2020年3月8日日曜日

日本は韓国を“反面教師”に脱中国を進めよ! 国際社会は結局「自国第一主義」 識者「日本国民を売って自らの利権を確保する政治家らに裁きを」 ―【私の論評】日本人の武漢肺炎ウィルスへの脅威が、「脱中国」を促す(゚д゚)!


マスクを生産する中国・青島市の労働者。日本は過度な中国依存から脱却する必要がある

政府は新型コロナウイルス感染が拡大している中国と韓国に対する入国制限を決めた。だが、習近平政権への配慮から当初の対応が甘く、遅きに失した感は否めない。国際社会の「自国第一主義」があぶり出されるなか、国際投資アナリストの大原浩氏は寄稿で、日本は韓国のような中国依存の脆弱(ぜいじゃく)な構造の国を反面教師とし、ビジネス面でも脱中国を進めるべきだと強調する。


 安倍晋三首相の要請による小中高校などの一斉休校については、要請そのものを考えれば、それなりに妥当な判断だと思う。また、5日には中韓からの入国制限を公表したのだが、もっと前から「中国からの入国全面禁止」を行うべきだったという非難から免れることはできない。

 法律うんぬんで官僚が頑強に抵抗したという議論があるが、それならば習主席に「団体旅行だけではなく、個人旅行やビジネスでの訪問も禁止」にするよう要請すればよかったのだ。当時の状況で、「国賓招待」との交換条件なら、習氏も断れなかったはずだ。

 現状は、燃え盛る家から自分の家に飛び火するのを傍観していて、燃え移るのを確認してから命がけで消火活動を行っているようなものである。

 マスク売り切れ騒動も「転売屋」やドラッグストアの抱き合わせ販売が非難されているが、本当の問題点は過度の輸入依存だ。2018年に日本で約55億枚流通したマスクのうち、国産は約11億枚で残りの約44億枚は輸入品だ。輸入比率がなんと80%にのぼる。輸入品の多くが「メイド・イン・チャイナ」と推定されるが、彼らが自国の緊急事態において「思いやり精神」や「恩返し」で日本への輸出を続けているだろうか。

 その他の国も「自国民優先」が当然であるから輸出に回すとは考えられない。このような状況で、共産主義中国や韓国に、「日本国民の安全・安心・生命」を犠牲にして、血税で備蓄していたマスクどころか防護服まで贈呈する政治家、官僚、役人、企業は、「日本国民を売って」自らの利権を確保しているとしか言いようがない。緊急事態が終わった後に、彼らは日本国民から厳しく裁かれるべきである。

 政府はメーカーに大増産を依頼しているというが、供給の80%が消えたと考えられるから、日本メーカーがこれまでの5倍のマスクを生産して通常の需要をやっと賄えるに過ぎない。極度に需要が増加した現在の需要を満たせるはずがないのは当然だ。

 問題は、マスクに限らない。2018年度の食料自給率は、カロリーベースでは37%にとどまっている。生産額ベースでは66%というのも決して高い数値ではない。

 もちろん、現代の農業は産業化されており、農業機械の稼働や食糧を運ぶトラックなどのガソリン、化学肥料、農薬が入手できなければ生産・供給を維持できなくなる。

 1973年の第1次オイルショック後、日本が世界をリードする省エネ国になったのも、この時経験した「石油供給が途絶する恐怖」のトラウマの結果である。

 日本の目の前に反面教師もいる。フッ化水素などの3品目の「輸出管理の強化」を日本の国防上の必要から限定的に行っただけで、大騒ぎをした韓国である。半導体製造装置や各種材料など、韓国経済が日本に依存した脆弱な構造であることは明らかだ。

 対中国において、製造業の先端技術分野では、おおむね日本が輸出側で優位に立っているが、原油を始めとするエネルギー資源や鉱物資源では弱い立場だ。特にレアアースの生産は中国に偏っており、政治的に利用されて日本企業が大変困ったこともあった。

 グローバル化は「お互いに助け合う」スタンスでなければ成り立たない。「いいとこどり」をして「恩をあだで返す」国々が、世界貿易の枠組みに紛れ込んで来れば維持できなくなるのは当然だ。その意味で、「トランプ米大統領が『国民ファースト』の政策を推進し、自由貿易を破壊する国々にお灸をすえた」のは正しかったといえる。

 すでに米国は、コストうんぬん以前に戦略上重要な製造業を国内回帰させる方針であることを明言している。日本もこれに遅れてはならない。

 経済・社会の基本単位が「国家」であることはこれから、ますます意識されるであろう。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】日本人の武漢肺炎ウィルスへの脅威が、「脱中国」を促す(゚д゚)!

大原浩氏が上の記事で語っていることは正しいです。ただし日本人としては、その前に若干理解して置かなければならないことがあります。

中国発の新型コロナウイルスが今まさに日本でも猛威を振るおうとしていた矢先の2月17日、免税家電量販店のラオックスが「希望退職者を募集する」と発表した。その数、全従業員の20%にあたる140人(子会社のシャディを含めると160人)。

ラオックスと言えば、昔は激安のパソコンショップとして名を馳せた企業ですが、不況の影響で10年程前に中国企業である蘇寧(そねい)の傘下に入り、社長も中国人の羅怡文氏が務めています。

LAOX THE DIGITAL館がオープンして大賑わい(1999年10月)約3年後の2003年1月13日、様々な事情に
より閉店してしまいました。現在はパチンコ店と飲食店が入居する複合ビルとして営業

昨年から既にインバウンド需要に翳りが見え始めていましたが、ここに来て、中国で伝染病が発生したため、更なる企業業績の悪化は避けられないとの判断なのでしょう。インバウンド需要の変化(減少)は一過性のものではなく、ある程度は長期化すると見越した上での人員削減なのだろうと思われます。

日本経済はバブル崩壊後、「失われた30年」とも言われ、バブル期には土地や株式などの資産価格は上昇していたものの、一般物価の値上がりさほどでもなかったにも限らず、その当時の、とち狂った日銀が、金融引締に展示、その後も平成年間のほとんどの期間を引き締め続け、これに輪をかけてとち狂った財務省が、増税などの緊縮財政を続けたため、日本は深刻なデフレに陥りました。

日本は誤った財政・金融政策のためGDPは横ばいだった

当然のことながら、将来の先行き不安から多くの人々が財布の紐を固く締め、お金を散財しなくなりました。一方で、バブル経済の真っ只中にあったお隣の中国人の一部は、どんどんとお金持ちになり、日本に訪れて、高性能で安全な日本の商品を日本人に成り代わってゴッソリと購入しました。

その景気の良い姿に気を良くした日本の商売人達は「お客様(中国人)は神様」と言わんばかりに、我先にと中国人旅行者の獲得に努めました。

日本のバブル期を彷彿とさせる中国人の購買姿勢は、いつしか「爆買い」と呼ばれるようになり、「インバウンド消費」という言葉がテレビや新聞のタイトルとして踊り、お茶の間を賑わせました。識者の中には、景気浮遊=インバウンド消費であるかのように、したり顔て語る識者も大勢いました。

デフレ真っ只中の日本では、日本の製造業が日本で製造して日本国内で販売するよりも、中国や韓国で製造したものを輸入して日本国内で販売したほうが、コスト的に優位という異常事態が発生しました。

そのため、日本企業は中国と合弁企業を設立して、中国人従業員を大量に雇用して、中国で商品を製造し、日本に輸入するという方式をすすめました。そのため、中国は随分と潤ったわけです。

そうして豊かになった中国の富裕層や準富裕層などが、日本を訪れ爆買をしたのです。政治的には、日本の尖閣諸島を乗っ取ろうという思惑を抱いた中国に「ノー」を突き付けても、日本企業は中国に進出し、中国を豊かにし、さらにその中国からの一般旅行客は別物とばかりに「ヨイショ」するというような異常な事態が繰り広げられていたのです。

政治と経済で明らかな二重基準(ダブルスタンダード)を貫いてきた日本でしたが、今回の新型コロナウイルス騒ぎによって、その二重基準は改められようとしているかに見えます。

多くの日本人には、唯物論者が多いせいもあるのでしょうか、殊更に目に見えないものを恐れる傾向があります。原発の放射能と同じように、ウイルスも目には見えません。

こういう場合、正しい判断をするには科学的に冷静になることが求められるのですが、原発事故の時に判明したように、日本では、人体に全く悪影響が無い微量な放射線でも頭から、と言うよりも、脊椎反射で科学的事実を受け付けないという人が大勢いました。無論、それは過去形ではなく、現在進行形で存在しています。

今回のウイルスも放射能と同じような感覚で、脊椎反射で否定する人々は大勢出てくるものを思われますし、既にそういった人々は存在しています。

彼らが抱いている恐怖は、ウイルスだけでなく、ウイルスを運んでくる中国人や中国という国そのものにも向いています。

尖閣諸島を乗っ取ろうとする中国、核兵器で日本を狙っている中国、組織的で体系化された中国の反日教育等にはあまり危機感を抱かなかった人々が、ウイルスを日本国内に持ってくる中国には断固として「ノー」を突き付けています。特に、中国政府が当初武漢肺炎の感染を隠蔽していたことに、不条理を感じている日本人は多いでしょう。

実に皮肉な現象ですが、多くの日本人は自分自身に被害が直接及ぶと思われるもので、目に見えるものにはそうでもないのですが、目に見えないものには実に厳しい態度に変化します。それに気づいていないのは、日本の政財界の愚かな親中派どもだけです。

最近では、自分達に直接害を与える国のリーダー習近平が日本国賓で訪れるというスケジュールをなかなか変えず、多くの日本人が不信感をつのらせていました。さらには、中国全域からに日本への入国制限を安倍政権はなかなか実施しませんでした。その結果安倍政権への支持率が低下しました。



遅きに失した感はあったものの、習近平の訪日は延期され、結局中国全域からの日本への入国制限は実行されることになりましたが、中止ではなく延期であること、やはり遅すぎた入国制限などで、安倍政権の支持率の低下はすぐに解消されるかどうかは、不透明です。

これを機会に多くの識者が中国の真の脅威を説けば、中国に対して危機感を抱くだけではなく、不条理を感じる人も多くなるのではないかと思います。そうして、その不条理は、放射能への恐怖とは異なり正鵠を射たものなのです。

安倍政権としては、支持率が落ちたことを真摯に反省し、党内政治等のために党内親中派や財界親中派に忖度し続けるのか、それとも国民の声を聴くべきなのか、選択を迫られているとと捉えるべきです。

日本は、政治的にも経済的にも、ようやく「中国依存」から「脱中国」に舵を切ろうとしているようです。それは、短期的には大きな衝撃ですが、長期的には良いことです。

2020年3月7日土曜日

前例のない大胆政策…安倍政権は「消費減税」決断を! 財務省は必死に抵抗するだろうが…ここが政権の「正念場」だ―【私の論評】積極財政と金融緩和政策の両輪で、増税と武漢肺炎による景気低迷に対処せよ(゚д゚)!


