『毛沢東語録』
これで毛沢東は、党の政治的指導者の地位だけでなく、党の思想的「教祖」としての権威も手に入れました。その時からわずか4年後の49年、「教祖」となった毛沢東の指導の下で、中国共産党は国民党政府との内戦で奇跡的な勝利を収め、天下を取って中華人民共和国を建国しました。

そうして76年の毛沢東の死去まで、毛沢東思想が至高のイデオロギーとして党と全国人民を完全支配するようになっていました。一個人の思想がそれほど権威を持った背景には当然、中国共産党を内戦の勝利へと導いて国を開いた毛沢東の「偉業」がありました。

毛沢東思想を広める先兵となった紅衛兵の少女たち 「毛沢東語録」を読み上げている
毛沢東の死後、次の最高指導者となった鄧小平は、改革・開放路線を推し進めて中国経済を成長路線に乗せ、かつての貧困国家・中国を世界第2の経済大国へ変貌させました。この歴史的業績をもって、彼の死後の97年、「鄧小平理論」が党規約に明記されることになりましたが、それは毛沢東思想よりは一段格が下の「理論」にとどまりました。

それに対し、総書記になってからわずか5年、これといった業績もない習近平氏が、建国の父の毛沢東と肩を並べて自らの「思想」を党規約に盛り込もうとしているのです。

党規約に「習近平思想」を記載するのは簡単ですが、「習近平思想」が本物の指導思想として自らの絶対的権威を確立させていくのはかなり困難なことです。毛沢東思想や鄧小平理論の権威確立は、この2人の政治指導者の歴史的業績によって裏付けられたものであり、今の習近平氏にはそれがありません。

したがって秋の党大会以後、自らの「思想」の権威確立のために、習氏はかつての毛沢東や鄧小平と比肩するほどの業績を作っていかなければならないことになります。しかし今の中国には、指導者が内政の面において毛沢東の建国や鄧小平の改革開放に匹敵するほどの業績を立てる余地はもはやありません。これからの習氏にとって、歴史的業績を作り上げるための新天地は、「国の外」にしかありません。

1978年10月22日日本を訪れた鄧小平氏(一番手前)
つまり、習近平は、毛沢東と鄧小平が夢見ていてついに達成できなかった、アジアと世界における中国の覇権樹立という「偉業」を、成し遂げることによって初めて彼の「思想」は本物の「指導思想」となって習近平の統治の正当性を主張できることになります。そのとき初めて、習近平は毛沢東や鄧小平を超える「教祖」として中国に君臨することができることになります。

そうなると、今秋の党大会において「習近平思想」を首尾よく党規約に明記させた後、2期目からの習近平政権は不退転の決意を持って南シナ海と東シナ海に対する軍事的支配と、「一帯一路」の展開による世界への経済支配を両輪とする世界制覇戦略を全面的に推し進めていくこととなるでしょう。

今後、中国の海洋進出や一帯一路による世界のブラック化はさらに加速されることになるどころか、とどまるところを知らなくなります。

「教祖」になろうとする中国共産党独裁者の野望はこうして、アジアと世界に災いをもたらすことになります。その野望を打ち砕き、アジアの平和と安定を守るため、日米はより同盟関係を強める必要があります。さらに、他国の強力を得て、中国包囲網をさらに堅固なものにする必要があります。

さらに、日本は中国と対峙するためにも、憲法改正等急ぎ、少なくとも防衛戦争ができる国にならなければなりません。

なぜなら、今の日本は習近平からみれば、最も与し易い体制だし、日本を屈服させ、属国にでもすれば、「習近平思想」は、絶対のものとなり、習近平の中国内での、統治の正当性は盤石のものになるからです。

7月17日、青森県の艫作崎沖の領海に中国海警局の船2隻が相次いで侵入したり、中国の爆撃機6機が24日、沖縄本島と宮古島の間の上空を通過して紀伊半島沖まで飛行したことは、その前触れです。これから、このようなことが頻繁に起こることになります。

日本には北朝鮮どころか、その数十倍の中国と本気で対峙しなければならない時が間近に迫っています。

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