2019年1月2日水曜日

米国議会で広まる中国国営メディア規制の動き―【私の論評】もはや中国を利することは米国から制裁されかねない危険行為であると認識せよ(゚д゚)!


超党派の14議員が米AP通信と新華社の業務提携拡大に懸念を表明
米国ニューヨークにあるAP通信本社ビル

(古森 義久:ジャーナリスト、産経新聞ワシントン駐在客員特派員)


 米国の民間通信社、AP通信が、中国の国営通信社である新華社との業務提携を強化した。しかし米国では、この提携強化は中国政府のプロパガンダ工作に利用される恐れがあるとの懸念が出ている。

 米国連邦議会上下両院の超党派14議員は、AP通信と新華社の業務提携に対する懸念を連名で表明し、AP通信に提携の内容を公表するよう求める書簡を送った。この異例の動きは、米国政府の新華社への警戒の強まりを反映している。最近、米国政府は新華社を中国共産党政権の対外宣伝工作機関であると断じ、米国での活動内容を司法省に届け出させる新たな措置をとった。

米国政府は「新華社は報道機関ではない」

 2018年12月19日、米国議会の下院のマイク・ギャラガー(共和党)、ブラッド・シャーマン(民主党)、上院のマルコ・ルビオ(共和党)、マーク・ウォーナー(民主党)ら超党派の合計14人の議員は、AP通信のゲイリー・プルイット社長あてに書簡を送り、同社が11月に発表した新華社との業務提携・協力の拡大合意の内容を明らかにすることを求めた。

下院のマイク・ギャラガー議員(共和党)

 ギャラガー議員らの発表によると、同書簡の趣旨は以下の通りだという。

・AP通信は独立した民間のジャーナリズム機関である。だが、それとはまったく対照的に、新華社の使命の核心は、中国内外で中国共産党の正当性と行動への理解を広めることにある。

・新華社は米国内でも中国共産党のプロパガンダ機関として機能している。さらには、米側の情報を集める諜報機関としての機能も果たしている。その任務には、外国の報道機関への宣伝の浸透と影響力の行使も含まれる。

・米国政府は新華社のそうした機能や任務を重く見て、最近、米国における「外国代理人」に認定した。その結果、新華社は報道機関ではなく中国政府の政治活動団体とみなされるようになった。

・AP通信は、中国政府機関である新華社との提携を強化することによって、中国側からの宣伝が浸透し、影響を受ける可能性が高くなる。この可能性は米国の国家安全保障にも関わるため、AP通信は新華社との提携内容を公表すべきである。

 以上の趣旨の書簡の意義について、共和党のギャラガー議員は「中国政府の政治宣伝機関である新華社は、事実に基づく報道をする他の諸国の一般ニュースメディアとは根本から異なる。新華社と米国の報道機関との提携は、米国の国益や、共産党の弾圧に苦しむ中国国民の利益に反するおそれがあるため、その内容の透明性が欠かせない」と述べた。

 民主党リベラル派として知られるシャーマン議員は、「新華社が米国内の支局や通信員を使って、米側の秘密情報を集める諜報活動に関与してきたことは立証されている。新華社がAP通信からどれほどの協力を得るかについて公表は必要だ」と語った。

中国政府の言論統制は既知の事実

 新華社側の見解としては、AP通信との提携強化を発表した11月に、蔡名照社長が「新メディア、AI(人口知能)、経済情報などの領域に新たに重点を置いて、提携を拡大していく」と語っている。

 AP通信側は「今回の合意は、長年の提携内容からとくに変わったことはなく、APの報道の独立性が侵されることはない」と述べており、提携強化の内容を公表するかどうかは言明していない。

 だが、米国では民間からも懸念の声があがっている。人権擁護団体の「全米民主主義財団」のクリス・ウォーカー代表は、「中国政府が言論の自由を制限していることは周知の事実であり、その中国政府のプロパガンダ組織と提携する民主主義国のメディアは自己検閲や中国の政治宣伝の拡散に陥る危険を冒すことになる」と述べた。

 今回の米国議会の動きは、最近の米国の中国に対する新たな対決姿勢の一環とも言える。特に、トランプ政権に反対する民主党議員たちまでが共和党議員と歩調を完全に合わせて、中国の国営通信社への不信や警戒を示している点が注目に値する。なお日本では、共同通信社が新華社通信と長年、提携・協力の関係を保っている。

【私の論評】もはや中国を利することは米国から制裁されかねない危険行為であると認識せよ(゚д゚)!

冒頭の記事では、「なお日本では、共同通信社が新華社通信と長年、提携・協力の関係を保っている」と締めくくっていますが、日本のマスコミと新華社の関係はどうなのでしょうか。

中国国営新華社通信は昨年1月31日、都内で説明会を開き、日本向けに日本語でのニュース配信サービスを2月1日から始めると発表しました。これまで同社は中国語以外では、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、アラビア語、ポルトガル語でニュースを配信してきたが、日本語が7言語目になるという。

新華社によると、中国関連ニュースを中心に1日約80本の記事や、写真や映像も配信しています。中国の経済などに関するニュースを中心とし、それ以外に国際関係や日本に関する報道についても配信しています。

日本での配信サービスでは、共同通信グループの共同通信デジタルと共同通信イメージズが販売面で協力しています。

新華社の蔡名照社長は説明会で「日本でのサービスが中日関係の発展に寄与し、両国人民の友好促進の新たな力になることを願っている」と述べました。

説明会には福田康夫元首相や中国の程永華駐日大使らも出席。福田氏は「日中平和友好条約締結40周年など記念すべき年にこの事業が開始されるのは大変意味のあることだ」と語りました。



それにしても、米国とは大きな違いです。本当に日本は呑気といえば、呑気です。

日本のメディアの中国に対する協力姿勢は以前から顕著です。それは、2015年のAIIBに「反対」世論と乖離するメディアの論調をみても明らかです。

当時、中国が設立を主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加の是非をめぐって、多くのメディアの論調と世論とが、大きな違いをみせていました。

軍事・安全保障面につづき、金融面でも既存の世界秩序に挑戦する中国の姿勢の表れとみられているAIIB構想。北京で設立覚書きが調印された2014年11月の時点では、僅か21カ国にとどまっていたAIIBの参加表明国は、2015年3月11日にイギリスが参加を表明すると、雪崩を打ったように増え、4月16日の中国の発表によると、57カ国にのぼりました。

日本政府に「バスに乗り遅れるな」といった参加を促す掛け声が国内財界などで急速に高まったのも、この頃でした。中国も、創設メンバーとなるための申請期限(3月末)後も、日本や米国の参加を歓迎する意向を繰り返し示してきまし。

しかし日本政府は、AIIBについて、債務の持続性や(融資対象とする開発プロジェクトが)環境・社会に与える影響への配慮、加盟国を代表する理事会のガバナンス(統治)、日本が歴代総裁を出すアジア開発銀行(ADB)とのすみ分け--などが不透明で懸念されるとして、米国とともに参加に慎重な姿勢で一貫してきた。

