2008年6月17日火曜日

秋葉原通り魔事件が暴くお役所仕事の実体とは?-やはりNPOに任せるべきか?

お役所めぐりズコー!


「0億円、2時間で作った」(【情報源:itメデア・ニュース】読んだ方、内容を知っている方は、読み飛ばしてください)
秋葉原通り魔事件に関連して、「総務相が、ネット上の犯行予告を検知できるソフトの開発費を来年度予算の概算要求に盛り込むと発言した。費用は数億円」という報道を受け、開発者の矢野さとるさん(26)は、犯行予告収集サイトを1人で2時間で構築・公開しました。

予告.in ネット開発者で構成するベンチャー企業・ロケットスタートの矢野さとるさん(26)は6月12日、ネット上の犯行予告を集約するサイト「予告.in」を公開した。フォームから犯予告情報を投稿してリアルタイムで共有できるほか、2ちゃんねる(2ch)やブログ、はてなブックマークから犯罪予告関連の書き込みを自動収集。犯罪防止に役立ててもらう狙いです。行予告情報を投稿する掲示板や、警視庁匿名通報フォームなど通報先をまとめたリンク集、犯行予告に関する情報をまとめるWikiも設置しました。犯行予告のブックマークを共有でき「通報ブックマークレット」も実装する予定です。「ブックマークの多いURLのランキングを作れば悪質なものが上に上がってくるのでは」とみています。

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 予告.inはこちらをクリック
ネットの良心活用 ゼロ円で犯罪防止を矢野さんは11日夜、「増田寛也総務相が来年度予算の概算要求に、ネット上の犯行予告を検知できるソフトの開発費を盛り込む。費用は数億円かかる」という内容の報道を見て、「インターネットの仕組みを使えば、0億円で数時間でできる」と考え、実際に1人で2時間で作ったといいます。

報道にあったような、犯行予告を自動で検知するソフトの場合、関係ない情報を大量に収集してしまったり、検知をすり抜ける隠語が利用される――といった可能性があり、精度を高めるのが難しい。

矢野さんは「2chで犯行予告を探し、通報しているボランティアは多い。そういった“ネット上の良心”をリソースに、人手で探す人海戦術のほうが、より精度が高いだろう」と考え、CGM(Consumer Generated Media)型防犯システムを発案したという。

矢野さんは、「最近は、ネットの悪い部分ばかり取り沙汰され、いい部分があまり出てこなくて悲しい。2chの住人の地道な活動などが、こういうツールやサービスを通じていい方向に使われれば」と語っているそうです。

お役所が考えると?増田寛也総務相は、「来年度予算の概算要求に、ネット上の犯行予告を検知できるソフトの開発費を盛り込む。費用は数億円かかる」と語ったそうですが、この中身はどのようなものか検証してみなければわかりませんが、きっとかなり大掛かりなことを考えたのだと思います。

きっと、まずは、各界から横断的に集めた優秀な5人~10人の調査グループなどを設置して、基礎調査に半年、おそらくは、巨大データベースなど構築し、そのデータベースの、サーバーを格納する堅牢なウェアハウスなども構築するのだと思います。地震が起こっても何があっても大丈夫なようにとか・・・・。

そのほか、そうしたデーターベース運用し、警察に知らせるための要員も含んだような、「財団法人 ネット犯罪情報収集・蓄積・通報総合開発機構」のような名前の組織を作るのだと思います。きっと、その組織図中には「ネット犯罪防止情報システム委員会」という大仰な名前の委員会もあって、NTT、富士通、NEC、ソフトバンクなどのネット関連企業の中の技術者であるとか、大学教授、医師、心理学者、精神病理学者その他関連の社団法人などの人々の名前がずらりと並ぶと思います。

常勤職員は十数名、開発機構理事長や主だった理事は、総務庁などから天下りです。そうして、技術的な問題を扱う大きなデータウェアハウスを受け持つ別団体も構築されることでしょう。そうして、機構自体は、霞ヶ関あたりの素晴らしい、最新型オフィスに収まることになると思います。華麗なコンベンションセンターで、年に少なくとも一度、「委員会」の会合が開かれると思います。この委員会会合のために必要な印刷物は、これまた、お役所に関連の深い出版関係の団体が受け持ち、素晴らしい内容のフラカラー・オフセット印刷の資料が作られることでしょう。印刷代の他に、編集・編纂指導料などとして、少なくとも普通の出版社の数倍の代金が支払われることになるでしょう。

さて、機構が軌道にのってくると、さすがに一見真面目に働くこともあり、残業が続くことがあります。そうなると、勿論今流行の居酒屋タクシーということになると思います。さらに、残業が続くと機構の職員のストレスがたまり、やはり社会正義という素晴らしい使命を遂行するために、ストレスを和らげるために、お茶室をつくります。皆さん少なくとも1週間に一度ほど、お茶でくつろぎ、ストレスを癒します。さらに、機構の華々しい活躍と、委員会の結束を高めるために、毎年回りもちで、20人単位で海外視察旅行に出かけます。行き先は無論、風光明媚な、防犯情報・収集・蓄積・発信先進地です。監視カメラによりプライバシーがないとまで言われるロンドンなどは最有力候補です。

犯罪未然防止という崇高な使命のためには、いくらお金をかけても惜しくはありません。この組織、成果をあげるとますます巨大に、貪欲になっていきます。ある時点からは、技術的にほとんど人や設備がいらなくったとしても、組織を存続させるということが目的となり、日々いろいろな方面に侵食を続けていきます。多大な功績をあげた、理事長の退職金は、5,000万円はくだらないでしょう。そうして、10年後、20年後には、関連のいろいろなお役所の有力天下り先となっていることでしょう。そうして、潰そうと思っても簡単には潰れない、一大組織となることになると思います。秋葉原通り魔事件は減ったものの(この組織がなくても本当はへっているのかも・・・)、毎年数百億円を吸い取る一大リッチ・セレブ・エンターテインメント・パラダイス組織(意味不明か?ただし、お役人にとってはピッタリくるか???)になるかもしれません。

S'wonderful - American in Paris(スワンダフル:パリのアメリカ人より)

新たなパラダイスを見出したお役人、パリのアメリカ人の中の一場面のように軽やかに「スワンダフール、パラダース」と歌い、踊り出すかもしれません。それだけ、この話はお役人のイマジネーションを膨らます、寝耳に水の素晴らしいお話なのです。

やはりNOPなどに任せるべきか
さて、半分冗談交じりに書きましたが、お役所がこのようなことを実施すると、ここまではひどくなくても、似たり寄ったりのことになってしまうと思います。だからこそ、増田寛也総務相の口から「数億」という言葉が即座にでてきたのであり、この情報の発信元は無論お役人だと思います。お役人の頭の中には、もう一つ予定外のパラダイスがあったと思います。

では、こうしたことを防ぐことはできないのでしょうか。結論から言いますと、勿論できます。それが、NPOです。私は前から主張していますが、政府が関与すべきは、もっと大きな基盤をつくることです。もし、その基盤の上で政府が物事を実施したとしたら、本当にニーズに応えるどころか上で書いた冗談のようなことになってしまいます。政府は、あくまで管理することに徹して、この仕事に関しても、NPOを公募して実施させる。そうして、お金は出してもやり方自体には口は出さない。ただし、成果に関して厳しく問うという形で進めるべきだと思います。ここで、NPOということに唐突感を感じた方は、このブログに以前コメントした「再発防止へ閣僚会議会合=秋葉原通り魔事件-NPOは注目されるか?」をご覧になってください。あわせて読んでいただければ、なぜNPOなのかということが良くわかっていただけると思います。

もし、NPOにやらせるということになれば、広告inを作った「矢野さとる」さんなど、最右翼候補になりそうです。無論、広告inだけではあまり成果をあげられないでしょうが、矢野さんがNPOを作ったとして、矢野さん以外の社会運動家なども入ってそのNPOで役所がやる仕事を引き受けたら、おそらく1/2~1/5くらいの経費でできるのではないでしょうか。他にもたくさん候補はありそうです。この複数から選んで、最も優秀そうなNPOに補助金など出して実施してもらい、もし、成果を出せなければ、補助金など打ち切りにして、すぐに他のNPOに業務を依頼できます。補助金などいつ打ち切られるかもと思いながら実施するNPOの業務は、お役人のそれと比べれば飛躍的に成果をあげることと思います。以前私がこのような事件の再発防止のためには、政府などの既存組織では駄目でNPOなどにさせるべきだと述べたことが、今回の記事を読んでいただければ、良くお判りになると思います。

さらに、学校や親などに任せるというのもなかなか難しいです。良き意図、善意をもっていたとしても、こうした社会問題は具体的に活動しなければならないからです。

下にこの記事の関連記事を掲載します。こちらも是非ご覧になってください。

■秋葉原通り魔殺人事件の犯人から学べること-その時々で自分の身の丈を知る努力をせよ!

■再発防止へ閣僚会議会合=秋葉原通り魔事件-NPOは注目されるか?

■秋葉原殺人犯の孤独と苦痛-今日のこの事件をを数十年前から予言していたドラッカー氏に学ぶ?

■痛いニュースより-店員に有難うという人が大嫌い。可笑しいでしょうか?
■年金問題福田総理大臣があやまり、マスコミが突付くと役人がぬか喜びする!!-政治家に対するヒント「歴史に学んで役人退治を!!」

■北海道滝川市「介護タクシー」による詐欺事件-誰に責任があるのか?
■Web2.0的話題-未来社会への変革
■アメリカ・バージニア工科大学の銃撃事件の犯人映像
■「アッコにおまかせ」の初音ミクの報道をどう見るか?-声なき人の声が大声になりつつある

■フランス大統領選挙

2008年6月16日月曜日

Invitation For Jazz -Daniele Scannapieco

Mimmo Campanale with Daniele Scannapieco and Giuseppe Bassi


High Fiveを聴いてファブリッツィオ・ボッソのファンになり,あらためてイタリアン・ジャズの凄さ,懐の深さを知ったJazz Fanは,ここ2,3年の間に急増したのではないでしょうか。何かといえばボッソ,ボッソと,だれもが口々に賞賛するボッソですが,High Fiveや他のボッソ参加アルバムを聴いていると,とっても気になる人がボッソの隣にいるんですね。彼の名はDaniele Scannapieco (ダニエル・スカナピエコ)。

決して派手ではないけど,ボッソの隣に不可欠な存在。ボッソの女房役でしょうか。スピード感抜群で,キュートな,超絶技巧の ボッソに対して,野太い滑らかなトーンで,優しく包み込むスカナピエコ。対照的なふたりの作り出すハーモニー,このカウンター・バランスは,Blue Note時代のリー・モーガン=ハンク・モブレーを彷彿させます。

