2008年6月29日日曜日

中国海軍の日本に対する傍若無人な態度は何を意味するか?-中国の軍隊は脆弱?


中国海軍の傍若無人な振る舞い
6月28日付の読売新聞の解説欄に「海自艦 初の訪中」と題し、今回の日中防衛交流における中国の海自に対する儀礼を欠いた要求の数々が書かれていました。

その要求を挙げますと、まず昨年11月中国の駆逐艦が訪れる際に中国側は入港地を東京の晴海ふとうを指定し、海自トップの海上幕僚長が出迎えに来るよう要望したそうです。さらに、事前了解も得ずに中国の駆逐艦は予定より一日早く東京湾に入り、千葉・館山沖の領海内に停泊したとのこと。

いくら交流が目的であっても、他国の了解も得ずに領海内に入るなんて非常識も甚だしいです。これに対して海自の幹部は「儀礼を欠いた行為だが、親善ムードに水を差したくなかった」と話したそうです。
親善ムードを先に壊しているのは中国側であり、それに対して日本が壊さないように気を使うというのは、少しおかしいです。

そして、今回海自が中国に入る際に中国側は、早々に北京から遠い南部の湛江と決め、入港後の27日には海自幹部を北京まで出向かわせたそうです。中国側が訪日した際は、海自幕僚長出迎えに来るよう要望しておきながら、、日本側が訪中した際は、海自幹部を北京まで呼びつけるだなんて、一体何様なんでしょう。

また、海自の護衛艦は中国の要望で護衛艦のマストの右に中国国旗を掲げ、左側に日本の国旗を掲げたそうです。しかし、中国の駆逐艦が日本に来たときには日本の国旗など掲げていなかったとのこと。

防衛交流の基本は相互主義なのだそうですが、これだと中国の無茶な要望だけが
目立ち、それに日本が事を荒立たせないように唯々諾々と受け入れているように
見えます。

今回、中国軍が自衛隊と協力して~とありますが、最近の中国側の友好という名の下の急接近は何らかの意図があるように見えてしまいます。先の無礼な要求から見ても、中国側が本当に日本と友好関係を結ぼうと考えているようには到底思えません。

また、中国は日本の領空、領海侵犯を繰り返しているような国であり、日本にとって警戒すべき国の1つです。むこうがいくら友好だ親善だのと言っても、言うべきことやるべきことを相手が「嫌がる」という理由で控えていては、本当の友好など築くことなど出来ないと思います。

中国海軍日本に対してしっぺがえしか?
さて、中国海軍の日本への寄港に際しての不手際ないしは傍若無人さは、おそらく中国側の非常識と考えて差し支えないと思います。なぜなら、中国海軍は歴史が短く、何が儀礼なのか、何が傍若無人なのかわからないまま行動した結果なのだと思います。おそらく、意図的に海軍側が実施したものと思います。

ご存知のように、後でも述べますが、中国という国は一枚岩ではなく、事実上分裂しています。中国の中央政府ですら派閥があり、日本では考えられないほどの分裂状況です。さらに、地方政府があり、これも分裂しています。さらに、中国人民解放軍も分裂しています。ただ、分裂しているだけでなく、人民解放軍もそれぞれいくつかに地方で分裂しています。普通の国の政府や、軍隊ではありません。普通の国であれば、政府が日本に自国の海軍が寄航することを約束したとすれば、海軍は政府の命令によって寄航するわけで、自分たちの考えを差し挟む余地はありません。

しかし、中国は違うのです。人民解放軍は、地方共産党の配下にあり、今回寄航した海軍の管轄する地方共産党と中国中央政府とは良くコンセンサスが図られていなかったのだと思います。だから、今回寄航した中国人民下方軍の駆逐艦からすれば、仕方なしに来てやったという感覚があるのだと思います。こう考えると中国海軍の傍若無人は考えやすいと思います。ただし、先進国の軍隊であれば、そんなことはありえません。他国にやってきたのならば、とにかく、国を代表して来ているという意識でものごとを進めます。ここが、中国の特殊事情で、他国では考えられないことです。

さて、先月の末頃に、日本の自衛隊機が中国に支援目的で行くことになりましたが、結局は取りやめになりました。このことに関して、日本の報道機関や、専門家などがいろいろ行っていましたが、私はそのほとんどが外れていると思います。あれは、結局は中国が大規模な地震などの国家的な脅威に対しても、一枚岩で動けないことの査証であったと思っています。あの出来事によって、中国は未曾有の危機のときでも、リスク管理ができず、一枚岩で動けないことが、はっきりしました。というより、世界に向かってさらされたというべきでしょう。中国の他国には見られない、特殊性、脆弱性が日本の交渉によって明確になったといえます。このことに関しては、私が以前に書いたブログの記事『自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安保会議でも話題に-結果的には日本外交の勝利か?』を参照してください。

私の考えでは、今回の日本の自衛艦訪問に関しては、前回の自衛隊機派遣のにのまいにならないように、中国中央政府、地方政府、人民解放軍などで、議論してコンセンサスを図った受け入れそのものは統一的意思によって決定したのだと思います。ただし、やはり人民解放軍としては、前回の件で頭の悪さなど世界に向かってさらされたため、喜んで受け入れるというのではないのだと思います。だからこそ、受け入れはするが、積極的にではないという意思表示、平たくいえば「しっぺ返し」をしたのだと思います。普通の国なら、海軍は国の受け入れしたがって最大限の儀礼をもって迎えるのが当然です。ここでも、結局は中国の特殊性が世界に向けてさらされてしまったということです。

先回の自衛隊機派遣中止の不手際、そうして、今回の不手際などみていると、結局中国は統一した意思では動けないのだと思います。こうしたことを見ていると、中国は昔からリスク管理などは行えないし、これからも無理なのだと思います。周辺の小さな国の暴動の鎮圧などは別にして、この能力の低さから、いくら軍備に力を費やしたとしても、強い軍隊はつくれないと思います。実体は、核兵器など配備していたり、いろいろな最新兵器をそなえていながら、本当に大国とある程度の大きさ以上の戦争になった場合、坂道を転がり落ちるように負け続ける弱い軍隊しか持てないような気がします。それよりも、何よりも、何か本格的にまずいことが起こったら、分裂して、中華人民共和国自体を分裂するために寄与することになるのではないかと思います。私は、かねてから中国の分裂を主張していましたが、今回の中国海軍の行動を見ているとますます、それを確信せざるを得なくなってきました。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

■<北京五輪>空からのテロに備え、地対空ミサイルを配備か-異常行動の中国?

■厳戒のラサで聖火リレー-チベット暴動から3ヶ月-中国の五重苦をどう解消するつもりなのか?

■「おから工事」批判で国家政権転覆罪-確定した中国分裂の筋書き?
■「80後」は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?
■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?

■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!

■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?

■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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2008年6月28日土曜日

功奏した対北制裁 絶対に安売りは禁物-テロ支援国家解除でも有利になるよう立ち回る12の方法!

功奏した対北制裁 絶対に安売りは禁物 西岡力・東京基督教大学教授(すでに読まれた方、内容を熟知している方は読み飛ばしてください)
北朝鮮の核計画申告を受け、拉致問題が未解決にもかかわらず、米国がテロ支援国家の指定解除を表明したが、日本にとって決戦の時はまさにこれからだ。国内には「拉致被害者家族らは米国に依存し過ぎではないか」とし、対北朝鮮問題膠着(こうちやく)の一因とする意見もあるが、膠着状態にあったわけではない。腕相撲は双方の力が均衡しているときは動きがないように見える。対北制裁が効いているから北朝鮮は我慢する。そして、これを続ければ相手は動く。

制裁を受けた北朝鮮は2006年に慌ててミサイル発射と核実験を実施し、中国に助けを求めたがさらに追い込まれた。最終的に米国に近づき日米との交渉を選んだのだ。彼らの目的は代価を安くし制裁を解除したうえ、できるだけ日本やアジア開発銀行(ADB)などから金を取ることだ。日本は今後も絶対に制裁の効果を安売りしてはならない。

拉致問題をめぐって今後、北朝鮮は対米アリバイ工作に出ることが予想される。拉致被害者の再調査を約束したが、まともな調査をせず時間稼ぎをする。さらに日本を6カ国協議の中で孤立させる。テロ支援国家指定解除を達成し、米朝関係を先に進めるという考えだ。

また、日本の世論に「残りの拉致被害者は死んだかもしれない」と思わせるような隠し球を持っているかもしれない。家族会を遺族にしてしまうような国民情緒を作るのが狙いだろうが、その工作をいかに跳ね返すか。状況次第では日本にとりチャンスにもなる。

核問題で米国がやっていることは中途半端だ。北朝鮮に対するハードルをどんどん下げており、日米同盟への重大な脅威だ。こうした中にあっても日本は核と拉致の完全解決まで妥協してはならない。それが国益を守るうえでの最低ラインだ。



米国テロ支援国家指定解除でも有利になるように立ち回ることはできる12の方法!
上記の西岡力、国際基督教大学教授の見解、もっともです。私も基本的にこの立場に賛成です。
さらに、北朝鮮に対する米国テロ支援国家指定解除でも日本に有利になるように立ち回ることはできるということを中心に補っておきたいと思います。それには、目的を達成するためなら何でも許されるという北朝鮮の方式を見習い、悪魔のようなやり口を知恵の限りだして全知全能で徹底的に闘争することです。交渉相手を徹底的に不安や焦燥感にかりたてるのです。これが北朝鮮のやり方です。これを見習うのです。日本にとっては、失うものはほとんどありませんが、北朝鮮にとっては場合によっては、数百万の人の命を失うことになるかもしれません。悪魔には悪魔の手法を持って、のぞむべきだと思います。

まず第一に、指定解除の開始の発行までにはまだ少しですが時間があることです。期待感を持っているいる北朝鮮に対して、拉致問題の解決がなければ、日本はこれからも制裁を続ける旨を再徹底することができます。

第二に、アメリカのテロ支援国家指定解除が施行された後では、逆にその取り消しをアピールすることだと思います。一度手に入れたものを引き剥がされる恐怖は、いままでないものを得るよりもかなりインパクトがあります。それこそ、日本の役人が、既得権をなかなか譲りたがらないのと同じです。日本の銀行が中小企業に対して行ったように、徹底的な貸し剥がしの恐怖を与えるとか。日本は他国で貸し剥がしをした国とは有効関係を保つが、貸し剥がししない国とは関係を見直すとか・・。