一方、国内の多くのメディアは、政府の慎重姿勢の転換を求めていました。日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞が日本政府の姿勢を批判、疑問視する社説や論評記事を掲載していました。

NHKも、「AIIB創設からみえてきたもの」と題した5月8日(午前0時)放送の「時論公論」で、加藤青延解説委員が「世界銀行やアジア開発銀行ADBは、最近、AIIBとは競うのではなく協力しあってゆく方針を示しました。もし日本が加わることで、その中身に深くかかわることができるのであれば、日本はアジアにおいて、ADBとAIIBという二枚のカードを手にすることになります」と参加の“利点”を説いていました。

民放でも、「報道ステーション」(テレビ朝日系)などが、政府の姿勢に批判的なコメンテーターの発言を伝えていました。

ところが、です。読売新聞社が5月8~10日に行った全国世論調査では、≪AIIBに日本政府が米国と共に参加を見送っていること≫を「適切だ」とする肯定的評価がなんと73%に上ったのです。≪そうは思わない≫はわずか12%に過ぎませんでした(5月11日付朝刊)。

3月28~29日に産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が実施した合同世論調査では、AIIB参加への反対は53.5%、賛成は20,1%でした。調査の実施主体は異なりますが、メディアの多くが「参加すべき」と説いたにもかかわらず、AIIBへの参加に反対する国民は明らかに増えていたのです。

日本政府がAIIBに示してきた懸念は、すでに現実化しつつありました。2015年5月22日までシンガポールで行われた創設メンバー国による第5回首席交渉官会合では、代表である理事が、AIIBの本部が置かれる北京に常駐しないことで一致しました。

理事が本部に常駐する世界銀行やADBの体制と比べ、運用上の公平性の担保が難しいことは明らかでした。同会合では中国が重要案件に拒否権を持つことでも合意しました。これでは、中国の専制は止められないと見るのが当然でした。

「平和的台頭」をうたいながら急速な軍備拡張を続け、日本をふくむ周辺国と軍事的摩擦を相次いで引き起こしていた中国の横暴な覇権主義、歴史問題での反日姿勢に対して、国民の不信感は極度に高まっていました。

たとえ金融の分野であっても、中国の覇権主義的な動きには警戒を要することを見抜いている国民にとって、AIIBを評価する国内メディアは、もはや「中国の代弁者」に過ぎない存在に思えていたのではないでしょうか。先に挙げたメディアのいずれもが、過去に「親中」的な報道が目立っただけになおさらでした。

安倍晋三首相は2015年5月21日、東京都内で講演し、公的資金によるアジア向けのインフラ投資を今後5年間で約3割増やすと表明しました。AIIBに対抗する狙いは明らかでした。引っ張らないよう願いたい。

この当時は、米国の大統領はまだオバマでした。そのオバマですら、拒否したAIIBに対して、世論を無視してまでマスコミは日本も参入すべきと報道したのです。

これは、日本のマスコミは中国を利するためにあると思われても仕方ないです。特に、米国からそう思われしまうと、とんでもないことになりかねません。

これについては、似たような懸念を日本の先端産業に抱いていることを以前このブログで表明したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
米国の技術を盗用して開発された中国のステルス戦闘機J-20

この記事では、中国の技術窃取に悩まされ続ける米国の対抗措置を掲載しました。このように米国が対策に苦慮している一方。日本には、「スパイ防止法」もなく「スパイ天国」の様相を呈しています。

そのことに関する懸念をこのブロクでは表明しました。以下のその部分のみを引用します。
世界一ともいえる「産業スパイ天国」を終わらせることが、中国の「技術略奪」の時代を終わらせることに直結します。と同時に、「世界秩序の破壊者」トランプ氏が目指す「米中冷戦」の勝利を一気に引き寄せることになるでしょう。
これをいつまでもグズグズ実行しなければ、日本の先端的な企業は中国への技術移転を防ぐために、米国から制裁をくらうことにもなりかねません。そのことを理解している経営者や研究機関はまだ少ないのではないかと危惧しています。
日本の先端産業は、中国のスパイに対してあまりも無防備です。米国が必死で、米国内で気密漏洩をしても、どこからか情報が漏れていることに気づき、よく調査してみたら、それは「日本のスパイ天国」から漏れていたことが明らかになった場合など、米国は日本の先端産業に何らかの制裁を課してくる可能性は十分にあります。

さらに、米国の技術が「日本のスパイ天国」から漏れなくなったにしても、日本が中国に対して、日本の先端産業を漏洩して、その結果として中国は米国から技術の窃盗をしなくても、日本からの窃盗で十分やっていけるような状況になったとすれば、この場合も日本の先端産業は米国から制裁される可能性は十分あります。

最近の米国は中国に対する攻勢を、強めています。こんな最中に中国に利することが、正しいことなどという考えはすでに時代遅れであり、そのような考えを捨てることができなければ、自滅するおそれもあるということです。

これには、何も先端産業に限ったことではないです。マスコミも同じことです。中国を利するような報道ばかりしていて、それが米国にも伝わって、中国のプロパガンダが米国に悪影響を及ぼしていると考えれば、米国は日本のマスコミ業界にさえ制裁を加えかねないです。

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2019年1月1日火曜日

米、中国けん制へ新法成立 台湾と軍事協力推進―【私の論評】ARIA成立で習近平涙目、米国は中国が体制を変えるか経済的に無価値になるまで制裁を続ける(゚д゚)!

米、中国けん制へ新法成立 台湾と軍事協力推進

米議会は新法成立を通じて、対中政策で安易な妥協をしないようトランプ氏にクギを刺した

トランプ米大統領は31日、アジア諸国との安全保障や経済面での包括的な協力強化を盛り込んだ「アジア再保証推進法」に署名し、法律が成立した。台湾への防衛装備品の売却推進や南シナ海での航行の自由作戦の定期的な実行を明記し、中国をけん制する。2019年3月1日に期限を迎える米中貿易協議も見据え、政権と議会が一体となって、中国に圧力をかける狙いがある。

新法は議会の対中強硬派が主導し、18年4月に上院に提出された。12月上旬の上院での法案採決では野党・民主党を含む全ての議員が賛成した。中国の安保・経済面での台頭に対する米議会の危機感を象徴する法律といえる。

新法は中国の軍事面での影響力拡大をけん制した。中国が軍事拠点化を進める南シナ海のほか、東シナ海で航行や飛行の自由を維持する作戦を定期的に実施する。東南アジア諸国の海洋警備や軍事訓練などに今後5年間で最大15億ドル(約1650億円)を投じる。

東南アジア諸国連合(ASEAN)が中国と共同で策定する南シナ海での紛争回避に向けた「行動規範」を通じ、ASEANによる海洋権益の維持を支援すると明記。ASEAN支援を明確にして、中国主導の規範づくりにクギを刺した。

ルールに基づく経済秩序を目指す「インド太平洋戦略」の推進も盛り込んだ。人権尊重や国際的な法規範の重視を改めて打ち出し、広域経済圏構想「一帯一路」を進める中国に対抗する姿勢を示した。