スカナピエコの音はモブレーよりは音域があり,エッジも立っていて,どちらかというと ジョー・ヘンに近いかな。ロリンズ的にブローするところもあって,なんとも表現が難しい。でも凄く色気があって,饒舌すぎないところが愛着が湧くな~。単 純に<好き>と言いたい音です。どんなに上手くてもエリアレには感じたことのない近距離感が感じられる吹き手だと思います。


往年のハード・バップ・ファンもニヤリ、フロアでニコラ・コンテwith High Fiveで踊りまくるクラブ世代のハートもつかむこと間違いなしの全方位型の今時ハード・バップ・ジャズ!皆さん、是非聴いてみてください。

残念ながら、アマゾンドット・コムでは最新作の、"Life Time"がまだ販売されていないようです。販売されるようなったら、すぐ掲載します。皆さん是非聴いてみてください。

左は、最新作のCDカバーの画像です。ハイ・ファイヴ・クインテッドのメンバー“スカンナピエコ”のリードアルバム。パワー、スピード、ドライヴ感あふれるハード・バップ・ジャズです。

ハードバップ、ジャズの歴史の中で、ある一時期盛んに演奏されましたが、私は、まだまだ新しい感覚のものいくらでもできると思っていました。そうした、ことを最近のフレンチ・ジャズや、イタリアン・ジャズが実現してくれたのだと思います。







過去のInvitation。反転文字列をクリックすれば、当該記事に飛びます。

■ANDREA SABATINO-アンドレア・サバチーノ
■DAVID BENOIT-デビッド・ベノア
■JOSE JAMES-ホセ・ジェイムス
■Lizz Wright―リズ・ライト
■MARICA HIRAGA-平賀マリカ
■SCOTT HAMILTON-スコット・ハミルトン
■ROY HARGROVE-ロイ・ハーグルーブ
■Taylor Eigsti-テイラー・アイグスティ
■Frank Sinatra-フランク・シナトラ
■TAIHEI ASAKAWA-淺川 太平
■NARUAKI KIKUCHI-菊地 成孔
■TOROPICAL JAZZ BIG BAND-熱帯ジャズ楽団
■Quincy Jones-クインシー・ジョーンズ
■DAVID SANBORN-デビッド・サンボーン
■JOHN PIZZARELLI-ジョン・ピザレリ
■BERARDI JAZZ CONNECTION-ベラルディ・ジャズ・コネクション
■HARVIE HANCOCK -ハービー・ハンコック
■TOKYO ZAWINUL BACH-東京ザビヌルバッハ
■SADAO WATANABE-渡辺 貞夫
■TOM SCOTT-トム・スコット
■LOIS ARMSTRONG-ルイ・アームストロング
■JOHN COLTRAIN-ジョン・コルトレーン
■THE JAZZ INVADERS-ザ・ジャズ・インベーダーズ
■KEITH JARRET-キース・ジャレット
■ELECTRO DELUXE-エレクトロ・デラックス
■TRIBAL TECH-トライバル・テック
■MARK MURPY-マーク・マーフィー
■NORMAN BROWN-ノーマン・ブラウン
■TONY MONACO-トニー・モナコ
■DAVE KOZ-デエィブ・コズ
■ROOM ELEVEN-ルーム・イレブン


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2008年6月15日日曜日

2009年函館開港150周年です!!

なっちゃんRera 函館港入港


函館開港150周年とは
函館市は2009年に開港150周年を迎えます。これは、米・英・仏・蘭・露との修好通商を定めた「安政の5カ国条約」の発効から数えて150年目に当たります。このブログでも、「函館開港150周年事業」の公式バナーを、左縦長のレイアウトの一番上に設置しました。これをクリックすると、函館開港150周年事業の公式サイトに飛びます。函館の情報や、事業の情報、その他イベントなどの情報も豊富です、皆さん是非クリックしてください。

安政の5カ国条約とは、鎖国状態にあった日本が5つの港(函館、新潟、横浜、神戸、長崎)を開港しそれらの港において自由貿易を行うと定めた条約のことです。

この条約は1859年(安政6年)に発効し、函館(当時は箱館)港はその年の6月2日に国際貿易港として正式に開港しました。函館市ではこの日を新暦に当てはめた7月1日を「開港記念日」と定めているため、2009年7月1日が函館開港150周年の記念日に当たります。

函館市ではこのため2009年を「開港150周年」と位置付け、2008年から2009年にかけて記念イベントを挙行いたします。



「函館とみなと」のあゆみ 略年表

1793年(寛政5年)

ロシア使節ラックスマン、エカテリーナ2世号で入港(函館港への初めての外国船の入港)

1854年(嘉永7年・安政元年)

ペリー、浦賀に2度目の来航。日米和親条約が結ばれ、下田と箱館の開港が取り決められる。
ペリー箱館来航
、箱館港の測量や上陸しての買い物などを行う。

1855年(安政2年) 和親条約に基づき、外国船に対する薪水・食料等の供給などのため和親開港
1857年(安政4年) 続豊治、日本初の洋式船「箱館丸」を建造
1858年(安政5年) アメリカ・オランダ・ロシア・イギリス・フランスとの修好通商条約締結
1859年(安政6年) 前年の修好通商条約締結に基づき、長崎・横浜・箱館を我が国初の国際貿易港として開港
1868年(慶応4年・明治元年) 榎本武揚ら旧幕府勢力、艦船8隻を率いて品川沖から脱走。箱館に上陸して五稜郭を占拠。松前を攻略して蝦夷地を平定、軍事政権を樹立する。
1869年(明治2年) 明治新政府軍の総攻撃により榎本武揚以下全員降伏。五稜郭を開け渡す
1873年(明治6年) 函館・青森間に定期航路を開設
1903年(明治36年) 函館船渠株式会社(現函館どつく)に乾ドック完成
1908年(明治41年) 青函連絡船「比羅夫丸」就航、国鉄青函航路がはじまる
1935年(昭和10年) 7月1日を開港記念日と定め、第1回港まつりを実施
1945年(昭和20年) 米軍艦載機の空襲を受け、青函連絡船全船壊滅
1951年(昭和26年) 函館港が重要港湾に指定される
1952年(昭和27年) 北洋鮭鱒漁業再開(戦後の初出漁)
1964年(昭和39年) 函館・大間間に初のカーフェリー就航
1980年(昭和55年) 人工島「緑の島」建設開始
1988年(昭和63年) 青函トンネル津軽海峡線開通、青函連絡船が80年の歴史に幕を閉じる。青函トンネル開通記念博覧会を開催
1992年(平成4年) 開港記念館(旧イギリス領事館)開館
1996年(平成8年) 「緑の島」一般公開
1997年(平成9年) 函館湾岸大橋(ともえ大橋)開通
2002年(平成14年) 港町ふ頭岸壁(-14m)供用開始、
2005年(平成17年) 函館・釜山間定期コンテナ航路を開設
2007年(平成19年) 函館・青森間に高速フェリー「ナッチャンRera」就航
2008年(平成20年)

高速フェリー「ナッチャンWorld」就航、高速フェリー2隻体制に。
開港150周年プレイベント「開港5都市麺フェスタ」開催(10月)

2009年(平成21年)

函館開港150周年。記念式典開催(7月1日予定)。
記念イベント開催(8月予定、詳細は検討中)。


150周年と開港5都市


安政の5カ国条約において開港されたのは5都市ですが、2009年を開港150周年と明確に位置づけて各種の取り組みを進めているのは横浜と函館の2市のみです。

開港5都市は「日本開港5都市観光協議会」を構成して各種の親善・有効・PR活動を行ってきましたが、開港150年については残る3都市には見解の相違があるようです。

そもそも安政の5カ国条約の期限であった1859年に実際に開港したのは函館・横浜・長崎の3港でした。神戸と新潟は準備が遅れたことと攘夷運動の高まりなどから、開港の延期を諸外国に要請するなどし、実際の開港は9年後の1868年までずれ込みました。したがって両市は2009年を開港150周年とは認定していません。ちなみに神戸は2007年に開港140周年を祝っています。


では「函館・横浜・長崎」は間違いなく開港150周年を迎えるのかと言えば、そうでもないよう。長崎市では1571年にポルトガル船の寄航を承認したのをもって「開港」としており、すでに開港436年を経ていると主張しているとのこと。

それぞれのお家の事情やいままでの経緯から、開港5港が2009年にこぞって150年の祝賀ということにはならないようです。

ところで、伊豆の下田は日米和親条約(1854年)が同市の開港という認識のもと、2004年に開港150周年を大々的に祝賀しました。米国もどうやらこの1854年(ペリーの2回目の来日)を日本の「開国」ととらえているようで、同国では同年に日米修好150年の祝賀の行事が行われたようです。

ちなみにペリーの来航によって締結された日米和親条約で開港されたのは下田と函館の2港です。というわけで、本来は「開港5都市」の前に「開港2港」があり、函館も下田と同じく2004年に“開港150周年”を迎えているのですが、函館市ではこの時の開港は「薪水の提供に過ぎず、厳密な意味での通商の開始ではない」という解釈をしており、開港150周年の基点とはみなしていません。

何はともあれ、函館市は2009年に間違いなく開港150周年を迎えます。函館というまちの成り立ちに「開港」は不可欠の要素でした。150年という節目を次の世代への一里塚として、函館にとっての「開港」と「国際化」の意味を再度検証しましょう。そして、函館市民としてこうした貴重な機会に巡り会えたことを存分に活用して函館の新しい魅力を発見し、創出し、発信していきたいものです。

函館から新しい食文化の発信をする?

以前もこのブログに掲載しましたが、函館は150年前から開港し、日本でははじめて、コーヒーが入ったとか、ジャイモなども一番最初でした。横浜などのように外国人居留地も存在せず、外国人とその当時の函館市民は互いに入り混じって住んでいました。これが後の函館に大きな影響を与えました。

このような函館には、食文化も早い時期に入っており、日本で一番最初のフレンチレストラン、雪河亭もできました。この雪河亭は今でも、五島軒に引き継がれています。

こうした、函館には、もともと海の幸に恵まれていたことも、あいまって独特の食文化を持つに至りました。そのため、レストランなどの全国チェーンはなかなか、入ってくることができません。そのためか、未だ大手のファミリー・レストランなど函館市内にはありません。ピザハットも最初は函館にピザ・レストランを出店しましたが、撤退し今から5年ほど前に宅配ピザとして再進出しました。マクドナルドも一度撤退した後に、再チャレンジで入ってきたものがいまは継続できています。ちなみに、モス・バーガーは一度も撤退することなく現在に至っています。

ピザテンフォーは、函館発祥ですが、やはり函館の独特の食文化にはぐくまれてきたのでしょうか。他のピザ宅配と比較すると、独自のコンセプトといっても良いコンセプトのピザです。独自のコンセプトとはいいながら、今でいうところのファストカジュアルに近いものでした。ただし、海外から輸入したものではなく、独自で開発していますので、私は敢えて「元祖和風ファストカジュアル」と呼んでいます。

ビザテンフォーの本部である、オーディンフーズは、いずれこうした函館の地の利を活かした、独自の事業を展開することになると思います。ここには、詳細を掲載できませんが、おそらく、日本人の食文化を変える革新的なものになると思います。かつて、ダイエーが先発でGMS(General Merchandise Store の略:イオン、ダイエー、イトーヨーカドーのように、幅広い品揃えをするスーパー)が取り組んできた、「日本のどの家庭にも牛肉を食べられるようにする」といったような試みにも相通ずるイノベーティブ(革新的)であり、日本最後のフロンティア(手付かず)市場の開拓ということになると思います。それも、函館という特殊な地域で最初の事業が生まれたということに大きく影響されていると思います。いずれ、皆さんにも発表できる日が来ると思います。その日を楽しみに待っていていただきいと思います。

以下に関連記事を掲載します。

■MooMooタクシーに乗りました-派手で目立つ!