第三に、アメリカだのみだけではなく日本でも、テロ支援国家指定を行い、その指定を受けた国とは、関係を一切絶つ旨を公表し、世界に向けて発信することです。

第四に、韓国やフランスなどでも、拉致された人がいるので、これらとも共同戦線をはることです。外国の拉致被害も徹底的に報道すべきです。アメリカ、ロシア、アフリカからなども、拉致された人がいるという話をまことしやかにでっちあげるとか・・・。

第五に、最終的には拉致問題がいつまでたっても解決しない場合には、北朝鮮が民主化されて国体が変わった場合を除き未来永劫にわたって制裁を続ける旨をはっきりと伝えるべきと思います。中国のまねをして、日本が中国の一部になる地図のように、北朝鮮が韓国や日本の領土になるような怪文書を発信する。

第六に、韓国などに対して、拉致問題に努力をみせるなら、格別の援助などすべきです。中国、ロシアなどに対しても実際に拉致問題に努力をすれば、格別の援助などすることを約束して実施すべきです。とにかく、周辺諸国に対して徹底的に拉致問題に向かわせるよう仕向けることです。オリンピックや、洞爺湖サミットなどでも、人さらいの破廉恥ぶりをアピールするとか・・・。

第七に、世界各国語に翻訳した拉致問題の内容などわかりやすく解説した動画など、どんどんYouTubeなどに投稿して世界中の人々に知ってもらう努力をすべきと思います。まあ、常識的に言って人さらいは重罪ですから、誰もが理解してくれることでしょう。wikiabdaction.com(拉致問題のウィキペディア)などつくるのも良いでしょう。北朝鮮のサイトにサイバー攻撃をしかけて、拉致問題を掲載するとか。

第八に、日本の商社などとも組み、北朝鮮の物産を大量に買うと見せかけて、交渉成立の直前に政府が横槍を入れて、意気消沈させるようなことを繰り返し行うことです。実際には商社も最初からわかっていることなので、実害はこうむりません。
政府レベルでも実施すべきです。たとえば、米を無償で数千万トン提供する旨約束しておきながら、ドタンバでキャンセルするとか、医薬品を提供すると確約しておきながら、ドタンバでキャンセルするとか。原油を提供するとみせかけて、ドタキャンするとか。福田スマイルで、その他もいろいろ確約しておきながら、ドタンバになってキャンセルするとか。
さらに、キャンセル続きだったのが、本当にあげて期待させておきながら、次の約束は破棄するとか。とにかく、日本の援助を徹底的にあてにさせるようにして、翻すようなことを数回繰り返し、抗議してくれば、拉致問題の進展がないと応えれば良いのです。ドタキャンによって、北朝鮮の人々が飢えることになり、そのために数百万人が餓死するかもしれないような状況に追い込むなど・・・。
トラックや、自家用車を供与するが、電子部品の中に誰にもわからないようにプログラムを潜ませておき、ある一定の時間がおこると、交通事故がおこるようにするとか。事故が起こる直前にそのプログラムは完全消去され、あとからチップや記憶装置を調査してもわからないとか。
悪魔のような手口がいくらでも考えられます。

第九に、北朝鮮への金品、物資などどんなルートからもできないようにします。おそらく、闇ルートがたくさんあると思います。それらを徹底的にカットし根絶やしにします。日本にある北朝鮮と関係のある金融機関の資産の凍結や、闇金融の徹底的な摘発を行います。さらに、北朝鮮系の企業や産業など、北朝鮮に対して物資や資金その他便宜をすると、何らかの規制がかかり、事業継続がしにくくなる法律や、規制を導入するとか・・・。
その後に、この切断した、ルートを回復する約束を確約し、北朝鮮の役人を日本に来させて、徹底的にいびるとか。たとえば、交渉には、日本側は多数の人間が交代であたる、向こう少人数、のらりくらり、のらりくらりと実施する、イギリスのチャーチを見習い(チャーチルはこれが得意で、アメリカの外交責任者がいやになって耳をふさぎうなだれるというシーンがよくみられたそうです)、雄弁な演説を数十人がぶち、2ヶ月も、3ヶ月も会議を毎日実施して、あげくの果てにご破算にして北朝鮮側の役人を発狂させるなど。さらには、日本側が徹底的にあることないことこの役人のことをあげつらい、交渉がうまくいかないことをこの役人のせいにして、この役人が北朝鮮に戻ると死刑になるように仕組むけるなど。(これは本当にありえます、北朝鮮では本当に食料を調達できなかった農林水産次官のような人が死刑になったことがあります)。
これを何回も繰り返し行い、北朝鮮の役人が日本に来るときは、死を覚悟しなければならないようにするとか。あるいは、日本に滞在したことのある役人が来た場合には、麻薬でも何でも、罪をでっちあげ、その役人を徹底的にいたぶって、半狂乱にしてから母国に帰すとか。もし、日本側が逆にそうされそうになったら、徹底的な貸し剥がしをすると脅すとか。やり口はまだまだあります。

第十に、日本の教育の場でも、小学校のから高等教育まで教科書にはっきり掲載する形式で、拉致の不当性を徹底的に追求する内容の教育を開始すべぎです。どんなに酷いキャンペーンをはっても、人さらいは重罪であることには変わらず、日本が非難を受けることはないでしょう。朝鮮系の学校でもこれを教育することを強要するとか。破廉恥国家北朝鮮を日本に在住する北朝鮮系の子供達にも教育しなければ、学校法人は存続できないようする。

第十一に、最近自衛艦も訪れた中国、それから韓国、ロシアなども含めた、北朝鮮を仮想敵国とする軍事演習を頻繁に実施します。これは、中国の艦船が日本を訪れたり、日本の自衛艦が中国を訪れたりしたため、あながち荒唐無稽でもなくなりつつあります。最初は、洋上での避難訓練とか、簡単な事から始めてなしくずしにして実質的な演習をします。日本で自衛隊が訓練するときは、仮想敵艦、仮想的部隊は、全部北朝鮮にするとか。日本の領海や、領空を侵犯した北朝鮮の船や飛行機があった場合には、1回警告しただけで、確実に撃沈、撃破するとか。

第十二に、脱北者に対する徹底支援です。日本で、職業訓練など手厚く行い。立派に生活できるようにしてあげて、北朝鮮に対してその事実を伝えます。いかに、北朝鮮が異常な国であるのかがわかり、日本で生活することの自由さ、楽しさを伝えるものとします。本当に頭の良い子供には、教育費も無償で提供して、留学などさせて、北朝鮮の実情を全世界的に公表させるとか・・・・。

これだけやれば、北朝鮮もいずれ屈服すると思います。屈服しなければ、日本にとって北朝鮮は拉致家族の問題を除きこの世に存在しない国ということになります。いずれにせよ、徹底的に制裁を継続し、目的を達成すべきです。まあ、上で述べたうち、ほとんどテロに近いものは別にしても、いろいろなことが考えられると思います。日本も北朝鮮の上前をはねるくらいの悪魔ぶりそれも、合法的な悪魔ぶりを発揮すべきと思います。ソ連のKGBの連中ですら、北朝鮮には手を焼き、交渉していると頭がおかしくなりそうなので、ヤツらを構うのはやめようとしめしあわせていたそうです。今度は、日本が逆に北朝鮮の交渉者を発狂させるくらい頑張るべきだとおもいます。

ところで、内輪の話で申し訳ないですが、西岡力・東京基督教大学教授って、うちの会社(オーディンフーズというより、今は子会社のC&C)の櫻井さんに異常に似ていると思うんですが、知っている方どう思いますか?ほとんど、瓜二つですね。

ところで、このブログでは北朝鮮に関するものを掲載したのは、今回が初めてです。これからは、時々掲載していきたいです。ただし、過去のブログで一言でも『北朝鮮』という言葉が出てきた記事は以下からご覧になることができます。以下の反転文字をクリックしてください。当該記事に飛ぶことができます。北朝鮮に関して直接は書かれていませんが、自分でいうのも何ですが、結構面白い意外なものがひっかかってきました。

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2008年6月27日金曜日

グッドウィル・グループ<4723.T>、7月末に子会社グッドウィルの全事業を廃止することを決議-社会問題を含む分野こそNPOの出番か?

グッドウィル・グループ<4723.t>、7月末に子会社グッドウィルの全事業を廃止することを決議(すでに読んだ方、内容を知っている方は読み飛ばしてください)
[東京 25日 ロイター] グッドウィル・グループ(4723.T: 株価, ニュース, レポート)は25日、7月末をめどに子会社グッドウィルの全ての事業を廃止することを承認決議したと発表した。

禁止されている労働者の二重派遣で、グッドウィルが罰金の略式命令を受けた。これにより、厚生労働省がグッドウィルの派遣事業許可を取り消すことを見越して決めた。

日雇い派遣そのものに対し、舛添要一厚労相は原則禁止の方針を示している。グッドウィルはこれまでも違法派遣を繰り返していた。派遣事業取り消しは妥当な措置だ。廃業に際し、グッドウィル・グループは、派遣労働者七千人と従業員四千人の受け入れ先を、責任を持って探さなければならない。

日雇い派遣は「ワーキングプアの温床」と言われる。労働者は派遣会社に登録し、仕事があるときだけ派遣会社と契約する。仕事があるかどうかは直前まで分からない。雇用が不安定な上、賃金も低い。派遣先企業としては、必要な時だけ労働力を手軽に調達できるという“利点”があろう。一方、日払いで給料を受け取れるため、日雇い派遣から抜け出せない労働者もいる。

舛添厚労相が原則禁止の方針を打ち出したのは、日雇い派遣は構造的に、多くの問題を抱えるからだ。二重派遣以外にも、港湾運送など禁止業種への派遣といった違法派遣が相次いでいた。安全対策がおろそかになりやすく、労働災害が多い。派遣会社がマージンを過大に取る「ピンハネ」も横行するという。

日雇い派遣を認めた労働者派遣法が一九八六年に施行された当初、派遣対象は通訳など専門性の高い十三業種に限られていた。その後、規制緩和の流れの中、企業側の要請で、派遣の自由化が進んだ。安易に対象業種を拡大し、問題を放置してきた責任は政府にあるが、企業も安価な労働力確保のため、問題から目をそらしてこなかったか。