知的財産保護についても、中国の産業スパイやサイバー攻撃を念頭に「罰則を含む法律執行の強化が最優先事項だ」と指摘した。米政府は180日以内にインド太平洋地域での中国による知的財産権の窃取の現状や摘発状況を議会に報告する。サイバー分野でもアジア諸国と連携を深める。

国・地域別では台湾との協力を強める。脅威がさらに高まりかねない中国に対抗するため、防衛装備品の定期的な売却を進める。米政府高官の台湾訪問の推進も盛り込んだ。米国では18年3月に高官交流の推進を明記した台湾旅行法が成立している。インドについても「防衛装備品の売却や技術協力を最も親しい同盟国と同じ水準に引き上げる」と強調した。

新法は議会にとって、トランプ大統領が中国に対して安易な妥協をしないようクギを刺す意図もある。トランプ氏は現時点で中国に強硬姿勢を示しているが、シリアからの米軍撤退を突然表明するなど一貫性に乏しい政策決定が目立つ。法律を成立させれば政権の政策決定を縛ることができる。これまでも議会は対ロシア制裁強化法を成立させ、対ロ接近を探るトランプ氏をけん制したことがあった。

新法は超党派の賛成を得ており、仮にトランプ氏が拒否権を発動しても、議会が再可決し法律が成立する状況になっていた。

【私の論評】ARIA成立で習近平涙目、米国は中国が体制を変えるか経済的に無価値になるまで制裁を続ける(゚д゚)!

このブログでは、かねてより、米国による対中冷戦はもはやトランプ政権のレベルではなく、米国議会レベルになっているという主張をしていましたが、今回の「アジア再保証推進法」の成立はまさしくその正しさを裏付けるものとなりました。

これにより、現在の冷戦はトランプ政権が終了したあとでも、冷戦が続くことが決定的になりました。

習近平が、トランプ政権が終われば、米国による対中冷戦が終わるか、継続されたにしても緩くなるかもしれないと考えていたとすれば、その望みは完璧に断たれました。

昨年の米国では、行政府、議会、軍、研究者等、あらゆるレベルにおいて、中国政策は、従来の関与を軸とするものから、抑止を重視する強硬論へと潮流が向かっているように見えました。

米国 自由の女神像

一昨年末の『国家安全保障戦略』、昨年1月の『国防戦略』は、中国を修正主義勢力と呼び、戦略的競争相手と明言しました。米軍は、南シナ海での航行の自由作戦の頻度を上げ、最近、インド太平洋を見据え、つまり中国への対応を強化することを明確にすべく、太平洋軍の名称をインド太平軍に改称しました。

「アジア再保証推進法案(ARIA:Asia Reassurance Initiative Act)」は、昨年から審議されていましたが、トランプ大統領の署名によって発効の運びとなりました。
新法は超党派の賛成を得ており、仮にトランプ氏が拒否権を発動しても、議会が再可決し法律が成立する状況になっていたというのですから、米国議会の並々ならぬ決意がうかがえます。

 ARIAは、序論的な部分と、次の3編からなります。

(1)インド太平洋における米国の安全保障上の利益促進
(2)インド太平洋における米国の経済的利益の促進
(3)インド太平洋における米国の価値の促進

各部分はさらに全体で20項目に細分化されており分量が多いですが、その中で繰り返し、南シナ海の係争地形への人工島建設とその軍事化をはじめとする、ルールに基づかない中国の行動への懸念が表明されています。執拗ともいえる取り上げ方は、歓迎とともにいささかの驚きすら覚える内容です。米議会の対中強硬の雰囲気をよく表していると言えます。

ARIAの第1編は、日本、韓国、豪州をはじめとする条約上の同盟国との防衛協力強化を求めるとともに、インドとの戦略的パートナーシップの強化、台湾へのコミットメントを求めています。
台湾については、台湾関係法と「6つの保証」に基づく米政府のコミットメント、武器売却を求めるとともに、この3月に成立した「台湾旅行法」に沿って米高官の訪台を大統領が許可すべきである、と言っています。米議会は伝統的に一貫して親台湾ですが、ARIAもその伝統に沿った内容になっています。
第2編では、2国間・多国間の新たな貿易協定の交渉をやりやすくする権限を大統領に付与するとしています。さらに、インド太平洋地域へのLNG(液化天然ガス)の輸出を呼びかけたり、米通商代表部(USTR)に対しASEANと交渉を行う権限を付与するなどしています。

こうしたコミットメントは、トランプのTPP離脱という愚行の損失を、いささかなりとも補うものとなり得るかもしれないです。

第3編では、人権の促進、民主的価値の尊重、法の支配や市民的自由への対応が謳われています。そのために、2019年から2023年の5年間で、1億5千万ドルを拠出するとしています。

トランプ政権は、米国が支持してきた価値観を無視したり軽視したりしているきらいがありますが、ARIAの内容を見ると、議会は必ずしもそうではありません。これは心強い点です。

そして、最も重要なことは、この法案の提出者が、共和党のコリー・ガードナー、マルコ・ルビオ、民主党のベン・カーディン、エド・マーキーと、超党派である点です。

マルコ・ルビオ上院議員

つまりARIAの内容は、米国のコンセンサスと言って良いです。米国のインド太平洋重視、対中強硬姿勢は揺るがないでしょう。これから、米中は対決の要素が多い関係になるのは、間違いないです。

まさに、「アジア再保証推進法」の成立をもって、米国は対中国冷戦を国家戦略として実行していくことを内外に明確に示したのです。昨年10月のペンス副大統領の演説を、実行する意思を内外に示したのです。

習近平は今回の推進法の成立で、涙目になっていることでしょう。米国は、今後中国が体制を変えるか、そうでなければ経済的に無価値になるまで制裁を続けるでしょう。

現在のロシアのGDPは韓国より小さく、東京都を若干下回る程度の規模です。GDPが東京都程度の国が、いくら軍事力が強かったにしても、できることは限られます。

どうあがいても、米国と真正面から軍事力で衝突することなどできません。局所的に戦闘で勝つことはあっても、戦争には到底勝つことはできません。

現在のロシアの経済規模は、経済的に世界に対して影響力を及ぼすには小さすぎて無価値になったといえるでしょう。

米国は、中国が自ら体制を変えない限り、中国を第二のソ連にしようとしていると言って良いでしょう。

なお、米国の政策決定においては、議会が大きな役割を果たしています。この点に鑑み、日本としては米議会の動向をよく観察し、積極的に働きかけていく必要があります。それは、ここで取り上げたような安全保障政策だけに限ったことではないです。

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2018年12月31日月曜日

米国が韓国・文政権を見放す日は近い―【私の論評】日米が韓国・文政権を見放すにしてもその前にやるべきことがある(゚д゚)!