■函館はイカではない?-『根ぼっけ』こそ函館名物?

■函館クリスマスファンタジー終了-チャナの任務も終了!!

■函館クリスマスファンタジー-今日から25日まで毎日開催です!

■ファストカジュアルって?-テンフォーは?

■函館・渋谷の人口比較など

■ビジネスモデルのターゲット(渋谷で飲食店を出店する場合)

■ビジネスモデルのターゲット(2)

■ビジネスモデルのターゲット(3)

■函館の少し違う食文化

■函館の少し違う食文化(2)


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2008年6月14日土曜日

秋葉原通り魔殺人事件の犯人から学べること-その時々で自分の身の丈を知る努力をせよ!

知ってるつもりエンディング

「身の丈」に関する動画を探してみましたが、結局みあたりませんでした。そのかわりに、テレビ番組の「知ってるつもり」の動画がありましたので、それを掲載します。懐かしいです。そうしてなかなか良い番組だったと思います。自分の身の丈に関しては、「知ってるつもり」程度ではいけないと思います。熟知しなければならないと思います。

秋葉原事件の犯人象がいろいろと、明らかにされています。それまで、報道されていなかったことで、明らかになってきていることが多くあります。

犯人に一番足りなかったものは?
その中で、一つ、高校時代には「北海道大学」を目指していたこともあったということがあります。私は、卒業したのはもう随分前ですが、北海道大学出身なので、ここでも思うことがありましたので掲載させていただきます。いままで、秋葉原通り魔事件の犯人について、このようなことが起こらないようにするにはという観点でいわゆる中身にはふれず、方法論ばかり論じてきたと思います。しかし、本日は、私の思うその中身をはっきりさせたいと思います。そうでなければ、秋葉原の件を掲載した、責任を果たしたとはいえない気がしていました。

結論を先にいいまず、まずは何をさておいても、「その時点時点での自分の身の丈を知れ!!」ということです。人間身の丈にあわないことをずつと続けようとしようとすると、必ずつぶれます。また、身の丈を低く評価することは、成長する機会を失うもととなります。

身の丈に関して大学時代の回想

私が、大学に入ったときに、ある地方都市の一応進学校といわれているIH高校からも一人入った人がいました。何か、メガネをかけていて、秋葉原通り魔事件の犯人とも似ていなくもない容貌だったと記憶しています。私も、札幌のいわゆる進学校出身でした。北海道大学あたりだと、医学部、歯学部以外だと真ん中以上の成績をとっていれば、確実に入れるといわれていました。真ん中よりも、下であっても運がよければ入ることもあるし、一浪覚悟であれば確実に入ると言われていました。

自分は真ん中程度の成績であったため、北海道大学を志望するということは、特にだいそれたことでも何でもなく、ごく普通の進路でした。また、自分のことを特に優秀だと思ったこともありませんでした。

さて、大学初日のことです。配属された、クラスの顔ぶれを見ると半分くらいは同じ高校の出身で、なんとなく大学に入学したという感慨がありませんでした。その中に半分くらいは、見慣れない顔の人間がいたので、私は見慣れた連中とはあまり話しはせずに、、見慣れない連中とばかり話しをしていました。

その後、その連中とも言葉をしょっちゅう話すようになりました。出身地はそれぞれ違い、東京、横浜、新潟、山口、それから北海道の地方都市出身者が一人というものでした。年も浪人した人もいたので、バラバラでした。北海道の地方都市の人は現役でした。この中で、北海道出身者以外の人が今でも何とはなしに付き合いのある、いわゆる仲間のような存在です。

この北海道の地方都市出身者というのが、先ほど述べたある地方都市の一応新学校といわれているIH高校出身者でした。この彼、入学してからしばらくの間良く、「大学って言うのは勉強するところだよ」と自信たっぷりに語っていました。今では忘れてしまいましたが、そのほかにもいろいろと「哲学めいた?」ことをいろいろと言っていました。私や他の人達も、こういう彼に関して特に何とも思いませんでしたが、ただし、あれだけのことを言うんだから、何かわけがわからないが「きっとたいした奴」なんだろうぐらいに思っていました。

この仲間とは良く飲みに行ったり、遊びに行ったりしたものです。そんなことをしているうちに、大学でもいよいよ、最初の試験の時がやってきました。IH高校出身の彼はどうか知りませんが、私達はほとんど一夜漬けでした。特に数学とか、英語、理科系の科目などは、高校の延長みたいな内容で、さほど勉強しなくても何とかなるものばかりでした。さすがに、社会系の科目など、ある程度は勉強しなければならなったのですが、授業に出ていなかったりしたことも多かったため、他の知人からコピーさせてもらい一夜漬けで暗記しました。また、自分の得意なことは逆に教えたりしました。

テストが終わってみると、どの科目もそこそこで、こんなものかと思いました。私の先ほど掲載した私の仲間も同じようなものでした。ところが、くだんのあのIH高校出身の彼だけが、赤点をいくつもとって、再試を何回も受けていました。

その後、試験が2回、3回と続きましたが、同じことの繰り返しでした。そうこうするうちに、IH高校出身の彼は、私達の仲間にはだんだん近づかなくなってきました。次の年には、私達仲間に出会うと、挨拶するくらいの仲になったと思います。きっと最初にいろいろ偉そうなことを言った手前、私達とは付き合いづらくなったのだと思います。他の仲間と付き合っていたようです。私達としては、彼をバカにしたりするつもりはなく、特に彼を遠ざけるようにしたとは思えません。

現在の北海道大学は違いますが、当時の北海道大学は大学に入ったからといって、自分の進みたい学科に進むことはできません。教養部時代の成績と本人の希望 によって振り分けられます。そのため、人気学部学科はかなりの競争率になります。私の仲間はすべて自分が行きたかった学科にいけたと思います。IH高校出 身の彼はどうなったかわかりません。しかし、どこかに行って、何とか卒業してそれなりの企業に就職したようです。彼は、私達と付き合わなくなったころから、自分の身の丈を知るようになったのだと思います。

その時々で身の丈を知ることの重要性
私が思うに、きっと彼は地方都市のIH高校では、「優秀だ、優秀だ」と先生や周りの人に言われていたのだと思います。それどころか、中学時代も今回の秋葉原通り魔事件の犯人のように、「優秀だ、優秀だといわれて、褒められていたのだと思います」そこで何か勘違いをしていたのだと思います。それに比較すると、私や私の仲間も、そんなことはなく、自分の身の丈をわきまえていたと思います。世の中には、いろいろな人間がいて、もちろん勉強の面などでも、特定の分野に関してかなり秀でた人間の存在を紙っていました。その他、スポーツができる人間、音楽ができる人間、女の子に異常にモテるやつなど様々です。

人間の身の丈は、その時々できちんと把握しておく必要があると思います。勿論、身の丈が一生そのままというわけではありません。努力すれば、伸びることもあります。人間の身長と違って、ここでいうところの「人の身の丈」は年をとってからでも本人の努力によりかなり伸びる余地があります。特に得意分野に関してはそうだと思います。しかし、自分の得意な分野であろうとなんであろうと、その時々で自分の身の丈を把握しておくことは重要なことだと思います。これは、簡単なようでいて難しいことです。不当に高く評価してもいけませんし、不当に低く評価してもいけません。それに、身の丈を図る評価軸はなるべくたくさん持っておいたほうが良いと思います。いくつたくさんある評価軸で評価した、多くのものを総合したものが「身の丈」というものだと思います。そのためには、ある程度世間を知らなくてはなりません。自分ひとりだけで考えていたとしても、評価はできません。いろいろな人とコミュニケーションを図ったり、情報を集めることも必要になると思います。

私は、思うのですがこの犯人、自分の「身の丈」を全くわかっていなかったのだと思います。中学校で勉強が出来ましたなどといっても、そんなものは何ほどのことでもないと思います。進学校に進むことができたといっても、言っては悪いですが、青森の進学校と他の大都市とでは、雲泥の差だと思います。この、犯人自身が自ら身の丈を知ろうとしなかったこともさることながら、犯人の親や学校の先生、身の丈を知る術を与えなかったというのが最大の大間違いだったのではないかと思います。

世の中にエリートとか、勝ち組とかいう言葉がありますが、このエリートや勝ち組といわれる人々の中にも、身の丈の大きい人とそうではない人がいます。司法試験を合格したからといつて、その人たちが全部優秀というわけではありません。法曹界に入ってから、その違いは明らかになります。若い女性の上司にへいこら頭を下げている頭の悪そうな熟年の部下もいます。実際にそんな姿をいきつけの居酒屋で何回も目にしました。

東京大学を出た人がすべて優秀かといえば、そんなことはありません、はっきりいって下の2割は優秀ではありません。大手企業といわれる中でも、下の2割はお荷物です。人事面からいっても一人の優秀な技術者を雇おうとしたら、5~6人の技術者を雇えといわれています。残念ながらこれが、厳然たる事実です。どこの世界に行っても選抜はあり、良い悪いは別にして、競争もあります。たとえば、町工場に行ったとしても、町工場の中でさえ、いろいろな面から選別はされると思います。優秀ではない人がいるので、優秀な人が光るという面があると思います。

一昔前に話題になったあのオウム真理教の指導層も同じことだと思います。マスコミはエリート集団としてとらえ、さかんに報道しました。しかし、私はあの指導者たちはすべて落ちこぼれだったと思います。自分の身の丈を知らず、普通の社会に入ると不満ばかり感じるどうしようもない落ちこぼれ連中だったと思います。だからこそ、あのような破滅の道に突き進んで行ったのだと思います。無論私は、オチこぼれは切って捨てろと主張しているわけではありません。でも、組織の中で、オチこぼれがいたとして、そのオチこぼれが、全く自分の「身の丈」を知らなかったらどうなるでしょうか?大変だと思います。オチこぼれであっても「身の丈を知る」人は、救いようがあると思います!また、救ってあげたいと周りの人も思うでしょう。そういうところから、組織の連帯感などが生まれてくるのだと思います。そうして、組織の本当の役割「凡庸な人間をもって非凡なことをさせる」ということが、可能になるのだと思います。

