日本の名目GDP世界4位が確定 政財界からは楽観視する声も「一喜一憂する必要はない」
ドイツ国民は物価高で苦しめられている |
2023年の名目GDP(=国内総生産)がドイツに抜かれ世界4位が確定したことについて、政財界からは楽観視する声も出ています。
- 名目GDPと実質GDPは、どちらも国内総生産(GDP)を表す指標だが、物価変動の影響を受けているかどうかで異なる。
- 名目GDPは、実際に取引されている価格に基づいて算出され物価上昇の影響を受ける。一方、実質GDPは、ある年の価格水準を基準として物価変動の影響を除いたGDP。
- 経済成長率を測るには、実質GDPを用いる必要がある。名目GDPは物価上昇の影響を受けているため、経済の実体的な成長率を反映していないからでだ。
- 名目GDPと実質GDPの違いをよく知らないマスコミなどがドイツとの比較大騒ぎしているが、日本の名目GDPを問題とするなら、過去30年にもわたってこれが上がらなかったことだ。
名目GDPと実質GDPは、どちらも重要な経済指標ですが、それぞれ異なる役割を持っています。
名目GDPは、経済規模の単純比較やインフレ率計算などに使用されますが、経済の実体的な成長率を測るには実質GDPを用いる必要があります。特にインフレ率の計算のためには必要不可欠です。
それぞれの指標の特徴を理解し、目的に合わせて使い分けることが重要です。
ドイツ経済は、2020年に新型コロナウィルスの影響で大きく落ち込みましたが、2021年と2022年には力強く回復しました。
2023年は、ウクライナ戦争の影響で景気減速が予想されています。
名目GDPは物価上昇の影響を受けているため、実質GDPよりも高い伸び率を示しています。
2023年の実質GDPはマイナス成長となり、2020年以来初めて経済が縮小しました。
日本経済は、2020年に新型コロナウィルスの影響で大きく落ち込みましたが、2021年と2022年には緩やかに回復しました。
名目GDPは物価上昇の影響を受けているため、実質GDPよりも高い伸び率を示しています。
コアコアCPIは、季節変動などが激しい生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価指数です。
2023年12月時点で、日本のコアコアCPIは1.4%、ドイツのコアコアCPIは8.7%となっています。
ドイツのコアコアCPIは、日本よりも大幅に高い上昇率を示しています。これは、ウクライナ戦争の影響によるエネルギー価格の高騰がドイツ経済に大きな影響を与えていることを示しています。コアコアCPIには、エネルギー価格等はふくまれませんが、様々な産業活動等にはエネルギーが用いられます。そのため、エネルギー価格が高騰するとコアコアCPIも上昇するのです。
特に原発を全部廃炉にしたことが、大きいです。
日本のコアコアCPIは、2022年11月に0.8%まで上昇した後、2023年12月には1.4%まで上昇しています。これは、日本でも物価上昇が徐々に拡大していることを示してはいるものの、これは日銀が金融緩和策を継続しているからであり、正常な範囲内に収まっており異常なものではありません。
マスコミや一部の識者など、上のように総合的な判断をせず、一つの指標だけで判断して、得意の日本悲観論を語っています。このような論調には煽られないようにしましょう。
私は、名目GDPがドイツに抜かれたなどということは、何の問題もないと思いますが、過去30年間日本の名目GDPが伸びずほぼ同じであったことが問題だと思います。
その要因は、黒田総裁より前の日銀が実体経済におかまいなしに、長きにわたって、金融引き締めを行ってきたことが原因であり、それを批判してこなかったマスコミや識者に大きな問題があると思います。
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