米国が韓国・文政権を見放す日は近い

北朝鮮にひたすら接近する韓国、トランプ政権の政策を骨抜きに

文在寅大統領

 韓国の文在寅政権は北朝鮮との融和を最優先し、米国が求める北朝鮮の非核化を真剣に考えていない。トランプ政権内外では、文政権に反対する韓国内の保守派への期待が急速に高まってきた──。

 米韓関係のこうした不穏な現状が、アジア報道で実績のある米国のベテラン記者によって報じられた。

 韓国海軍が海上自衛隊の哨戒機にレーダー照射した問題で日韓関係はさらに悪化する気配を見せているが、亀裂が広がりつつあるのは米韓関係も同様だ。北朝鮮への対応を巡る米韓のギャップは、日本の安全保障にも複雑な影響を及ぼしそうである。

米国の政策に反する文政権の融和政策

 ワシントンを拠点とするネット新聞「デイリー・ビースト」は12月19日に掲載された長文の記事で、米国において文在寅大統領への不信が広がっている状況を伝えた。記事の筆者は米国メディア界でアジア報道の最長老として信頼度の高いドナルド・カーク記者だった。

ドナルド・カーク氏(写真はブログ管理人挿入 以下同じ)

 カーク記者は1960年代のベトナム戦争報道を出発点として、朝鮮半島、日本、東南アジア、中国などのアジア情勢を一貫して報じてきた。ロサンゼルス・タイムズ、USAトゥデイ、シカゴ・トリビューンなど米国主要新聞の特派員を務め、多数のジャーナリズム賞を受賞した。現在はフリーとしてアジアとワシントンを往来して、活発にアジア関連報道を続けている。

 そのカーク記者が最近、韓国発の記事を執筆した。見出しは「韓国の右派が台頭し、トランプ大統領と金正恩の平和を崩しそうだ」と付けられていた。

 この記事でカーク記者は、韓国の文在寅大統領が金正恩政権への経済協力など融和政策を進めており、その政策は北朝鮮の非核化を目指すトランプ政権の政策を骨抜きにすることになると指摘する。韓国内では、文政権に反対する右派が米韓同盟の重要性を主張して、同政権への抗議を強めているという。

 カーク記者による本記事の根幹は、韓国の文政権が米国の超党派の政策に反する行動を取っているとする厳しい糾弾でもあった。

トランプ政権が文政権に抱く不信の念

 カーク記者の報道の骨子は以下のとおりである。

・現在、韓国の首都ソウルで毎週、開かれる文在寅大統領への抗議デモは数千人から万単位へと広がり、金正恩政権との融和を求める文政権のリベラルな政策に対して、右派、中道派からの批判の勢いが高まっている。文政権への支持率も2017年の同政権発足以来、初めて50%を割り、これまでで最低となった。

文在寅大統領への抗議デモ

・文大統領は、米国が最優先する北朝鮮の完全非核化という大きな目標を軽視して、南北開通鉄道の開設など北の経済を利するプロジェクトを推進しようとしている。だが、南北鉄道構想に関わる韓国側の当事者たちは誰もが、北朝鮮の技術やインフラは南北鉄道開設を可能にする状態にはなく韓国側の一方的な持ち出しになると指摘する。

・文大統領のこの態度はトランプ政権の政策への事実上の反対であり、北朝鮮への甘い幻想の産物だともいえる。このまま文政権の対北政策が進めば、北朝鮮は非核化を実現することなく韓国との融和や韓国からの経済支援を獲得し、トランプ政権の政策を骨抜きにしてしまう。そのためトランプ政権側にはすでに文政権への強い不信や批判が生まれている。

 カーク記者は、ソウルだけでなく、北朝鮮との国境の非武装地帯に近い京畿道の南北鉄道開設計画の拠点も訪れて、文大統領の北朝鮮への経済協力がきわめて非現実的だという判断が文政権周辺にも広がっている状況を報告していた。その結果、文政権はトランプ政権の北朝鮮政策を骨抜きにして、米韓同盟の基盤までを侵食する危険があるという警鐘を鳴らしていた。

朝鮮半島を分断する南北軍事境界線上の共同警備区域で警備に就く朝鮮人民軍の兵士たち

韓国の保守派・右派の動きに要注意

 さらにカーク記者によると、韓国内部で、文政権の北朝鮮に対する政策や認識に反対する右派・中間派の動きが米国の政策にも影響を及ぼす可能性があるという。同記者は次のように述べる。

・文政権への反対派は、北朝鮮の金正恩国家委員長を残虐な人権弾圧の独裁者として非難し、金委員長のソウル訪問にも強く反対する。同時に米国との連帯を強調し、米韓同盟の重要性を改めて訴える。トランプ政権は、北朝鮮の完全非核化を主張する韓国の保守派の主張が拡大し、文政権にも影響を及ぼすことを期待している。

・だが韓国の保守派は、金委員長をあくまで敵視する点でトランプ政権の対北認識に合致しない部分もある。つまり、トランプ政権は、金正恩氏が非核化を公約どおりに進めることを条件として協調姿勢をとるのに対して、韓国内の保守派は金政権との協調自体にも反対する。その保守派のパワーの広がりは、トランプ政権の対北政策の土台をも崩しかねない。

 以上のように、韓国内の保守派・右派は、文政権の対北融和政策に激しく反対すると同時に、米韓同盟の堅持を主張する。ただし、金正恩委員長とその政権をどうみるかについては、トランプ政権の政策が甘すぎるとする傾向もみられる。そのため、仮に保守派・右派が韓国民の支持を高めた場合、米国政府の対北政策を一部否定する動きにまでつながる可能性がある、ということになる。

 韓国内部における文政権への支持の状況は、日本にも大きな余波をぶつけることになる。韓国内の保守派・右派の動向には十二分の注意が必要だといえよう。

【私の論評】日米が韓国・文政権を見放すにしてもその前にやるべきことがある(゚д゚)!

冒頭の記事に、「韓国海軍が海上自衛隊の哨戒機にレーダー照射した問題で日韓関係はさらに悪化する気配を見せている」とありますが、この事件は米韓関係を悪化させる可能性もあります。

そもそもこの事件の真相に関して、様々な筋がいろいろ分析していますが、なかなかしっくりきません。

実は、韓国以外にも似た事例は過去にありました。1987年の「対ソ連軍領空侵犯機警告射撃事件」です。日本の領空を侵犯したソビエト軍偵察機に対して、自衛隊が実弾警告射撃を行いました。日本はソ連に抗議し、「ソ連は計器故障による事故」として関係者を処分しました。その後もろもろのやり取りはあったのですが、基本的にはソ連側の処分をもって終わった話です。

ソ連軍偵察機に実弾警告射撃を行った第302飛行隊所属のF-4EJ(同型機)

ここからもわかる通り、今回の事件もおそらく韓国が「偶発事故」として関係者を処分していれば、それで終わった案件です。もしも韓国側が、「日本が映像記録を残していないだろう」と考えていたなら、現状認識不足は致命的です。

そうではなく「日本政府はまさか映像を公開しないだろう」というような、日本に対する甘えが、現場にも政府上層部にもあるのかもしれません。これは、決して友好国として望ましいものではありません。