安倍総理

新型コロナウイルスが、世界と日本の経済に大打撃を及ぼしそうだ。株価はすでに急落している。これから、実体経済に波及するのは避けられない。どう対応すべきか。

 結論から先に言えば、私は昨年10月、10%に引き上げた消費税率を元の8%に戻すべきだ、と思う。財務省は必死で抵抗するだろうが、今回の事態はそれほど深刻、かつ前例がない。安倍晋三政権の英断を望みたい。

 多くの読者は、いくらなんでも増税したばかりの消費税を減税するとは「あり得ない」と思われるかもしれない。だが、私は単に自分が期待するだけでなく、「首相の政治判断としても、十分あり得る」と思っている。

 なぜなら、安倍首相は2月29日の記者会見で、次のように語っていた。

 「各地の主要な株式市場において、軒並み株価が大きく下落するなど、世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行っていく」

 この「インパクトに見合うだけの政策」というフレーズは、私の記憶にない。安倍政権は「コロナ・ショック」がどれほどひどくなっても、それに見合う景気刺激策を展開する決意なのだ。そんな刺激策は減税しかない。

 これまで、日本で景気下支えと言えば、大型公共投資のような歳出拡大策ばかりが展開されてきた。だが、本来は歳出拡大だけでなく、減税もある。実際、ドナルド・トランプ政権を含め、米国では減税が多用されている。

 日本が減税に消極的なのは、財務省が抵抗するからだ。彼らは大きな声で言わないが、「予算のバラマキ」こそが権力の源泉になっている。減税すれば、それだけ原資が小さくなるので、彼らは必死で抵抗するのだ。

 だが、今回の事態は、財務省の都合に耳を傾けているような場合ではない。コロナ・ショックは、2008年のリーマン・ショックを上回る可能性もある。2月27日には、米国のダウ平均株価が過去最大の下げ幅を記録した。

 危機の終わりが見えないどころか、日本も米国も試練は始まったばかりなのだ。リーマンは金融の危機だったが、今回は金融にとどまらず、個人消費、設備投資はもちろん、製造業のサプライチェーンも直撃している。

 加えて、中国、北朝鮮、韓国の政権基盤も揺さぶっている。私は目を覚ますたびに「今日は何が起きているか」と緊張感に襲われる。人々の不安と恐怖は、とてつもなく大きい。そんな心細さはリーマンの時もなかった。

 そうであれば、安倍政権は前例のない大胆な政策で対応すべきだ。言葉ではなく、行動で「政府は国民とともにある」と訴える必要がある。昨年10~12月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長に陥ったのは、消費増税が原因だった。減税は増税の誤りを正す結果にもなる。

 最悪なのは、不十分で小出しの対応である。対応に失敗すれば、夏の東京五輪・パラリンピックは吹っ飛び、政権の足元も危うくなるだろう。ここが「本当の正念場」だ。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

【私の論評】積極財政と金融緩和策の両輪で、増税と武漢肺炎による景気低迷に対処せよ(゚д゚)!

武漢肺炎の猛威はすさまじく、北海道では感染者はとうとう90人を超えました、100人を超えるのも間近いでしょう。これにともなう、経済的損失も凄まじいものになるでしょう。

週明けに発表される去年10月から12月までのGDP=国内総生産の改定値について、民間の調査会社の間では、年率でマイナス6.3%だった速報段階から下方修正され、マイナス幅がさらに拡大するという予測が多くなっています。

去年10月から12月までのGDPの伸び率は、先月の速報段階では、消費税率の引き上げなどの影響で物価の変動を除いた実質でマイナス1.6%、年率に換算してマイナス6.3%となりました。

去年10月から12月までのGDPの伸び率は速報値では−6.3%だったが
このGDPについて、最新の統計を反映した改定値が、週明け9日に発表される予定です。

民間の調査会社など11社の予測によりますと改定値は、実質でマイナス1.6%からマイナス2.0%、年率換算ではマイナス6.1%からマイナス7.9%となりました。

11社のうち10社は、速報段階から下方修正されマイナス幅がさらに拡大するとしています。

これは、最新の統計で企業の設備投資が下振れしたためで、2社は前回、6年前の消費税率の引き上げ直後の年率マイナス7.4%よりも落ち込みが大きくなると予測しています。

もうすでに、景気後退局面に入っている可能性もあります。ちなみに、景気後退局面とは一般的に、国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となった場合をリセッションとみなします。日本経済はすでに景気後退局面に入っている恐れもあります。

これは、武漢肺炎前の数字です。さらに、1月から3月までのGDPも新型コロナウイルスの感染拡大の影響でマイナスになるという予測も出ていて、そうなれば、日本は間違いなく景気後退局面に入ることになります。そうして、これはほぼ確実です。

すぐにでも、消費税減税をしたほうが良いのは言うまでもありません。消費税減税をするにしても、8%未満にするには、法的手続きが必要です。それには、ある程度時間がかかります。

しかし、すぐにできる方法があります。それは、消費税10%はそのままにして、全品軽減税率8%を適用することです。これなら、すぐにできます。これを実行するには、法律を変える必要はありません。安倍政権はまずはこれを速やかに実施すべきでしょう。


さらに、必要とあれば8%未満にできるようにするために新たな法律づくりに着手すべきでしょう。

積極財政には、減税の他にも様々な方法があります。例えば、香港で実施されたように、国民に対する現金の一律支給や、所得減税や社会保険料の減免も考えられます。公共事業の増額もあります。さらには、期限付きのクーポンの支給などもあります。

さらに、今の国債マイナス金利の環境を生かして、政府がマイナス金利で国債発行し、それをそのままマイナス金利で民間に貸し出す「緊急融資制度」を行うということもできます。武漢肺炎で損失を被った個人や企業はマイナス金利で一定額借入できるようにするという方法もあります。

日銀も、武漢肺炎がなかった時期ですら、物価目標を達成できなかったのですか、今後はイールドカーブ・コントロールなどはやめて、異次元の緩和に戻ってもらいたいものです。
中央銀行の資産は金融緩和の度合いに比例する、日銀は緩和しなかったことがわかる

このブログでは何度か掲載してきたように、リーマン・ショックのときには、欧米等が大規模な緩和に踏み切ったにもかかわらず、日銀はほとんど緩和をしなかったために、デフレが深刻化し、円高になりました。

そのため、震源地の米国や悪影響を受けた英国などではいち早く不況から立ち直ったのですが、日本一人だけがなかなか不況から立ち直れず、一人負けの状態になりました。

今回の武漢肺炎による景気に落ち込みは、リーマン・ショック時より酷いことになる可能性は高いです。日銀は、リーマン・ショック時の失敗を繰り返さないように、すみやかに従来の異次元緩和に踏み切るべきです。そうして、それを維持する旨をすぐ公表すべきです。

政府が景気後退局面からの脱出や武漢肺炎対策等のため、国債増発を通じて政府支出を増加させると、長期の市場金利に上昇圧力が加わり、これが次第に民間投資などを抑制するメカニズムが働きます。これに対して、政府支出が拡大するもとでも、中央銀行が市場金利の上昇を抑制すれば、民間投資などへのマイナスの影響は限られ、景気刺激効果の強まりが期待できます。

今般の、景気後退局面と武漢肺炎による経済活動の低下というダブルパンチに対処するためには、政府の積極財政と日銀の緩和政策の両輪で対処するしか方法はないのです。

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2020年3月6日金曜日

「銃器使用も辞さない」北朝鮮、新型コロナで中国に通告―【私の論評】北朝鮮は中国に厳しい要求をつきつける一方、韓国は反日に走る迷走ぶり(゚д゚)!