すべての組織がまずはその構成員に身の丈を知るように教え導く必要がある
その時々で自らの身の丈を知らない人はどうなるでしょうか。自分の努力の方向も見出せない、その努力はどの程度のものなのか、意外と簡単にできるものなのか、あるいは全く不可能なのか、それすらも理解できなくなることでしょう。また、不当に高くあるいは低く評価していることにも気がつかないと思います。たとえば、この秋葉原通り魔事件の犯人、全く身の丈を図れなかったのだと思います。よほど難しい大学は例外としても、希望の大学に入る人と入らない人との差はそんなに大きくはないと思います。ごく簡単なことです、入れる人は日々きちんとある程度時間をかけて勉強をしているということです。入れない人は勉強していないということだけだけだと思います。この犯人、中学時代は自分の身の丈を不当に高く評価し、高卒後は不当に低く評価していたのだと思います。

ひるがえって、現代人はどうなのでしょうか、すべての人が自分の身の丈を正確に知っているとは思えません。まずは、現代人は、自分自身を厳しくみつめて、身の丈を知る術を持つべきではないでしょうか?身の丈を捕らえて、その中でも得意分野、不得意分野をはっきりさせるべきだと思います。身の丈を知るためには、自分の一人の考えではどうにもなりません。回りの人とコミュニケーションをとることと、自分自身を客観的に見る眼を養わなければなりません。

自分の身の丈が足りなければ、足りない分を補えるなら、補う努力をするべきです。特に自分の長所といわれるところは、どんどん伸ばす努力をすべきです。自分の短所といわれるところは、それが障害とならないい程度に改善できるものはしていくべきだと思います。たとえば、業務の都合で数学ができないとだめだとしても、高等数学がダメでも、算術程度のことはできると思います。でも、その前に現時点での自分の身の丈を知らなければなりません。おそらく、先日秋葉原通り魔事件に関して書いた中に既存の組織では、無理であり、いろいろな種類のNPOの興隆が必要不可欠だと書きましたが、NPOでもこの犯人のような人間が相談に行ったとしたら、様々の技法があったとして、専門用語も違うかもしれませんが、まずは本人が本人の「現在の身の丈」を認識させることから開始すると思います。

また、既存の組織である学校や、企業も、親も、勉強や業績がどうのこうのという前に、生徒や従業員ががその時々の自分の身の丈を知るように教え導くことこそ重要なのだと思います。

以下このブログに過去に掲載した関連の記事を掲載します。反転文字列をクリックすると当該記事に飛びます。

■再発防止へ閣僚会議会合=秋葉原通り魔事件-NPOは注目されるか?

■秋葉原殺人犯の孤独と苦痛-今日のこの事件をを数十年前から予言していたドラッカー氏に学ぶ?

■痛いニュースより-店員に有難うという人が大嫌い。可笑しいでしょうか?

■次世代IT(2)

■Web2.0的話題-未来社会への変革

■アメリカ・バージニア工科大学の銃撃事件の犯人映像

■「アッコにおまかせ」の初音ミクの報道をどう見るか?-声なき人の声が大声になりつつある

■フランス大統領選挙

2008年6月13日金曜日

Invitation For Jazz-Andrea Sabatino

今のところ、日本で販売されているCDは上の"Pure Soul"だけみたいです。アマゾンドット・コムでは販売されていないようです。日本では、まだまだ認識されていないようです。そのうち、いろいろと出すと思います。日本国内でもどんどん売れていくと思います。注目してください。
一部視聴はこちらで!!


プロフィール

エンリコ・ラヴァ,パオロ・フレス,そしてファブリツィオ・ボッソと,数々の素晴らしトランペッターを輩出さ せてきたイタリアから,また1人,才能豊かな若き新星が登場しました。1995年発足のイタリアの新興レーベル,DODICILUNEからデビューした, その名は Andrea Sabatino (アンドレア・サバティーノ)。3曲だけですがファブリツィオ・ボッソがゲスト参加しているということにつられて買ったのですが,これがボッソなどいなく ても十分素晴らしい作品でした。ボッソとの競演では流石にボッソに軍配が上がりますが,Blue Note 4000番台はじめの頃のフレディー・ハバードやドナルド・バードを髣髴させるファンキーで哀愁感の漂うフレーズは,ボッソには決して出せない魅力ではな いでしょうか。これからおそらくは知名度を上げてくるトランペッターだと確信しましたが,なにしろネットで検索をかけても全く彼の情報がありません。とい うことで,唯一のイタリアン・ジャズの情報源であった Jazzitalia から,彼のBiography を紹介したいと思います。

アンドレア・サバティーノは1981年11月5日,イタリアのガラティーナで生まれました。彼は5歳の時にトランペットのトレーニングを始めたという早熟 ぶりで,9歳の時に父親の奨めでレッチェにあるティート・シェッパ音楽学校に進み,ピエトロ・ディ・ミティスに師事しました。

17歳を目前にした1999年に,トランペット科を主席で卒業し,その後,数々のコンテストに参加,クラシック・トランペットのソリストとして,国内外の 批評家から絶賛されました。一方で,アメリカ人トランペッターであるマイケル・アップルバウムのレッスンも時々受けていました。

ところが,雑誌「MUSIC JAZZ」において2000年の優秀トランペッターに選ばれた-あの有名なファブリツィオ・ボッソに2000年に出会い,サバティーノはジャズに目覚め, クラシックの世界に別れを告げることになったのでした。ジャズへの愛により彼は別の人生を歩むことになったのです。

「 2001年ウンブリア・ジャズ祭 」の夏季セミナーに参加し,そこで賞賛され,更にはイタリアのラジオ局 Radio Capital の協力のもと,『 Quintetto Jazz 』のヴィデオ収録にも参加しました。(ウェブ・サイトwww.umbriajazz.com で観れます。)

2002年夏の「 シエーナ・ジャズ祭 」では,パオロ・フレス,ブルーノ・トマソ,ジョヴァンニ・トマソ,マッシモ・マンジ,その他と競演し,豊かな才能を披露しました。

2003年には「 国際マッシモ・ウルバニ賞 」にノミネートされ,最終選考まで勝ち残り,「 ヌーオロ・ジャズ2003 」の奨学金を獲得しています。

2003年の夏には,トランペッター,パオロ・フレスが設立したヌーオロのセミナーに参加。「セミナー参加の最優秀学生6人から結成されたグループ」に選ばれました。

2004年には(クラシック・トランペットを学んだ)ティート・シェッパ音楽学校のジャズ科を卒業しています。

そして,その頃から有名なジャズ・ミュージシャン達と共演する機会が増えました。例えば,ファブリツィオ・ボッソ,パオロ・ディ・サバティーノ,ジュゼッ ペ・バッシ,サルヴァトーレ・ボナフェデ,ダニエル・スカナピエコ,などなどです。一方では,「サンレモ・オスカー・TV 」のようなイタリア国営放送局(RAI)の番組のオーケストラでの仕事もこなしていました。

2005年には,マルコ・レンジが指揮を務める「 イタリアン・ビック・バンド 」に参加し,ソリストを務めました。

2006年5月には,ついに Dodicilune Records からデビュー・アルバム 『 Pure Soul 』を発表しました。そのアルバムには偉大なる教師であり,また親友でもあるファブリツィオ・ボッソもゲスト参加しています。

彼の最新録音は2006年の夏の,セルジオ・カンマリエーレ(vo)の新作『 Il pana, il vino e la visione 』への参加です。

ふー,疲れた。どうですか。吃驚仰天ですね。25歳という年齢にも驚きますが,ジャズをはじめてまだ6年足らずというから驚きです。いくらクラシックの基 礎ができていたからとはいえ,そんな短期間にどうしてあれほど巧くジャズを語れるのでしょうかね。しかもファンキー路線の作曲能力も素晴らしいし。この作 品,絶対のお薦めです。本当に最近のイタリアジャズ元気です。


過去のInvitation。反転文字列をクリックすれば、当該記事に飛びます。

■DAVID BENOIT-デビッド・ベノア
■JOSE JAMES-ホセ・ジェイムス
■Lizz Wright―リズ・ライト
■MARICA HIRAGA-平賀マリカ
■SCOTT HAMILTON-スコット・ハミルトン
■ROY HARGROVE-ロイ・ハーグルーブ
■Taylor Eigsti-テイラー・アイグスティ
■Frank Sinatra-フランク・シナトラ
■TAIHEI ASAKAWA-淺川 太平
■NARUAKI KIKUCHI-菊地 成孔
■TOROPICAL JAZZ BIG BAND-熱帯ジャズ楽団
■Quincy Jones-クインシー・ジョーンズ
■DAVID SANBORN-デビッド・サンボーン
■JOHN PIZZARELLI-ジョン・ピザレリ
■BERARDI JAZZ CONNECTION-ベラルディ・ジャズ・コネクション
■HARVIE HANCOCK -ハービー・ハンコック
■TOKYO ZAWINUL BACH-東京ザビヌルバッハ
■SADAO WATANABE-渡辺 貞夫
■TOM SCOTT-トム・スコット
■LOIS ARMSTRONG-ルイ・アームストロング
■JOHN COLTRAIN-ジョン・コルトレーン
■THE JAZZ INVADERS-ザ・ジャズ・インベーダーズ
■KEITH JARRET-キース・ジャレット
■ELECTRO DELUXE-エレクトロ・デラックス
■TRIBAL TECH-トライバル・テック
■MARK MURPY-マーク・マーフィー
■NORMAN BROWN-ノーマン・ブラウン
■TONY MONACO-トニー・モナコ
■DAVE KOZ-デエィブ・コズ
■ROOM ELEVEN-ルーム・イレブン


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2008年6月12日木曜日

「80後」(中国若者世代、80年台生まれの若者のこと)は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?!