もしもこのほかに、韓国側に「正直に言えない理由」があるのだとすれば、それは日韓関係においてかなり重症であるといえると思います。
そのことについて、28日の読売新聞で、興味深い記事がありました。それは、韓国が日本海周辺で密漁していたと思われる北朝鮮の漁船を日常的に救助していたからというものです(https://www.yomiuri.co.jp/politics/20181228-OYT1T50096.html?from=tw)。これは、確定的証拠はない仮説にすぎないですが、確かに防衛省が公表した動画とも整合的です。
現場の能登半島沖は、好漁場の「大和堆」の周辺で、北朝鮮漁船によるイカの密漁で問題になっているところです。「大和堆」は、平均1750メートルと深い水深の日本海にあって、浅いところで、好漁場になっていますが、ここは日本の許可なしでは漁ができない排他的経済水域内です。
しかし、この数年、大和堆の海域には中国や北朝鮮の漁船が大量に押し寄せ、密漁をしているのは周知の事実です。水産庁の取締船や海上保安庁がそれらの漁船を追い出していますが、手が回らない状態です。
北朝鮮は、現在国連の経済制裁を受けているので、石油は手に入りにくいですが、大和堆にやって来る漁船は、北朝鮮軍からの石油割当を受けているはずなので、軍の指揮下にあるとみて良いでしょう。
その北朝鮮の密漁漁船を韓国軍が(日常的に)救助していたとすれば、国連の制裁決議を北朝鮮に課している国際社会は「韓国が北朝鮮の国連制裁決議の尻抜けを手助けしていた」というように見ることでしょう。
そうして、これは北朝鮮に対して前のめりの文在寅大統領の行動をみていれば、本当に尻抜けを手助けしているということも十分に考えられます。
実際、韓国の東海地方海洋警察庁(大韓民国海洋水産部隷下の沿岸警備隊)が6月11日早朝、エンジンの故障と浸水により北東部の江原道・束草沖を漂流していた北朝鮮の小型漁船の乗組員を救助したと発表しています(WOWKOREA)。
同庁によると午前6時20分ごろ、束草の東方約218.5キロの海上で韓国漁船が漂流中の北朝鮮の小型漁船を発見し、関係機関に通報しました。

海洋警察は艦艇を派遣して漁船の乗組員5人を救助し、関係機関と共に事故原因などを調べたとしています。

この出来事自体は、無論韓国が北朝鮮の尻抜けを手伝ったものとはいえないですが、それにしても何度もこのようなことが重なった場合、予め韓国の艦艇が北朝鮮の艦船が出没する近くに出動し手助けするのが恒常化しているおそれもあります。

ひょっとしたら、韓国がひた隠しにしたいのはこのことなのかもしれないです。日本の海上自衛隊に見られたくないものを見られたから、そのシラを切り続けるために、日本に強硬な態度をとり続けているのではないかと疑ってしまいます。

さらにこの海域には、中国の潜水艦が行動する水域でもあり、韓国駆逐艦の行動は、(日米連携での)中国潜水艦の探査活動を妨害し、日米連携を分断し中国を利するものともいえます。

こうしたことから、韓国がもし北朝鮮の制裁尻抜けに大きく関与していたとすれば、米国の韓国に対する態度も一気に硬化することになります。

真相の解明は翌年に持ち越されましたが、日本は毅然とした態度を取り続けることが重要です。

そうして、韓国が南北統一にまっしぐらに進むということがわかった場合には、このブログでも前に掲載したように日米がすぐに韓国を見放すということではなく、その前に、日米が韓国に対して金融制裁等を実行して、経済的にも科学技術的にも徹底的に疲弊させるべきです。

現在のままの韓国をわざわざ、北朝鮮に引き渡し、金正男を喜ばせ、韓国の経済力をもとにさらに軍事力を強化させるようなことはすべきではありません。それどころか、韓国が金正恩の負担になるようにすべきです。

現在のロシアのGDPは、韓国を若干下回るくらいの規模です。南北が統一されれば、ロシアの経済規模を上回る独裁国家が半島に生まれることになります。韓国の経済規模は、東京都と同規模です。

絶対にそのようなことをさせるわけにはいきません。そもそも、現在の体制のままの南北統一はさせない、最悪させてしまうにしても、韓国の経済を徹底的に潰しておいてから統一させるべきです。

さて、今年も最後になりました。皆様、昨年中は大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。

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2018年12月30日日曜日

官僚不祥事を斬る 高橋洋一嘉悦大教授「官僚は合理性を武器に」―【私の論評】国民本位の合理的な考えでなく省益本位で仕事をする財務省は排除せよ(゚д゚)!

官僚不祥事を斬る 高橋洋一嘉悦大教授「官僚は合理性を武器に」

厚労省、財務省,法務省の看板(左から)

平成30年は官僚の不祥事やミスが多かった。「官僚の劣化」という人がいるけど、世界からみたらもともとそんなに優秀ではない。事務仕事だけやっていればよいのだから。たまたま噴出しただけではないか。

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改竄(かいざん)は、とんでもない話だ。佐川宣寿前国税庁長官が、自分の答弁に合わせるために改竄を主導した。佐川氏は懲戒免職にすべきだった。停職3カ月相当の懲戒処分なんて軽すぎる。

 2月にこの問題が報じられたときに決裁文書を読んでしっかり答弁していたら改竄する必要がなかった。これが佐川氏の「チョンボ」。財務省近畿財務局は、土地を入札にかけていれば何の問題もなかった。問題の土地と道路を挟んで隣接する同規模の元国有地を大阪府豊中市が実質負担2千万円で購入していたので、このぐらいで売れたはずだ。こちらは近畿財務局の「チョンボ」だ。

 財務省では、福田淳一前事務次官はテレビ朝日の女性記者へのセクハラ発言で辞任した。あれは仕事とは別の失敗だ。福田氏は地頭もよく、官僚としては優秀だった。

佐川宣寿前国税庁長官と福田淳一前事務次官

 「働き方改革」は、厚生労働省による裁量労働制に関する調査で異常値が相次いで見つかり、政府が法案から裁量労働制の対象拡大を削除する事態に追い込まれた。そもそも、裁量労働をしている人は、仕事時間が明確に分からない。私も裁量労働だが、外でふらふらして情報収集している時間も仕事といえば仕事だが、そうでないともいえる。知人は朝起きてから寝るまで仕事の時間と答えたそうだ。

 統計では、そうした数値は「外れ値」といってカウントしないというルールがある。統計を分かっていない。率直にいうと、官僚に文系が多すぎる。データの専門家が役所にほとんどいないんだよ。野党のほうがそういうことをよく分かっていて、政府を責めた。戦術的に野党が勝ったという話だ。

 外国人労働者の受け入れ拡大に向け在留資格を創設する改正出入国管理法は、拙速すぎた。中身は詰まっていない。世界の例では総量制限などをきちんと法律に書き込むが、日本は政省令だ。審議の中で法務省で失踪技能実習生の調査をめぐる集計ミスなどもあった。法務省はゆっくりだけど、きっちりやる役所だ。せかされたらこうなるのは目に見えていた。将来、混乱が起きるだろう。