朝鮮人民軍の兵士たち

◯中国人がわが国(北朝鮮)の人民と接触しないようにしてほしい。

◯鴨緑江の周辺で中国人が活動できないようにしてほしい。

◯鴨緑江の山麓で汚物と動物の死体を捨てないようにしてほしい。

◯鴨緑江周辺と国境地帯から、わが国に向けて大声を叫んだり、写真を撮ったりしないようにしてほしい。

◯密輸と共に非法越境を幇助する行為を統制して欲しい。

◯動物の放牧を禁止し、もし動物がわが国の方に越えてきても、人は付いてこないようにしてほしい。

◯わが国の国境警備隊は、中国人が原則に従わない場合、最大限公正に処理する。(ただし、状況によって避けられない場合は銃器の使用も許可する)
わが国はこのような鴨緑江国境地帯において発生する現象に非常に遺憾に思い、中国の公安局と軍隊の厳しい調査と対策を要求する。


2020年2月29日

 朝鮮民主主義人民共和国国家保衛省

 
 これは、デイリーNKの朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部の情報筋が、国家保衛省(秘密警察)が中国の辺防部隊(国境警備隊)に送った「鴨緑江を含む国境沿線(地帯)の全地域における伝染病と関連し、中国人の行動を統制し、規則を尊守することについて」という、抗議の意を込めた通知文の要約だ。

 国家保衛省は先月29日、平安北道(ピョンアンブクト)、慈江道(チャガンド)、両江道(リャンガンド)、咸鏡北道(ハムギョンブクト)にある、すべての税関を通じてこの通知文を伝達した。

 北朝鮮は、新型コロナウイルス対策の一環として国境を封鎖するなど、過剰とも取れる対策を取っているが、今回の通知文は人間、動物を問わず、中国との接触を完全にブロックしたいという北朝鮮当局の願望がよく現れた文章となっている。

中朝国境の鴨緑江

 中国との国境を流れる鴨緑江、豆満江の河原には、かつて北朝鮮側から多くの人が洗濯、水汲みなどで降りていたが、密輸や脱北を取り締まる名目で禁止されてしまった。一方で中国側では、羊や牛に水を飲ませるために河原に降りてくることが少なくない。情報筋は「おそらくこれに対する信訴(ブログ管理人注:中国の「信訪」と同様に、理不尽な目に遭った国民が、そのことを権力中央に直訴するシステムで、一種の「目安箱」のようなもの。元々は法制度の外で運用されていたものが、1998年に制定された信訴請願法で、法的根拠が与えられた)を受けた中央政府は、これ以上見逃せないと判断しているのでは」と見ている。

 (参考記事:北朝鮮「川接近禁止令」で住民の暮らしに支障

 「伝染病が先に広がった中国人が感染を広げる可能性が高いのに、わが国だけが徹底的に統制しても、中国人に川の周辺でウロウロされては病気を防げないという懸念が反映されたようだ」(情報筋)

 ここで注目すべきは「違反者には銃器の使用も辞さない」という強硬姿勢だ。北朝鮮は、金正恩氏の命令に基づき、密輸、脱北などに対して射殺を含めた厳しい対処を取ってきた。

 (参考記事:中朝国境の川で4人射殺…「金正恩命令」実行の一部始終

 2003年には、脱北者56人が射殺される事件すら起きている。ただし、中国人を射殺したとなっては外交問題になりかねないため、中国人への銃器の使用は控えられてきたようだ。

 (参考記事:中国公安の内部文書「鴨緑江に脱北者56人の射殺体」

 しかし、最高指導者が指示した「超特級防疫任務」を遂行するためには、このような強攻策も辞さない姿勢を見せることで、中国側に抗議の意を示したものと思われる。

 (参考記事:新型コロナ「平壌など23人死亡」…金正恩に極秘集計の衝撃情報

 情報筋によると、中国側は「共同の努力が必要だ」と共感を示しつつも、銃器使用については「絶対に反対する」と通知した。

 「中国側も国境管理の即時実行と徹底した統制に入るだろう。朝鮮と中国が有機的、持続的にコミュニケーションを取りつつ行われるため、当分の間は蟻一匹通さない厳戒態勢となるだろう」(情報筋)

 しかし、中国側の川べりには数多くの民家、交通量の激しい道路が存在する。北朝鮮側の要求どおりに統制を厳しくするにも限界があるのだ。
デイリーNKジャパン


【私の論評】北朝鮮は中国に厳しい要求をつきつける一方、韓国は反日に走る迷走ぶり(゚д゚)!

北朝鮮、とにかく北朝鮮に新型コロナウイルスが入ってこないように、必死になっていることがよくわかります。持てる力で、コロナウイルスの蔓延を食い止めようという金正恩の並々ならぬ決意がみられます。防疫体制も整っていない北朝鮮では、これが政府にとってできる精一杯のことなのでしょう。

それにしても、中国に対してもこのような厳しい要求をするのですから、やはり以前からこのブログに掲載してきた、北朝鮮とその核が、朝鮮半島への中国への浸透を防いでいるというのは正しいようです。私達は、北の核というと、韓国や日本、そうして米国を狙っていることは認識していますが、同じ北朝鮮の核が当然のことながら、北京等の中国の都市も狙っていることを忘れてしまいます。

日本の親中派には、このような厳しい要求は、できないことです。そうして、日本国内の親中派に配慮せざるを得ない、安倍総理もなかなかできないことです。

一方、韓国の文在寅大統領は、できないどころか迷走しています。

韓国大統領府 青瓦台

韓国大統領府は6日、国家安全保障会議(NSC)の常任委員会を開き、新型コロナウイルスで韓国からの入国を大幅制限する日本政府への対抗措置を検討する方針を決めたそうです。会議後、大統領府が「相互主義にのっとった措置を含む必要な対応策を検討する」と発表しました。日本政府に対して「事前の協議なく不当な措置を取ったことは納得しがたい」と強く反発したそうです。

大統領府は日本政府の防疫措置に対しても「不透明で消極的な措置により、国際社会から不信を持たれている」などと強い不満を示しました。韓国外務省は同日中に趙世暎(チョ・セヨン)第1次官が冨田浩司駐韓大使を呼び、抗議する予定だとしています。同省は日本訪問に際して注意を促す旅行警報の第1段階を発令中です。第4段階まである警報引き上げなどを検討しているとみられます。

一方、同省によると韓国からの入国禁止や隔離など、何らかの検疫強化策を取っている国・地域は6日時点で100に上っています。保健福祉省は同日、同国の感染者が前日より518人増えて6284人になったと発表しました。聯合ニュースは死者が計43人になったと報じました。

安倍晋三首相は5日に、新型ウイルスの感染が拡大する中国と韓国からの入国者を医療施設などに2週間待機するよう要請する措置を取ると表明しました。短期滞在向けのビザ(査証)の効力も停止します。

日本の措置は、防疫のためであって、政治的なものではありません。文在寅大統領のこれに対する、発言などは全く理解不能です。韓国からの入国禁止や隔離など、何らかの検疫強化策を取っている国・地域は6日時点で100に上っていますが、日本以外の国に対しては、どうするつもりなのでしょうか。

日本は、中国に対しても全域からの入国制限をしましたが、中国政府も人民レベルでも当然であるとの受け止め方がされていて、韓国のような異様な反応は示していません。

日本の防疫措置まで、反日にすり替えてしまうのですから、異常です。韓国が何をしても、日本にはさほど影響はないですし、そんなことより日本としては、防疫体制を整えることが最優先です。韓国はしばらく無視で良いです。

韓国外務省の趙世暎第1次官は6日夜、日本とのビザ免除措置を9日から停止すると発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、日本政府が発表した韓国からの入国制限強化を受けた事実上の対抗措置としています。趙次官は「日本から流入する感染病を徹底して統制する」と強調したそうです。

6日、ソウルの韓国外務省で、康京和外相(右)と会う冨田浩司駐韓国大使

日本としては、韓国からの入国制限をしているくらいですから、よほどの例外を除いて、現在韓国に入国しようとする日本人などいないでしょう。これで、報復したつもりなら、何やら韓国政府はまるでピエロのようです。

北朝鮮は、拉致被害者問題があるので、これからも交渉など、関係を続けていくべきとは思いますが、韓国とはこれを機に断交で良いと思います。今回のコロナウィルスをめぐって、日韓はますます縁遠くなりそうです。

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2020年3月5日木曜日

<独自>事実上、中国人と韓国人の入国を制限 イランも新たに対象―【私の論評】台湾の動きに注目!日本の親中派は今のままだと中共の道連れに(゚д゚)!


新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、関西国際空港の検疫検査場では、
サーモグラフィーで入国者の体温を確認していた=1月23日午前(須谷友郁撮影)

政府は5日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染を防ぐ水際対策として、中国と韓国に所在する日本大使館で発行した査証(ビザ)の効力を停止する方針を固めた。香港・マカオ・韓国はビザなし入国の特例も停止する。

 中国と韓国には、観光客の来日を自粛するよう要請する。これにより、事実上中国人と韓国人の入国を制限することになる。

 韓国に対しては、滞在歴のある外国人の入国を拒否する地域を大幅に拡大する。具体的には、慶尚北道慶山市、安東市、永川市、漆谷郡、義城郡、星州郡、軍威郡が新たに対象となる。これまでは、大邱と慶尚北道の一部が入国制限の対象だった。

 イランも新たに入国の制限対象とし、コム州、テヘラン州、ギーラーン州を対象地域にあげた。

 5日夕の国家安全保障会議(NSC)の会合で確認する。

 中国と韓国からの入国者は、検疫法に基づく「停留」措置を取り、政府指定の施設などで2週間隔離したうえで、入国許可を出す。

 また、中国と韓国からの航空便の到着空港を成田空港と関西空港に限定する。船舶は、中国と韓国からの旅客運送を停止するよう要請する。

【私の論評】台湾の動きに注目!日本の親中派は今のままだと中共の道連れに(゚д゚)!