厚労省の審議会が昨年、労働者派遣法の改正に向けて議論した際、労働側が日雇い派遣の禁止を求めたのに対し、企業側は継続を訴え、議論が中断したままだ。あたかも使い捨てのような労働力の流動化は、社会全体の不安定さにつながる。企業は社会的な責任をもっと自覚すべきだろう。

厚労省は次期臨時国会に、特定の専門業種を除き、日雇い派遣の原則禁止を盛り込んだ労働者派遣法改正案を提出する構えだ。単に禁止するだけでなく、ワーキングプアを生まないための仕組みづくりを十分に検討してほしい。なによりも、これまでの日雇い派遣労働者が働き先を失うようなことがあってはならない。

社会問題を含む分野こそNPOの出番か?
今回の派遣の問題のまえに、同じグッドウィル・グループの介護事業会社のコムスンも今年3月で清算されたことは、皆さんの記憶にも新しいと思います。

グッドウィル・グループに関する最近の一連の出来事は、介護事業や、今回の派遣事業などの社会問題に対処する事業について民間セクターが実施すと失敗しやすい格好の見本になったと思います。私は、グッドウィル・グループの問題については、ただ、創業者の前社長が悪かったなどといって簡単に済ませられる問題ではないと思っています。

実は、このグッドウィル・グループなどの出来事と根は同ですが、それよりも、はるかに大きくて、損失も果てしなく、世界経済を停滞させるような出来事がありました。それは、サブプライムローン問題です。この問題一見今回のグッドウィル・グループの出来事などとは全く関係がないようにみえます。

しかし、根は同じです、サブプライム・ローンのもともとの趣旨は、低所得者層に立派な住宅を提供するというのが趣旨です。私は、以前もこのブログで述べましたが、サブプライム問題は、民間セクターが社会問題などに手をつけると失敗しやすいことの格好の見本になったと思っています。このような事業に関して、政府がやれば、役人天国などに象徴されるようにもっと酷いことになるのは目に見えています。やはり、第3のセクターであるNPOが重要になってくると思います。

なぜそのようなことを言うかというと、デトロイトでは昔からNPOが都市計画を実施していて、高齢者向け住宅や、低所得者層の住宅を提供していて大成功していて、特にサブプライムローンのような問題は発生していないからです。

デトロイトでは、昔からNPOが盛んに活動しています。ありとあらゆる分野に進出して社会問題を解決したし、今でも解決しつつあります。市の真ん中には、NPOタワーと呼ばれる大きなタワー型ビルがあり、そこにありとあらゆるNPOが入居しています。

その中には、デトロイトの都市計画を受け持つNPOも入居しています。市の都市計画は実質上このNPOが受け持ち、市役所は全体を管理するだけで、担当する人もごく少数です。こうした、NPOには、無論有給の正職員もいれば、無給のボランティアの人々もいます。正職員は、民間企業でながく活躍してきて、それなりの成功を収めた人達が多く、ただし、民間企業の株主のための経営ということに限界を感じて、本当に社会のために働きたいと思い、民間企業を辞めた人などが勤めています。

これら、NPOと、先の民間セクターの大きな違いは何でしょうか?NPOは、手弁当で集まる善意の人たちだから、時間も限られているし、管理は甘くなって当然などということはありません。有力なNPOは、通常の民間企業よりも管理は厳しいくらいです。民間企業は、経済的成功を収めていればそれで良しとするところがありますが、NPOは社会的貢献をしていなければ、いつ補助金や、寄付金など打ち切られるかもしれないため、常に社会貢献をするだけではなく、自らの存在価値を補助金や寄付金を寄せてくれる人たちの団体や個人を納得させなければならないからです。

有能なNPOがグッドウィル・グループのような事業を展開したとしたら?
まず、人材派遣業は、デトロイトのNPOでも実施しています。このNPOでは、ただ人を派遣するだけではなく、教育・訓練まで施します。ある事例では、アフリカからできてきた少女で言葉もできず、特に手に職もなく路頭に迷っていましたが、NPOの職業訓練プログラムに入りました。数年間訓練を受けて、その少女はデトロイトの優良企業に就職することができました。それから十数年を経て、その少女は立派な女性・立派な従業員に育ち、今ではその企業の副社長になっています。このプログラムに参加しなかったら、彼女は今でも路頭に迷っていたことでしょう。

このNPOでは、市内の複数の企業と提携していて、プログラムに参加した人で優秀な人を提携企業に斡旋します。企業とNPOでは、あらかじめ定めてあった、評価基準によって、斡旋した人のグレードを定め、そのグレードにしたがって一人当たりいくらという斡旋料をNPOに支払います。これによって、企業側は採用や教育訓練の手間を省き、しかも優秀な人材を獲得できます。NPO側は、斡旋料を組織の運営に用います。こうした、NPOには無論ボランティアの人たちも多く参加しています。技術を持っているひとは、技術を教える役をかったり、教えられるような技術を持たない人は、街頭でプログラムに参加しそうな人達をスカウトしてくるなどの仕事をしています。

こうした、例はデトロイトのNPOの活動のごく一部を紹介したものです。他にももっとはるかに巨大なプログラムなども存在します。

日本では?
残念ながら、日本ではNPOの歴史が短く、大きな社会事業に取り組むものなどまだほんの一握りです。日本でコムスンなどのような事業をNPOが実施するとしたら、いろいろなことが考えられます。まずは、無給のボランティアも採用して、専門の福祉士でなければできないような介護、介護計画の立案などは社会福祉士に任せ、それ以外のことはボランティアが実施するなどです。これによって、少ない介護士でも、十分多くの人たちの介護ができるなどのメリットがあります。さらに、NPOであれば、経済的利益を得ることが絶対条件ではなく、社会的使命を遂行することと、組織の存続が絶対条件となるため、様々な利点があるし、小回りもきくようになります。

介護に関しては、あるNPOでは介護預金なるものを作り出し、介護を細かく分類して、たとえばボランティアが家事の買い物の手伝いをすると何点という点数を付与します。自分のできる範囲のことでも、手伝いをすれば点数表に加点されます。その点数がたまって、自分がある程度の年齢になって介護が必要になったら、その点数分は無料でNPOから介護を受けることができます。

このような仕組みはいくらでもできると思います。NPOだからやりやすいという点もたくさんあります。日本も、はやく有力な社会事業家が排出して、グッドウィル・グループの実施しているような社会事業に取り組んでいただきたいと思います。

それに、最近では、第一次産業、第二次産業の生産性が飛躍的に高まり、従来ほどあまり人を必要としません。第三次産業もネットワークが発展してきたため、同様に従来ほどは人の手を必要としなくなってきました。生産性が高まった結果、多くの産業で従来ほど人手を必要としなくなってきました。こちらは函館ですが、前に農林水産業の人口構成比はどのくらいなのかと調べてみたら、何と、わずが2%ほどで、2%セントもきっていました。函館市というと水産物が有名ですが、就労する人の人口は2%にもみたないのです。函館の人口は30万程度ですから、ほんの数千人です。このようなことか全国各地で起こっているのです。

ところが、社会問題に関する人手の必要性は年々高まってきています。派遣労働の問題、介護の問題、それだけではなく、自殺者の増加、この世の中にはあらゆる形の社会問題が山積しています。これを解決するには、行政セクターでも、先にあげたように民間セクターでもなかなか難しい面があります。これを解決しやすいし、するべきは第三のセクターであるNPO(非営利団体)だと思います。このNPOも、手弁当的に、半分お遊び程度、時間つぶし程度に行うのならそうでもありませんが、本格的に取り組むのなら有償で働く正職員が必ず必要になってきます。こうした背景を考えると、やはりNPOも雇用の受け皿となるべきと考えます。

特に、9世紀、20世紀のようなジャングルのような混沌とした都市ではなく、21世紀には都市を文明化するために、このような多種多様なNPOが多数排出することが、必要不可欠だと思います。また、そうならなければならないと思います。

NPOに関する、当ブログに掲載された過去の記事は以下の反転文字列をクリックして、是非お読みください。

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2008年6月26日木曜日

Invitation For Jazz-Joe Henderson

Joe Henderson - Once I loved

ジョー・ヘンダーソン(1937.4.24~2001.6.30)・・・”テナー・タイタン”の異名をとり、暖かい独特の音色とスリリングな演奏スタイルが魅力のテナー奏者。アメリカ、オハイオ州リマ生まれ。ケンタッキー州立大学、デトロイト・ウェイン大学に学んだ後、プロ活動を開始。軍役を終えた62年にニューヨークに進出。

ジャック・マクダフ、ケニー・ドーハム、ホレス・シルバー、フレディ・ハバード、ハービー・ハンコックらとの活動を経て、自己のグループを結成。71年にはジャズ・ロック・グループ”ブラッド・スエット・アンド・ティアーズ”にも在籍しました。


70年代半ばにはカリフォルニアに移住、音楽教育にもカを注いだ。85年には”ワン・ナイト・ウィズ・ブルーノート”コンサートに出演。90年代に入るとヴァーヴと契約。ビリー・ストレイホーン、マイルス・デイヴィス、アントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュート作品をリリースしたほか、ガーシュウィンのオペラ作品に取り組むなど、ユニークな活動を展開しました。


しかし、 98年10月に肺気腫の発作で倒れると活動の中断を余儀なくされ、その後は闘病生活を送っていましたが、01年6月30日、復帰を願うファンの願いもむなしくサンフランシスコで帰らぬ人となりました。

彼の暖かいテナー・サックスの演奏は今でも多くの人を魅了し続けています。

過去のInvitation。反転文字列をクリックすれば、当該記事に飛びます。

■Charlie Haden-チャーリー・ヘーデン
■DANIEL SCANNAPIECO-ダニエル・スカナピエコ
■ANDREA SABATINO-アンドレア・サバチーノ
■DAVID BENOIT-デビッド・ベノア
■JOSE JAMES-ホセ・ジェイムス
■Lizz Wright―リズ・ライト
■MARICA HIRAGA-平賀マリカ
■SCOTT HAMILTON-スコット・ハミルトン
■ROY HARGROVE-ロイ・ハーグルーブ
■Taylor Eigsti-テイラー・アイグスティ
■Frank Sinatra-フランク・シナトラ
■TAIHEI ASAKAWA-淺川 太平
■NARUAKI KIKUCHI-菊地 成孔
■TOROPICAL JAZZ BIG BAND-熱帯ジャズ楽団
■Quincy Jones-クインシー・ジョーンズ
■DAVID SANBORN-デビッド・サンボーン
■JOHN PIZZARELLI-ジョン・ピザレリ
■BERARDI JAZZ CONNECTION-ベラルディ・ジャズ・コネクション
■HARVIE HANCOCK -ハービー・ハンコック
■TOKYO ZAWINUL BACH-東京ザビヌルバッハ
■SADAO WATANABE-渡辺 貞夫
■TOM SCOTT-トム・スコット
■LOIS ARMSTRONG-ルイ・アームストロング
■JOHN COLTRAIN-ジョン・コルトレーン
■THE JAZZ INVADERS-ザ・ジャズ・インベーダーズ
■KEITH JARRET-キース・ジャレット
■ELECTRO DELUXE-エレクトロ・デラックス
■TRIBAL TECH-トライバル・テック
■MARK MURPY-マーク・マーフィー
■NORMAN BROWN-ノーマン・ブラウン
■TONY MONACO-トニー・モナコ
■DAVE KOZ-デエィブ・コズ
■ROOM ELEVEN-ルーム・イレブン


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2008年6月25日水曜日

<北京五輪>空からのテロに備え、地対空ミサイルを配備か―異常行動の中国?