Chery Tiggo 6 Chinese car



中国若者論から見るモータリゼーションの行方
中日両国で語られる車に関する若者論
日本では最近「新ニッポン人」というということがいわれ、最近の若者は、「車を買わない、酒を飲まない、海外旅行に行かない、貯金する」などと言われています。日本では、若者が車を買うのが当たり前。買わないのはおかしいというようないわれ方です。私は、この新ニッポン人報道は、若者としてひとくくりにしているという点と、現在の日本の世相を考慮に入れていないという点で低レベル報道だと思います。私のブログでもその旨を解説しています。

ところが、最近中国のネットで、80後世代が車を買うことについて、その是非などが、掲載され話題を呼んでいるそうです(その内容については、この文章の後ろの方に引用)。これは、ネットで交わされている話題ですが、この話題も「新ニッポン人」の報道と同じように、低レベルだと思います。ただし、マスコミで正式に報道されている話題ではないので、単なる井戸端会議として受け取るべきものと思います。

この論議、次の2点で全く意味がなく、中国の現状を把握するには妨げになるだけだと思います。

まず、1点目。通常の先進諸国なら話題にもなりません。車を購入するしないは、若いものであるとか、若くないということとは、全く関係なくその人の経済状態、その人の住むところなど、個人の状況によって決まるべきもであり、年齢は全く関係ありません。やはり、中国は発展途上国であり個人あたりのGDPが100位前後(政府統計を素直に信じて)の国だからでしょう。中国ではまだまだ、貧乏なのでこのような話題になるのだと思います。先進国、いや、中進国あたりでもありえない話題です。若者が車を買う買わないは個々の人の状況によるのであって、80後はどうだなどというのは、全くの余計なおせっかい以外のなにものでもないと言わざるを得ません。

次に2点目。中国80後世代とはいっても、中国全土で2億人にもいます。私は、中国の80後世代を語るには、三つに分類しています。2億人をひとくくりにして話しをするには、あまりにも大雑把すぎます。やはり、あらかじめ少なくとも三つくらいには分類し、実際に商売や調査などするときは、先進国と同じように、もっと細かい分類をして、自分達が狙う層を明確にすべきだと思います。経済面だけをとってみても、80後世代の中にも、年収2000万円以上の人もいれば、200万円以下という人もいると思います。これらを、同一次元で話をすることなど出来ないと思います。2000万以上収入がある人がなぜ、車を買うことの是非を問われなければならないのでしょうか。意味が不明です。また、本人が貧乏であったとしても、どうしても購入をしなければならない理由があれば、親が援助できる余力があるのであれば、援助するのは異常なことではなく、当たり前のことだと思います。

いよいよ中国もモータリゼーション化の波が?
以上の観点から、若者が車を買うことの是非など問うのは、非常に珍しい特異なことであり、中国以外の国では話題にもならないことだと思います。でも、これを裏返しに読み取ると、いよいよ中国でも、若者も含んだ購買層が広がり、いよいよモータリゼーションの拡大が広まる前兆かもしれません。いずれにせよ、将来性のある市場であることには変わりないと思います。

私の中国80後世代の分類は以下のようなものです。

■メインターゲット-ゼリー層(推計人口2000万人以下)
まずは、少なくとも日本の一般世帯収入の数分の一以上の世帯収入がある家の出身である こと。高学歴であること、北京大学などやそれに順ずる大学の大学生、大学院生で、卒業生であること。海外の有名大学院の院生や卒業者を含みます。卒業生の 場合では、官僚になっているか、有名企業などに就職しているか、家業をついでいます。ほとんどの人が携帯電話を持っていて、ほとんどの人が平均的な若者の賃金の一ヶ月分を越える価格で購入できる「手写筆携帯(入力がペンタッチ式の携帯)」を持っている。

■サブ・ターゲット-イチゴ層(推計人口5000万人前後)
さ て、この層は、メイン・ターゲットには近いですが、いわゆる有名大学出身ではないですが、大学行っているかその卒業生です。いわゆる、知識層ではありませ ん。長野オリンピックなどで騒いでいた連中はこの層です。経済的には比較的恵まれていて、ゼリー層より少し下のレベルです。知的能力は低いですが、さりと て、韓国に留学するほどの頭の悪さではありません。ほぼすべての人が携帯電話を持っているが、「手写筆携帯」を持っている人は少ない。

■ボリューム・ターゲット-80後世代多数層(推定人口1億3000万人前後)
経 済的にも、 知的にも一昔前の中国人とあまり変わりない層です。ただし、インターネットを使ったり、若いことから、通常の中国人からみれば、変わって見えますが。思考 も行動様式も以前の中国人とほとんど変わりませ。彼らが変わって見えるとすれば、彼らの特性ではなく世の中の変化です。携帯電話を持っているはいるがすべての人が持っているとは限らない、「手写筆携帯」など持っている人はいない。持とうとも思っていない。

自家用車を販売する事業を中国で展開すとしてたら、ゼリー層には、高級乗用車を、イチゴ層には、普通の乗用車を、80後世代多数層には軽自動車を。というような戦略が成り立つと思います。ただし、実際に販売することになれば、地域ごとにもっと細かな分類を行う必要があると思います。ただし、根底にはこのような分類をしておき、いろいろバリエーションをつけて細かく分類していくなどの方策が重要になってくると思います。

中国に見える飛ばし現象はモータリゼーションでも起こるか?
中国の本格的なモータリゼーションは現在その途についたばかりといえます。本格的になるには、今後5年から10年を要するでしょう。

中国に限らず、発展途上国では、先進国が少しずつ発展してきたのとは違い、いわゆる飛ばし現象ともいえる状況がみられます。たとえば、携帯電話です。中国では、固定電話が普及する前に携帯電話が普及してしまいました。Lpなど普及する前に、カセットが普及し、今はCDがほとんどです。このような、現象いろいろなことにみられます。

さて、モータリゼーションでもそのようなことが起こるかもしれません。今後ガソリンが高騰することは、目に見えています。たとえ一時下がったとしても、高値基調が続くと思わせます。そうなると、中国の大多数の人達にとって車を所有することは非常に難しくなります。

しかし、今後ハイブリットカーとか、水素自動車などの技術開発が進みます。先進国では、既存の乗用車が普及してしまっているので、爆発的に売れることはないですが、中国あたりであれば、かなり大きな需要が最初から見込めるかもしれません。需要があれば、これらの車も安くできます。おそらく、中国が最初のハイブリットカーや水素自動車の大市場となり、その次に先進国が従来の車との逐次置き換えという形で進んでいくことが予想されます。

このモータリゼーションに関する飛ばし現象、私は今後中国で急速に進むと踏んでいます。皆さんは、どう思われますか。


「人民網日本語版」 2008年06月11日 より引用(すでに内容を知っている人、読んだ人は読み飛ばしてください)
ネット利用者の議論
「80後(1980年代生まれの若者)」とはある世代を表す特殊な表記で、かつては無知な少年を表す代名詞だった。徐々に成長したこうした「80後」世代は社会に入り、消費の主流になっている。自動車消費の位置づけにおいてもこうした「80後」世代のニーズが一層重視されている。しかし社会的には、「80 後」の自動車消費を贅沢で中国の伝統的な消費の概念に背くと見る意見が多い。「80後」は本当に車を買うべきではないのだろうか。「国際金融報」が伝えた。

甘粛省蘭州のあるインターネット利用者は次のように述べている。現在の「80後」世代で車を買った者は確かに少なくないが、その 99.5%は親が資金援助して買ったものに違いない。自分の給料で買ったとしても、その人の住居や子供、仕事などをみな家族が手配してくれ、両親などに毎月生活費を援助しなくてもいいような人間であることが予測される。こうした人は自分が成功者だと考えるべきではない。もし父母の援助がなかったら車を買えたかどうか考えてみるとよい。

別のインターネット利用者tianweibo198さんはこう語る。「80後」を見くびらないでほしい。自分は1982年生まれで今年シボレーのEPICAを購入したばかりだ。費用は手数料を含めて17万元以上だが全部自分で稼いだお金だ。努力さえすれば自分の夢を実現することができるのだ。

河北省の利用者は次のように語った。自分は1981年生まれで車を購入した。自分で頭金を払い、ローンは給料から差し引かれるが、1カ月に5000元余りの月給だが、車を維持するのは問題ない。一部の人が車を買わないからといって、全ての「80後」世代が自分の力で車を購入することができないというわけではない。

80後の考え方
■「80後」の考え方その1:好きならすぐ買う
1982 年生まれの安さんは、どのブランドの車を買うかをたった3分で決めた。理由は簡単だ。安さんはその車のステレオの効果がよく、車を運転しながら自分の好きな音楽を大音量で聴くことができると考えたのだ。この決定は彼女の両親にとってはとんでもない理由だが、安さんは自分のセンスと判断を信じている。

■「80後」の考え方その2:ブランド意識
ブランド意識が強いのも多くの「80後」の共通点だ。1982年に生まれた魏さんも典型的な例だ。魏さんは小さい頃から車、特に自動車レースが好きで、レースでの優れたパフォーマンスからプジョー206を「崇拝」している。仕事を始めて2年半後に魏さんはついに自動車購入という夢を実現した。

「80後」の考え方その3:享楽主義
北京のある大学で学ぶ高さんは次のように語っている。「大学を卒業したら、仕事の最初の数年は貯金に励んで車を買いたい。住宅については今の値段は高すぎるから、賃貸の方がよい。私は北京出身ではなく、いずれ地元に戻って生活するのだから、北京で車を買って楽しむに越したことはない。住宅の事はもう父親と相談済みで、父親が貯金して頭金を払ってくれることになっている。」

80後はパラサイトか
それより前の世代から見ると「80後」は幸福な世代だ。「80後」世代の多くの消費概念は「自分の快適さのためにお金を使わないのなら、何のために稼いでいるのか」といったものだ。車の購入も以前の世代の人にとっては慎重に考慮すべき事だが、「80後」にとっては大きな玩具を買うのと同じように簡単なことなのかもしれない。「80後」は一般的に、何年もかけてお金を貯めてから車を買うというのは、遅れた消費概念だと考えている。こうした見方こそ、以前の世代が「80後」を未成熟で、考えが幼いと見る原因だ。

「80後」世代の消費は一般に両親の援助を受けている。これは幸福だが、インターネット利用者から批判される点でもある。「パラサイト」というレッテルが「80後」に使われることが多いが、こうしたレッテルは「80後」の若者にとっては不公平だ。実際「80後」世代の中にも既に夫、父親となっている。こうした人々は家庭を支える能力を持ち、逆に自分の父母を養う役割を担っている。自分の能力で車を購入した「80後」も一般的となっている。中国の父母の多くは自分の経済状態に余裕があれば、自主的に子供を資金援助して子供がよりよい生活を送れるようにするのだが、これは外国の父母の意識とは異なるとも言える。(編集YH)

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?

■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!

■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞

■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?
■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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2008年6月11日水曜日

再発防止へ閣僚会合=秋葉原通り魔事件-NPOは注目されるか?