私自身は、上記の措置を待ち望んでいました。特に中国からの入国制限は、一ヶ月前から実行すべきと思っていました。

何やら、様々な理由で、中国全域からの入国制限には意味はないとする人々もいましたが、たとえそれが正しかろうと、間違いであろうと、まずは中国からの入国は最初制限すべきだったと思います。

最初の時点で、中国からの入国者はを検疫法に基づく「停留」措置を取り、政府指定の施設などで2週間隔離したうえで、入国許可を出すようにしていれば、そもそも中国全域の入国制限に意味がないか、あるかは実際に検査できたはずです。

その時に、中国全域からの入国制限が無意味とわかれば、入国制限を解除すれば良いですし、意味があるなら継続ということで良かったと思います。

しかし、一ヶ月遅れたとはいえ、実施されたことは非常に良かったです。

本日は、この他菅義偉官房長官が午後の記者会見で、日中両政府が4月上旬で調整してきた中国の習近平国家主席の国賓としての来日について、時期を再調整すると発表しました。

菅官房長官

これに関しては、首相は2月28日、首相官邸で中国の外交担当トップである楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けつち)共産党政治局員と面会した際、「十分な(習氏来日の)成果を挙げるために入念な準備を行わなければならない」と述べ、来日時期よりも成果を重視する考えを強調し、延期を示唆していました。事実上この時で延期は決まっていたのですが、今日正式に発表したということです。

今日まで、発表が遅れたのは、やはり党内の親中派に対して懐柔する必要があったのかもしれません。私自身は、もうとっくに延期は決まったものと断定していたので、本日の発表には驚きました。そういわれてみれば、正式の発表は今日までなかったことに気づきました。

日本における新型コロナウイルスの流行はもはや危機的状況であり、これを抑えるためには、できることは何でもしなければいけない段階にきていると見るべきであると、台湾と比較して、そういう人も多いです。しかし、これは本当に正しいのかどうかは、なんともいえないことをこのブログで以前掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
五輪延期では済まぬ。韓国式「新型肺炎」検査が日本経済を潰す―【私の論評】武漢肺炎も、数値で見て客観的に物事を判断しないとフェイクに煽られる(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。

今後、このようなデマが多く出回ることでしょう。以下はデマとまでいえるかどうかわかりませんが、日本での感染者数はかなり多いと認識されているようですが、そうともいえないデータがあります。それを以下に掲載します。

以下の表は、武漢肺炎感染者数の人口比率(2020/03/03)です。

感染に限らず統計は、客観的に見ないと理解できませんし、見方を誤ってしまいます。上の表は、感染者➗人口の比率で比較した表です。 
この表でみると、現在では韓国が世界で一番感染率が高いです。少なくとも、韓国の防疫体制が優れているとはいえないことがわかります。それと、中国の統計は単純に信じることはできないと思います。中国の経済統計はデタラメです。コロナウイルスの感染者数だけが、正しいということはできないと思います。 
この表によれば、日本は16位ということで、19位の台湾とあまり変わりません。現時点では、特に日本が台湾などの他国と比較して、格段に防疫体制が格段に劣っているとは思えません。
台湾の人口は、約2千3百万人です。日本の人口は、1億2千万人 です。日本の人口は、台湾の5倍以上です。これでは、単純比較はできないわけで、やはり感染者者数の人口比でみるのが正しいです。

そうすると、台湾と日本とでは、感染比にさほど大きな差異があるとはいえないことがわかります。しかし、若干の違いはあります。この差異が当初に中国からの入国を制限したものによるかどうかは今後の経過をみていけばわかるでしょう。

さて、日本と台湾では感染比ではさほど違いはないのですが、それでも日本は台湾に見習うべきところがあります。

とにかく、台湾の反応は素早かったです。まず中国大陸との各種往来をいったん絶ちました。また、中国の意向を汲んで台湾の出席を拒み続けてきたWHOに対して、「台湾人の健康と命の安全」という人道上の問題として訴えることで国際会議への台湾のオブザーバー参加を認めさせました。

1月早々に専門家を交えた緊急対応会議を開き、2月2日から空港などの検疫体制を強化。台湾での感染者が出ていない1月20日の段階で「国家感染症指揮センター」を立ち上げて、水際作戦の体制を整えました。

1月23日には蘇貞昌行政院長の「マスク輸出制限指示」があり、2月6日にはマスク購入実名制度を導入し、オンラインマップでマスク在庫状況を公開しました。さらには政府補填による民間企業へのマスク増産指示、医療機関への優先的配布といったと素早い対応で、各国で起きているマスクの買い占めによる不足や高額転売問題を回避しました。

台湾がこれほど果断に素早く政策を打ち出せたのは、蔡英文政権がここにきて台湾の親中派財界や大陸世論を考慮しなくてよいほど、台湾社会の反中感情が高まったせいもあります。

蔡英文台湾総統

こうした台湾の動きと対照的なのが、日本の中国政府への配慮からくる新型肺炎対応の鈍さです。

どうして日本がこういうことになったかといえば、主に以下に3つの点があると思います。
①WHOの機能不全と厚労省のリスク管理部門が杜撰
②二階幹事長を初め多数の親中媚中派がいて中国に支援すべきと動いたこと。そのため、菅官房長官と総理の関係が現在最悪の状態になっていること  
③日本企業は中国で利益を得ても持って帰れない。撤退すればBSが一気に壊れ 倒産する企業も出てくる可能性が高いという現実がある。
このような複合的な要因が重なり、日本政府は中国に配慮して、なかなか思い切った措置がとれなかったようです。

しかし、かつての台湾も中国との結びつきが強く、中国への配慮は欠かせなかったのですが、最近の台湾はそうではなくなっています。

蔡英文政権2期目のテーマは台湾の国際社会における国家承認の推進です。こうした方向性は中国側から武力恫喝と経済制裁を伴う強い圧力を受けると想像されていました。

武力に関しては、さすがの中国側もなかなか実際の行動はとらないとしても、台湾と中国の長年の経済緊密化のせいで、中国からの経済制裁はかなり台湾経済に強い打撃を与えると予想されていました。

ところが幸か不幸か、新型肺炎という突然の疫病蔓延で、台湾だけでなく世界各国で中国との人的交流、物流の制限が否応なくかけられることになったのです。

2月10日は中国が全国の工場再稼働を宣言した日ですが、台湾はこれに合わせて、中国との直行便を北京、上海など5空港をのぞき全面一時停止措置をとり、海運交通なども大幅に制限をかけました。

中国に工場をもつ台湾企業社員や、中国工場で働く台湾人労働者に足止めを食らわせた格好です。台湾企業としては早々に中国に戻って工場を再稼働させたいところでしょうが、「両岸の人民に感染を拡大させていいのか」と問われればイエスとは言えずにいます。

武漢封鎖当初、武漢市に残っていた1140人余りの台湾人の帰国問題も、2月3日に第1チャーター便で戻った247人の中に感染者が出たことから、台湾政府としては受け入れが整っていないとして、依然900人が台湾に戻れないままだ。

一方、総統選挙の動きの中で、完全に中国共産党の代理政党に落ちぶれていることが発覚した国民党は、親中路線からの脱却を図ろうとしている。中国共産党の言いなりだった呉敦義が選挙惨敗の責任をとって党主席を辞任したあと、元台北市長の郝竜斌と立法委員の江啓臣が主席の座を争うことになったが、ともに台湾ファースト、脱中国イメージを訴えています。

中国全域からの入国禁止の措置に関しては、政府の小中高校などのほぼ全面休日など国民に対して厳しい措置をしていながら、中国人は日本に自由に入り我が者顔で、町を闊歩するようなことにでもなれば、国民の反発は必至ということで、さすがに親中派もいつまでも、全域からの入国禁止を拒むことはできなかったのでしょう。

安倍総理は、元々セキュリティダイヤモンド構想で中国封じ込め政策を主張していました。これは、オーストラリア、インド、アメリカ合衆国(ハワイ)の3か国と日本を四角形に結ぶことで4つの海洋民主主義国家の間で、インド洋と太平洋における貿易ルートと法の支配を守るために設計されたものです。

中国の東シナ海、南シナ海進出を抑止することを狙いとします。日本政府としては尖閣諸島の領有問題や中東からの石油輸出において重要なシーレーンの安全確保のため、重要な外交・安全保障政策となっています。インド太平洋、Free and Open Indo- Pacific Strategyの概念の確立、アメリカの対アジア戦略に「Indo-Pacific economic vision」(インド太平洋構想)として採用されました。

その安倍首相が、二階氏など自民党内で重要なポストについている議員などのため、党内政治を円滑にするため、中国に配慮せざるを得なくなっているので、新コロナウイルス対策においても、なかなか思い切った手が打てなかったのでしょう。

しかし、安倍首相も、中国全域から入国制限に踏み切ることを決意したのです。台湾では、すでに国内世論は反中国に大きく傾いています。この世論には、さすがの国民党も逆らえなくなっているのです。

台湾にできたことは、日本にもできるはずです。日本も、今回の新コロナウィルスを奇貨として、自民党内はもとより政治家の親中派、マスコミの親中派、財界の親中派などの力を弱めていくべきです。

台湾もそうですが、わずか数年前までの米国も親中派が幅をきかせていて、その状況はどうにもらないように見えていました。トランプ氏など絶対に大統領にならないだろうと見られていました。しかし、そうではありませんでした。

米台にできて日本にできないはずがありません。現在の中国はもともと経済がかなり弱っていたことに加えて、現状はコロナ肺炎で大変なことになっています。しかも、経済もコロナ肺炎も中国共産党の自業自得である部分がほとんどです。

それに、米国からかなり厳しい対中国冷戦を挑まれています。これは、どう考えても、中国に勝ち目はありません。

米国は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化などするつもりのない中国共産党に見切りをつけ、かつてのソ連に対してそうしたように、中国の経済がかなり弱体化するまで冷戦を継続します。

日本の親中派も、かつての米国のパンダハガー(親中派)のように中国に配慮しても無意味であることを理解すべきです。そうでないといずれ中共の道連れになるでしょう。

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2020年3月4日水曜日

五輪延期では済まぬ。韓国式「新型肺炎」検査が日本経済を潰す―【私の論評】武漢肺炎も、数値で見て客観的に物事を判断しないとフェイクに煽られる(゚д゚)!