写真は、駆逐艦「シンセン」に掲載されている『HQ-7』。これと同型のものが、オリンピックメイン会場の『鳥の巣』に配備されたという。
<北京五輪>空からのテロに備え、地対空ミサイルを配備か―中国(レコード・チャイナより、すでに知っている人、読んだ人は読み飛ばしてください)
2008年6月23日、香港「星島日報」の報道によると、オリンピック期間中の空からのテロ攻撃に備えるため、メイン会場「鳥の巣」付近に地対空ミサイルが配備されたという。「新華網」が伝えた。

この様子を目撃した人は「21日の早朝、オリンピックセンターを横切った際に迷彩服に身を包んだ多くの軍人を発見。さらに前進すると数台のレーダーとミサイル搭載車両が2台あった」と証言。

また軍事情報を伝えるあるサイトには、フェンスの手前から写したミサイル弾とミサイル搭載車両などの写真6枚が掲載され、その中には遠方に「鳥の巣」の姿が確認でき、フェンスに「軍事管理区域につき進入禁止」の看板が掲げられている写真もある。

軍事専門家によると、掲載されているのは「HQ-7(紅旗7)」と呼ばれる中国国産の短距離地対空ミサイルで、このタイプは車両や船舶への搭載が可能で、射程距離は500mから12km、命中率は80-90%とされているという。

なお、地対空ミサイルの配備に関して、オリンピック委員会の安全保障部門および軍関係機関のいずれも今のところ正式なコメントは発表していない。

なぜ鳥の巣付近なの?
近くには配備されたとは、どの程度近いところなのか?それにっても違ってきますが、通常の軍事上の常識からいえば、もっと離れたところに配備すべきだと思います。少なくとも、2km以上は離すべきだと思います。まあ、写真に掲載したように、駆逐艦などであれば、ミサイルが駆逐艦に搭載されていて、守るべき部分と、攻撃するミサイルが隣あわせにあるということは、仕方のないことで普通のことだと思います。しかし、陸上では常識を翻すものです。

その理由として、まず、このミサイルが何かで攻撃されたとき、爆発などを起こせば、あまり近くに守るべき対象があれば、その対象自体に爆発の影響が及ぶからです。

それから、守るべき対象に関して、遠くから俯瞰できるところに配置したほうが、相手を狙いやすいということもあります。ただし、そうなるとすべてを俯瞰できるように複数箇所にミサイルを配置する必要がある場合もありますが、それにしてもすぐ近くだとかえって不味いような気がします。

また、すぐ近くに配置しようと、少し遠くに配置しようと、攻撃対象に届くまでの時間はたいした変わらず、近くに配置することにはあまり意味がないと思います。

ありえないような非常事態に対処することが目的か?
このミサイル配置には、どうも疑念を感じざるを得ません。いままで、どこの世界に近くに配置したなどという事例があるでしょうか?テロなどの備えるつもりなのでしょうが、それなら、兵隊が背負うタイプのものでも、今なら十分破壊力もありますし、到達距離もながくなっています。軍事的な常識を無視して、ある意味危険を冒してまで、オリンピックというお祝い事の会場の近くに、このような配備の仕方をする必要があるのでしょうか。

いろいろと、考えてみて、はたと思い当たりました。恐ろしいことですが、これは、実は「鳥の巣」を守るためではなく、むしろ「鳥の巣」を攻撃するために設置したのだと・・・・・。

予想されることとして、まずは、オリンピック開催中に非常に不味いことが起こったときに、諸外国に対して、「鳥の巣」に人質をとっているという脅しをかけるためかもしれません。実際に攻撃をすることはないとは思いますが、実際にミサイル配置によって人質をとっているのと同じ効果があります。このミサイルちいさいですが、核兵器ほどの破壊力は期待できませんが、一発でも鳥の巣を完全に破壊する威力くらいは、搭載できます。ただし、この場合遠くにミサイルを配置しても同じことなのであまりありえないかもしれません。ただし、近くに配置しておけば、実際にミサイル攻撃をしたとしても、テロリストが自爆テロをして、ミサイルごと吹っ飛んだなどと発表して逃げることができます。

さらに、過激派などが、核兵器を持ち込んだ場合、その核兵器が中国のかなりの部分を破壊するおそれがあった場合、有無をいわざす、相手が核爆弾を爆発させる前にミサイル攻撃をし、すべてをまとめて吹き飛ばすとか?そうなった場合には、核爆発は防ぐことはできますが、世界中に多くのからきたオリンピックの観客や、オリンピック選手も死にます。その場合は、テロリストが、ミサイルを自爆させたなどの発表して逃れるつもりかもしれません。

まあ、上記の2点に関しては、半分冗談ですが、誤射の危険はありそうです。アテネオリンピックでも、パトリオット・ミサイルが配備されましたが、そのときは、今回のように近くではなくもっと遠いところに配備していたと記憶しています。二重、三重の備えをしておいて、それでも漏れた場合には、機関砲で退治するというのが常道だと思います。空からの脅威に身近で備えるなら、機関砲でも十分だと思います。機関砲といっても、最近のものは命中率もかなり高いですから。仮にミサイルを発射して命中したとして、それが「鳥の巣」の真上だったとしたら、ミサイルや対象物の残骸がもろに「鳥の巣」に降りそそぐことになります。それに、爆発による振動波ももろに伝わると思います。これが機関砲であれば、ミサイルよりは打撃が少なく、ジェット戦闘機なら離れたところに墜落すると思います。ミサイルなど誤射して、付近に落ちたらどうなるのでしょうか?誤射しなくても、発射したミサイルが対象に命中しなかった場合は、地上に落ちて爆発する可能性もあります。本当にミサイル配備は不自然です。勘ぐりたくもなります。中国では過去にロケットを打ち上げて、それが墜落して付近の民家に甚大な被害を与えたこともあります。だから、こうした危機には無頓着なのかもしれません。

中国宇宙開発の暗部

中国では、ロケットの打ち上げに失敗、残骸が民家に対して甚大な被害を与えたこともある。

いずれにしても、これが単なる私の杞憂であることを願いたいです。何か現在の中国中央政府ならありそうで、怖いです。やはり、北京オリンピックは行かないほうが良いかもしれません。

中国のこのミサイル配備私の意図どおりとすれば、今のままでは、中国の民主化などは永遠に訪れないかもしれません。そうなると、今後10年で不味いことが多く発生し、私がかねてから主張しているように、ベルリンオリンピックや、モスクワオリンピックなど開催後に、ナチスドイツや、ソビエト連邦が崩壊したのと同じように、北京オリンピック後、現代中国も崩壊するかもしれません。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

■厳戒のラサで聖火リレー-チベット暴動から3ヶ月-中国の五重苦をどう解消するつもりなのか?

■「おから工事」批判で国家政権転覆罪-確定した中国分裂の筋書き?
■「80後」は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?
■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?

■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!

■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?

■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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2008年6月24日火曜日

クジラの個体数は回復していない、専門家らが指摘-IWC総会向けのデモンストレーションか?

調査捕鯨の主な捕獲地である南氷洋

クジラの個体数は回復していない、専門家らが指摘(もうすでに読んだ方、内容をご存知の方はよみとばしてください)
【6月23日 AFP 2008年06月23日 11:32 発信地:パリ/フランス】1986年に商業捕鯨の一時禁止(モラトリアム)が実施されて20年以上が経過するが、専門家らはクジラの個体数はほとんど回復していないと指摘する。

23日からチリのサンティアゴ(Santiago)で開催される国際捕鯨委員会(International Whaling Commission、IWC)の総会では、モラトリアム導入後のクジラの個体数が1つの焦点になる。

モラトリアム導入後も、日本、ノルウェー、アイスランドは、ミンククジラやザトウクジラなどを年間2000頭以上捕獲してきた。これら捕鯨国はIWCに対し捕獲枠を要求してきたが、反捕鯨国はこれを拒否。モラトリアムの順守を訴えている。

■個体数が増えていても注意が必要

一方で、一部の種類が絶滅の危機に瀕しているというのは各国の一致した意見だ。鯨類保護団体(Whale and Dolphin Conservation Society)によると、セミクジラ、北大西洋セミクジラ、コククジラは、過去70年の保護活動にもかかわらず数百頭にまで減っているという。アイスランドの海洋研究所は最近、ミンククジラが2001年以来「激減」したという2007年の調査結果を発表している。日本とノルウェーが2007年に捕獲したミンククジラは 1600頭を超える。

さらに、個体数が数千頭にのぼり毎年3-8%増加している種でも危機を脱しているわけではなく、本来の個体数に戻すには数十年が必要だと指摘する科学者もいる。パリの国立自然史博物館の海洋生物学者でIWCフランス代表団の1人、Jean-Benoit Charrassin氏は、シロナガスクジラの個体数は1970年代の400頭から2200頭に回復したが、これでも本来の個体数の1%に過ぎないと言う。