 外国人材の受け入れは2月の経済財政諮問会議で安倍晋三首相の指示が出てキックオフとなり、6月の「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太方針)に「来年4月」と盛り込まれた。秋の臨時国会で法改正が行われた。法務省は「骨太」が決まる前に、ちゃんとした制度を作るには「来年4月では無理だ」と説明すべきだった。「来年度」とすれば何の問題もなかった。自分たちの力を過信したのか。

 官邸の力が強いから逆らえないという指摘もあるようだが、関係ない。「政」は合理性に弱い。平成17年に小泉純一郎元首相が郵政民営化の施行を「2カ月遅らせろ」と指示したことがあった。郵政選挙の空白期間が2カ月だったからだ。私は「半年ごとのシステムしか構築していないから無理だ」と説明したら、小泉氏は「えっ」といって、あっさりと受け入れた。合理性とはこういうものだ。

 確かに安倍政権が長いから「政」が「官」に比べて強い。だが、こういうときこそ官僚は合理性を武器にすべきだ。合理的に説明する人材を人事で飛ばすわけがない。排除されるとすれば、合理的に説明する能力が足りていないだけだ。(沢田大典)

【私の論評】国民本位の合理的な考えでなく省益本位で仕事をする財務省は排除せよ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事ては、「こういうときこそ官僚は合理性を武器にすべきだ。合理的に説明する人材を人事で飛ばすわけがない。排除されるとすれば、合理的に説明する能力が足りていないだけだ」と締めくくっていますが、確かにそうです。

官僚が合理的に、特に数字を用いて合理的に説明できれば、排除されることなどありえないです。ただし、例外もあります。その例外とは、官僚や役所が合理的な考えで仕事をしていないときです。この場合はどう考えても合理的説明ができません。

それは実際に事例があります。それについては以前このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
株急落は来年の様々なリスクの前兆、消費増税の余裕はない―【私の論評】財務省は本気で全国民から恨まれ、米国を敵にまわしてまでも増税できるほど肝が座っているのか?
 

この記事は、今月の27日のものです。元記事は高橋洋一氏が書いています。この記事には、高橋洋一氏が、上司に日本の財政赤字はさほど深刻でいないことを説明したところ、とんでもない答えがかえってきたことを掲載しています。その部分のみ少し長いですが、引用します。
 本コラムでは、政府の財政について、負債だけではなく、資産も含めたバランスシートで考えなければいけないと、何度も書いてきた。筆者は20年以上もこのことを繰り返してきた。「統合政府論」というファイナンス論の基礎でもある。 
 この考え方をもとに、大蔵省(現財務省)勤務時代に、単体のみならず連結ベース政府のバランスシートを作成した。それをみると、それほど国の財政状況は悪くないことが分かった。 
 国の徴税権と日銀保有国債を政府の資産と考えれば、資産が負債を上回っていることも分かった。この財政の本質は、現在まで変わっていない。
 また資産といっても、一般に考えられている土地や建物などの有形固定資産は全資産の2割にも満たない程度だ。大半は売却容易な金融資産で、政府関係機関への出資・貸付金などだ。
 その当時、筆者は上司に対して、ファイナンス論によれば、政府のバランスシート(日本の財政)はそれほど悪くないことを伝え、もし借金を返済する必要があるのであれば、まずは資産を売却すればいいと言った。
 それに対し上司から、「それでは天下りができなくなってしまう。資産は温存し、増税で借金を返す理論武装をしろ」と言われた体験もいろいろなところで話してきた。
 ちなみに、日銀を含めた連結ベース、つまりいわゆる統合政府のバランスシートに着目するのは、その純資産額が政府の破綻確率に密接に関係するからだ。
 これもファイナンス論のイロハである。IMF(国際通貨基金)も、統合政府の純資産に着目して、日本では実質的に負債はないといっている。
 純資産額の対GDP比率は、その国のクレジット・デフォルト・スワップ・レートと大いに関連する。それは破綻確率に直結するからだが、日本の破綻確率は今後5年以内で1%にも満たない。
 この確率は、多くの人には認識できないほどの低さであり、日本の財政の破綻確率は、無視しても差しつかえないほどである。
この文書から、高橋洋一氏の上司は「天下りをするために、資産は温存し、増税で借金を返す」と発言したわけです。

これは、高橋洋一氏きが大蔵省(現在の財務省)に在籍していたときの話であり、この話は当時の大蔵省や現在の財務省では、通じる話かもしれませんが、政治家や一般国民には通じる話ではありません。

一国の財政は、国民生活が円滑に進むようにすべきであって、財務省(大蔵省)の官僚の天下りのために実施されるべきではありません。

しかし、大蔵省、そうして現在の財務省は、現実に天下り先を確保するために、増税や緊縮財政を続けているわけです。その典型的なものは、来年10月の消費税の10%へのひきあげです。財務省は、日本国民にとって合理的な考えでなく省益本位で仕事をしているのです。

このために財務省は、増税のために様々な論拠をあげるのですが、それらはことごとく合理性に欠けています。

このように財政に関して、財務官僚や財務省は合理的な考えで仕事をしていません。そのため、財務省は財政に関して合理的な説明ができません。

財務官僚の説明する財政に関する話は、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改竄(かいざん)において、佐川宣寿前国税庁長官が、自分の答弁に合わせるために改竄を主導したのと同じように、ことごとく非合理的です。



ただし、財務省は、税務権力、特に強制的な財務調査権を持っているため他省庁や、政治家、あらゆる民間組織、個人に対して、強力なパワーを発揮できます。税務権力は軍事力、警察権力と並んで、国家権力の典型です。

この財務省が財政に関して非合理的なことを語っても、政治家もマスコミも、民間組織も個人もそ非合理性を強く非難したり、追求したりしないのです。

こうした国家権力はいうまでもなく強力で、政治学や社会学では軍事力や警察権力はしばしば「暴力装置」と呼ばれます。学問の世界では税務権力は暴力装置から外されることが多いですが、実質的には含まれていると考えるのが妥当だと思います。この税務権力に政権・政治家は怯え、メディアや財界も事を荒立てないようにするのです。

荒立てないだけなら、まだしも、財務省の緊縮財政の根拠についてそれを補強するような論説をする恥知らずのマスコミや識者も大勢存在する始末です。これらに籠絡されて、増税すべきと頭から信じ込む政治家も多数存在します。

そのため、財務省のどう考えても、経済的に非合理な財政に関する考え方、たとえば消費税の増税なども、多くの国民は、正しいものと信じ込んでしまうわけです。ただし、この非合理性に関しては、以前よりは多くの識者が暴露するようになってきたので、徐々にこれを信じなくなってきてはいます。

冒頭の記事では、「(官僚が)排除されるとすれば、合理的に説明する能力が足りていないだけだ」と語っていますが、財務省という官庁そのものが、財政に関して合理的説明ができないのですから、この状態がいつまでも続くなら財務省を排除するしなくなります。

すなわち、財務省の解体です。ただし、このブログでも何度か掲載したように、財務省という官庁は単純に分解すると他省庁を植民する習性があるので、いくつかに分解した上で、それぞれを他省庁の下部組織として組み入れるのが適当です。

他の文科省などの組織も、自らの仕事に関して合理的な説明ができない官僚や、組織自体も、その状態が続き治る見込みがないなら排除すべきです。

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2018年12月29日土曜日

レーダー映像公開…日米、韓国に金融制裁の可能性も? 米政府関係者「われわれが離れるとき韓国は焦土化する」 ―【私の論評】日米で韓国に対して金融制裁を発動し金融面で焦土化することも視野に(゚д゚)!