五輪延期では済まぬ。韓国式「新型肺炎」検査が日本経済を潰す訳

総理の記者会見

2月27日に安倍首相が突如発表した全国一斉休校が、各方面で大きな波紋を呼んでいます。なぜ政府は、混乱が予想されるこのような判断をするに至ったのでしょうか。米国在住の作家・冷泉彰彦さんは自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、今回の対策の真意、すなわち「国策」をあぶり出すとともに、もしも日本がこの先韓国のようにPCR検査を拡大した場合、経済崩壊に追い込まれる危険性があることを指摘しています。

全国小中高一斉休校、問題を抱えたギャンブルか?

それにしても唐突でした。改めて振り返ってみると、

2月25日(火)……基本方針発表、重症者増加回避策を最優先
2月26日(水)……基本方針に追加してイベント自粛要請
2月27日(木)……全国一斉休校方針発表
2月29日(土)……総理会見

という順序だったわけですが、いかにも急な判断であったという印象です。イベント全面自粛や全国一斉休校というのが、予め決定されていたら、25日の基本方針と一緒にまとめて発表すればよかったわけですが、日に日に厳しくなる情勢判断のもとでは仕方なかったのかもしれません。

良かったのは、この4つの発表には矛盾がないことで、1つの一貫したストーリーにはなっていることです。仮に、この4つの発表に矛盾点があるようですと、社会は大混乱に陥った可能性があり、少なくともそれだけは回避されたのは良かったと思います。

矛盾がない一貫したストーリーというのは、以下のような考え方です。
  • 市中感染は全国で相当に拡大していると見ている
  • また、若年層においては感染しても軽症でインフルと見分けがつかないか、無発症のケースも相当に出ているであろう
  • 市中感染が拡大し、その多くが無発症のケースだとすれば、これを放置すればどんどん拡大する。この点についてはSARSよりも、インフルよりも厳しい条件だと考えられる
  • その結果として、重症者が増加して医療機関が対応できなくなり、救命できる重症事例が救命できないケース、これが最悪シナリオであり、このシナリオを避けるのが国策の最優先事項である
この点に関しては、少なくとも2月25日以降の政府は「ブレて」はいません。例えば、加藤勝信大臣は、この25日の時点で「先手先手」ということを言っていました。この点に関して言えば、例えば春節時における膨大な入国許可とか、「ダイヤモンド・プリンセス」での防疫といった点に関しては「後手」であり、弁明の余地はありません。

ですから、この25日の「先手先手」という加藤発言は批判を浴びたわけですが、この発言に限って言えば、加藤大臣は「後手に回った過去の失態」を否定したり、ウヤムヤにしようとしたわけではないと思います。「医療機関の受け入れ体制が崩壊して、救命できるケースの救命ができない」という最悪シナリオに対しては、「まだ間に合うので先手を打っていく」という趣旨での発言であり、この点に関しては理解できますし、29日の総理会見に至る一連の施策との整合性もあると思います。

そこまでは良いことにしましょう。と言いますか、これは決定された国策であるばかりか、極めて大人数の生死のかかった判断であり、その対策の効果が見えないうちから否定したり妨害するべきものではないと思います。

問題は次の2点です。

1.子供は重症化しないという報告がある一方で、子供は無発症のまま感染を拡大させる可能性があり、高齢者や基礎疾患を持つ成人に感染させて重症患者を発生させるのを抑止するために、学校の一斉休校は有効と考えられます。

ところが、そのような説明は「結果を得られない」可能性があるため「子供の命と健康を守る」という説明に「言い換え」をしています。その判断が吉と出るか、凶と出るかはギャンブル性が高いと思います。

2.PCR検査については、キャパに限界がある中で軽症者、無症者が検査のために医療機関に殺到すると、必要な患者の検査ができず、治療体制を潰すことになります。また、医療機関こそ感染の場になりうることもあり、若年者や軽症、無症状の人を対象とした検査は最小限としたいわけです。

更に言えば、ウィルス量が少ない患者の場合は陰性判定となりますが、それで本人が100%安全と誤解するとかえって危険です。また韓国のように徹底的に検査しても一定程度以上感染拡大した場合は、制圧にはつながりません。従って、隠された国策としては、PCR検査の大規模化には消極的とならざるを得ません。

ですが、検査に消極的だなどという方針は明快に説明はできないので曖昧な説明をせざるを得ません。けれども、それが政府不信やモラルダウンを招くと感染拡大につながる可能性があり、この意図的な曖昧姿勢それ自体にもギャンブル性があるわけです。

この2つの問題は非常に重たい課題を含んでいます。

まず1.ですが、一斉休校をするにあたって、仮に「お子さんは重症化しません。ですが無症状のままクラスター化することが回避できれば、結果的に多くの人命を救うことができます」という言い方にしたらどうでしょう?この説明の方が誠実と思いますが、どう考えても「回りくどい」わけです。

ですから、対策を徹底するには「お子さんの健康と命を守るため」という「言い換え」をした方が「結果が得られる」という判断になるのはわかります。更に言えば、安倍政権(の周辺)では、アンチ安倍の世論というのは比較的高学歴・高収入であり、ここまで人命のかかった問題には「ヘソを曲げて来ることはない」という判断があったのかもしれません。仮にそうなら、(そうだとは絶対言うはずはないですが)それも分かります。

しかし、この「言い換え」作戦には問題もあります。今回の休校が「子どもの健康と命を守るため」だと100%真に受ける世論もあり、その中では「無症状なら健康」だという判断の元で、塾に行くのはいいだろうとか、満員電車に乗せて職場に子連れ出勤してもいいだろうという判断を誘発してしまうからです。

反対に対策の真意が理解されている、つまり「無症状の子どもが隠れたクラスターを形成して、静かなパンデミックを誘発、気づいたら重症者が溢れて救命がお手上げに」というシナリオを回避するということで、それが理解されていたらどうでしょうか?塾へ行こうとか、子連れ出勤を認めるのはいい会社という判断は、また別のものとなって行くのではないでしょうか。

一点だけ思うのは、学童保育については、余り批判しなくていいようにも思います。学童に行かざるを得ない子どもというのは、少なくとも「相当に高い率」で「高齢者とは同居していない」からで、仮にそこで自覚のない感染が起きても、直接的に重症者を生み出す可能性は低いからです。

反対に、ベビーシッター代わりに地方から祖父母を呼び寄せて一時同居というのは、ちょっとマズいのではないかとも思います。

この問題は2.も重なって来ます。つまり政府としては、
  • 無症状者や無症状の子どもは、PCR検査をしない
  • 従って、無症状の子どもによるクラスターが発生する可能性はあるが、それは可視化できないし、しない。
  • だからこそ、一斉休校措置により統計的に感染の可能性を抑え込むしかない
というのを国策としたわけです。一連の発表には一貫性があるというのは、そういうことです。現時点では、国としてはこの政策に賭けることにしたわけです。つまり、これが国策です。そして、繰り返しになりますが、その最大の問題はギャンブル性ということです。

勿論、このコロナウィルスの新型については、分からないことも多いわけで、そう考えるとどんな政策も100%正しいわけではなく、ギャンブル性があるわけですが、それはさておき、「高齢者、基礎疾患のある人は重症化する」「反対に子どもは重症化しないばかりか、無症状のまま感染源になることもある」ということを前提とした場合に、「全校一斉休校」「PCR検査は積極的にはしない」「軽症者、軽症疑い者は自宅療養」というのは理にかなっていると考えられます。

問題は、そこを「言い換える」、つまり「一斉休校は子どもを守るため」「PCR検査は拡大へ向けて努力中」と言う言い方にすることで、果たして世論が正しく反応するかは、そこにギャンブル性があるという点です。

この点に関しては、ヒヤリとさせられる事件がありました。

というのは、3月2日に開かれた参議院予算委員会で立憲民主党の村田蓮舫議員が、

「高齢者施設などに対して、イベント自粛や学校の一斉休校と同等の対応をしないのはなぜなのか」

一方で、この村田議員の質問に対しては、報道によれば自民党の松川るい議員による不規則発言(ヤジ)があったそうです。これは、加藤勝信厚労大臣が回答している間のことだそうで、

「高齢者は歩かないから」

という発言だったようです。更に驚いたのは、村田議員は、これに対して、

「自民党席から、高齢者は歩かないから、と松川議員が野次りましたけど、こんな認識でご高齢者の命を守るという認識を与党議員が持っているのに驚きました」

と怒ったようですから、こうなると村田議員が国策の趣旨を全く理解していないことは明白です。政党間の駆け引きとか、野党としてのアンチ権力という伝統というような話の遥かに以前の問題で、とにかく全く伝わっていないわけです。これは怖いことです。


ちなみに、別の報道では、松川議員は「あくまで小中高生と高齢者を比較の問題として発言した」と弁明したそうで、「誤解を与える表現だった」として謝罪したそうです。

これも全く別の意味で怖いことです。村田議員と比較するわけではありませんが、松川議員という人は、自民党議員団の中でも頭脳明晰な政治家だと思います。松川議員の発言は、この国策が何よりも「高齢者の重症化を抑止し、救命できるケースは全て救命する」ということを目的としているという点とは矛盾しませんし、恐らくはその国策を正確に理解しているように見受けられます。

怖いというのは、にもかかわらず(というのはあくまで推測ですが)松川議員の頭脳をもってしてもとっさに国策の正確な説明ができなかったというのは、やはりこの政策を世論に伝えるのは難しいと思ったからです。

もしかすると、松川議員は内閣の閣僚たちよりも正確に国策の趣旨を理解した上で、「これをストレートに世論に説明するのは不可能だし危険」という判断の元でピエロ役を買って出たのかもしれませんが、仮にそう(まさかとは思いますが)だとすると、やはり政策遂行の上でのギャンブル性は明白ということになります。