さて、昨日も秋葉原事件について書きましたが、本日はこのような事件を二度と起こさないようにという意味合いでその補足をしてみたいと思います。

再発防止へ閣僚会合=秋葉原通り魔事件

2008/06/11-13:31 再発防止へ閣僚会合=秋葉原通り魔事件  政府は11日午後、東京・秋葉原で7人が死亡した通り魔事件を受け、再発防止策を協議する関係閣僚会合を首相官邸で開いた。ナイフの所持規制や、インターネット上の犯罪予告に対する通信事業者からの情報提供のあり方などをめぐり意見交換した。
  会合には町村信孝官房長官や泉信也国家公安委員長、増田寛也総務相、鳩山邦夫法相、甘利明経済産業相らが出席。町村長官は「ナイフ規制や派遣労働のあり 方、インターネットの問題など政府としての対策を幅広く議論したい」と表明。増田総務相は「犯罪予告は通信事業者団体から情報が提供されているが、漏れる 情報もあるので対策が必要だ」と述べた。

既存の組織だけでは無理か?
さて、上記で政府の会合をもたれましたが、抜本的な解決は図られるのでしょうか?おそらく、いままでの通り、学校だとか、企業、政府機関だけに頼っていては今までとそうは変わらないと思います。いままでも、このような事件が再三にわたって起こってきて、それに対して上記のような会合はそのつど行われてきたはずです。でも、何も解決するに至っていません。

マスコミも連日連夜いろいろ報道していますが、結局犯人の希望どおりに、犯人をワイドショーの主人公に奉っているだけです。各界の人がもっともらしく意見を述べていますが、何の助けにもならないよです。出てくるコメンテーターも、月並みの社会病理や、犯人像の解説などして、何にも役に立ちません。大方の番組も、私はこう思った、ああでもない、こうでもないという知的レベルの低い水準の話ばかりであって、はっきり言って井戸端会議の域をでません。それよりも、マスコミの報道ぶりは、結局は視聴率をあげるためだけのようで、結局不安を煽るだけの役割しか果たしていません。愚かです。ある意味では、この事件は凄惨なものであるだけであって、本質的には、昨年の初音ミク騒動と変わらず、そこから一歩もでていないというのが実情です。

さて、当の秋葉原の商店街では、今回の無差別殺傷事件は、多くの人でにぎわう歩行者天国が“標的”となったため、大勢の人を集める一方で、不審者を排除するのは難しく、実際、秋葉原では中止を求める声も出始めているそうです。集客か安全か。首都圏で歩行者天国を実施する各商店街にも動揺が広がっているそうです。今回の事件は、商店街の人々にとっても、寝耳に水であり、今後どうすべきか対策に頭を悩ませていることでしょう。途方にくれているというのが実体だと思います。それから、今回の事件をきっかけとして企業サイドの問題として、派遣労働者という制度に疑問を投げかける声も大きくなっています。確かにこの問題に関しては重要ですが、派遣労働者制を変えたり、周辺のシステムを変更したり、付加したりしただけで、この種の事件を防ぐための鉄壁の備えになるとは考えにくいです。

このこの事件の背後には、かなり大きなそれも、多種多様にわたる問題が山積しています。民間も、行政も結局はこの問題に関して抜本的な解決はできないと思います。では、この問題はそのままにしておいて良いのでしょうか?そんなことはないはずです。

求められる第3のセクター(NPO)
さて、答えを最初に言ってしまいます。この問題に挑戦できるのは、新たな第3のセクターである非営利組織です。いわゆるNPOです。NPOというと、大方の人がボランティアくらいの認識しかない日本では、これをいうと、首をかしげる人が多いです。多くの先進国では、長い時間をかけて先進国になったため、NPOの伝統があります。ソビエト連邦が躍進する前までは、多くの国で社会福祉は、ほとんどNPOによって行われていたと言っても過言ではありません。この辺は書くと長くなってしまうので、以前「フランス大統領選挙」の中で掲載ましたので、これを読んでください。

さて、NPOについては、なぜそれが必要なのか、先日も紹介した書籍「未来社会への変革」から引用します。これは、ドラッカーによる序章の一部の抜粋です。

世界において、日本だけが、都市社会の共同体のニーズを政府が「社会政策」によって満たすべきであり、またそれが可能だと信じているようです。しかし、日本以外の国においては、今日、これがおおかた妄想であったことを悟っています。今の日本では、社会政策のまずさは、政府のまずさであり、政府のまずさは、福田総理大臣であり・・・・。などという愚かな考えが、マスコミをはじめ態勢をしめているような気がします。世界各国のこの50年間の「社会政策」は例外なく、多かれ少なかれ、不成功でした。社会政策は、伝統的な共同体の消滅が残した空間を間違いなく満たせませんでした。そのニーズは確かにありました。そうして資金(多くの国、特に先進国では膨大な金額だった)もありました。しかし、その結果はどの国でも貧弱なものでした。政府にできることは、インフラ(基盤)の整備だけて考えて間違いないものと思います。その基盤の上で、社会活動を実施するのは民間企業であり、それに以下に述べる非営利団体です。基盤の上で政府が何かをやろうとすると必ずといって、失敗します。それは、政府という一つの組織では、都市市民の多様なニーズには応えることができないからです。また無理をして提供すると、必要がなくなっても、組織が残り、役人天国になるだけです。

どうように民間分野、つまり私企業もそのニーズを満たせませんでした。どんな企業でも本当の保障や安全を与えることはできません。民間企業は物質的な成功と個人的達成感をもたらす場となるだろうし、また、そうでなければなりません。

社会セクターの各種組織、すなわち、非政府、非民間企業、非営利的な組織のみが、私達がいま必要としているもの、市民のための、とくに先進国で優勢となっている教育ある知識労働者(現在の労働は、体だけつかい全く頭を使わないというものはなく、現在の労働者のほとんど何らかの知識労働をしている、またこうした知識労働的な部分ができなければ、現在では労働者としてやっていけない)のための共同体を創造できます。その理由の一つは、非営利組織のみが私達が、必要とする共同体の巨大な多様性(教会、専門家の団体、そしてホームレス支援からスポーツクラブにいたるまで)を提供できるからです。非営利組織は、都市の第二のニーズ、つまりその住民に貢献する有能な市民、とくに21世紀の都市でますます主流を担う教育ある専門職の人々のニーズを満たすことができる唯一の組織です。非営利的な社会セクターのみが、人々にボランティアになる機会を提供し、それによって個人に二つのことを可能にします。社会に秩序をもたらす領域と、社会に変化をもたらす領域です。

20世紀は、特に先進国では、政府と企業が爆発的に成長した時代でした。21世紀において、何よりも必要なのは、新しく優勢になった社会環境、すなわち都市において共同体を築くことのできる、非営利的な社会組織の爆発的な成長です。

NPOは具体的に何をすればよいのか?
大都市圏では、以下のようなNPOをつくろうとすれば、比較的簡単にできると思います。すでに存在しているものもあると思いますが、日本にもないものがあると思います。少し思いついたものをあげておきます。

①孤独な若者をでないようにするNPO
アメリカなら、教会、や学校や、独立した施設などたくさんあります。
②労働問題に関するNPO

③精神障害に関すNPO

④商店街の安全に関するNPO

⑤学習障害に関するNPO

⑥生涯学習に関するNPO

⑦アメリカのmating societyに似たNPO
これは、簡単に言うと、彼女、彼氏ができない人たちに、できるようにアドバイスするNPOです。できたらできたで、男女両方の個々人の適正に合わせて、しばらくアドバイスもしてくれます。

⑧性障害に関するNPO

⑨格差社会に対応するNPO

⑩職業訓練に対応するNPO

⑪大学・大学院などの教育を提供するNPO

⑫家庭内暴力に対応するNPO

さらに、上のようなNPOが連携するなど。それに、皆さんも何か、ニーズがあれば、応えてくれるNPOがあれば、門をたたいてみたくなりませんか?それに、こうしたNPOがたくさんあり、様々な活動をしていれば、今回のような事件を未然に防ぐ機会も増えたかもしれません。

このような、NPOは役所と違い、使命を達成しなければ、世の中から消えていきます。アメリカなどでは、NPOのマネジャーは日本の民間企業よりも厳しい管理をするところが多いです。日本の手弁当だとか、ボランティアなどの甘い管理ではありません。それに、実際に社会を動かしています。デトロイトなどでは、都市計画はすべてNPOが実施しています。市役所はそれを管理するだけです。高齢者や、低所得層に対する住宅などで多大な成果をあげています。サブプラム問題のような愚かな失敗はしていません。サブプラム問題は、民間企業が福祉的な分野に安易に立ち入ると、失敗しやすいという格好の事例になったと思います。アフリカからでてきた、言葉もできない少女が、NPOの教育プログラムを受けて、いまや巨大企業の副社長になっているなどしいう例もあります。

日本に欠けているのは、こうした非営利組織の興隆だと思います。もちろん、こうした組織が興隆したからといって、必ず多くの問題が解決できるかといえば、そうではないと思います。事実こうしたこうした、組織やシステムの生みの親でもあるアメリカでは、貧困層の問題などか顕著になっています。しかしこのような組織がどんどんできなければ、今回の事件に関わる社会問題などなかなか解決できる可能性は低くなると思います。

以下このブログに過去に掲載した関連の記事を掲載します。反転文字列をクリックすると当該記事に飛びます。

■秋葉原殺人犯の孤独と苦痛-今日のこの事件をを数十年前から予言していたドラッカー氏に学ぶ?

■痛いニュースより-店員に有難うという人が大嫌い。可笑しいでしょうか?

■次世代IT(2)

■Web2.0的話題-未来社会への変革

■アメリカ・バージニア工科大学の銃撃事件の犯人映像

■「アッコにおまかせ」の初音ミクの報道をどう見るか?-声なき人の声が大声になりつつある

■フランス大統領選挙


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2008年6月10日火曜日

秋葉原殺人犯の孤独と苦痛-今日のこの事件を数十年前から予言していたドラッカー氏に学ぶ?!