レーダー映像公開…日米、韓国に金融制裁の可能性も? 米政府関係者「われわれが離れるとき韓国は焦土化する」 


文在寅大統領

 韓国海軍の駆逐艦が、海上自衛隊のP1哨戒機に、攻撃寸前の火器管制用レーダーを照射した問題は、米トランプ政権が水面下で進める「米韓同盟消滅」の決定打となるのか。北朝鮮への制裁緩和を訴える文在寅(ムン・ジェイン)政権に対し、日米共同の金融制裁という報復措置がありうると専門家は指摘。米政府関係者は「われわれが離れるとき、韓国は焦土化する」と不気味な予告をしている。

 レーダー照射について「韓国では、日本とのもめ事を起こす文政権に対する批判がある一方、『日本の哨戒機を撃墜すべきだった』と、日本との対決を求める声もある」。長年の韓国ウォッチャーとして知られ、『米韓同盟消滅』(新潮新書)などの著書がある元日本経済新聞編集委員の鈴置高史(すずおき・たかぶみ)氏はこう解説する。

 「もともと韓国軍が『親日』だったことはない。『日本撃滅』のスローガンがかかっている海軍基地もあると聞く。北朝鮮との緊張が緩和する中、韓国海軍が日本海に目を向けるのは当然だろう」というのだ。

 ハリス駐韓米大使は11月、韓国誌『月刊朝鮮』で「米韓同盟は確固として維持されているが、当然視してはいけない」と異例の警告を発した。レーダー照射問題は、米政権側に募った韓国に対する不信感を一段と際立たせることになる。

 文大統領は、9月に米国、10月中旬に欧州を歴訪し、一貫して対北制裁の緩和を呼びかけるなど、「親北」姿勢を強めてきた。これを受けて米政府関係者のヒアリングを受けた鈴置氏は「米政府関係者は『なぜ韓国はわれわれをいらつかせるのか』と聞いてきた」と振り返る。

 「特に米国を怒らせたのは、欧州に制裁緩和を持ちかけ、米国を孤立させようとしたことだ。当然、欧州各国も応じるわけはなく、『韓国は何を考えているのか』と驚いた。世界中の専門家が韓国をけげんな目で見るようになっている」

 鈴置氏以外の日本人の専門家と情報交換した米政府関係者から、「われわれが韓国を離れるときは、このままでは離れない。焦土化する」といった発言があったという。

 「経済面でボロボロにするということだろう。韓国が北朝鮮の別動隊だということを世界中の人が見抜いており、韓国も北に連座する形で制裁対象になってもおかしくないという見方が強まっている」という鈴置氏。文大統領は南北統一という野心を隠しておらず、「南北共同の核保有は、米国以上に日本に脅威となる。日米共同の制裁もあり得る」というのだ。

 ここにきてレーダー照射問題が浮上。日本が韓国に「制裁」に出るとの見方もある。その場合、「韓国に報復するならまずは経済、なかでも金融に即効性がある。米国も韓国への『お仕置き』のタイミングを見計らっている」(鈴置氏)。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを進めることで、韓国から資本が流出する懸念が一段と強まっている。景気や雇用が低迷するなかで、韓国銀行(中央銀行)は11月末、政策金利を引き上げたが、米国も今月、追加利上げした。米国に追随して利上げを進めると、韓国が抱える家計負債などの問題が再燃する恐れもある。

 韓国に対する金融制裁について鈴置氏は、「米国系の銀行が韓国から資金を引き揚げるという情報をマーケットに流す、日本が半導体製造装置を売らない、日米の銀行が一緒に、韓国がドル調達をできないようにするなど手口はいくらでもある。韓国国債の格付けが下がるようなことがあれば、市場は資本逃避(キャピタルフライト)に直面するとみるだろう」と話す。

 「ロックオン」されているのは韓国の方かもしれない。

【私の論評】日米で韓国に対して金融制裁を発動し金融面で焦土化することも視野に(゚д゚)!

防衛省は28日、火器管制レーダーの照射問題で映像を公開しました。韓国側が照射をかたくなに否定しているためです。日本の主張の正当性を訴えるとともに、真相の解明を迫る狙いがあります。以下がその映像です。



「海上自衛隊が適切な行動をとったことを国民に理解してほしい」

岩屋防衛相は28日の記者会見でこう述べ、映像公開の意義を強調しました。

火器管制レーダーの照射は20日、日本海の能登半島沖で発生。防衛省は21日に公表しましたが、韓国国防省は記者会見で火器管制レーダーの照射を否定しました。27日に日韓の防衛当局間で行ったテレビ会議でも、韓国側は事実だと認めませんでした。

約13分間の映像は冒頭、韓国海軍の駆逐艦や海洋警察の警備救難艦、北朝鮮漁船とみられる遭難船などに、海上自衛隊のP1哨戒機が近づく様子から始まっています。映像開始から6分すぎ、駆逐艦から約5キロ離れた地点で、哨戒機が火器管制レーダーの電波を初めて探知しました。

哨戒機の乗員の一人は「避けた方が良いですね」と緊迫した様子で声を上げ、機長が駆逐艦の大砲の向きを確認するように指示した。哨戒機が回避行動をとった後、探知音を聞いていた乗員が「めちゃくちゃすごい音だ」と強い電波に驚く場面も記録されています。

その後、乗員は韓国駆逐艦に対し、三つの周波数で「行動の目的は何ですか」などと英語で問い合わせましたが、韓国側からの応答はありませんでした。

現場は好漁場の「大和やまと堆たい」の周辺で、大量の北朝鮮漁船によるイカの密漁が問題となっています。日本政府関係者は「韓国軍は北朝鮮漁船の救助に普段から関わっている可能性があり、日本に知られたくなかったのではないか」と分析しています。

しかし仮にそうだったとしても、ではなぜこのような常識はずれの事案が起きたのでしょうか。事案発生当時、問題の韓国艦は日本海中央部の大和堆に近い日韓中間水域(11月15日に起きた日韓漁船衝突事故の現場付近)にいたとされます。韓国艦は当該海域で、北朝鮮の木造漁船(しばしば工作船としても使われる)の監視と、通常の訓練を行っていたと思われます。韓国側が主張する「北朝鮮漁船の救難活動」も、あったとすればその中で行われたのでしょう。