もしかすると、村田議員にしても全てを分かった上で、あくまでアンチ安倍の野党パフォーマンスというスタイルに徹したということなのかもしれませんし、そうなると、村田=松川の掛け合いもシナリオのある出来レースということになります。仮にそうだとしても、これだけ多くの人命のかかった大問題に対するアプローチとしては不適切です。

ところで、こうしたギャンブル性を一切外して、全く別のアプローチに転じるというオプションも勿論あります。

それは韓国方式とでも言うべきもので、民間の企業も幅広く対象としてPCR検査を思い切り拡大するという方法です。そうなれば、陽性の人の隔離を徹底することで問題が可視化して封じ込めが容易になる、そんなイメージがあります。

ですが、その場合も、無症状の若者や子どもがウィルスを持っていても検査には引っかからず、後日クラスターを作ってしまうというようなケースが出るようですと、これは抑え込めません。反対に、前述したように「100%の確度ではないにも関わらず、陰性だと安心しきってしまう」という中で相当な副作用もあると思います。

それ以前の問題として、猛烈な数の検査が可能になって、その結果として猛烈な数の陽性者が出てしまうと、これは五輪の延期などという話だけでなく、ただでさえ弱くなっている日本経済がボロボロになってしまう危険性もあるわけです。更に言えば、軽症の陽性者を安心して自宅療養させるのは難しく、結局は医療体制を潰してしまうことにもなる可能性があります。

そうなると、100%可視化した透明性のある施策のように見える「ニーズに応えたPCR検査」というアプローチも、それ自体が大きなギャンブルになるということです。ちなみに、現時点でのアメリカは「余計な検査はしない」という姿勢で、本日(2日の月曜日)の現時点ではNY株が大幅に反発しているのも、その効果と言えるように思います。

コロナウィルス問題に関する議論としては、現時点、つまり3月2日時点での論点はそのあたりになるのではと考えます。

冷泉彰彦

東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

【私の論評】武漢肺炎も、数値で見て客観的に物事を判断しないとフェイクに煽られる(゚д゚)!

上の記事の分析はかなり鋭いと思います。安倍政権のギャンブルなどとしているところは、いただけないと思いますが、安倍政権が現在まで、コロナウイルスに関する知見から、感染をなるべく広げず、高齢者の重篤化を防ぎ、なるべく多くを救命するということで、大きな賭けに出たのは間違いないです。

そうして、こうした政策に関しては、現在我々は協力できることは協力すべきです。ワイドショー等では、責任論を問う声もありますが、ワイドショーにでてくる専門家、識者などはこの政策に責任を負える立場ではありません。責任論は後からで良いです。

それに、すべての情報が整った上でないと責任など問えないです。あまりに責任論に特化した、ワイドショーなど百害あって一理なしだと思います。

それにしても、つい先日このブログでも指摘したように、毎年インフルエンザに1000万人が感染して、直接間接が原因で年間1万人が死亡しているのです。だから、新型コロナウイルスに過度に脅威を覚えるべきではないですが、何しろ未知のウイルスですから、過度に楽観的になることなく、政府や自治体の規制に従いつつ、様子を見るというのがペストと言えると思います。

その上で、デマに煽られないようにすべきです。その意味では、上の冷泉氏の記事も、全部が正しいとか、間違いなどというのではなく、参考にすべきものと考えていただきたいと思います。無論私のこの記事もそうです。

デマというと、最近ではトイレットペーパーの不足です。これは、鳥取県の米子医療生活協同組合は、組合運営の事業所職員がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で、新型コロナウイルスの感染拡大に関連して「トイレットペーパーが品薄になる」などと誤った情報を投稿したことなどを起因として発生したものです。

今後、このようなデマが多く出回ることでしょう。以下はデマとまでいえるかどうかわかりませんが、日本での感染者数はかなり多いと認識されているようですが、そうともいえないデータがあります。それを以下に掲載します。

以下の表は、武漢肺炎感染者数の人口比率(2020/03/03)です。


感染に限らず統計は、客観的に見ないと理解できませんし、見方を誤ってしまいます。上の表は、感染者➗人口の比率で比較した表です。

この表でみると、現在では韓国が世界で一番感染率が高いです。少なくとも、韓国の防疫体制が優れているとはいえないことがわかります。それと、中国の統計は単純に信じることはできないと思います。中国の経済統計はデタラメです。コロナウイルスの感染者数だけが、正しいということはできないと思います。

この表によれば、日本は16位ということで、19位の台湾とあまり変わりません。現時点では、特に日本が台湾などの他国と比較して、格段に防疫体制が格段に劣っているとは思えません。

こうしてみると、日本は世界的にみても人口の多い国であることがわかります。中国などは例外中の例外です。人口比でみると、韓国が一番感染していることになります。

このブログでは、数に関してはなるべく客観的であるように努めてきました。たとえば、中国で2010年あたりから、中国では毎年10万件ほど暴動が起こっているとされていますが、中国の人口13億人(最近14億人になりました)ですが、日本の人口は1億2千万人であることを考えると、中国で10万件というと、日本では人口が約1/10とみて1万件発生している勘定になります。

1万件というと、日本であってもこれはとんてもないことであるということが、ひしひしと伝わってきます。

これと同じく、どのような数字も客観的に見ないと、意味を持ちません。感染者数だけでみるというのは、あまりに非合理的だと思います。日本国内で比較するにも、都道府県単位の人口比率でみたほうが、より客観的になると思います。

ただし、人口比でみたとしても、東京は人口が約1千万、北海道は500万人ですから、東京と比較しても、北海道は突出して感染者数が多いです。

北海道では、新型コロナウイルスの感染者が今日までに82名に上っています。政府の専門家会議では、小規模な集団感染「クラスター」の発生が指摘され、25日には感染者数が東京都を上回って都道府県別で最多となりました。なぜ感染が相次ぐのでしょうか。統計データや専門家らの見解から「検査数が比較的多い」「冬の一大観光地」という要因が見えてきました。

北海道内の新型コロナウイルスの感染検査は道立衛生研究所(札幌)など2カ所で行い、1日最大で約60件の検査が可能です。1月25日正午現在では、全道で計170人に実施され、道の担当者よれば「許容量を超えずに、必要な検査ができている」といいます。

ただし、愛知県は検査態勢が「道内とほぼ同規模」(担当者)とされていますが、感染者は本日で49人です。

道内が国内有数の冬の人気観光地であることを踏まえ、人と人が接触する機会が増え、必然的にウイルスに触れる可能性が高まっていると考えられます。

冬場の観光需要は全国的に落ち込む傾向にあるが、道内はスキー場や流氷など冬ならではの観光地が多いです。2018年の観光庁の調査によると、道内の1~3月の宿泊客数は約457万人。集計済みの30都道県の中で東京都、千葉県に次いで3番目に多いです。

さらに冬場の観光地点や行事開催場所は1200地点と全国最多いです。雪を避けて屋内で楽しめる施設も少なくないです


2018年に北海道を訪れた訪日外国人客は298万人を記録しており、日本を訪れた3,119万2,000人のうち9.6%もの外国人が北海道を訪れていることになります。北海道単体で見ると、訪日外国人客数は前年比12.9%と順調な伸びを見せています。

北海道を訪れる外国人の特徴としては特にアジア圏からの訪日客が多く、中国からは71万9,500人、韓国からは67万7,600人、台湾からは60万3,900人が訪日しており、全体の9割近くがアジア圏からの訪日客となっています。これらも、感染の多いことの原因の一つにもなっているものとみられます。

デマが多い現状では、一番便りなるのは数字だと思います。テレビのワイドショーなどでは、特に数字も出さす、結果として不安を煽っているものも多数目にします。私達としては、武漢肺炎関連等でも、なるべく数値で見て、客観的に物事を判断すべきです。

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2020年3月3日火曜日

日本経済「コロナ恐慌」回避への“劇薬政策”投入あるか 日銀談話の影響は限定的 識者「10兆円補正」「消費減税」提案―【私の論評】コロナ対策で安倍総理がフリーハンドで経済対策に打ち込める状況が整いつつある(゚д゚)!


アベノミクスで長期政権を維持してきた安倍晋三首相の正念場だ

新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への打撃は深刻度を増している。発生源の中国では景気指標が過去最悪を記録、イベント自粛や一斉休校など非常態勢の日本も消費の大幅な落ち込みは避けられない。迫りくる「コロナ恐慌」を回避するためには、「消費税の事実上の減税」や「マイナス金利を活用した緊急融資」など劇薬政策を投入するしかない。


中国の2月の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)は35・7と節目の50を大きく下回り、記録が確認できる2005年1月以降で過去最悪。リーマン・ショック直後の08年11月の38・8よりひどい水準だ。

韓国やイタリアでも大規模感染し、米国でも初の死者が出た。米調査会社ムーディーズ・アナリティクスは世界経済が今年前半に景気後退に入る可能性があるとみる。

日本も政府の要請で全国的なイベントの中止や延期を余儀なくされている。観光やサービス、小売が低迷、企業業績の下方修正も続出するとみられ、昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)はマイナス成長となったが、今年1~3月期も上向きの要因はない。

政府がとるべき対応策として上武大教授の田中秀臣氏は、「まず20年度の本予算をすぐ通し、3月末ないし来年度初めまでに最低でも6兆円、できれば10兆円の第2次補正予算を猛烈な勢いで通すべきだ」と主張する。