秋葉原通り魔ニュースNTV




「彼女がいない、この一点で人生崩壊」 秋葉原殺人犯の孤独と苦痛(J-CAST)より(このニュース十分ご存知の方は読み飛ばして次の項に進んでください)

17人の死傷者を出した秋葉原無差別殺人の犯人は、「彼女がいない、ただこの一点で人生崩壊」「(仕事を)辞めろってことか」「チャンス、人 生に一回もなかったけど」などと、孤独や派遣社員として働くことにたいする不満や絶望を事件前に携帯電話のネット掲示板に書き込んでいた。

「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います」

ケータイ掲示板に「秋葉原で人を殺します」との書き込みがあった
ケータイ掲示板に「秋葉原で人を殺します」との書き込みがあった

「秋葉原で人を殺します」――2008年6月8日に発生した秋葉原無差別殺人事件で、同日早朝から携帯電話の掲示板に「犯罪予告」がされてい ることが判明した。犯人は「携帯電話に書き込んだ」などと供述。この事件と書き込みの内容がほぼ符合し、掲示板に「犯罪予告」だけでなく、犯行にいたる経 緯まで「実況中継」されていた。掲示板への書き込みは、そのすべてが加藤容疑者によるものとは断定できないが、このスレッド内では会話などのやりとりらし きものはほとんどなく、終始その論調も似通っていることから、一人で書き込みを続けていた可能性が極めて高い。

秋葉原の中央通りの交差点にトラックで突っ込み、歩行者をはねた。さらにトラックから降りてきた男がナイフで歩行者らを次々と刺した事件で、 7人が死亡、10人が負傷した。現行犯逮捕された男は静岡県裾野市富沢、派遣社員、加藤智大容疑者(25)で、各紙の報道によれば、警視庁捜査1課万世橋 署の調べに対し、携帯電話のインターネット掲示板に犯行を予告する書き込みをしていたことを認める供述をしていることが明らかになった。

携帯電話のネット掲示板では、08年6月8日午前5時21分に「秋葉原で人を殺します」というタイトルでスレッドが立てられ、

「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら」 と事件とそっくりな内容の書き込みがされていた。

このスレッドでは5時21分に「ねむい」、5時35分に「しかも、予報が雨 最悪」と頻繁に書き込みが続き、5時44分には

「途中で捕まるのが一番しょぼいパターンかな」

と書き込まれている。

6時10分には「使う予定の道路が封鎖中とか やっぱり、全てが俺の邪魔をする」。6時31分に「時間だ 出かけよう」。7時過ぎには「一本早い電車に乗れてしまった」「30分余ってるぜ」などいった書き込みがある。

書き込みはその後も続き、9時48分には、「神奈川入って休憩 いまのとこ順調かな」、10時53分に「酷い渋滞 時間までに着くかしら」、11時7分に「渋谷ひどい」、11時17分には「こっちは晴れてるね」。

このように、犯行に至るまでが「実況中継」されているのである。

さらに、11時45分には「秋葉原についた」と書かれており、11時45分には「今日は歩行者天国の日だよね?」と一人ごとのように書き込み が続き、午後0時10分には「時間です」。まさに事件と書き込みが時間的にぴったり符合。加藤容疑者の犯行当日の行動が一目瞭然にわかる内容になってい た。

「不細工な俺は存在自体が迷惑なんだっけ」

加藤容疑者が利用していたと思われる掲示板サイトは、「究改交流掲示板」と呼ばれるもの。携帯電話サイトの掲示板としては、それほど知名度が 高いとはいえないが、最近ではこうした携帯電話の掲示板サイトが若年世代を中心に「交流の場」となってきている。ITジャーナリストの井上トシユキさんはJ-CASTニュースに対し「密な交流の場がたこつぼ的になり、ネットユーザーがランダムに掲示板サイトに流れるようになってきた」と話す。

実際、この掲示板では私生活について赤裸々に綴られており、事件前には派遣社員として働くことへの苦痛や孤独感を彷彿とさせる書き込みが続く。

「チャンスは全ての人に平等に与えられるべき 生かせるか生かせないかはその人次第」「もしかして、俺、チャンスを逃してるわけ?そんなチャンス、人生に一回もなかったけど」(6月4日5時20分、21分)

6月5日になると「作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか」(午前6時17分)、「やっかい払いができた会社としては万々歳なんだろ うな」(午前7時44分)「ツナギあったよ、だと 自分で隠しておいてよく言うよ」(午前7時45分)と職場への不満が綴られている。

「大幅なリストラだし、当たり前か」(6月5日6時5分)
「あ、住所不定無職になったのか ますます絶望的だ 」(6月6日1時44分)

さらに6月6日2時48分には「やりたいこと…殺人 夢…ワイドショー独占 」と書き込まれている。

掲示板では職場への不満のほかに、女性や孤独についての言及も多い。「彼女がいれば夜逃げする必要なかったし」「彼女がいない、ただこの一点 で人生崩壊」(6月5日5時18~19分)。「一人の虚しさは異常」(6月5日午後1時20分)「友達もできない俺に彼女ができるわけない」(6月6日2 時58分)などいった書き込みのほか、「不細工な俺は存在自体が迷惑なんだっけ」といった自身の容姿についてのコンプレックスを伺わせる書き込みもある。

加藤容疑者は工場の塗装工程に派遣されており、派遣先の企業は2008年6月9日に「変わった様子は見られませんでした」とのコメントを発表している。

この事件を数十年前から予言しているドラッカー氏?

私は、この犯人を弁護するきなどもうとうありません。どんなことにがあったにせよ、無差別殺人などすべきではありません。しかし、こうした犯人にとっても不幸な事件をなるべく起こらないようにしていく必要はあると思います。

この犯人の生い立ちや、日常生活などいろいろ報道されています。評論家などがいろいろもっともらしいことを言っています。しかし、どれも中途半端な気がします。今日のこの事件に限らず、都会の犯罪に関して、数十年前(少なくとも30年前以上)から警告を出していた人がいます。それは、経営学の大家である故ドラッカー氏です。

ドラッカー氏は数年前になくりなりましたが、アメリカには、ドラッカー財団というNPOがあり、ドラッカー氏の遺志を引き継ぎ現在でも素晴らしい活動をしています。まさに、ドラッカーの思想的孫といっていいくらです。

この財団が今から10年以上前に、『未来社会への変革』という財団員その他の共著である本を出版しています。以下のその要約を掲載します。実は、このブログにも昨年掲載していますが、ここに再掲載します。この要約の中で、【1】の冒頭の4行はまさにドラッカー氏の言葉そのもので、今から30年以上前の著書で予言していたことです。今回の事件などまさに、予言していると思います。

「未来社会への変革」の要旨
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
利己的人間に満たされた都市は崩壊する。利他的に生きなければ都市に未来はない。組織のメンバーは、とかく組織が自分に何かをしてくれることを期待しがちである。
景気が悪くなれば、政府の景気対策を非難する経営者がそうだ。教育の問題をすべて学校のせいにする親もしかりだ。枚挙にいとまがない。まずは、自分が人のために何ができるかを各人が考え、それをうまく実行するために集まる。こうしてできた共同体が、企業にも、公的機関にも、政府にも、都市のあらゆる組織に自然発生することだけが、都市を救うのだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
< 本 文 要 約 >
【1】共同体をつくる
近年、世界中のあらゆる国の主要都市が、混沌たるジャングルのようになった。今後、あらゆる国でこれらの都市を文明化することが最高の優先課題となる。
そのためには、各都市に新たな共同体が築かれなければならない。もともと、都市とは強制的共同体の抑圧から逃れるために構築されたものだ。
しかし、その後都市独自の共同体が築かれなかったために、現在の破滅的状況を招いてしまったのだ。我々人類は、本来的に共同体を必要とする生き物なのだ。自分に似ている人を探し出し、それ以外の人から自分を防衛しようとする。インターネット上のチャットルームはその典型だ。
だから、もし建設的目的のための共同体が築かれなければ、代わりに破壊的、殺人的共同体が出現するのだ。

【2】都市共同体を築く非営利組織
都市における共同体は、自由かつ自発的組織でなければならない。なお、この共同体を築くのは、非政府、非民間の非営利組織の役目だ。
なぜなら、我々が必要としている共同体とは、教育ある知識労働者のための共同体だからである。そして、非営利組織だけが我々の望む多様性に対応できるのだ。
また、この組織は、住民に貢献する有能な市民のニーズにも応えることができる。つまり、ボランティア活動の機会だ。こうした活動が、社会に秩序と変化の両方を実現するのだ。

【3】自発的組織への参加
共同体のメンバーは、真の意味で相互扶助精神を持ち、自分の時間を組織のために自発的にささげるべきだ。ただし、これは強制されたり、政府の支配下におかれたりするべき類のものでもない。
このようにして築かれた共同体は、都市住民に達成感と貢献と意義を与えるだろう。
20世紀は、先進国を中心に、政府と企業が成長した時代であった。しかし、21世紀には、都市において共同体を築くことができる組織が成長する必要がある。

【4】通信技術が組織を変える
未来の企業組織は、これまでのようなトップダウン型の「たて型組織」ではなく、いくつもの共同体の組み合わせとして機能するようになるだろう。
もともと、これまでの「たて型組織構造」も、管理のツールとしてではなく、コミュニケーションをより効率よく行うために構築されたものだった。しかし今日では新しい通信技術が登場し、コミュニケーションは非同時的、グローバル、共同作業的になった。
このコミュニケーションは、時間と空間を超えてチームを作ることを可能にし組織の壁を打ちこわし、人々の結びつきをより強くする。これにより、未来の組織は共同体(山田加筆:サイバーコミュニティー)に近づくものと思われる。

【5】共同体の運営
新しいパートナーシップが、共同体を再生する力の源である。これを築くために必要なのは、偉大な社会的リーダーである。ビジネスと同じように、ビジョンを持ち、努力をマネジメントできる指導者が公共、民間、産業の三つの分野を巻き込んでパートナーシップを築いていく。
このパートナーシップが、チームワークを生む。建設的で、人を癒すことができ、指導力のある強力なパートナーの指導のもとで壁を超えることは、未来の共同体建設には不可欠である。
なお、公共への奉仕は、共同体運営の前提条件だ。しかし、この質を維持するためには、努力でなく結果を管理されなければならない。そのためには、意見でなく事実に基づき管理をし、また成果は客観的に測定されなければならない。
また、従来の共同体は、地理的に区分されていた。しかし、未来には価値により区分される。つまりどこに住むかでなく、何を信じるかによって区分される。
共同体とは、本来共通の利害のもとに個人が集合した組織だ。この新しい、利害の共同体は、組織内部にとどまらず、顧客、取引業者、パートナーにも利益を与え、その利益を社会全体に及ぼすことになるはずだ。
これを創造し、運営するには6つの手順と方法がある。すなわち、アイデンティティーを育て、ルールをつくり、情報を共有し、相互奉仕関係をつくり、価値を生みだし、類似性を運用するのだ。

【6】他の人々との連帯
科学技術の発展は目を見張るばかりだが、私たちの倫理はほとんど進歩していない。例えば、私たちは他人の痛みや苦痛に対して敏感であるとは言えない。だから、相変わらず将来に対する不安に怯えているのだ。
我々は今日、世界中の出来事を瞬時に知ることができる。だから、もはや知らなかったということは言い訳にできない。確かにこれを解決するための手段や可能性は限られているが、絶望や努力の放棄は所詮言い訳だ。無関心を生むだけだ。
無関心とは孤独なものである。無関心な人間は、他人を見ていない。だから周囲に何も感じないし、他人の身に何が起きても気にしない。底知れない虚無に包まれ、内面を虚無で満たされている。彼らはいかなる希望も将来も持てない。
我々は、21世紀を迎えるにあたり、弱く、虐げられ、孤独で、病み、絶望している人びとと連帯しなければならない。その思いが、共同体に対して気高く人間的な貢献をしたい!という願望になる。そして、自らが何者であるかでなく、他者にとって何かということで自らを規定するようになる。(了)


