2021年9月1日水曜日

【日本の解き方】ワクチン接種者にも外出自粛、いつまで押しつけ続けるのか…国会こそオンラインで開催を―【私の論評】コロナ感染症対策は変更すべき!まずはワクチン接種者の自粛を緩和をせよ(゚д゚)!

【日本の解き方】ワクチン接種者にも外出自粛、いつまで押しつけ続けるのか…国会こそオンラインで開催を 

IOCバッハ会長

 緊急事態宣言が21都道府県に拡大し、改めてテレワークの強化や学校でのオンライン授業の導入が促されている。

 8月25日の衆院厚生労働委員会で興味深いやりとりがあった。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、立憲民主党の尾辻かな子氏の質問に答える形で、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長について「人々にテレワークを要請してるときに、また来るんです。バッハ会長の挨拶が必要なら、なぜオンラインでできないのか」と批判した。同日午後の衆院議院運営委員会では西村康稔経済再生相も「国民感情に配慮すべき」と尾身氏と同様に感情的な発言をした。

 バッハ会長は既にワクチンを2回接種している。ワクチン接種者にも感染リスクはあるが、未接種者と比べるとはるかに低いので、そういう人は、世界どこでも行動は原則として自由だ。

 尾身氏らはここ1年半くらい感染者の拡大を防ぐために行動制限一本やりだった。1年以上前から医療体制強化のための緊急包括支援交付金や新型コロナ患者入院確保のための緊急支援事業などの予算は確保されていたが、未消化であったり、補助金を受けていても実際に患者受け入れを怠ったりして、医療の供給体制は強化されていない。

 この点について言及せずに、今頃になって「臨時のプレハブ施設でもいい」というのは無責任だと言わざるを得ない。

 日本のワクチン接種はかなり進んできた。8月27日公表時点で、少なくとも1回接種したのは国民の54%、2回接種も43%になった。もう1、2カ月すると、欧米先進国の状況に追いつく。となると、ワクチン接種者をどのように社会の中で活用すべきかを考えたほうがいい。

 民間のソフトバンクは、プロ野球の一部の試合について2回接種者らを対象にチケットを販売すると発表した。

 国は今後もワクチン接種者を不要不急の外出の自粛対象にし続けたいのだろうか。ワクチン接種者のバッハ会長に「挨拶をオンラインでして来日するな」と言うのは、ウイルス保有者扱いのような言い方だ。世界でワクチンパスポートが導入される中で、今後のビジネス来日者への悪影響も懸念される。

 もちろんテレワークを推進するのは当然のことだが、ワクチン接種者に外出の自粛を押しつけることとは別問題だ。国会や政府分科会こそ、オンライン会議を積極的に導入したらどうだろうか。

 筆者はワクチン接種済みなので、大学の講義などについてはオンラインでも対面でもどちらでも可能で、それぞれのいいとこ取りをしている。講義以外の事務打ち合わせも、状況に応じて使い分けている。

 オンライン導入の前提となるのは一定の設備だが、一部で公費による負担もあり、対応はしやすくなった。かつては新型コロナ対応で大変だったが、今では良い環境が整ったのではないかと思っている。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】コロナ感染症対策は変更すべき!まずはワクチン接種者の自粛を緩和をせよ(゚д゚)!

ワクチン接種者にまで、自粛を要請するの本当にもうやめたほうが良いです。このようなことをするので、多くの人に生活への不満が相当溜まっています。

内閣府は1日、「満足度・生活の質に関する調査」の結果を発表しました。それによりますと、回答者全体の平均満足度は10点満点中5.74点で、昨年と比べ0.09ポイント減少。調査を始めた2019年以降で最低だった。担当者は、新型コロナウイルス感染拡大が影響したと見ています。

男性の0.06ポイント減に対し、女性は0.12ポイントの減少。減少幅は男性の2倍でした。コロナ感染への不安やストレスが生じて困っているとの回答の割合も女性は59.0%で、男性は49.1%でした。

今回特徴的だったのは、東京圏の生活満足度が初めて地方を下回ったことです。 地域別では東京圏に住む人の生活満足度の低下幅が大きく、地方圏を下回りました。

 「新型コロナに感染する不安やストレスに困っている」という回答が東京圏の方が地方圏より多く、感染者数の多さや緊急事態宣言などによる生活の制限が影響したとみられます。