具体的手段として「クーポン券などの配布や社会保険料の減免、臨時で所得税の大幅減税などの案もある」と提案する。

「消費税の軽減税率を全品目に拡大すべきだ」と強調するのは元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏。昨年10月に消費税率が10%に引き上げられた際、酒類や外食を除く飲食料品は軽減税率の対象となり、税率は8%に据え置かれた。これを全品目に拡大すれば、事実上の2%減税となる。

大和総研は、個人消費が2~5月の4カ月間で3兆8000億円程度減ると試算している。

高橋氏は「全品目軽減税率を導入すれば年率換算で5兆円弱の可処分所得を増やすことができる。2~5月で3兆8000億円の消費減少は年率換算では1・3兆円程度相当なので十分カバーできる」と語る。

制度導入は「今ある制度の枠内なので、法改正も簡明だ。トイレットペーパーの買い占めなど、デマに伴う不合理な購買が収まった後に政策を発動すべきだが、国会開会中の5月に改正案を通して、キャッシュレス決済によるポイント還元事業が切れる6月30日からのスタートもありうる」と指摘する。

日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は2日、「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」とする緊急談話を出した。

黒田日銀総裁

株式市場は好反応だったが、前出の田中氏は「談話は国民向けではなく、短期金融市場でやり取りする銀行や証券など狭い市場向けだ。本来は臨時の金融政策決定会合を開き、早急に対応を決めるべきだ」と冷ややかだ。

高橋氏も「談話はさほど強い意味はない。できることも限られるだろう」とした上で、「この際、『マイナス金利緊急融資制度』を作るほうが、より効果的だ」と提言する。

日銀は14年から短期金利の目標をマイナス0・1%とする政策を導入している。

マイナス金利下で政府が国債を発行して資金調達する際、金融機関が額面価格と利払い比の合計よりも高い額で入札するケースが多く、浮いた分が国の“儲け”になっている。

高橋氏は「政府はマイナス金利で資金調達可能という利点を生かして、政府系金融機関を通じてマイナス金利で企業に融資することが可能だ。財政投融資の仕組みを生かせば、国に損はないので法改正がなくても導入できる」と解説する。

マイナス金利融資となると、利息を払うどころか、借金すればするだけ儲かるという前代未聞の状態となる。企業としてはいくらでも借りたいところだが、そんなうまい話があるのか。

「民間銀行は当然、民業圧迫だと反対するだろうし、財務省もやりたがらないはずだ。だが、新型コロナウイルスによる経済への打撃は深刻で、現状は非常時といえ、国の儲けを民間に還元しても問題はないはずだ。融資に上限を設けたり、ある程度業種を絞ることで、国民の理解を得られるのではないか」と高橋氏。

異次元の金融緩和を軸としたアベノミクスから約7年。新たな異次元政策が必要なときだ。

【私の論評】コロナ対策で安倍総理がフリーハンドで経済対策に打ち込める状況が整いつつある(゚д゚)!

安倍晋三首相は1月28日午前、衆院予算委員会で、玄葉光一郎委員(立国社)の質問に答えて、新型コロナウイルスの内外での感染拡大による日本経済への影響について、予備費もあり、直ちに予算が不足することはないとの認識を示し、事態の推移を注視する考えを示した。その上で、日本経済に大きな下振れリスクが生じないよう、「必要なら思い切った対策をしていきたい」と語りました。

まさに、今は危急存亡の時です。すぐにでも、できる経済対策を実行、さらに時間のかかるものもあわせて、2重、3重の構えで、できることは全部実行していただきたいものです。もしそれで景気が加熱したとしても、どうにでもできます。まずは、加熱させることが重要です。

安倍晋三首相は2月29日の夕方、緊急の記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた政府の取り組みなどを説明しました。



2月27日夕に、全国の小中高校に対して3月2日から春休みまで臨時休校するよう要請したことについて、
何よりも子供たちの健康、安全を第一に、多くの子供たちや教職員が日常的に長時間集まる、そして、同じ空間を共にすることによる感染リスクに備えなければならない。
とし、国民に理解を求めました。

この29日の会見で注目すべきは、「新型コロナ対策」を理由に、「何でもあり」の景気対策に道を開いたことです。

学校の一斉休校に伴って保護者が休職した場合の所得減に、「新しい助成金制度を創設」し、
正規・非正規を問わず、しっかりと手当てしてまいります。
と明言しています。また、
業種に限ることなく雇用調整助成金を活用し、特例的に1月まで遡って支援を実施します」
とも述べました。

さらに、中小・小規模事業者の強力な資金繰り支援なども行うとしました。政府が個人や企業に直接、所得補填するのは政策的には「禁じ手」で、平時ならば「ばら蒔き」との批判を受けかねないです。

今後、制度や法律を作る段階で、どこまでを新型コロナによる影響とするかなど、難題が出てくるでしょうが、それも「非常時」ということで、許容されるのでしょうか。

実のところ、新型コロナ対策を「理由」にできることは、深刻な景気減速に直面しつつあった安倍内閣にとっては、救いの船とも言えるかもしれません。

2019年10-12月期の実質GDP(国内総生産)の成長率は、年率換算でマイナス6.3%と大幅なマイナス成長になりました。前の消費増税直後である2014年4-6月期はマイナス7.1%、東日本大震災の影響が出た2011年1-3月期はマイナス6.9%だったので、これに次ぐ激震に見舞われたことになります。


もちろんこの段階では新型コロナの影響はあまり出ていません。2019年10月からの消費増税に伴う家計消費支出の大幅な減少が響いたのです。

そうでなくても弱い国内消費が、消費増税によって一気に悪化した格好になったのです。

そこに、さらに新型コロナによる経済停滞が加われば、国内消費は「底が抜ける」のは明らかです。消費を下支えする「唯一の期待」だったインバウンド消費が激減することは火を見るよりも明らかです。

たとえば、日本百貨店協会が発表した1月の全国百貨店売上高は、前年同月比3.1%の減少となりましたが、それでも春節による中国人訪日旅行客の増加で、免税売上高は20.9%も増加したのです。1月の全体の売上高は4703億円で、そのうち免税売上高が316億円なので、6.7%を占めたことになります。もちろん免税対象品以外も買われているので、インバウンド消費の効果は大きいです。

逆に言えば、免税売上高が2割も増える中で、全体は3.1%も減ったわけで、昨年10月の増税から4カ月たってもいかに国内消費が弱いかということが分かります。

また、春節期間(1月24日〜30日)の免税売上高は2ケタのマイナスだった百貨店が目立ったと報道されましたが、それでも1月全体のインバウンド依存は大きかったわけです。何しろ、1月の中国からの訪日旅行客は92万4800人と、前年同月に比べて22.6%も増えています。

ちなみに、春節後の2月1日まで、日本政府が武漢を含む湖北省などからの旅行者受け入れを停止せず、その後も中国からの旅行者を規制していないことにも批判が集中しています。

しかし、仮に春節前に中国からの旅行客をブロックしていたら、消費は目も当てられない悪化ぶりになっていたことは容易に想像が付きます。

なお、昨年は2月に春節があったので、対前年同月比では2月のインバウンド消費が落ち込むのはもちろん、これに新型コロナ問題が加わったことで激減することになりました。百貨店大手4社が3月2日に発表した2月の売上高速報は、大丸松坂屋百貨店が21.8%減、三越伊勢丹が15.3%減など、軒並み2ケタのマイナスになりました。

また、様々な行事が中止になっている3月は、訪日客が激減していることもあってさらに消費が落ち込む懸念が強いです。

インバウンド消費で最も影響が大きいのは、4月です。ここ数年、中国などアジア各国の人たちの間で、日本の桜を見るツアーが人気を博してきました。4月の訪日客は、実は春節の月よりも多いです。

たとえば2019年の場合、春節の2月は260万人だったが、4月は292万人。多くの国が夏休みの7月(2019年は299万人)に次いで、4月がインバウンドの稼ぎ時なのです。

現状では、4月の旅行計画を組むのは難しいでしょうし、今年の「桜の時期」は例年になく外国人観光客が少なくなるに違いないです。

2019年の訪日外国人旅行消費額は、観光庁の推計によると4兆8113億円。うち36.8%に当たる1兆7718億円が、中国からの旅行者です。まだ訪日客も増えてインバウンド効果もあった今年1月はともかく、2月以降の数値では、確実にインバウンド効果が減少しているはずです。

しかも、いまや訪日客減は中国からだけではなく世界傾向であるため、仮に全体の旅行消費が半減したとすると、2019年実績数値から単純計算すれば、2月からの3カ月間で6000億円の消費が消えることになります。

こうした消費の減少で中小企業の収入が激減し、資金繰りが悪化した場合、政府がそれを支援する、というのが今回の会見で安倍首相が示した方針です。これを融資で支援するのであれば通常の危機対応でもあるので、それほどの混乱はないかもしれないです。

しかし、収入の減少や雇用の確保に向けた人件費の負担を政府が行うことになれば、その財政負担は大きいです。それでも考えられる限りの支援を安倍首相は行うつもりに違いないです。そうして、それはこのブログで過去に主張してきたように可能です。

経済が猛烈な勢いで縮小しかねない時に政府が財政支出をするのは、伝統的な経済対策です。しかし、土木工事を中心とする公共事業では経済を底上げする力が弱くなってきていることは明らかです。政府の支出額以上に経済効果が大きくなる「乗数効果」、特に短期的な効果は下がっているのです。

経済全体のサービス化が進み、消費がGDPの55%近くを占める中で、土木や建築などの工事に従事する人の数も減り、全国的に消費を押し上げることが難しくなっているのです。

今回、「非常事態」ということで、消費産業や働く個人に直接、国の財政支援が行われる仕組みができれば、予想外に景気下支えの効果を引き出すことができるかもしれないです。