はっきり示されている解決策
皆さん、要約を読まれてどう思われますか?まさしく、今日を予言していると思いませんか?まさに、今回も、
混沌たるジャングルのようになった都市で発生しました。さらに、予言するだけではなく、解決策も示しています。それは、共同体をつくるというものです。都市に共同体、特にNPOを多数作り出すということしは、ドラッカー氏も述べておられます。20年前くらいにその言葉が書かれていた著書を読んだとき、私はあまりピンときませんでした。しかし、ここ10年くらいは、その意味が良くわかるようなってきました。多くの日本人にとって、日本には、もともとNPOという伝統がありませんから、判りにくいのも無理はないと思います。

これから、このような事件を防ぐために、いろいろな提案などがでてくるかもしれません。しかし、政府がとか、学校がとか、職場でどうのということは、根本的な解決ならないような気がします。無論それも大事だと思います。たとえば、職場で共同体をつくり、この犯人もその共同体に入ることができたら何とかなったかもしれません。しかし、こうしたことができれば良いのてすが、職場に必ずこの犯人のような人間に対してよい影響を及ぼせる、あるいは犯人自体が入りたいと思う共同体が必ずできるという保障はありません。共同体といってもさまざまなニーズや要望に対して必ず応えることはできないかもしれません。

しかし、都市部に小さくはさまざまなニーズに応える多様ないくつもの共同体があれば、より多くの人々のさまざまなニーズに応えることができる可能性が高まると思います。

特にこの犯人は、コミュニケーション障害が顕著だと思います。コミュニケーションができなければ、当然真の意味で友人はできない、彼女もできないのが当然です。コミュニケーション障害に取り組むNPOなど、相当高いニーズがあると思います。それも、若者向けとか、主婦向けとか、サラリーマン向け、高齢者向けなどというそれぞれ得意分野に特化したNPOがあっても良いと思います。そうして、アメリカにはそうしたNPOも実在します。日本にもあるのかもしれませんが、私は知らないです。

コミュニケーションとは?
さて、コミュニケーション障害などという言葉をだしてしまいましたが、コミュニケーションとは何でしょうか?そう問われると答えに窮する人も大勢いるのではないかと思います。コミュニケーションというと、良く職場のコミュニケーションということで、E-メールや、報告・相談・連絡などを思い浮かべるでしょうが、これはコミュニケーションのツールであって、その本質ではありません。いくら、報告・相談・連絡を蜜にしても、ほとんどコミュニケーションがとれない場合もあります。また、これらをほとんどしなくても、コミュニケーションが円滑に図られている場合もあります。

もったいぶらないで、コミュニケーションの本質を掲載します。実は、これもドラッカー氏の著書からの引用です。ドラッカー氏、経営学の大家といわれいますが、いまさらなが、その造詣の深さに驚かされます。

※コミュニケーションとは?
■受け手に「知覚」されて成立する
大工には大工の言葉で話せ。(ソクラテスの言葉)
■受け手に「期待」されて成立する
人は期待しないものは受入れない。たとえ伝わったとしても、全く別のこととして認識される。
■受け手に対する「要求」を伴う
コミュニケーションは常に受け手に対する要求を伴う。
■情報とは異質だか相互依存関係にある
情報が多すぎるとかえってコミュニケーションは成立しにくくなる。
※コミュニケーションの前提は?
■目標管理
目標管理をすることにより、部下は上司の微妙な立場を理解する。上司も部下の考えを理解する。
■経験の共有-コミュニケーションとは私達の中の一人から私達の中のもう一人に伝わるもの

※コミュニケーションではないもの
単に「上から下へ」「下から上」へとコミュニケーションは成立しない。(私の補足:コミュニケーションとは単なるホウレンソウ(報告・連絡・相談)ではない。ホウレンソウを密にしていても、必ずしもコミュニケーションが成立しているとはいえない)

この一言一言、何気なく読みすごしてしまうかもしれませんが、とても意味が深いです。
特に一番最後の「経験の共有」は重要です。これは、ドラッカーの著書の中では、「コミュニケーションとは、私達の中の一人から、もう一人に伝わるもの」と書いています。しかし、私は、私達の中のもう一人に伝わるものとしています。それは、やはり「私達の中の」を強調したかったからです。

実は、コミュニケーションをとるのに最も重要なのは、コミュニケーションを交わさなければならない人々との間にあらかじめ「私達の中の」といえるほどの関係を構築しておかなければないということです。

人は結局自分でしょう!?
いろいろ、長く書いてしましましたが、この犯人にしろ、現代人の多くの人は、「人は結局自分でしょう」と、心の中が信じ込んでしまっている人がかなり多く見受けられるように思います。本当にそうでしょうか確かに、まず人は自我が確立していなければならないので、こういう側面もある程度は必要だと思います。しかし、それだけで過ごしてしまったとしたら、どうなるでしょうか?企業でも、自分、自分といって、自分のことだけ考えて済むのは、20代までだと思います。しかし、30歳代を過ぎてからもそのようなことを続けていたら、まず、会社での出世はだめ、コミュニティーでもリーダーシップを発揮できない、人付き合いはだめ、コミュニケーョンもだめということになり、すべてがうまくいかなくなると思います。それこそ、上の「未来社会への変革」の要約の中の【6】の中の一節「
無関心とは孤独なものである。無関心な人間は、他人を見ていない。だから周囲に何も感じないし、他人の身に何が起きても気にしない。底知れない虚無に包まれ、内面を虚無で満たされている。彼らはいかなる希望も将来も持てない」というこの秋葉事件の犯人と同じことになってしまうのだと思います。

人間はもともと、社会的動物なのです。生きているというだけで誰かのお世話になっている存在なのです。若いうちならともかく、ある程度の年齢になれば、「人のために生きる」という姿勢が求められるようになります。そうして、より大きなスケールで「人のために生きる」ことが出来た人は、大きな幸せをつかむことができると思います。「人は結局自分でしょう」ばかりを貫いた人には、惨めな老後が待っていることと思います。いや、その前にこの犯人のように自滅しているかもしれません。

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■痛いニュースより-店員に有難うという人が大嫌い。可笑しいでしょうか?

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2008年6月9日月曜日

Invitation For Jazz-David Benoit

David Benoit Freedom at Midnight NAMM 2007 @ Roland


プロフィール
フュージョンの創世記より(現在スムース・ジャズという呼称になっている)現在にいたるまでシーンのトップで活躍しているデビッド・ベノワはリー・リトナーとともに今やGRPの最古参アーティストとなった。ポスト・デイブ・グルーシンの旗手と言われた時期もあったがそれも昔の話。キーボーディスト、コンポーザー、アレンジャー、プロデューサーとして西海岸において引っ張りだこ、売れっ子の彼は、日本でもファンが多い。2000年にはアメリカにおける国民的キャラクターの50周年を祝った『ヒアズ・トゥ・ユー・チャーリー・ブラウン&スヌーピー』で評判を呼び、ピアニストとしてこれまで以上の魅力を発揮してみせた。


前述のとおり、すでにGRPではヴェテランのポジションにいる彼だが、新作を発表するたび新鮮な魅力を発揮していることには驚かされる。2001年には『スヌーピー』作品に続く待望の新作が登場する予定だ。その作品では、アコースティック・ジャズとフュージョンを股にかけて活躍しているベノワが、ピアノのほかにハモンドB-3も駆使してご機嫌な世界を現出してみせるらしい。ビル・エヴァンスに通じるリリカルなタッチを持ち味にしている彼が、コンテンポラリーなサウンドの中でどのようなサウンドを披露してくれるのか、そこが聴きどころだ。

ディスコグラフィー


ライト・ヒア、ライト・ナウ
ライト・ヒア、ライト・ナウ
RIGHT HERE, RIGHT NOW

2003/10/8 RELEASE
UCCR-1036 \2,548(2427) GRP


西海岸在住のキーボーディスト、プロデューサー、アレンジャーのデヴィッド・ベノワの最新作。今作もベノワのオリ ジナル中心のコンテンポラリー・ジャズ作品。ノラ・ジョーンズの「ドント・ノウ・ホワイ」のカバー収録。参加メンバー:ジェフ・ゴルブ(g)、リチャー ド・エリオット(sax) 他

ファジー・ロジック
Fuzzy Logic

2001/1/23 RELEASE 
UCCR-1007 \2,548 (tax in) GRP


ヒアズ・トゥ・ユー・チャーリー・ブラウン&スヌーピー
~50グレイト・イヤーズ

MVCJ-24028 \2,541 (tax in) GRP


過去のInvitation。反転文字列をクリックすれば、当該記事に飛びます。

■JOSE JAMES-ホセ・ジェイムス
■Lizz Wright―リズ・ライト
■MARICA HIRAGA-平賀マリカ
■SCOTT HAMILTON-スコット・ハミルトン
■ROY HARGROVE-ロイ・ハーグルーブ
■Taylor Eigsti-テイラー・アイグスティ
■Frank Sinatra-フランク・シナトラ
■TAIHEI ASAKAWA-淺川 太平
■NARUAKI KIKUCHI-菊地 成孔
■TOROPICAL JAZZ BIG BAND-熱帯ジャズ楽団
■Quincy Jones-クインシー・ジョーンズ
■DAVID SANBORN-デビッド・サンボーン
■JOHN PIZZARELLI-ジョン・ピザレリ
■BERARDI JAZZ CONNECTION-ベラルディ・ジャズ・コネクション
■HARVIE HANCOCK -ハービー・ハンコック
■TOKYO ZAWINUL BACH-東京ザビヌルバッハ
■SADAO WATANABE-渡辺 貞夫
■TOM SCOTT-トム・スコット
■LOIS ARMSTRONG-ルイ・アームストロング
■JOHN COLTRAIN-ジョン・コルトレーン
■THE JAZZ INVADERS-ザ・ジャズ・インベーダーズ
■KEITH JARRET-キース・ジャレット
■ELECTRO DELUXE-エレクトロ・デラックス
■TRIBAL TECH-トライバル・テック
■MARK MURPY-マーク・マーフィー
■NORMAN BROWN-ノーマン・ブラウン
■TONY MONACO-トニー・モナコ
■DAVE KOZ-デエィブ・コズ
■ROOM ELEVEN-ルーム・イレブン


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西側諸国、北朝鮮を甘く見るなら我が身の危険を覚悟すべし――ギデオン・ラックマン―【私の論評】北朝鮮のウクライナ派兵とロシア連携がもたらす脅威 - 日本が取るべき対策とは

西側諸国、北朝鮮を甘く見るなら我が身の危険を覚悟すべし――ギデオン・ラックマン (英フィナンシャル・タイムズ紙 2024年10月29日付) まとめ ウクライナのゼレンスキー大統領は、北朝鮮兵士がロシア・ウクライナ紛争に参加する可能性を懸念している。 西側諸国は、ロシア、北朝鮮、イ...