調査は3月、モニター登録した15~89歳の男女を対象に実施。5234人が回答しました。 生活の満足度を10点満点で評価してもらい、それを報告書にまとめました。

内閣府

もう、ワクチンを接種した人にまで、自粛を求めるのは限界に来たといえます。

しかし、こうした生活への不満は、マスコミが増長しているところがあります。特に最近では、「新型コロナ陽性になって自宅療養の場合、医療機関にかかることもできず、ひたすらじっと耐えるしかない」という誤解です。

このようなことが、日々テレビで報道されるので、多くの人が、信じ込んでしまい、このようなことか生活への不満に繋がつているところがあると思います。

結論からいいますが、新型コロナ陽性、あるいは、発熱などの症状がある場合、保健所の連絡を待たずに、診療所の治療を受けることができます。

検査で新型コロナ陽性の結果が出た場合、検査機関(医療機関や民間の検査機関)から「陽性のため、居住地の保健所から連絡が行くので、その指示に従ってください。」と言われることが報道されています。

そして、保健所から連絡が来るまで数日を要する、あるいは、保健所から連絡が来ても、ただ自宅にいて、体温や血中酸素濃度を保健所に報告するだけで(逼迫している地域では、保健所とのやり取りがないこともあります)、医療機関の治療が受けられない、という報道がなされています。

 あるいは、熱が出たため、心配になって近所の診療所に電話しても、「うちは新型コロナに対応していない」と言われて困った、とか、自治体の相談センターに電話してもなかなかつながらない、というお話も報道されています。

 しかし、新型コロナ陽性や疑いのある方が、「保健所の指示が無いと、医療機関の治療を受けられない」ということでは全くありません。陽性者や疑いのある方が、外出の自粛を求められるのは、「感染を広げないようにするため」であり、そこに気を付けていただいた上で、必要な治療はきちんと受けるべきです。

 具合が悪い中で、悪化するかもしれない不安を抱えながら、ただただ自宅にいるというのはとてもつらいことですし、万が一、容態が急変して亡くなるといった事態は、なんとしても防がねばなりません。そのためにも、適時に適切な治療を受けることが必要です。

 陽性が判明したら、あるいは、具合が悪いなコロナかなと思ったら、まずは、かかりつけ医(地域の診療所)などに連絡すべきです。かかりつけ医が新型コロナに対応できない場合、あるいは、かかりつけ医がいない方は、各都道府県で、新型コロナ患者に対応できる医療機関のリスト等(下記は、各県のリンク先の載った厚労省HPです。なお、各自治体のHPを見ると、自治体ごとに「親切度」が違うのが気になります。)がありますので、電話で連絡してください。

そうして予約をして、医療機関を受診することができます。状況によっては、患者が医療機関に出かけていくのではなく、電話やスマートフォンを使ったオンライン診療、そして、自宅に医師に来ていただく往診といった方法が可能な場合もあります。

 制度的にも、実態的にも、最近よく言われる、「新型コロナが感染症法の『2類相当』であるために、すべてを保健所がコントロールしていて、患者側が直接医療機関とつながることができない」ということではありません。

地域によって、新型コロナに対応できる診療所が十分ではない、という問題はありますが、それは法律や制度の問題とは違います。このようなことは、2021年8月13日の厚労省通知「感染拡大地域における陽性者の家族等への検査について」において、「診療所の医師は、検査陽性者を確認した際には、保健所の判断が無くとも、さらにその家族等の濃厚な接触の可能性のある者に検査を促すこと。さらに保健所の連絡を待たず、必要な治療や保健指導を行うこと」という「期間限定の緊急事態措置の更なる強化に関する提言」(新型コロナウイルス感染症対策分科会)(令和3年8月12日)を引用する形で、示されています。

テレビではこのようなシーンが報道され不安を煽っていた

抗体カクテル療法についても、誤解があるようです。早期(発症から7日以内)に投与することで、重症化を防ぐ効果を期待されている抗体カクテル療法は、現時点では、地域の入院設備のない診療所では投与できません。

厚労省の通知(2021年8月25日)により、抗体カクテル療法は、入院だけではなく、「外来でも投与可能」と変更されましたが、この「外来」というのは、入院機能を持ち、24時間救急対応できる病院の外来部門、ということであり、少なくとも現時点において、診療所で投与が可能となったわけではありません。

これは、投与後のアナフィラキシーショックなどに対応する必要があり、そうした機能を有した医療機関での取扱いに限定するという趣旨です。

新型コロナが日本で感染をしはじめて、もう一年を超えました。昨年は、ワクチンもなく接種に関するデータもありませんでしたが、それも除々に整いつつあります。

感染した人のワクチンの接種状況を厚生労働省が調べたところ、2回接種した人の感染は接種していない人に比べておよそ17分の1と大幅に少なくなっていることが分かりました。