科学者や反捕鯨団体は、個体数が回復しつつあるクジラについても商業捕鯨には反対している。

■「クジラは精神的に疲れている」

クジラが直面している問題は商業捕鯨だけではない。鯨類保護団体は、漁船との衝突、漁網に絡まる危険、汚染や生息域の環境破壊なども考慮に入れるべきとしている。気候変動の影響も無視できない。温暖化による海洋の酸性化は、クジラの主食であるオキアミを激減させる。甲殻類が酸性化を食い止めてくれるとしても、養魚場の増加によりオキアミはトン単位で消費されている。

1986年のモラトリアムを推進したフランスの動物学者Yves Paccalet氏は、数世紀にわたる人類の攻撃により、クジラは精神的に疲れていると指摘する。個体数が少ないと、じゃれ合ったりふざけ合ったりする仲間を見つけることができず、憂鬱になって交尾もしなくなるという。「クジラを放っておいたらクジラは増えない。手を施さなかったら減少傾向は加速するだろう」(c)AFP/Marlowe Hood

IWC総会開催に向けてのデモンストレーションの一環か?
第60回国際捕鯨委員会(IWC)総会が23日、チリの首都サンティアゴで始まった。捕鯨支持国と反捕鯨国に二分され、非難の応酬となるのが常だった近年のIWCが、「正常化」に向けて一歩を踏み出せるかどうかが、今回の最大の焦点となります。先、報道は完全にこの総会に向けてのデモンストレーションの一環です。

さて、これに関連して、日本ではずっと調査捕鯨を継続していますが、調査捕鯨の内容を以下に掲載します。

「調 査捕鯨は、鯨の生態や資源量を科学的に調査・管理するために日本政府が(財)日本鯨類研究所に許可を与え、毎年、北西太平洋(1994年~)及び南極海 (1987/88年~)でおこなっているものです。具体的には、船上からの目視調査による資源量の推定や、全長や重さなどの計測の他、年齢、性別、内臓か らのサンプル収集、胃の内容物の調査など100項目以上を調査しています」

では、調査捕鯨ではどのくらい捕獲することが認められているのでしょうか?

「現 在の南極海での捕獲頭数は、ミンククジラが850頭±10%、ナガスクジラが50頭、ザトウクジラが50頭です。一方、北西太平洋における捕獲頭数は、ミ ンククジラ220頭、ニタリクジラ50頭、イワシクジラ100頭、マッコウクジラ10頭となっています」

20年間の調 査の結果、鯨のエサの種類や行動範囲、寄生虫や汚染物質の蓄積度合いなどのデータが集まり、論文も発表されているとのこと。しかし、反捕鯨国や反捕鯨団体 からは“希少種”である鯨を殺す“調査方法”のものへの批判も。対立はエスカレートし、昨年の国際捕鯨委員会(IWC)総会でも議論が前に進みませんでし た。

「一昨年12月に日本政府がザトウクジラの調査捕鯨延期を発表したのも、IWC副議長国として、IWCの正常化をまず考えたからです」

鯨が希少種かどうかというデータひとつとっても、意見が食い違っている捕鯨問題。すぐの解決は難しそうですが、理性的な議論が行われるためには、IWCの会議正常化がまず望まれます。

今年の総会を最終結論とすべき?
先のニュースの科学者は、オーストラリアのカンガルーも疲れているというのでしょうか?最初から予見を持って調査や実験などすると真実とはかけ離れたものになりかねません。記憶に新しいものでは、韓国の人間のクローン胚を作成することに成功し、さらにその中から胚性幹細胞(ES細胞)を抽出したと発表した、黄教授の例などがあげられます。少なくとも、鯨が疲れているとの、科学的論拠はあるとは思えません。鯨が疲れているなどと予見を持った調査は、本当に信頼に足るものなのでしょうか?。

今年の総会は一体どうなるのでしょうか。いい加減、一定の結論が出て欲しいものです。狂牛病問題や、食料の高騰などから、鯨肉は世界的に重要な資源になりつつあります。もう、くだらない論議には、日本人は疲れています。結論がでなければ、日本は、脱退すべきだと思います。

最近思うのですが、反捕鯨活動をする連中は、世界中で中国の聖火リレーの応援に繰り出した中国人と大差のない連中だと思います。資金援助を得ているか、判断能力が極度に低い連中だと思います。これらに、惑わされることなく、まともな総会になることを期待します。

以下に、当ブログで掲載した、反捕鯨関連の記事を紹介します。反転文字をクリックすると当該記事に飛びます。

■一位長崎、上位に旧拠点地 調査捕鯨の鯨肉推計消費量

■捕鯨に関する最近の話題―鯨はこれからも重要な資源であり続ける

■調査捕鯨にまた薬入り瓶―抗議船妨害、警告弾で応酬

■鯨の肉は牛肉より環境に優しい―ロイターニュースから確信したパクスマリーナの正当性

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(5)

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(4)

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(3)

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(2)

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(1)

■IWC総会反捕鯨国の偽善―昨年のニューズ・ウィークの記事(昨年6月13日号)

■アーサー C. クラークの海底牧場―21世紀は鯨の時代?

■反捕鯨の背景―世界への指針

2008年6月22日日曜日

厳戒のラサで聖火リレー チベット暴動から3カ月-中国の五重苦をどう解消するつもりなのか?


 中国チベット自治区ラサのノルブリンカ前をスタートし、民族衣装を着たチベット民族の女性たちから声援を受ける北京五輪の聖火リレー(左端)=21日午前9時12分(共同)

厳戒のラサで聖火リレー チベット暴動から3カ月(内容をご存知の方、既読の方は、読み飛ばしてください)
【ラサ(中国チベット自治区)21日共同】3月に大規模暴動が起きた中国チベット自治区ラサで21日、北京五輪の聖火リレーが行われた。中国政府の暴動鎮圧に対する批判が世界各地で聖火リレー妨害や抗議につながったことを受け、新疆ウイグル自治区で行われた聖火リレーに続きラサでも一般住民を締め出すなど厳戒態勢が敷かれた。リレーは混乱なく終了したとみられる。

沿道は商店の営業が禁止され、約5メートルおきに武装警察官らが立った。見学できるのは許可証を持つ人のみで、周辺の道路は二重の有刺鉄線が張られ、人や車の出入りを厳しくチェックした。

聖火は歴代ダライ・ラマの夏の離宮だったノルブリンカ前の広場を出発。ダライ・ラマの宮殿だったポタラ宮前の広場までのルートで、156人の走者は75人がチベット民族、77人が漢民族、回族が2人など。ゴール地点で、先月チョモランマ(英語名エベレスト)に登頂した聖火と合流。民族服を着た学生らの踊りなどで「民族融和」を演出した。

この内容は、今朝のNHKのニュースでも報道されていましたが、インタビューアーが聖火リレーのイベントに参加しているチベット民族を着た女性にいろいろ、聞いていましたが「私達は、聖火リレーに応援ししなさいといわれいるから、いわれたとおりやっているだけです」と応えていました。男の人にもインタビューしていましたが、この人は困ったような顔をしてインタビューには一切答えていませんでした。

不透明な現在の中国の状況

現状の中国は、チベット問題が北京オリンピックを目の前にして顕在化し、人権問題などまずは、情報開示などの圧力が一気に高まった。ところが、例の四川大規模地震が発生したため、注意がそっちの方に向いてしまい。一時的にチベット問題などかき消されたかのような状況にある。中国政府は、何とか無理やりにでも、チベットなどでの聖火リレーを成功させ、さらには、オリンピックも成功させ、国威発揚の機会としてこれらを最大限に利用しようとしてい。しかし、今回のチベットの聖火リレーの警備のものものしさを見てもわかるように、この問題は消えたわけではない。

中国では、都市部と農村部の格差問題もあまりに大きく、そのまま放置しておけば、分裂の危機に陥る危険性もあったが、8年ほどまえから熱心に西部開発を行ってきた。それに関する記事を下に掲載する。

■「西部大開発が進む中国内陸部」だったのだが?

(2005年9月 掲載 中小企業国際化支援レポート 国際化支援アドバイザー 梶田幸雄)
中国政府が西部大開発計画を策定・実施してから6年目に入っています。この間に西部地区はどのような発展を遂げたのか。そして、なお残された課題は何か。外資の投資対象地域としての魅力と留意点を解説します。

課題のひとつは外国投資の不足

都市化が急ピッチで進む成都市

 1999年から、中国政府は12省市区から成る西部地区に約1兆円を投入し、交通網、電力網、通信網、水利施設などの基礎インフラ整備を進め、科学技術・教育などの社会インフラの整備にも努めてきました。

 この結果、四川省成都市を例に挙げると、1人当たりGDPは2万元に近づき、コンピュータ売上げは北京市中関村に次ぐ中国2位、自家用車保有量は北京、広州に次ぐ3位にまで成長しました。

 ただ、表1のように東部と西部の産業構造の比較をした場合、(1)地理的なハンディキャップとインフラの未整備、(2)産業リンケージの発達の遅れ、(3)偏った産業構造、(4)外部からの投資の不足といった課題も指摘できます。

 このうち(4)を克服する条件として外国企業が四川省に求める政策は、(1)優遇税制、(2)土地利用優遇政策、(3)輸出入優遇政策であるといわれています。

表1 東部と西部の産業構造の特徴


西部地区

東部地区

産業構造 鉱業、素材産業、重工業、軍事産業が主要産業。貿易能力、資本集積能力が欠如 軽工業、消費財産業、貿易が中心産業。産業構造転換能力が高い。
所有形態 1.国有企業・重工業、軍事産業が主導、地域経済への波及・拡散効果が乏しい。
2.私営企業は規模が小さい。
1.非国有形態は既に72%に達し、市場経済が発達
2.産業間の相互関連が強く、地域との関係が密接
(出所)JICA『中華人民共和国西部地域中等都市発展戦略策定調査進捗報告書2』2004年7月、I-4頁

「遅れ」は確かだが、活性化の動きも

 西部地区に進出する企業の狙いはどこにあるのでしょうか。表2にみられるとおり、市場開拓が圧倒的多数を占めています。

表2 西部に進出した東部企業の主な動機

西部進出の動機

生産コスト削減

西部市場開拓

資源開発

国家の方針に従う

企業比率(%) 10.0 74.0 12.0 4.0
(出所)JICA『中華人民共和国西部地域中等都市発展戦略策定調査進捗報告書2』2004年7月 V-35頁

 外資誘致に対する政府の熱心さに対して、外資はまだその熱意にこたえられずにいるのですが、その理由はどこにあるのでしょうか。西部進出に当たって東部企業が最も危惧する要素(表3)、つまりさまざまな面での「遅れ」という課題が浮き彫りになっています。