さらに新型コロナが終息した直後からの景気の立ち上げを力強くするためには、本格的な消費支援策を打ち出す必要が出てきます。

もっとも効果があるのは、「消費税の減税」でしょう。消費税だけではなく、所得税等他の税制の減税も充分に考えられます。そうなると、このブロクでも紹介してきたような、米国のトランプ減税のようなことも多いに考えられます。

このブログにも過去に掲載してきたような、減税などの一見「奇抜な案」は実現不可能とみられがちでしたが、「非常時」に乗じれば、安倍政権が実行に移すことも可能になるはずです。

平時であれば、財務省やその走狗達は、徒党を組んで、これらに大反対キャンペーンを展開し、財務省の官僚はご説明資料を持参して、マスコミ、財界、経済学者や民間エコノミストに日参して、緊縮の必要性をとき、増税を繰り返し、マスコミ、財界、エコノミストラがそれに追随しました。現状そのようなことをすれば、批判の的になるのは明らかです。

多くの国民、企業は、コロナ対策で実際に被った損失をなんとかしたいと思うはずで、それに対して財務省が国の借金がどうのこうの、国債は将来世代へのつけという嘘八百を並べ立てても、今回ばかりは共感は得られないでしょう。

まさに、安倍総理がフリーハンドで経済対策に打ち込める状況が整いつつあるのです。今後日本でも、様々な積極財政のあり方が模索されることになるかもしれません。そうして、日本でも機動的な財政政策が実行される契機となるかもしれません。

財務省とその走狗らで気をつけなければならないのは、コロナ対策で景気がコロナ直前の水準に戻った時です。緊縮脳の彼らは、もう戻ったから対策はやめるべきと主張するでしょう。そのとき、彼らの口車にのって経済対策をやめてしまうことです。

コロナ直前は決して良い状況ではなかったのですから、良い状況になるまで、経済対策を続けるべきなのです。

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2020年3月2日月曜日

「国会質問で不当な人権侵害」原英史氏が森ゆうこ参院議員を提訴 国会議員の「免責特権」どこまで許されるのか? 作家・ジャーナリスト、門田隆将氏が緊急寄稿―【私の論評】国会での誹謗中傷は、処罰しないと野党は認知症になるだけ(゚д゚)!


門田隆将氏

国民民主党の森ゆうこ参院議員の国会質問によって、不当な人権侵害を受けたとして、政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)座長代理の原英史氏が25日、東京地裁に損害賠償訴訟を起こした。作家でジャーナリストの門田隆将氏が緊急寄稿した。


 この件をひと言で表現するなら「国会議員による国民に対する誹謗(ひぼう)中傷・住所公開事件」となる。

 森氏は昨年11月15日の参院予算委員会で、毎日新聞の記事を根拠に、原氏が特区提案者から金銭を受け取ったとして、「国家公務員なら斡旋(あっせん)利得、収賄で刑罰を受ける」と発言し、自身のホームページで原氏の自宅住所を公開した。

森ゆうこ参議院議員

 だが、森氏の質問の根拠となった毎日新聞は昨年6月、原氏から損害賠償訴訟を起こされている。同紙は法廷で、原氏が金銭を受け取ったという報道をしたつもりはないと答弁をしている。あぜんとする主張である。

 にもかかわらず、森氏は国会の場で、原氏を糾弾した。

 原氏は「事実無根の誹謗中傷」として謝罪・訂正を求めたが、森氏は応じなかった。国会議員が議院で行った演説や討論、表決は、憲法第51条に定められた「免責特権」の対象となるのだ。

 これで納得できるはずがない。免責特権がある以上、「国会内」で自律的に対処するのが筋として、原氏は参院に対して、6万7000人分のネット署名を添えて「森氏の懲罰」を求める請願を行った。

 ところが、原氏の請願に応えたのは日本維新の会だけだった。それ以外の与野党は完全無視し、森氏も、原氏の度重なる謝罪・訂正要求を無視し続けた。

 原氏は泣き寝入りか、一個人として国会議員と戦うかという“二者択一”を迫られた。

 最終的に、原氏は提訴に踏み切った。森氏が原氏の自宅住所情報をネットで拡散したことなどは「国会外での不法行為」にあたり、免責特権で保護されないとの主張だ。

原英史氏

 多くの国民は、野党議員の傍若無人な振る舞いや、新聞や週刊誌をもとにした「事実の裏取りもしてもいない」質問内容にあきれている。国政調査権を有する国会議員による国会での質問は、新聞や週刊誌の“下請け”であってはならない。

 原氏はさらに、「国会での言論を検証する独立機関」をつくる構想も持っている。国会議員の言論について、中立・客観的で、事実に基づく検証・提言を行う、「国会版BPO」である。

 こうした組織ができれば、国会にも緊張感が生まれる。国民への名誉毀損も「平気だ」といった言動も減るはずだ。国民のために動いた、原氏の果敢な決断を評価したい。


 原氏の提訴について、森氏は28日、事務所を通じ、「まだ訴状を見ておりません。特別申し上げることはございません」とコメントした。

【私の論評】国会での誹謗中傷は、処罰しないと野党は認知症になるだけ(゚д゚)!

原 英史(はら えいじ、1966年)は日本の文筆家で、政策コンサルタント、元通産省・経産省職員。フェイクニュース研究所副所長と称しています。株式会社政策工房代表取締役社長で、大阪府市統合本部特別顧問です。

以前、経産省の職員であったことはありましたが、今では純然たる民間人です。森ゆうこ参議院議員は、その民間人を侮辱するだけではなく、住所を公開したりしたのですから、これはもう良識の範囲を完璧に逸脱しています。

Change.orgでは、原氏を支援するキャンペーンを実施しています。その内容を以下に掲載します。なおこのキャンペーンでは、趣旨に賛同するとともに、支援金を寄付できるようになっています。
賛同いただける皆さまに署名お願いいたします。 
【発起人】
朝比奈一郎、生田與克、池田信夫、岩瀬達哉、上山信一、加藤康之、岸博幸、鈴木崇弘、髙橋洋一、冨山和彦、新田哲史、原英史、町田徹、八代尚宏、屋山太郎
(敬称略、五十音順)
=======
参議院議長殿 
 憲法第51条では、「両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」とされています。 
 しかし、だからといって、誤った報道に安易に依拠した名誉毀損など、国会議員による不当な人権侵害は許されるべきでありません。 
 この観点で、森ゆうこ参議院議員に対し、以下の理由から、除名などの懲罰を検討いただくことを求めます。 
 あわせて、こうした事案の再発防止のため、さらなる対策を国会において検討いただくことを求めます。

【理由】
 森ゆうこ議員は、10月15日参議院予算委員会で、原英史・国家戦略特区 ワーキンググループ座長代理が不正行為を行ったかのような発言を繰り返したうえ、「(原氏が)国家公務員だったらあっせん利得、収賄で刑罰を受ける(行為をした)」、すなわち「原氏が財産上の利益を得た」との事実無根の虚偽発言をしました。
 森ゆうこ議員は、発言の根拠として、6月11日の毎日新聞一面記事をパネル化して提示・配布しました。しかし、この記事が虚偽報道であることは、原氏が根拠を挙げて繰り返し説明しています(別紙:10月14日の公開記事、これまでの毎日新聞への反論)。 
 同氏は毎日新聞社に対して名誉毀損訴訟を提起しており、訴訟の中で毎日新聞社は、「原氏が金銭を受け取ったとは報じていない」と弁明していることも、すでに明らかにされています。 
 その状況下で、森ゆうこ議員がNHK中継入りの予算委員会において、十分な事実関係の調査もなしに、何ら根拠のない誹謗中傷を行ったことは、許されるべきでない人権侵害です。

(別紙)
http://agora-web.jp/archives/2042082.htmlhttp://agora-web.jp/archives/author/haraeiji
このほか、必要に応じ、さらに理由を追加します。
このような議員の傍若無人な振る舞いは決して許されるものではありません。私自身は、このような振る舞いが許されているからこそ、国会での不毛な論議がいつまでも継続されるのだと思います。

国会をまともな場にするためにも、このようなキャンペーンは有意義だと思います。

さらに、森議員は、国会審議の場では「国家公務員だったら斡旋利得、収賄で刑罰を受ける」と発言した一方で、ツイッター上では「仮に金銭の授受があれば、特区WG委員に公務員と同等の倫理規定がないため、刑事罰を課されないないものの、脱法行為ではないのか」と発言しています。


一見、同じような表現に見えますが、実は微妙に表現を使い分けています。国会では事実があったとほぼ断言している一方で、ツイッター上では“仮に金銭の授受があれば”と仮定の話に変えています。

かつ、国会では“あっせん利得、収賄”と犯罪行為であるかのように決めつけているのに、ツイッター上では“倫理規程“と弱い話にすり替えられています。

森議員は、国会では免責特権があって責任を問われないので意図的に激しい表現で原氏を誹謗中傷し、ツイッター上では訴訟リスクがあるので表現を弱めたとしか考えられません。憲法第51条がある中で、こうした狡猾な使い分けが行われているのが現実なのです。

私は、憲法改正で第51条を大幅に弱めることが必要と思いますが、それは難しいでしょう。しかし、その場合でも、たとえば国会議員が国会審議の場で他者の誹謗中傷、名誉毀損、人権侵害につながる発言を行なった場合、両院が当該懲罰を課すとともに、被害を受けた者に国会の中で事実確定と名誉回復の機会を与えるなど、知恵を出せばやりようはいくらでもあります。

今回の訴訟が、単なる法定論争に終わることなく、なにかこのような動きにつながることを期待しています。

そうでないと、日本の野党は国会で弛緩して、頭をつかわず、楽に楽を重ねて、現在の馬鹿の次元から認知症にすすむのではないかと思います。ツイッターの投稿よりも、頭を使わないですむ国会であってはいけないです。

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