さらに、ワクチンを2回接種した65歳以上の高齢者は、未接種の高齢者に比べ、感染後の死亡率が5分の1程度にとどまることが11日、厚生労働省の分析で分かっています。

感染者のデータを一元管理する情報システム「 HER―SYSハーシス 」のデータをもとに、今年6月に感染が判明した高齢者について、ワクチンの接種回数別の死亡者数と死亡率を調べたところ。死亡率は未接種者が4・31%だったのに対し、1回接種者が3・03%、2回接種者が0・89%でした。

ワクチンは間違いなく効いているようです。今後、毎年定期的にワクチンを接種する必要性がでてくるかもしれませんが、特に最近二度ワクチン接種済みの人は、今年から来年の冬あたりまでは、感染率も、重症化率も少ないとみて間違いないようで。

それにしても、国内だけみていては、比較の対象は難しいです。米国の例を以下にあげます。

新型コロナウイルスの再拡大に直面する米国では、ワクチン接種の進んだ州と遅れた州の明暗が分かれています。インド型(デルタ型)のまん延により、ワクチン拒否層が多い州では感染や入院者数が昨冬のピークを上回りましたが、先行州はマスク着用の推奨などを組み合わせ、抑えこみに成功しています。

現在、全米の新規感染者のほとんどをワクチン未接種者が占めています。米疾病対策センター(CDC)が24日発表した研究によると、未接種者が感染する確率は接種完了者に比べて5倍、入院する確率は29倍にのぼります。

CDCのデータによると、ワクチンの接種完了率が全人口の38%にとどまる南部ミシシッピ州では、8月中旬に1日の100万人あたり新規感染者数(7日移動平均)が一時1200人を超えるなど感染が急拡大しました。同州に隣接するアラバマ、ルイジアナ両州とともに接種完了率は全米最低水準で、8月に入って新規感染者数が昨冬のピークを超え過去最多を更新する州が増えています。


深刻な医療逼迫に直面するミシシッピ州保健当局は8月中旬、大学病院の駐車場に2つの「野戦病院」を開設したほか、州外から看護師や呼吸療法士など1000人超の医療従事者の派遣を求める入札を実施。24日から州内50カ所超の病院への派遣が始まりました。

一方、ワクチン接種完了率が65%超と高い東部マサチューセッツ州の新規感染者数は100万人あたり200人程度と、昨冬のピーク時に比べ5分の1程度にとどまります。同州を含む北東部6州の新規入院者数は27日時点で100万人あたり12.6人でした。ミシシッピやアラバマなどを含む南東部8州は72.9人と6倍近い格差があります。

接種完了率が5割台と全米平均並みながら、感染や医療逼迫が最悪レベルなのが南部フロリダ州です。27日の100万人あたり新規感染者数は1000人を超えミシシッピ州を上回りました。共和党のデサンティス知事はマスク着用を義務づけたりワクチン接種証明の提示を求めたりすることを禁じてきました。温暖な気候に引かれ旅行者や退職者が多く集まる土地柄だが、感染対策はほとんど取られていませんでした。

米国の状況などをみても、ワクチン2回摂取者に関しては、マスク、手洗い、三密回避などを行いつつ、自粛はしなくても良い方向にもっていくべきです。

このブログでは、以前から、コロナ感染症を現在の2類から5類に引き下げて、インフルエンザ相当の扱いをし、感染者が増えても重傷者、死者を増やさないようにして、強靭な社会を構築することを主張してきましたが、これを実施する前に、まずはワクチン摂取者の自粛緩和を実行すべきと思います。とにかく、なにかといば「自粛」一本やりの政策は、もうやめるべきです。

自粛緩和の内容としては、ワクチン2回摂取者を対象に飲食店の利用や、GOTOトラベルも含むべきです。ワクチン非摂取者に対して差別することは良くないとは思いますが、区別という考え方で、接種者の自粛は緩和の方向ですすめていくべきです。

特に、ワクチン接種希望者の全員が打ち終わったころには、必ずそうすべきです。ある程度打ち終わったら全員でなくても、様子をみながらその前にしても良いと思います。現在、日本はとてつもない速度でワクチン接種が行われています。10月から11月には希望者全員が家終わることにそうなりそうです。

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