表3 西部進出に当たって東部企業が最も危惧する要素


企業が最も心配する障害要素

回答企業の割合(%)

1

都市化水準が低く、社会サービスが不十分、インフラ整備の遅れ

47.41

2

現地政府の干渉過多

43.7

3

地方保護主義

39.26

4

金融支援が足りなく、資金運転がスムーズに行かない

33.33

5

地元の人が排他的で、良好な発展雰囲気が確立できない

25.93

6

西部の劣悪な自然環境は東部からの人材導入を妨げている

25.19

7

国有企業の改革が遅れ、多くの分野で公平な競争環境の未確立

15.56

(出所)JICA『中華人民共和国西部地域中等都市発展戦略策定調査進捗報告書2』2004年7月)V-38頁(出典)陸立軍ほか『東部企業の西部進出モデルと行動』中国経済出版社、2004年

成都市の中心街。携帯電話需要も予想以上に旺盛である。

しかし、マイケル・E・ポーター氏(ハーバード・ビジネススクール教授)のクラスター論を想い起こせば、まさに今、西部地区に進出するメリットがあるといえるのかも知れません。

グローバル時代におけるイノベーション創出のメカニズムとしてクラスターを捉えるポーター氏は、クラスターの形成は中位の所得レベルから先進経済に 移行する過程に起こるといっています。このとき、教育とスキルの水準向上、テクノロジー分野の能力構築、資本市場の開放、制度面などの整備が始まるからで す。企業はこのクラスター形成期に当該クラスターに参入するのが望ましいといわれています。

まだ西安・成都両市に集中している感がありますが、西部地区では、IBM・モトローラ・HPといったグローバル企業と聯想・金蝶など国内有名企業 の双方が、ソフト開発、e-ビジネス、R&Dにかかわる事業を行っています。すでに多くの大学・研究所・科学技術者が存在していることから、さら に頭脳指向型企業が設立される可能性もあります。

「泛珠三角区域」(広東省、福建省、江西省、湖南省、広西壮族自治区、海南省、四川省、貴州省、雲南省、香港、マカオ)は、自らの資源、労働力、 資金力および技術を活用して広域連携を強め、経済を一層活性化しようという議論をしています。このような協働の仕組みが確立されれば、西部地区への投資に も拍車がかかるのではないでしょうか。

■地震による西部大開発の頓挫と中国が抱える五重苦

さてこのまま、オリンピックを開催するということになると、これらの地区の整備は後回しになると思われます。せっかく整備してきたことが、全くの台無しになってしまったことになります。

いや、それどころか、せっかくよくなりつつあったものが、地震で不意になり、しかも、チベットでの聖火リレーにも見られるように、国威発揚のためには、何でも弾圧・抑圧するという姿勢が明らかになっており、事実先日も「おから工事」に関して、インターネット上で批判した四川省の教師が勾留されるという事件も起こっています。「おから工事」による小学校倒壊によってなくなった子供達が、役所に抗議していたというニュースに関して、その後の報道は全くなされていません。おそらく、これなども圧殺されているのだと思います。

そのほかにも不安材料はたくさんあります。このような時期に、原油高、それにともない食料品も値上がりして、中国国内はインフレ基調にあります。湖錦濤主席が訪問する、少し前に温家宝首相が、「中国は未曾有の経済的にある」と発言しています。

さらに、中国内に聖火リレーへの世界各国による妨害による、偏狭なナショナリズムの勃興などもあります。これは、中国人民が自ら行っているというよりは、国威発揚や、国民の目をそらすといった中国情報筋の誘導によるものと思われますが、出所は別にして、実際に勃興しています。

現在の中国は、

1.未曾有の経済的危機(これから本格的なインフレがはじまる。バブル崩壊はもう始まっている、賃金が上昇し世界の工場の座はバングラディシュなどに奪われる、しかし、中国のエンジニアリングの水準は急激には高められない。WTOに加入した中国は、国際経済と深く結びついており、これを国内問題として片付けることはできない。最悪のシナリオでは、米国の経済植民地になる可能性すらある)

2.地震からの復興(湖錦濤主席もある報道で完全復興には10年くらいはかかると語っていた、地震よりも人災による被害に関して国内外からの非難が高まる)

3.オリンピックの開催と開催後の対策(オリンピック後には地方から来た労務者の職が大量に消える、外国からの人の流入で中国の実情が外国に、外国の真の姿が中国人に広まる)

4.チベット問題による外国からの人権問題に関する圧力(WTOに参加した中国は、国内問題として片付けるには無理がある)

5.偏狭なナショナリズムの勃興(中国共産党が他国へと注意をそらすという意味で自ら誘導してつくりあげたものだが、これが一歩間違えると矛先が共産党自体に向く可能性がある。

まさに紙一重ともいうべき状況)という5重苦に悩まされています。このような状況にあるにもかかわらず、膨大な軍事費を計上しています。普通の国なら、もうすでに手をあげているかもしれません。

やはり分裂の筋書きが始まるしかないのか?

こうした五重苦について、中国政府はどうしようとしてるのでしょうか?どの問題一つとっても深刻です。中国は2001年12月11日にWTOに加盟しています。昔の中国のように、いざとなれば、国内でもドンパチやって決着をつけ、ご破算にしてしまうということもできません。特に経済問題に関してはそのようなことはできません。しかし、未だにこれらに対する答えは報道されず、不透明なままです。

普通の常識人であれば、もはや現代中国の国体を維持していること自体が無理であると断じていると思います。しかし、中国はそのようなことはおくびにも出しません。この状況は前に一度見たことがあります。それは、崩壊直前のソビエト連邦であり、その頃の東欧の社会主義国家です。

さて、やはり、現代中国は旧ソビエト連邦のように分裂・崩壊するしかないのだと思います。今後、10年間にわたって、中国分裂崩壊のドラマが展開されていくのだと思います。北京オリンピックは共産中国の分裂崩壊の最期のレクイエムになるのではないかと思います。皆さんはどう思われますか?

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

■「おから工事」批判で国家政権転覆罪-確定した中国分裂の筋書き?
■「80後」は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?
■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?

■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!

■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?

■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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2008年6月21日土曜日

橋下知事、労組と徹夜バトル 人件費削減案巡り-公務員だけ例外ということでは済まされない!

橋下知事、労組と徹夜バトル 怒号も 人件費削減案巡り(内容を知っている方は、読み飛ばしてください)
大阪府の総額345億円の人件費削減案をめぐり、橋下徹知事は20日夜から21日午前にかけての約12時間、府労働組合連合会(府労連、約1万8千人)と府関連労働組合連合会(府労組連、約2万1千人)との団体交渉に臨んだ。交渉は決裂し、人件費を含む財政再建の議論は7月臨時議会に移ることになった。

交渉決裂は府労連は1950年、府労組連は89年の結成以来初めて。ただ、地方公務員法上、労組側はストライキなどの手法はとれず、府は議会に人件費を削減する条例改正案を提案する。府では通常、総務部長が最終交渉にあたり、知事が正面に出るのは極めて異例という。府労連とは20日午後10時から21日午前5時すぎまで約7時間、府労組連とは同6時半から同10時半まで約4時間に及んだ。

橋下知事の人件費削減案は一般職の基本給4~16%カット、都道府県で初めての退職手当の5%カットなどが柱。団交で労組側は「生活を破壊する案だ」として削減案の撤回を要求。橋下知事は「いまの財政状況ではやむを得ない」と理解を求めた。

橋下知事は団交後、「職員の生活に重大な影響を与える決定なので、これぐらいの時間で決めてしまうことに納得できない声もあると思う。議会での議論で最終判断を下したい」と語った。

◆「ふざけるな!」
「財源もないのに給料をくれくれと言われても困る」「私たちの首よりイルミネーションの方が大事なのか」
20日から徹夜で続いた橋下知事と職員労組の団体交渉は時折、怒号が飛び交う激しいやりとりになった。

府労連との交渉は20日午後10時から府庁の会議室で始まった。新居晴幸委員長が「職員にも家族がいる。生活がある」と人件費削減案の撤回を迫ると、橋下知事は「府財政を立て直すためには避けて通れない」と反論。空調が切れ、蒸し風呂のような会議室で交渉が続いた。

府労連は給与明細を示して組合員の生活実態を訴えたが、橋下知事は「財源がない。どこを削ったらいいんですか」と逆質問。平行線の議論に「ふざけるな!」とのヤジが飛ぶと、橋下知事が「『ふざけんな』という言い方、いいんですか。これが世間の労使交渉なのか」と憤る一幕もあった。午前4時を回り、人事室長が「時間も時間ですし」と水を向けても、新居委員長は「帰りません」とはねつけ、議論を続けた。

新居委員長は団交の最後に立ち上がり、「7時間、誠実に対応されたことを感謝したい」と橋下知事に謝意を表明しつつ、「府労連の歴史の中で初めて交渉が決裂したと表明せざるを得ない」と無念さをにじませた。

◆「世間を知って」
一方、府労組連は午前6時半前から団交に入った。

教務事務補助員など約350人の廃止問題に批判が集中。業を煮やした女性が御堂筋のライトアップを目指す橋下知事に「イルミネーションより、私たち350人の首の方が下ってことですね」と詰め寄ると、橋下知事は「私の責任でそう判断しました」と発言、怒号が渦巻いた。

橋下知事が「民間では破綻(はたん)すれば路頭に迷う。世間を知ってください」と迫ると、組合側も「破綻していないのに路頭に迷わせようとしている」と切り返し、「民間なら理不尽な提案があればストライキできるが、我々はお願いするしかない」と訴えた。

一連の団交で橋下知事は「私は選挙の洗礼を受けている。世論調査でも削減案は支持されている」と強調。組合側の反論に「それなら、そういう代表者を選んだらいい」と言い放ち、紛糾することもしばしば。橋下知事は午前9時からの民主党国会議員への予算要望をキャンセルし、最後まで団交を続けた。