一方、海上自衛隊のP‐1は能登半島沖の、日本の排他的経済水域(EEZ)の上空にいたとされています。当該機は厚木の第4航空群の所属で、こちらも厚木航空基地から日本海側へ進出し、そこから日本の領海線に沿って回る通常の哨戒活動をしていたと思われます。

具体的には目視(光学式観測)と対水上レーダーによる、海上哨戒活動です。P‐1の水上レーダーは非常に高性能で、海上に浮かぶ多数の船舶の大きさや形、動きなどをすべて把握できます。

軍事秘密なので公表はされていませんが、一説には、水面から数センチほど顔をのぞかせた潜水艦の潜望鏡さえも探知できるらしいです。そうした性能を使って、北朝鮮船による沖合での安保理決議違反である瀬取り行為の監視も行っていたでしょう。

韓国艦も自衛隊機も、お互いに通常の任務中であったといえます。その中でなぜ、あのような事案が発生したのでしょうか。

おそらくは韓国艦が何らかの監視活動、あるいは救難活動を行っているときに、P‐1哨戒機の航路に過剰に反応したのではないでしょうか。軍艦は常に、周辺の航空機の動きを対空レーダーで監視しており、軍用の敵味方識別装置(IFF)や民間用のトランスポンダを用いて、レーダーでとらえた航空機がどこに所属するのか、友軍か否かも把握できます。ここまでは、どんな艦でも行う問題のない行為です。

ところが、火器管制レーダーの照射は違います。ビームが目標に照射された時点で、いわゆる「ロックオン」という、艦の射撃指揮システムが目標を正確に把握した状態が成立します。照射された航空機では、システムが画面表示と警告音によって、ロックオンされた事実を乗組員に伝えます。

2013年に中国海軍のフリゲート艦が海自の護衛艦に火器管制レーダーを照射したときもかなりの騒ぎになりましたが、このときは敵からのものであり、あり得ることであると多くの国民が考えたかもしれません。

しかし、今回は「友軍」から照射されたということで、現場では意味不明としか言いようがない状況だったと思います。そういう状況のもとでも、防衛省が公開した動画ではP‐1の乗組員は終始冷静で、レーダー波の周波数確認を含む必要な任務を高い確度で遂行していたのが印象的できした。

もっとも、実際にミサイルを発射できるシークウェンス(手順)にまで入っていた可能性は低いです。艦のシステムがIFF(敵味方識別装置)で友軍機と認識した航空機を、ミサイル攻撃の目標に設定することは基本的にできない仕組みになっているからです。

しきかしそもそも、友軍機に火器管制レーダーを照射する段階で、途中のシステムの警告(味方だが大丈夫か、といった確認を求められる)を手動でオーバーライド(上書き)する必要があり、そこに何らかの「人為」が働いたことは間違いないです。その人為を、一体誰が行ったのでしょうか。




火器管制レーダーを操作するのは、艦のCIC(戦闘指揮所)の射撃管制員ですが、通常は艦長あるいは副長の命令がなければ照射は行われないです。少なくとも、自衛隊で言えば砲雷長や砲術長など火器管制に関わる幹部の指示が必要です。

さらに火器管制レーダーを使用しているという事実は、CICの全員に伝わります。末端の人間がこっそりやれるような行為ではないですし、誤って照射した場合はすぐに制止が入るはずです。もしそのような事象であれば、「レーダー員のミスだった」と韓国側が公表して謝罪すれば済む話であったはずです。

おそらくは、もっと上の階級の人間が関わっているために、そうした簡単な処理ができなかったということでしょう。交戦規則などの武器使用に関する規定をここまで無視できるのは、やはり艦長か副長クラスなのではないかと思われます。

「のぞきやがってけしからん、ひと泡吹かせてやれ」と、そのクラスの人間が命令したというのが、一番ふに落ちるシナリオです。

国際的な慣習において、公海上の軍艦は旗国(帰属する国家:今回の事例では韓国)以外のいずれの国の管轄権も及びません。一つの独立国と同等の扱いを受けます。その艦長の権限と責任は、いわば一国の主に等しいのです。もし艦長あるいは副長クラスの上級幹部が今回のような暴走を行ったのだとすれば、韓国軍には指揮統制上の重大な問題があるということの証明になってしまいます。

実際、韓国側のこれまでの対応を見る限り、韓国国防部も大統領府も、何が起きているのかを把握する能力がないように見える。文民統制や軍の指揮統制という面から見れば、末期的症状をきたしているといって良いでしょう。

韓国海軍士官学校の若者たち 2009年12月13日


クァンゲト・デワン」級のような旧型艦は一般に、若手艦長の最初の任官先になることが多いです。そして今の韓国の若手の職業軍人は、反日教育の「毒」が回った世代です。

今回の事案の背景には、文在寅政権のもと韓国国内でますます高まっている「日本には何をしてもいい」という韓国国内の空気感の影響もあるでしょう。そして西太平洋の安全保障体制の中で日本と韓国のつなぎ役を果たしてきた米国は、韓国との同盟関係を加速度的に細らせつつあります。韓国が軍事政権から民政に移行して以来、長年にわたってありとあらゆる工作活動を韓国で展開してきた北朝鮮にとって、これら日韓/米韓の離間はまさに望み通りの結果のはずです。

そして当の韓国軍は、本来なら優先順位がはるかに高いと思われる北朝鮮軍の南侵やミサイル攻撃に備える装備より、強襲揚陸艦やイージス艦、弾道ミサイルや巡航ミサイルを発射可能なミサイル潜水艦、射程500キロ以上の新型弾道ミサイルといった、日本への対抗を主眼とするかのような装備の充実に力を入れています。日本にしてみれば、朝鮮半島への軍事侵攻などもはやありえない選択肢なのですが、韓国国民の認識は異なり、それが軍内部にも反映しているのでしょう。

韓国海軍は、12月13日に島根県の竹島の周辺海域で、島の防衛を想定した定例の合同訓練を14日までの日程で行っていました。島の防衛というからには仮想敵国は日本です。その延長線上に今回の「ロックオン」があるのでしょう。

韓国の女子中学校の生徒名で、日本の竹島教育を批判するハガキ41通が島根県内の中学校に届きましたが、まるでカルト教団のように反日教育を洗脳される生徒たちが哀れです。反日教育を受けて入隊すれば、自衛隊機に向け「ロックオン」くらい、彼らの愛国精神からやるのは当然なのかもしれません。

日米韓の協調関係が終わり、核武装した南北統一軍が成立する可能性への備えを、わが国はそろそろ真剣に考え始めるべきなのかもしれないです。

それ以前に、今回の事件に関して韓国側がいつまでも、謝罪や遺憾の意を評さないというのであれば、この記事の冒頭の記事にもあるように日米で韓国に対して金融制裁を発動して、それこそ韓国を金融面で焦土化するということも視野にいれるべきです。

南北統一が成立したときには、韓国は経済的には何の価値もない状況にしておくべきです。韓国など経済的に手助けして、経済を良くした状態で、南北が統一されてしまえば、意味もなく敵に塩を送ることになります。

金正恩や習近平を喜ばせる必要はありません。

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