現実を認識せよ
労働組合側としては、賃下げ交渉には容易には応じられないことはわかります。しかし、日本の大きな構造改革のうねり中で、民間企業や、銀行、それに一部の公務員ですら、出血を伴う痛みわけをおこなってきました。大阪府職員だけが例外ということは絶対に許されないでしょう。現在大阪府は、国でいえば、平時ではなく、戦時下にあるといってもいいくらいです。平時には有効だった方法も、戦時下では有害であることもあります。民間企業に在職すればわかることですが、業績が悪化すれば、たとえその業績悪化を招いた直接の責任のない取締役の報酬でも減額されます。さらに、社員でも、減法になったり、ボーナスがなくなったりすることもあります。一時減額されても、企業には残って存続してもらいたいというのが、経営者および従業員の望みですから、その望みのために、その企業の人は耐え忍ぶのです。

■夕張市の事例
夕張市の破綻を知らない人は、ほとんどいないでしょう。しかし、その後どうなったかは北海道では良く報道されますが、大阪ではあまり報道されていないのかもしれません。その実体を手短に掲載します。
破綻してしばらくしてから、皆さんご存知のように、多くの市役所職員が解雇されました。しかし、残っている職員も大変です。

まず、市長の月給は27万円です。ある中堅社員の月給は16万円です。残業も結構あるそうです。でも、残業代は出ません。休日出勤もよくあるそうです。無論休日出勤手当てもでません。

市立病院では、財政難のために、診療科目が大幅に制限されるようになりました。人工透析も以前は実施していたのですが、今は実施していません。そのため、患者さんは隣町にまでいかなくてはなりません。ある患者さんの例では、透析のために自宅を出て、家にもどってくるまで、実質半日程度かかるそうです。それだけではありません、診療科目が廃止されてしまった他の患者さんも、隣町までいかなくてはならなくなりました。

ご存知、夕張は雪の多いところです、今年の1月あたりには、累計で7mもの雪が積もりました。しかし、従来のように雪かきもままなくなりました。成人式は、ことしも何とかできましたが、前のように市からの補助があるわけではなく、当の成人や、周りの人たちが寄付をつのるなどしてようやっと挙行することができました。

地方自治体が破綻するということは、こういうことです。大阪府も今のままでは、こうなります。しかし、規模が大きいだけに、とんでもないことになると思います。地震や火事になっても、救援活動ですらままならなくなるかもしれません。そんなことでいいのでしょうか?

しかも、夕張の場合は、銀行からの融資が受けられなくなるなどの理由から、実質破綻状態にあることをひた隠しに隠してきました。北海道が調査に入ったときには、もう完全に取り返しがつかないくらい悪化していました。その意味では、破綻直前の夕張市長は非常に罪深いと思います。大阪府の場合は、すべて明るみさらして、何とかしようとしているわけですから、まだ望みがあります。先延ばしにしても何にもならないと思います。もし、破綻したとしたら、大阪府は全国の笑いものになるかもしれません。ツッパリ通した、組合も歴史上の愚者として、永遠にその名を刻むことになるでしょう。

■銀行の事例
銀行も今では、不良債権処理も一巡して、コンプライアンスを遵守するという一点を除いては、平時に戻ったようです。しかし、10年くらい前までは、まさに戦時の様相を呈していました。当時、あるメガバングの人が言っていました。平時ならば、誰がが「辞めるとか、辞めたい」などと言い出すと、誰かかれかが、慰留していたが、今では人事部の人が喜んで退職のために必要な書類を持ってくる。以前は、人が多く辞める部署の評価は下がったものだが、今で逆でよくやったと評価が高まるとも言っていました。銀行でも、相当な痛みわけが行われていたといえます。

さて、大阪府はこのような痛みわけなしで、難局を乗り切り、改革ができるというのでしょうか?そんなことができるはずがありません。

■北海道の事例
北海道では、ご存知のように北海道拓殖銀行が破綻してから、今年で11年になります。北海道では、拓銀が破綻した後、道債を発行し(借金をし)、北海道内の企業に対して対策を実施してきました。しかし、結局北海道の企業の構造改革をすることはできず、不合理な仕組みを長期間温存するだけの結果となりました。10年間で道債償還の期限が過ぎましたので、今年から道債発行によって企業を助けるということはできなくなりました。そのため、拓銀破綻10年以上を経て、もろに北海道企業にその影響が及ぶことになりそうです。

さて、大阪府、現在実質上の賃金カットなどして、応急措置をして、その後も対策を打つ必要があります。いま、実施しないとどうなるのでしょうか?結局後でつけがまわってくるだけで、事態を深刻にさせるだけです。大阪府職員の皆さんはそれで良いのでしょうか?無論定年間際の人には、どうでも良いことかもしれず、自分だけがよければいいのかもしれません。しかし、40歳台までの方々は、将来さらに深刻な問題になることが予想されます。それで本当に良いのでしょうか?

■公務員だけ別という考え方は成り立たない
現在日本の民間企業や、銀行は、大体構造改革が一巡して、何とか自立して運営できる状態にまでなりました。しかし、国家公務員とか、地方公務員だけはまだ、従来のままの状態を引きずっています。そんなことで済むはずはありません。組合側としては、賃下げ交渉にホイホイとすぐにのるというのは、できないことだと思います。しかし、ここで、かなり譲歩するべきではないでしょうか?もしかなり譲歩をしたといことになれば、府民も、いや日本国民もかなり高く評価すると思います。

私はも、応急措置が終わったあとに、様々な手を打てば、大阪府はまた復活して、十分自立できるようになると思います。しかし、このままの状態を続けていれば、破綻するのは目に見えています。たとえ、橋下知事でなくても、誰がやっても、避けて通れない道だと思います。破綻するのか、一時痛みわけをしても、大阪府を存続させるのか、二者択一が迫られているのだと思います。

以下に関連記事を掲載します。反転文字列をクリックすると当該記事に飛ぶことができます。

■橋下知事の自衛隊研修に関して考えた大阪府改革

■秋葉原通り魔事件があばくお役所仕事の実体とは?-やはりNPOに任せるべきか?

■橋下知事を糾弾した女性は、中核派?-日本のマスコミとコメンテーターの多くはKYか?

■年金問題福田総理大臣があやまり、マスコミが突付くと役人がぬか喜びする!!-政治家に対するヒント「歴史に学んで役人退治を!!」

■北海道滝川市「介護タクシー」による詐欺事件-誰に責任があるのか?


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2008年6月20日金曜日

「おから工事」批判で、国家政権転覆罪?-確定した中国分裂の筋書き?

【中国】相次ぐ災難"8"の呪い! その背景は? 20080617(前半)




「おから工事」と批判、国家政権転覆罪に 四川の元教員(6月19日、朝日新聞)(読んだ方、ご存知の方は読み飛ばしてください)

【香港=奥寺淳】四川大地震で倒壊した学校の建築手法を「おから工事」と批判した元大学教員(56)が国家政権転覆扇動の容疑で公安当局に逮捕されていたことが18日わかった。香港の人権団体「中国人権民主運動情報センター」が伝えた。今回の地震をめぐる言論が同罪に問われたことが明らかになったのは初めて。

逮捕されたのは四川省の西南科技大学の元教員・曽宏玲さん。曽さんは海外のウェブサイトに政府批判の文章を3度掲載し、「香港人が建てた校舎は問題なかったのに、なぜ政府が建てた校舎は全壊したのか」と問題提起。豆腐のように簡単に崩れるおから工事が「私たちの子供の未来を奪った」「政府の教育予算が少なかった」と指摘した。

同センターによると、曽さんは9日夜に公安に連行され、家族が刑事勾留(こうりゅう)の通知書を受け取った。学校の倒壊問題を巡っては、当局は政府批判の封じ込めを強めている。

中国やはり分裂か?!
中国、地震が発生してから、役人の不正でテントをきちんと配布しなかつた市の役人が、人民に土下座して謝るシーンが放映されたり、おから建築に関して、なくなった子供親たちが、市役所に抗議に訪れたりして、市長が会見に応じ、事実関係を調査すると釈明する様子が放映されたり、いろいろと報道されるようになり、一昔前とは随分変わってきたと期待していました。インターネットでも、かなりいろいろ動画が掲載されるようになりました。無論、放射性物質に関するもの、各施設に関するもの、ダムに関するものなど、まだまだ隠し続けている部分はありましたが、人民の根幹に関わるようなことに関してて、昔とは随分変わってきたとの印象をもっていました。

しかし、最近また揺れもどしがきたようです。いろいろと報道にも制限が加えられようになってきました。今回のこの記事のように、完全な言論の弾圧です。というより、中国共産党政権においては、リスク管理体制がきちんとできおらず、地震発生直後は報道統制・管制ができず、地震が収まって少し落ち着いてから本格的な統制・管制に入ったというのが実体かもしれません。中国が今回の地震のような大災害などのときのリスク管理体制ができいなく、一枚岩で動いていないことは、先月日本が巧妙に行った実証実験でも明確になっています。

これが、間近にオリンピックを控えるいる国のやり方でしょうか?地震という形で、人災、不正が誰の眼にも明らかになったわけですから、それに対して、論評した人を逮捕というのでは筋が通りません。おそらく、地震でなくなった親たちの抗議も、いまや完全に圧殺されているのだと思います。

しかし、こんなことが長く続くでしょうか?おから建築で亡くなった子供たちの親は、たとえ圧殺されたとしても、このことは終生忘れないと思います。この憤りをどこにぶつけろというのでしょうか?

このように中国内外から妥当と思われるような、言論まで弾圧すると、どうなるのか?しかも、オリンピックを控えている国でこのようなことを続けているとどうなるのか。

私のブログでは、過去何回にもわたって、中国分裂の危機について掲載してきました。過去全体主義国家でオリンピックを開催すると、ナチス・ドイツ(ベルリンオリンピック約10年後崩壊)、ソビエト連邦(モスクワオリンピック開催後10年後に崩壊)のように、必ず崩壊しているということから、中国も例外ではないだうと力説してきました。しかし、最近の情報の開示状況からひよっとして事態が変わり、分裂することなく一つの国として、将来もやっていける可能性もあるかもしれないと思っていたのですが、考えが甘かったです。中国共産党の中身はそう簡単に変わるものではありませんでした。おそらく、これから10年間にわたって、中国の壮大な分裂のドラマが展開されることになると思います。北京オリンピックは、現代共産中国崩壊の壮大な最後のレクイエムになるものと思います。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

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2008年6月19日木曜日

橋下知事の自衛隊研修に関して考えた、大阪府改革について

大阪府 職員給与12%↓? 大阪市「バラ欠」条例改正?

夕張では、多くの職員が退職に追いこまれ、残ったほうでも、市長の月収でさえ27万円、ある職員の月給は16万円。それでも、残業はあるし、休日出勤もしなければならないことも多々あるという。大阪府職員はこの現実を理解しているのだろうか?

橋下知事「一緒に自衛隊体験入隊を」幹部「死んでしまう」(アサヒコム、2008年6月18日10時2分)(すでに知っている方、読んだ方は読み飛ばしてください)

「一緒に体験入隊しましょう」――。自衛隊への職員の体験入隊に意欲を見せた大阪府の橋下徹知事は17日午後、部長会議で副知事や部長ら幹部19人に体験入隊を呼びかけた。「チーム力、団結力を養い、次の一手に備えたい」と誘ったが、幹部は「死んでしまう」と弱り顔だ。

部長会議は非公開。参加した複数の幹部によると、橋下知事が職員研修に自衛隊の体験入隊を利用できないかと切り出した。人事担当の部長が「抵抗のある職員もいる」と否定的な見解を示すと、代わりに「このメンバーで8月にでも泊まり込みの体験入隊ができないか、検討してください」と提案したという。

ある部長は会議後、「60歳近くの人もいる。この年で真夏に訓練をすれば死んでしまう」。別の部長は「我々はそんなに団結力がないと思われているのか」とぼやいた。

橋下知事はこの日朝、陸上自衛隊信太山駐屯地(同府和泉市)を視察し、「あいさつや姿勢などを学ばせたい」と語り、職員の体験入隊を検討する意向を示していた。

橋下知事の狙いは?
大阪府は、皆さんご存知のように、大変な状況にあります。橋下知事が前に言っていたように、民間なら破産会社、大阪府職員は破産会社の社員のようなものです。

国でも、平和時と戦時の時の体制は違います。臨時立法など駆使して、平和時には違法とされることでも、戦時ならできるように、戦争に勝つために万全の体制を整えます。平和時と同じことをしていては、戦争に負けてしまいます。

船が沈むときに、乗組員や乗客が船長と議論をして、それから行動を決めるということでは、行動する前に船が沈没するということになってしまうかもしれません。やはり、船長が速やかに指示し退避などの措置をとらせるべきであるし、そのような権限があります。

現在の大阪府の状況を招いたのは、府職員のせいもありますが、前任者を選んだ府民の責任もあります。だから、府改革に関してはなるべく知事の言うとおり進めるべきと考えます。橋下知事の責任のもとに、大きな権限を持たせるべきであると考えます。

今回の橋下知事の自衛隊での研修に関しては以下のような知事の三つの意図があると思います。

まず第一に、大阪府の現状は平時ではなく、戦時下にあたるような異常な状況にあることを府職員に木がつかせること。戦時下には、平和時のような手ばかりでは何も進まないことを職員に理解させたいのだと思います。

第二は、府政改革のために、へどもど屁理屈ばかりいう人間よりも、素直に指揮に従い実行する兵隊が欲しいということ。船が沈むときに、船長に議論をふっかけるようなものは除外して、さっさと改革を進めたいのだと思います。

第三は、通常の民間企業では考えられないほど、府職員に、いわゆる「躾け」がされていないので、当たり前のレベルに戻したいということ。特にこの点に関しては、民間では考えられないほど公務員は緩んでおり、綱紀の粛正が重要になると思います。序列とか、「身の丈を知る」ということが全くできていない職員もかなり見受けられます。こちらは、函館ですが、今はいるのかどうかは知りませんが、少なくとも5、6年前までは、50歳台にもなるというのに、上司にも部下にも一切挨拶をしない正職員が存在したそうです。民間企業なら、とっくに姿を消していなければならないような職員だと思います。序列や「自分の身の丈」を理解できない要員が多く存在する組織では、何もできません。クリエーティブな仕事がどうのこうのとか、効率がどうのこうのという次元ではありません。まずは、序列、「身の丈を知る」ということを根付かせる必要があります。それができなければ、組織にはいられないということを周知徹底すべきと思います。

自衛隊研修などというと、効果があるのかとか、いまさらとか思われる方もいらっしゃるのかもしれませんが、改革の最初の段階では、まずは以上3つの観点から、私は橋下知事の自衛隊研修の件は、支持します。

大阪府の改革の方向性
私の持論は、国や地方自治体は、国や自治体のインフラ(基盤)を整備することが主要業務であり、そのインフラの上に立って何かをするのは、民間企業であり、NPOであると思っています。これを、国や民間企業が実施するとおかしなことになってしまうのだと思います。

先日のブログにも書いたように、秋葉原事件のように、犯人が犯行予告した場合、それをすばやく感知して、警察に通報するようなシステムに関して、政府がやるととんでもない金額と非効率が生じてしまう可能性が多いのですが、NPOがやれば効率的にできる可能性が高いです。

また、アメリカのデトロイトなど、NPOの先進地では、都市計画などほとんどすべてが、NPOによって推進されています。大規模な都市計画を推進しています。デトロイトの都市計画に関わるお役人は、せいぜい2~3人で、それも全体の管理をするのみです。役所でやっていたときよりも、はるかに効率的で、費用もかからず、大改革を次から次へと実現しています。今では、当たり前のことになったので、特に話題にものぼらず、しかたがってニュースにもなりません。大昔から、低所得層・高齢者層の住宅の整備にも成功を収めてきました。無論、サブ・プライム問題のようなことは、発生していません。サブ・プライム問題は、低所得者用の住宅を整備するというような、社会福祉的な事業に民間企業が手を出すと、失敗しやすいという格好の見本になったと思います。

デトロイトの例はほんの一握りのものであり、世界の先進国では、NPOが大きな力を持って、どんどん社会変革を実現しています。ただし、アメリカでは貧富の差の増大など日本の格差社会などよりももっと酷いことになっていますが、これはNPOがどうのこうのというより、国によるインフラ整備が不十分なのだと思います。こういった、最中ですら、大きな成果を収めつつあるNPOがたくさんあります。イギリスやアイルランドでも、経済発展の裏側でNPOが大活躍しています。いわゆる年金に関しても、政府が最終的な責任を持つことには日本と変わりがないのですが、実質的にNPOがかなりの部分の仕事をしています。

日本とは違い、欧米諸国はソビエトが台頭する前までは、社会福祉のほとんどをNPOが実施していたという歴史があります。学校、教育、保健衛生、医療、その他、様々の分野で活躍していました。それが、ソビエトが成立して、台頭してから風向きが変わりました。ソビエトが大きな政府を標榜して、国民の面倒は全部国家がみるとして、大きな社会変革に国家レベルで取り組むことを宣言しました。この取り組みに関しては、反共産主義的な立場をとる、いわゆる自由主義陣営もかなり脅威を感じ、その対抗措置としてイギリスでいうところの「ゆりかごから墓場まで」という福祉政策を国で実施するようにしました。そのため、NPOはだんだん国の事業にとってかわられ、ソビエトが崩壊するまでは、一部のNPOが細々と活動を続けるという程度のものに縮小されました。

しかし、ソビエト崩壊に象徴されるように、共産主義陣営であろうが、資本主義陣営であろうが、大きな政府を標榜して、国家がすべての「社会政策」を実施するという試みは、大失敗に終わりました。もともと、国という大きな組織では、特に20世紀中に隆盛を極めた都市の知識労働者の多様なニーズには応え切れないのにです。こうしたこともあって、これを機に多くの国でNPOがまた息を吹き返してきています。イギリスでは、ブレア政権の時代に、社会政策の中に占めるNPOの位置づけを法律の中に明確に規定しました。日本では、ほとんど認識されていませんが、イギリスの経済発展の中には、こうしたNPOの大きな働きもかなり寄与しています。

ひるがえって、日本というより、アジアでは特に近代では、どちらかというと貧乏だったため、ソビエト成立直前までに、社会政策の実施主体としてのNPOは成立していませんでした。歴史がないために、NPOのことを理解していないというのが実情だと思います。

日本では、マスコミもNPOに関してあまり報道せず、国が社会政策の主体であり、社会政策がうまくいかないのは、国が悪い、役人が悪い、福田総理が悪い、政治家が悪い、だから、福田総理が辞めて、正治家も悪い人がやめて、大天使のような善意あふれるような人が、善意をもって政治にあたれば、国民皆が幸せになれるというような論調で報道しています。しかし、これは幻想であり、上記のように日本を含めた先進諸国では、ソビエト台頭より、60年の歴史をかけて、壮大な失敗をしました。60年間いろいろな人(中には大天使もいたかもしれない)がいろいろなことを実施した結果の成れの果てが、大きな政府、国家による福祉政策の大失敗の連続です。そのため、欧米では政治に特に福祉政策に対して誰も国に過度な期待はしていません。日本だけがまだこの幻想から抜け出ていません。だからこそ、NPOが見直されているのです。無論、政治の本質である基盤作りに関しては、関心もあるし、しっかりやってもらいたいとの認識がありますが、国が丸抱えで何もかもできるなどとは誰も思っていません。私は、この日本独特の政治に期待する態度を「日本人の政治対するないものねだり」だと思います。それに私は、どんなに安心であっても、経済的に豊であっても、それは個々人の幸せとはあまり関係なく、個々人の幸せはあくまで個々人で追及すべきものだと思います。そのためにも、多様なNPOが必要不可欠になると思います。

さて、長々と書いてきましたが、大阪府の改革に関して、やはり、多くの世界の先進国が失敗の果てに学んだ、「社会政策」に関しては、基盤は国や地方自治体が、その基盤の上で何かを実施するのは、場合によっては民間企業、場合によってはNPOというように、NPOをうまく運用できるように組織に生まれ変わらせ、経費もあまりかからず、にも関わらず、大阪圏に在住する多様な知識労働者(現在では、どのような労働にも知識労働が含まれているので、労働者としても良いのですが、労働者とはっきり書くと、肉体労働だけで、頭を使わない人というイメージが強いので、知識労働者としました)の多様なニーズに応える組織に生まれかわって欲しいと思います。どのような、道をとるにせよ、これからの地方自治体や、国であっても、NPOと連携する、NPOを前提として社会政策を実施するというようにしなければ、うまくはいかないと思います。

無論こうしたことには、自己の存在理由を主張できなくなる、お役人は大反対でしょうが、これも時代の移り変わりです、橋下知事は、どんなに反対意見があっても初志を貫徹していただきたいと思います。

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